JP2010046941A - 一体化成形品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】2つの異なる材料が接合される接合部において、接合強度の優れた一体化成形品の製造方法を提供する。
【解決手段】少なくとも一部に熱可塑性樹脂を有する繊維強化複合材料板(I)と、被着部材(II)を接合させて一体化成形品(III)を製造する方法において、該繊維強化複合材料板(I)の端部に段差形状を設け、次いで、該繊維強化複合材料板(I)を金型内部に挿入し、該被着部材(II)を射出成形することで、該繊維強化複合材料板(I)と該被着部材(II)を接合する工程などを有する、一体化成形品の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、2つの異なる材料が接合される接合部において、接合強度の優れた一体化成形品を得るための製造方法に関する。詳しくは、本発明の製造方法は、端部に段差形状を有した繊維強化複合材料板に被着部材を接合させることで、とりわけ端部での接合性に優れた特性を有する一体化成形品を得る。
さらに、この製造方法を用いて得られた一体化成形体は、電気・電子機器、オフィスオートメーション機器、家電機器、医療機器または自動車部品、航空機部品、建材などに好ましく用いられる。
多数本の連続した強化繊維群で強化された熱硬化性樹脂より構成される成形体(FRP)は、各種の部品や構造体を形成する部材として、広く用いられている。近年では、これらの熱硬化性樹脂からなるFRPは軽量性および力学特性に優れることから様々な用途に使用されており、各用途に応じてFRPと他の部材とを接合した部品や構造体が多く用いられるようになってきている。
特許文献1には、熱可塑性樹脂をコアとしたサンドイッチ構造を有する複合成形品が記載されており、該成形品の熱可塑性樹脂部に他の部材の少なくとも一部が凸形状を形成しており、嵌め合わせにより異種材料と優れた接合を発現することが可能である。このように、特許文献1に記載の成形品は機械的構造により優れた接合を発現する製造方法であるが、さらなる多種多様な用途への適用を想定して、積層板の端部断面における接合を強化することが強く望まれていた。
特開2007−38519号公報
本発明は、かかる従来技術の問題点の改善を試み、繊維強化複合材料板の端部と他の部材との端部における優れた接合強度を発現する、繊維強化複合材料板と他の部材からなる一体化成形品の製造方法を提供する事を目的とする。この製造方法を用いて得られた一体化成形品は、電気・電子機器、携帯情報端末などの筐体や自動車、航空機などの輸送機器の構造材に好適に使用される。
かかる問題点を解決するための本発明は、以下の構成からなる。すなわち、少なくとも一部に熱可塑性樹脂を有する繊維強化複合材料板(I)と、被着部材(II)を接合させて一体化成形品(III)を製造する方法において、少なくとも以下(i)〜(iv)のいずれかの工程を有することを特徴とする。
(i)該繊維強化複合材料板(I)の端部に段差形状を設け、次いで、該繊維強化複合材料板(I)を金型内部に挿入し、該被着部材(II)を射出成形することで、該繊維強化複合材料板(I)と該被着部材(II)を接合する。
(ii)該繊維強化複合材料板(I)の端部に段差形状を設け、かつ該被着部材(II)の接合部に該段差形状に相対する形状を形成し、該繊維強化複合材料板(I)の端部と該被着部材(II)の接合部とを嵌合させた後に、嵌合した箇所の少なくとも一部を熱溶着により接着させることで、該繊維強化複合材料板(I)と該被着部材(II)を接合する。
(iii)該繊維強化複合材料板(I)の端部に段差形状を設け、かつ該被着部材(II)の接合部に該段差形状に相対する形状を形成し、該繊維強化複合材料板(I)の端部と該被着部材(II)の接合部とを嵌合させた後に、嵌合した箇所の少なくとも一部を超音波溶着により接着させることで、該繊維強化複合材料板(I)と該被着部材(II)を接合する。
(iv)該繊維強化複合材料板(I)の端部に段差形状を設け、次いで、該繊維強化複合材料板(I)と該被着部材(II)を金型内部に挿入し、これらの材料をプレス成形することで、該繊維強化複合材料板(I)と該被着部材(II)を接合する。
本発明の一体化成形品の製造方法を用いることにより、他の部材との端部断面における優れた接合強度を有する一体化成形品を容易に得ることができる。
本発明の繊維強化複合材料板の端部断面の模式断面図の一例を図1に示す。なお、本発明で規定する強化繊維、マトリックス樹脂、熱可塑性樹脂等の界面に関する各パラメータの測定・評価は、評価・測定する領域内において、強化繊維群を形成する強化繊維2の径方向の断面積が、強化繊維2の最小断面積の150%以下である強化繊維2の断面が可視できる繊維強化複合材料板1の断面の画像で評価・測定されたものを前提として行っている。すなわち、作成した繊維強化複合材料板1の端部断面(成形した状態での端部断面)において、図2のような強化繊維2の断面積が強化繊維2の最小断面積の150%以下とならない場合には、切出し加工等によって、評価・観察を行う部分の強化繊維2が、図1のように測定・評価面において強化繊維2の最小断面積の150%以下の断面の強化繊維2を可視できる断面を端部断面とすることで、統一した測定・評価を行うこととする。本発明の場合では、以下に述べる評価方法5および6についてである。
また、繊維強化複合材料板(I)や部材(II)、一体化成形品の形状に関する各パラメータの測定・評価は、測定・評価を行う任意の位置を強化繊維2の配向方向に関係なく切断し、その断面の画像で観察・評価されたものを前提として行っている。本発明の場合では、以下に述べる評価方法1〜4および7についてである。
本発明に係る一体化成形品の製造方法において用いられる繊維強化複合材料板1は、その少なくとも一部に熱可塑性樹脂4を有しており、かつ、該繊維強化複合材料板1には、図3に示すように、端部に段差形状を設けることが重要である。そして、本発明に係る一体化成形品の製造方法の一態様においては、かかる段差形状を設けることに次いで、図4に示すように、前記繊維強化複合材料板を金型5の内部に挿入し、射出成形機6を使用して被着部材7を射出成形することで、該繊維強化複合材料板1と該被着部材7を接合することが重要である。
また、本発明に係る一体化成形品の製造方法の別の一態様においては、前記段差形状を設けるとともに、被着部材7を、図5に示すように前記繊維強化複合材料板1の端部12の段差形状に相対する形状を形成し、該繊維強化複合材料板1の端部12と該被着部材7の接合部とを嵌合させた後に、嵌合した箇所の少なくとも一部を熱溶着により接着させることで、該繊維強化複合材料板1と該被着部材7を接合することが重要である。
また、本発明に係る一体化成形品の製造方法の別の一態様においては、前記段差形状を設けるとともに、被着部材7を、図5に示すように前記繊維強化複合材料板1の端部12の段差形状に相対する形状を形成し、該繊維強化複合材料板1の端部12と該被着部材7の接合部とを嵌合させた後に、図6に示すように超音波を発生させる装置によって嵌合した箇所の少なくとも一部を超音波溶着により接合させることで、該繊維強化複合材料板1と該被着部材7を接合することが重要である。
