JP2010048284A - オイルシール及びそれを使用した回転軸のシール構造 - Google Patents

オイルシール及びそれを使用した回転軸のシール構造 Download PDF

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Abstract

【課題】回転軸のシール構造において、使用するオイルシールのシール部のリップエッジが傷ついて油漏れが生じるのを防ぐ。
【解決手段】オイルシールは、円筒状の外周部22と、フランジ部23と、筒状のシール部24を柔軟弾性材料により一体的に形成したシール本体21を備え、シール部の内周には回転軸15の外周に当接されるリップエッジ24aが形成されている。シール部の先端部から同軸的に延びる筒状の保護リップ26は、シール部の先端部に連結されてシール部から離れるにつれて次第に径が減少する縮径部26aと、それに続いて次第に径が増大する円錐状の内面26dを有する先端部26bよりなり、保護リップの内面の縮径部と先端部の境界部となる最小径部26cの径はリップエッジの径よりも小とする。先端部にスプライン16が形成された回転軸の外周には、スプラインから離れた位置に保護リップの最小径部よりも小径となる逃げ部17を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ケーシングに設けられた回転軸の壁部を貫通する部分に装着されて、壁部の両側の空間の間をシールするオイルシールと、このオイルシールを使用した回転軸のシール構造に関する。
この種のオイルシールとしては例えば特許文献1に開示されたものがある。図3はこれと実質的に同じ構造のオイルシール1を示したものであり、円筒状の外周部3と、この外周部3の一端縁から内方に延びるフランジ部4と、このフランジ部4の内縁から外周部3と略平行に延びる筒状のシール部5を柔軟弾性材料により一体的に形成したシール本体2を備え、ケーシングに装着される外周部3とそれに続くフランジ部4には金属環7を一体的に設けて補強し、シール部5の内周には内方に突出して、ケーシングに支持される回転軸の外周面(符号15Aで示す)に締め代hが与えられて当接されるリップエッジ5aを一体的に形成し、シール部5には軸線方向においてリップエッジ5a付近となる外周にガータスプリング8を装着したものである。シール本体2には、シール部5の根本部から半径方向内方に斜め外向きに突出するダストリップ6が一体形成されている。
特開2008−20031号公報(図1及び図6)。
図1に示すように転がり軸受11を介してケーシング10に支持された回転軸15を、上述したような従来技術のオイルシール1によりシールする場合には、回転軸15をその先端側からシール部5内に挿入して、オイルシール1の外周部3をケーシング10の取付孔10cに装着する。シール部5のリップエッジ5aには回転軸15の外周面との間でシールするために締め代hが与えられているので、図1に示すように回転軸15の先端側にスプライン16が形成されている場合には、リップエッジ5aはこの挿入の際に締め代hの分だけスプライン16の外周に弾性的に押し付けられて摺動されるので、スプライン16の山部の角により傷つけられるおそれが大きい。シールのためにリップエッジ5aが接触する部分は、スプライン16から根本側に外れた回転軸15の円筒状の外周面15aであるが、リップエッジ5aが一旦傷つけられるとリップエッジ5aと外周面15aの間の接触部分から油漏れが生じるという問題が生じる。本発明はこのような問題を解決することを目的とする。
このために、本発明によるオイルシールは、円筒状の外周部と、この外周部の一端縁から内方に延びるフランジ部と、このフランジ部の内縁から外周部と同軸的に軸線方向に延びる筒状のシール部を柔軟弾性材料により一体的に形成し、シール部の内周にはフランジ部から軸線方向に離れた位置に、外周部と同軸的に配置される回転軸の外周に締め代が与えられて当接されるリップエッジを内方に突出して一体的に形成したシール本体を備えたオイルシールにおいて、シール本体にはシール部のリップエッジよりも先となる先端部から同軸的にフランジ部と反対側に延びる筒状の保護リップを一体的に形成し、保護リップは、シール部の先端部に連結されてシール部から離れるにつれて次第に径が減少する縮径部と、この縮径部に続いてシール部から離れるにつれて次第に径が増大する円錐状の内面を有する先端部よりなり、保護リップの内面の縮径部と先端部の境界部となる最小径部の径はリップエッジの径よりも小としたことを特徴とするものである。
前項に記載のオイルシールにおいて、自由状態における保護リップの最小径部の径は、その径を回転軸の外周の径となるまで拡開すれば、シール部のリップエッジの径が回転軸の外周の径と同一またはそれよりも大となるように設定することが好ましい。
