JP5458529B2 - 接合方法および一体化成形品 - Google Patents

接合方法および一体化成形品 Download PDF

Info

Publication number
JP5458529B2
JP5458529B2 JP2008213892A JP2008213892A JP5458529B2 JP 5458529 B2 JP5458529 B2 JP 5458529B2 JP 2008213892 A JP2008213892 A JP 2008213892A JP 2008213892 A JP2008213892 A JP 2008213892A JP 5458529 B2 JP5458529 B2 JP 5458529B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
opening
composite material
fiber
reinforced composite
material plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008213892A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010046940A (ja
Inventor
聖 藤岡
敦岐 土谷
雅登 本間
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP2008213892A priority Critical patent/JP5458529B2/ja
Publication of JP2010046940A publication Critical patent/JP2010046940A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5458529B2 publication Critical patent/JP5458529B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

本発明は、2つの異なる材料が接合される接合部において、接合強度の優れた一体化成形品を製造するための接合方法に関する。詳しくは、本発明の接合方法は、端部に開口部を有した繊維強化複合材料板に溶融させた状態の熱可塑性樹脂を充填させることで、とりわけ端部での接合性に優れた特性を有する。
さらに、この接合方法を用いて得られた一体化成形体は、電気・電子機器、オフィスオートメーション機器、家電機器、医療機器または自動車部品、航空機部品、建材などに好ましく用いられる。
多数本の連続した強化繊維群で強化された熱硬化性樹脂より構成される成形体(FRP)は、各種の部品や構造体を形成する部材として、広く用いられている。近年では、これらの熱硬化性樹脂からなるFRPは軽量性および力学特性に優れることから様々な用途に使用されており、各用途に応じてFRPと他の部材とを接合した部品や構造体が多く用いられるようになってきている。
特許文献1には、熱可塑性樹脂をコアとしたサンドイッチ構造を有する複合成形品が記載されており、該成形品の熱可塑性樹脂部に他の部材の少なくとも一部が凸形状を形成しており、嵌め合わせにより異種材料と優れた接合を発現することが可能である。このように特許文献1に記載の成形品は機械的構造により優れた接合を発現する製造方法であるが、さらなる多種多様な用途への適用を想定して、積層板の端部断面における接合を強化することが強く望まれていた。
特開2007−38519号公報
本発明は、かかる従来技術の問題点の改善を試み、繊維強化複合材料板の端部と他の部材との端部における優れた接合強度を発現する、繊維強化複合材料板と他の部材の接合方法を提供する事を目的とする。この接合方法を用いて得られた一体化成形品は、電気・電子機器、携帯情報端末などの筐体や自動車、航空機などの輸送羽機器の構造材に好適に使用される。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、連続した強化繊維からなる繊維強化複合材料板(I)の端部に開口部を設け、該開口部に熱可塑性樹脂(A)からなる部材(II)の端部を結合させる接合方法であって、前記開口部は、繊維強化複合材料板(I)を構成する連続した強化繊維からなる繊維強化樹脂部に形成され、該開口部の間口高さh1と該開口部の最大高さh2とが、h1<h2の関係を満たすものであり、前記開口部に前記部材(II)を構成する熱可塑性樹脂(A)を溶融させた状態で充填させることで、前記開口部と前記部材(II)の端部とを結合させる接合方法である。
また、かかる接合方法を用いて、前記繊維強化複合材料板(I)と前記部材(II)を接合した一体化成形体は、電気・電子機器、オフィスオートメーション機器、家電機器、医療機器、自動車部品、航空機部品および建材のいずれかに好ましく用いられる。
本発明の接合方法を用いることにより、繊維強化複合材料板の端部と他の部材との端部における優れた接合強度を有する一体化成形品を得ることができる。
本発明の繊維強化複合材料板の端部断面の模式断面図の一例を図1に示す。なお、本発明で規定する強化繊維、マトリックス樹脂、熱可塑性樹脂等の界面に関する各パラメータの測定・評価は、評価・測定する領域内において、強化繊維群を形成する強化繊維2の径方向の断面積が、強化繊維2の最小断面積の150%以下である強化繊維2の断面が可視できる繊維強化複合材料板1の断面の画像で評価・測定されたものを前提として行っている。すなわち、作成した繊維強化複合材料板1の端部断面(成形した状態での端部断面)において、図2のような強化繊維2の断面積が強化繊維2の最小断面積の150%以下とならない場合には、切出し加工等によって、評価・観察を行う部分の強化繊維2が、図1のように測定・評価面において強化繊維2の最小断面積の150%以下の断面の強化繊維2を可視できる断面を端部断面とすることで、統一した測定・評価を行うこととする。本発明の場合では、以下に述べる評価方法4についてである。
また、繊維強化複合材料板(I)や部材(II)、一体化成形品の形状に関する各パラメータの測定・評価は、測定・評価を行う任意の位置を強化繊維2の配向方向に関係なく切断し、その断面の画像で観察・評価されたものを前提として行っている。本発明の場合では、以下に述べる評価方法1〜3についてである。
図3は、繊維強化複合材料板1の端部に開口部が設けられている例である。本発明に係る接合方法において用いられる繊維強化複合材料板1は、開口部の間口高さh1と該開口部の最大高さh2とが、h1<h2の関係であることが重要である。
かかる構成とすることにより、該繊維強化複合材料板1の端部において、前記熱可塑性樹脂(A)からなる部材(II)との接合強度を高くすることができるからである。すなわち、間口高さh1と前記開口部の最大高さh2の関係をh1<h2とすることで、該繊維強化複合材料板1の端部において該繊維強化複合材料板1の板厚を維持した状態で端部と熱可塑性樹脂(A)からなる部材(II)とを嵌め合わせすることができ、優れた端部の接合強度を発現することが可能となる一体化成形品を製造することができる。このような観点から、h1は0.8×h2未満が好ましく、0.5×h2未満がさらに好ましい。嵌合構造による接合性と加工性の観点から、特に限定されないが、h1が0.2×h2以上であれば十分な接合強度と易加工性の両立が可能である。
