JP2010048126A - 吸気装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸気管との間の可撓性を確保しつつ、体格を小型化可能な吸気装置を提供する。
【解決手段】エンジンの燃焼室に吸入される吸気が流通する吸気通路20、30を有する吸気管2、3と、吸気管2と吸気管3との間に設けられ吸気通路20、30の横断面積よりも大きな横断面積をもつ拡張室40を形成する拡張室部4と、拡張室部4の吸気流れの上流側に設けられ吸気管2と拡張室部4とを接続するベローズ状の接続管5と、を備えている。接続管5は、吸気通路20と拡張室40とを連通する接続通路50を有している。接続通路50は、拡張室40に向かうに従い所定の間隔をおいて通路径が徐々に拡大するように形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関(以下、内燃機関を「エンジン」という。)の燃焼室へ吸気を導く吸気管に設けられる吸気装置に関し、特にエンジンで生じ吸気通路を伝播する吸気音を低減する吸気装置に関する。
従来、エンジンの騒音対策として、吸気管が形成する吸気通路の途中に拡張室を設けることが知られている。エンジンの燃焼室に発生して吸気通路を伝播した吸気音は、拡張室で音圧が低下する。これにより、吸気音は、自動車の外部へ放出される前に低減される。特許文献1には、上記拡張室を形成する拡張室部に相当する部材と吸気管との間にベローズ状の接続管を設けたものが開示されている。この接続管は、略円筒状に形成され、所定の可撓性を有している。そのため、吸気管と拡張室部とを接続管で曲げることによって、吸気管が収容されるエンジンルームにおいて拡張室部を他部材との干渉を避けつつ所望の位置に設置することができる。
しかしながら、ベローズ状の接続管を略円筒状に形成する場合、接続管に所定の可撓性をもたせるには、接続管の軸方向の長さをある程度長くする必要がある。よって、接続管に所定の可撓性をもたせつつ、ベローズ状かつ略円筒状に形成する場合、接続管の軸方向の長さは必然的に長くなってしまう。これにより、接続管を含む吸気装置の体格が大型化するおそれがある。また、例えば吸気管に設けられるエアクリーナ等とスロットルとの距離が短い場合、エアクリーナとスロットルとの間に吸気装置を配置するには拡張室を縮小しなければならないといった問題が生じる。さらに、エアクリーナとスロットルとの距離がより短い場合、エアクリーナとスロットルとの間に吸気装置を配置できなくなるおそれがある。
特開平08−192458号公報
本発明の目的は、吸気管との間の可撓性を確保しつつ、体格を小型化可能な吸気装置を提供することにある。
請求項1記載の発明は、エンジンの燃焼室に吸入される吸気が流通する吸気通路を有する吸気管、および、吸気管の途中に設けられ吸気通路の横断面積よりも大きな横断面積をもつ拡張室を形成する拡張室部を備えている。ここで、「横断面積」との語句は、吸気流れの方向線に垂直に交わる面による断面の面積の意味で用いている。上記構成により、エンジンの燃焼室に発生して吸気通路を伝播した吸気音は、拡張室で音圧が低下する。その結果、エンジンを搭載する車体の外部へ放出される吸気音を低減することができる。
また、本発明は、拡張室部の吸気流れの上流側または下流側の少なくとも一方に設けられ、吸気管と拡張室部とを接続するベローズ状の接続管を備えている。接続管は、吸気通路と拡張室とを連通する接続通路を有している。当該接続通路は、拡張室に向かうに従い所定の間隔をおいて通路径または通路幅が徐々に拡大するように形成されている。この構成により、接続管を例えば略円筒状に形成する場合と同等の可撓性を確保しつつ、接続管を略円筒状に形成する場合に比べて吸気流れ方向の長さを短くすることができる。したがって、拡張室部と吸気管との間に位置する接続管に所定の可撓性を確保しつつ、接続管を含む吸気装置の体格を小型化することができる。また、吸気装置を小型化することにより、例えば吸気装置を間に挟んで設けられるエアクリーナとスロットルとの距離が短い場合でも、エアクリーナとスロットルとの間に吸気装置を容易に配置することができる。
