JP2010048008A - 断熱壁構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 所定の断熱効果を具有するのはもちろんのこと、構成部材の削減やこれによる施工に要す手間の削減を可能にする。
【解決手段】 建築物の屋内側と屋外側とを画成する躯体1と、この躯体1の屋外側面に展設される防水紙2と、この防水紙2の屋外側面に隣設されながら上記の躯体1に連結されるラス3と、このラス3の屋外側面に連結される無機質軽量成形体4とを有してなる断熱壁構造において、上記の無機質軽量成形体4が無機質水硬性材料および繊維質材料を含有してなる無機質水硬性組成物に水を加えて上記のラス3に吹き付け成形されてなる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、断熱壁構造に関し、特に、木質系の建築物における外壁への適用に向く断熱壁構造の改良に関する。
木質系の建築物における外壁への適用に向く断熱壁構造としては、従来から種々の提案があるが、その中で、特許文献1には、建築物の室内側と屋外側とを画成する躯体がこの躯体を構成する柱と間柱との間にグラスウールなどの断熱材を有し、この断熱材を屋外側から被覆するようにいわゆる外壁が形成されるとする提案が開示されている。
そして、木質系の建築物における外壁は、鉄筋コンクリート造などの建築物における場合に比較して、任意に仕上げ得るが、多くの場合に、セメント系,珪酸質系,合成樹脂エマルション系,合成樹脂溶液系およびポリマーセメント系などからなる仕上げ材を利用して仕上げられる。
一方、このような仕上げ材を利用するとしても、下地材としては、たとえば、特許文献2に開示の提案にあるように、上記の柱と間柱との間に断熱材を有してなる躯体おける室外側面に連結した下地板に防水紙を展設連結し、この防水紙上にラスを展設し、このラス上に下地モルタルを塗り付けるものがある。
そして、この下地板,防水紙,ラスおよび下地モルタルからなる下地体を利用する場合には、下地モルタルが硬化するのを待って、この下地モルタル上に上記の仕上げ材を施工すれば、所望の外壁を施工し得る。
それゆえ、上記した特許文献1および特許文献2の提案を合体すれば、グラスウールなどの断熱材が具有する所定の断熱効果を発揮する木質系の建築物における断熱壁構造の外壁を施工し得ることになる。
特開2002‐242324公報(明細書中の段落0022,図1参照) 特開2001‐316165公報(明細書中の段落0002,0003,0004,図5参照)
しかしながら、上記した文献開示の提案によれば、基本的には、所定の断熱効果を発揮する木質系の建築物における断熱壁構造の外壁を施工し得る点で問題はないが、施工の実際を勘案すると、些か好ましくないと指摘される危惧がある。
すなわち、上記した断熱壁構造は、言わば旧来から汎用されている施工法で具現化されるものであって、所定の断熱効果を得られる以上、これを変更する必要性に欠けるとする考え方と、施工単価としても、旧来から是認されてきたこともあって、言わば最も好ましい施工法で具現化できると認識されてきた。
このような経緯から、木質系の建築物における外壁への適用に向く断熱壁構造として、上記した特許文献1および特許文献2に開示されているところを合体すれば良く、また、それで足りるとされていた訳で、その意味から、新たな提案がなかったと言える。
しかし、建築基準法に言う断熱壁の機能を具有する限りには、その施工法や外壁の重さなどが検討されて然るべきで、特に、咋近のエコ思想からすれば、構成部材の削減やこれによる施工に要す手間の削減も望まれる。
この発明は、このような現状を鑑みて創案されたものであって、その目的とするところは、所定の断熱効果を具有するのはもちろんのこと、構成部材の削減などで外壁の軽量化を可能にすると共に、施工に要す手間の削減を可能にして、その汎用性の向上を期待するのに最適となる断熱壁構造を提供することである。