ここで、本発明で規定する「端部」について、図4に例示される繊維強化複合材料板1を用いて説明すると、繊維強化複合材料板1の一方の表面5aおよび他方の表面5b以外の面6のことを意味する。すなわち繊維強化複合材料板1の厚み方向のある断面において、表面5aと面6との交点7aと、他方の表面5bと面6との交点7bとを結ぶ面とする。なお、「開口部」は、端部6である7a−7b間に形成される凹形状のことを意味する。図3に例示される繊維強化複合材料板1の7c−7d−7e−7fに限定した箇所と規定し、開口部8の最大高さh2は、開口部の面8aと面8cを前記繊維強化複合材料板の一方の表面5aと他方の表面5bの二等分線9に垂直な線に平行に結んだ距離の中で最大のものとする。繊維強化複合材料板1を例示した図3では、7d−7eに相当する。さらに、端部に形成される開口部の「間口」は、7cと7fを結ぶ位置とし、それらを結んだ距離を間口高さh1とする。なお、開口部の面8aと面8cが平行の場合、h1=h2となることは言うまでもないが、例えば、後述の表2、比較例2に示すような開口部形状(間口から繊維強化複合材料板1の内部に進むにつれて、常に開口部の断面積が減少もしくは一定となる形状)の場合も、最大高さをとる箇所が開口部の間口と一致し、その結果h1=h2となる。
また、本発明の接合方法は、開口部に部材(II)を構成する熱可塑性樹脂(A)を溶融させた状態で充填をさせることが重要である。かかる熱可塑性樹脂(A)を溶融させた状態で充填させることで、複雑な形状である開口部に対しても十分な充填が行われ、強固な部材を形成することが可能となり、優れた接合強度を発現しうる。
ここで、好ましく用いられる熱可塑性樹脂(A)としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PENp)、液晶ポリエステル等のポリエステル系樹脂や、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレン等のポリオレフィンや、スチレン系樹脂、ウレタン樹脂の他や、ポリオキシメチレン(POM)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、変性PPE、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリスルホン(PSU)、変性PSU、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリケトン(PK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリアリレート(PAR)、ポリエーテルニトリル(PEN)、フェノール系樹脂およびフェノキシ樹脂が挙げられる。また、熱可塑性樹脂(A)は、上記の樹脂の共重合体や変性体および/または2種類以上ブレンドした樹脂などであってもよい。これらの中でも、特定の目的に対して、下記の熱可塑性樹脂の1種または2種以上が、熱可塑性樹脂中に60重量%以上含まれることが好ましい。成形品の強度および耐衝撃性の観点から、ポリアミド(PA)とポリエステルが好ましく用いられる。また、耐熱性および耐薬品性の観点から、ポリアリーレンンスルフィド、中でもポリフェニレンスルフィド(PPS)が好ましく用いられる。成形品外観および寸法安定性の観点から、ポリカーボネート(PC)やスチレン系樹脂が特に好ましく用いられる。成形性および軽量性の観点から、ポリオレフィン系樹脂が好ましく、例えば、ポリプロピレン樹脂である。なかでも、成形品の強度の観点から、ポリアミド樹脂が特に好ましく用いられる。
また、本発明に係る接合方法は、図5に示すように、前記開口部の表面の少なくとも一部に、熱可塑性樹脂(B)を存在させることが好ましい。熱可塑性樹脂(B)を存在させることで、該繊維強化複合材料板1の開口部の表面において前記熱可塑性樹脂(A)からなる部材(II)との接着剤となる要素が増加することとなり、接合強度の観点から優れた特性を発現しうる。前記熱可塑性樹脂(B)の量は、特に限定はされないが、接合強度を強くする観点から接合面に対して3%以上の面積が好ましく、10%以上さらに好ましく、30%以上がより好ましい。
前記接合方法において、特に限定はされないが、熱可塑性樹脂(A)からなる部材(II)の成形によって、開口部の表面に存在させた熱可塑性樹脂(B)が溶融されるように、開口部に前記部材(II)の熱可塑性樹脂(A)を溶融させた状態で充填させることが好ましい。このような状態とすることで、熱可塑性樹脂(A)を有してなる部材(II)が開口部に充填されたときに、開口部の表面に存在する熱可塑性樹脂(B)と溶融混合され、各熱可塑性樹脂が固化したときに強固な接合を発現しうる。
ここで、好ましく用いられる熱可塑性樹脂(B)としては、目的に応じて、上記熱可塑性樹脂(A)と同じ理由で熱可塑性樹群から選択することが可能である。接着強度の観点から、ポリアミド樹脂が好ましく、熱可塑性樹脂(A)と同じ種類の熱可塑性樹脂を選択することも好ましい。
前記接合方法において、接合される繊維強化複合材料板(I)の一例を図6に示す。図示される開口部の間口高さh1が0.1mm以上であることが好ましく、より好ましくは0.3mm以上、さらに好ましくは0.5mm以上である。さらに、前記開口部の最大高さh2が前記間口高さh1に対して1.25倍以上の大きさであることが好ましく、より好ましくは1.5倍以上、さらに好ましくは2倍以上である。これらの形状とすることで、前記熱可塑性樹脂からなる部材(II)を十分に充填することが可能となり、嵌合形状の効果も得ることができる。前記開口部の間口高さh1の上限については特に限定されないが、h1とh2との関係から得られる嵌合形状による効果を発現するには、h1を2mm以下とすることで端部における十分な接合強度を得ることができる。
本発明では、開口部の内部の奥行きLが0.1mm以上であることが好ましい。本発明では、端部断面奥行きLを以下のように定義する。図6に例示される繊維強化複合材料板1を用いて説明すると、繊維強化複合材料板1に設けられた開口部の間口から開口部の根元部までの前記繊維強化複合材料板1の表面5aまたは5bに平行な直線距離のことを意味する。すなわち、このLをこの値以上にすることで、該繊維強化複合材料板1の端部断面において該繊維強化複合材料板1の板厚を維持した状態で端部断面と他の部材(II)との接触面積を増加することができ、優れた接着強度を発現することが可能となるからである。端部断面奥行きLは、接着の観点から0.5mm以上が好ましく、より好ましくは1mm以上である。前記端部断面奥行きLの上限は特に限定されないが、繊維強化複合材料板の加工性の観点より30 mm以下とすることで端部断面における十分な接着強度と加工性を両立することができる。
また、前記部材(II)の充填を行なう時の成形性の観点から、特に限定はされないが、開口部の形状のパラメータである開口部の最大奥行きLと開口部の間口高さh1から得られるL/h1の値が小さいことが好ましい。特に上限は規定されないが、L/h1が15以下であることで、前記開口部に前記部材(II)が十分に充填することが可能であり、10以下がより好ましく、5以下がさらに好ましい。
本発明の接合方法に用いる繊維強化複合材料板(I)の開口部の形状の代表例を図6〜図10に示す。前記内部の形状としては、特に限定されないが多角形または球状であることが好ましく、接合強度の観点から部材(II)が抜け難い構造であることがより好ましい。さらに、開口部の内部の形状は、繊維強化複合材料板の反りの観点から、繊維強化複合材料板の厚み方向に対して、内部形状が該内部形状の中心軸より対称な形状であることが好ましい。
図11に端部に開口部が2つ設けられた繊維強化複合材料板の例を示す。接合強度の観点から開口部の数を増やすことによって、嵌合構造の効果が増大するため好ましい。開口部の内部の形状と同様に、繊維強化複合材料板の反りの観点から、繊維強化複合材料板の厚み方向の中心軸より、各開口部が対称となるように配置されていることが好ましい。
