JP2010045936A - 不要ワニスの除去装置及び除去方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ステータコア80と、ステータコア80に設けた複数のスロットに挿入配設されたコイル7とを有し、コイル7には電気的絶縁性を維持するためのワニス9を含浸させてなるステータ8におけるステータコア80に付着した不要ワニス99を除去する装置1であって、ステータコア80よりも不要ワニス99に吸収されやすいレーザ光20を発射するレーザ発射装置2と、レーザ光20がステータコア80の軸方向端面81から突出したコイルエンド部70に照射されることを防止するためにコイルエンド部70の少なくとも一部を覆うマスク部3とを有する。レーザ光20はCO2レーザ光であることが好ましい。
【選択図】図1
Description
上記ステータコアよりも上記不要ワニスに吸収されやすいレーザ光を発射するレーザ発射装置と、
上記レーザ光が上記ステータコアの軸方向端面から突出したコイルエンド部に照射されることを防止するために上記コイルエンド部の少なくとも一部を覆うマスク部とを有することを特徴とする不要ワニス除去装置にある(請求項1)。
上記ステータコアの軸方向端面から突出した上記コイルエンド部を上記マスク部により覆い、
上記レーザ光を上記ステータコアの軸方向端面上の上記不要ワニスに向けて照射し、該不要ワニスを燃焼除去することを特徴とする不要ワニス除去方法にある(請求項15)。
本発明の不要ワニスの除去方法によれば、上述したように、ステータの品質に問題を生じさせることなくステータコアに付着した不要ワニスを容易に除去することができる。
該検知部は、上記不要ワニスを励起発光させることが可能な検査光を、上記ステータコアの表面の検査領域に向けて照射する光源と、
上記ステータコアの表面の上記検査領域を撮影するためのカメラと、
該カメラを通して採取した画像データを解析して上記不要ワニスの付着位置を特定する判定手段とを有し、
上記マスク部は、上記検査光が上記ステータコアの軸方向端面から突出したコイルエンド部に照射されることをも防止可能に構成されていることが好ましい(請求項10)。
そして、上記検知部としては、上記光源と、上記カメラと、上記判定手段とを備えるものを用い、かつ、上記レーザ光の反射光を遮る上記マスク部を、上記検査光を遮るためにも用いる。ここで、上記検査光は、ステータコアの表面の検査領域に向かって照射されるが、その一部はコイルエンド部のワニスに照射される。照射された検査光がコイルエンド部のワニスに照射されると、コイルエンド部のワニスも発光する。このコイルエンド部の発光による光が検査領域に映り込んでしまうため、不要ワニスの発光と誤認され、正確な判断が困難となる。そこで、上記マスク部で上記検査光が上記コイルエンド部に照射されることを防止することができると共に、コイルエンド部から発光した光がステータコアに映し出されることをも防止することができる。そのため、上記検査光を上記ステータコアの表面の検査領域に照射し、その検査領域を上記カメラによって撮影して画像データを採取し、これを上記判定手段によって解析することによって、上記不要ワニスの存在位置を確実に判定することができる。これにより、不要ワニスの発見と除去とを連続して行うことが可能となり、不要ワニス除去の作業工程を合理化することができる。
上記検査光を上記ステータコアの表面の検査領域に向けて照射し、上記ステータコアの上記検査領域の画像データを解析して上記不要ワニスの付着位置を特定する検査工程と、
上記ステータコアの軸方向端面から突出した上記コイルエンド部を上記マスク部により覆い、上記レーザ光を上記ステータコアの軸方向端面上の上記不要ワニスに向けて照射し、該不要ワニスを燃焼除去する除去工程とを有することを特徴とする不要ワニス除去方法がある(請求項16)。
また、上記検査工程及び上記除去工程は、上記ステータコアの軸方向端面を周方向に分割した所定の検査領域毎に行い、上記検査工程及び上記除去工程とを原則として交互に繰り返して全周に対して行うこともできる(請求項18)。
本発明の実施例に係る不要ワニス除去装置及び除去方法につき、図1〜図8を用いて説明する。
本例の不要ワニス除去装置1は、図1、図2に示すごとく、ステータコア80と、該ステータコア80に設けた複数のスロットに挿入配設されたコイル7とを有し、該コイル7には電気的絶縁性を維持するためのワニス9を含浸させてなるステータ8における、上記ステータコア80の表面に付着した不要ワニス99を除去する装置である。
上記レーザ発射装置2が発射するレーザ光20は、本例ではCO2レーザ光を採用した。CO2レーザ光は、ワニスによく吸収される一方、ステータコア80を構成する電磁鋼板にはあまり吸収されず、ステータコア80にダメージを与えることを防止することができる。
また、マスク部3の外周マスク部31は、後述する検知部の検査光50がステータコア80の軸方向端面81から突出したコイルエンド部70に外周側から照射されることをも防止するようレーザ光20と共に検査光50をも遮断可能に構成されている。
