JP2010045739A - 画像処理装置 - Google Patents

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Abstract


【課題】装置は異常と判断しないがユーザが異常と認識した現象を後に解析して対処するための情報を残すことのできる画像処理装置を提供する。
【解決手段】操作画面に、ログ取得釦81を常時表示しておき、ログ取得釦が押下されたとき、各種の異常関連情報をログ情報として保存する。このとき、操作したユーザが管理者などの特定ユーザか一般ユーザかによって別の領域にログ情報を保存する。またユーザから異常に関するコメントの入力を受け付けたり、出力物の画像を光学的に読み取ったりして得た情報を、異常関連情報の一部として保存する。
【選択図】図3

Description

本発明は、異常に関する情報をログとして記憶する機能を備えた画像処理装置に関する。
原稿のコピー機能やプリント機能を備えた複合機などの画像処理装置では、異常の発生を検出した場合に、その異常を解析して対処するために必要な情報を管理者やサービスセンタなどへ自動的に知らせる仕組みを有するものがある。たとえば、異常発生時にその異常の詳細情報をネットワーク通信で所定の宛先へ送信する装置(特許文献1参照)や、異常情報を印刷出力する装置、着脱可能な外部記憶メディア(たとえば、USB(Universal Serial Bus)メモリ)が接続されている場合にはその外部記憶メディアに異常情報を書き込む装置、複数用意された出力手段のうち故障が検知されていない出力手段を利用して異常情報を出力する装置などがある。
特開2001−34120号公報
異常の検出は各種のセンサによって行われるが、たとえば、プリント出力された用紙に僅かなしわや折れが生じる、ユーザの予定した色と色味が少し異なる、用紙が排紙トレイ上に不揃いに排紙される、動作音が通常より大きい、といった現象は、装置では異常と判断しないが、ユーザは異常が発生していると感じることがある。
従来の装置は、異常の発生をセンサなどで自動検知した場合にその異常に関する情報を記憶したり通知したりするように構成されているので、ユーザが異常と感じる上記のような現象が生じても動作履歴やログ情報は残らず、その現象に関する解析や対処が難しいという問題があった。
本発明は、上記の問題を解決しようとするものであり、装置は異常と判断しないがユーザが異常と認識した現象を後に解析して対処するための情報を残すことのできる画像処理装置を提供することを目的としている。
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
[1]画像処理を行う処理部と、
異常関連情報を記憶するためのログ記憶部と、
前記ログ記憶部に新たな異常関連情報を記憶させる動作の実行指示を受けるログ取得釦と、
前記ログ取得釦の操作を受けたとき、新たな異常関連情報を前記ログ記憶部に記憶させる制御部と
を有する
ことを特徴とする画像処理装置。
上記発明では、ユーザがログ取得釦を操作すると、新たな異常関連情報がログ記憶部に記憶される。たとえば、装置による自動検出では異常は検出されないが、ユーザが出力画像に異常があると感じた場合などにログ取得釦を操作することで、ユーザの感じた異常に関連する情報をログ情報として保存することができる。
[2]ユーザから異常に関する情報の入力を受け付ける入力部を備え、
前記制御部は、前記ログ取得釦が操作された場合に前記入力部を通じてユーザから異常に関する情報の入力を受け付け、入力された情報を前記異常関連情報の一部として前記ログ記憶部に記憶させる
ことを特徴とする[1]に記載の画像処理装置。
上記発明では、ユーザの感じた異常の内容に関するコメントなどの入力をユーザから受け付け、これを異常関連情報の一部として保存する。
[3]前記入力部は、予め定めた複数種類の異常を選択肢として表示し、ユーザから異常に関する情報の入力を、前記選択肢の選択操作により受け付ける
ことを特徴とする[2]に記載の画像処理装置。
装置は異常と判断しないがユーザは異常と感じる現象の種類は、ある程度絞りこむことができる。そこで、それらを選択肢として表示してユーザから選択を受けることで、異常に関する情報の入力を受け付ける。これにより、入力操作が容易になり、ユーザの労力が軽減され、異常に関する情報の収集率を高めることができる。
