JP7329481B2 - 排気状態検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、排気状態検出装置に関する。
自動車の空燃比等の制御に用いられるセンサは、内燃機関の直下に設けられるマニホールド触媒とその下流側に設けられる床下触媒等の間を結ぶ排気管に配設されることがある。
従来、上記触媒間には十分な距離があるため、排気管の径を小さく絞り、センサを取付ける部分の断面積を減少させることでセンサ感度を向上させていた。
近年、自動車の電動化が進み、自動車に搭載するバッテリーのスペースを拡大させ、床下触媒等を内燃機関の近傍に配置することがある。その場合、触媒間の距離が短くなり、排気管の径を絞ることができず、排気管の径が大きくなることから、センサを設けた壁部分の排気ガスの流速が管の中央の主流に比べて遅くなり、センサの感度が低下する虞がある。
そのため、センサ下流にガイド壁を設けることで、ガイド壁近傍の導入孔からセンサ内へ流入する排気ガスの量を増やし、センサの検出性能を向上させることが提案されている(特許文献1参照)。
また、センサ素子を包囲とともに、排気管の壁部から、排気管の軸芯側方向に突出するガイド筒を設けるとともに、ガイド筒の上流側に導入孔を設け、下流側に導出孔を設け、導入孔からガイド筒内に排気ガスを導入して、センサの検出性能を向上させることが提案されている(特許文献2参照)。
また、センサ素子の外側を覆うカバーを設け、カバーの上流側に導入孔を設け、カバーにおける排気管の軸芯側に導出孔を設けることで、排気ガスの掃気性を高め、センサの検出性能を向上させることが提案されている(特許文献3参照)。
特許第5408456号公報 特許第6430916号公報 US2008/0016946号公報
しかし、上記特許文献1記載のセンサでは、センサが排気管の壁部に設けられるため、センサを設けた壁部の排気ガスの流速は、管の中央の主流に比べて遅く、センサ内部に排気ガスを引き込むことが難しく、センサ感度が低下する虞がある。
また、上記特許文献2記載の排気状態検出装置では、ガイド筒内の排気ガスを掃気する穴は、下流側に設けた導出孔のみのため、この導出孔付近で負圧が発生せず、ガイド筒内に排気ガスを積極的に引き込むことができず、センサ感度を向上させることは困難である。
また、上記特許文献3記載のセンサは、センサ自体の構造であるため、カバーの形状を、使用する排気管に合わせて変更することは困難である。また、カバーの軸方向の長さは短く、排気管の径が絞れず、太い場合には、センサを設けた部分の流速は、管の中央の主流に比べて遅くなり、センサ感度が低下する虞がある。
そこで、本発明は、センサを設ける流路の径を絞ることなく、センサ感度を向上させることができる排気状態検出装置を提供することを目的とするものである。
前記の課題を解決するために、本発明は、内燃機関から排出された排気ガスが流通する流路にセンサを設け、
該センサは、排気ガスの状態を検出するセンサ素子と、該センサ素子の外側を覆うように設けたカバーを有し、
前記カバーの側面に連通孔を複数設け、前記カバーにおける前記流路の軸芯側に導出孔を設け、
前記カバーの外側には、該カバーの外周面に離間してガイド筒を設け、該ガイド筒の側面で、かつ、前記カバーにおける前記流路の上流側に位置する連通孔に対向する位置に流入孔を設け、前記導出孔より前記流路の軸芯側に流出孔を設け、
前記ガイド筒の内外は、前記流入孔と前記流出孔のみにより連通し、
前記流出孔の開口面積を、前記流入孔の開口面積より大きく形成し、
前記ガイド筒の軸方向の長さを、前記カバーの軸方向の長さより長く形成したことを特徴とするものである。
前記センサを、隣接する排気浄化ユニットの間に設けられた排気管に取付けてもよい。
本発明によれば、カバーの外側にガイド筒を設け、ガイド筒の側面で、かつ、カバーにおける流路の上流側に流入孔を設け、流路の軸芯側に流出孔を設け、ガイド筒の軸方向の長さを、カバーの軸方向の長さより長く形成したことにより、流路の軸芯近くに流出孔が位置し、流出孔近傍に負圧が生じ、ガイド筒内の排気ガスが掃気され、流入孔より排気ガスが吸い込まれやすくなり、センサの感度を向上させることができる。