検知部は、不要ワニス99を励起発光させることが可能な検査光50を、ステータコア80の表面の検査領域に向けて照射する光源5と、ステータコア80の表面の検査領域を撮影するためのカメラ6と、カメラ6を通して採取した画像データを解析して不要ワニス99の付着位置を特定する判定手段45とを有している。
また、カメラ6には、検査光50を透過させずに不要ワニス99が励起発光した光のみを透過させるシャープカットフィルタ(図示略)を取り付けてある。
本例の方法は、検査光50をステータコア80の表面の検査領域に向けて照射し、ステータコア80の検査領域の画像データを解析して不要ワニス99の付着位置を特定する検査工程と、レーザ光20をステータコア80の軸方向端面81上の不要ワニス99に向けて照射し、不要ワニス99を燃焼除去する除去工程とを組み合わせて行う方法である。
具体的には図4、図5及び図8を用いて説明する。
すなわち、図8に示すごとく、ステップS302において、まず上記処理領域aについて上記基準動作Aを行う。次いで、ステップS303において、処理領域aについての画像データを制御装置10に取り込む。次に、ステップS305において、制御装置10内の判定手段によって不要ワニスの有無及び位置を判定する検出判定結果を得る。
なお、本例では、軸方向端面81のみを処理対象としたが、後述するステータコア80の外周側面と内周面とを連続して処理対象としてもよい。
なお、本例の装置に検査部を設けず、検査工程は別の装置にて行い、不要ワニスの位置情報を受け取って上記と同様に除去工程だけを行うことも可能である。
本例では、実施例1の場合と処理手順を変えた例である。
すなわち、本例では、図5に示すごとく、マスク部3を設けた範囲内に含まれる、周方向30°の範囲の処理領域aの単位で、順次上記検査工程の基準動作Aのみを全周360°に対して行い、その後、上記除去工程の基準動作Bのみを全周360°に対して行うという方法である。
次に、ステップS403において、まず上記処理領域aについて上記基準動作Aを行う。次いで、ステップS404において、処理領域aについての画像データを制御装置10に取り込む。次に、ステップS405において、マスク部3の位置はそのままにして、ワークを30°回転させ、処理領域aの位置に、隣の処理領域bを移動させる。そして、ステップS403〜S405を繰り返し行う。ワークの上面側の軸方向端面81の全周360°に対して検査工程を終えることにより、制御装置10には、その全周分における不要ワニスの位置が記憶されることとなる。
次いで、ステップS407において上記基準動作Bを実施し、レーザ照射領域内の不要ワニスを燃焼除去する。
このステップS406及びS407を繰り返し、ワークの上面側の軸方向端面81の全周360°に対して除去工程を終える。
なお、本例でも、軸方向端面81のみを処理対象としたが、後述するステータコア80の外周側面と内周面とを連続して処理対象としてもよい。
本例では、実施例1、2における検査工程及び除去工程の処理対象領域を、ステータコア80の外周面に変更した例である。この場合には、ワーク(ステータ8)に対する装置構成部位の配置関係が実施例1、2と異なる。
すなわち、図10に示すごとく、光源5は、外周面の軸方向長さの上方半分を確実に照らすように、ワークの軸方向に直交する方向に配置した。また、カメラ6及びレーザ照射装置2も、ワークの軸方向に直交する方向に配置し、また、これらの指向中心が軸方向端面81の外周端から全長の1/4の位置となるようにした。
これらの動作の繰り返し方法としては、上述した実施例1、2のいずれの方法をとってもよい。
また、実施例1、2の一連の工程の中に本例の機械配置による処理を適宜組み入れることも可能である。
本例では、実施例1、2における検査工程及び除去工程の処理対象領域を、ステータコア80の内周面に変更した例である。この場合には、ワーク(ステータ8)に対する装置構成部位の配置関係が実施例1、2と異なると共に、マスク部3として、内周マスク部32をさらに設けた点が異なる。
これらの動作の繰り返し方法としては、上述した実施例1、2のいずれの方法をとってもよい。
また、実施例1、2の一連の工程の中に本例の機械配置による処理を適宜組み入れることも可能である。
10 制御装置
15 回転台
2 レーザ照射装置
20 レーザ光
25 レーザコントローラ
3 マスク部
31 外周マスク部
32 内周マスク部
5 光源
55 電源
6 カメラ
65 画像処理ユニット
7 コイル
70 コイルエンド部
8 ステータ
80 ステータコア
9 ワニス
99 不要ワニス
Claims (18)
- ステータコアと、該ステータコアに設けた複数のスロットに挿入配設されたコイルとを有し、該コイルには電気的絶縁性を維持するためのワニスを含浸させてなるステータにおける上記ステータコアに付着した不要ワニスを除去する装置であって、
上記ステータコアよりも上記不要ワニスに吸収されやすいレーザ光を発射するレーザ発射装置と、