前2項に記載のオイルシールにおいて、シール部には、軸線方向においてリップエッジ付近となる外周にガータスプリングを装着することが好ましい。
前3項に記載のオイルシールにおいて、シール本体の外周部及びフランジ部には補強用の金属環を一体的に設けることが好ましい。
また、本発明によるオイルシールを使用した回転軸のシール構造は、ケーシングの壁部に形成された取付孔に円筒状の外周部が装着された請求項1〜請求項4の何れか1項に記載のオイルシールと、ケーシングに取付孔を同軸的に貫通するように設けられて先端部にスプラインが形成された回転軸よりなるオイルシールを使用した回転軸のシール構造において、回転軸の外周にはスプラインの根本部から軸線方向にスプラインの山径とほゞ同径で滑らかな円筒状の外周面をおいてオイルシールの保護リップの最小径部よりも小径となる逃げ部を形成し、オイルシールがケーシングの取付孔に装着された状態では、リップエッジは回転軸の滑らかな外周面に当接され、保護リップの最小径部は逃げ部内に位置されていることを特徴とするものである。
本発明によるオイルシールは、先端側にスプラインなどが形成されこのスプラインなどの根本部から軸線方向に滑らかな円筒状の外周面をおいて外周に逃げ部が形成された回転軸と組み合わせて使用するものである。請求項1の発明によれば、シール本体にはシール部のリップエッジよりも先となる先端部から同軸的にフランジ部と反対側に延びる筒状の保護リップを一体的に形成し、保護リップは、シール部の先端部に連結されてシール部から離れるにつれて次第に径が減少する縮径部と、この縮径部に続いてシール部から離れるにつれて次第に径が増大する円錐状の内面を有する先端部よりなり、保護リップの内面の縮径部と先端部の境界部となる最小径部の径はリップエッジの径よりも小としたので、オイルシールを装着するために回転軸をシール部内に挿入すると、柔軟弾性材料よりなる保護リップの先端部の円錐状の内面が先ず回転軸のスプラインなどの先端部に当接して、保護リップの内面の縮径部と先端部の境界部となる最小径部の径がスプラインの山径となるまで拡開されて、スプラインが最小径部内に挿入される。縮径部のこの拡開により保護リップと一体形成されたシール部のリップエッジも拡開されて、回転軸の外周との間の締め代が減少し、あるいは回転軸の外周との間に隙間が生じるので、回転軸を挿入する際に、リップエッジがスプラインの山部などの回転軸の外周の突出部との摺動により傷つけられるおそれは減少し、あるいは全くなくなる。従って回転軸の外周とリップエッジの接触部分から油漏れが生じるおそれは減少し、あるいは全くなくなる。外周部が取付孔内に嵌合されてオイルシールがケーシングに装着された状態では、最小径部は逃げ部内に入って回転軸と接触しなくなり、リップエッジはスプラインの根本部と逃げ部の間となる回転軸の滑らかな外周面に締め代が与えられて当接されて、オイルシールの両側の空間の間はシールされる。
自由状態における保護リップの最小径部の径は、その径を回転軸の外周の径となるまで拡開すれば、シール部のリップエッジの径が回転軸の外周の径と同一またはそれよりも大となるように設定するようにした請求項2の発明によれば、保護リップの最小径部の径がスプラインの山径となるまで拡開されれば、シール部のリップエッジの径が回転軸の外周の径と同一またはそれよりも大となって回転軸の外周との間の締め代が0となり、あるいは回転軸の外周との間に隙間が生じるので、回転軸を挿入する際に、リップエッジがスプラインとの摺動により傷つけられるおそれは全くなくなる。従って回転軸の外周とリップエッジの接触部分から油漏れが生じるおそれも全くなくなる。
シール部には、軸線方向においてリップエッジa付近となる外周にガータスプリングを装着するようにした請求項3の発明によれば、オイルシールのシール性を高めるためにシール部の柔軟性を高めてもリップエッジによる回転軸の外周に対する締め付け力を安定した値とすることができるので、オイルシールのシール性を向上させることができる。
シール本体の外周部及びフランジ部には補強用の金属環を一体的に設けた請求項4の発明によれば、オイルシールのシール性を高めるためにシール本体の柔軟性を高めても、ケーシングに対するオイルシールの取り付けを確実に行うことができる。
