JP2010046501A - 人間工学的形状を有した高効率医療変換器とその製造方法。 - Google Patents

人間工学的形状を有した高効率医療変換器とその製造方法。 Download PDF

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Abstract

【課題】腫瘍その他の望ましくない組織の除去を可能とし、かつ外科医による手術状況の視覚化を可能とする。
【解決手段】外科用具用の変換ユニット18であって、ある方向に延在する長軸を具えた前部ドライバー14と反対方向に延在するスタッド30とを有している。電気機械変換要素がスタッド周りに配置されている。変換ユニットはまた電気機械変換要素について前部ドライバーとは反対側においてスタッド周りに配置された後部ドライバーを有しており、電気機械変換要素は前後のドライバー間にクランプされている。後部ドライバーから離間した点において減衰体がスタッドに固定連結されており、スタッドは可撓性振動減衰要素として機能する長さと厚さとを有している。
【選択図】図1

Description

この発明は人間工学的形状を有した高効率医療外科変換器に関するものであり、より詳しくは電気的信号を機械的振動に変換する装置に関するものであって、腫瘍その他の望ましくない組織の除去を可能とし、かつ外科医による手術状況の視覚化を可能とするものである。
過去30年に亙って、いくつかの超音波用具が発明され外科において組織を切断・除去するのに使われている。例えばアメリカ特許第4223,676号(Wuchinich他)やアメリカ特許第5,188,102号(Idemoto他)に開示されたものがある。
アメリカ特許第4,223,676号 アメリカ特許第5,188,102号
実務上それらの外科装置は鈍先端の中空プローブを有しており、これが周波数20〜100kc、振幅300μ囲繞で振動する。これら装置は組織を除去するに際して、細胞を内破・分断、圧縮およびリラクゼーションストレス(時にジャックハンマー効果と呼ばれる)するキャビテーション泡を発生するか、または組織マトリックス中の泡のマイクロ流などの他の力を発生する。
その効果としては組織が流化して分断され、ついでイリガント(irrigant)溶液でエマルジョン化される。得られたエマルジョンはその部位から吸い出される。望ましくない組織の周りと下方にエネルギーを印加して周囲の構造から分離することにより組織の大きな摘出が可能である。ついで外科医は柑子などの一般的な用具を用いて組織を取り出す。
プローブまたは管は圧電気または磁気歪みタイプの変換器により励動されるが、該変換は指定された周波数範囲内の交流電気信号を縦または横の振動に変換する。プローブが変換器に取り付けられると、シリーズまたはパラレルの共鳴を有した単一の要素となる。
設計者はそれら要素の機械的および電気的特性を辿って適正な動作周波数を提供しようとする。多くの場合要素は図1に示すように真っ直ぐな長軸を有している。これは簡単なことと経済上の理由による。医療であろうと産業であろうと全んどの使用において、それら具現化された用具は実務的であり有用である。
しかし開脳手術などにおける使用においては、手術中に外科医が拡大鏡を使って脳の繊細な構造の光景を拡大するので、そのような用具は実務的ではない。変換器の基端が拡大鏡のヘッドに当たり外科医が最大効率で用具を操作するのを邪魔するので、変換器とホーンとの組合せの長さが不利となる。重要なことだが、変換器のケースの大きな直径が外科医が得る手術部位の光景を邪魔するのである。
過去において上記の問題を解決すべく、数人の発明者が変換器またはプローブを捻ったり屈曲させたりして、角度付きハンドピースを提供しようとした。この方法では、外科医は組合せの末端を手に持ち、変換器は拡大鏡のヘッドから離間してその手に沿って位置しており、これにより手術部位の視覚化能力を増加しようとしている。図2に示すのは超音波変換器とプローブのユニットであって、前部ドライバーが捩じれたり屈曲したりしている。