また、本発明に係る一体化成形品の製造方法の別の一態様においては、前記段差形状を設けることに次いで、該繊維強化複合材料板1と被着部材7を図7で示すように金型内部に挿入し、これらの材料を、プレス成形機9を使用してプレス成形することで、該繊維強化複合材料板1と該被着部材7を接合することが重要である。
かかる接合方法を行うことで、該繊維強化複合材料板1の端部12において、前記被着部材7との接合性に優れた一体化成形品を容易に得ることができる。なお、前記繊維強化複合材料板1の少なくとも一部に形成する熱可塑性樹脂は、前記段差形状に形成されている箇所に予め設けられていることが好ましく、さらに、該熱可塑性樹脂が、前記段差形状の表面に存在することが好ましい。また、後加工によって、段差形状を形成する場合に、どのように加工しても前記繊維強化複合材料板1の少なくとも一部に形成する熱可塑性樹脂4が、前記段差形状に形成されている箇所に予め設けられるように、前記繊維強化複合材料1を構成するマトリックス樹脂3が熱可塑樹脂からなることが好ましい。ここで、前記繊維強化複合材料板1を構成するマトリックス樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PENp)、液晶ポリエステル等のポリエステル系樹脂や、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレン等のポリオレフィンや、スチレン系樹脂、ウレタン樹脂の他や、ポリオキシメチレン(POM)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、変性PPE、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリスルホン(PSU)、変性PSU、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリケトン(PK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリアリレート(PAR)、ポリエーテルニトリル(PEN)、フェノール系樹脂およびフェノキシ樹脂が挙げられる。また、熱可塑性樹脂は、上記の樹脂の共重合体や変性体および/または2種類以上ブレンドした樹脂などであってもよい。これらの中でも、特定の目的に対して、下記の熱可塑性樹脂の1種または2種以上が、熱可塑性樹脂中に60重量%以上含まれることが好ましい。成形品の強度および耐衝撃性の観点から、ポリアミド(PA)とポリエステルが好ましく用いられる。また、耐熱性および耐薬品性の観点から、ポリアリーレンンスルフィド、中でもポリフェニレンスルフィド(PPS)が好ましく用いられる。成形品外観および寸法安定性の観点から、ポリカーボネート(PC)やスチレン系樹脂が特に好ましく用いられる。成形性および軽量性の観点から、ポリオレフィン系樹脂が好ましく、例えば、ポリプロピレン樹脂である。なかでも、成形品の強度の観点から、ポリアミド樹脂が特に好ましく用いられる。
また、熱可塑性樹脂には、耐衝撃性向上のために、他のエラストマーあるいはゴム成分を添加してもよいし、用途等に応じ、本発明の目的を損なわない範囲で適宜、他の充填材や添加剤を含有しても良い。充填材や添加剤として、例えば、無機充填材、難燃剤、導電性付与剤、結晶核剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、制振剤、抗菌剤、防虫剤、防臭剤、着色防止剤、熱安定剤、離型剤、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、着色剤、顔料、染料、発泡剤、制泡剤およびカップリング剤などが挙げられる。
また、本発明の繊維強化複合材料板1を構成するマトリックス樹脂3としては、熱硬化性樹脂を用いても良い。前記熱硬化性樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル、ビニルエステル、エポキシ、フェノール(レゾール型)、ユリア・メラミン、ポリイミド、ビスマレイミドおよびシアネートエステル等が挙げられ、これらの共重合体、変性体およびこれらの少なくとも2種をブレンドした樹脂も使用することができる。熱硬化性樹脂には、衝撃性向上のために、エラストマーもしくはゴム成分が添加されていても良い。
前記マトリックス樹脂3を熱硬化性樹脂とした場合に、前記マトリックス樹脂3を熱可塑性樹脂とした場合と同様に、前記繊維強化複合材料板1をどのように加工しても段差形状の表面に熱可塑性樹脂4が存在し、段差形状における優れた接合強度が発現できることから、図8に示すように熱可塑性樹脂は該繊維強化複合材料板の全領域にわたって連続して層形状をなしていることが好ましい。なお、ここで言う「連続して」とは、断面において、前記熱可塑性樹脂4が板の全領域(幅または長さ方向)で途切れることなくつながっている状態を意味する。
ただし、観察・評価を行う端部12断面の同一の(1つの)熱可塑性樹脂の層形状において、熱可塑性樹脂の不連続な部分の長さが100μm以下であり、かつ、端部断面画像の繊維強化複合材料板(I)において、熱可塑性樹脂の不連続な部分の長さの総和が繊維強化複合材料板(I)の評価領域の幅と比較して30%以下であれば、「連続して」いると判断して良いものとする。なお、ここで言う「不連続な部分の長さ」とは熱可塑性樹脂が途切れた部分において、一方の熱可塑性樹脂と他方の熱可塑性樹脂4の最も近い位置間の最短距離のこととする。
ここで、前記繊維強化複合材料板(I)の少なくとも一部に形成される前記熱可塑性樹脂としては、前記繊維強化複合材料板を構成するマトリックス樹脂としての熱可塑性樹脂と同様に、目的に応じて上記熱可塑性樹脂群の中から選択することが可能である。
ここで、本発明で規定する「端部」について、図9に例示される繊維強化複合材料板1を用いて説明すると、繊維強化複合材料板1の一方の表面の端11alおよび他方の表面の端11blを結ぶ面とする。このとき、前記繊維強化複合材料板1の一方の表面10aおよび他方の表面10bを最短距離で結ぶものとし、一方の表面10aと他方の表面10bが平行な場合、一方の表面の端11alと他方の表面の端11blとを結ぶ面は、表面10aおよび10bと垂直な面となる。
また、「段差形状」について、図9に例示される繊維強化複合材料板1を用いて説明すると、繊維強化複合材料板1の端部12に形成される、前記11alと前記11blを直線で結ぶ面と異なる角度の面を有する形状を形成した状態のことを意味し、13aと13bを結ぶ面を段差14とする。前記段差14の形状について、特に限定されないが、図10に示すように端部12となる11alと11blを結ぶ面に対してある角度をなすものでも良い。
また、図11に示すように、本発明で用いられる繊維強化複合材料板(I)の端部に形成される段差形状が2つ以上設けられていることが好ましい。前記段差形状を増やすことによって、前記被着部材(II)との接合面積が増加すると共に、嵌合構造が複雑化されて嵌合力が向上する。段差の数については、特に制限されないが、接合強度と段差加工性の観点から、5つ程度あれば十分な接合強度と易加工性の両立が可能である。