また、ケーシングの壁部に形成された取付孔に円筒状の外周部が装着された前述した各請求項に記載のオイルシールと、ケーシングに取付孔を同軸的に貫通するように設けられて先端部にスプラインが形成された回転軸よりなるオイルシールを使用した回転軸のシール構造において、回転軸にはスプラインの根本部から軸線方向にスプラインの山径とほゞ同径で滑らかな外周面をおいてオイルシールの保護リップの最小径部よりも小径となる逃げ部を形成し、オイルシールがケーシングの取付孔に装着された状態では、リップエッジは回転軸の滑らかな外周面に当接され、保護リップの最小径部は逃げ部内に位置されている請求項5の発明によれば、外周部が取付孔内に嵌合されてオイルシールがケーシングに装着された状態では、最小径部は逃げ部内に入って回転軸と接触することはなく、従ってリップエッジはスプラインの根本部と逃げ部の間となる回転軸の滑らかな外周面に締め代が与えられて確実に当接されるので、オイルシールの両側の空間の間はシールされる。オイルシールを装着する際には、回転軸をシール部内に挿入すれば、柔軟弾性材料よりなる保護リップの先端部の円錐状の内面が先ず回転軸のスプラインの先端部に当接して、保護リップの内面の縮径部と先端部の境界部となる最小径部はスプラインの山径となるまで拡開されて、スプラインが最小径部内に挿入される。縮径部のこの拡開により保護リップと一体形成されたシール部のリップエッジも拡開されて、回転軸の外周との間の締め代が減少し、あるいは回転軸の外周との間に隙間が生じるので、回転軸をシール部に挿入する際に、リップエッジがスプラインの山部などの回転軸の外周の突出部との摺動により傷つけられるおそれは減少し、あるいは全くなくなる。上述のようにオイルシールが装着された状態では、リップエッジは滑らかな外周面に締め代が与えられて確実に当接され、また回転軸をシール部に挿入する際に、リップエッジがスプラインの山部などとの摺動により傷つけられるおそれは減少し、あるいは全くなくなるので、オイルシールの両側の空間の間は確実にシールされ、回転軸の外周とリップエッジの接触部分から油漏れが生じるおそれは減少し、あるいは全くなくなる。
以下に、図1及び図2により、本発明によるオイルシールの最良の形態の説明をする。この実施形態のオイルシールは、柔軟弾性材料により外周部22とフランジ部23とシール部24とダストリップ25と保護リップ26を一体的に形成したシール本体21と、補強のために外周部22とフランジ部23の内部に埋設固着された金属環27と、シール部24の外周に装着されたガータスプリング28により構成されている。
図1及び図2に示すように、シール本体21は外径に比して短い円筒状の外周部22と、この外周部22の一側縁から内方に延びるフランジ部23と、このフランジ部23の内縁から外周部22と同軸的に軸線方向に延びる筒状のシール部24と、シール部24に続く保護リップ26を、略コ字形となるようにニトリルゴムなどの弾性ゴム(柔軟弾性材料)により一体的に形成したものである。シール部24はフランジ部23の内縁に一端が連結されて軸線方向に延びる筒状で、その内周にはフランジ部23から軸線方向に離れた位置に、リップエッジ24aが内方に突出して一体的に形成されている。シール部24には軸線方向においてリップエッジ24a付近となる外周に環状溝24bが形成され、この環状溝24bにはリップエッジ24aによる後述する回転軸15の外周に対する締め付け力を安定させるためのガータスプリング28が装着されている。フランジ部23とシール部24の境界部付近からは半径方向内方に斜め外向きに突出するダストリップ25が一体形成され、外周部22とフランジ部23内には補強のためのL形断面形状の金属環27が一体的に埋設固着されている。
シール部24には、リップエッジ24aよりも先となる先端部から同軸的にフランジ部23と反対側に延びる筒状の保護リップ26が一体的に形成されている。この保護リップ26は、シール部24の先端部に一体的に連結されてシール部24から離れるにつれて次第に径が減少する縮径部26aと、この縮径部26aに続いてシール部24から離れるにつれて次第に径が増大する円錐状の内面26dを有する先端部26bよりなり、保護リップ26の内面の縮径部26aと先端部26bの境界部には最小径部26cが形成される。この保護リップ26が本発明によるオイルシールの特徴部分を構成している。
上述した構造のオイルシール20のシール部24のリップエッジ24aの径は、外力が加わっていない自由状態では、後述する回転軸15の外周(図2に符号15Aで示す)よりも半径において距離eだけ小さくなっている。またこの自由状態では、保護リップ26の内周面の縮径部26aと先端部26bの境界部となる最小径部26cの径は、半径において距離eよりも相当大きい距離fだけ、回転軸15の外周よりも小さくなっている。保護リップ26とシール部24は柔軟弾性材料により一体形成されているので、保護リップ26の最小径部26cの径を弾性的に拡開すればそれにつれてシール部24及び保護リップ26の各部も変形し、ガータスプリング28もともに変形する。この実施形態では、自由状態における保護リップ26の最小径部26cの径は、その径を回転軸15の外周の径となるまで拡開した場合に、シール部24のリップエッジ24aの径が回転軸15の外周の径よりも半径でわずかな距離gだけ大となるように設定する。