屈曲変換器またはプローブの有用性はいくつかの要因により制約される。ひとつは屈曲によりベクトル力が生じて、それ自身横断または屈曲波動が現れる。この波動は先端滑動の効率を低減し変換器それ自身におけるエネルギー損失を増大する。その結果、変換器温度が上昇し、表面が触るには熱すぎる状態となる。
また横方向の振動は振動要素中に大きなストレスを生じ、高い振幅により金属疲労とプローブの破損が起きる。横方向のベクトルは屈曲角度に比例して増加する。これら設計上の問題の故に、屈曲角度が制限され、装置が振動する最大先端振幅が低減される。
例えば市場で入手できる装置では真っ直ぐな変換器・プローブ組合せの最大振幅が355μであり、同じ目的のための10度角度の変換器は183μかまたは全んど50%少ない。いずれの解決法にしても手術の効果が減殺され、固くて密度の大きい腫瘍は切除するのにより高い振幅とより多くのパワーを必要とする。加えて屈曲角度が小さくても変換器の基端が拡大鏡に接触する。
変換器本体の直径も装置の人間工学におけるひとつの要因である。ユニットが大きいほど、重くて操作がし難い。極性化されたとき、多くの外科医は大きなライテイングペンの寸法の装置を望む。組織を除去してハンドピース中における電気機械的損失を克服するに必要な電力は70ワットにもなるので、圧電気ハンドピース中での結晶重量が減少するが故に、使用中に熱くならない薄いハンドピースを作ることには問題がある。
すると電力密度が上がって電力損失を増加させ、熱発生を無駄にする。与えられたワット出力については一般により薄いが、磁気歪み装置にも同じような問題がある。しかし、磁気歪み装置は中央吸気ポート(長軸と同心状である)を簡単に装備することはできないので、組織を吸気する時に組織障害が起り得る。これが最も不利な点である。
他の要因としては、実施例にも記載されている、変換器ケース中の継ぎ目のない流体通路があり、これは電子素子の動作不良を招くことのある変換器内部への流体漏洩を防ぐものである。加えて、ユニットのケースはプローブや変換器自身の振動から隔離されなければならない。ケースが変換器に共鳴して振動すると、外科医がその手に振動を感じる。すると手術中の触感のフィードバックが少なくなり疲労、それに長時間に振動に曝されると手に支障が生じる。
この発明は拡大鏡と一緒に使用できる改良された超音波外科用具を提供しようとするものである。該用具は圧電気変換器を有しており、該変換器は10度を超える屈曲角度と、漏洩を招き製品の不良を原因する内部流路のない同心状中央流れとを、有している。この用具にあっては振動は変換器ケースから隔離されており、ハンドピースの直径は約1インチ未満である。
この発明の外科用具は前部ドライバーとスタッドとを有しており、前部ドライバーは一方向に延在する長軸を有しており、スタッドは反対方向に延在している。電気機械変換要素(例えば複数の圧電気結晶デイスク)がスタッドの周りに設けられている。また変換ユニットは前部ドライバーとは反対で電気機械変換要素の側においてスタッドの周りに設けられた後部ドライバーを有している。電気機械変換要素は前後のドライバー間にクランプされている。減衰体が後部ドライバーから離間した位置でスタッドに固定連結されている。
この発明の一実施例によれば、減衰体は変換ケースの端部キャップである。しかしこれに代えて、減衰体をケースの一部とするのではなくケースの内部に配置してもよい。減衰体が端部キャップである場合には、スナップロック嵌合により結合体に連結される。
スタッドと減衰体との固定連結はスタッドの外ネジ付き端部要素と減衰体の内ネジ付き対向孔との干渉嵌合で実現してもよい。減衰体は、その端部が対向孔の端部に会合するまで、ネジ付き端部要素上にねじ込むのが望ましい。
一実施例にあっては、スタッドは電気機械変換器の前面から2.50〜3.25インチ、より特別には2.7〜3.0インチの距離で突出している。均一な長さに加えて、スタッドには特に薄い壁が形成されており、その薄さはほぼ0.010〜0.25インチの範囲である。スタッドの薄い壁と長さとの故に、電気機械変換器の減衰振動においてスタッドは可撓性要素として機能する。