ガイド筒の側面で、かつ、カバーにおける流路の上流側に流入孔を設け、流路の軸芯側に流出孔を設け、ガイド筒の内外は、流入孔と流出孔のみにより連通したことにより、カバーから出た排気ガスが、ガイド筒の内周面に衝突した後に、カバーとガイド筒との間の空間内を旋回流として循環するため、センサ素子と排気ガスとの接触頻度を上げ、センサの感度を向上させることができる。
本発明の実施例1に係る排気状態検出装置の斜視図。 図1の排気状態検出装置を車両に搭載した状態の上流側から見た図。 図2のA-A線断面図。 図3の要部拡大図。 本発明の他の実施例の一例の縦断面図。
本発明の実施の形態を図に示す実施例に基づいて説明する。
[実施例1]
図1は、本発明における実施例1の排気状態検出装置1の斜視図、図2は排気状態検出装置1を車両に搭載した状態の上流側から見た図、図3は図2のA-A線縦断面図を示す。
排気状態検出装置1は、自動車等の車両等の内燃機関から排出された排気ガスが流通する流路である排気管2に取付けられ、図3の左側から右側に向かって排気ガスが矢印X方向に流通するようになっている。排気状態検出装置1の上流側の排気管2内には排気浄化ユニットであるマニホールド触媒3が設けられ、排気状態検出装置1の下流側の排気管2内には排気浄化ユニットである床下触媒4が設けられている。すなわち、隣接する排気浄化ユニットの間に設けられた排気管2に排気状態検出装置1が設けられている。
排気状態検出装置1は、センサ5を有し、このセンサ5は、排気管2に固設されたボス6に組付けられている。センサ5は、排気ガスの性状及び/又は排気ガスが含有する成分の濃度を検出して、排気ガスの状態を検出するセンサ素子8を備えている。
センサ素子8の外側には、図4に示すように、センサ素子8を覆うようにカバー9が設けられ、カバー9は、センサ素子8の外側に設けた筒状の内側カバー10と、内側カバー10の外側に離間して設けた筒状の外側カバー11で構成されている。センサ素子8と内側カバー10と外側カバー11の夫々の軸芯は、ほぼ同軸線上に位置するようなっている。
内側カバー10の側面には、周方向に適宜間隔を有して複数の連通孔10aが内外を貫通して形成されている。内側カバー10における排気管2の軸芯側部は、排気管2の軸芯に向かう程縮径するように形成され、内側カバー10における排気管2の軸芯側端部には導出孔10bが1個内外を貫通するように形成されている。
外側カバー11の側面には、周方向に適宜間隔を有して複数の連通孔11aが内外を貫通して形成されている。内側カバー10の連通孔10aと、外側カバー11の連通孔11aは、互いに対向しないラビリンス状に配置されている。
外側カバー11における排気管2の軸芯側部は、排気管2の軸芯に向かう程縮径するように形成され、外側カバー11における排気管2の軸芯側端部11bには導出孔11cが1個内外を貫通するように形成されている。
外側カバー11の導出孔11cの内径は、内側カバー10の軸芯側端部の外径より大きく形成されるとともに、外側カバー11の導出孔11cは、図4に示すように、内側カバー10の導出孔10bと略同じ位置に形成されている。
上記構造を有するカバー9により、センサ素子8が破損、汚損することを抑制している。
外側カバー11の外側には、図1~図4に示すように、外側カバー11の外周面と離間するように、円筒状のガイド筒13がボス6に取付けられている。ガイド筒13には流入孔13aが、ガイド筒13の側面における上流側で、かつ、約半周の周方向に亘って、その内外を貫通して形成されている。ガイド筒13は、その軸方向全体に亘って、略同じ径で形成されている。
ガイド筒13の流入孔13aは、図1~図4に示すように、外側カバー11の連通孔11aのうち上流側に位置する連通孔11aの外側で、かつ、少なくとも上流側に位置する連通孔11aに対向する位置に形成されている。
