JP2010048205A - オイルポンプ機構の異常判定システム - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンの回転数等の基本的なパラメータに基づいて、オイルポンプ機構の異常を簡単かつ確実に判定することができるオイルポンプ機構の異常判定システムを提供すること。
【解決手段】オイルポンプ機構の制御状態がHigh側制御状態からLow側制御状態に切り替えられた後(S12)、エンジン回転数Neがアイドル回転数Neiよりも著しく低いと判定した場合は(S13)、オイルポンプ機構の制御状態はHigh側制御状態固着の状態であると判定し(S14)、エンジンを冷却する冷却水の温度があらかじめ決められた温度よりも低い温度である場合に(S17)、オイルポンプ機構の制御状態がLow側制御状態からHigh側制御状態に切り替えられた後(S18)、エンジン回転数Neが切り替えの前と後とにおいて略一定である場合は(S19)、オイルポンプ機構の制御状態はLow側制御状態固着の状態であると判定する(S20)。
【選択図】図4

Description

本発明は、オイルポンプ機構の異常を判定するオイルポンプ機構の異常判定システムに関する。
一般に、自動車等の車両に設けられたエンジンは、オイルパン内に貯留されたオイルを、オイルポンプによってメインギャラリ等のオイル通路に圧送し、オイル通路を介してピストン、吸・排気カムシャフトの軸受部およびクランクシャフトの軸受部等の潤滑部に供給するオイルポンプ機構を備えている。また、上記オイルポンプ機構は、潤滑部にオイルを供給することによって、潤滑部の潤滑および冷却を行うことにより、潤滑部の焼き付け等の損傷が発生することを防止している。上記オイルポンプ機構に何らかの異常が発生すると、エンジンが重大な損傷を受けるおそれがあるため、オイルポンプ機構の異常を検出する異常判定システムが必要となっていた。
従来、この種の異常判定システムとして、限られた容量のリザーバからモータ駆動のポンプによって液体を汲み上げて供給する液圧源装置の異常検出装置であって、モータを、モータの回転速度が実質的に定常速度に達するに十分な長さの第一の所定時間駆動する第一駆動手段と、第一駆動手段によるモータの駆動停止直後におけるモータの端子電圧の低下の緩急に基づいて前記ポンプの固着と前記リザーバへの液漏れとの少なくとも一方が発生しているか否かを判定する第一判定手段と、第一判定手段による判定後、モータを、第一の所定時間より長く、リザーバに容量一杯に液が収容されている場合に液全部を汲み出すのに十分な第二の所定時間駆動する第二駆動手段と、第二駆動手段によるモータの駆動停止後における前記モータの端子電圧の低下の緩急に基づいてポンプの固着が発生しているか否かを判定する第二判定手段とを含んで構成される、異常判定システムとしての液圧源の異常検出装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
上記液圧源の異常判定装置においては、リザーバから、モータ駆動のオイルポンプによってオイルを汲み上げて、必要な箇所に供給する場合において、モータの停止直後におけるモータの端子電圧の低下の緩急に基づいて、機械的要因等によるモータおよびオイルポンプの異常を検出している。
特許第2513323号公報
しかしながら、上記液圧源の異常検出装置にあっては、モータの端子電圧の低下の緩急に基づいて液圧源の異常を検出しているため、モータおよびオイルポンプ自体の異常を検出することができるものの、オイルポンプ周辺のバルブ等のポンプ機器を含めたものには適用できなかった。
すなわち、オイルの還流部を有し、還流部に設けられたオイルシャットバルブの開閉を切り替えることによってエンジンの潤滑部に供給するオイルの圧力を高圧状態と低圧状態とに切り替えるオイルポンプ機構については、オイルシャットバルブを含めて異常の有無を検出する必要性が高いにも関らず、オイルシャットバルブを含む還流部の制御不良を検出することができないため、異常を判定することができないという問題があった。
本発明は、上述した従来の問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。すなわち、本発明は、エンジンの回転数等の基本的なパラメータに基づいて、オイルポンプ機構の異常を簡単かつ確実に判定することができるオイルポンプ機構の異常判定システムを提供することを目的とする。
本発明に係るオイルポンプ機構の異常判定システムは、上記目的を達成するため、(1)エンジンの出力軸に連結されオイルパンに貯留されたオイルをオイル通路を介して前記エンジンの潤滑部に圧送するオイルポンプと、前記オイル通路から分岐し前記オイル通路内のオイルの一部を前記オイルポンプに還流させるオイル還流通路を有するオイル還流部と、前記オイル還流部に設けられ前記オイル還流通路を開閉するオイルシャットバルブとにより構成されるオイルポンプ機構と、前記オイルシャットバルブを閉じることにより前記オイルポンプ機構の制御状態を前記潤滑部に高圧のオイルを圧送する高圧制御状態にし、前記オイルシャットバルブを開くことにより前記オイルポンプ機構の制御状態を前記潤滑部に低圧のオイルを圧送する低圧制御状態にするオイル圧力制御部と、前記エンジンに供給される冷却水の温度を検出する冷却水温度検出部と、前記エンジンの出力軸の回転数をエンジン回転数として検出するエンジン回転数検出部と、前記エンジン回転数検出部により検出された前記エンジン回転数に基づいて前記エンジンの運転状態がアイドル状態であるか否かを判定するアイドル状態判定部と、前記オイルポンプ機構が異常であるか否かを判定するオイルポンプ機構異常判定部と、を備えたオイルポンプ機構の異常判定システムであって、前記オイルポンプ機構異常判定部は、前記オイル圧力制御部によって前記オイルポンプ機構の制御状態が前記高圧制御状態から前記低圧制御状態に切り替えられた後、または前記冷却水温度検出部によって検出された前記冷却水の温度があらかじめ決められた温度よりも低い温度である場合に前記オイル圧力制御部により前記オイルポンプ機構の制御状態が前記低圧制御状態から前記高圧制御状態に切り替えられた後、前記アイドル状態における前記エンジン回転数の変化に基づいて、前記オイルポンプ機構が異常であるか否かを判定するものから構成されている。
この構成により、本発明に係るオイルポンプ機構の異常判定システムは、オイル圧力制御部によりオイルポンプ機構の制御状態が、高圧制御状態から低圧制御状態に切り替えられた後におけるエンジン回転数の変化に基づいて、オイルポンプ機構の状態が異常な状態であるか否かを判定するので、オイルポンプ機構が異常であるか否かが判定される。
さらに、本発明に係るオイルポンプ機構の異常判定システムは、冷却水温度検出部によって検出された前記冷却水の温度があらかじめ決められた温度よりも低い温度である場合に、オイル圧力制御部によりオイルポンプ機構の制御状態が低圧制御状態から高圧制御状態に切り替えられた後におけるエンジン回転数の変化に基づいて、オイルポンプ機構の状態が異常な状態であるか否かを判定する。
冷却水温度が低温である場合には、エンジン回転数が比較的高回転になるように制御されるので、オイルポンプ機構の制御状態が低圧制御状態から高圧制御状態に切り替えられたことによって高圧のオイルが潤滑部に供給されて潤滑部の抵抗が増大し、エンジン回転数が低下したとしても、エンストが発生するエンジン回転数までは低下しないと考えられる。その結果、エンストを発生させずに、安定してオイルポンプ機構が異常であるか否かが判定される。
また、本発明に係るオイルポンプ機構の異常判定システムは、(2)エンジンの出力軸に連結されオイルパンに貯留されたオイルをオイル通路を介して前記エンジンの潤滑部に圧送するオイルポンプと、前記オイル通路から分岐し前記オイル通路内のオイルの一部を前記オイルポンプに還流させるオイル還流通路を有するオイル還流部と、前記オイル還流部に設けられ前記オイル還流通路を開閉するオイルシャットバルブとにより構成されるオイルポンプ機構と、前記エンジンに設けられた吸気弁および排気弁の少なくともいずれか一方の開閉タイミングを変化し得る可変バルブタイミング機構部と、前記オイルシャットバルブを閉じることにより前記オイルポンプ機構の制御状態を前記潤滑部に高圧のオイルを圧送する高圧制御状態にし、前記オイルシャットバルブを開くことにより前記オイルポンプ機構の制御状態を前記潤滑部に低圧のオイルを圧送する低圧制御状態にするオイル圧力制御部と、前記開閉タイミングを検出する開閉タイミング検出部と、前記可変バルブタイミング機構部を制御するバルブタイミング制御部と、前記開閉タイミング検出部により検出された前記開閉タイミングに基づいて、前記可変バルブタイミング機構部の実際の変位量を表す実変位量を算出する実変位量算出部と、前記オイルポンプ機構が異常であるか否かを判定するオイルポンプ機構異常判定部と、を備えたオイルポンプ機構の異常判定システムであって、前記実変位量算出部が、前記バルブタイミング制御部により前記可変バルブタイミング機構部に対して要求される変位量を表す要求変位量が要求された時刻から、前記要求変位量に至るまでの実変位時間を算出するとともに、前記オイルポンプ機構異常判定部が、前記要求変位量だけ前記可変バルブタイミング機構部が変位するために必要な要求変位時間と、前記実変位時間とに基づいて、前記オイルポンプ機構が異常であるか否かを判定する第1の異常判定方法、および、前記実変位量算出部により算出された実変位量と、前記バルブタイミング制御部により要求された前記要求変位量とに基づいて、前記オイルポンプ機構が異常であるか否かを判定する第2の異常判定方法の少なくともいずれかの異常判定方法により、前記オイルポンプ機構が異常であるか否かを判定するものから構成されている。
この構成により、本発明に係るオイルポンプ機構の異常判定システムは、要求変位時間と実変位時間とに基づいてオイルポンプ機構が異常であるか否かを判定する第1の異常判定方法、および、要求変位量と実変位量とに基づいてオイルポンプ機構が異常であるか否かを判定する第2の異常判定方法の少なくともいずれかの異常判定方法により、オイルポンプ機構が異常であるか否かを判定するので、簡単かつ確実にオイルポンプ機構の異常が判定される。