[4]前記制御部は、前記ログ取得釦が操作された際に、さらにユーザから所定の指示を受けた場合は、最新のジョブに係る画像データを、異常関連情報の一部として前記ログ記憶部に記憶させる
ことを特徴とする[1]乃至[3]のいずれか1つに記載の画像処理装置。
上記発明では、ユーザが必要と判断した場合に、異常に係るジョブの画像データを異常関連情報として保存することができる。なお、画像に異常があることを示すコメントの入力や画像異常に関する選択肢の選択があった場合は、画像データを自動で保存するように構成されてもよい。
[5]前記制御部は、前記ログ取得釦が操作された際に、出力物の画像の保存指示をユーザからさらに受けた場合は、読み取り装置によって出力物の画像を光学的に読み取り、該読み取りで得た画像データを前記異常関連情報の一部として前記ログ記憶部に記憶させる
ことを特徴とする[1]乃至[4]のいずれか1つに記載の画像処理装置。
上記発明では、印刷出力した出力物の画像に異常がある場合、その出力物の画像を読み取って、異常関連情報の一部として保存することができる。
[6]前記ログ記憶部は、第1記憶領域と第2記憶領域とを有し、
前記制御部は、前記ログ取得釦を操作したユーザが予め定めた特定ユーザの場合は前記第1記憶領域に異常関連情報を記憶させ、前記ログ取得釦を操作したユーザが前記特定ユーザ以外のユーザの場合は前記第2記憶領域に異常関連情報を記憶させる
ことを特徴とする[1]乃至[5]のいずれか1つに記載の画像処理装置。
上記発明では、異常関連情報は、特定ユーザが保存を指示した場合は第1記憶領域に、一般ユーザが保存を指示した場合は第2記憶領域にそれぞれ記憶される。領域を分けることで、一般ユーザによるむやみな保存によって記憶領域が一杯になって、特定ユーザの保存した異常関連情報が上書き消去されることを防止することができる。
[7]前記制御部は、予め定めた特定ユーザによる前記ログ取得釦の操作に基づいて記憶した異常関連情報が優先的に残るようにして、前記ログ記憶部に新たな異常関連情報を記憶するための空き容量を確保する
ことを特徴とする[1]乃至[5]のいずれか1つに記載の画像処理装置。
上記発明では、領域が不足する場合に、一般ユーザによって保存された異常関連情報が優先的に消去されるので、一般ユーザによるむやみな保存によって記憶領域が一杯になっても特定ユーザの保存した異常関連情報が消去されることが防止される。
[8]前記ログ記憶部に記憶されている異常関連情報を出力する出力部と、
表示部と、
をさらに備え、
前記制御部は、記憶された時点から所定期間経過しても前記出力部から出力されていない異常関連情報が前記ログ記憶部に記憶されている場合は、未出力の異常関連情報が存在する旨のメッセージを前記表示部に表示させる
ことを特徴とする[1]乃至[7]のいずれか1つに記載の画像処理装置。
上記発明では、ログ記憶部に記憶された異常関連情報は出力部から外部の記憶メディアなどに出力可能にされており、長期間、未出力の場合は警告のメッセージが表示される。
本発明に係る画像処理装置によれば、装置は異常と判断しないがユーザが異常と認識した現象を後に解析して対処するための情報を残すことができる。
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る画像処理装置として画像形成装置10の断面構成を示している。画像形成装置10は、原稿画像を読み取るスキャナ機能、原稿を読み取りその複製を記録紙上に形成して出力するコピー機能、遠隔の装置と画像データの送受信を行うファクシミリ機能、パソコン等から入力される印字データに基づいて印刷するプリンタ機能などを有し、一般に、デジタル複合機と称される装置である。
画像形成装置10は、各種のセンサなどによって装置の異常を検出した場合は自動的にその異常に関する情報(たとえば、動作ログ、操作ログ、その時点の設定値など)を収集し、ログ情報として不揮発に記憶する自動ログ保存機能を備えている。さらに画像形成装置10は、ログ取得釦を備えており、該ログ取得釦がユーザによって操作されたとき、その時の異常に関連する情報(異常関連情報)を収集し、ログ情報として不揮発に記憶する手動ログ保存機能を備えている。なお、ログ情報を保存した日時もログ情報の一部として保存される。