本発明の繊維強化複合材料板の板厚Tについては、0.3〜30mmであることが好ましく、電気・電子機器、オフィスオートメーション機器、家電機器、医療機器、自動車部品、航空機部品および建材のいずれかに用いられることを目的としているため、剛性・軽量化の両立を行なう観点から0.5〜10 [mm]がより好ましく、0.8〜5[mm]がさらに好ましい。
本発明の繊維強化複合材料板の端部における開口部の製造法については特に制限はないが、例えば、開口部を形成する部分において、あらかじめ積層するプリプレグや熱可塑性樹脂の層状基材のサイズを開口部形状の分だけ小さく切り出し、生じた空隙部分にはスペーサーを挟み込んで加熱プレス成形する方法や、開口部の凹形状と対応する凸形状が施された成形用金型に積層されたプリプレグや熱可塑性樹脂の層状基材を投入して加熱プレス成形する方法、繊維強化複合材料板を成形した後に、カッター、フライス等の切削加工機械で開口部の凹形状に加工して形成させる方法などがある。
また、繊維強化複合材料板(I)をどのように加工しても開口部に必ず熱可塑性樹脂が存在し、開口部における優れた接合強度が発現できることから、前記繊維強化複合材料板(I)のマトリックス樹脂として熱可塑性樹脂(C)が用いられることが好ましい。熱可塑性樹脂(C)としては、前記熱可塑性樹脂(A)および/または(B)と同様に、目的に応じて上記熱可塑性樹脂群の中から選択することが可能である。特に限定はされないが、被着部材(II)を構成する熱可塑性樹脂(C)が前記熱可塑性樹脂(B)および/または(A)との接着強度を高める観点から、前記熱可塑性樹脂(C)の溶解度パラメータ(SP値)(SP)と、前記熱可塑性樹脂(B)および/または(A)のSP値(SP)との差の絶対値(|SP−SP|)が1以下であることが好ましい。より好ましくは0.8以下、さらに好ましくは0.6以下である。ここでSP値とは、フェダーズ(Fedors)の方法により決定される25℃におけるポリマーの繰り返し単位をもとに算出される値を指し、求める化合物の構造式において、原子および原子団の蒸発エネルギーとモル体積のデータ、式(1)より決定される。
Figure 0005458529
ただし、式中、ΔeiおよびΔviは、それぞれ原子または原子団の蒸発エネルギーおよびモル体積を表す。求める化合物の構造式はIR、NMR、マススペクトルなどの通常の構造分析手法を用いて決定する。
SP値を求めるに際し、詳細には文献1、2に記載の方法を適用できる。
[文献1]R.F.Fedors,Polym.Eng.Sci.,14(2),147(1974)
[文献2]向井淳二及び金城徳幸著「技術者のための実学高分子」(講談社,1981年10月1日発行)第66〜87頁(2)。
また、熱可塑性樹脂(C)には、耐衝撃性向上のために、他のエラストマーあるいはゴム成分を添加してもよいし、用途等に応じ、本発明の目的を損なわない範囲で適宜、他の充填材や添加剤を含有しても良い。充填材や添加剤として、例えば、無機充填材、難燃剤、導電性付与剤、結晶核剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、制振剤、抗菌剤、防虫剤、防臭剤、着色防止剤、熱安定剤、離型剤、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、着色剤、顔料、染料、発泡剤、制泡剤およびカップリング剤などが挙げられる。
また、本発明の繊維強化複合材料板を構成するマトリックス樹脂としては、熱硬化性樹脂を用いても良い。前記熱硬化性樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル、ビニルエステル、エポキシ、フェノール(レゾール型)、ユリア・メラミン、ポリイミド、ビスマレイミドおよびシアネートエステル等が挙げられ、これらの共重合体、変性体およびこれらの少なくとも2種をブレンドした樹脂も使用することができる。熱硬化性樹脂には、衝撃性向上のために、エラストマーもしくはゴム成分が添加されていても良い。
前記マトリックス樹脂を熱硬化性樹脂とした場合に、前記マトリックス樹脂を熱可塑性樹脂(C)とした場合と同様に繊維強化複合材料板(I)をどのように加工しても開口部に必ず熱可塑性樹脂が存在し、開口部における優れた接合強度が発現できることから、図13に示すように熱可塑性樹脂(B)は該繊維強化複合材料板の全領域にわたって連続して層形状をなしていることが好ましい。なお、ここで言う「連続して」とは、端部断面において、前記熱可塑性樹脂(B)が板の全領域(幅または長さ方向)で途切れることなくつながっている状態を意味する。
ただし、観察・評価を行う端部断面の同一の(1つの)熱可塑性樹脂(B)の層形状において、熱可塑性樹脂(B)の不連続な部分の長さが100μm以下であり、かつ、端部断面画像の繊維強化複合材料板(I)において、熱可塑性樹脂の不連続な部分の長さの総和が繊維強化複合材料板(I)の評価領域の幅と比較して30%以下であれば、「連続して」いると判断して良いものとする。なお、ここで言う「不連続な部分の長さ」とは熱可塑性樹脂(B)が途切れた部分において、一方の熱可塑性樹脂(B)と他方の熱可塑性樹脂(B)の最も近い位置間の最短距離のこととする。
前記熱可塑性樹脂(A)を有してなる部材(II)としては、特に力学特性の観点からは、強化繊維を含む熱可塑性樹脂(「繊維強化熱可塑性樹脂」と称することもある。)が好ましく用いられ、また成形性の観点からは熱可塑性樹脂が好ましく用いられる。どちらの場合も使用する熱可塑性樹脂としては、特に制限はなく、上記の繊維強化複合材料(I)を構成する熱可塑性樹脂(C)と同様の思想により選定することができる。
また、これらの繊維強化複合材料板(I)や、部材(II)の好ましい態様である繊維強化熱可塑性樹脂で使用される強化繊維の繊維素材としては、例えば、アルミニウム繊維、黄銅繊維、ステンレス繊維などの金属繊維、ガラス繊維、ポリアクリロニトリル系、レーヨン系、リグニン系、ピッチ系の炭素繊維や黒鉛繊維、芳香族ポリアミド繊維、ポリアラミド繊維、PBO繊維、ポリフェニレンスルフィド繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ナイロン繊維、ポリエチレン繊維などの有機繊維、および、シリコンカーバイト繊維、シリコンナイトライド繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、ボロン繊維などがある。なかでも比重が小さく、高強度、高弾性率である炭素繊維が好ましく使用される。これらは、単独または2種以上併用して用いられる。これらの繊維素材は、表面処理が施されているものであっても良い。表面処理としては、金属の被着処理、カップリング剤による処理、サイジング剤による処理、添加剤の付着処理などが挙げられる。
繊維強化複合材料板(I)としては、該繊維強化複合材料板および/または成形品の剛性の観点から、強化繊維が多く含まれていることが好ましく、強化繊維の重量含有量Wfは、繊維強化複合材料板(I)に対して、5〜75重量%が好ましく、より好ましくは40〜70重量%である。また、部材(II)は、該部材(II)の熱可塑性樹脂を溶融させた状態で成形することにより形状を形成するため、強化繊維は短繊維とし、熱可塑性樹脂中に均一に分散していることが好ましい。この場合の強化繊維の重量含有量Wfは、成形性、強度および軽量性とのバランスの観点から、熱可塑性樹脂(A)に対して、5〜75重量%が好ましく、より好ましくは10〜50重量%である。