上述したオイルシール20が装着されるケーシング10には、図1に示すように、壁部10aに形成したボス部10b内に嵌合した軸受11を介して回転軸15が支持され、この回転軸15はボス部10bに同軸的に形成した取付孔10cを貫通して外部に延び、その先端部には部品を取り付けるためのスプライン16とその谷径よりも細い締付ねじ18が形成されている。オイルシール20は、ボス部10bに形成した取付孔10cに外周部22が嵌合されて取り付けられる。回転軸15の外周には、スプライン16の根本部から、軸線方向にスプライン16の山径とほゞ同径で滑らかな円筒状の外周面15aをおいて、オイルシール20の保護リップ26の最小径部26cよりも小径となる逃げ溝(逃げ部)17が形成されている。
次に上述したような回転軸15が支持されたケーシング10に、前述したオイルシール20を装着する手順を、図1により説明をする。先ず回転軸15と同軸的にオイルシール20を保持してスプライン16の先端側から回転軸15に接近させる。二点鎖線20Aに示すように、回転軸15の最先端の締付ねじ18だけが保護リップ26の最小径部26cに挿入された状態では、オイルシール20の何れの部分も回転軸15と接触されず、保護リップ26の最小径部26cの径は自由状態のままで、半径において距離fだけ回転軸15の外周よりも小さくなっている。矢印aに示すようにオイルシール20をケーシング10に向けて押し進めれば、保護リップ26の先端部26bの円錐状の内面26dがスプライン16の先端の面取り部15bに当接して保護リップ26の最小径部26cの径は押し広げられ、回転軸15のスプライン16の山径(スプライン16の根本部から逃げ溝17の間の滑らかな円筒状の外周面15aの径とほゞ同じ)まで弾性的に拡開され、最小径部26c内にスプライン16が押し込まれて二点鎖線20Bに示す状態となる。この状態ではシール部24も保護リップ26とともに弾性変形され、そのリップエッジ24aの径は拡開されてスプライン16の山径よりも大となり、スプライン16の山部との間に隙間gが生じるので、シール部24内に回転軸15を挿入する際にリップエッジ24aがスプライン16の山部により傷つけられるおそれはない。
この状態から矢印bに示すようにオイルシール20をケーシング10に向けてさらに押し進めれば、外周部22がケーシング10の取付孔10cに嵌合されるとともに、リップエッジ24aはスプライン16の根本部を通り過ぎて滑らかな円筒状の外周面15aの範囲に入り、さらに進んで外周部22が取付孔10cの最奥部まで嵌合されて停止される。この状態では図1の実線で示すように、保護リップ26の最小径部26cは逃げ溝17内に入って回転軸15と接触しなくなって、シール部24は図1の二点鎖線20Aで示す状態に戻るので、リップエッジ24aは回転軸15の滑らかな円筒状の外周面15aに締め代eが与えられて当接されて、オイルシール20の両側の空間の間はシールされる。
このように上述した実施形態によれば、回転軸15をシール部24に挿入してオイルシール20をケーシング10に装着する際にリップエッジ24aがスプライン16の山部により傷つけられるおそれはなく、また装着が完了した状態ではリップエッジ24aは回転軸15の滑らかな円筒状の外周面15aに締め代eが与えられて当接されるので、回転軸15の外周とリップエッジ24aの接触部分から油漏れが生じるおそれはなくなる。
なお上述した実施形態では、自由状態における保護リップ26の最小径部26cの径は、その径を回転軸15の外周の径となるまで拡開すれば、シール部24のリップエッジ24aの径が回転軸15の外周の径よりも半径でわずかな距離gだけ大となるように設定しており、このようにすればシール部24のリップエッジ24aとスプライン16の山部との間にわずかな隙間gが生じるので、シール部24内に回転軸15を挿入する際にリップエッジ24aがスプライン16の山部により傷つけられるおそれは全くない。しかしながら本発明はこれに限られるものではなく、自由状態における保護リップ26の最小径部26cの径は、その径を回転軸15の外周の径となるまで拡開すれば、シール部24のリップエッジ24aの径が回転軸15の外周の径と同一またはそれよりも多少小さくなるように設定してもよい。その場合は図1の二点鎖線20Bで示す状態におけるリップエッジ24aとスプライン16の山部との間に隙間gが0になり、あるいは多少の締め代が生じるようになるが、そのような締め代がある限度以下であれば、オイルシール20をケーシング10に装着する際にリップエッジ24aがスプライン16の山部により傷つけられることはないので、回転軸15の外周とリップエッジ24aの接触部分から油漏れが生じることはない。
