JP2010047077A - 車両のバンパー構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】重量の増大を招くことなく、初期耐力の低下や潰れ量の増大を回避し得るバンパー構造を提供する。
【解決手段】バンパービーム1に取り付けられると共に、衝突荷重を少なくとも2箇所に設定された荷重伝達位置を通じてバンパービーム1に伝達する荷重伝達部材5を備える。湾曲形状のバンパー状部材7を備えた障害物が衝突することによって、バンパービーム1に対し衝突荷重が入力されるときに、バンパービーム1の中央部に衝突荷重が入力されることに先立って、荷重伝達部材5の各荷重伝達位置52を通じて、バンパービーム1に荷重が入力される。
【選択図】図5

Description

本発明は、車両のバンパー構造に関する。
例えば特許文献1には、車幅方向に延びると共に、その両側の端部においてクラッシュカンを介して車体フレーム(サイドフレーム)に対し支持固定されるバンパービームを備えた車両のバンパー構造が開示されている。このバンパー構造ではさらに、バンパービームの車体外方側における車幅方向の中央部分に、閉断面構造からなる補強部材を取り付けており、そのことによって、バンパービームの中央部に局所的に衝突荷重が入力したときにも、補強部材によってその局所的な衝突荷重に対抗するようにしている。
特開2001−322517号公報
ところで、車両の意匠上、バンパーフェイスの車幅方向の中央部を、その両側の端部に比べて車体外方に位置するように湾曲させることに伴い、バンパービームの車体外方を向いた面を、車幅方向の中央部が両端に比べて車体外方に位置するように湾曲した湾曲面に構成する場合がある。
ところが、そうした湾曲形状のバンパービーム(バンパーフェイス)を備えた車両同士が衝突した場合には、車幅方向の中央部同士が他の部分に先立って当接し、そこに衝突荷重が入力することになる。このときに、バンパービームは車幅方向の両側の端部において車体フレームに対し支持されているため、バンパービームは3点曲げモードの状態となり、バンパービームの中央部に応力が集中することになる。このことは、初期耐力の低下を招いたり、潰れ量(バンパービーム前端とクラッシュカン後端との間の潰れ量)の増大を招いたりすることにもなるため、これらを解消しようとすれば、例えばバンパービーム自体の剛性を高めるべく、その肉厚を分厚くしたりする等の対策が必要になる。しかしながらこうした対策は、バンパービームの重量を大幅に増大させてしまう。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、重量の増大を招くことなく、初期耐力の低下や潰れ量の増大を回避し得るバンパー構造を提供することにある。
本発明は、湾曲形状のバンパービーム(バンパーフェイス)を備えた車両同士が衝突したときに、バンパービームが3点曲げモードではなく、4点以上の曲げモードとなるようにすることで、バンパービームの車幅方向中央部における応力集中を回避するようにした。
本発明の一側面によると、車両のバンパー構造は、車幅方向に延びかつ、その両端部において車体フレームに対しそれぞれ固定されると共に、車体外方を向いた面が、車幅方向の中央部が両端に比べて車体外方に位置するように湾曲した湾曲面に構成されたバンパービームと、前記バンパービームに取り付けられると共に、当該バンパービームの車幅方向の中央位置を挟んだ両側の少なくとも2箇所に設定された荷重伝達位置を有しかつ、車体外方から入力された衝突荷重を前記荷重伝達位置を通じて前記バンパービームに伝達する荷重伝達部材と、を備え、幅方向の中央部がその両端に比べて突出するように湾曲した形状のバンパー状部材を備えた障害物が衝突することによって、前記バンパービームに対し衝突荷重が入力されるときに、前記バンパービームの前記中央部に前記衝突荷重が入力されることに先立って、前記荷重伝達部材の各荷重伝達位置を通じて、前記バンパービームに荷重が入力される。