前部ドライバーの長軸が屈曲部で屈曲してスタッドと同軸状の第1の部分とスタッドに対して角度を有する第2の部分とを形成している場合には、変換ユニットは実質的に剛性の第1、第2のケース体と可撓性の結合体とを有しており、該第1のケース体は電気機械変換要素と長軸の第1の部分との周りに設けられており、第2のケース体は長軸の第2の部分の周りに設けられている。また結合体は屈曲部において長軸の周りに設けられている。さらに結合体は一側では第1のケース体に反対側では第2のケース体に連結されている。
一実施例にあっては、第2のケース体と長軸の第2の部分との間にスプラインリングが設けられている。長軸の第2の部分に拡大増幅体が形成されている場合には、スプラインリングは該増幅体と係合している。
一実施例にあっては、第1のケース体には鉤(ポート)要素と脱気孔とが形成されており、脱気孔は鉤要素に対して基端方向に離間してかつ第1のケース体に対して鉤要素と同じ側に位置している。
この発明の変換器製造方法は後方に延在している外ネジ付き自由端のあるスタッドを具えた前部ドライバーを利用している。ネジ付き対向孔が減衰体中に形成されていて、その内ネジは対向孔の底から所定の距離まで形成されている。減衰体はスタッドのネジ付き自由端にその底まで螺合している。ついでスタッド自由端と対向孔端部が会合するまで、減衰体は追加回転される。
この発明の変換器と付帯超音波プローブの拡大断面側面図である。 この発明の他の変換器と付帯超音波プローブの拡大部分断面側面図である。 図2の変換器とプローブの拡大図とこの発明のケースユニットとの断面図である。 図2、3に示すこの発明の減衰体端部キャップの拡大断面図である。 この発明の他の端部キャップの断面図である。
ここに開示された圧電気変換器はいくつかの特徴を有しており、これらは協働してデリケートな医療手術の実施において好ましい効果を奏するものである。加えてそれら種々の特徴は異なる応用において有用性を発揮するものである。変換器およびその製造方法について用いられる諸用語は超音波技術当業界において一般に受容されているものである。スタッドの減衰体への結合について用いられている用語「固定連結されている」とは、スタッドと減衰体とが一体の部材として製造されていることを言い、該連結は剛性でありかつ非可逆なものである。
図1に圧電気変換器8を非屈曲状態で示し、図2には他の変換器10を角度付きまたは屈曲状態で示す。図1の変換器は集積状態の圧電気結晶12を有しており、その前部ドライバー14は圧電気結晶12により発生された長手方向の運動を増幅する変圧体18とロッド16とからなっている。図2の変換器も同様に集積状態の圧電気結晶20と前部ドライバー22とを有しており、該前部ドライバーはロッド24と運動増幅体26とを有している。ロッド24には屈曲部28が形成されている。
前部ドライバー14、22はチタンなどの高音響効率材料から形成されているが、他の材料であってもよい。各ドライバー14、22は中空で孔を有しており(図示せず)、ユニットが完全に組み立てられたときには貫通吸気通路となる。結晶12、20はリング状に成形された鉛・ジルコン酸塩・チタン酸塩(PZT)などの合成材料から形成されている。
圧電気結晶12は前部ドライバー14から後方に(例えば基端方向に)突出する中空スタッド30を囲繞しており、結晶20は前部ドライバー22から後方または基端方向に突出する中空スタッド32を囲繞している。変換器8、10はさらにそれぞれの後部ドライバー34、36を有しており各ドライバーはタングステンとチタンからなる2片構造である。各変換器8、10はLangevinサンドイッチタイプ変換器として構成されていて、所定のトルクまたはプレストレスレベルで前部ドライバー14または22のスタッド30または32に内ネジを介して後部ドライバー34または36を締め付けることにより、結晶12または20は電極38または40とともに圧縮される。電極38または40を並列に接続することにより、変換器8または10は交流信号が正負の接続に印加されると振動するようにセットされる。これは公知の技術である。