本発明に係る製造方法は、前記繊維強化複合材料板1に設けられる段差の最小厚みが0.1mm以上であることが好ましい。ここで定義される「段差の厚み」を図11に例示される繊維強化複合材料板1を用いて説明すると、前記段差14aの端13aおよび13bから隣り合う前記繊維強化複合材料板1の表面または、段差の端(11a、11b、13c、13d)までの距離のことであり、これらの距離で最短距離を「段差の最小厚み」とした。段差の最小厚みについては、特に限定されないが、0.5mm以上がさらに好ましく、1mm以上がより好ましい。
本発明では、段差の最小奥行きLnが0.1mm以上であることが好ましい。本発明では、段差の最小奥行きLnを以下のように定義する。図11に例示される繊維強化複合材料板1を用いて説明すると、前記繊維強化複合材料板1の段差14aの一方の端13aと他方の端13bの間の前記繊維強化複合材料板1の一方の表面10aおよび他方の表面10bに平行な直線距離のことを意味する。また、図11に示すように段差が2つ以上ある場合は、全ての段差において最小の値を本発明に用いられる繊維強化複合材料板の段差の最小奥行きLnとする。図11の場合は、La<Lbであるため、繊維強化複合材料板の段差の最小奥行きLnはLaの値となる。すなわち、このLnをこの値をこの値以上にすることで、前記繊維強化複合材料板1の端部12において該繊維強化複合材料板1の板厚を維持した状態で端部12の段差形状と被着部材7との接触面積を増加することができ、優れた接合強度を発現することが可能となるからである。段差の最小奥行きLnは、接着の観点から0.5mm以上が好ましく、より好ましくは1mm以上である。前記段差の最小奥行きLnの上限は特に限定されないが、前記繊維強化複合材料板1の加工性の観点より30mm以下とすることで端部12の段差における十分な接合強度と加工性を両立することができる。
本発明の製造方法で用いる前記繊維強化複合材料板(I)の端部の最大奥行きLは、前記繊維強化複合材料板(I)の辺のうち、該奥行きL方向と平行な辺の長さに対して20%以下の長さとすることが好ましい。前記端部の最大奥行きLの割合は、特に限定されないが、前記繊維強化複合材料板(I)と被着部材(II)との接合の観点から、5%程度とすることで端部12の段差における十分な接合強度を発現しうる。
本発明の製造方法で用いる前記繊維強化複合材料板(I)は、図12で示すように繊維強化樹脂材料層15および樹脂層16を積層して得られた積層体17であることが好ましい。なお、かかる積層体17は、必ずしも樹脂層16を有している必要はなく、本発明の目的が効果的に達成されるよう、適宜樹脂層16を配置すれば良い。各材料を積層した積層体17を使用することで、前記繊維強化複合材料板(I)を容易に作成することができ、前記一体化成形品の使用用途・目的に応じて構成を変更することが可能である。さらに、積層の構成を変更することで、接合強度の発現に影響を与える樹脂層を作成者の意図に合わせて配置することが容易に可能となる。
また、本発明で用いる前記繊維強化複合材料板(I)は、前記段差形状を、前記繊維強化樹脂材料層15または前記樹脂層と隣り合う、繊維強化材料層または樹脂層との層間で形成することが好ましい。この構成とすることで、各材料層を積層する段階で、該材料層のサイズを変更することで段差形状を形成させることが可能となり、容易に段差形状を有した前記繊維強化複合材料板(I)を得ることが可能となる。
本発明で用いる前記繊維強化複合材料板(I)の端部に設けられる段差形状が、フライス加工またはNC加工により形成されることが好ましい。これらの方法で加工することで、成形後の該繊維強化複合材料板(I)を希望の段差形状に精度良く加工することが可能である。これらの加工で、使用される加工機および加工工具は特に限定されないが、加工後の寸法精度が高く、前記繊維強化複合材料板(I)の端部に欠損が生じないものが好ましい。
本発明の繊維強化複合材料板の板厚Tについては、0.3〜30mmであることが好ましく、電気・電子機器、オフィスオートメーション機器、家電機器、医療機器、自動車部品、航空機部品および建材のいずれかに用いられることを目的としているため、剛性・軽量化の両立を行なう観点から0.5〜30mmがより好ましく、0.8〜30mmがさらに好ましい。
また、本発明では、繊維強化複合材料板1が少なくとも表面層とコア層で形成されたサンドイッチ構造であることが軽量化の観点から好ましい。この一例の斜視図を図13に示す。表面層は、繊維強化樹脂で構成され、コア層は、発泡材、ハニカム材、繊維シート、および樹脂シートからなる群から選択される少なくとも1種で構成されている。図13に示すような表面層/コア層/表面層の3層によるサンドイッチ構造だけに限らず、表面層/コア層/内層/コア層/表面層と多層によって構成されても良い。内層としては、繊維強化樹脂、発泡材、ハニカム材、繊維シート、および樹脂シートからなる群から選択される少なくとも1種で構成されていることが好ましい。
本発明で用いられる前記被着部材(II)としては、特に力学特性の観点からは、強化繊維を含む繊維強化樹脂材料で構成されていることが好ましい。さらに、強化繊維を含むことで前記被着部材(II)の寸法安定性が向上し、前記一体化成形品の寸法精度も向上される。このような構成とすることで、前記繊維強化複合材料板(I)と該被着部材(II)からなる一体化成形品の強度が向上され、該一体化成形品を力学特性の必要な箇所での適用が可能となる。
また、これらの繊維強化複合材料板(I)や、被着部材(II)の好ましい態様である繊維強化樹脂材料で使用される強化繊維の繊維素材としては、例えば、アルミニウム繊維、黄銅繊維、ステンレス繊維などの金属繊維、ガラス繊維、ポリアクリロニトリル系、レーヨン系、リグニン系、ピッチ系の炭素繊維や黒鉛繊維、芳香族ポリアミド繊維、ポリアラミド繊維、PBO繊維、ポリフェニレンスルフィド繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ナイロン繊維、ポリエチレン繊維などの有機繊維、および、シリコンカーバイト繊維、シリコンナイトライド繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、ボロン繊維などがある。なかでも比重が小さく、高強度、高弾性率である炭素繊維が好ましく使用される。これらは、単独または2種以上併用して用いられる。これらの繊維素材は、表面処理が施されているものであっても良い。表面処理としては、金属の被着処理、カップリング剤による処理、サイジング剤による処理、添加剤の付着処理などが挙げられる。
また、前記繊維強化複合材料板(I)を構成するマトリックス樹脂が熱可塑性樹脂からなることが好ましい。このような構成とすることで、繊維強化複合材料板(I)の積層構成、加工方法、段差形状に影響されずに、前記熱可塑性樹脂が前記段差形状の形成されている箇所に必ず設けることが可能となり、段差形状での優れた接合強度を発現することができる。
前記マトリックス樹脂として用いられる前記熱可塑性樹脂としては、前記繊維強化複合材料板(I)の少なくとも一部に形成される前記熱可塑性樹脂と同様に、目的に応じて上記熱可塑性樹脂群から選択することができる。