湾曲形状のバンパー状部材を備えた障害物(例えば車両)が衝突したときには、バンパービームの車体外方を向いた面が湾曲面であることにより、通常は車幅方向の中央部同士が他の部分に先立って互いに当接するようになって、その中央部に対して衝突荷重が入力されるところ、前記構成のバンパービームには複数の荷重伝達位置を有する荷重伝達部材が取り付けられているため、その中央部に衝突荷重が入力されることに先立って、荷重伝達部材の各荷重伝達位置を通じてバンパービームに荷重が入力される。これによって、車幅方向の両側の端部が車体フレームに対して支持固定されているバンパービームが、3点曲げモードとなることが回避されて、バンパービームは4点以上の曲げモードとなる。そうしてバンパービームの中央部に応力が集中することがなくなり、バンパービームにおける応力が分散することになる。その結果、例えばバンパービームの肉厚を分厚くしたりしなくても、換言すれば、バンパービームの重量を増大させなくても、初期耐力を向上させたり、その潰れ量をねらいの潰れ量となるようにしたりして、バンパー構造の荷重−変位特性を所望の特性とすることが実現する。
前記荷重伝達部材は、前記バンパービームの湾曲面から車体外方に向かって突出するように設けられた突出部材である、としてもよい。
こうすることで、湾曲形状のバンパー状部材を備えた障害物が衝突したときには、バンパービームの湾曲面から突出部材が突出しているため、バンパー状部材がバンパービームの湾曲面に当接する前に、突出部材に対して当接するようになる。その結果、バンパービームの車幅方向の中央部に衝突荷重が入力されることに先立って、突出部材に対し衝突荷重が入力され、前述したように、バンパービームにおける応力が分散する。
前記突出部材は、前記バンパービームの湾曲面における車幅方向の中央位置を間に挟むように車幅方向に互いに間隔を空けて取り付けられた一対のブラケットによって構成されている、としてもよい。
バンパービームの湾曲面に対して一対のブラケットを取り付けることだけで、その一対のブラケットの間に相当するバンパービームの車幅方向の中央部に衝突荷重が入力されることに先立って、衝突荷重が各ブラケットを通じてバンパービームに入力されるようになる。そうしてバンパービームが4点曲げモードになることによって、前述したバンパービームにおける応力の分散が実現する。
前記バンパービームは、車幅方向に間隔を空けて配置された複数の補強部材を有しており、前記一対のブラケットはそれぞれ、前記補強部材に対応する位置に取り付けられている、としてもよい。
こうすることで、ブラケットに入力された衝突荷重が、そのままバンパービームの補強部材に対して入力されるようになり、バンパービームに入力された衝突荷重に対抗することが可能になる。これにより、衝突時の初期耐力が向上する。
前記ブラケットと前記補強部材とは互いに結合されている、としてもよい。こうすることで、ブラケットから補強部材への衝突荷重の伝達が確実に行われ、初期耐力の向上に、さらに有利になる。
前記突出部材は、前記バンパービームの湾曲面に沿って車幅方向に延びて設けられており、前記車幅方向に延びる突出部材は、その車幅方向の中央部の硬度が相対的に低く、その両端部の硬度が相対的に高く設定されている、としてもよい。
こうすることで、湾曲形状のバンパー状部材を備えた障害物が衝突したときには、バンパー状部材の車幅方向中央部が、先ず、バンパービームに取り付けられた突出部材の車幅方向中央部に対して当接するようになるものの、その突出部材の中央部は相対的に硬度が低く、容易に変形するため、中央部からバンパービームに荷重がほとんど伝達しない。そうしてその後、突出部材の車幅方向両側の端部にバンパー状部材が当接したときに、当該両端部の硬度が相対的に高いため、バンパービームに荷重が伝達されるようになる。このようにして車幅方向の中央位置を挟んで、その車幅方向に間隔を空けた2箇所以上の位置においてバンパービームに対し衝突荷重が入力されるため、バンパービームは4点以上の曲げモードとなり、前記の構成と同様に、バンパービームにおける応力が分散する。
前記突出部材は、発泡樹脂材からなり、前記突出部材の前記両端部と中央部とは、前記発泡樹脂材の発泡率が異なることによって、その硬度が異なるように構成されている、としてもよい。
こうすることで、互いに硬度の異なる中央部と両端部とが一体となった樹脂製の突出部材をバンパービームに取り付けることだけで、重量の大幅な増大を招くことなく、前述したように、バンパービームを4点曲げモードにしてバンパービームにおける応力の分散が実現する。