画像形成装置10は、自動原稿送り装置11と、読取部20と、プリンタ部30とから構成される。自動原稿送り装置11は、原稿載置トレイ12に積載された原稿3を1枚ずつ読取部20の読取箇所に送り込む機能を果たす。また両面原稿については、片面読取後、表裏を反転して再び読取部20へ送り込む機能を備えている。
読取部20は、自動原稿送り装置11によって送り込まれた原稿3を光学的に読み取って対応する画像データを出力する機能を果たす。読取部20は、光源23とミラー24とから成る露光走査部25と、原稿からの反射光を受光しその光強度に応じた電気信号を出力するラインイメージセンサ26と、原稿からの反射光をラインイメージセンサ26へ導く各種ミラー27や集光レンズ28などを備えている。
プリンタ部30は、読取部20で原稿を読み取って得た画像データあるいはパーソナルコンピュータ等から受信した印刷データをラスタライズしてイメージに展開して得た画像データに応じた画像を電子写真プロセスによって記録紙上に形成し定着させて出力する機能を果たす。プリンタ部30は、電子写真プロセスを用いたレーザープリンタとして構成されている。
プリンタ部30での印刷(画像形成)は次のように行なわれる。感光体33は一定方向(図中の矢印A方向)に回転しており、その表面が帯電装置34によって一様に帯電される。レーザーユニット32は、画像データに応じてオン/オフするレーザー光を帯電後の感光体33の表面に照射して静電潜像を形成する。現像装置35は、感光体33の表面に形成された静電潜像をトナーで顕像化する。
このトナー像は、後述する給紙部40から搬送されてきた記録紙に転写装置36によって転写される。トナー像が転写された記録紙は分離装置37によって感光体33から分離され、その後、定着装置39を通る際にトナー像が加圧・加熱により固着されて機外に排出される。転写後に感光体33の表面に残ったトナーは、クリーニング装置38で除去され回収される。
給紙部40は、印刷に供される記録紙を収納する複数の給紙カセット41を有し、選択された給紙カセット41から記録紙を1枚ずつ搬送部45に向けて送り出す機能を果たす。搬送部45は、給紙カセット41から送り出された記録紙を感光体33と転写装置36との間の転写位置Dを通過させ、その下流の定着装置39を経て機外の排紙トレイに排出する通常経路45aと、定着装置39を通った記録紙の表裏を反転させた後、転写位置Dの上流で再び通常経路45aに合流させる反転経路45bとを備えており、両面印刷に対応している。
図2は、画像形成装置10の電気的概略構成を示すブロック図である。画像形成装置10は、当該画像形成装置10の動作全体を制御する制御部としての機能を果たすCPU(Central Processing Unit)51と、RAM(Random Access Memory)52と、ROM(Read Only Memory)53と、不揮発メモリ54と、表示操作部55と、記憶装置56と、ネットワークI/F57と、外部I/F58と、画像入力部61と、画像処理部62と、プリンタ部30とをシステムバス63に接続して備えている。
ROM53は、CPU51が実行するプログラムや各種の固定データが記憶された読み出し専用メモリである。RAM52は、CPU51がプログラムを実行する際のワークエリアとして使用される揮発性メモリである。不揮発メモリ54は、電源がオフされても記憶内容を保持されるメモリであり、ユーザ情報などが登録される。ユーザ情報には、ユーザを認証して特定する際に使用される認証情報(ユーザ名とパスワードなど)やユーザの属性情報(特定ユーザか、一般ユーザかなど)がある。なお、特定ユーザは、管理者など当該装置の管理に関して権限を有するユーザ等であり、一般ユーザは前記権限のないユーザである。通常、特定ユーザは故障や異常に関する知識が一般ユーザよりも深いユーザである。
表示操作部55は、液晶ディスプレイなどの表示部55aおよび表示部55aの画面上に設けられてユーザの指の押下位置を検出するタッチパネル55b、ハードキー55cなどで構成される。表示操作部55はユーザから各種の操作や設定を受け付ける機能およびユーザに対して各種の操作画面や設定画面、案内画面などを表示する機能を果たす。本実施の形態では、ログ取得釦は表示操作部55に表示される。