この発明が従来技術に比べて改良された点はつぎの如くである。前部ドライバー14、22のスタッド30、32が結晶面42、44から例えば2.888インチ±0.100インチの長さに延在してかつ各後部ドライバー34、36と同じサイズのネジを有した各ネジ付き要素46、48の基端で終っており、この故に結晶部分の組立が可能になっているのである。スタッド30、32は壁厚の減じたシャンク50、52を有しており、これにより各結晶12、20から後部要素、例えばケースの端部キャップへの振動を切り離しているのである。
シャンク50、52の壁厚を圧縮および伸長におけるユニットの撓みを可能とする点まで減じることにより、各後部ドライバー34、36の振動がユニットのバランスから切り離される。切離しのために、スタッド30、32はネジ付きであって各後部減衰体54、56中にシールされている。該減衰体は、使用された材料(ステンレス、チタン、タングステン)および与えられた体積の故に、比較的顕著な慣性を有している。この慣性により、変換器8、10からのいかなる振動をも緩和し、かつケースと流路への伝播を防止するのである。
スタッド30、32の基端のネジ付要素46、48は減衰体54、56の雌ネジとしっかりと干渉嵌合で会合しなければならない。実際には減衰体54、56は内ネジを受けるべく対向孔でなければならない。変換器のサイズとパワーおよび特性作動周波数に応じて、内ネジは対向孔の底からある距離で、例えばほぼ0.062インチで終わらなければならない。
減衰体54、56はスタッドネジ底までネジ付要素46、48上に螺合する。ついでスタッド端部と対向孔端部が会合するまで、減衰体54、56は追加のトルクを印加される。かくして液密通路が形成され、金属部分は単一体として挙動する。低トルクやシール材などの他の手段では横振動と変換器の早期の傷害を回避する結合は提供できないのである。
各前部ドライバー14、22はその運動増幅体またはゲインステージ18、26の末端側においてプローブ58、60に連結されている。変換器8、10とプローブ58、60の組合せの全長は作動周波数の全波長に相当する。もっとも半波長の2(つまり1波長)以上の整数倍であってもよい。プローブ58、60は変換器8、10に連結され、またこのタイプの超音波ニューロアスピレーターの当業界の現状の如く、ナット62、64およびワッシャー66、68を介して周波数ノード点において運動増幅体18、26に連結されている。プローブ58、60の連結はアンチノードにおいて行うこともできる。ゲインステージ18、26による運動増幅に加えて、プローブ58、60はデジタルチップ振幅が400μに近づくようなゲインをも与えるのである。
変換器10の屈曲部28は結晶集積の末端面44から2.46インチである。この寸法は前部ドライバー22のゲイン比に左右されかつ直径と周波数が異なれば変動する。屈曲部28におけるロッド24の曲率半径は1/2インチであり、そのゲインは非常に敏感であることが知られた。屈曲半径が1インチだと、後部体において顕著な横振動が存在する。半径が小さいと金属にストレスを掛けて破裂・破断に至ることもある。このように形成されると変換器10は屈曲角度が20度となる。
前部ドライバーロッド24の直径は0.205〜0.230インチの範囲が最適であり、これにより軸が縦横の振動を後部ケースから隔離する。後部減衰体56が変換器ケース70(図3)のための後部カバーとして機能するように成形されている場合には、変換器ケースのプラスチックケース体72が変換器10の末端上に配置され、この状態でその基端は減衰体56の位置決めボス74(図2〜4)に会合する。
境界面をO−リング76やシール材などの公知の手段でシールすることにより気密・液密のシールが得られて、ユニットが圧力釜に入れられるようになる。変換器10の前部ノードリング78も同様にO−リング79によりシールされる。かくして形成されたケース70は外科医が握持操作してプローブ60の先端を患者の手術部位の不要組織に対して突出させる。ケース70は変換器10の後部減衰体56と前部ノードリング78に接触するだけなので、振動はケース自体には伝わらず、構成上重要な要素にそれを伝えるのである。
組立が容易でファスナーが不要な故に部品点数を低減できる変化実施例はスナップ嵌合ユニットである。ここでは図5、6に示すように後部減衰体54、56が傾斜畝80を有している。プラスチックまたはポリマーケース体82が対応する内部突起84を有しており、ケース体82が減衰体56上を滑るとケース突起84が畝80の傾斜側(参照符号を付けず)に接触する。