以上説明したように、本発明によると、湾曲面を有するバンパービームに対し荷重伝達部材を取り付けることによって、衝突時には、バンパービームの中央部に衝突荷重が入力されることに先立って、その中央位置を間に挟んで車幅方向に間隔を空けた複数箇所に衝突荷重を入力させることができ、バンパービームが4点以上の曲げモードになって、バンパービームにおける応力を分散することができる。これによって、バンパービームの肉厚を分厚くしたりしてバンパービーム自体の剛性を高めなくても、衝突時の初期耐力を向上させたり、潰れ量を低減させたりすることができ、バンパー構造の荷重−変位特性を所望の特性とすることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
(実施形態1)
図1〜3は、本発明に係るバンパー構造が適用された車両を示しており、このバンパー構造は、車両後部のバンパー構造に係る。
このバンパー構造は、車幅方向に延びるバンパービーム1を備えている。バンパービーム1は、その車幅方向の両側の端部がそれぞれサイドフレーム2の後端に対して支持固定されている。一対のサイドフレーム2,2はそれぞれ、車体における車幅方向の両側位置に配置されかつ、車体前後方向に延びて配設されている。
バンパービーム1と各サイドフレーム2との間には、クラッシュカン3が介設されている。クラッシュカン3は、この実施形態では、横断面略矩形状の筒型に構成されており、その上面及び下面には、車幅方向に延びる凹条溝31が、車体前後方向に間隔を空けて複数形成されているのに対し、その左右の側面にはそれぞれ、上下方向に延びる凸条部32が、車体前後方向に間隔を空けて複数形成されている。これによってクラッシュカン3は、筒軸方向の荷重が入力されたときに、前記凹条溝31や凸条部32の位置において、山、谷が形成されるように潰れ変形をして、衝突エネルギを吸収する。
このクラッシュカン3の基端(車体前後方向の前端)には、プレート21が溶接により固定されており、クラッシュカン3はこのプレート21を介してサイドフレーム2の後端に対し固定されている。これに対し、クラッシュカン3の先端(車体前後方向の後端)は、バンパービーム1の裏面に対して溶接により直接固定されている。
前述したように、バンパービーム1は、車幅方向に延びて配設され、それによって一対のサイドフレーム2,2の間を互いに連結するようになっている。そうして、このバンパービーム1よりも後方に、図2,3において仮想的に示すように、バンパーフェイス4が取り付けられることで、車両の後部が構成されるようになっている。
バンパービーム1は、図4に示すように、インナパネル11、中間パネル12、アウタパネル13を車体前後方向に3枚、重ね合わせた状態で互いに接合することによって構成されている。
インナパネル11は、車幅方向に延びて形成されていると共に、その車幅方向の中央部が両側の端部に比べて車体前後方向の後方に位置するように湾曲して形成されている。また、インナパネル11は、その横断面が略コ字状となるように車体前方に向かって凹陥すると共に車体後方を向いて開口した凹陥溝111を有すると共に、その上端縁及び下端縁にはそれぞれ、車体後方を向いたフランジ部112が車幅方向に延びて形成されている。
そうして、インナパネル11における凹陥溝111内には、その車幅方向の中央位置と、中央位置を挟んだ両側位置とのそれぞれに、合計3個の補強部材113が配設されている。
中間パネル12は、車幅方向に延びる平板状の部材であると共に、インナパネル11と同様に、その車幅方向の中央部が両側の端部に比べて車体前後方向の後方に位置するように湾曲して形成されている。また中間パネル12には、その中央部に板厚方向に貫通する開口121が、車幅方向に延びて形成されている。この開口121は、後述するアウタパネル13の凹溝131が内挿される開口である。また、この開口121よりも車幅方向の両側外方位置には、後述するように、樹脂製突出部材5の位置決めピン53が挿入される位置決め孔122と、組付ファスナ57が挿入される組付孔123とが並んで形成されている。
アウタパネル13は、車幅方向に延びる平板状の部材であると共に、インナパネル11及び中間パネル12と同様に、その車幅方向の中央部が両側の端部に比べて車体前後方向の後方に位置するように湾曲して形成されている。またアウタパネル13には、その中央部に、車体前方に向かって凹陥すると共に車幅方向に延びる凹溝131が形成されている。この凹溝131は、後述するように、レーダーモジュール61,61同士を互いに接続するワイヤーハーネス6が敷設されるための溝である。このアウタパネル13にも、中間パネル12と同様に、凹溝131よりも車幅方向の両側外方位置に、樹脂製突出部材5の位置決めピン53が挿入される位置決め孔132と、組付ファスナ57が挿入される組付孔133とが並んで形成されている。