記憶装置56は、データを不揮発に記憶するハードディスク装置などで構成される。記憶装置56には異常関連情報が記憶される。異常関連情報の記憶領域として一般ユーザ用の一般ユーザ領域71と、特定ユーザ用の特定ユーザ領域73を予め設けてある。また自動ログ保存機能によるログ情報を保存するための自動ログ領域75も設けられている。
ネットワークI/F57は、LAN(Local Area Network)などのネットワークを通じて外部のコンピュータ装置などと通信する機能を果たす。外部I/F58は、USBメモリ59などの外部記憶メディアを着脱可能に接続して、その接続された外部記憶メディアとの電気的な接続を確保する機能を果たす。
画像入力部61は、処理対象の画像データを入力する機能を果たし、原稿画像を光学的に読み取る前述の読取部20およびプリントコントローラ61aなどで構成される。プリントコントローラ61aは、ネットワークI/F57を通じて外部のコンピュータ装置などから受信した印刷データをラスタライズしてイメージデータ(画像データ)を生成する機能を果たす。
画像処理部62は、画像入力部61から入力される画像データに対して各種の画像処理を施す。画像処理部62は、画像データを圧縮して圧縮データを出力する圧縮部62a、その圧縮データを記憶する圧縮メモリ62b、圧縮データを伸張する伸張部62c、伸張された画像データを記憶する画像メモリ62dのほかシェーディング補正やディザ処理などの画像処理を施す図示省略の回路を備えている。プリンタ部30には、画像メモリ62dから読み出された画像データがプリントタイミングに同期して順次入力される。
たとえば、画像形成装置10で原稿のコピーを行う場合、読取部20で原稿の読み取り動作が行われ、該読み取りに伴って読取部20から出力される画像データは、画像処理部62に入力され、シェーディング補正やディザ処理などを施された後、圧縮部62aで圧縮されて、一旦、圧縮メモリ62bに記憶される。その後、圧縮データは出力時に圧縮メモリ62bから読み出され、伸張部62cで伸張されて画像メモリ62dに記憶され、該画像メモリ62dから順次読み出されてプリンタ部30へ出力される。画像入力部61から画像処理部62を経てプリンタ部30に至る図中の太線矢印は画像データの処理経路を示している。
プリンタ部30は画像処理部62から入力される画像データに応じた画像を記録紙上に形成して印刷出力する。複数部コピーの場合の2部目以降は、該当の圧縮データを圧縮メモリ62bから読み出し、その後は1部目と同じ経路で伸張され、プリンタ部30へ出力されて印刷される。
図3は、ジョブの投入に係る各種設定が行われる基本操作画面80の一例を示している。基本操作画面80や後述の各種の画面はCPU51が表示内容を制御して表示操作部55に表示させている。基本操作画面80の右下部には手動ログ保存の実行指示を受け付けるためのログ取得釦81が表示される。ログ取得釦81は、待機中、ジョブの実行中を問わず、装置のウォームアップ完了後は常時表示される。ユーザによりログ取得釦81が押下されると、CPU51は、その時の異常に関連する情報(異常関連情報)を収集し、これをログ情報として記憶装置56に記憶する動作を行う。
図4は、自動ログ保存機能および手動ログ保存機能に係る画像形成装置10の動作を示している。画像形成装置10は、その使用に先立ってログインを要するように構成されている。ユーザは、まず、図示省略のログイン画面でユーザ名とパスワードを入力する。CPU51は入力されたユーザ名とパスワードに基づいてユーザ認証を行い、認証されたユーザが特定ユーザか一般ユーザかを、不揮発メモリ54に記憶されているユーザ情報に基づいて判断する(ステップS101)。
特定ユーザの場合は特定ユーザ用のログ取得釦81を画面に表示し(ステップS102)、一般ユーザの場合は一般ユーザ用のログ取得釦81を画面に表示する(ステップS103)。たとえば、特定ユーザ用のログ取得釦81は赤色で、一般ユーザ用のログ取得釦81はグレー色で表示する。なお、特定ユーザ用と一般ユーザ用とを区別することなく同一のログ取得釦81を表示する構成でもかまわない。