前記接合方法において、熱可塑性樹脂(A)を有してなる部材(II)を繊維強化複合材料板(I)の開口部に充填する方法として、射出成形機によるアウトサート成形またはインサート成形が好ましい。射出成形機の種類や使用する金型については特に制限されないが、使用する金型のキャビティ内に納まる寸法に加工された前記繊維強化複合材料板(I)をキャビティ内に挿入して、金型を型締めした状態で、溶融した状態の熱可塑性樹脂(A)を充填させて一体化成形品を得る。キャビティ内に挿入される前記繊維強化複合材料板(I)の固定方法としては特に限定はされないが、金型の型締めによって金型に挟む状態で固定する方法や金型内部から前記繊維強化複合材料板(I)を吸引して固定する方法、接着剤等を使用して金型に直接仮止めする方法などが挙げられる。
本発明の接合方法を用いて接合された一体化成形品の用途としては、パソコン、ディスプレー、携帯電話、携帯情報端末などの電気または電子機器、オフィスオートメーション機器、家電機器、医療機器の用途で好ましく用いられる。
さらに、力学特性に優れた大型成形品に複雑形状などの他の部材を強固に接合できることから、自動車、二輪車、自転車、または航空機、建材用の部品、部材やパネル外板にも好適に用いられる。
これらの用途群を例示すると、以下のようになる。
<電気・電子機器>
本発明の接合方法を用いて接合された一体化成形品は、例えば、各種ギヤー、各種ケース、センサー、LEDランプ、コネクター、ソケット、抵抗器、リレーケース、スイッチ、コイルボビン、コンデンサー、光ピックアップ、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント配線板、チューナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドフォン、小型モーター、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、半導体、ディスプレー、FDDキャリッジ、シャーシ、HDD、MO、モーターブラッシュホルダー、パラボラアンテナ、ノートパソコン、携帯電話、デジタルスチルカメラ、PDA、ポータブルMD、ミュージックプレイヤー、液晶ディスプレー、プラズマディスプレー等の電気・電子機器製品、またはその部品、部材、筐体に好ましく用いられる。
<オフィスオートメーション機器>
また、接合方法を用いて接合された一体化成形品は、例えば、電話、ファクシミリ、コピー機、タイプライター、ワードプロセッサー等の事務製品、またはその部材および筐体に好ましく用いられる。
<家電機器>
また、接合方法を用いて接合された一体化成形品は、筐体、VTR、コピー機、テレビ、アイロン、ヘアードライヤー、炊飯器、電子レンジ、音響機器、掃除機、トイレタリー用品、レーザーディスク、コンパクトディスク、照明、冷蔵庫、エアコン等の家電製品、またはその部材および筐体に好ましく用いられる。
<医療機器>
また、接合方法を用いて接合された一体化成形品は、X線カセッテなどの医療機器製品またはその部品および部材に好ましく用いられる。
<自動車部品>
また、接合方法を用いて接合された一体化成形品は、モーター部品、オルタネーターターミナル、オルタネーターコネクター、ICレギュレーター、ライトディヤー用ポテンショメーターベース、サスペンション部品、排気ガスバルブなどの各種バルブ、燃料関係、排気系または吸気系各種パイプ、エアーインテークノズルスノーケル、エアクリーナーボックス、レゾネーター、インテークマニホールド、スタビライザー、各種アーム、各種フレーム、各種ヒンジ、各種軸受、燃料ポンプ、ガソリンタンク、CNGタンク、エンジン冷却水ジョイント、キャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー、排気ガスセンサー、冷却水センサー、油温センサー、ブレーキパットウェアーセンサー、スロットルポジションセンサー、クランクシャフトポジションセンサー、エアーフローメーター、ブレーキバット磨耗センサー、エアコン用サーモスタットベース、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、ウォーターポンプインペラー、タービンべイン、ワイパーモーター関係部品、ディストリビュター、スタータースィッチ、スターターリレー、トランスミッション用ワイヤーハーネス、ウィンドウオッシャーノズル、エアコンパネルスィッチ基板、燃料関係電磁気弁用コイル、ヒューズ用コネクター、バッテリートレイ、ATブラケット、ヘッドランプサポート、ペダルハウジング、ハンドル、ドアビーム、プロテクター、シャーシ、バルクヘッド、フレーム、サブフレーム、アームレスト、ホーンターミナル、ステップモーターローター、ランプソケット、ランプリフレクター、ランプハウジング、ブレーキピストン、ノイズシールド、ラジエターサポート、スペアタイヤカバー、シートシェル、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィルター、点火装置ケース、アンダーカバー、スカッフプレート、ピラートリム、プロペラシャフト、ドライブシャフト、ホイール、ホイールカバー、フェンダー、ドアミラー、ルームミラー、フェイシャー、バンパー、バンパービーム、ボンネット、トランクフード、エアロパーツ、プラットフォーム、カウルルーバー、ルーフ、インストルメントパネル、スポイラーおよび各種モジュール等の二輪車を含む自動車部品、または自動車部材および外板に好ましく用いられる。
<航空機部品>
また、接合方法を用いて接合された一体化成形品は、ランディングギアポッド、ウィングレット、スポイラー、エッジ、ラダー、エレベーター、フェイリング、リブ等の航空機部品、または部材および外板に好ましく用いられる。
<建材>
また、接合方法を用いて接合された一体化成形品は、防音パネル、断熱パネルに挙げられるパネル等の建材用部材または部品に好ましく用いられる。
<その他>
さらに、接合方法を用いて接合された一体化成形品は、各種ラケット、ゴルフクラブシャフト、ヨット、ボード、スキー用品、釣り竿、自転車などのスポーツ関連部品、部材および人工衛星関連部品、パチンコ、スロットマシン、ゲーム機などの遊技または娯楽製品部品、部材および筐体、顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計などの光学機器、精密機械関連部品、部材および筐体等に好ましく用いられる。
すなわち、接合方法を用いて接合された一体化成形品は、上記電気・電子機器、オフィスオートメーション機器、家電機器、医療機器、自動車部品、航空機部品、または建材等に用いられることが好ましい。また、これらの中でも、軽量かつ高剛性が要求される、パソコン、ディスプレー、携帯電話、携帯情報端末などの電気・電子機器、オフィスオートメーション機器、家電機器、または医療機器の用途で好ましく用いられる。
さらに、上記用途の中でも、複雑形状が多い電子機器筐体に、本発明に係る接合方法を用いて接合された一体化成形品が用いられると、薄肉でフレーム部分との優れた接着性を十分に発揮できるという点で好ましい。従って、本発明に係る接合方法を用いて接合された一体化成形品は電子機器筐体に好ましく用いられ、中でも、前記繊維強化複合材料板と、前記フレーム部分とが端部の開口部に存在する熱可塑性樹脂を介して一体化された電子機器筐体により好ましく用いられる。
実施例および比較例に基づき、本発明をさらに詳細かつ具体的に説明する。なお、各項目の評価方法を記述する。
[端部断面観察用サンプルの作成方法]
製造された繊維強化複合材料板より、端部の開口部全体を含む10mm角のサンプルを切り出し、その断面を湿式研磨し、端部断面観察用のサンプル1とした。
<評価方法1:繊維強化複合材料板の板厚T>
研磨したサンプル1の端部断面の板厚T×幅500μmの範囲を超深度カラー3D形状測定顕微鏡VK−9500(コントローラー部)/VK−9510(測定部)((株)キーエンス製)を使用して拡大倍率400倍で撮影した。本発明の実施例において、表面と他方の表面の距離を板厚Tとして測定した。
<評価方法2:開口部の間口高さh1、内部の最大高さh2>