そうして前述したように、インナパネル11の凹陥溝111内に補強部材113をそれぞれ配設した状態で、そのインナパネル11と中間パネル12とアウタパネル13とを互いに重ね合わせると共に、インナパネル11の上側及び下側のフランジ部112の位置と、前記補強部材113の位置とにおいて、図示は省略するが、スポット溶接を行うことにより、それらのパネル11,12,13を互いに接合してバンパービーム1が形成されることになる。こうして形成されたバンパービーム1は、図2,5等に示すように、車幅方向の中央部が、両端に比べて車体外方(つまり、車体前後方向の後方位置)に位置するように湾曲して形成されることになり、それによってバンパービーム1の後端面が湾曲面に構成されることになる。
そうして、この実施形態に係るバンパー構造では、バンパービーム1の湾曲面に対して、樹脂製突出部材5(以下、単に突出部材5ともいう)が取り付けられている。この突出部材5は、図5に示すように、前記バンパービーム1の湾曲面に沿うように、その裏面が湾曲すると共に、その表面がバンパービーム1の湾曲面とは異なる曲率半径で湾曲するように、車幅方向に延びて形成されている。この突出部材5は、後述するように衝突時の衝突荷重を、バンパービーム1における所定の車幅方向位置に入力させるための機能を有すると共に、製造上の制約により湾曲の曲率半径が相対的に大きくなってしまうバンパービーム1と、車両の意匠上、曲率半径が相対的に小さくなるバンパーフェイス4との間で、その曲率半径の差を埋める機能をも有している。
また、突出部材5の車幅方向の長さは、前記バンパービーム1よりも短く設定されており、突出部材5は、バンパービーム1の中央部において前記凹溝131を覆うように配設され、それによって、バンパービーム1の両端部が、突出部材5よりも車幅方向の外方に突出するようになっている。
突出部材5は発泡樹脂材によって構成されていると共に、図1等において仮想線で示すように、発泡樹脂材の発泡率が互いに異なる、車幅方向の中央部51と両端部52とに区分される。具体的に中央部51は、両端部52に比べて、発泡率が高く設定されており、それによって中央部51の硬度は、両端部52の硬度よりも低くなるように構成されている。このように中央部51と両端部52との発泡率を異ならせることは、例えば金型内において、中央部51と両端部52との境界となる位置に予め仕切板を配置することにより各部51,52を区画しておいてその発泡樹脂材の発泡率を異ならせると共に、その製造過程の途中において前記の仕切板を取り外すことによって、前記中央部51と両端部52とが一体になるようにすることによって実現する。
突出部材5の車幅方向の両端部には、図6等に示すように、この突出部材5をバンパービーム1に対して取り付けるための組付ファスナ57が内挿される組付孔54が、その厚み方向(車体前後方向)に貫通して形成されていると共に、突出部材5の裏面には、組付孔54よりも車幅方向の外方位置に、位置決めピン53が当該裏面から突出するように設けられている。この位置決めピン53は、前述したように、バンパービーム1(アウタパネル13及び中間パネル12)における位置決め孔122内に内挿されるピンであり、この位置決めピン53が位置決め孔122,132に内挿されて、突出部材5がバンパービーム1に対して仮止めされた状態で、突出部材5の組付孔54及びバンパービーム1の組付孔123,133に組付ファスナ57が内挿されて係合することにより、この突出部材5がバンパービーム1に対して組み付けられることになる。
そうして突出部材5の裏面にはまた、図5,6に示すように、その裏面から厚み方向の内方に凹陥した複数の凹部55,56が形成されており、この凹部55,56とバンパービーム1の凹溝131とによって、バンパービーム1と突出部材5との間でワイヤーハーネス6が敷設されるハーネス経路が形成されることになる。この複数の凹部55,56の内、相対的に車幅方向の外方に位置する凹部55,55はそれぞれ、突出部材5の上端面に対して開口しており、この開口551を通じて、ワイヤーハーネス6がハーネス経路内に導入及び導出することになる。この2つの凹部55の間には、4つの凹部56が、車幅方向に略水平となるように、互いに間隔を空けて並設されている。各凹部56は、その両端部から中央部に向かって次第に幅が拡がるような略楕円形状を有している。ここで、図7に示すように、車幅方向の両側位置にそれぞれ配置され、車両に対して斜め後方位置の障害物等を検知するためのレーダーモジュール61,61同士を互いに接続するワイヤーハーネス6は、所定の複数箇所で、クリップ62によって固定されている一方、そのクリップ62とクリップ62との間は、撓んだ状態で拘束されることなく配設されている。前記各凹部55,56は、このクリップ62間のワイヤーハーネス6の噛み込みを防止しつつ、撓みによる変位を許容する(図7の一点鎖線参照。尚、一点鎖線はワイヤーハーネス6の変位が許容される範囲を示している)ように形成されている。