CPU51は、異常の発生を常に監視しており、異常の発生を検知すると(ステップS104;Yes)、その異常を後に解析し対処するための各種情報(たとえば、動作ログ、操作ログ、その時点の設定値など)を収集し、ログ情報として記憶装置56の自動ログ領域75に記憶させ(ステップS105)、ステップS101に戻る。動作ログや操作ログは、画像形成装置10の電源オンから現時点までのもので十分であり、記憶容量を消費しないようにより最新のものに限定してもかまわない。たとえば、2ジョブ前までの情報を保存するように構成されてもよい。手動ログ保存においても同様である。
異常の発生を検知しない場合は(ステップS104;No)、ログ取得釦81が押下されたか否かを調べ(ステップS106)、押下されなければ(ステップS106;No)、ステップS101に戻って処理を継続する。
ログ取得釦81が押下された場合は(ステップS106;Yes)、ログ取得釦81の押下の起因となった異常を解析し対処するための各種情報(異常関連情報)を収集して保存対象に設定する異常関連情報取得処理を行う(ステップS107)。そして、ログイン中のユーザが特定ユーザの場合は(ステップS108;Yes)、ステップS107で保存対象に設定された異常関連情報を記憶装置56の特定ユーザ領域73に記憶させて(ステップS109)、ステップS101に戻る。
ログイン中のユーザが特定ユーザでない場合は(ステップS108;No)、ステップS107で保存対象に設定された異常関連情報を記憶装置56の一般ユーザ領域71に記憶させて(ステップS110)、ステップS101に戻る。
なお、一般ユーザ領域71で空き容量が不足した場合は、一般ユーザ領域71に保存されている中から古い順にログ情報を削除して必要な空き領域を確保する。同様に、特定ユーザ領域73で空き容量が不足した場合は、特定ユーザ領域73に保存されている中から古い順にログ情報を削除して必要な空き領域を確保する。また、古いログ情報を削除する場合は「一番古いものを削除してログ保存を行います。」といったメッセージを表示する。さらに、この際、古いものの削除に関するユーザの承諾を得るように構成されてもよい。
一般ユーザは、機械操作に習熟してない場合が多く、実際には異常でない現象を異常と判断してログ取得釦81を押下するケースが発生し易い。そこで、ログ情報の記憶領域を一般ユーザ領域71と特定ユーザ領域73に分けておき、上述のように使用することで、一般ユーザによる頻繁な保存指示によって一般ユーザ領域71が一杯になった場合でも特定ユーザ領域73が浸食されることはなく、特定ユーザ領域73に保存されている異常関連情報は保持される。
図5は、図4のステップS107に示す異常関連情報取得処理の詳細を示している。異常関連情報取得処理では、まず、規定の異常関連情報を収集し、これを保存対象の異常関連情報に設定する(ステップS201)。たとえば、ログ取得釦81が押下される前の所定期間における操作ログ、動作ログ、ログ取得釦81が押下された時点での各種設定項目の設定値などを収集し、保存対象の異常関連情報に設定する。
次に、表示操作部55に表示中の画面上に、図6に示すようなコメント入力画面84をポップアップ表示する(ステップS202)。CPU51は、このコメント入力画面84を通じてユーザから今回の異常に関する情報の入力を受け、これを保存対象の異常関連情報の一部に設定する(ステップS203)。
図6のコメント入力画面84には、コメント入力欄85、複数の選択肢釦86、平仮名や英数字などを入力するためのソフトキーボード87、OK釦88などが表示される。ユーザは、ソフトキーボード87を使用して任意の文字列をコメント入力欄85に入力することができる。ここでは、ユーザが感じた異常の内容に関するコメントの入力を求めている。
選択肢釦86は、画像異常、紙異常、後処理異常など、ユーザが異常と感じる可能性のある典型的な異常の種類毎に設けられており、ユーザはいずれかの選択肢釦86を押下することで、ソフトキーボード87によるコメントの入力に代えて、異常内容を入力することができる。また選択肢釦86による異常内容の入力とソフトキーボード87による任意の文字列の入力とを組み合わせることも可能になっている。
選択肢釦86は階層的に構成されてもよい。たとえば、第1階層では「画像異常」、「紙異常」といった大項目に対応する選択肢釦86が表示され、「画像異常」の選択肢釦86を押下すると、「画像異常」の内容をより細かく特定するための選択肢釦86として「色味異常」、「スジ、ゴミ」、「画像違い」などが表示される、というように構成されてもよい。