上記した目的を達成するために、この発明による断熱壁構造の構成を、基本的には、建築物の屋内側と屋外側とを画成する躯体と、この躯体の屋外側面に展設される防水紙と、この防水紙の屋外側面に隣設されながら上記の躯体に連結されるラスと、このラスの屋外側面に連結される無機質軽量成形体とを有してなる断熱壁構造において、上記の無機質軽量成形体が無機質水硬性材料および繊維質材料を含有してなる無機質水硬性組成物に水を加えて上記のラスに吹き付け成形されてなるとする。
それゆえ、この発明によれば、断熱壁構造を形成する無機質軽量成形体が、無機質水硬性材料および繊維質材料を含有する無機質水硬性組成物に水を加えて、同じくこの断熱壁構造を構成する躯体に展設のラスに吹き付け成形されてなるから、躯体に断熱材を配設することを要することなく、また、軽量骨材を利用することなく所定の断熱壁構造を具現化でき、断熱壁構造を構成する部材の削減を可能にすると共に、外壁の重量削減を可能にし、さらには、施工に要す手間の削減を可能にする。
そして、この発明によれば、ラスに連結される無機質軽量成形体が、構成材料として繊維質材料を含有してなるから、別途に断熱材を配設することなく、この繊維質材料による断熱機能の発揮を期待できる。
また、この発明によれば、ラスに連結される無機質軽量成形体が、無機質水硬性材料および繊維質材料を含有する無機質水硬性組成物に水を加えて吹き付け成形されるから、ラスにモルタルを塗り付ける従来の施工に比較して、外壁の重量を小さくすると共に、外壁の施工を容易にする。
さらに、この発明によれば、ラスに連結される無機質軽量成形体が軽量骨材を利用しないから、外壁の重量軽減を期待できる。
以下に、図示した実施形態に基づいて、この発明を説明するが、この発明による断熱壁構造は、木質系の建築物における外壁に具現化されるもので、図1、すなわち、図2に示すところにあって、図中の右側が、木質系の建築物における屋内側であり、左側が同じく屋外側である。
ところで、図1および図2に示すように、この発明による断熱壁構造は、建築物の屋内側と屋外側とを画成する躯体1と、この躯体1の屋外側面に展設される防水紙2と、この防水紙2の屋外側面に隣設されながら上記の躯体一に連結されるラス3と、このラス3の屋外側面に連結される無機質軽量成形体4とを有し、さらに、図示するところでは、無機質軽量成形体4の屋外側面に仕上げ材5を連結してなる。
前記したように、この発明は、木質系の建築物における外壁に具現化されるもので、この点からして、躯体1は、基本的には、木質系とされて後述する防水紙2やラス3、さらには、この発明における無機質軽量成形体4の連結を可能にするが、この発明の意図するところからすると、躯体1が木質系からなることは必須でない。
すなわち、図2中に仮想線図で示すように、躯体1の屋外側面に木質系の板材11が一体的に連結され、この板材11が防水紙2およびラス3の連結を可能にする場合には、躯体1が木質系からならずしてコンクリート系や鉄系からなるとしても良い。
なお、ここに言う躯体1は、木質系の建築物において、柱や梁などのように構造部材とされることは余りなく、単に屋内と屋外の遮蔽を目的にしてあらかじめ設けられていれば足りるが、この発明における断熱壁構造を具現化する上からは、これに限定されずして、いわゆる構造壁を構成するものであっても良い。
たとえば、躯体1が前記した特許文献1に開示されているところと同様に、柱と間柱を有し、しかも、この柱と間柱との間にグラスウールなどの断熱材を有するとしても良い。