この構成のバンパー構造によると、図2,5に仮想的に示すように、特に車幅方向の中央部が両端部に比べて車体外方に位置するように湾曲したバンパー形状を有する車両が衝突したときには、その湾曲バンパー(バンパー状部材)7の中央部と、バンパービーム1に取り付けられた突出部材5の中央部51とが互いに当接することになるが、突出部材5の中央部51は、相対的に硬度が低いため、その当接に伴い変形するようになり、その結果、バンパービーム1の中央部には、衝突荷重がほとんど入力されない。
その後に湾曲バンパー7がさらに相対移動することによって、今度は、湾曲バンパー7と突出部材5の両端部52とが当接するようになる。このとき両端部52の硬度は比較的高いため、衝突荷重が、その両端部52を通じてバンパービーム1に伝達するようになる(図5参照)。これによって、バンパービーム1には、車幅方向の中央位置を挟んだ車幅方向に間隔を空けた2箇所において、衝突荷重が入力されることになる。こうして、車幅方向の両端部においてサイドフレーム2に支持固定されたバンパービーム1は、少なくとも4点曲げモードになる。つまり、この構成では、突出部材5の両端部52が、バンパービーム1の中央部に衝突荷重が入力されることに先立って、当該バンパービーム1に衝突荷重を伝達する荷重伝達位置に対応する。
この結果、バンパービーム1の中央部に応力が集中せず、バンパービーム1において応力は分散する。それによって、衝突時における初期耐力が向上すると共に、潰れ量(バンパービーム1の後端からクラッシュカン3の前端までの間の潰れ量)が大きくなりすぎずに、所望の潰れ量にすることが実現する。
こうした衝突時における荷重−潰れ量特性の改善は、例えばバンパービーム1の肉厚を分厚くしてバンパービーム1自体の剛性を高めることなく実現するため、バンパービーム1の軽量化をも達成することができる。
しかも、この突出部材5は、湾曲の曲率半径が互いに異なるバンパービーム1とバンパーフェイス4との間で、その曲率半径差を埋める機能を有する部材でもあり、このように突出部材5を、複数機能を有する部材とすることによって、バンパー構造全体の軽量化をも図ることができる。
(実施形態2)
図8〜11は、実施形態2に係るバンパー構造を示している。このバンパー構造は、バンパービーム8の湾曲面に、荷重伝達位置となる突出部材としての一対のブラケット9,9が取り付けられている点が、実施形態1のバンパー構造と異なる。
バンパービーム8は、インナパネル81とアウタパネル82とを車体前後方向に重ね合わせた状態で互いに接合することによって構成されている。
インナパネル81は、車幅方向に延びて形成されていると共に、その車幅方向の中央部が両側の端部に比べて車体前後方向の後方に位置するように湾曲して形成されている。また、インナパネル81は、その横断面が略コ字状となるように車体前方に向かって凹陥すると共に車体後方を向いて開口した凹陥溝811を有すると共に、その上端縁及び下端縁にはそれぞれ、車体後方を向いたフランジ部812が車幅方向に延びて形成されている。
そうして、インナパネル81における凹陥溝811内には、その車幅方向の中央位置と、中央位置を挟んだ両側位置と、クラッシュカン30の固定位置に対応する、車幅方向の両端位置とのそれぞれに、合計5個の補強部材813が配設されている。
アウタパネル82は、車幅方向に延びる平板状の部材であると共に、インナパネル81と同様に、その車幅方向の中央部が両側の端部に比べて車体前後方向の後方に位置するように湾曲して形成されている。
そうしてインナパネル81の凹陥溝811内に補強部材813をそれぞれ配設した状態で、そのインナパネル81とアウタパネル82とを互いに重ね合わせると共に、インナパネル81の上側及び下側のフランジ部812の位置と、前記補強部材813の位置とにおいて、図示は省略するが、スポット溶接を行うことにより、それらのパネル81,82を互いに接合してバンパービーム8が形成されることになる。こうして形成されたバンパービーム8は、図10等に示すように、車幅方向の中央部が、両端に比べて車体外方(つまり、車体前後方向の後方位置)に位置するように湾曲して形成されることになり、それによってバンパービーム8の後端面が湾曲面に構成されることになる。