コメント入力画面84でOK釦88が押下されると、入力内容が確定する。続いて、CPU51は、画像データを保存するか否かをユーザに問い合わせる(ステップS204)。たとえば、図7に示すような第1問い合わせ画面91がコメント入力画面84に代えてポップアップ表示される。はい釦92Aが押下されると(ステップS205;Yes)、CPU51は、今回のログ取得釦81が押下された時点あるいは直前に実行されていた最新のジョブに係る画像データを、保存対象の異常関連情報の一部に設定して(ステップS206)ステップS207へ移行する。
画像異常の場合は、画像データを保存することがその異常の解析に有効なので、ここでは、「画像に異常がある場合は画像データの保存を推奨します」といった案内メッセージ93を第1問い合わせ画面91に表示している。なお、コメント入力画面84にて、「画像異常」の選択肢釦86が押下された場合、あるいは画像異常を示すコメントがソフトキーボード87を通じて入力された場合は、第1問い合わせ画面91を表示することなく、自動的に画像データを保存対象の異常関連情報の一部に設定するように構成されてもよい。
第1問い合わせ画面91において、いいえ釦92Bが押下された場合は(ステップS205;No)、画像データを保存することなくステップS207へ移行する。
ステップS207では、出力物の画像を光学的に読み取って異常関連情報として保存するか否かをユーザに問い合わせる(ステップS208)。たとえば、図8(a)に示すような第2問い合わせ画面95をポップアップ表示する。はい釦96Aが押下されると(ステップS208;Yes)、CPU51は、図8(b)に示す読み取り開始画面98をポップアップ表示し、ユーザに対して、読み取り対象の出力物を読取部20にセットした後に読み取り開始釦99Aを押下するように促す。
読み取り対象の出力物が読取部20にセットされた状態で読み取り開始画面98の読み取り開始釦99Aが押下されると、CPU51は、その出力物の画像を読取部20で光学的に読み取って画像データを取得し、該画像データを、保存対象の異常関連情報の一部に設定して(ステップS209)、本処理を終了する(リターン)。
第2問い合わせ画面95において、いいえ釦96Bが押下された場合、および読み取り開始画面98でキャンセル釦99bが押下された場合は、本処理を終了する(リターン)。
このように、ログ取得釦81が押下された場合には、規定の異常関連情報のほか、ユーザから異常の内容に関するコメントの入力や異常内容の選択を受け、これを異常関連情報として保存するので、装置の自動検出機能では異常と判断しないがユーザには異常と認識された現象の内容をログ情報として残すことができ、ユーザがどのような現象を異常と感じてログ取得釦81を押下したかをサービスマン等が後に確認して、その現象への対応を的確にとることが可能になる。
たとえば、排紙トレイに排出された記録紙が不揃いに積載されることをユーザが異常と感じてログ取得釦81を押下した場合に、その旨のコメントが異常関連情報(ログ情報)として残されていれば、サービスマン等はユーザの感じた異常が記録紙の排紙状態であることを認識して排紙位置に関する調整を行うことができる。これにより、ユーザの感じた異常を迅速に解決することができる。
また、ジョブの画像データや出力物を読み取って得た画像データを異常関連情報として保存できるので、サービスマン等は、装置では検出されなかった画像異常の内容を、保存されている画像データを解析することで確認してその異常に対処することができる。
なお、画像形成装置10では、外部I/F58にUSBメモリ59を装着した状態で所定のサービスマン用の操作画面などから「故障情報の転送」の操作を受けると、CPU51は記憶装置56の一般ユーザ領域71、特定ユーザ領域73、自動ログ領域75に記憶されているログ情報(異常関連情報)をUSBメモリ59に転送し、転送済みとなったログ情報(異常関連情報)を記憶装置56から消去するように動作する。なお、画像データをUSBメモリ59へ転送しないように選択することも可能になっている。