評価方法1と同様の範囲の画像において、繊維強化複合材料板の開口部の最端部を間口とし、その間口の高さをh1、開口部において最大高さをh2として測定し、h1<h2の関係が成り立っているか確認した。
<評価方法3:開口部の最大奥行きL>
評価方法1で撮影した画像において、観察アプリケーションVK−H1V9を使用して繊維強化複合材料板の端部に存在する開口部の間口から開口部の最も離れた位置までの距離を測定した。このLが0.1mm以上であるか確認した。
<評価方法4:熱可塑性樹脂の割合>
評価方法1で撮影した画像において、接合部の長さを測定した。このとき、「長さ」とは、本発明の構成をより明確にするために用いられる用語であって、例えば、図3模式断面図における7a−7b間の長さを意図しているが、繊維強化複合材料板1は図3の模式断面図に垂直な方向に所定の長さを有する立体であるため、繊維強化複合材料板1の断面は、当該「線」の集合体により形成されていることとなる。さらに、評価方法1と同様の方法で強化繊維2の断面積が強化繊維2の最小断面積の150%以下となるようなサンプルを作成し、開口部の表面に存在する熱可塑性樹脂の長さを測定した。これらの長さと式(2)より、接合部に対する熱可塑性樹脂の割合を算出した。
Figure 0005458529
<評価方法5:接合強度の測定>
図14示した繊維強化樹脂複合材料板1と熱可塑性樹脂からなる部材(II)11が一体化された成形品12より、一体化された部分の端部が図15で示されるLa=45mm、Lb=7mm、b=15mmのサンプルを切出して、図15に示す熱可塑性樹脂からなる部材(II)11の点線部分を削り取り、図15のような形状にしたサンプルを引張試験装置"インストロン"(登録商標)5565型万能材料試験機(インストロン・ジャパン(株)製)の上下に取り付けたチャックで固定し、引張速度1.6mm/分で評価サンプル数nを5として評価を行った。この時の最大破断荷重P、繊維強化複合材料板1の板厚Tと幅bと式(3)より成形品の接着強度を算出した。
Figure 0005458529
評価は、母材破壊(被着部材(II)が破断)の場合を◎、5MPa以上を○、3MPa以上5MPa未満を△、3MPa未満を×とした。
(実施例1)
(実施例1−1:繊維強化複合材料板A1)
熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂で、一方向に配列された多数本の炭素繊維からなる強化繊維群からなり、強化繊維の含有量が、重量割合(Wf)で67%のプリプレグ(東レ(株)製トレカプリプレグP3052S−12)から、所定の大きさ有する長方形のプリプレグシート13を10枚、共重合ポリアミド樹脂(東レ(株)製"アミラン"(登録商標)CM8000、ポリアミド6/66/610/612共重合体、融点128℃)製フィルム(厚み50μm)を1枚切り出した。図16において、これら20枚のプリプレグシート13と4枚のフィルム14が、斜視図をもって示される。
長方形に切り出したシートの長辺の方向を0°として、繊維方向が、上から[90/0/90/フィルム/0/90/90/0/フィルム/90/0/90]s(sは[]内を対称積層とする意味)となるように、20枚のプリプレグシート13と4枚のフィルム14を、下から順次積層した(矢印Aで示される)。
次に、プレス成形機にて、プリプレグシート13とフィルム14からなる積層体15を、0.6MPaの面圧をかけながら、150℃で30分間加熱して熱硬化性樹脂を硬化させた。硬化終了後、室温で冷却し、平均の厚み2.6mmの繊維強化複合材料板を得た。
得られた繊維強化複合材料板の端部に、NC加工機を使用して開口部のh1が1mm、h2が1.8mm、Lが3mmとなるように開口部を形成させ、繊維強化複合材料板A1を得た。
実施例で製造した繊維強化複合材料板を評価方法1〜3で評価した。結果は表1に示す。
(実施例1−2:成形品A2)
図14に示される成形品A2を製造する。端部に開口部を有する繊維強化複合材料板A1を射出成形用金型(図示せず)にインサートした。マトリックス樹脂がポリアミド系樹脂からなり、炭素繊維含有率が重量割合(Wf)で20%の長繊維ペレット(東レ(株)製TLP1146S)を用意した。このペレットを用いて、図14の熱可塑性樹脂からなる部材11のような形状を有する射出成形材を射出成形にて形成させ、一体化成形品A2を製造した。射出成形は、日本製鋼所(株)製J350EIII射出成形機を用いて行い、シリンダー温度は280℃とした。実施例で製造した一体化成形品を評価方法4で評価した。結果を表1に示す。
(実施例2)
(実施例2−1:繊維強化複合材料板B1)
繊維方向が上から[90/0/90/0/90/シート/90/0/90/0/90]となるように、前記実施例1−1と同じプリプレグシート10枚と共重合ポリアミド製シート(厚み1.4mm)1枚を下から順次積層した。前記実施例1−1と同じ条件で成形・加工を行い、端部に開口部を有した平均の厚み2.6mmの繊維強化複合材料B1を製造した。
(実施例2−2:成形品B2)
前記実施例1−2と同じ要領で、前記繊維強化複合材料板B1を射出成形用金型にインサートし、成形品B2を製造した。
(実施例3)
(実施例3−1:繊維強化複合材料板(C1)
マトリックス樹脂が共重合ポリアミド樹脂(東レ(株)製"アミラン"(登録商標)CM8000、ポリアミド6/66/610/612共重合体、融点128℃)で、一方向に配列された多数本の炭素繊維からなる強化繊維群からなり、強化繊維の含有量が、重量割合(Wf)で67%の熱可塑プリプレグシート16から、所定の大きさ有する長方形の熱可塑プリプレグシート16を10枚切り出した。図17において、これら10枚の熱可塑プリプレグシート16が、斜視図をもって示される。
長方形に切り出したシートの長辺の方向を0°として、繊維方向が、上から[90/0/90/0/90/90/0/90/0/90]s(sは[]内を対称積層とする意味)となるように、20枚の熱可塑プリプレグシート16を、下から順次積層した(矢印Aで示される)。
次に、プレス成形機にて、熱可塑プリプレグシート16からなる積層体15を、0.6MPaの面圧をかけながら、150℃で30分間加熱し、加圧した状態で冷却を開始し、積層体の温度が50℃になるまで加圧を続けて熱可塑性樹脂を固化させた。固化完了後、前記実施例1−1と同じ条件で加工を行い、端部に開口部を有した平均の厚み2.4mmの繊維強化複合材料板C1を製造した。
(実施例3−2:成形品C2)
前記実施例1−2と同じ要領で、前記繊維強化複合材料板C1を射出成形用金型にインサートし、成形品C2を製造した。
(実施例4)
(実施例4−1:繊維強化複合材料板D1)
繊維方向が上から[90/0/90/フィルム/0/90/90/0/フィルム/90/0/90]s(sは[]内を対称積層とする意味)となるように、前記実施例1−1と同じ20枚のプリプレグシート13と4枚のフィルム14を、下から順次積層した。前記実施例1−1と同じ条件で成形した繊維強化複合材料板の端部に、NC加工機を使用して開口部のh1が0.4mm、h2が0.8mm、Lが3mmとなるように開口部を2つ形成させた平均の厚み2.6mmの繊維強化複合材料板D1を製造した。
(実施例4−2:成形品D2)
前記実施例1−2と同じ要領で、前記繊維強化複合材料板D1を射出成形用金型にインサートし、成形品D2を製造した。
(実施例5)
(実施例5−1:繊維強化複合材料板(E1)
繊維方向が上から[90/0/90/フィルム/0/90/90/0/フィルム/90/0/90]s(sは[]内を対称積層とする意味)となるように、前記実施例1−1と同じ20枚のプリプレグシート13と4枚のフィルム14を、下から順次積層した。前記実施例1−1と同じ条件で成形した繊維強化複合材料板の端部に、NC加工機を使用して開口部のh1が1mm、h2が1.6mm、Lが1.53mmとなるような開口部の断面形状が五角形の開口部を形成させた平均の厚み2.6mmの繊維強化複合材料E1を製造した。