請求項1記載の発明では、拡張室は、横断面積が吸気通路の横断面積よりも大きくなるように形成されている。すなわち、拡張室部の吸気流れ方向の単位長さあたりの容積は、吸気管の吸気流れ方向の単位長さあたりの容積よりも大きい。そのため、吸気通路から拡張室に流入した吸気は、拡張室で容易に膨張し、流入前に比べて圧力が急激に低下するおそれがある。また、請求項1記載の発明では、接続通路は、拡張室に向かうに従い所定の間隔をおいて通路径または通路幅が徐々に拡大するように形成されている。つまり、接続通路の拡張室側は、接続管が例えば略円筒状に形成される場合に比べて径外方向へ拡張している。そのため、当該接続通路においても吸気圧の低下を招くおそれがある。
そこで、請求項2記載の発明は、接続通路と拡張室とからなる空間に収容され、吸気管の拡張室部に対し吸気流れの上流側と下流側とを接続する筒状の筒部材をさらに備えている。これにより、吸気通路を流通する吸気は、筒部材の内側を経由してエンジンの燃焼室へ導かれる。このように、吸気は、筒部材の内側を流通するため接続通路および拡張室に流入しても容易に膨張せず、圧力が急激に低下することがない。したがって、上記構成により接続通路の一部が拡張されていても、接続通路および拡張室における吸気圧の低下を抑制することができる。
なお、エンジンの燃焼室に発生し吸気通路を経由して拡張室に伝播した音の波は、筒部材を経由して筒部材の内側から外側の空間へ伝わる。そのため、拡張室に筒部材を設けても、拡張室による吸気音を低減する効果を維持することができる。
請求項3記載の発明では、筒部材は、薄膜によって筒状に形成されている。そのため、燃焼室に発生し拡張室に伝播した音の波は、筒部材を経由して筒部材の内側から外側の空間へ容易に伝わる。したがって、接続通路および拡張室における吸気圧の低下を良好に抑制しつつ、拡張室による吸気音を低減する効果を維持することができる。
請求項4記載の発明では、筒部材は、多数の微細な孔を有する材料によって形成されている。これにより、請求項3記載の発明と同様、接続通路および拡張室における吸気圧の低下を良好に抑制しつつ、拡張室による吸気音を低減する効果を維持することができる。
請求項5記載の発明では、拡張室部に形成され、エンジンの燃焼室からクランクケース内に漏れ出たブローバイガスを、拡張室のうちの筒部材の外側の空間に導入する導入口をさらに備えている。一般にエンジンの燃焼室では、ピストンとシリンダ壁との間隙を通じクランクケース内に漏れ出るブローバイガスが発生する。このブローバイガスを吸気系に環流し再燃焼させる技術として、ブローバイガス環流装置(PCV:Positive Crankcase Ventilation)が知られている。本発明では、このブローバイガス環流装置から送り出されるブローバイガスを導入口から拡張室に導入する。これにより、ブローバイガスを燃焼室の上流側へ導くことができる。なお、拡張室には筒部材が設けられているため、ブローバイガスに生じ得る圧力脈動を筒部材で吸収することができる。また、拡張室に導入されたブローバイガスに含まれる未燃焼の燃料は、筒部材に遮られることによって、下流側の吸気通路に直接流入することがない。そのため、拡張室部の下流側の吸気通路にスロットル等が設けられる場合、ブローバイガスの未燃焼燃料がスロットル等を汚染するのを抑制することができる。
以下、本発明の複数の実施形態による吸気装置を図に基づいて説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による吸気装置を図1に示す。吸気装置1は、吸気管2、吸気管3、拡張室部4、接続管5および筒部材6を備えている。
吸気管としての吸気管2および吸気管3は、ともに略円筒状に形成され、それぞれ吸気通路20および吸気通路30を形成している。吸気管2は、吸気流れの上流側が図示しないエアクリーナに接続している。また、エアクリーナの吸気流れの下流側には、図示しないエアフローメータが設けられている。吸気管3は、吸気管2の吸気流れの下流側に位置している。吸気管3は、吸気流れの下流側が図示しないスロットルに接続している。スロットルは、図示しないエンジンの燃焼室に接続する吸気管に接続している。