防水紙2は、防水シートなどと称されることもあるが、屋外からの雨水などの水分が躯体1に浸透することを阻止するもので、所定の防水機能を恒久的に保障し得る限りには、任意に構成されて良く、多くの場合に、たとえば、アスファルトなどの油成分を含む紙類で構成される。
そして、この防水紙2は、タッカーやステープルなどの留め金具類の躯体1への打ち付けで躯体1に展設、すなわち、連結されるが、後述するラス3の隣設、すなわち、連結時に併せて躯体1に連結されても良い。
ちなみに、この発明による断熱壁構造を具現化する際に、防水紙2およびラス3があらかじめ一体に連結されて下地材とされ、この一体に連結された下地材が躯体1に連結されるとする場合には、いわゆる施工を簡略化でき、施工期間の短縮や施工コストの低廉化を可能にする点で有利になる。
ラス3は、ラス網と称されることもあり、一般に、金属製、すなわち、メタルラスからなり、特に、後述するところであるが、この発明における無機質軽量成形体4が、無機質水硬性材料および繊維質材料を含有してなる無機質水硬性組成物に水を加えて上記のラス3に吹き付け成形されることを鑑みると、防錆処理されているのが好ましい。
そして、ラス3の種類としては、たとえば、JIS A 5505に規定の平ラス,こぶラス、波ラス,リブラスの何れが利用されるのが良く、また、ラス3の大きさとしては、たとえば、ほぼ600mm×1800mmであり、施工時にはそのままの大きさで、あるいは、適宜の大きさに切断されて利用される。
さらに、ラス3におけるラス目の形状については、特段の限定はないが、多くの場合に、亀甲形や菱形などの後述する無機質軽量成形体4の連結を容易に実現可能にする形状とされて良い。
また、このラス3を躯体1に連結するについては、前記した防水紙2を躯体1に連結する場合と同様に、タッカーやステープルなどの留め金具類の躯体1における屋外側面への打ち付けで実現される。
無機質軽量成形体4は、旧来上記のラス3に塗り付けられる砂,セメント,水の混合物たるモルタルに代るもので、この発明にあっては、図示しないが、無機質水硬性材料および繊維質材料を含有してなる無機質水硬性組成物に水を加えて上記のラス3に吹き付け成形される。
ところで、この発明において、上記した旧来からのモルタルに代えて、無機質軽量成形体4が利用されるとするのは、以下の理由による。
すなわち、まず、たとえば、含水率が10重量%乃至5重量%の間での長さ変化率が0.01%以下で、比重が1.1以下の無機質軽量成形体4は、これが外壁材として利用されるとき、外壁材のたれや収縮、反り、うねりなどを発生し難くし、したがって、爾後にこの無機質軽量成形体4に連結される仕上げ材5におけるひび割れやたれおよび目地コーキング切れなどの発現を阻止するのに有効となる。
ちなみに、無機質軽量成形体4における長さ変化とは、空気中の湿度による吸湿や雨水の浸水などによる成形体の膨張およびその後の乾燥により収縮する現象を言う。
そして、この発明では、含水率が10重量%乃至5重量%の間での長さ変化率が0.01%以下の無機質軽量成形体4を用いるが、この長さ変化率が0.01%以下、より好ましくは0.05%以下であると、通常使用されている成形体の最も長い規格(3030mm)でも収縮量が0.3mm以下、さらには0.15mm以下となり、このような成形体を仕上げ材5の下地材として用いた場合には、どのような仕上げ材5を用いても、下地材の影響により仕上げ材5にひび割れがおこることはない。
また、このような成形体を仕上げ材5たる外壁パネルとして用いる場合には、外壁パネルにおける横継ぎ手コーキング部の隙間の発生および縦継ぎ手コーキング部の目地コーキング切れなどが発生しない。
なお、無機質軽量成形体4の長さ変化率が0.01%より大きくなると、空気中の湿度による吸湿および雨水の浸水による膨張、その後の乾燥による収縮が激しくなり、好ましくない。