また、CPU51は、1日あるいは数日などの所定の周期で記憶装置56の記憶内容をチェックし、保存時から所定期間を経過したログ情報(異常関連情報)が記憶装置56に記憶されている場合は、すなわち、保存されてから所定期間を経過してもUSBメモリ59などへ転送(出力)されていないログ情報(異常関連情報)が存在する場合は、長期保存されているログ情報(異常関連情報)がある旨の警告メッセージを表示部55aに表示させる。
これにより、USBメモリ59への転送が促され、記憶装置56にログ情報(異常関連情報)が残ったままになることが防止される。
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成はこれら実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
実施の形態では、ログ取得釦81を表示操作部55の画面上に表示して設けたが、ハードスイッチとして操作部に設けられてもかまわない。
また、特定ユーザか否かの識別は、たとえば、ログ取得釦81が操作された時点でパスワードの入力画面を表示し、正しいパスワードが入力された場合は特定ユーザであると判断し、誤ったパスワードが入力された場合もしくはパスワードが無入力の場合は特定ユーザでないと判断するように構成されてもよい。
実施の形態では、一般ユーザ領域71と特定ユーザ領域73に分けて異常関連情報を記憶したが、異常関連情報を保存するための領域は1つであってもかまわない。この場合、特定ユーザによるログ取得釦81の操作に基づいて記憶した異常関連情報が優先的に残るようにして、新たな異常関連情報を記憶するための空き容量を確保するようにすればよい。詳細には、特定ユーザによるログ取得釦81の操作によって異常関連情報を保存する際に、空き容量が不足する場合は、一般ユーザによるログ取得釦81の操作に応じて保存されている異常関連情報を古いものから順に消去して必要な空き領域を確保すればよい。なお、この場合、ログ情報の一部として、当該ログ情報の保存時にログ取得釦81を操作したユーザが特定ユーザであるか一般ユーザであるかを示す情報が記憶される。
出力物の読み取りに使用する読み取り装置は読取部20に限定されず、たとえば外部I/F58を介して接続されるスキャナ装置であってもかまわない。
異常関連情報は、ユーザが異常と感じた現象の内容を後に解析する際に役立ち得る情報であればその種類や内容は任意でよく、実施の形態に例示したものに限定されない。
異常関連情報の保存先はハードディスク装置などの記憶装置56に限定されるものではなく、他の種類の記憶装置や記憶媒体であってもかまわないが、不揮発に記憶可能なものがより好ましい。なお、異常関連情報の保存先は、ユーザが持ち出したり着脱したりできない内蔵固定型の記憶装置や記憶媒体が好ましい。
異常関連情報の一部として画像データ(または圧縮データ)を保存する場合、その画像データのサイズが規定サイズを超える場合は、サムネイル画像などの縮小画像にして保存してもよいし、トリミング指定可能に構成されてもよい。
また、記憶装置56からの転送は、USBメモリ59への転送に限定されるものではなく、たとえば、ネットワーク通信を介して外部のサーバなどに転送する構成でもかまわない。
実施の形態では、デジタル複合機を例に説明したが、本発明は他の種類の装置に適用してもよい。
本発明の実施の形態に係る画像形成装置の断面構成を示す説明図である。 本発明の実施の形態に係る画像形成装置の電気的概略構成を示すブロック図である。 画像形成装置が表示する基本操作画面の一例を示す説明図である。 自動ログ保存機能および手動ログ保存機能に係る画像形成装置の動作を示す流れ図である。 図4のステップS107に示す異常関連情報取得処理の詳細を示す流れ図である。 コメント入力画面の一例を示す説明図である。 第1問い合わせ画面の一例を示す説明図である。 第2問い合わせ画面および読み取り開始画面の一例を示す説明図である。
符号の説明
3…原稿
10…画像形成装置
11…自動原稿送り装置
12…原稿載置トレイ
20…読取部
23…光源
24…ミラー
25…露光走査部
26…ラインイメージセンサ
27…ミラー
28…集光レンズ
30…プリンタ部
32…レーザーユニット
33…感光体
34…帯電装置
35…現像装置
36…転写装置
37…分離装置
38…クリーニング装置
39…定着装置
40…給紙部
41…給紙カセット
45…搬送部
45a…通常経路
45b…反転経路