拡張室部4は、筒部41および有底筒部42とからなり、吸気管2と吸気管3との間に設けられている。筒部41は、略円筒状に形成されている。有底筒部42は、有底筒状に形成され、吸気流れの下流側の端部に底部421を有している。筒部41の吸気流れの下流側の端部と有底筒部42の吸気流れの上流側の端部とは接合している。これにより、筒部41および有底筒部42の内側に拡張室40が形成されている。拡張室40は、横断面積が吸気通路20および吸気通路30の横断面積よりも大きくなるように形成されている。
有底筒部42の底部421には、吸気管3が接続している。これにより、拡張室40と吸気通路30とは連通している。また、吸気管3は、底部421よりも筒部41側へ突出する突出部31を有している。
上記構成により、エンジンの燃焼室に発生して吸気通路30を伝播した吸気音は、拡張室40で音圧が低下する。その結果、エンジンを搭載する車の外部へ放出される吸気音を低減することができる。
接続管5は、ベローズ状に形成され、吸気管2と筒部41の反有底筒部42側端部の周縁とを接続している。接続管5は、内側に接続通路50を形成している。これにより、吸気通路20と拡張室40とは、接続通路50によって連通している。また、吸気管2は、接続管5の反筒部41側端部から筒部41側へ突出する突出部21を有している。
このように、吸気通路20と吸気通路30とは、接続通路50および拡張室40を経由することにより連通している。これにより、吸気は、エアクリーナ、吸気通路20、接続通路50、拡張室40、吸気通路30およびスロットルを経由して流通し、エンジンの燃焼室に導かれる。また、吸気は、エアフローメータを通過することにより、その流量が計測される。
本実施形態では、吸気管2、接続管5および筒部41は、所定の柔軟性を有するゴムなどの材料により一体に形成されている。また、有底筒部42および吸気管3も、所定の柔軟性を有するゴムなどの材料により一体に形成されている。
筒部材6は、例えばポリエステルなどの薄膜により略円筒状に形成されている。筒部材6は、接続通路50と拡張室40とからなる空間に収容されている。筒部材6は、吸気管2の突出部21と吸気管3の突出部31とを接続している。これにより、吸気通路20から接続通路50および拡張室40へ流入した吸気は、筒部材6の内側を経由して吸気通路30へ流れる。
なお、エンジンの燃焼室に発生し吸気通路30を経由して拡張室40に伝播した音の波は、筒部材6を経由して筒部材6の内側から外側の空間へ伝わる。そのため、拡張室40に筒部材6を設けても、拡張室40による吸気音を低減する効果は維持される。
拡張室部4の底部421には、導入口43が設けられている。本実施形態では、導入口43は、吸気管3に対して重力方向の上側に設けられている。導入口43は、図示しないブローバイガス環流装置に接続している。これにより、導入口43は、燃焼室からエンジンのクランクケース内に漏れ出たブローバイガスを拡張室40に導入する。拡張室40には、筒部材6が収容されている。そのため、ブローバイガスは、拡張室40のうちの筒部材6の外側の空間に導入される。これにより、拡張室40に導入されたブローバイガスに含まれる未燃焼の燃料は、筒部材6により遮られ、吸気通路30に直接流入することがない。
吸気管3の突出部31には、導入口43のほぼ直下に、吸気管3の外壁と内壁とを接続する孔32が形成されている。拡張室40のうちの筒部材6の外側の空間に導入されたブローバイガス、および拡張室40内で凝縮した未燃焼の燃料は、吸気通路30を流通する吸気により生じる負圧によって、孔32を経由して吸気通路30に吸引される。吸気通路30に吸引されたブローバイガスおよび未燃焼の燃料は、吸気通路30を流通する吸気とともにエンジンの燃焼室に導かれる。
次に、接続管5について詳細に説明する。