さらに、本発明に係るオイルポンプ機構の異常判定システムは、オイルポンプ機構の異常を判定するための特別な動作を必要とせず、通常の運転時においてバルブタイミング制御部が可変バルブタイミング機構部を制御する場合に、付随的にオイルポンプ機構の異常を判定するので、燃費の増大が抑制される。
本発明によれば、エンジンの回転数等の基本的なパラメータに基づいて、オイルポンプ機構の異常を簡単かつ確実に判定することができるオイルポンプ機構の異常判定システムを提供することができる。
(第1の実施の形態)
以下、本発明に係るオイルポンプ機構の異常判定システムの実施の形態について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るオイルポンプ機構の異常判定システムを適用した車両のエンジンの概要斜視図である。また、図2は、上記エンジン内部の各潤滑部とオイルの流れを示すブロック図である。さらに、図3は、本発明の第1の実施の形態に係るオイルポンプ機構の異常判定システムにおけるオイル供給制御装置の回路図である。
まず、構成を説明する。
図1に示すように、エンジン10は、気筒内に収容されたピストン12と、可変バルブタイミング機構(VVT:Variable Valve Timing)13と、出力軸としてのクランクシャフト14と、オイルポンプ機構50と、シリンダヘッド、シリンダブロックおよびクランクケースからなるエンジンブロック16と、エンジン10の内部を冷却する冷却部17と、気筒内に直接燃料を噴射する図示しない燃料噴射装置とを含んで構成されている。
ピストン12は、図示しない他の3個のピストンを含めて直列4気筒のエンジン10を構成している。なお、エンジン10は、直列4気筒のものに限られず、単気筒または任意に気筒配列された多気筒であってもよく、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンといった公知のエンジンであってもよい。
VVT13は、吸気カムシャフト31に連結され、ベーン型アクチュエータ32を駆動する吸気側油圧コントローラ33と、排気カムシャフト34に連結され、ベーン型アクチュエータ35を駆動する排気側油圧コントローラ36とにより構成されている。すなわち、VVT13は、本発明における可変バルブタイミング機構部を構成している。
ここで、吸気側油圧コントローラ33および排気側油圧コントローラ36は、チェーン37を介してクランクシャフト14と連結されており、クランクシャフト14の回転に伴いチェーン37を介して伝達される動力によって駆動されるようになっている。
吸気側油圧コントローラ33には、吸気側オイルコントロールバルブ(OCV:Oil Control Valve)33cが接続されている。OCV33cは、ECU100によって制御されることにより、オイルポンプ機構50により吸気側油圧コントローラ33に供給される油圧を調整するようになっている。
一方、排気側油圧コントローラ36には、排気側オイルコントロールバルブ(OCV)36cが接続されている。OCV36cは、ECU100によって制御されることにより、オイルポンプ機構50により排気側油圧コントローラ36に供給される油圧を調整するようになっている。
吸気カムシャフト31には、ロッカーアーム41を介して吸気バルブ42が連結されている。また、排気カムシャフト34には、ロッカーアーム43を介して排気バルブ44が連結されている。
ここで、吸気側油圧コントローラ33は、オイルポンプ機構50によって供給される油圧を用いて、吸気カムシャフト31の回転位相をクランクシャフト14の回転位相に対して連続的にずらすことにより、吸気バルブ42の開閉タイミングを連続的に変化させるように構成されている。
一方、排気側油圧コントローラ36は、オイルポンプ機構50によって供給される油圧を用いて、排気カムシャフト34の回転位相をクランクシャフト14の回転位相に対して連続的にずらすことにより、排気バルブ44の開閉タイミングを連続的に変化させるように構成されている。
吸気側油圧コントローラ33および排気側油圧コントローラ36は、ピストン12の吸気および排気の効率を向上させるとともに、エンジン10の出力(kW)およびトルク(N・m)を調整するようになっている。
例えば、吸気バルブ42を閉じるときの閉弁タイミングをピストン12の下死点(BDC:Bottom Dead Center)に対して遅角させる場合について説明する。
閉弁タイミングを下死点に対して遅角させる場合には、エンジン10の圧縮行程で混合気を圧縮する際、吸気バルブ42が閉じた時点における燃焼室の容積と、ピストン12の上死点(TDC:Top Dead Center)における燃焼室の容積との割合である容積比は、閉弁タイミングを遅角させない場合における容積比に対して小さいため、混合気の圧縮比を低下させることができる。また、VVT13が、遅角させた開閉タイミングを進角すれば、低下した圧縮比を高めることができる。
クランクシャフト14は、クランクジャーナル11を介してエンジンブロック16に回転可能に支持されるとともに、コネクティングロッド18を介してピストン12に連結されており、ピストン12の往復運動が伝達されて回転運動するようになっている。
オイル供給制御装置15は、オイルパン51と、オイルストレーナ52と、オイルポンプ53と、オイルポンプ53から吐出されたオイルをろ過するオイルフィルタ54と、オイル通路部55と、オイル還流部56と、オイルシャットバルブ(OSV:Oil Shut Valve)57と、オイル噴射ノズル58と、オイルポンプ53を流通するオイルの流量を調節するストップバルプ59と、ECU100と、冷却水温度センサ61と、オイル圧力センサ62とを含んで構成されている。
オイル供給制御装置15は、エンジン10内の潤滑部20の各潤滑要素にオイルを供給し各潤滑要素を潤滑するとともに冷却するよう構成されている。
上記潤滑部20は、エンジン10内の潤滑を必要とする構成要素から構成されている。例えば、上記潤滑部20は、図2に示すように、ピストン12と、クランクシャフト14を回転可能に支持するクランクジャーナル11と、コネクティングロッド18をクランクシャフト14に連結するクランクピン19と、吸気カムシャフト31と、排気カムシャフト34と、ロッカーアーム41、43と、吸気カムシャフトジャーナル47と、排気カムシャフトジャーナル48とを含んで構成されている。
オイルパン51は、潤滑部20の各潤滑要素から還流されたオイルを貯留するケースからなり、エンジンブロック16の下部に固定されている。オイルパン51に貯留されたオイルは、オイルストレーナ52の吸入口から吸入されるようになっている。
なお、本発明におけるオイルポンプ機構50は、図3に示すように、オイルパン51と、オイルポンプ53と、オイルフィルタ54と、オイル通路部55と、オイル還流部56とを含んで構成されている。
また、図1に示すように、オイルポンプ53は、例えば、トロコイドポンプ、ギヤポンプなどのオイルを吸入し吐出するポンプから構成されており、図示しないチェーンを介してクランクシャフト14に連結されており、クランクシャフト14とは別軸でクランクシャフト14の回転運動によって駆動されるようになっている。なお、オイルポンプ53は、チェーンを介さず、クランクシャフト14に直結されクランクシャフト14により駆動される構造のものでもよい。
オイル通路部55は、オイルフィルタ54でろ過されたオイルを潤滑部20の各潤滑要素に供給する複数のオイル通路55tを含んで構成されている。このオイル通路55tは、潤滑部20の各潤滑要素にオイルを圧送するオイルパイプ55p内に形成されたもの、メインオイルギャラリ55gなどのエンジンブロック16の壁部内に形成されたもの、吸気カムシャフト31および排気カムシャフト34に向けてオイルを放出するオイルシャワーパイプ55s内に形成されたものを含んで構成されている。
また、オイル通路55tは、オイルパイプ55pから滴下されるオイルを通すように、オイルパイプ55pの内部空間により構成されるもの、エンジンブロック16の壁部の表面を伝わるように、壁部の表面により構成されたものなど、オイルを流通させる媒体によって構成されている。
オイル還流部56は、オイルフィルタ54の排出口54eとメインオイルギャラリ55gとを連通するオイル通路55tから分岐し、オイルポンプ53の吸入口と連通するオイル還流通路56cを形成するオイル還流パイプ56pを含んで構成されている。
また、オイル還流通路56c内には、オイル還流通路56cを開状態と閉状態とに切り替えるためのOSV57が設けられている。OSV57は、エンジンブロック16に装着されており、ECU100によって、その開閉が制御されるようになっている。なお、OSV57は、エンジンブロック16以外のものに装着されていてもよく、例えば、オイルポンプ53に装着されていてもよい。
OSV57は、オイル還流通路56cを開閉する機能を有する開閉弁からなり、例えば、電磁力により動作するソレノイドバルブ等により構成されている。
オイル噴射ノズル58は、内部にオイル通路55tを形成するパイプからなり、先端部がピストン12の方向に向くよう、基端部がエンジンブロック16に支持されている。オイル噴射ノズル58の先端部にはオイル噴射口が形成されており、メインオイルギャラリ55gからオイル通路55tに供給されたオイルがオイル噴射口からピストン12の方向に噴射されるようになっている。
ECU100は、本発明におけるアイドル状態判定部と、オイル圧力制御部と、オイルポンプ機構異常判定部と、バルブタイミング制御部と、実変位量算出部とを含んで構成されており、単一または複数のプログラムにより各部の動作を連続的に実行するようになっている。
ECU100は、CPU(Central Processing Unit)と、アイドル状態判定部、オイル圧力制御部、およびオイルポンプ機構異常判定部の各部の動作を実行させるプログラム等が記憶されたROM(Read Only Memory)と、一時的にデータを記憶するRAM(Random Access Memory)と、書換え可能な不揮発性のメモリからなるEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)と、A/D変換器やバッファ等の入力インターフェース回路および駆動回路などの出力インターフェース回路とを含んで構成されている。