また、前記被着部材(II)に関しても、該被着部材(II)を構成する一部の熱可塑性樹脂が、上記熱可塑性樹脂群から選択されることが好ましい。さらに、前記繊維強化複合材料板(I)のマトリックス樹脂を構成する熱可塑性樹脂と同様に、目的に応じて熱可塑性樹脂を選定することで、前記段差形状における優れた接合強度と共に目的に応じた効果を発現することができる。
また、本発明の繊維強化複合材料板(I)を構成するマトリックス樹脂としては、熱硬化性樹脂を用いても良い。前記熱硬化性樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル、ビニルエステル、エポキシ、フェノール(レゾール型)、ユリア・メラミン、ポリイミド、ビスマレイミドおよびシアネートエステル等が挙げられ、これらの共重合体、変性体およびこれらの少なくとも2種をブレンドした樹脂も使用することができる。熱硬化性樹脂には、衝撃性向上のために、エラストマーもしくはゴム成分が添加されていても良い。これらを用いることで、前記繊維強化複合材料板(I)の強度を向上させ、より力学特性の高い一体化成形品を得ることが可能となる。
繊維強化複合材料板(I)としては、該繊維強化複合材料板(I)および/または一体化成形品(III)の剛性の観点から、強化繊維が多く含まれていることが好ましく、強化繊維の重量含有量Wfは、繊維強化複合材料板(I)に対して、5〜75重量%が好ましく、より好ましくは40〜70重量%である。
また、被着部材(II)は、該被着部材(II)の熱可塑性樹脂を溶融させた状態で成形することにより形状を形成することも考慮すると、強化繊維は短繊維とし、熱可塑性樹脂中に均一に分散していることが好ましい。この場合の強化繊維の重量含有量Wfは、成形性、強度および軽量性とのバランスの観点から、該被着部材(II)に対して、5〜75重量%が好ましく、より好ましくは10〜50重量%である。
本発明で用いられる前記繊維強化複合材料板(I)の段差形状の表面に熱可塑性樹脂が存在していることが好ましく、該熱可塑性樹脂の算出される割合において、20%以上であることが好ましく、50%以上がさらに好ましく、80%以上がより好ましい。
本発明で用いられる繊維強化複合材料板1の少なくとも一部に形成する熱可塑性樹脂4と前記繊維強化複合材料板1を構成するマトリックス樹脂3とが、図14に示すように凹凸形状を有して形成されていることが好ましい。
また、前記強化繊維2の少なくとも一部がマトリックス樹脂3に接し、該強化繊維2の残りは少なくとも熱可塑性樹脂4に接していることが好ましい。これは強化繊維2が、一部分ではマトリックス樹脂3に接し、他の部分では熱可塑性樹脂4に接しているような、いわゆる強化繊維2によるマトリックス樹脂3および熱可塑性樹脂4の串刺し状態である場合も含む。図14に、上記した形態を説明するために、強化繊維2が配置された繊維強化複合材料板1の模式図を示す。なお、図14には破線四角で囲んだ部分をモデル的に3次元化した図も並べて示しており、該3次元図では表現の都合上、強化繊維2と熱可塑性樹脂4のみを可視化して図示してある。マトリックス樹脂3は可視化しておらず、熱可塑性樹脂4より飛び出している強化繊維2の部位はマトリックス樹脂3に埋没している部位を示す。図14に示す強化繊維2のうちの一つは熱可塑性樹脂4およびマトリックス樹脂3の両方に貫通する部位を有しており、このような状態である場合には、マトリックス樹脂3と熱可塑性樹脂4の界面が強化繊維2により強固に一体化されるために好ましい。
ここで、前記強化繊維2が埋没しているマトリックス樹脂3と熱可塑性樹脂4との界面が凹凸形状であることが接着を高めるうえで好ましく、これらの界面の凹凸形状の度合いを最大含浸深さRとする。前記マトリックス樹脂3と熱可塑性樹脂4との界面波形状の度合いである最大含浸深さRは、図15に示す段差14から最も遠い界面c1と段差14から最も近い界面c2との差の絶対値|c1−c2|で表され、Rが10μm以上あることが好ましい。より好ましくは20μm以上、さらに好ましくは40μm以上である。Rの上限については特に制限はないが、200μm程度もあれば優れた接着性を発現するうえでは十分である。
本発明の製造方法を用いて製造された一体化成形品の用途としては、パソコン、ディスプレー、携帯電話、携帯情報端末などの電気または電子機器、オフィスオートメーション機器、家電機器、医療機器の用途で好ましく用いられる。
さらに、力学特性に優れた大型成形品に複雑形状などの他の部材を強固に接合できることから、自動車、二輪車、自転車、または航空機、建材用の部品、部材やパネル外板にも好適に用いられる。
これらの用途群を例示すると、以下のようになる。
<電気・電子機器>
本発明の製造方法を用いて製造された一体化成形品は、例えば、各種ギヤー、各種ケース、センサー、LEDランプ、コネクター、ソケット、抵抗器、リレーケース、スイッチ、コイルボビン、コンデンサー、光ピックアップ、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント配線板、チューナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドフォン、小型モーター、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、半導体、ディスプレー、FDDキャリッジ、シャーシ、HDD、MO、モーターブラッシュホルダー、パラボラアンテナ、ノートパソコン、携帯電話、デジタルスチルカメラ、PDA、ポータブルMD、ミュージックプレイヤー、液晶ディスプレー、プラズマディスプレー等の電気・電子機器製品、またはその部品、部材、筐体に好ましく用いられる。
<オフィスオートメーション機器>
また、製造方法を用いて製造された一体化成形品は、例えば、電話、ファクシミリ、コピー機、タイプライター、ワードプロセッサー等の事務製品、またはその部材および筐体に好ましく用いられる。
<家電機器>
また、製造方法を用いて製造された一体化成形品は、筐体、VTR、コピー機、テレビ、アイロン、ヘアードライヤー、炊飯器、電子レンジ、音響機器、掃除機、トイレタリー用品、レーザーディスク、コンパクトディスク、照明、冷蔵庫、エアコン等の家電製品、またはその部材および筐体に好ましく用いられる。
<医療機器>
また、製造方法を用いて製造された一体化成形品は、X線カセッテなどの医療機器製品またはその部品および部材に好ましく用いられる。
<自動車部品>