接続管5は、ベローズ状に形成されることにより波状の部位、すなわち波状部51を有している。そのため、接続管5は、所定の可撓性を有している。これにより、吸気管2に対して拡張室部4を接続管5で容易に曲げることができる。接続管5の縦断面、すなわち吸気流れの方向線に平行に交わる面による断面の形状は、図1に示すように波形となる。本実施形態では、接続管5は、図1に示す波形状の断面において接続管5の外側へ複数突出する箇所と接続管5の内側へ複数突出する箇所とのほぼ中間を結ぶ直線Lが、吸気管2の軸に対して傾斜するように形成されている。直線Lは、吸気管2から拡張室部4へ向かうに従い吸気管2の軸から離れるように傾斜している。本実施形態では、直線Lと吸気管2の軸とがなす角は、概ね45度である。接続管5をこのように形成することによって、接続管を例えば略円筒状に形成する場合に比べて接続管の軸方向の長さを短くすることができる。
例えば吸気管2に接続する接続管を、図1に破線で示すように略円筒状に形成する場合、接続管の軸方向の長さは必然的に長くなる。本実施形態では、接続管5の波状部51は、破線で示す略円筒状に形成されるような接続管と同等の数の波を有し、かつ、直線Lが吸気管2の軸に対して傾斜するように形成されている。そのため、本実施形態では、接続管5について、略円筒状の接続管と同等の可撓性を確保しつつ、略円筒状の接続管に比べて吸気流れ方向の長さをd分短くすることができる。
また、接続管5は、図2に示すとおり横断面の形状が円形となるように形成されている。上述のように接続管5がベローズ状、かつ、直線Lが吸気管2の軸に対して傾斜するように形成されることにより、接続通路50は拡張室40に向かうに従い所定の間隔をおいて通路径W1が徐々に拡大するように形成されている。
次に、吸気装置1の作動について図1に基づいて説明する。
図示しないエアクリーナを通過し異物が取り除かれた吸気は、吸気通路20を経由し接続通路50および拡張室40へ流入する。このとき、吸気は、筒部材6の内側を流通するため、吸気圧の低下が抑制される。筒部材6の内側を流通した吸気は、吸気通路30および図示しないスロットルを経由してエンジンの燃焼室へ流入する。
エンジンの燃焼室に発生し吸気通路30を通じて拡張室40に伝播した音の波は、筒部材6を経由して筒部材6の内側から外側の空間へ伝わる。これにより、エンジンを搭載する車体の外部へ放出される吸気音を低減することができる。
燃焼室からエンジンのクランクケース内に漏れ出たブローバイガスは、図示しないブローバイガス環流装置に接続する導入口43から、拡張室40のうちの筒部材6の外側の空間に流入する。拡張室40に流入したブローバイガスは、筒部材6に遮られ、吸気通路30に直接流入することがない。これにより、ブローバイガスに含まれる未燃焼の燃料によって、下流のスロットルが直接汚染されることが抑制される。なお、拡張室40内で凝縮した未燃焼の燃料は、吸気管3に形成された孔32を経由して吸気通路30に吸引される。吸気通路30に吸引された未燃焼の燃料は、吸気通路30を流通する吸気とともにエンジンの燃焼室に流入し燃焼室で燃焼する。
以上説明したように、本実施形態では、接続管5は、接続通路50が拡張室40に向かうに従い所定の間隔をおいて通路径が徐々に拡大するように形成されている。これにより、接続管5を例えば略円筒状に形成する場合と同等の可撓性を確保しつつ、接続管5を略円筒状に形成する場合に比べて吸気流れ方向の長さを短くすることができる。したがって、拡張室部4と吸気管2との間に位置する接続管5に所定の可撓性を確保しつつ、接続管5を含む吸気装置1の体格を小型化することができる。また、吸気装置1を小型化することにより、例えば吸気管2の上流側および吸気管3の下流側にそれぞれ設けられるエアクリーナとスロットルとの距離が短い場合でも、エアクリーナとスロットルとの間に吸気装置1を容易に配置することができる。