さらに、冷却水温度センサ61、オイル圧力センサ62、クランクポジションセンサ63、吸気カムシャフトセンサ64、排気カムシャフトセンサ65、および図示しないスロットル開度センサ、吸入空気量センサ、アクセルポジションセンサなどのセンサが、ECU100の入力インターフェース回路にそれぞれ接続されており、各センサは、検出した情報を、入力インターフェース回路を介してECU100に入力するように構成されている。
ここで、ECU100は、クランクポジションセンサ63などのクランクシャフト14の回転数(rpm)を検知するセンサから入力された情報に基づいてエンジン回転数Ne(rpm)を求めるようになっている。また、ECU100は、スロットル開度センサ、吸入空気量センサ、アクセルポジションセンサおよびクランクポジションセンサ63などが検出した情報に基づいて、バルブタイミング制御部によってVVT13の吸気バルブ42および排気バルブ44の開閉タイミングを制御するように構成されている。
ここで、吸気カムシャフトセンサ64は、吸気側油圧コントローラ33が有する図示しないタイミングロータに設けられた突起部の通過時の磁界変化を電気信号として検出することによって、吸気カムシャフト31の円周方向の角度(位相)を、ECU100によって制御された吸気バルブ42の開閉タイミングとして検出し、検出した吸気バルブ42の開閉タイミングを、ECU100の入力インターフェース回路に入力するように構成されている。
また、排気カムシャフトセンサ65は、排気カムシャフト34が有する図示しないタイミングロータに設けられた突起部の通過時の磁界変化を電気信号として検出することによって、排気カムシャフト34の円周方向の角度(位相)を、ECU100によって制御された排気バルブ44の開閉タイミングとして検出し、検出した排気バルブ44の開閉タイミングを、ECU100の入力インターフェース回路に入力するようになっている。すなわち、吸気カムシャフトセンサ64および排気カムシャフトセンサ65は、本発明における開閉タイミング検出部を構成している。
冷却水温度センサ61は、例えば、優れた温度特性を有するサーミスタを含んで構成されている。サーミスタは、ECU100に接続されており、エンジン10を冷却する冷却水の温度に応じた抵抗値を検知し電圧信号をECU100の入力インターフェース回路に入力するようになっている。この冷却水温度センサ61は、エンジンブロック16のシリンダ周辺を流通し昇温した冷却水の温度を検知するよう、シリンダ周辺のエンジンブロック16内に装着されている。すなわち、冷却水温度センサ61は、本発明における冷却水温度検出部を構成している。
オイル圧力センサ62は、例えば、高い感度を有する半導体ピエゾ抵抗を含んで構成されている。この半導体ピエゾ抵抗は、ECU100に接続されており、オイル通路部55内の圧力に応じた抵抗値を検知し電圧信号をECU100の入力インターフェース回路に入力するようになっている。このオイル圧力センサ62は、VVT13の上流側のオイル通路55t内に設けられ、吸気側油圧コントローラ33および排気側油圧コントローラ36に供給されるオイルの圧力(kPa)を検出するようになっている。
クランクポジションセンサ63は、例えば、クランクシャフト14に固定されたタイミングロータと電磁ピックアップセンサとを含んで構成されており、エンジンブロック16に固定されている。このクランクポジションセンサ63は、クランク位置、クランク角速度などのクランク回転信号を検出し、検出された信号は、ECU100に入力されるようになっている。すなわち、クランクポジションセンサ63は、本発明におけるエンジン回転数検出部を構成している。
アイドル状態判定部は、エンジン10の運転状態がアイドル状態であるか否かを判定するよう構成されている。具体的には、アイドル状態判定部は、クランクポジションセンサ63によってECU100に入力された信号が表すエンジン回転数Neと、あらかじめROMに記憶された例えば1,000(rpm)程度のアイドル回転数Neiとを比較することによって、エンジン10の運転状態がアイドル状態であるか否かを判定するようになっている。
アイドル状態判定部は、例えば、エンジン回転数Neが、アイドル回転数Neiに対して、アイドル回転数Neiの10%以下に相当する回転数だけ大きいまたは小さい場合には、エンジン10の運転状態がアイドル状態であると判定するようになっている。一方、アイドル状態判定部は、エンジン10の回転数Neが、アイドル回転数Neiに対して、アイドル回転数Neiの10%以上に相当する回転数だけ大きいまたは小さい場合には、エンジン10の運転状態がアイドル状態ではないと判定するようになっている。
なお、アイドル状態判定部は、エンジン回転数Neが、アイドル回転数であると判定される回転数よりも大きい回転数である場合には、エンジン10の運転状態が高負荷運転状態であると判定するように構成されていてもよい。
オイル圧力制御部は、アイドル状態判定部がエンジン10の運転状態がアイドル状態であると判定した場合には、OSV57を開いて、オイル通路55t内を流通するオイルの一部をオイル還流通路56cを介してオイルポンプ53に還流させることにより、オイルポンプ機構50の制御状態を、低圧のオイルを潤滑部20に供給するLow側制御状態とするように構成されている。
また、オイル圧力制御部は、アイドル状態判定部がエンジン10の運転状態が高負荷運転状態であると判定した場合には、OSV57を閉じて、オイル通路55t内を流通するオイルの全量を潤滑部20に供給することにより、オイルポンプ機構50を、高圧のオイルを潤滑部20に供給するHigh側制御状態とするように構成されている。
上記アイドル状態判定部がエンジン10の運転状態はアイドル状態であると判定した場合に、オイル圧力制御部がOSV57を開いて低圧のオイルを潤滑部20に供給するのは、エンジン10の運転状態がアイドル状態である場合には、エンジン10に対する負荷が小さいため、潤滑部20の潤滑および冷却に必要なオイルの圧力は、エンジン10の運転状態が高負荷運転である場合に対して小さい圧力で足りるからである。
オイルポンプ機構異常判定部は、オイルポンプ機構50の異常の有無を判定するように構成されている。すなわち、オイルポンプ機構異常判定部は、後述するオイルポンプ機構50の異常判定処理において、ECU100に入力される所定の情報に基づいて、オイルポンプ機構50の制御状態がHigh側制御状態固着の状態であるか否か、またはLow側制御状態固着の状態であるか否かを判定するように構成されている。ここで、High側制御状態固着およびLow側制御状態固着について、以下に説明する。
エンジン10の運転状態が、エンジン10に掛かる負荷が高い高負荷運転状態からアイドル状態となったことにより、エンジン回転数Neが高回転数からアイドル回転数Neiまで低下した場合には、エンジン10に対する負荷が低下するため、ECU100は、オイルポンプ機構50の制御状態をHigh側制御状態からLow側制御状態に切り替えることによって、低圧のオイルを潤滑部20に供給するようにオイルポンプ機構50を制御する。
オイルポンプ機構50の制御状態がHigh側制御状態からLow側制御状態に切り替わるためには、オイルシャットバルブ57が閉じた状態から開いた状態に切り替わる必要があるが、電気的または機械的な原因等によってオイルシャットバルブ57が開いた状態に切り替わらず、閉じた状態に保持されると、オイルポンプ機構50の制御状態がHigh側制御状態に保持されてしまうことが考えられる。ECU100がオイルポンプ機構50の制御状態を、High側制御状態からLow側制御状態に切り替えるようにオイルポンプ機構50を制御したにも関らず、オイルポンプ機構50の制御状態がHigh側制御状態に保持されることを、High側制御状態固着という。
ここで、オイルポンプ機構50の制御状態がLow側制御状態である場合には、上述したようにエンジン10に対する負荷が小さいため、エンジン10の状態は、潤滑部20を潤滑または冷却するにはオイルポンプ機構50が低圧のオイルを潤滑部20に供給すれば足りる状態であることを意味する。
したがって、Low側制御状態において、オイルポンプ機構50の制御状態がHigh側制御状態固着の状態である場合には、高圧のオイルが潤滑部20に供給されるため、必要以上のオイルが潤滑部20に供給されることにより、潤滑部20の抵抗が増大して燃費が悪化するおそれがある。さらに、潤滑部20の抵抗が増大することによりエンジン10の回転数が低下し、エンストを発生させてしまうおそれがある。
一方、エンジン回転数Neが増大し、エンジン10に対する負荷が増大した場合には、ECU100は、オイルポンプ機構50の制御状態をLow側制御状態からHigh側制御状態に切り替えて、高圧のオイルを潤滑部20に供給するようにオイルポンプ機構50を制御する。しかし、電気的または機械的な原因等によってオイルシャットバルブ57が閉じた状態に切り替わらず、オイルシャットバルブ57が開いた状態に保持されると、オイルポンプ機構50の制御状態がLow側制御状態に保持されてしまうことが考えられる。ECU100がオイルポンプ機構50の制御状態を、High側制御状態からLow側制御状態に切り替えるようにオイルポンプ機構50を制御したにも関らず、オイルポンプ機構50の制御状態がLow側制御状態に保持されることを、Low側制御状態固着という。
ここで、オイルポンプ機構50の制御状態がHigh側制御状態であることは、エンジン10に対する負荷が大きいため、エンジン10の状態は、潤滑部20を潤滑または冷却するには、オイルポンプ機構50が高圧のオイルを潤滑部20に供給する必要がある状態であることを意味する。
したがって、High側制御状態において、オイルポンプ機構50の制御状態がLow側制御状態固着の状態である場合には、低圧のオイルが潤滑部20に供給されるため、必要な量のオイルが潤滑部20に供給されなくなり、潤滑部20の潤滑または冷却が十分に行われなくなることによって、潤滑部20の焼き付き等の損傷を発生させてしまうことが考えられる。
上述したように、オイルポンプ機構50の制御状態が、High側制御状態固着の状態またはLow側制御状態固着の状態となることにより、燃費の悪化、エンストの発生および潤滑部20の損傷といった弊害を生じるおそれがあるため、オイルポンプ機構異常判定部は、オイルポンプ機構50の制御状態がHigh側制御状態固着であるか否か、およびLow側制御状態であるか否かを判定するようになっている。