(実施例5−2:成形品E2)
前記実施例1−2と同じ要領で、前記繊維強化複合材料板E1を射出成形用金型にインサートし、成形品E2を製造した。
(実施例6)
(実施例6−1:繊維強化複合材料板F1)
繊維方向が上から[90/0/90/フィルム/0/90/90/0/フィルム/90/0/90]s(sは[]内を対称積層とする意味)となるように、前記実施例1−1と同じ20枚のプリプレグシート13と4枚のフィルム14を、下から順次積層した。前記実施例1−1と同じ条件で成形した繊維強化複合材料板の端部に、NC加工機を使用して開口部のh1が1mm、h2が2mm、Lが1.2mmとなるような開口部の断面形状が円状の開口部を形成させた平均の厚み2.6mmの繊維強化複合材料F1を製造した。
(実施例6−2:成形品F2)
前記実施例1−2と同じ要領で、前記繊維強化複合材料板F1を射出成形用金型にインサートし、成形品F2を製造した。
(実施例7)
(実施例7−1:繊維強化複合材料板G1)
繊維方向が上から[90/0/90/0/90/90/0/90/0/90]s(sは[]内を対称積層とする意味)となるように、前記実施例3−1と同じ10枚の熱可塑プリプレグシート16を下から順次積層した。前記実施例3−1と同じ条件で成形した繊維強化複合材料板の端部に、NC加工機を使用して開口部のh1が1mm、h2が1.6mm、Lが1.53mmとなるような開口部の断面形状が五角形の開口部を形成させた平均の厚み2.4mmの繊維強化複合材料G1を製造した。
(実施例7−2:成形品G2)
前記実施例1−2と同じ要領で、前記繊維強化複合材料板E1を射出成形用金型にインサートし、成形品G2を製造した。
(実施例8)
(実施例8−1:繊維強化複合材料板H1)
繊維方向が上から[90/0/90/0/90/90/0/90/0/90]s(sは[]内を対称積層とする意味)となるように、前記実施例3−1と同じ20枚の熱可塑プリプレグシート16を下から順次積層した。前記実施例3−1と同じ条件で成形した繊維強化複合材料板の端部に、NC加工機を使用して開口部のh1が1mm、h2が2mm、Lが1.2mmとなるような開口部の断面形状が円状の開口部を形成させた平均の厚み1.20mmの繊維強化複合材料H1を製造した。
(実施例8−2:成形品H2)
前記実施例1−2と同じ要領で、前記繊維強化複合材料板E1を射出成形用金型にインサートし、成形品H2を製造した。
(比較例1)
(比較例1−1:繊維強化複合材料板I1)
繊維方向が上から[90/0/90/フィルム/0/90/90/0/フィルム/90/0/90]s(sは[]内を対称積層とする意味)となるように、前記実施例1−1と同じ20枚のプリプレグシート13と4枚のフィルム14を、下から順次積層した。前記実施例1−1と同じ条件で成形し、平均の厚み2.6mmの繊維強化複合材料板I1を製造した。
(比較例1−2:成形品I2)
前記実施例1−2と同じ要領で、前記繊維強化複合材料板H1を射出成形用金型にインサートし、成形品I2を製造した。
(比較例2)
(比較例2−1:繊維強化複合材料板J1)
繊維方向が上から[90/0/90/フィルム/0/90/90/0/フィルム/90/0/90]s(sは[]内を対称積層とする意味)となるように、前記実施例1−1と同じ20枚のプリプレグシート13と4枚のフィルム14を、下から順次積層した。前記実施例1−1と同じ条件で成形した繊維強化複合材料板の端部に、NC加工機を使用して開口部のh1が1mm、h2が1mm、Lが3mmとなるように開口部を形成させた平均の厚み2.6mmの繊維強化複合材料板J1を製造した。
(実施例4−2:成形品J2)
前記実施例1−2と同じ要領で、前記繊維強化複合材料板D1を射出成形用金型にインサートし、成形品J2を製造した。
(比較例3)
(比較例3−1:繊維強化複合材料板K1)
繊維方向が上から[90/0/90/フィルム/0/90/90/0/フィルム/90/0/90]s(sは[]内を対称積層とする意味)となるように、前記実施例1−1と同じ20枚のプリプレグシート13と4枚のフィルム14を、下から順次積層した。前記実施例1−1と同じ条件で成形した繊維強化複合材料板の端部に、NC加工機を使用して開口部のh1が0.1mm、h2が1mm、Lが3mmとなるように開口部を形成させた平均の厚み2.6mmの繊維強化複合材料板K1を製造した。
(比較例3−2:成形品K2)
前記実施例1−2と同じ要領で、前記繊維強化複合材料板D1を射出成形用金型にインサートし、成形品K2を製造した。
Figure 0005458529
Figure 0005458529
実施例1では、繊維強化複合材料板と他の部材とが端部の開口部おいて接合性に優れていた。また繊維強化複合材料板をサンドイッチ構造とした実施例2、繊維強化複合材料板のマトリックス樹脂を熱可塑性樹脂とした実施例3、7、8では、開口部に有する熱可塑性樹脂と部材(II)が溶融混合し、優れた接合性を発揮した。開口部の数を増加した実施例でも、嵌合構造が強固となり、より優れた接合性を発揮した。開口部の断面形状が異なる実施例5、6においても嵌合構造の効果を伴い、優れた接合性を発揮した。
一方比較例1では、熱可塑性樹脂が存在するが開口部が形成されていないために、嵌合構造でないために部材(II)との接合性が不足するものであった。比較例2では、嵌合構造となっているが、h1<h2の関係を満たしておらず、部材(II)が抜けやすい形状となっており、接合性が不足していた。比較例3では、部材(II)が開口部に完全に充填することができず、本来の十分な接合性を得ることが出来なかった。
本発明の繊維強化複合材料板の断面の一例の模式斜視図である。(強化繊維の径方向の断面積が、強化繊維の最小断面積の150%以下) 本発明の繊維強化複合材料板の断面の一例の模式斜視図である。(強化繊維の径方向の断面積が、強化繊維の最小断面積の150%以上) 本発明の繊維強化複合材料板の端部断面の一例の模式斜視図である。 本発明の繊維強化複合材料板の一例の模式斜視図である。 本発明の繊維強化複合材料板の端部断面の一例の模式断面図である。 本発明の繊維強化複合材料板の開口部の断面形状が櫛型形状の一例の模式図である。 本発明の繊維強化複合材料板の開口部の断面形状が五角形形状の一例の模式図である。 本発明の繊維強化複合材料板の開口部の断面形状がT字型形状の一例の模式図である。 本発明の繊維強化複合材料板の開口部の断面形状が円状の一例の模式図である。 本発明の繊維強化複合材料板の開口部の断面形状が卵型断面形状の一例の模式図である。 本発明の端部に2つの開口部が設けられた繊維強化複合材料板の一例の模式図である 本発明の繊維強化複合材料板に熱可塑性樹脂が連続した層で形成されている一例の模式断面図である。 本発明の繊維強化複合材料板と他の部材(II)が一体化された一様態の模式斜視図である。 成形品より切出した接着評価用サンプルの一態様の断面図である。 本発明の繊維強化複合材料板の構成の一例の模式斜視図である 本発明の繊維強化複合材料板の構成の一例の模式斜視図である
符号の説明
1 繊維強化複合材料板(I)
2 強化繊維
3 マトリックス樹脂
4a 部材(II)を構成する熱可塑性樹脂
4b 開口部に存在する熱可塑性樹脂
4c 繊維強化複合材料板(I)を構成する熱可塑性樹脂
5a 繊維強化複合材料板の一方の表面
5b 繊維強化複合材料板の他方の表面
6 端部
7 交点
8 開口部
9 繊維強化複合材料板(I)の厚み方向の二等分線
10 コア層
11 熱可塑性樹脂(B)からなる部材(II)
12 一体化成形品
13 プリプレグシート
14 フィルム
15 積層体
16 熱可塑プリプレグシート