また、本実施形態では、接続通路50と拡張室40とからなる空間に、吸気管2と吸気管3とを接続する筒状の筒部材6を収容している。これにより、吸気通路20を流通した吸気は、筒部材6の内側を経由してエンジンの燃焼室へ導かれる。このように、吸気は、筒部材6の内側を流通するため接続通路50および拡張室40に流入しても容易に膨張せず、圧力が急激に低下することがない。したがって、接続通路50および拡張室40における吸気圧の低下を抑制することができる。
また、本実施形態では、筒部材6は、薄膜によって筒状に形成されている。そのため、エンジンの燃焼室に発生し拡張室40に伝播した音の波は、筒部材6を経由して筒部材6の内側から外側の空間へ容易に伝わる。したがって、接続通路50および拡張室40における吸気圧の低下を良好に抑制しつつ、拡張室40による吸気音を低減する効果を維持することができる。
さらに、本実施形態では、拡張室40のうちの筒部材6の外側の空間にブローバイガスを導入する導入口43が拡張室部4に形成されている。拡張室40には筒部材6が設けられているため、拡張室40に導入されたブローバイガスに生じ得る圧力脈動を筒部材6で吸収することができる。また、拡張室40に導入されたブローバイガスに含まれる未燃焼の燃料は、筒部材6に遮られることによって、下流側の吸気通路30に直接流入することがない。そのため、吸気通路30の下流側にスロットル等が設けられる場合、ブローバイガスの未燃焼燃料がスロットル等を汚染するのを抑制することができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態による吸気装置について説明する。
第2実施形態の吸気装置は、第1実施形態の吸気装置1と基本的な構成は同じである(図1参照)。第2実施形態の吸気装置は、第1実施形態の吸気装置1の筒部材6の材料を、薄膜ではなく、多数の微細な孔を有する材料に変えたものである。
筒部材6は、例えば不織布など多数の微細な孔を有する材料により略円筒状に形成されている。吸気通路20から接続通路50および拡張室40へ流入した吸気は、筒部材6の内側を経由して吸気通路30へ流れる。このように、吸気は、筒部材6の内側を流通するため接続通路50および拡張室40に流入しても容易に膨張せず、圧力が急激に低下することがない。したがって、第1実施形態と同様、接続通路50および拡張室40における吸気圧の低下を抑制することができる。
なお、エンジンの燃焼室に発生し吸気通路30を経由して拡張室40に伝播した音の波は、筒部材6、および筒部材6に形成された多数の微細な孔を経由して、筒部材6の内側から外側の空間へ伝わる。そのため、第1実施形態と同様、拡張室40に筒部材6を設けても、拡張室40による吸気音を低減する効果は維持される。
次に、本発明の吸気装置による吸気音を低減する効果について、図3を用いて説明する。図3のグラフでは、吸気管に拡張室を設けない場合すなわち単なる吸気管の場合、吸気管に拡張室のみを設けた場合、吸気管に拡張室と薄膜による筒部材とを設けた場合(第1実施形態)、および吸気管に拡張室と多孔材料による筒部材とを設けた場合(第2実施形態)の吸気音特性の測定結果を、それぞれ実線、破線、一点鎖線、および二点鎖線で示している。
図3のグラフから、吸気管に拡張室を設けることにより、拡張室を設けない場合と比べて、吸気音のうち特定の周波数の音の音圧を特に低減できることがわかる。吸気管に拡張室と薄膜による筒部材とを設けた場合、および吸気管に拡張室と多孔材料による筒部材とを設けた場合は、特定の周波数の音を大幅に消音する効果は小さいものの、拡張室を設けない場合と比べて、ほぼ全ての周波数帯において消音の効果を発揮できることがわかる。
(他の実施形態)
上述の実施形態では、接続管の横断面の形状が円形となるように形成したものを示した。本発明の他の実施形態では、接続管は、横断面の形状が、例えば図4(A)に示すように略正方形となるように形成してもよい。この場合、接続管5の接続通路50は、拡張室40に向かうに従い所定の間隔をおいて通路幅W2が徐々に拡大するように形成する。
また、接続管は、横断面の形状が、例えば図4(B)に示すように略長方形となるように形成してもよい。この場合、接続管5の接続通路50は、拡張室40に向かうに従い所定の間隔をおいて、長手方向の通路幅W3および短手方向の通路幅W4のうち少なくとも一方が徐々に拡大するように形成する。