次に、冷却部17は、図1に示すように、エンジンブロック16を冷却したことにより高温となった冷却水を低温の外気で冷却するラジエータ17aと、冷却された冷却水をラジエータ17aからエンジンブロック16内に流入させるアッパーパイプ17bと、エンジンブロック16からラジエータ17aに冷却水を流入させるロアパイプ17cと、エンジンブロック16内で冷却水を流通させるようエンジンブロック16に設けられた図示しないウォータジャケットとを含んで構成されている。
冷却部17は、さらに、ウォーターポンプ17pと、アッパーパイプ17bとロアパイプ17cとの間に介装されたバイパスパイプ17dと、このバイパスパイプ17dとアッパーパイプ17bの分岐部分に設けられたサーモスタット17tとを含んで構成されている。
冷却部17内の冷却水は、ラジエータ17a内で空冷され、アッパーパイプ17bからエンジンブロック16内のウォータジャケットに流入し、エンジンブロック16内のウォータジャケットを含む冷却水通路を流通したのち、ロアパイプ17cからラジエータ17aに戻るようになっている。
このサーモスタット17tは、ウォータジャケットに流入する冷却水の温度を検出し、検出した冷却水の温度に応じて、冷却水の循環経路を、冷却水がラジエータ17aを通る循環経路と、冷却水がラジエータ17aを通らない循環経路とのいずれかに切り替えるようになっている。例えば、冷却水の温度が比較的低温である80℃未満のときは、サーモスタット17tは、冷却水の循環経路を、冷却水がラジエータ17aを通らない循環経路に切り替える。なお、サーモスタット17tは、検出した冷却水の温度を示す信号をECU100に入力するようになっている。
すなわち、サーモスタット17tは、検出した冷却水の温度が80℃未満のときは、アッパーパイプ17bとバイパスパイプ17dとを連通させることによって、冷却水がロアパイプ17cからバイパスパイプ17dを通り、さらにアッパーパイプ17bを通ってウォータジャケットに流入するようにしている。このとき、ウォーターポンプ17pは、ECU100により制御されることによって、ウォーターポンプ17pによって吐出された冷却水が、ロアパイプ17c、バイパスパイプ17d、アッパーパイプ17bおよびウォータジャケット内を循環し、エンジン10の冷間時における暖気運転を促進するようになっている。
他方、冷却水の温度が比較的高温である80℃以上のとき、サーモスタット17tは、アッパーパイプ17bをラジエータ17a側に連通することによって、ウォータジャケットからロアパイプ17cに戻ってきた冷却水がバイパスパイプ17dを通らず、ラジエータ17aを通る循環に切り替えるようになっている。すなわち、冷却水がラジエータ17aを通る状態になり、冷却水がラジエータ17aで空冷されるため、空冷された冷却水がアッパーパイプ17bからウォータジャケット内を流通し、エンジンブロック16を冷却した冷却水がロアパイプ17cからラジエータ17aに戻り、エンジン10が好適に冷却されるようにしている。
燃料噴射装置は、気筒内に燃料噴射ノズルを露出させるようエンジンブロック16に設けられたインジェクタを含んで構成されており、ピストン12の内部に形成された図示しない燃焼室内に高圧の燃料を噴射し、できるだけ少ない燃料で、効率よく混合気を爆発させるようになっている。また、燃料噴射装置は、ECU100の噴射タイミング制御部の指令により、燃料の噴射タイミングを進角または遅角制御するよう構成されている。
次に、本実施の形態に係るオイルポンプ機構の異常判定システムの異常判定処理の動作について説明する。
図4は、本実施の形態に係るオイルポンプ機構の異常判定システムにおける異常判定処理を示すフローチャートである。図5は、本実施の形態に係るオイルポンプ機構50がHigh側制御状態固着の状態である場合における経過時間(sec)とエンジン回転数(rpm)の変化を示すグラフである。
なお、図4に示すフローチャートは、ECU100のROMに記憶されたオイルポンプ機構50の異常判定処理を行うためのプログラムの実行内容を示すものである。図4のフローチャートに示すプログラムは、ECU100のCPUによって、RAMを作業領域として実行されるものである。
図4に示すように、ECU100のCPUは、まず、オイルポンプ機構50の異常判定処理を実行する前提条件として、エンジン10が稼動しているか否かを判定する(ステップS11)。具体的には、ECU100のCPUは、クランクポジションセンサ63が検出した信号が表すエンジン回転数Ne(rpm)があらかじめ決められた値よりも大きく、かつ、図示しないキーセンサ等により検出した図示しないイグニッションキーの入力状態がONである場合に、エンジン10が稼動していると判定する(ステップS11)。
次に、ECU100のCPUは、エンジン10が稼動していると判定した場合には、オイルポンプ機構50の制御状態が、High側制御状態からLow側制御状態に切り替えられたか否かを判定する(ステップS12)。具体的には、ECU100のCPUは、ECU100のCPUが、オイルポンプ機構50に対して、オイルポンプ機構50の制御状態をHigh側制御状態からLow側制御状態に切り替えるための指示を表す信号を出力したか否かを、RAMに記録された制御記録を読み取ること等により判定する。
一方、ECU100のCPUは、エンジン10が稼動していないと判定した場合には、ステップS25に進み、エンジン10が停止するまで、本異常判定処理を繰り返す(ステップS11)。
ECU100のCPUは、オイルポンプ機構50の制御状態をHigh側制御状態からLow側制御状態に切り替えるための指示を表す信号をオイルポンプ機構50に出力したと判定した場合には、オイルポンプ機構50の異常を判定するために本異常判定処理を継続し、オイルポンプ機構50の制御状態をHigh側制御状態からLow側制御状態に切り替えるための指示を表す信号をオイルポンプ機構50に出力していないと判定した場合には、エンジン10が停止するまで、本異常判定処理を繰り返す(ステップS12)。
なお、本実施の形態に係るオイルポンプ機構50の異常判定処理を実行するための前提条件を、エンジン10の運転状態がアイドル状態であることとすることも考えられる。しかし、オイルポンプ機構50の状態がHigh側制御状態固着の状態であると判定するためには、オイルポンプ機構50の制御状態がHigh側制御からLow側制御状態に切り替わった直後におけるエンジン回転数Neの低下を検出することが必要である(図5を参照)。
図5に示すように、オイルポンプ機構50の制御状態がHigh側制御状態固着の状態である場合には、ECU100のCPUがオイルポンプ機構50の制御状態をHigh側制御状態からLow側制御状態に切り替えた直後に、エンジン回転数Neが低下する。しかし、ECU100のCPUは、点火時期や燃料噴射量を調整することにより、低下したエンジン回転数Neをアイドル回転数Neiに近づけるようにエンジン10を制御する。
したがって、エンジン10の運転状態がアイドル状態であることを前提条件とすると、オイルポンプ機構50の状態がHigh側制御状態固着の状態であることによって一時的に低下したエンジン回転数Neが回復してアイドル回転数Neiとなった場合にも、本異常判定処理が実行されてしまい、オイルポンプ機構50の制御状態がHigh側制御状態固着の状態であるか否かを判定することができなくなってしまう。
したがって、上記の理由から、本実施の形態に係るオイルポンプ機構の異常判定処理を実行する前提条件を、エンジン10の運転状態がアイドル状態であることとはせず、エンジン10が稼動している場合において(ステップS11)、オイルポンプ機構50の制御状態がHigh側制御状態からLow側制御状態に切り替えられたこと(ステップS12)を前提条件としたものである。
次に、ECU100のCPUは、オイルポンプ機構50の制御状態がHigh側制御状態からLow側制御状態に切り替えられたと判定した場合には(ステップS12)、図5に示すように、オイルポンプ機構50の制御状態が正常である場合におけるエンジン10のアイドル回転数Neiに対して、クランクポジションセンサ63によって検出したエンジン回転数Neが、著しく小さいか否かを判定する。(ステップS13)。
具体的には、ECU100のCPUは、あらかじめROMに記憶されている、例えば1,000(rpm)程度のアイドル回転数Neiに対して、エンジン回転数Neがアイドル回転数Neiの80%よりも小さい場合には、エンジン回転数Neはアイドル回転数Neiに対して著しく小さいと判定する(ステップS13)。
次いで、ECU100のCPUは、エンジン回転数Neが、アイドル回転数Neiに対して著しく低いと判定した場合には(ステップS13)、オイルポンプ機構50は、High側制御状態固着の状態であると判定する(ステップS14)。
エンジン回転数Neが、アイドル回転数Neiに対して著しく低いと判定した場合に、ECU100のCPUが、オイルポンプ機構50はHigh側制御状態固着の状態であると判定するのは、以下の理由による。すなわち、アイドル状態においてはエンジン10に対する負荷が小さく、オイルポンプ機構50の制御状態はLow側制御状態である。しかし、オイルポンプ機構50の制御状態がHigh側制御状態固着の状態である場合には、オイルポンプ機構50が潤滑部20に対してオイルを高圧で供給することとなり、過剰なオイルが潤滑部20の抵抗となって、エンジン回転数Neが著しく低下すると考えられるためである。
ここで、図5に示すように、エンジン回転数Neが高回転数の状態からアイドル回転数Neiまで低下すると、ECU100のCPUは、OSV57を開くことによって、オイルポンプ機構50の制御状態をHigh側制御状態からLow側制御状態へと切り替える。しかし、ECU100のCPUがOSV57を開いて、オイルポンプ機構50の制御状態をLow側制御状態へと切り替えたつもりでも、実際には、OSV57が作動不良等によって閉じた状態のままとなっている場合には、オイルポンプ機構50の制御状態はHigh側制御状態固着の状態となる。
しかしながら、図5に示すように、オイルポンプ機構50がHigh側制御状態固着の状態であることによって、エンジン回転数Neが一時的にアイドル回転数Neiに対して著しく低下したとしても、ECU100のCPUは、点火時期や燃料噴射量の調整等によって、エンジン回転数Neをアイドル回転数Neiに近づけるようにエンジン10を制御する。したがって、ECU100のCPUは、エンジン回転数Neがアイドル回転数Neiに対して著しく小さいか否かを判定することによって、エンジン回転数Neをアイドル回転数Neiに近づける制御を行う前に、オイルポンプ機構50がHigh側制御状態固着の状態であるか否かを判定することができる。