また、製造方法を用いて製造された一体化成形品は、モーター部品、オルタネーターターミナル、オルタネーターコネクター、ICレギュレーター、ライトディヤー用ポテンショメーターベース、サスペンション部品、排気ガスバルブなどの各種バルブ、燃料関係、排気系または吸気系各種パイプ、エアーインテークノズルスノーケル、エアクリーナーボックス、レゾネーター、インテークマニホールド、スタビライザー、各種アーム、各種フレーム、各種ヒンジ、各種軸受、燃料ポンプ、ガソリンタンク、CNGタンク、エンジン冷却水ジョイント、キャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー、排気ガスセンサー、冷却水センサー、油温センサー、ブレーキパットウェアーセンサー、スロットルポジションセンサー、クランクシャフトポジションセンサー、エアーフローメーター、ブレーキバット磨耗センサー、エアコン用サーモスタットベース、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、ウォーターポンプインペラー、タービンべイン、ワイパーモーター関係部品、ディストリビュター、スタータースィッチ、スターターリレー、トランスミッション用ワイヤーハーネス、ウィンドウオッシャーノズル、エアコンパネルスィッチ基板、燃料関係電磁気弁用コイル、ヒューズ用コネクター、バッテリートレイ、ATブラケット、ヘッドランプサポート、ペダルハウジング、ハンドル、ドアビーム、プロテクター、シャーシ、バルクヘッド、フレーム、サブフレーム、アームレスト、ホーンターミナル、ステップモーターローター、ランプソケット、ランプリフレクター、ランプハウジング、ブレーキピストン、ノイズシールド、ラジエターサポート、スペアタイヤカバー、シートシェル、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィルター、点火装置ケース、アンダーカバー、スカッフプレート、ピラートリム、プロペラシャフト、ドライブシャフト、ホイール、ホイールカバー、フェンダー、ドアミラー、ルームミラー、フェイシャー、バンパー、バンパービーム、ボンネット、トランクフード、エアロパーツ、プラットフォーム、カウルルーバー、ルーフ、インストルメントパネル、スポイラーおよび各種モジュール等の二輪車を含む自動車部品、または自動車部材および外板に好ましく用いられる。
<航空機部品>
また、製造方法を用いて製造された一体化成形品は、ランディングギアポッド、ウィングレット、スポイラー、エッジ、ラダー、エレベーター、フェイリング、リブ等の航空機部品、または部材および外板に好ましく用いられる。
<建材>
また、製造方法を用いて製造された一体化成形品は、防音パネル、断熱パネルに挙げられるパネル等の建材用部材または部品に好ましく用いられる。
<その他>
さらに、製造方法を用いて製造された一体化成形品は、各種ラケット、ゴルフクラブシャフト、ヨット、ボード、スキー用品、釣り竿、自転車などのスポーツ関連部品、部材および人工衛星関連部品、パチンコ、スロットマシン、ゲーム機などの遊技または娯楽製品部品、部材および筐体、顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計などの光学機器、精密機械関連部品、部材および筐体等に好ましく用いられる。
すなわち、製造方法を用いて製造された一体化成形品は、上記電気・電子機器、オフィスオートメーション機器、家電機器、医療機器、自動車部品、航空機部品、または建材等に用いられることが好ましい。また、これらの中でも、軽量かつ高剛性が要求される、パソコン、ディスプレー、携帯電話、携帯情報端末などの電気・電子機器、オフィスオートメーション機器、家電機器、または医療機器の用途で好ましく用いられる。
さらに、上記用途の中でも、複雑形状が多い電子機器筐体に、本発明に係る製造方法を用いて製造された一体化成形品が用いられると、薄肉でフレーム部分との優れた接着性を十分に発揮できるという点で好ましい。従って、本発明に係る製造方法を用いて製造された一体化成形品は電子機器筐体に好ましく用いられ、中でも、前記繊維強化複合材料板と、前記フレーム部分とが端部の開口部に存在する熱可塑性樹脂を介して一体化された電子機器筐体により好ましく用いられる。
実施例および比較例に基づき、本発明をさらに詳細かつ具体的に説明する。なお、各項目の評価方法を記述する。
[端部断面観察用サンプルの作成方法]
製造された繊維強化複合材料板より、端部の開口部全体を含む10mm角のサンプルを切り出し、その断面を湿式研磨し、端部断面観察用のサンプル1とした。
<評価方法1:繊維強化複合材料板の板厚T>
研磨したサンプル1の端部断面の板厚T×幅500μmの範囲を超深度カラー3D形状測定顕微鏡VK−9500(コントローラー部)/VK−9510(測定部)((株)キーエンス製)を使用して拡大倍率400倍で撮影した。本発明の実施例において、表面と他方の表面の距離を板厚Tとして測定した。
<評価方法2:段差形状における段差の最小厚み>
評価方法1と同様の範囲の画像において、図9で示される繊維強化複合材料板の段差14の端13aおよび12b、繊維強化複合材料板1の表面の端11aと11bを測定点とし、各測定点間距離を測定した。これらの最短距離が0.1mm以上であるか確認した。
<評価方法3:段差の最小奥行きLn>
評価方法1で撮影した画像において、評価方法2で測定点とした各段差14の一方の端と他方の端の間の前記繊維強化複合材料板1の一方の表面10aおよび他方の表面10bに平行な直線距離を観察アプリケーションVK−H1V9を使用して測定した。この段差の最小奥行きLnが、0.1mm以上であるか確認した。
<評価方法4:端部の最大奥行きLの割合>
繊維強化複合材料板の全長が測定可能なノギスを使用して、各辺の長さを測長した。この長さと評価方法3で得られた端部の最大奥行きLn、式(1)より、該端部の最大奥行きLnの割合を算出した。この割合が20%以下であるか確認した。
<評価方法5:段差表面に存在する熱可塑性樹脂量>
製造された繊維強化複合材料板より、該繊維強化複合材料板の各辺について10等分となる位置から10mm角のサンプルを切り出し、サンプル1と同様の方法で端部断面観察用のサンプル2−n(n=1〜10)を得た。各サンプル2−nについて、前記段差の最小奥行きLn(n)と段差上に熱可塑性樹脂の長さLtp(n)を測定した。前記Ln(n)とLtp(n)における(n)は、切り出したサンプルに割り当てられた1〜10までの値とし、サンプルの識別をするためのものである。これらの測定値と式(2)から各断面でのLn(n)とLtp(n)に対する比率を算出した。
これらの10個の熱可塑性樹脂量[%]より、平均値を算出し、その値を繊維強化複合材料板の端部断面に存在する熱可塑性樹脂量[%]とした。この平均値が20%以上であるか確認した。
<評価方法6:マトリックス樹脂と熱可塑性樹脂の界面の波形状の度合いR>
評価方法1と同様の範囲の画像において、繊維強化複合材料板の表面から最も近い界面までの距離をc1、表面から最も遠い界面までの距離をc2として測定した。これらの測定値と式(3)からRを算出した。
<評価方法7:接合強度の測定>
図16示した繊維強化樹脂複合材料板1と被着部材7が一体化された成形品18より、一体化された部分の端部が図17で示されるLa=45mm、Lb=7mm、b=15mmのサンプルを切出して、図17に示す熱可塑性樹脂からなる部材(II)12の点線部分を削り取り、図17のような形状にしたサンプルを引張試験装置"インストロン"(登録商標)5565型万能材料試験機(インストロン・ジャパン(株)製)の上下に取り付けたチャックで固定し、引張速度1.6mm/分で評価サンプル数nを5として評価を行った。図16で示した一体化成形品18は、本発明で得られる一体化成形品の一例であり、これ以外の形状の一体化成形品であっても、評価時に上記サンプル形状に切り出して評価を行った。