さらなる力が掛ると、ケース体82が若干膨脹して突起84が傾斜畝80上に飛び付く。畝80の基端側(参照符号を付けず)はボス74に対して直交しているので、ケース体82が効果的に捕捉される。シール材またはOッリングが使われると、ユニットは錠止リング、ネジまたは締結手段なしに完全となる。
他にもユニットを完全にする手だてがある。
このタイプの全ての外科的アスピレーターにおいて、液体が手術部位に供給されなければならない。この液体は一般に無菌食塩水であるが、これはこの発明には重要なことではない。該液体はプローブを冷却・洗浄し、組織を冷却し、液体中で組織が分離され、エマルジョン化されついで吸気される。従来技術では必要な流路はシリコンなどのエラストマーからなる鞘により与えられ、これがプローブを囲繞して流体のための共軸状通路を与える。
図3に示すように、この発明のケース70はケース体72と他の硬いポリマーケース体73とを有している。ケース体72、73は互いに剛性連結されており、単一の剛性ケース体として考えることができる。さらに図示のようにケース70は硬いポリマーケース鞘体86を有しており、該鞘体は可撓性の連結材または結合材88を介してケース体73、82に会合している。
これにより鞘体86はプローブ60(ネジ連結を介して変換器10に取り付けた後)上に載置されてかつケース体70、82上にスナップ嵌合して液密シールを与えている。これは従来技術の改良であって、従来技術では一体のバナナ形プラスチックケースを必要とし、該ケースは二枚貝形状であってシールしたり取扱いや落下による損傷に対して丈夫にするのが難しい。可撓性結合材88と鞘体86は顕著な効果を与えるものである。
シリコン煙管90がプローブ60上に配置され、プラスチック連結材86の末端に標準的な手法でスナップ嵌合する。ユニット全体は、長いシリコン鞘体が従来は使われていた従来技術より、改良されている。外科医が可撓性の鞘体を握持すると、超音波エネルギーが手に伝わることがあり、不快を催すのである。
末端近くで鉤要素92(図3)が変換器ケース体70、82上に配置されている。鉤要素92はケース体70、82の内部と連通している。可撓性の液管(図示せず)が鉤要素92上に配置されると、液体がケース体70、82と前部ドライバーノーダルリンング78とにより形成される内部空所にポンプ送される。液体は前部ドライバー22、変換器ケース体70、82、プローブ60およびシリコン煙管90により形成されている環状の通路を通って末端に圧送される。唯一の出口は煙管90の基端であって、プローブ末端に近い。液体はついでプローブの周りを流れて、記載の効果を奏するのである。
さらなる改良としては、鉤要素92から基端に離間して脱気孔94が設けられている。脱気孔94はケース体70、82の内部へ空気を流れ込ませる。脱気孔がないと、液レベル上に発生する真空の故に重力タイプ冷水器と同じく、ポンプが停止すると流れが空所内に保留される。
排出孔が設けられると、真空が逃がされて液体は重力の故に流れる。これにより液体がノーダルリング周りの領域に遡流しないという利点がある。もし液体がそこに残るとシステムの負荷が増加して、装置の効率を低減する。またそのような流体中の超音波エネルギーが金属を摩耗させて、製品の損耗が早くなる。かかる理由からして、脱気孔を図3に示すように変換器の頂部に配置すべきである。
図3に示すように、スプラインリング96が設けられていて、鞘体86を前部ドライバー22の周りに同心状に配置する。該リング96は硬いエラストマーまたはポリテトラ・フルオロエチレンから形成されており、鞘体86中に押し入れられるかまたはその中に固定配置される。リング96は鞘体86を前部ドライバー22と同心状に保つのみならず、ユニット全体に亙って横振動を抑制する。リング96のスプライン98により末端への液体通過が可能となる。リング96の内径は前部ドライバー22に対して滑動嵌合する程度とする。