図4に戻り、ECU100のCPUは、オイルポンプ機構50がHigh側制御状態固着の状態であると判定した後に(ステップS14)、High側制御状態固着と判定した事実を、日時、エンジン10の運転状態、およびデータの解析に必要な情報等とともにROMに記憶する(ステップS15)。上記記憶処理を行うことにより、オイルポンプ機構50の点検、修理等において、データの解析がスムーズに行われることとなる。
さらに、ECU100のCPUは、上記記憶処理(ステップS15)を実行した後、オイルポンプ機構50の制御状態がHigh側制御状態固着の状態であることを、車両に設けられたインジケータ等に、ランプの点灯等により表示して、運転者に知らせる(ステップS16)。オイルポンプ機構50の制御状態がHigh側制御状態固着の状態であることを運転者に知らせることによって、運転者の注意を喚起して、運転者に適切な対応を取らせることができる。
次に、ECU100のCPUは、オイルポンプ機構50の制御状態がHigh側制御状態固着の状態であることを、ランプの点灯等により表示して運転者に知らせた(ステップS16)後に、エンジン10および車両の制御状態を、修理工場や安全な区域まで車両を退避走行させる退避走行モードに切り替える(ステップS23)。
一方、ECU100のCPUは、エンジン回転数Neが、アイドル回転数Neiに対して著しく低くはないと判定した場合には(ステップS13)、オイルポンプ機構50の制御状態がLow側制御状態固着の状態であるか否かを判定するために、本異常判定処理を継続する。すなわち、ECU100のCPUは、サーモスタット17tがECU100に入力した信号が表す冷却水温度Tcが、あらかじめ決められた温度T1よりも低いか否かを判定する(ステップS17)。
次に、ECU100のCPUは、冷却水温度Tcがあらかじめ決められた温度T1よりも低いと判定した場合には(ステップS17)、Low側制御状態であったオイルポンプ機構50の制御状態を、一時的にHigh側制御状態に切り替える(ステップS18)。
次いで、ECU100のCPUは、オイルポンプ機構50の制御状態を一時的にLow側制御状態からHigh側制御状態に切り替えた後(ステップS18)、切替の前と後とにおいてエンジン回転数Neが略一定であるか否かを判定する(ステップS19)。具体的には、ECU100のCPUは、オイルポンプ機構50の制御状態を一時的にHigh側制御状態に切り替えた前と後とにおいて、クランクポジションセンサ63によってECU100に入力されるエンジン回転数Neに基づいて、エンジン回転数Neが略一定であるか否かを判定する(ステップS19)。
ここで、ECU100のCPUが、Low側制御状態固着の判定処理を実行するために、冷却水温度Tcがあらかじめ決められた温度T1よりも低いか否かを判定する(ステップS17)理由について説明する。
ECU100のCPUが、オイルポンプ機構50の制御状態を一時的にLow側制御状態からHigh側制御状態に切り替えると(ステップS18)、潤滑部20に供給されるオイルの圧力が高くなり、潤滑部20における抵抗が増大するため、エンジン回転数Neが低下してエンストが発生する可能性がある。ここで、ECU100のCPUは、冷却水温度Tcが低いほど、アイドル回転数Neiを増大させるようにエンジン10を制御するようになっている。
したがって、冷却水温度Tcがあらかじめ決められた温度T1よりも低いことによりアイドル回転数Neiが増大した状態であれば、ECU100のCPUが、オイルポンプ機構50の制御状態を一時的にLow側制御状態からHigh側制御状態に切り替えることにより(ステップS18)、エンジン回転数Neが低下することとなっても、エンジン回転数Neはエンストが発生するエンジン回転数までは低下しないと考えられる。
以上の理由から、ECU100のCPUが、Low側制御状態固着の判定処理を実行するために、冷却水温度Tcがあらかじめ決められた温度T1よりも低いか否かを判定することとしている(ステップS17)。
次いで、ECU100のCPUは、オイルポンプ機構50の制御状態を一時的にLow側制御状態からHigh側制御状態に切り替える前と後とにおいて、エンジン回転数Neが略一定であると判定した場合には、オイルポンプ機構50の制御状態はLow側制御状態固着の状態であると判定する(ステップS20)。
ECU100のCPUが、オイルポンプ機構50の制御状態を一時的にLow側制御状態からHigh側制御状態に切り替える前と後とにおいて、エンジン回転数Neが略一定であると判定した場合に、オイルポンプ機構50の制御状態はLow側制御状態固着の状態であると判定する(ステップS20)のは、以下の理由による。
すなわち、ECU100のCPUは、オイルポンプ機構50を制御することによって、オイルポンプ機構50の制御状態を一時的にLow側制御状態からHigh側制御状態に切り替えたにも関らず(ステップS18)、エンジン回転数Neが略一定であると、オイルポンプ機構50の制御状態は未だLow側制御状態のままであり、Low側制御状態固着の状態であると考えられるからである。
なお、ECU100のCPUが、オイルポンプ機構50を制御することによって、オイルポンプ機構50の制御状態を一時的にLow側制御状態からHigh側制御状態に切り替えた場合には、オイルポンプ機構50の制御状態が正常であれば、上述したように、高圧のオイルが潤滑部20に供給されることによって、潤滑部20の抵抗が増大し、エンジン回転数Neが低下することとなる。
次に、ECU100のCPUは、オイルポンプ機構50の制御状態がLow側制御状態固着の状態であると判定した(ステップS20)後、Low側制御状態固着と判定した事実を、日時、エンジン10の運転状態、およびデータの解析に必要な情報等とともにROMに記憶する(ステップS21)。上記記憶処理を行うことにより、オイルポンプ機構50の点検、修理等において、データの解析がスムーズに行われることとなる。
さらに、ECU100のCPUは、上記記憶処理(ステップS21)を実行した後、オイルポンプ機構50の制御状態がLow側制御状態固着の状態であることを、車両に設けられたインジケータ等に、ランプの点灯等により表示して、運転者に知らせる(ステップS22)。オイルポンプ機構50の制御状態がLow側制御状態固着の状態であることを運転者に知らせることによって、運転者の注意を喚起して、運転者に適切な対応を取らせることができる。
次に、ECU100のCPUは、オイルポンプ機構50の制御状態がLow側制御状態固着の状態であることを、ランプの点灯等により表示して運転者に知らせた(ステップS22)後に、エンジン10および車両の制御状態を、修理工場や安全な区域まで車両を退避走行させる退避走行モードに切り替える(ステップS23)。
他方、ECU100のCPUは、エンジン回転数Neが略一定ではないと判定した場合には(ステップS19)、一時的にLow側制御状態からHigh側制御状態に切り替えていたオイルポンプ機構50の制御状態を、再度、Low側制御状態に戻す(ステップS24)。
ECU100のCPUが、一時的にLow側制御状態からHigh側制御状態に切り替えていたオイルポンプ機構50の制御状態を、再度、Low側制御状態に戻すのは(ステップS24)、以下の理由による。
すなわち、本異常判定処理は、エンジン10の運転状態がアイドル状態である場合に適用するものである。エンジン10の運転状態がアイドル状態である場合には、潤滑部20に対しては低圧のオイルを供給すれば足りるため、通常はオイルポンプ機構50の制御状態はLow側制御状態となっている。しかし、エンジン10の運転状態がアイドル状態である場合に、オイルポンプ機構50の制御状態をHigh側制御状態とすることによって高圧のオイルを潤滑部20に供給すると、高圧のオイルによって潤滑部20の抵抗が増大してエンジン回転数Neが低下する可能性があるため、オイルポンプ機構50の制御状態をHigh側制御状態に維持するのは好ましくないからである。
次に、ECU100のCPUは、オイルポンプ機構50の制御状態を、High側制御状態からLow側制御状態に切り替えた後(ステップS24)、エンジン10が停止しているか否かを判定する(ステップS25)。具体的には、ECU100のCPUは、クランクポジションセンサ63が検出した信号が表すエンジン回転数Ne(rpm)があらかじめ決められた値よりも小さく、かつ、図示しないキーセンサ等により検出した図示しないイグニッションキーの入力状態がOFFである場合に、エンジン10が停止していると判定する(ステップS25)。
ECU100のCPUは、エンジン10が停止していると判定した場合には、本プログラムの処理を終了し、エンジン10が停止していないと判定した場合には、エンジン10が停止していると判定するまで、本異常判定処理を繰り返す(ステップS25)。
以上のように本実施の形態に係るオイルポンプ機構の異常判定システムは構成されているので、次のような効果を得ることができる。
本発明に係るオイルポンプ機構の異常判定システムは、オイルポンプ機構50の制御状態を、High側制御状態とLow側制御状態との間で切り替える場合には、オイル還流部56に設けられたOSV57の開閉を切り替える。しかし、オイルポンプ機構50の制御状態がHigh側制御状態固着の状態である場合には、OSV57が閉じた状態から開いた状態に切り替わらないことを示す。一方、オイルポンプ機構50の制御状態がLow側制御状態固着の状態である場合には、OSV57が開いた状態から閉じた状態に切り替わらないことを示す。
したがって、本発明に係るオイルポンプ機構の異常判定システムは、オイルポンプ機構50の制御状態がHigh側制御状態固着の状態であるか否か、またはLow側制御状態固着の状態であるか否かを判定するので、従来の液圧源の異常検出装置とは異なり、OSV57の開閉状態の異常を含むオイルポンプ機構50の異常を判定することができる。