この時の最大破断荷重P、繊維強化複合材料板1の板厚Tと幅bと式(4)より成形品の接着強度を算出した。
評価は、母材破壊(被着部材(II)が破断)の場合を◎、5MPa以上を○、3MPa以上5MPa未満を△、3MPa未満を×とした。
(実施例1)
(実施例1−1:繊維強化複合材料板A1)
熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂で、一方向に配列された多数本の炭素繊維からなる強化繊維群からなり、強化繊維の含有量が、重量割合(Wf)で67%のプリプレグ(東レ(株)製トレカプリプレグP3052S−12)から、所定の大きさ有する長方形のプリプレグシート19を10枚、共重合ポリアミド樹脂(東レ(株)製"アミラン"(登録商標)CM8000、ポリアミド6/66/610/612共重合体、融点128℃)製フィルム(厚み50μm)を1枚切り出した。図18において、これら10枚のプリプレグシート19と1枚のフィルム20が、斜視図をもって示される。
長方形に切り出したシートの長辺の方向を0°として、繊維方向が、上から[90/0/90/0/90/フィルム/90/0/90/0/90]となるように、10枚のプリプレグシート19と1枚のフィルム20を、下から順次積層した(矢印Aで示される)。
次に、プレス成形機にて、プリプレグシート19とフィルム20からなる積層体17を、0.6MPaの面圧をかけながら、150℃で30分間加熱して熱硬化性樹脂を硬化させた。硬化終了後、室温で冷却し、平均の厚み1.25mmの繊維強化複合材料板を得た。
得られた繊維強化複合材料板の端部に、フライス加工機を使用して段差の最小厚みが0.6mm、奥行きLが3mmとなるように段差を形成させ、繊維強化複合材料板A1を得た。
実施例で製造した繊維強化複合材料板を評価方法1〜6で評価した。結果は表1に示す。
(実施例1−2:成形品A2)
図16に示される成形品A2を製造する。端部に段差を有する繊維強化複合材料板A1を射出成形用金型(図示せず)にインサートした。マトリックス樹脂がポリアミド系樹脂からなり、炭素繊維含有率が重量割合(Wf)で20%の長繊維ペレット(東レ(株)製TLP1146S)を用意した。このペレットを用いて、図16の被着部材7のような形状を有する射出成形材を射出成形にて形成させ、一体化成形品A2を製造した。射出成形は、日本製鋼所(株)製J350EIII射出成形機を用いて行い、シリンダー温度は280℃とした。実施例で製造した一体化成形品を評価方法7で評価した。結果を表1に示す。
(実施例2)
(実施例2−1:繊維強化複合材料板B1)
繊維方向が上から[90/0/90/0/90/フィルム/90/0/90/0/90]となるように、前記実施例1−1と同じプリプレグシート10枚と共重合ポリアミド製フィルム(厚み50μm)1枚を下から順次積層した。前記実施例1−1と同じ条件で成形・加工を行い、端部に段差形状を有した平均の厚み1.25mmの繊維強化複合材料B1を製造した。
(実施例2−2:成形品B2)
図19に示される成形品B2を製造する。端部に段差を有する繊維強化複合材料板B1とその段差に相対する形状を有した被着部材(II)を嵌合させて治具を用いて固定した。これらの各材料の接合部の上方から180℃の温風を5分ほどあて、成形品B2を製造した。
(実施例3)
(実施例3−1:繊維強化複合材料板C1)
繊維方向が上から[90/0/90/0/90/フィルム/90/0/90/0/90]となるように、前記実施例1−1と同じプリプレグシート10枚と共重合ポリアミド製フィルム(厚み50μm)1枚を下から順次積層した。前記実施例1−1と同じ条件で成形・加工を行い、端部に段差形状を有した平均の厚み1.25mmの繊維強化複合材料C1を製造した。
(実施例3−2:成形品C2)
図19に示される成形品C2を製造する。端部に段差を有する繊維強化複合材料板C1とその段差に相対する形状を有した被着部材(II)を嵌合させて治具を用いて超音波溶着機上に固定した。これらの各材料の接合部の上方から図6に示すように超音波溶着機の圧子をあて、超音波を30秒間発生させ、成形品C2を製造した。
(実施例4)
(実施例4−1:繊維強化複合材料板D1)
繊維方向が上から[90/0/90/0/90/フィルム/90/0/90/0/90]となるように、前記実施例1−1と同じプリプレグシート10枚と共重合ポリアミド製フィルム(厚み50μm)1枚を下から順次積層した。前記実施例1−1と同じ条件で成形・加工を行い、端部に段差形状を有した平均の厚み1.25mmの繊維強化複合材料D1を製造した。
(実施例4−2:成形品D2)
図19に示される成形品D2を製造する。端部に段差を有する繊維強化複合材料板C1と被着部材(II)を金型内に挿入し、1.2MPaの面圧をかけながら、280℃で5分間加熱をし、加圧した状態で冷却を開始し、金型内の材料の温度が50℃になるまで加圧を続けて熱可塑性樹脂を固化させ、成形品D2を製造した。
(実施例5)
(実施例5−1:繊維強化複合材料板E1)
繊維方向が上から[90/0/90/0/90/フィルム/90/0/90/0/90]となるように、前記実施例1−1と同じプリプレグシート10枚と共重合ポリアミド製フィルム(厚み50μm)1枚を下から順次積層した。前記実施例1−1と同じ条件で成形を行い、得られた繊維強化複合材料板の端部に、NC加工機を使用して段差の最小厚みが0.6mm、奥行きLが3mmとなるように段差を形成させ、平均の厚みが1.25mmの繊維強化複合材料板E1を得た。
(実施例5−2:成形品E2)
前記実施例1−2と同じ要領で、前記繊維強化複合材料板E1を射出成形用金型にインサートし、成形品E2を製造した。
(実施例6)
(実施例6−1:繊維強化複合材料板F1)
実施例1−1と同じプリプレグシート19を使用し、所定の大きさAを有する長方形のプリプレグシート19を5枚と、所定の大きさAよりひとまわり小さいサイズの大きさBを有する長方形プリプレグシート19を5枚、実施例1−1と同じフィルム(サイズはプリプレグシートAと同じ)を1枚切り出した。
長方形に切り出したシートの長辺の方向を0°として、繊維方向が、上から[90(A)/0(A)/90(A)/0(A)/90(A)/フィルム(A)/90(B)/0(B)/90(B)/0(B)/90(B)]となるように、10枚のプリプレグ19と1枚のフィルム20を、下から順次積層した(矢印Aで示される)。
次に、プレス成形機にて、プリプレグシート19とフィルム20からなる積層体17を、サイズの異なるプリプレグシート(A)と(B)との厚みの差と同じ厚みのステンレス製のスペーサーを挟んだ状態で0.6MPaの面圧をかけながら、150℃で30分間加熱して熱硬化性樹脂を硬化させた。硬化終了後、室温で冷却し、端部に段差を有した平均の厚み1.25mmの繊維強化複合材料板F1を製造した。
(実施例6−2:成形品F2)
前記実施例1−2と同じ要領で、前記繊維強化複合材料板F1を射出成形用金型にインサートし、成形品F2を製造した。
(実施例7)
(実施例7−1:繊維強化複合材料板G1)