各ブラケット9は、例えば図10等に示すように、横断面略W字状に構成された板状の部材であり、バンパービーム8の湾曲面において、車幅方向の中央位置を挟んで車幅方向に所定の間隔を空けて配置されている。具体的に各ブラケット9は、図8に示すように、補強部材813と車幅方向に同じ位置に配置されており、この各ブラケット9は、上下方向の中間部においては、ブラケット9、アウタパネル82及び補強部材813が、3枚重ねの状態で、スポット溶接により互いに結合され、上下方向の上端部においては、ブラケット9、アウタパネル82及びインナパネル81における上側のフランジ部812が、3枚重ねの状態で、スポット溶接による互いに結合されることで、バンパービーム8に対して取り付けられている。
こうして、各ブラケット9,9がアウタパネル82に対して取り付けられることにより、図10,11に示すように、バンパービーム8の湾曲面から、ブラケット9が車体前後方向の後方に突出するように設けられることになる。
ここで、この実施形態においては、クラッシュカン30の形状が実施形態1とは異なり、このクラッシュカン30は、略6角形状の横断面を有する部材を車幅方向に並べて配置すると共に、それらを互いに連結することによって、全体として略8の字状の横断面となるように構成されている。この構成のクラッシュカン30は、筒軸方向の荷重が入力されたときに、略8の字状の横断面を構成する各面において山及び谷が並ぶように潰れ、それによって衝突エネルギが効果的に吸収されるようになる。尚、クラッシュカンの構成自体には特に制限がなく、本実施形態において、前記実施形態1に示すクラッシュカン3を採用してもよいし、また逆に、実施形態1において、本実施形態2に示す横断面8の字状のクラッシュカン30を採用してもよい。
この構成のバンパー構造によると、図10に仮想的に示すように、特に車幅方向の中央部が両端部に比べて車体外方に位置するように湾曲したバンパー形状を有する車両が衝突したときに、バンパービーム8の中央部に湾曲バンパー7の中央部が当接するよりも先に、各ブラケット9に対して、湾曲バンパー7が当接するようになり、そのブラケット9を通じて衝突荷重がバンパービーム8に入力される。ブラケット9は車幅方向に所定の間隔を空けて配置されている一方、バンパービーム8は、車幅方向の両端部においてサイドフレーム2に支持固定されているため、バンパービーム8は、4点曲げモードとなる。こうして、バンパービーム8の中央部に応力が集中せずに、バンパービーム8において応力が分散することによって、衝突時における初期耐力を向上させることができると共に、その潰れ量を所望の潰れ量に抑えることができる。
しかも前記ブラケット9を、補強部材813に対応する車幅方向位置に配置すると共に、その補強部材813に対してスポット溶接により結合しているため、ブラケット9に入力された衝突荷重をバンパービーム8に対して確実に伝達して、その補強部材813によって衝突荷重に対抗することができる。それによって、衝突時の初期耐力を向上させることができる。
次に、実際に実施した実施例について、図12に示すシミュレーション結果を参照しながら説明する。図12は、バンパー構造における荷重−変位特性を示している。同図において破線は目標の特性曲線であり、ここでは、衝突時に、所定荷重となるまで線形的に荷重が増大すると共に、その後、その所定の略一定荷重で潰れ量が増大し、最終的に所望の最大潰れ量が得られることを目標としている。
これに対し二点鎖線は、実施形態2のバンパー構造に対してブラケット9を有しない比較例に係り、目標の特性に対して初期耐力が低下し、そのまま荷重の増大を伴いながら、潰れ量が緩慢に増大していく特性となっている。これは、ブラケット9を有しないことにより、バンパービームが3点曲げモードになって、車幅方向の中央部に応力が集中することに起因しており、前記のような荷重−変位特性であることによって、エネルギ吸収効率が悪いため、最大潰れ量が、目標の最大潰れ量よりも大きくなってしまっている。