さらに、本実施の形態に係るオイルポンプ機構の異常判定システムは、冷却水温度Tcが低い場合にはECU100のCPUがエンジン回転数Neを増大させるようにエンジン10を制御することを利用して、冷却水温度Tcがあらかじめ決められた温度T1よりも低いときにのみ、オイルポンプ機構50の制御状態がLow側制御状態固着の状態であるか否かを判定する。
したがって、冷却水温度Tcがあらかじめ決められた温度T1よりも低いときに、オイルポンプ機構50の異常の判定のためにオイルポンプ機構50の制御状態を一時的にLow側制御状態からHigh側制御状態に切り替えた結果、高圧のオイルが潤滑部20に供給されて潤滑部20の抵抗が増大し、エンジン回転数Neが低下したとしても、エンジン回転数Neが増大されていることによって、エンストの発生を抑制することができる。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、本実施の形態に係るオイルポンプ機構の異常判定システムは、第1の実施の形態に係るオイルポンプ機構の異常判定システムと同様に構成されている。したがって、同一の構成要素については、図1から図3に示した第1の実施の形態と同一の符号を用いて説明し、特に相違点についてのみ詳述する。
以下、本実施の形態に係るオイルポンプ機構の異常判定システムにおけるオイルポンプ機構の異常判定処理について説明する。
図6は、本実施の形態に係るオイルポンプ機構の異常判定システムにおけるオイルポンプ機構の異常判定処理を示すフローチャートである。なお、図6に示すフローチャートは、ECU100のROMに格納されたオイルポンプ機構の異常判定処理を行うためのプログラムの実行内容を示すものであり、第1の実施の形態に係るECU100と同様、本実施の形態に係る上記プログラムは、ECU100のCPUによって、RAMを作業領域として実行される。
図6に示すように、ECU100のCPUは、まず、オイルポンプ機構50の異常判定処理を実行する前提条件として、第1の実施の形態と同様に、エンジン10が稼動しているか否かを判定する(ステップS31)。
なお、エンジン10が稼動していることを、本実施の形態に係る異常判定処理を実行するための前提条件としたのは、本実施の形態に係るオイルポンプ機構の異常判定システムは、エンジン10が稼動している場合におけるVVT13の変位時間に基づいて、オイルポンプ機構50の異常判定処理を行うためである。
次に、ECU100のCPUは、エンジン10が稼動していると判定した場合には、ECU100のCPUがオイルポンプ機構50の制御状態をHigh側制御状態で制御しているか否かを判定する(ステップS32)。具体的には、ECU100のCPUは、ECU100のCPUが、オイルポンプ機構50に対して、オイルポンプ機構50をHigh側制御状態に制御するための指示を表す信号を出力したか否かを、RAMに記憶された制御記録を読み取ること等により行う(ステップS32)。
一方、ECU100のCPUは、エンジン10が稼動していないと判定した場合には、ステップS37に進み、エンジン10が停止するまで、本異常判定処理を繰り返す(ステップS31)。
次に、ECU100のCPUは、ECU100のCPUがオイルポンプ機構50をHigh側制御状態で制御していると判定した場合には、ECU100のCPUが、車両の運転状態に応じて、吸気バルブ42または排気バルブ44の開閉タイミングを所望の変化量だけ変化させるための指示を表す信号を出力したか否かを判定する(ステップS33)。具体的には、ECU100のCPUは、ECU100のCPUがVVT13に対して、オイルポンプ機構50により吸気側油圧コントローラ33または排気側油圧コントローラ36に供給される油圧を所望の変化量だけ変化させるための指示を表す信号を出力したか否かを、RAMに記録された制御記録を読み取ること等に判定する(ステップS33)。
なお、ECU100のCPUは、VVT13に対して、吸気バルブ42または排気バルブ44の開閉タイミングの所望の変化量を、吸気カムシャフト31または排気カムシャフト34の円周回転方向の変位量(°)として要求する。本実施の形態においては、以下の説明を簡単にするため、ECU100のCPUは、吸気バルブ42の開閉タイミングを所望の変化量だけ変化させるために、吸気カムシャフト31を上記変化量に対応する変位量(以下、「要求変位量」という)だけ変位させるように、VVT13に要求するものとする。
一方、ECU100のCPUは、ECU100のCPUがオイルポンプ機構50をHigh側制御状態で制御してはいないと判定した場合には、ステップS37に進み、エンジン10が停止するまで、本異常判定処理を繰り返す(ステップS32)。
次に、ECU100のCPUは、ECU100のCPUが、車両の運転状態に応じて、吸気バルブ42または排気バルブ44の開閉タイミングを所望の変化量だけ変化させるための指示を表す信号を出力したと判定した場合には(ステップS33)、以下の処理を行う。
すなわち、ECU100のCPUは、VVT13に対して、要求変位量を要求した時刻から、吸気カムシャフト31が要求変位量だけ変位するまでに理論上必要とする時間(以下、「要求変位時間Tdh」という)、および、吸気カムシャフト31が要求変位量だけ変位するまでに実際に要した時間(以下、「実変位時間Tr」という)を算出する(ステップS34)。
なお、要求変位時間Tdhは、吸気側油圧コントローラ33に対して、High側制御状態であるオイルポンプ機構50が高圧のオイルを供給した場合において、吸気カムシャフト31が要求変位量だけ変位するまでに理論上必要とする時間を示す。
また、実変位時間Trを算出するためには、吸気カムシャフト31の位相(°)を検出する必要があるが、吸気カムシャフト31の位相(°)の検出は、ECU100のCPUが、吸気カムシャフトセンサ64に、吸気側油圧コントローラ33が有する図示しないタイミングロータに設けられた突起部の通過時の磁界変化を電気信号として検出させることによって行う。
一方、ECU100のCPUは、ECU100のCPUが、車両の運転状態に応じて、吸気バルブ42または排気バルブ44の開閉タイミングを所望の変化量だけ変化させるための指示を表す信号を出力しなかったと判定した場合には(ステップS33)、ステップS37に進み、エンジン10が停止するまで、本異常判定処理を繰り返す(ステップS33)。
次に、ECU100のCPUは、要求変位時間Tdhおよび実変位時間Trを算出した後(ステップS34)、実変位時間Trが要求変位時間Tdhの1.2倍以上であるか否かを判定する(ステップS35)。
ECU100のCPUは、実変位時間Trが要求変位時間Tdhの1.2倍以上であると判定した場合には、オイルポンプ機構50の制御状態はLow側制御状態固着の状態であると判定する(ステップS36)。
一方、ECU100のCPUは、実変位時間Trが要求変位時間Tdhの1.2倍以上ではないと判定した場合には、ステップS37に進み、エンジン10が停止するまで、本異常判定処理を繰り返す(ステップS35)。
ここで、ECU100のCPUが、実変位時間Trが要求変位時間Tdhの1.2倍以上であると判定した場合に、オイルポンプ機構50の制御状態はLow側制御状態固着の状態であると判定する理由について、図7に基づいて説明する。図7は、本実施の形態に係るオイルポンプ機構50がLow側制御状態固着の状態である場合における経過時間(sec)とVVTの変位量(°)との関係を示したグラフである。
図7に示すように、ECU100のCPUが、VVT13に対して、例えば20(°)の変位量を要求した場合においては、オイルポンプ機構50の制御状態がHigh側制御状態であれば、吸気カムシャフト31は要求変位時間Tdhで20(°)だけ変位する。
しかし、ECU100のCPUがオイルポンプ機構50をHigh側制御状態に制御しているつもりでも(ステップS32)、実際には、OSV57が開いた状態から閉じた状態に切り替わらずに、開いた状態のまま保持されることによりオイルポンプ機構50の制御状態がLow側制御状態固着の状態となっている場合には、低圧のオイルが吸気側油圧コントローラ33に供給されるため、吸気カムシャフト31を変位させる油圧が小さくなり、吸気カムシャフト31が20(°)だけ変位するのに実際に要した時間である実変位時間Trは、要求変位時間Tdhよりも長くなる。
したがって、例えば実変位時間Trが要求変位時間Tdhの1.2倍以上である場合には、オイルポンプ機構50の制御状態はLow側制御状態固着の状態であると判定することとした(ステップS36)。
次に、ECU100のCPUは、オイルポンプ機構50の制御状態がLow側制御状態固着の状態であると判定した後(ステップS36)、エンジン10が停止しているか否かを判定する(ステップS37)。具体的には、ECU100のCPUは、クランクポジションセンサ63が検出した信号が表すエンジン回転数Ne(rpm)があらかじめ決められた値よりも小さく、かつ、図示しないキーセンサ等により検出した図示しないイグニッションキーの入力状態がOFFである場合に、エンジン10が停止していると判定する(ステップS37)。
ECU100のCPUは、エンジン10が停止していると判定した場合には、本プログラムの処理を終了し、エンジン10が停止していないと判定した場合には、エンジン10が停止していると判定するまで、本異常判定処理を繰り返す(ステップS37)。
なお、ECU100のCPUは、オイルポンプ機構50の制御状態がLow側制御状態固着の状態であると判定した後(ステップS36)、第1の実施の形態と同様に、Low側固着と判定した事実を、ROMに記憶するとともに、インジケータ等に表示して運転者に知らせ、さらに、修理工場や安全な区域まで車両を退避走行させてもよい。
また、本実施の形態に係るオイルポンプ機構の異常判定システムは、オイルポンプ機構50の制御状態がLow側制御状態固着の状態であるか否かを判定するものであるが、図6に示すステップS32において、ECU100のCPUがオイルポンプ機構50をLow側制御状態で制御しているか否かを判定するようにしてもよい。
このとき、吸気側油圧コントローラ33に対して、Low側制御状態であるオイルポンプ機構50が低圧のオイルを供給した場合において、吸気カムシャフト31が要求変位量だけ変位するまでに理論上必要とする時間を示す要求変位時間TdLに対して、実変位時間Trが、要求変位時間TdLの0.8倍よりも小さいか否かをステップS35で判定することによって、オイルポンプ機構50の制御状態がHigh側制御状態固着の状態であるか否かを判定するようにしてもよい。