繊維方向が上から[90/0/90/シート/90/0/90]となるように、前記実施例1−1と同じプリプレグシート10枚と共重合ポリアミド製シート(厚み480μm)1枚を下から順次積層した。前記実施例1−1と同じ条件で成形・加工を行い、端部に段差形状を有した平均の厚み1.2mmの繊維強化複合材料G1を製造した。
(実施例7−2:成形品G2)
前記実施例1−2と同じ要領で、前記繊維強化複合材料板G1を射出成形用金型にインサートし、成形品G2を製造した。
(実施例8)
(実施例8−1:繊維強化複合材料板H1)
マトリックス樹脂が共重合ポリアミド樹脂(東レ(株)製"アミラン"(登録商標)CM8000、ポリアミド6/66/610/612共重合体、融点128℃)で、一方向に配列された多数本の炭素繊維からなる強化繊維群からなり、強化繊維の含有量が、重量割合(Wf)で67%の熱可塑プリプレグシート21から、所定の大きさ有する長方形の熱可塑プリプレグシート21を10枚切り出した。図20において、これら10枚の熱可塑プリプレグシート21が、斜視図をもって示される。
長方形に切り出したシートの長辺の方向を0°として、繊維方向が、上から[90/0/90/0/90/90/0/90/0/90]となるように、10枚の熱可塑プリプレグシート21を、下から順次積層した(矢印Aで示される)。
次に、プレス成形機にて、熱可塑プリプレグシート21からなる積層体17を、0.6MPaの面圧をかけながら、150℃で30分間加熱し、加圧した状態で冷却を開始し、積層体の温度が50℃になるまで加圧を続けて熱可塑性樹脂を固化させた。固化完了後、前記実施例1−1と同じ条件で加工を行い、端部に段差形状を有した平均の厚み1.20mmの繊維強化複合材料板H1を製造した。
(実施例8−2:成形品H2)
前記実施例8−2と同じ要領で、前記繊維強化複合材料板H1を射出成形用金型にインサートし、成形品H2を製造した。
(比較例1)
(比較例1−1:繊維強化複合材料板I1)
繊維方向が上から[90/0/90/0/90/フィルム/90/0/90/0/90]となるように、前記実施例1−1と同じ10枚のプリプレグシート19と1枚のフィルム20を、下から順次積層した。前記実施例1−1と同じ条件で成形し、平均の厚み1.25mmの繊維強化複合材料板I1を製造した。
(比較例1−2:成形品I2)
前記実施例1−2と同じ要領で、前記繊維強化複合材料板I1を射出成形用金型にインサートし、成形品I2を製造した。
(比較例2)
(比較例2−1:繊維強化複合材料板J1)
繊維方向が上から[90/0/90/0/90/90/0/90/0/90]となるように、前記実施例1−1と同じ10枚のプリプレグシート19と2枚のフィルム20を、下から順次積層した。前記実施例1−1と同じ条件で成形・加工を行い、端部に段差形状を有した平均の厚み1.25mmの繊維強化複合材料J1を製造した。
(比較例2−2:成形品J2)
前記実施例1−2と同じ要領で、前記繊維強化複合材料板J1を射出成形用金型にインサートし、成形品J2を製造した。
(比較例3)
(比較例3−1:繊維強化複合材料板K1)
繊維方向が上から[90/0/90/0/90/フィルム/90/0/90/0/90]となるように、前記実施例1−1と同じ10枚のプリプレグシート19と2枚のフィルム20を、下から順次積層した。前記実施例1−1と同じ条件で成形・加工を行い、端部に段差形状を有した平均の厚み1.25mmの繊維強化複合材料K1を製造した。
(比較例3−2:成形品K2)
図19に示される成形品K2を製造する。端部に段差を有する繊維強化複合材料板K1とその段差に相対する形状を有した被着部材(II)を嵌合させ、成形品K2を製造した。
実施例1〜4では、いずれの接合方法においても、繊維強化複合材料板と被着部材とが端部の段差形状において接合性に優れていた。また繊維強化複合材料板の端部の段差形状をNC加工機で加工した実施例5や繊維強化複合材料板を成形する段階で段差形状を予め形成させた実施例6においても、実施例1と同等の接合性に優れていた。また繊維強化複合材料板をサンドイッチ構造とした実施例7、繊維強化複合材料板のマトリックス樹脂を熱可塑性樹脂とした実施例8では、端部に存在する熱可塑性樹脂量が増加し、優れた接合性を発揮した。
一方比較例1では、段差形状が形成されていないことから、嵌合構造による接合がなされず被着部材(II)との接合性が不足するものであった。比較例2では、嵌合構造となっているが、段差形状の表面に熱可塑性樹脂が存在しておらず、被着部材(II)との接着がなされないために、接合性が不足していた。比較例3では、固化した被着部材(II)を嵌め合わせて一体化させたものであり、段差形状に存在する熱可塑性樹脂を介して接合しておらず、十分な接合性を得ることが出来なかった。
本発明の繊維強化複合材料板の断面の一例の模式斜視図である。(強化繊維の径方向の断面積が、強化繊維の最小断面積の150%以下) 本発明の繊維強化複合材料板の断面の一例の模式斜視図である。(強化繊維の径方向の断面積が、強化繊維の最小断面積の150%以上) 本発明の繊維強化複合材料板の段差形状の一例の模式斜視図である。 本発明の射出成形による一体化成形品の製造方法の一例である。 本発明の繊維強化複合材料板と繊維強化複合材料板の段差形状に相対する形状を形成した被着部材一例の模式斜視図である。 本発明の超音波溶着による一体化成形品の製造方法の一例の模式図である。 本発明のプレス成形による一体化成形品の製造方法の一例の模式図である。 本発明の繊維強化複合材料板に熱可塑性樹脂が連続した層で形成されている一例の模式断面図である。 本発明の繊維強化複合材料板の段差形状の一例の模式図である。 本発明の繊維強化複合材料板の段差形状の一例の模式図である。 本発明の繊維強化複合材料板の段差形状の一例の模式図である。 本発明の繊維強化樹脂材料層と樹脂層からなる積層体の一例の模式斜視図である。 本発明のサンドイッチ構造である繊維強化複合材料板の一例の模式斜視図である。 本発明の繊維強化複合材料板のマトリックス樹脂と熱可塑性樹脂の界面構造の一例の模式図である。 本発明の熱可塑性樹脂界面の波形状の度合いを説明する模式断面図である。 本発明の繊維強化複合材料板(I)と被着部材(II)が一体化された一様態の模式斜視図である。 本発明の成形品より切出した接着評価用サンプルの一態様の断面図である。 本発明の繊維強化樹脂材料層と樹脂層からなる積層体の一例の模式斜視図である。 本発明の一体化成形品の一例の模式斜視図である。 本発明の繊維強化樹脂材料層と樹脂層からなる積層体の一例の模式斜視図である。
符号の説明
1 繊維強化複合材料板(I)
2 強化繊維
3 マトリックス樹脂
4 熱可塑性樹脂
5 金型
6 射出成形機
7 被着部材(II)
8 超音波溶着機
9 プレス成形機
10a 繊維強化複合材料板(I)の一方の表面
10b 繊維強化複合材料板(I)の他方の表面
11a 繊維強化複合材料板(I)の一方の表面の端
11b 繊維強化複合材料板(I)の他方の表面の端
12 端部
13a 段差の一方の端
13b 段差の他方の端
14 段差
15 繊維強化樹脂材料層
16 樹脂層
17 積層体
18 一体化成形品