51…CPU
52…RAM
53…ROM
54…不揮発メモリ
55…表示操作部
55a…表示部
55b…タッチパネル
55c…ハードキー
56…記憶装置
57…ネットワークI/F
58…外部I/F
59…USBメモリ
61…画像入力部
61a…プリントコントローラ
62…画像処理部
62a…圧縮部
62b…圧縮メモリ
62c…伸張部
62d…画像メモリ
63…システムバス
71…一般ユーザ領域
73…特定ユーザ領域
75…自動ログ領域
80…基本操作画面
81…ログ取得釦
84…コメント入力画面
85…コメント入力欄
86…選択肢釦
87…ソフトキーボード
88…OK釦
91…第1問い合わせ画面
92A…はい釦
92B…いいえ釦
93…案内メッセージ
95…第2問い合わせ画面
96A…はい釦
96B…いいえ釦
98…読み取り開始画面
99A…読み取り開始釦
99b…キャンセル釦
D…転写位置

Claims (8)

  1. 画像処理を行う処理部と、
    異常関連情報を記憶するためのログ記憶部と、
    前記ログ記憶部に新たな異常関連情報を記憶させる動作の実行指示を受けるログ取得釦と、
    前記ログ取得釦の操作を受けたとき、新たな異常関連情報を前記ログ記憶部に記憶させる制御部と
    を有する
    ことを特徴とする画像処理装置。
  2. ユーザから異常に関する情報の入力を受け付ける入力部を備え、
    前記制御部は、前記ログ取得釦が操作された場合に前記入力部を通じてユーザから異常に関する情報の入力を受け付け、入力された情報を前記異常関連情報の一部として前記ログ記憶部に記憶させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記入力部は、予め定めた複数種類の異常を選択肢として表示し、ユーザから異常に関する情報の入力を、前記選択肢の選択操作により受け付ける
    ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記制御部は、前記ログ取得釦が操作された際に、さらにユーザから所定の指示を受けた場合は、最新のジョブに係る画像データを、異常関連情報の一部として前記ログ記憶部に記憶させる
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の画像処理装置。
  5. 前記制御部は、前記ログ取得釦が操作された際に、出力物の画像の保存指示をユーザからさらに受けた場合は、読み取り装置によって出力物の画像を光学的に読み取り、該読み取りで得た画像データを前記異常関連情報の一部として前記ログ記憶部に記憶させる
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の画像処理装置。
  6. 前記ログ記憶部は、第1記憶領域と第2記憶領域とを有し、
    前記制御部は、前記ログ取得釦を操作したユーザが予め定めた特定ユーザの場合は前記第1記憶領域に異常関連情報を記憶させ、前記ログ取得釦を操作したユーザが前記特定ユーザ以外のユーザの場合は前記第2記憶領域に異常関連情報を記憶させる
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載の画像処理装置。
  7. 前記制御部は、予め定めた特定ユーザによる前記ログ取得釦の操作に基づいて記憶した異常関連情報が優先的に残るようにして、前記ログ記憶部に新たな異常関連情報を記憶するための空き容量を確保する
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載の画像処理装置。
  8. 前記ログ記憶部に記憶されている異常関連情報を出力する出力部と、
    表示部と、
    をさらに備え、
    前記制御部は、記憶された時点から所定期間経過しても前記出力部から出力されていない異常関連情報が前記ログ記憶部に記憶されている場合は、未出力の異常関連情報が存在する旨のメッセージを前記表示部に表示させる
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1つに記載の画像処理装置。
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