すなわち、図8に示すように、ECU100のCPUが、VVT13に対して、例えば20(°)の変位量を要求した場合において、オイルポンプ機構50の制御状態がLow側制御状態であれば、吸気カムシャフト31は要求変位時間TdLで20(°)だけ変位する。図8は、本実施の形態に係るオイルポンプ機構50がHigh側制御状態固着の状態である場合における経過時間(sec)とVVTの変位量(°)との関係を示したグラフである。
ここで、ECU100のCPUがオイルポンプ機構50をLow側制御状態で制御しているつもりでも、実際には、OSV57が閉じた状態から開いた状態に切り替わらずに、閉じた状態のまま保持されることによりオイルポンプ機構50の制御状態がHigh側制御状態固着の状態となっている場合には、高圧のオイルが吸気側油圧コントローラ33に供給されるため、吸気カムシャフト31を変位させる油圧が大きくなり、吸気カムシャフト31が20(°)だけ変位するのに実際に要した時間である実変位時間Trは、要求変位時間TdLよりも短くなる。
したがって、例えば実変位時間Trが要求変位時間TdLの0.8倍以下である場合には、オイルポンプ機構50の制御状態はHigh側制御状態固着の状態であると判定することができる。
以上のように本実施の形態に係るオイルポンプ機構の異常判定システムは構成されているので、次のような効果を得ることができる。
本発明に係るオイルポンプ機構の異常判定システムは、ECU100のCPUがVVT13に対してバルブの開閉タイミングの変更指示を出した場合に、要求変位時間TdhまたはTdLと実変位時間Trとを比較することにより、オイルポンプ機構50の異常を判定するので、異常を判定するためだけにモータ等の駆動をする必要はなく、通常の運転時に付随的にオイルポンプ機構50の異常を判定することができる。
したがって、オイルポンプ機構50の異常を判定するのに余計な動力を使用しないので、従来の液圧源の異常検出装置と異なり、燃費の悪化を抑制することができる。
また、本発明に係るオイルポンプ機構の異常判定システムは、要求変位時間TdhまたはTdLと実変位時間Trとを比較することにより、オイルポンプ機構50の異常を判定するので、著しく短い時間でオイルポンプ機構50の異常を判定することができる。
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、本実施の形態に係るオイルポンプ機構の異常判定システムは、第1の実施の形態に係るオイルポンプ機構の異常判定システムと同様に構成されている。したがって、同一の構成要素については、図1から図3に示した第1の実施の形態と同一の符号を用いて説明し、特に相違点についてのみ詳述する。
以下、本実施の形態に係るオイルポンプ機構の異常判定システムの異常判定処理について説明する。図9は、本実施の形態に係るオイルポンプ機構の異常判定システムにおけるオイルポンプ機構の異常判定処理を示すフローチャートである。
なお、図9に示すフローチャートは、ECU100のROMに格納されたオイルポンプ機構の異常判定処理を行うためのプログラムの実行内容を示すものであり、第1の実施の形態に係るECU100と同様、本実施の形態に係る上記プログラムは、ECU100のCPUによって、RAMを作業領域として実行される。
図9に示すように、ECU100のCPUは、まず、オイルポンプ機構50の異常判定処理を実行する前提条件として、第1の実施の形態と同様に、エンジン10が稼動しているか否かを判定する(ステップS41)。
なお、エンジン10が稼動していることを、本実施の形態に係る異常判定処理を実行するための前提条件としたのは、本実施の形態に係るオイルポンプ機構の異常判定システムは、エンジン10が稼動している場合におけるVVT13の変位量に基づいて、オイルポンプ機構50の異常判定処理を行うためである。
次に、ECU100のCPUは、エンジン10が稼動していると判定した場合には、ECU100のCPUがオイルポンプ機構50の制御状態をHigh側制御状態で制御しているか否かを判定する(ステップS42)。具体的には、ECU100のCPUは、ECU100のCPUが、オイルポンプ機構50に対して、オイルポンプ機構50をHigh側制御状態に制御するための指示を表す信号を出力したか否かを、RAMに記憶された制御記録を読み取ること等により行う(ステップS42)。
一方、ECU100のCPUは、エンジン10が稼動していないと判定した場合には、ステップS47に進み、エンジン10が停止するまで、本異常判定処理を繰り返す(ステップS41)。
次に、ECU100のCPUは、ECU100のCPUがオイルポンプ機構50をHigh側制御状態で制御していると判定した場合には、ECU100のCPUが、車両の運転状態に応じて、吸気バルブ42または排気バルブ44の開閉タイミングを所望の変化量だけ変化させるための指示を表す信号を出力したか否かを判定する(ステップS43)。
具体的には、ECU100のCPUは、ECU100のCPUがVVT13に対して、オイルポンプ機構50により吸気側油圧コントローラ33または排気側油圧コントローラ36に供給される油圧を所望の変化量だけ変化させるための指示を表す信号を出力したか否かを、RAMに記録された制御記録を読み取ること等により判定する(ステップS43)。
なお、ECU100のCPUは、VVT13に対して、吸気バルブ42または排気バルブ44の開閉タイミングの所望の変化量を、吸気カムシャフト31または排気カムシャフト34の円周回転方向の変位量(°)として要求する。本実施の形態においては、以下の説明を簡単にするため、ECU100のCPUは、吸気バルブ42の開閉タイミングを所望の変化量だけ変化させるために、吸気カムシャフト31を上記変化量に対応する変位量(以下、「要求変位量Qdh」という)だけ変位させるように、VVT13に要求するものとする。
一方、ECU100のCPUは、ECU100のCPUがオイルポンプ機構50をHigh側制御状態で制御してはいないと判定した場合には、ステップS47に進み、エンジン10が停止するまで、本異常判定処理を繰り返す(ステップS42)。
次に、ECU100のCPUは、ECU100のCPUが、車両の運転状態に応じて、吸気バルブ42または排気バルブ44の開閉タイミングを要求変位量Qdhだけ変化させるための指示を表す信号を出力したと判定した場合には(ステップS43)、吸気カムシャフト31の実際の変位量(以下、「実変位時間Qr」という)を算出する(ステップS44)。
また、実変位量Qrを算出するためには、吸気カムシャフト31の位相(°)を検出する必要があるが、吸気カムシャフト31の位相(°)の検出は、ECU100のCPUが、吸気カムシャフトセンサ64に、吸気側油圧コントローラ33が有する図示しないタイミングロータに設けられた突起部の通過時の磁界変化を電気信号として検出させることによって行う。
一方、ECU100のCPUは、ECU100のCPUが、車両の運転状態に応じて、吸気バルブ42または排気バルブ44の開閉タイミングを所望の変化量だけ変化させるための指示を表す信号を出力しなかったと判定した場合には(ステップS43)、ステップS47に進み、エンジン10が停止するまで、本異常判定処理を繰り返す(ステップS43)。
次に、ECU100のCPUは、実変位量Qrを算出した後(ステップS44)、実変位量Qrが要求変位量Tdhの0.9倍以下であるか否かを判定する(ステップS45)。
ECU100のCPUは、実変位量Qrが要求変位量Qdhの0.9倍以下であると判定した場合には、オイルポンプ機構50の制御状態はLow側制御状態固着の状態であると判定する(ステップS46)。
一方、ECU100のCPUは、実変位量Qrが要求変位量Qdhの0.9倍以下ではないと判定した場合には、ステップS47に進み、エンジン10が停止するまで、本異常判定処理を繰り返す(ステップS45)。
ここで、ECU100のCPUが、実変位量Qrが要求変位量Qdhの0.9倍以下であると判定した場合に、オイルポンプ機構50の制御状態はLow側制御状態固着の状態であると判定する理由について説明する。
図10に示すように、ECU100のCPUが、VVT13に対して、例えば20(°)の変位量を要求した場合においては、オイルポンプ機構50の制御状態がHigh側制御状態であれば、吸気カムシャフト31は要求変位量Qdhである20(°)だけ変位する。
しかし、ECU100のCPUがオイルポンプ機構50をHigh側制御状態に制御しているつもりでも(ステップS42)、実際には、OSV57が開いた状態から閉じた状態に切り替わらずに、開いた状態のまま保持されることによりオイルポンプ機構50の制御状態がLow側制御状態固着の状態となっている場合には、低圧のオイルが吸気側油圧コントローラ33に供給されるため、吸気カムシャフト31を変位させる油圧が小さくなり、吸気カムシャフト31の実際の変位量である実変位量Qrは、要求変位量Qdhよりも小さくなる。
したがって、ECU100のCPUは、例えば実変位量Qrが要求変位量Qdhの0.9倍以下である場合には、オイルポンプ機構50の制御状態はLow側制御状態固着の状態であると判定する(ステップS46)。
次に、ECU100のCPUは、オイルポンプ機構50の制御状態がLow側制御状態固着の状態であると判定した後(ステップS46)、第1の実施の形態と同様に、エンジン10が停止しているか否かを判定する(ステップS47)。
ECU100のCPUは、エンジン10が停止していると判定した場合には、本プログラムの処理を終了し、エンジン10が停止していないと判定した場合には、エンジン10が停止していると判定するまで、本異常判定処理を繰り返す(ステップS47)。
なお、ECU100のCPUは、オイルポンプ機構50の制御状態がLow側制御状態固着の状態であると判定した後(ステップS46)、第1の実施の形態と同様に、Low側固着と判定した事実を、ROMに記憶するとともに、インジケータ等に表示して運転者に知らせ、さらに、修理工場や安全な区域まで車両を退避走行させてもよい。
また、本実施の形態に係るオイルポンプ機構の異常判定システムは、オイルポンプ機構50の制御状態がLow側制御状態固着の状態であるか否かを判定するものであるが、図9に示すステップS42において、オイルポンプ機構50をLow側制御状態で制御しているか否かを判定するようにしてもよい。