変換器10(図3)の一実施例にあっては、減衰体56は13グラム(0.46オンス)であり、スタッド34のシャンク52は壁厚が0.017インチであり、内外径が0.078インチと0.112インチである。ロッド24の直径は0.215インチであり、作動周波数は約23kHzである。身体中の不要な組織を除去するのに使われたとき、この変換器は有効な用具である。
変換器の効率は非常に高く、長い期間に亙って顕著な温度上昇なしに70ワットのパワーを提供でき、末端は400μ以上である。全体の直径は0.800インチである。これはこのタイプの装置に望まれる全ての特徴を効果的に提供するものである。例えば、振動を低減するのに液体の供給が必要ないので、いかにこの構造が横振動を抑制するかが明らかである。前部ドライバー22とプローブ60との継ぎ目において発生される熱が冷却用の液体を必要とするまでは、装置は液体なしで作動できるのである。
図3〜6における参照番号99は電気ケーブルを示すものであり、各ケーブル(図示せず)は電極40に接続されている。
この発明は以上開示した実施例に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、変換器スタッドが連結されている減衰体は変換器ケースの端部キャップである必要はなく、ケースの基端より末端側に配置された別体の要素であってもよい。加えてスタッド30、32の基端の減衰体54、56への連結は溶接などの他の手段によっても可能であり、その場合スタッドと減衰体とが一体の片として協働する。
8、10: 変換器
12: 圧電気結晶
14、22: 前部ドライバー
16: ロッド
30、32: スタッド
36: 後部ドライバー
52: シャンク
54、56: 減衰体

Claims (9)

  1. 変換ユニットとケースとを有してなり、変換ユニットは長軸を具えた前部ドライバーを有しており、長軸は屈曲部において屈曲して互いに角度をなして延在する第1の部分と第2の部分とを形成しており、ケースは第1の実質的に剛性のケース体と、第2の実質的に剛性のケース体と可撓性の結合体とを有しており、第1のケース体は長軸の第1の部分の周りに設けられており、第2のケース体は長軸の第2の部分の周りに設けられており、結合体は屈曲部において長軸の周りに設けられており、結合体は一側では第1のケース体に反対側では第2のケース体に連結されていることを特徴とする超音波外科用具用ハンドピース。
  2. スプラインリングが第2のケース体と長軸の第2の部分との間に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のハンドピース。
  3. 長軸の第2の部分には拡大した増幅体が設けられており、スプラインリングが該増幅体と係合していることを特徴とする請求項2に記載のハンドピース。
  4. 第1のケース体には鉤(またはポート)要素と脱気孔が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のハンドピース。
  5. 脱気孔の結合体と反対の側が鉤要素から離間して、第1のケース体に対して鉤要素と同じ側に配置されていることを特徴とする請求項4に記載のハンドピース。
  6. 前部ドライバーがスタッドを有しており、該スタッドが長軸とは反対の方向に突出し、かつ減衰体に固定連結されていることを特徴とする請求項1に記載のハンドピース。
  7. 変換ユニットが電磁変換要素を有しており、スタッドが電気機械変換要素の前面から充分な距離だけ延在していることを特徴とする請求項6に記載のハンドピース。
  8. 減衰体が第1のケース体への端部キャップとして形成されていることを特徴とする請求項6に記載のハンドピース。
  9. 外ネジ付き自由端を具えた後方延在スタッドを有した前部ドライバーを用意し、減衰体中にネジ付き対向孔を形成して該孔の内ネジが対向孔の底から所定の距離で終るようにし、スタッドのネジ付き自由端の底まで減衰体をネジ込み、スタッドの自由端と対向孔端部が会合するまで減衰体を追加回転させることを特徴とする超音波医療装置用変換器の製造方法。
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