上記した無機質軽量成形体4としては、無機質水硬性材料および繊維質材料を含有してなる無機質水硬性組成物に水を加えて成形したものものが好適であるが、これに軽量骨材を含有させても良い。
無機質水硬性材料としては、たとえば、セメント、石膏、ケイ酸カルシウムなどがあり、何れも水を加えることで硬化する。
そして、無機質軽量成形体4を構成する上で必須ではないが、加えても良い軽量骨材としては、パーライト、シラスバルーンなどの無機質軽量骨材の他に、ポリスチレン発泡粒子などの有機質軽量骨材、および、吸水性能を有する合成樹脂などがあり、これらの添加で無機質成形体4の軽量化が可能になる。
そして、軽量骨材としては、たとえば、発泡倍率が10倍以上100倍以下の熱可塑性樹脂発泡粒子を用いることができ、熱可塑性樹脂発泡粒子としては、粒径が10μm以上1300μm以下であるものが好ましい。
また、熱可塑性樹脂発泡粒子としては、たとえば、アクリロニトリル系樹脂発泡粒子、塩化ビニリデン系樹脂発泡粒子およびスチレン系樹脂発泡粒子からなる群から選択される少なくとも1種の発泡粒子を利用できる。
スチレン系樹脂発泡粒子としては、たとえば、発泡倍率が20倍以上50倍以下、平均粒径が300μm以上1300μm以下であるものが好適に用いられ、さらに、好ましくは、発泡倍率が20倍以上50倍以下であり、平均粒径が300μm以上700μm以下のものが利用される。
そしてまた、軽量骨材としては、上記の熱可塑性樹脂発泡粒子に加え、たとえば、さらに平均粒径50μm以上300μm以下、かさ比重0.1以上0.7以下、耐圧強度8MPa以上で、かつ、20重量%以上50重量%以下の酸化アルミニウム成分を含有する無機質軽量骨材を含有しても良い。
繊維質材料としては、ロックウール(岩綿)が代表となるが、このロックウールは、石綿と異なるのはもちろんのこと、玄武岩、鉄路炉スラグなどに石灰などを混合し、高温で溶解し生成される人造繊維で、主成分は酸化ケイ素と酸化カルシウムで、単繊維径は3〜10μmである。
なお、繊維質材料としての石綿は、添加される水を系内に保持する保水力、成形後の形状を維持する保形力を有しているために、過剰の水分を添加しても成形性および保形性を損なうことなくして成形体を製造でき、また、添加した過剰水分の逸散により成形体を軽量化することが容易であるが、近年、石綿の人体に対する有害性が指摘されており、したがって、この発明では、繊維質材料から石綿を除いている。
繊維質材料として、上記の石綿以外の吸水性を有する天然鉱物繊維および/または吸水性を有する無機質人造繊維を合計5重量%以上50重量%以下含有するのが良い。
そして、吸水性を有する天然鉱物繊維としては、たとえば、ワラストナイト、セピオライトおよびアタパルジャイトからなる群から選択された少なくとも1種の繊維を用いることができ、吸水性を有する無機質人造繊維として、上記のロックウールを用いることができる。
上記した無機質水硬性材料および繊維質材料を含有してなる無機質水硬性組成物は、水を加えられてペースト状にされて、前記したラス3の屋外側面に吹き付けられることで、ラス3と一体化され、その固化によって無機質軽量成形体4となってラス3との一体性を保障する。
そして、無機質軽量成形体4は、無機質水硬性組成物に水を加えてなることから、固化前にはいわゆるペースト状にされるが、特性を変更するために混和材などが混合されても良く、また、混和材としては、既存の任意のものが選択されて良い。
さらに、無機質軽量成形体4は、無機質水硬性組成物に水を加えて混合し、これをスプレーガンなどの利用でラス3の屋外側面に塗り重ねるように吹き付ける。
以上からすると、この発明にあって、断熱壁構造を構成するのにあって、旧来のモルタル下地に代えて、無機質軽量成形体4を利用するから、モルタル下地に比較して、施工に手間がかからない点で有利となる。