このとき、吸気側油圧コントローラ33に対して、Low側制御状態であるオイルポンプ機構50が低圧のオイルを供給した場合において、実変位量Qrが要求変位量QdLの1.1倍よりも大きいか否かをステップS45で判定することによって、オイルポンプ機構50の制御状態がHigh側制御状態固着の状態であるか否かを判定するようにしてもよい。
すなわち、図11に示すように、ECU100のCPUが、VVT13に対して、例えば20(°)の変位量を要求した場合において、オイルポンプ機構50の制御状態がLow側制御状態であれば、吸気カムシャフト31は要求変位量QdLである20(°)だけ変位する。
しかし、ECU100のCPUがオイルポンプ機構50をLow側制御状態で制御しているつもりでも、実際には、OSV57が閉じた状態から開いた状態に切り替わらずに、閉じた状態のまま保持されることによりオイルポンプ機構50の制御状態がHigh側制御状態固着の状態となっている場合には、高圧のオイルが吸気側油圧コントローラ33に供給されるため、吸気カムシャフト31を変位させる油圧が大きくなり、実変位量Qrは要求変位量QdLよりも大きくなる。
したがって、例えば実変位量Qrが要求変位量QdLの1.1倍以上である場合には、オイルポンプ機構50の制御状態はHigh側制御状態固着の状態であると判定することができる。
以上のように本実施の形態に係るオイルポンプ機構の異常判定システムは構成されているので、次のような効果を得ることができる。
本発明に係るオイルポンプ機構の異常判定システムは、ECU100のCPUがVVT13に対してバルブの開閉タイミングの変更指示を出した場合に、要求変位時間TdhまたはTdLと実変位時間Trとを比較することにより、オイルポンプ機構50の異常を判定するので、異常を判定するためだけにモータ等の駆動をする必要がなく、通常の運転時に付随的にオイルポンプ機構50の異常を判定することができる。
したがって、オイルポンプ機構50の異常を判定するのに余計な動力を使用しないので、従来の液圧源の異常検出装置と異なり、燃費の悪化を抑制することができる。
また、本発明に係るオイルポンプ機構の異常判定システムは、要求変位量QdhまたはQdLと実変位量Qrとを比較することにより、オイルポンプ機構50の異常を判定するので、第2の実施の形態のように要求変位量QdhまたはQdLと実変位時間Trを短時間で比較できない場合においても、オイルポンプ機構50の異常を確実に判定することができる。
以上のように、本発明に係るオイルポンプ機構の異常判定システムは、エンジンの回転数等の基本的なパラメータに基づいて、オイルポンプ機構の異常を簡単かつ確実に判定することができるという効果を有し、オイルポンプ機構の異常を判定するオイルポンプ機構の異常判定システムに有用である。
本発明の第1の実施の形態に係るオイルポンプ機構の異常判定システムを適用した車両のエンジンの概略斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係るオイルポンプ機構の異常判定システムが適用されるエンジン内部の各潤滑部とオイルの流れを示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係るオイルポンプ機構の異常判定システムにおけるオイル供給制御装置の回路図である。 本発明の第1の実施の形態に係るオイルポンプ機構の異常判定システムにおけるオイルポンプ機構の異常判定処理を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態に係るオイルポンプ機構がHigh側制御状態固着の状態である場合における経過時間とエンジン回転数の変化を示すグラフである。 本発明の第2の実施の形態に係るオイルポンプ機構の異常判定システムにおけるオイルポンプ機構の異常判定処理を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係るオイルポンプ機構がLow側制御状態固着の状態である場合における経過時間とVVTの変位量との関係を示したグラフである。 本発明の第2の実施の形態に係るオイルポンプ機構がHigh側制御状態固着の状態である場合における経過時間とVVTの変位量との関係を示したグラフである。 本発明の第3の実施の形態に係るオイルポンプ機構の異常判定システムにおけるオイルポンプ機構の異常判定処理を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施の形態に係るオイルポンプ機構がLow側制御状態固着の状態である場合における経過時間とVVTの変位量との関係を示したグラフである。 本発明の第3の実施の形態に係るオイルポンプ機構がHigh側制御状態固着の状態である場合における経過時間とVVTの変位量との関係を示したグラフである。
符号の説明
10 エンジン
13 可変バルブタイミング機構(VVT)(可変バルブタイミング機構部)
14 クランクシャフト(出力軸)
15 オイル供給制御装置
16 エンジンブロック
17 冷却部
20 潤滑部
31 吸気カムシャフト
33 吸気側油圧コントローラ
33c 吸気側オイルコントロールバルブ(OCV)
34 排気カムシャフト
36 排気側油圧コントローラ
36c 排気側オイルコントロールバルブ(OCV)
42 吸気バルブ
44 排気バルブ
50 オイルポンプ機構
51 オイルパン
52 オイルストレーナ
53 オイルポンプ
54 オイルフィルタ
55 オイル通路部
55g メインオイルギャラリ
55t オイル通路
56 オイル還流部
56c オイル還流通路
57 オイルシャットバルブ(OSV)
61 冷却水温度センサ(冷却水温度検出部)
63 クランクポジションセンサ(エンジン回転数検出部)
64 吸気カムシャフトセンサ(開閉タイミング検出部)
65 排気カムシャフトセンサ(開閉タイミング検出部)
100 ECU(オイル圧力制御部、アイドル状態判定部、オイルポンプ機構異常判定部、バルブタイミング制御部、実変位量算出部)

Claims (2)

  1. エンジンの出力軸に連結されオイルパンに貯留されたオイルをオイル通路を介して前記エンジンの潤滑部に圧送するオイルポンプと、前記オイル通路から分岐し前記オイル通路内のオイルの一部を前記オイルポンプに還流させるオイル還流通路を有するオイル還流部と、前記オイル還流部に設けられ前記オイル還流通路を開閉するオイルシャットバルブとにより構成されるオイルポンプ機構と、
    前記オイルシャットバルブを閉じることにより前記オイルポンプ機構の制御状態を前記潤滑部に高圧のオイルを圧送する高圧制御状態にし、前記オイルシャットバルブを開くことにより前記オイルポンプ機構の制御状態を前記潤滑部に低圧のオイルを圧送する低圧制御状態にするオイル圧力制御部と、
    前記エンジンに供給される冷却水の温度を検出する冷却水温度検出部と、
    前記エンジンの出力軸の回転数をエンジン回転数として検出するエンジン回転数検出部と、
    前記エンジン回転数検出部により検出された前記エンジン回転数に基づいて前記エンジンの運転状態がアイドル状態であるか否かを判定するアイドル状態判定部と、
    前記オイルポンプ機構が異常であるか否かを判定するオイルポンプ機構異常判定部と、
    を備えたオイルポンプ機構の異常判定システムであって、
    前記オイルポンプ機構異常判定部は、前記オイル圧力制御部によって前記オイルポンプ機構の制御状態が前記高圧制御状態から前記低圧制御状態に切り替えられた後、または前記冷却水温度検出部によって検出された前記冷却水の温度があらかじめ決められた温度よりも低い温度である場合に前記オイル圧力制御部により前記オイルポンプ機構の制御状態が前記低圧制御状態から前記高圧制御状態に切り替えられた後、前記アイドル状態における前記エンジン回転数の変化に基づいて、前記オイルポンプ機構が異常であるか否かを判定すること、
    を特徴とするオイルポンプ機構の異常判定システム。
  2. エンジンの出力軸に連結されオイルパンに貯留されたオイルをオイル通路を介して前記エンジンの潤滑部に圧送するオイルポンプと、前記オイル通路から分岐し前記オイル通路内のオイルの一部を前記オイルポンプに還流させるオイル還流通路を有するオイル還流部と、前記オイル還流部に設けられ前記オイル還流通路を開閉するオイルシャットバルブとにより構成されるオイルポンプ機構と、
    前記エンジンに設けられた吸気弁および排気弁の少なくともいずれか一方の開閉タイミングを変化し得る可変バルブタイミング機構部と、
    前記オイルシャットバルブを閉じることにより前記オイルポンプ機構の制御状態を前記潤滑部に高圧のオイルを圧送する高圧制御状態にし、前記オイルシャットバルブを開くことにより前記オイルポンプ機構の制御状態を前記潤滑部に低圧のオイルを圧送する低圧制御状態にするオイル圧力制御部と、
    前記開閉タイミングを検出する開閉タイミング検出部と、
    前記可変バルブタイミング機構部を制御するバルブタイミング制御部と、
    前記開閉タイミング検出部により検出された前記開閉タイミングに基づいて、前記可変バルブタイミング機構部の実際の変位量を表す実変位量を算出する実変位量算出部と、
    前記オイルポンプ機構が異常であるか否かを判定するオイルポンプ機構異常判定部と、
    を備えたオイルポンプ機構の異常判定システムであって、
    前記実変位量算出部が、前記バルブタイミング制御部により前記可変バルブタイミング機構部に対して要求される変位量を表す要求変位量が要求された時刻から、前記要求変位量に至るまでの実変位時間を算出するとともに、前記オイルポンプ機構異常判定部が、前記要求変位量だけ前記可変バルブタイミング機構部が変位するために必要な要求変位時間と、前記実変位時間とに基づいて、前記オイルポンプ機構が異常であるか否かを判定する第1の異常判定方法、および、前記実変位量算出部により算出された実変位量と、前記バルブタイミング制御部により要求された前記要求変位量とに基づいて、前記オイルポンプ機構が異常であるか否かを判定する第2の異常判定方法の少なくともいずれかの異常判定方法により、前記オイルポンプ機構が異常であるか否かを判定することを特徴とするオイルポンプ機構の異常判定システム。
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