ガイド筒13における排気管2の軸芯側端部13cは、外側カバー11における排気管2の軸芯側端部11bより、排気管2の軸芯側に位置し、かつ、排気管2の軸芯近傍に位置するように形成されている。すなわち、ガイド筒13の軸方向の長さは、カバー9の軸方向の長さより長く形成されている。また、ガイド筒13の排気管2の軸芯側端部には、流出孔13bが、排気管2の軸芯近傍に位置するように形成されている。流出孔13bの開口面積は、流入孔13aの開口面積より大きくなるように形成されている。
ガイド筒13の内外は、流入孔13aと流出孔13bのみで連通している。
流出孔13bが、排気管2の軸芯近傍に位置することにより、流出孔13b付近の圧力が低下し負圧が生じ、ガイド筒13内の排気ガスが掃気され、流入孔13aからガイド筒13内に排気ガスが、吸い込まれやすくなりセンサ5の感度を向上させることができる。
また、流入孔13aからガイド筒13内に導入された排気ガスは、外側カバー11の上流側に位置する連通孔11aと、内側カバー10の連通孔10aを通過した後に、センサ素子8と接触する。その後、外側カバー11の下流側に位置する連通孔11a及び導出孔10b,11cより外側カバー11とガイド筒13の間の空間へ抜けた排気ガスの一部は、ガイド筒13の下流側の内周面に衝突する。その後、旋回流としてガイド筒13とカバー9との間の空間を循環することで、排気ガスがセンサ素子8と接触する頻度が上昇し、センサ5の感度を向上させることができる。
本発明の排気状態検出装置1と、カバー9の外側にガイド筒13を設けていないものを、夫々定常流解析を行ったところ、センサ素子8の近傍の流速は、排気状態検出装置1が0.49m/sであったのに対し、カバー9の外側にガイド筒13を設けていないものは0.11m/sであり、本発明の排気状態検出装置1の方が約4.5倍高い値となった。この結果からも、本発明の排気状態検出装置1におけるセンサ5の感度が高いことが分かる。
本発明の排気状態検出装置1は、ガイド筒13のみの形状を変えることで、各排気管の形状に対応することができる。
[他の実施例]
上記実施例1においては、ガイド筒13を円筒状に形成したが、内部にカバー9を収納できる空間が形成されていれば、ガイド筒の形状を、角柱状など任意の形状に形成することができる。
また、図5に示すように、ガイド筒13における排気管2の軸芯側端部13cを、上流側から下流側に向かう程、排気管2の軸芯から離間するように形成してもよい。
また、上記実施例1においては、カバー9を、内側カバー10と外側カバー11で構成したが、カバーを内側カバー10又は外側カバー11のみで構成してもよい。
また、上記実施例1においては、ガイド筒13をボス6に取付けたが、ガイド筒13を排気管2に直接取り付けるようにしてもよい。
それ以外の構造は、前記実施例1と同様であるのでその説明を省略する。
他の実施例においても前記実施例1と同様の効果を奏する。
1 排気状態検出装置
2 流路(排気管)
3,4 排気浄化ユニット
5 センサ
8 センサ素子
9 カバー
10a,11a 連通孔
10b,11c 導出孔
13 ガイド筒
13a 流入孔
13b 流出孔

Claims (2)

  1. 内燃機関から排出された排気ガスが流通する流路にセンサを設け、
    該センサは、排気ガスの状態を検出するセンサ素子と、該センサ素子の外側を覆うように設けたカバーを有し、
    前記カバーの側面に連通孔を複数設け、前記カバーにおける前記流路の軸芯側に導出孔を設け、
    前記カバーの外側には、該カバーの外周面に離間してガイド筒を設け、該ガイド筒の側面で、かつ、前記カバーにおける前記流路の上流側に位置する連通孔に対向する位置に流入孔を設け、前記導出孔より前記流路の軸芯側に流出孔を設け、
    前記ガイド筒の内外は、前記流入孔と前記流出孔のみにより連通し、
    前記流出孔の開口面積を、前記流入孔の開口面積より大きく形成し、
    前記ガイド筒の軸方向の長さを、前記カバーの軸方向の長さより長く形成したことを特徴とする排気状態検出装置。
  2. 前記センサを、隣接する排気浄化ユニットの間に設けられた排気管に取付けたことを特徴とする請求項1記載の排気状態検出装置。
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