19 プリプレグシート
20 フィルム
21 熱可塑プリプレグシート

Claims (26)

  1. 少なくとも一部に熱可塑性樹脂を有する繊維強化複合材料板(I)と、被着部材(II)を接合させて一体化成形品(III)を製造する方法において、該繊維強化複合材料板(I)の端部に段差形状を設け、次いで、該繊維強化複合材料板(I)を金型内部に挿入し、該被着部材(II)を射出成形することで、該繊維強化複合材料板(I)と該被着部材(II)を接合する工程を有する、一体化成形品の製造方法。
  2. 少なくとも一部に熱可塑性樹脂を有する繊維強化複合材料板(I)と、被着部材(II)を接合させて一体化成形品(III)を製造する方法において、該繊維強化複合材料板(I)の端部に段差形状を設け、かつ該被着部材(II)の接合部に該段差形状に相対する形状を形成し、該繊維強化複合材料板(I)の端部と該被着部材(II)の接合部とを嵌合させた後に、嵌合した箇所の少なくとも一部を熱溶着により接着させることで、該繊維強化複合材料板(I)と該被着部材(II)を接合する工程を有する、一体化成形品の製造方法。
  3. 少なくとも一部に熱可塑性樹脂を有する繊維強化複合材料板(I)と、被着部材(II)を接合させて一体化成形品(III)を製造する方法において、該繊維強化複合材料板(I)の端部に段差形状を設け、かつ該被着部材(II)の接合部に該段差形状に相対する形状を形成し、該繊維強化複合材料板(I)の端部と該被着部材(II)の接合部とを嵌合させた後に、嵌合した箇所の少なくとも一部を超音波溶着により接着させることで、該繊維強化複合材料板(I)と該被着部材(II)を接合する工程を有する、一体化成形品の製造方法。
  4. 少なくとも一部に熱可塑性樹脂を有する繊維強化複合材料板(I)と、被着部材(II)を接合させて一体化成形品(III)を製造する方法において、該繊維強化複合材料板(I)の端部に段差形状を設け、次いで、該繊維強化複合材料板(I)と該被着部材(II)を金型内部に挿入し、これらの材料をプレス成形することで、該繊維強化複合材料板(I)と該被着部材(II)を接合する工程を有する、一体化成形品の製造方法。
  5. 繊維強化複合材料板(I)の少なくとも一部を形成する熱可塑性樹脂が、前記段差形状が形成されている箇所に予め設けられている、請求項1〜4のいずれかに記載の一体化成形品の製造方法。
  6. 前記段差形状における段差の最小厚みを0.1mm以上とする、請求項1〜5のいずれかに記載の一体化成形品の製造方法。
  7. 前記段差形状における段差の最小奥行きLnを0.1mm以上とする、請求項1〜6のいずれかに記載の一体化成形の製造方法。
  8. 前記段差形状における端部の最大奥行きLを、前記繊維強化複合材料板(I)の辺のうち、該奥行き方向と平行な辺の長さに対して20%以下の長さとする、請求項1〜7のいずれかに記載の一体化成形品の製造方法。
  9. 前記繊維強化複合材料板(I)が、繊維強化樹脂材料層および/または樹脂層を積層して得られた積層体である、請求項1〜8のいずれかに記載の一体化成形品の製造方法。
  10. 前記段差形状を、前記繊維強化樹脂材料層または前記樹脂層と、隣り合う繊維強化材料層または樹脂層との層間で形成する、請求項9に記載の一体化成形品の製造方法。
  11. 前記段差形状を、該繊維強化複合材料板(I)の成形後に、フライス加工、またはNC加工により形成する、請求項1〜10のいずれかに記載の一体化成形品の接合方法。
  12. 前記繊維強化複合材料板(I)の板厚Tが0.3〜30mmである、請求項1〜11のいずれかに記載の一体化成形品の接合方法。
  13. 前記繊維強化複合材料板(I)が、少なくとも表面層とコア層で形成されたサンドイッチ構造を有し、前記表面層は、繊維強化樹脂で構成されており、前記コア層は、発泡材、ハニカム材、繊維シート、および樹脂シートからなる群から選択される少なくとも1種で構成されている、請求項1〜12のいずれかに記載の一体化成形品の製造方法。
  14. 前記被着部材(II)が繊維強化樹脂材料で構成されている、請求項1〜13のいずれかに記載の一体化成形品の製造方法。
  15. 前記繊維強化複合材料板(I)を構成する強化繊維が炭素繊維である、請求項1〜14のいずれかに記載の一体化成形品の製造方法。
  16. 前記繊維強化複合材料板(I)を構成するマトリックス樹脂が熱可塑性樹脂からなる、請求項1〜15のいずれかに記載の一体化成形品の製造方法。
  17. 前記繊維強化複合材料板(I)の少なくとも一部を形成する熱可塑性樹脂が、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン系樹脂、およびポリアリーレンスルフィド樹脂から選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂である、請求項1〜16のいずれかに記載の一体化成形品の製造方法。
  18. 前記被着部材(II)が、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン系樹脂、およびポリアリーレンスルフィド樹脂から選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂を含んで構成されている、請求項1〜17のいずれかに記載の一体化成形品の製造方法。
  19. 前記繊維強化複合材料板(I)を構成するマトリックス樹脂が熱硬化性樹脂からなる、請求項1〜18のいずれかに記載の一体化成形品の製造方法。
  20. 前記繊維強化複合材料板(I)に含まれる強化繊維の重量含有量Wfが、5〜75重量%である、請求項1〜19のいずれかに記載の一体化成形品の製造方法。
  21. 前記被着部材(II)に含まれる強化繊維の重量含有量Wfが、5〜75重量%である、請求項14〜20のいずれかに記載の一体化成形品の製造方法。
  22. 前記段差形状における、段差形状の表面に存在する熱可塑性樹脂の面積/段差形状の表面積で算出される熱可塑性樹脂の比率が20%以上である、請求項1〜21のいずれかに記載の一体化成形品の製造方法。
  23. 前記繊維強化複合材料板(I)の少なくとも一部を形成する熱可塑性樹脂と前記繊維強化複合材料板(I)を構成するマトリックス樹脂とが凹凸形状を有して形成される、請求項1〜22のいずれかに記載の一体化成形品の製造方法。
  24. 前記繊維強化複合材料板(I)の少なくとも一部を形成する熱可塑性樹脂が、前記繊維強化複合材料板(I)を構成する強化繊維束に含浸し、その最大含浸深さRが10μm以上である、請求項1〜23のいずれかに記載の一体化成形品の製造方法。
  25. 前記繊維強化複合材料板(I)に前記段差形状が2つ以上設けられている、請求項1〜24のいずれかに記載の一体化成形品の製造方法。
  26. 前記一体化成形品(III)が、電気・電子機器、オフィスオートメーション機器、家電機器、医療機器、自動車部品、航空機部品および建材のいずれかに用いられる、請求項1〜25のいずれかに記載の一体化成形品の製造方法。
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