また上述した実施形態では、シール部24には、軸線方向においてリップエッジ24a付近となる外周にガータスプリング28を装着しており、このようにすればオイルシールのシール性を向上させるためにシール部24の柔軟性を高めてもリップエッジ24aによる回転軸15の外周に対する締め付け力を安定した値とすることができるので、オイルシールのシール性を向上させることができる。
また上述した実施形態では、シール本体21の外周部22及びフランジ部23には補強用の金属環27を一体的に設けており、このようにすればオイルシールのシール性を高めるためにシール本体21の柔軟性を高めても、ケーシング10に対するオイルシールの取り付けを確実に行うことができる。
なお上述した実施形態では、回転軸15の先端にスプライン16が形成された例につき説明したが、回転軸15をシール部24に挿入する際にリップエッジ24aを傷つけるおそれがあるのはスプライン16に限らず、ねじその他の突出部でも同様であり、本発明はそのような突出部を先端に設けた回転軸15に対しても適用可能である。
本発明による回転軸のシール構造の一実施形態の構造及び作用を説明する部分断面図である。 図1に使用するオイルシールの構造を示す部分断面図図である。 従来技術によるオイルシールの一例の図2に相当する断面図である。
符号の説明
10…ケーシング、10a…壁部、10c…取付孔、15…回転軸、15a…外周面、16…スプライン、17…逃げ部(逃げ溝)、20…オイルシール、21…シール本体、22…外周部、23…フランジ部、24…シール部24、24a…リップエッジ、26…保護リップ、26a…縮径部、26b…先端部、26c…最小径部、26d…内面、27…金属環、28…ガータスプリング、e…締め代。

Claims (5)

  1. 円筒状の外周部と、この外周部の一端縁から内方に延びるフランジ部と、このフランジ部の内縁から前記外周部と同軸的に軸線方向に延びる筒状のシール部を柔軟弾性材料により一体的に形成し、前記シール部の内周には前記フランジ部から軸線方向に離れた位置に、前記外周部と同軸的に配置される回転軸の外周に締め代が与えられて当接されるリップエッジを内方に突出して一体的に形成したシール本体を備えたオイルシールにおいて、
    前記シール本体には前記シール部の前記リップエッジよりも先となる先端部から同軸的に前記フランジ部と反対側に延びる筒状の保護リップを一体的に形成し、
    前記保護リップは、前記シール部の前記先端部に連結されて前記シール部から離れるにつれて次第に径が減少する縮径部と、この縮径部に続いて前記シール部から離れるにつれて次第に径が増大する円錐状の内面を有する先端部よりなり、前記保護リップの内面の前記縮径部と前記先端部の境界部となる最小径部の径は前記リップエッジの径よりも小としたことを特徴とするオイルシール。
  2. 請求項1に記載のオイルシールにおいて、自由状態における前記保護リップの最小径部の径は、その径を前記回転軸の外周の径となるまで拡開すれば、前記シール部のリップエッジの径が前記回転軸の外周の径と同一またはそれよりも大となるように設定したことを特徴とするオイルシール。
  3. 請求項1または請求項2に記載のオイルシールにおいて、前記シール部には、軸線方向において前記リップエッジ付近となる外周にガータスプリングを装着したことを特徴とするオイルシール。
  4. 請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のオイルシールにおいて、前記シール本体の外周部及びフランジ部には補強用の金属環を一体的に設けたことを特徴とするオイルシール。
  5. ケーシングの壁部に形成された取付孔に円筒状の外周部が装着された請求項1〜請求項4の何れか1項に記載のオイルシールと、
    前記ケーシングに前記取付孔を同軸的に貫通するように設けられて先端部にスプラインが形成された回転軸
    よりなるオイルシールを使用した回転軸のシール構造において、
    前記回転軸の外周には前記スプラインの根本部から軸線方向に前記スプラインの山径とほゞ同径で滑らかな円筒状の外周面をおいて前記オイルシールの保護リップの最小径部よりも小径となる逃げ部を形成し、
    前記オイルシールが前記ケーシングの取付孔に装着された状態では、前記リップエッジは前記回転軸の滑らかな外周面に当接され、前記保護リップの最小径部は前記逃げ部内に位置されていることを特徴とする回転軸のシール構造。
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