上記レーザ光が上記ステータコアの軸方向端面から突出したコイルエンド部に照射されることを防止するために上記コイルエンド部の少なくとも一部を覆うマスク部とを有することを特徴とする不要ワニス除去装置。 - 請求項1において、上記コイルエンド部は上記ステータコアの上記スロットよりも径方向外側に突出しており、該コイルエンド部によって軸方向において覆われた上記ステータコアの軸方向端面の少なくとも一部に上記レーザ光を照射できるように、該レーザ光を上記軸方向端面に対して斜めに照射できるよう構成されていることを特徴とする不要ワニス除去装置。
- 請求項1又は2において、上記マスク部は、上記コイルエンド部の外周側を覆う外周マスク部を有することを特徴とする不要ワニス除去装置。
- 請求項3において、上記外周マスク部は、その軸方向断面形状において上記ステータコアの軸方向に略平行である本体部と、該本体部から徐々に径方向中心側に傾いたテーパ部とを有し、該テーパ部側の先端面を上記ステータコアの軸方向端面に当接させるよう構成されていることを特徴とする不要ワニス除去装置。
- 請求項1〜4のいずれか1項において、上記マスク部は、上記コイルエンド部を内周側から覆う内側マスク部を有することを特徴とする不要ワニス除去装置。
- 請求項1〜5のいずれか1項において、上記マスク部は、上記コイルエンド部の周方向の一部のみを覆うよう構成されていることを特徴とする不要ワニス除去装置。
- 請求項1〜6のいずれか1項において、上記不要ワニス除去装置は、上記ステータコアをその軸方向を中心に回転可能に支持する回転台を有し、上記レーザ光の照射可能領域に対して上記ステータコアを回転させることにより位置合わせ可能に構成されていることを特徴とする不要ワニス除去装置。
- 請求項1〜7のいずれか1項において、上記レーザ光の照射により燃焼除去された上記不要ワニスを集塵するための粉塵除去装置を有することを特徴とする不要ワニス除去装置。
- 請求項1〜8のいずれか1項において、上記レーザ光はCO2レーザ光であることを特徴とする不要ワニス除去装置。
- 請求項1〜9のいずれか1項において、上記不要ワニス除去装置は、上記ステータコアに付着した不要ワニスの有無及び位置を検知する検知部を有しており、
該検知部は、上記不要ワニスを励起発光させることが可能な検査光を、上記ステータコアの表面の検査領域に向けて照射する光源と、
上記ステータコアの表面の上記検査領域を撮影するためのカメラと、
該カメラを通して採取した画像データを解析して上記不要ワニスの付着位置を特定する判定手段とを有し、
上記マスク部は、上記検査光が上記ステータコアの軸方向端面から突出したコイルエンド部に照射されることをも防止可能に構成されていることを特徴とする不要ワニス除去装置。 - 請求項10において、上記検査光は紫外線であることを特徴とする不要ワニス検査装置。
- 請求項10又は11において、上記判定手段は、上記画像データをモノクロ2値化処理することにより、濃淡差によって上記不要ワニスの有無を判定可能に構成されていることを特徴とする不要ワニス除去装置。
- 請求項10〜12のいずれか1項において、上記光源と上記ステータコアの軸方向端面との間には、発射された上記検査光の振動方向の一方向のみの成分を透過させる偏光フィルタを備えていることを特徴とする不要ワニス除去装置。
- 請求項10〜13のいずれか1項において、上記カメラと上記ステータコアの軸方向端面との間には、上記不要ワニスが発光する光を透過させる一方、上記検査光を吸収又は反射する検査光カットフィルタを備えていることを特徴とする不要ワニス除去装置。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の不要ワニス除去装置を用い、
上記ステータコアの軸方向端面から突出した上記コイルエンド部を上記マスク部により覆い、
上記レーザ光を上記ステータコアの軸方向端面上の上記不要ワニスに向けて照射し、該不要ワニスを燃焼除去することを特徴とする不要ワニス除去方法。 - 請求項10〜14のいずれか1項に記載の不要ワニス除去装置を用い、
上記ステータコアの軸方向端面から突出した上記コイルエンド部を上記マスク部により覆い、
上記検査光を上記ステータコアの表面の検査領域に向けて照射し、上記ステータコアの上記検査領域の画像データを解析して上記不要ワニスの付着位置を特定する検査工程と、
上記ステータコアの軸方向端面から突出した上記コイルエンド部を上記マスク部により覆い、上記レーザ光を上記ステータコアの軸方向端面上の上記不要ワニスに向けて照射し、該不要ワニスを燃焼除去する除去工程とを有することを特徴とする不要ワニス除去方法。 - 請求項16おいて、上記検査工程は、上記ステータコアの軸方向端面を周方向に分割した所定の検査領域毎に複数回に分けて全周を行い、その後、全周に対して上記除去工程を行うことを特徴とする不要ワニス除去方法。
- 請求項16において、上記検査工程及び上記除去工程は、上記ステータコアの軸方向端面を周方向に分割した所定の検査領域毎に行い、上記検査工程及び上記除去工程とを原則として交互に繰り返して全周に対して行うことを特徴とする不要ワニス除去方法。
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