すなわち、モルタル下地においては、下塗り、中塗り、上塗りなどが必要で、しかも、重ねて塗る際には、下地を十分乾燥させる必要があり、施工時間が非常に長くなり、また、下塗り、中塗り、上塗りと施工手間も多くかかるという問題がある。
それに対して、この発明の無機質軽量成形体4は、無機質水硬性材料および繊維質材料を含有してなる無機質水硬性組成物に水を加えることで得られ、しかも、水を加えてペースト状にされたものをラス3に吹き付けられることで足りるから、モルタル下地に比較して、その施工に手間を要しない。
また、モルタル下地にあっては、乾燥によるひび割れが入るのが通常であり、そのためラス3にモルタルを塗り付けるとしているが、この施工で、未だひび割れを完全に防止することはできていない。
それに対して、この発明にあっては、前記したように、無機質軽量成形体4が乾燥時の収縮を小さくするから、爾後のひび割れを危惧しなくて済み、仕上げ材5にひび割れを誘発させない。
一方、近年、木質系の建築物においても、外断熱仕様が増えてきており、その具体的な方策として、建築物における柱および間柱の室外側に設けた断熱ボードの室外側面に胴縁を施工し、この胴縁の上に設けた合板上に防水紙2を展設連結し、その上にラス3を展設連結すると共に、このラス3にモルタルを塗り付けてモルタル下地を施工する。
それゆえ、このような外断熱工法を実践する場合、仕上げ下地材としてのモルタル下地やさらに仕上げ材などの外壁材の重量が重いと壁のたれなどが発生する不具合がある。
とは言え、モルタル下地は、モルタルの比重が約2.0乃至2.4程度と重量が大きい上に、ひび割れ防止のためにラス3を入れることからさらに重くなり、したがって、モルタル下地では外壁の軽量化に対応できないのが現状である。
さらに、一方で、建築物の外壁については高意匠化および高性能化が進み、それに伴い外壁材の重量が重くなる傾向を示し、外壁材裏面に設ける断熱材が外壁材を支えることができなくなり、外壁材のたれが多発している。
このことからも、外断熱工法に使用される外壁材はできる限り軽量なものが望まれており、この発明の壁構造による場合には、前記したように、旧来のモルタル下地に代えて、無機質軽量成形体4を利用するから、外壁における全体重量を大幅に小さくできる。
なお、外壁における防水性、すなわち、無機質軽量成形体4における防水性を向上させるためには、たとえば、無機質水硬性組成物が珪酸質材料を含有するのが好ましく、珪酸質材料がたとえば、比表面積5000cm2/gを超えて、8000cm2/g未満で、かつSiO2の含有率が90重量%以上である珪石粉を用い、組成物中のCaO/SiO2のモル比が0.5乃至1.2の範囲内にあるとするのが良い。
そして、外壁における防水性を左右する無機質軽量成形体4における防水性を向上させるためには、この無機質軽量成形体4におけるクラックの発生阻止が有効になるのは、経験側の示すところなので、図2中に仮想線図で示すように、無機質軽量成形体4がクラック防止のための格子状などに形成の、たとえば、グラスファイバー製のメッシュ41を有する、すなわち、ペースト状の無機質水硬性組成物をラス3に吹き付ける際にこのメッシュ41をいわゆる塗り込むのが良い。
仕上げ材5は、無機質軽量成形体4への屋外からの雨水などの浸水を阻止するもので、無機質軽量成形体4の屋外側面に連結される防水層として構成される。
この防水層としては、基本的には任意の材料が選択されて形成されて良く、旧来であれば、防水塗装や防水モルタルなどで具現化されるが、前記した無機質軽量成形体4における特性を鑑みると、この仕上げ材5についても、無機質軽量成形体、すなわち、無機質水硬性材料および繊維質材料を含有してなるのが良い。