さらに、接続管は、横断面の形状が楕円あるいは多角形等となるように形成してもよい。
また、上述の実施形態では、吸気管、拡張室部および筒部材のいずれも略円筒状に形成したものを示した。本発明の他の実施形態では、吸気管、拡張室部および筒部材は、横断面の形状が楕円、矩形または多角形等となるように形成してもよい。
また、本発明の他の実施形態では、接続管は、拡張室部の上流側のみならず、下流側にも設けてもよい。あるいは、接続管は、拡張室部の下流側のみに設けることとしてもよい。
上述の実施形態では、図1に示す直線Lと吸気管の軸とのなす角が概ね45度になるように接続管が形成されているものを示した。本発明の他の実施形態では、接続管は、直線Lと吸気管の軸とのなす角が0度より大きく90度より小さな角度であればどのような角度となるように形成されていてもよい。
本発明の他の実施形態では、接続管、拡張室部および吸気管は、ゴムではなく、所定の柔軟性あるいは弾性を有する樹脂等により形成してもよい。また、上述の実施形態のように、吸気管と接続管と拡張室部の筒部とを、および拡張室部の有底筒部と吸気管とを、一体に形成する必要はなく、それぞれ別体で形成してもよい。その場合、それぞれの部材は、ゴムまたは樹脂等いずれの材料を用いて形成してもよい。また、拡張室部の筒部と有底筒部とは、一体に形成してもよい。
上述の実施形態では、接続管は、吸気管と拡張室部の筒部の反有底筒部側端部の周縁とを接続している。これに対して、本発明の他の実施形態では、接続管は、筒部の反有底筒部側端部の周縁ではなく、当該周縁よりも径内方向側の部位に接続していてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、接続管の波状部に形成される波の数は、いくつであってもよい。
このように、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。
本発明の第1実施形態による吸気装置を示す断面図。 図1のII−II線による断面図。 本発明の吸気装置等の吸気音特性を示す特性図。 本発明の他の実施形態による吸気装置の接続管を示す断面図。
符号の説明
1:吸気装置、2、3:吸気管、4:拡張室部、5:接続管、20、30:吸気通路、40:拡張室、50:接続通路

Claims (5)

  1. 内燃機関の燃焼室に吸入される吸気が流通する吸気通路を有する吸気管と、
    前記吸気管の途中に設けられ、前記吸気通路の横断面積よりも大きな横断面積をもつ拡張室を形成する拡張室部と、
    前記拡張室部の吸気流れの上流側または下流側の少なくとも一方に設けられ、前記吸気管と前記拡張室部とを接続するベローズ状の接続管とを備え、
    前記接続管は、前記吸気通路と前記拡張室とを連通する接続通路を有し、
    前記接続通路は、前記拡張室に向かうに従い所定の間隔をおいて通路径または通路幅が徐々に拡大するように形成されていることを特徴とする吸気装置。
  2. 前記接続通路と前記拡張室とからなる空間に収容され、前記吸気管の前記拡張室部に対し吸気流れの上流側と下流側とを接続する筒状の筒部材をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の吸気装置。
  3. 前記筒部材は、薄膜により形成されていることを特徴とする請求項2に記載の吸気装置。
  4. 前記筒部材は、多数の微細な孔を有する材料により形成されていることを特徴とする請求項2に記載の吸気装置。
  5. 前記拡張室部に形成され、前記燃焼室から前記内燃機関のクランクケース内に漏れ出たブローバイガスを前記拡張室のうちの前記筒部材の外側の空間に導入する導入口をさらに備えることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の吸気装置。
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