Claims (16)

  1. 連続した強化繊維からなる繊維強化複合材料板(I)の端部に開口部を設け、該開口部に、熱可塑性樹脂(A)からなる部材(II)の端部を結合させる接合方法であって、前記開口部は、繊維強化複合材料板(I)を構成する連続した強化繊維からなる繊維強化樹脂部に形成され、該開口部の間口高さh1と該開口部の最大高さh2とが、h1<h2の関係を満たすものであり、前記開口部に前記部材(II)を構成する熱可塑性樹脂(A)を溶融させた状態で充填させることで、前記開口部と前記部材(II)の端部とを結合させる接合方法。
  2. 前記繊維強化複合材料板(I)の端部に設けられた開口部の表面の少なくとも一部に熱可塑性樹脂(B)を存在させる、請求項1に記載の接合方法。
  3. 前記開口部の間口高さh1が0.1mm以上である、請求項1または2に記載の接合方法。
  4. 前記開口部の奥行きLが、0.1mm以上の大きさである、請求項1〜3のいずれかに記載の接合方法。
  5. 前記開口部の断面形状が多角形または円状である、請求項1〜4のいずれかに記載の接合方法。
  6. 前記開口部が独立した孔形状であって1つの端部において2つ以上の開口部が存在する、請求項1〜5のいずれかに記載の接合方法。
  7. 前記繊維強化複合材料板の板厚Tが0.3〜30mmである、請求項1〜6のいずれかに記載の接合方法
  8. 前記繊維強化複合材料板(I)を構成するマトリックス樹脂が熱可塑性樹脂(C)である、請求項1〜のいずれかに記載の接合方法。
  9. 前記部材(II)が繊維強化熱可塑性樹脂である、請求項1〜のいずれかに記載の接合方法。
  10. 前記繊維強化複合材料板(I)を構成する強化繊維が炭素繊維である、請求項1〜のいずれかに記載の接合方法。
  11. 前記部材(II)を構成する熱可塑性樹脂(A)が、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン系樹脂、およびポリアリーレンスルフィド樹脂から選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂である、請求項1〜10のいずれかに記載の接合方法。
  12. 前記繊維強化複合材料板(I)に含まれる強化繊維の重量含有量Wfが5〜75重量%である、請求項1〜11のいずれかに記載の接合方法。
  13. 前記部材(II)に含まれる強化繊維の重量含有量Wfが5〜75重量%である、請求項10〜12のいずれかに記載の接合方法。
  14. 前記繊維強化複合材料板(I)に対して、前記部材(II)を構成する熱可塑性樹脂(A)を射出成形することによって、該部材(II)をインサート成形またはアウトサート成形する、請求項1〜13のいずれかに記載の接合方法。
  15. 前記繊維強化複合材料板(I)と前記部材(II)を、請求項1〜14のいずれかに記載の接合方法を用いて接合した一体化成形品
  16. 請求項15に記載の一体化成形品が、電気・電子機器、オフィスオートメーション機器、家電機器、医療機器、自動車部品、航空機部品および建材のいずれかに用いられるものである一体化成形品。
JP2008213892A 2008-08-22 2008-08-22 接合方法および一体化成形品 Active JP5458529B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008213892A JP5458529B2 (ja) 2008-08-22 2008-08-22 接合方法および一体化成形品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008213892A JP5458529B2 (ja) 2008-08-22 2008-08-22 接合方法および一体化成形品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010046940A JP2010046940A (ja) 2010-03-04
JP5458529B2 true JP5458529B2 (ja) 2014-04-02