つまり、仕上げ材5について、たとえば、セメント系、石膏系、ケイ酸カルシウム系などの無機質水硬性材料を主原料とする組成物から製造された成形板が利用されることがあるが、この種の成形板は、空気中の湿度による吸湿、雨水の浸水による吸水等により成形板が膨張し、その後、乾燥により成形板の収縮がおこる。
それに対して、無機質水硬性材料および繊維質材料を含有してなる、たとえば、前記した無機質軽量成形体4が利用される場合には、軽量にして、しかも、セメントなどを利用しないから、乾燥後の収縮を危惧しなくて済む。
のみならず、仕上げ材5として、無機質軽量成形体4からなるパネルが利用される場合には、あらかじめ表面を防水処理しておくことが可能になり、所定の防水機能の具有が簡単に実現できる。
そして、この仕上げ材5が前記した無機質水硬性組成物と同様に珪酸質材料を含有する場合には、結果的に、この仕上げ材5の表面の防水処理が可能になる。
なお、仕上げ材5を無機質水硬性組成物で構成する場合に、前記した下地材としての無機質水硬性組成物を構成する場合と同様に、軽量骨材を含有させても良い。
以上のように、この発明にあっては、断熱壁構造を形成する無機質軽量成形体4が、無機質水硬性材料および繊維質材料を含有する無機質水硬性組成物に水を加えて、同じくこの断熱壁構造を構成する躯体1に展設のラス3に吹き付け成形されてなるから、躯体1に断熱材を配設することを要することなく、所定の断熱壁構造を具現化でき、断熱壁構造を構成する部材の削減を可能にすると共に、施工に要す手間の削減を可能にする。
そして、この発明にあっては、ラス3に連結される無機質軽量成形体4が、構成材料として繊維質材料を含有してなるから、別途に断熱材を配設することなく、この繊維質材料による断熱機能の発揮を期待できる。
また、この発明にあっては、ラス3に連結される無機質軽量成形体4が、無機質水硬性材料および繊維質材料を含有する無機質水硬性組成物に水を加えて吹き付け成形されるから、ラス3にモルタルを塗り付ける従来の施工に比較して、外壁の重量を小さくすると共に、外壁の施工を容易にする。
さらに、この発明にあっては、ラス3に連結される無機質軽量成形体4が、軽量骨材を利用しないから、外壁の重量軽減を期待できる。
この発明による断熱壁構造を具現化した外壁を一部破断して示す斜視図である。 図1に示す外壁の縦断面図である。
符号の説明
1 躯体
2 防水紙
3 ラス網
4 無機質軽量成形体
5 仕上げ材
11 板材
41 メッシュ

Claims (8)

  1. 建築物の屋内側と屋外側とを画成する躯体と、この躯体の屋外側面に展設される防水紙と、この防水紙の屋外側面に隣設されながら上記の躯体に連結されるラスと、このラスの屋外側面に連結される無機質軽量成形体とを有してなる断熱壁構造において、上記の無機質軽量成形体が無機質水硬性材料および繊維質材料を含有してなる無機質水硬性組成物に水を加えて上記のラスに吹き付け成形されてなることを特徴とする断熱壁構造。
  2. 繊維質材が石綿以外の吸水性を有する天然鉱物繊維または吸水性を有する無機質人造繊維を含有してなる請求項1に記載の断熱壁構造。
  3. 上記の無機質水硬性組成物が軽量骨材を含有してなる請求項1に記載の断熱壁構造。
  4. 上記の無機質軽量成形体が防水材料を含有してなる請求項1に記載の断熱壁構造。
  5. 上記の無機質軽量成形体がクラック防止用のメッシュを有してなる請求項1に記載の断熱壁構造。
  6. 上記の無機質軽量成形体が屋外側面に仕上げ材を隣設させ、この仕上げ材が上記の無機質水硬性材料および繊維質材料を含有してなる請求項1に記載の断熱壁構造。
  7. 上記の仕上げ材が防水材料を含有してなる請求項5に記載の断熱壁構造。
  8. 上記の仕上げ材が軽量骨材を含有してなる請求項5に記載の断熱壁構造。
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