これに対し実線は、実施形態2のバンパー構造に係り、ブラケット9を有する実施例であり、さらにこの実施例は、前記比較例の場合よりもバンパービーム8の板厚を薄くしている。この実施例では、比較例及び目標の特性に対して初期耐力が向上すると共に、所定の一定荷重で潰れ量が増大していく特性となっている。こうして、板厚を薄くすることでバンパービーム8を軽量化していてもエネルギ吸収効率が向上することにより、最大潰れ量が、目標の最大潰れ量とほぼ同じになっている。
このように、バンパービーム8の湾曲面に対して一対のブラケット9を取り付けることによりそのバンパービーム8を4点曲げモードにすることによって、バンパー構造の荷重−変位特性を改善することが実現する。
尚、本発明に係るバンパー構造は、車両後部のバンパー構造に限らず、車両前部のバンパー構造に適用してもよい。
以上説明したように、本発明は、バンパー構造の重量を増大させることなく、衝突時における荷重−変位特性を改善して、初期耐力の低下や潰れ量の増大を回避することができるため、車両のバンパー構造として有用である。
実施形態1に係る車両のバンパー構造を示す車体の斜視図である。 実施形態1に係る車両のバンパー構造を示す車体の側面図である。 実施形態1に係る車両のバンパー構造を示す車体の背面図である。 実施形態1に係るバンパー構造の分解斜視図である。 実施形態1に係るバンパー構造の平面図である。 突出部材の背面図である。 ワイヤーハーネスの敷設状態を示す車両の背面図である。 実施形態2に係るバンパー構造の分解斜視図である。 実施形態2に係るバンパー構造の正面図である。 実施形態2に係るバンパー構造の平面図である。 実施形態2に係るバンパー構造の側面図である。 実施例に係るバンパー構造の変位−荷重特性を比較する図である。
符号の説明
1 バンパービーム
2 サイドフレーム(車体フレーム)
5 突出部材(荷重伝達部材)
51 中央部
52 両端部
7 湾曲バンパー(バンパー状部材)
8 バンパービーム
813 補強部材
9 ブラケット(突出部材、荷重伝達部材)

Claims (7)

  1. 車幅方向に延びかつ、その両端部において車体フレームに対しそれぞれ固定されると共に、車体外方を向いた面が、車幅方向の中央部が両端に比べて車体外方に位置するように湾曲した湾曲面に構成されたバンパービームと、
    前記バンパービームに取り付けられると共に、当該バンパービームの車幅方向の中央位置を挟んだ両側の少なくとも2箇所に設定された荷重伝達位置を有しかつ、車体外方から入力された衝突荷重を前記荷重伝達位置を通じて前記バンパービームに伝達する荷重伝達部材と、を備え、
    幅方向の中央部がその両端に比べて突出するように湾曲した形状のバンパー状部材を備えた障害物が衝突することによって、前記バンパービームに対し衝突荷重が入力されるときに、前記バンパービームの前記中央部に前記衝突荷重が入力されることに先立って、前記荷重伝達部材の各荷重伝達位置を通じて、前記バンパービームに荷重が入力される車両のバンパー構造。
  2. 請求項1に記載のバンパー構造において、
    前記荷重伝達部材は、前記バンパービームの湾曲面から車体外方に向かって突出するように設けられた突出部材である車両のバンパー構造。
  3. 請求項2に記載のバンパー構造において、
    前記突出部材は、前記バンパービームの湾曲面における車幅方向の中央位置を間に挟むように車幅方向に互いに間隔を空けて取り付けられた一対のブラケットによって構成されている車両のバンパー構造。
  4. 請求項3に記載のバンパー構造において、
    前記バンパービームは、車幅方向に間隔を空けて配置された複数の補強部材を有しており、
    前記一対のブラケットはそれぞれ、前記補強部材に対応する位置に取り付けられている車両のバンパー構造。
  5. 請求項4に記載のバンパー構造において、
    前記ブラケットと前記補強部材とは互いに結合されている車両のバンパー構造。
  6. 請求項2に記載のバンパー構造において、
    前記突出部材は、前記バンパービームの湾曲面に沿って車幅方向に延びて設けられており、
    前記車幅方向に延びる突出部材は、その車幅方向の中央部の硬度が相対的に低く、その両端部の硬度が相対的に高く設定されている車両のバンパー構造。
  7. 請求項6に記載のバンパー構造において、
    前記突出部材は、発泡樹脂材からなり、
    前記突出部材の前記両端部と中央部とは、前記発泡樹脂材の発泡率が異なることによって、その硬度が異なるように構成されている車両のバンパー構造。
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