Family

ID=42064446

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008213892A Active JP5458529B2 (ja) 2008-08-22 2008-08-22 接合方法および一体化成形品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5458529B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109311197A (zh) * 2016-05-30 2019-02-05 东丽株式会社 聚酰胺树脂制复合成型品及其制造方法

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5828380B2 (ja) * 2011-06-27 2015-12-02 東レ株式会社 複合成形体およびその製造方法
US10059078B2 (en) * 2012-03-23 2018-08-28 Cutting Dynamics, Inc. Injection molded composite blank and guide
TWI562895B (en) * 2014-06-11 2016-12-21 Compal Electronics Inc Composite plate structure and manufacturing method thereof
JP2018130854A (ja) * 2017-02-14 2018-08-23 日立化成株式会社 樹脂成形品の製造方法
JP7153253B2 (ja) * 2019-03-29 2022-10-14 東レ株式会社 繊維強化プラスチック成形体
WO2021002417A1 (ja) * 2019-07-02 2021-01-07 株式会社村田製作所 複合成形体およびその製造方法、電池パック、電動工具ならびに電動車両

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS467199B1 (ja) * 1965-08-17 1971-02-23
JPH01125604U (ja) * 1988-02-12 1989-08-28
JPH0718806U (ja) * 1994-07-18 1995-04-04 株式会社河合楽器製作所 板材の木口面処理方法
DE19641751B4 (de) * 1996-10-10 2009-07-09 Evonik Degussa Gmbh Zweikomponenten-Anbindungselement
JP2000108205A (ja) * 1998-10-06 2000-04-18 Polyplastics Co プラスチック複合成形品及びその製造方法
JP2006044259A (ja) * 2004-07-07 2006-02-16 Toray Ind Inc 一体化成形品およびその製造方法
JP4670532B2 (ja) * 2005-08-03 2011-04-13 東レ株式会社 複合成形品
EP2199064B1 (en) * 2007-09-11 2012-11-28 Toray Industries, Inc. Composite shaped article and process for manufacturing the same

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109311197A (zh) * 2016-05-30 2019-02-05 东丽株式会社 聚酰胺树脂制复合成型品及其制造方法
CN109311197B (zh) * 2016-05-30 2020-11-27 东丽株式会社 聚酰胺树脂制复合成型品及其制造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010046940A (ja) 2010-03-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101204351B1 (ko) 샌드위치 구조체 및 그것을 사용한 일체화 성형체
JP5458529B2 (ja) 接合方法および一体化成形品
JP2008230238A (ja) 繊維強化複合材料板、およびそれを用いた成形品
KR101156516B1 (ko) 적층체, 일체화 성형품 및 그들의 제조방법
JP5151535B2 (ja) サンドイッチ構造体、およびそれを用いた成形体、電子機器筐体
JP4023515B2 (ja) 熱接着用基材が用いられてなるプリフォーム、および積層体の製造方法
KR102362050B1 (ko) 프리프레그 적층체, 섬유 강화 복합 재료 및 섬유 강화 복합 재료의 제조 방법
JP2006044259A (ja) 一体化成形品およびその製造方法
KR20160051727A (ko) 샌드위치 구조체, 그것을 사용한 일체화 성형품 및 그들의 제조 방법
WO2018147324A1 (ja) プリフォーム要素、ならびにこれを利用したプリフォームおよびその製造方法
JP2006044261A (ja) 繊維強化複合材料の製造方法および繊維強化複合材料ならびにそれを用いた一体化構造部材
JP2007110138A (ja) 電磁波シールド成形品、および、その製造方法
JP2006205436A (ja) 繊維強化複合材料板およびそれを用いた成形品
JP2010046941A (ja) 一体化成形品の製造方法
JP2010046939A (ja) 一体化成形品の製造方法
JP2006044260A (ja) 一体化構造部材およびその製造方法
JP2005297417A (ja) 工業用構造部材およびその製造方法
JP2021123021A (ja) 繊維強化プラスチック成形体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110801

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121218

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130108

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131015

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131120

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131217

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131230

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5458529

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151