以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る印刷システム5のシステム構成例を示している。印刷システム5は、任意台数の端末10と、各端末10からアクセスされる任意台数の複合機(MFP;Multi Function Peripheral/Multi Function Printer)20とをLAN(Local Area Network)などのネットワーク2に接続して構成される。
複合機20は、原稿のコピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能などを備えた装置(印刷装置)である。またプリンタ機能には、ユーザが端末10によって親展印刷を指定した場合に、複合機20でユーザを認証してからその認証ユーザに係る印刷を実行する親展印刷機能(認証印刷機能)が含まれている。
複合機20には、サイズや紙種の異なる複数種類の記録紙を種類毎に積載して複合機20内のプリンタ部に供給する複数の給紙トレイ35が設けられている。さらに、コピーや印刷などでプリンタ部により記録紙に印刷されて出力された印刷物が排出される排出部としての排紙トレイ36が設けられている。
端末10は、複合機20に対してネットワーク2を通じてアクセスし、印刷ジョブなど各種作業の依頼や操作の依頼などを行う装置(依頼装置)であり、たとえば、パーソナルコンピュータ(Personal Computer;PC)に複合機20のドライバプログラムなどを組み込んで構成される。
図2は、端末10の概略構成を示している。端末10は、オペレーティングシステム(Operating System;OS)とそのOS上で動作する各種のアプリケーションプログラムを搭載しており、アプリケーションプログラムによって文書や画像などを作成する機能、文書や画像などの印刷を行う際に、ドライバプログラムによって依頼先の複合機20の指定や親展印刷の指定/非指定(非指定の場合は通常印刷に指定される)などを行い、印刷ジョブを発行してネットワーク2を介し複合機20に送信する機能、印刷依頼に関する依頼情報(メッセージ)を表示してユーザに報知する機能などを備えている。
この端末10は、制御部としてのCPU(Central Processing Unit)11に、バス12を介してROM(Read Only Memory)13と、RAM(Random Access Memory)14と、ハードディスク装置15(図中、HDD;Hard Disk Driveと表示)と、表示部16と、操作部17と、ネットワーク通信部18とを接続して構成される。
CPU11は、ROM13に格納されているプログラムに基づいて端末10の動作を制御する。RAM14はCPU11がプログラムを実行する際に各種データを一時的に格納するワークメモリなどとして使用される。ハードディスク装置15は、OS、アプリケーションプログラム、複合機20のドライバプログラム、各種の保存データなどを格納するほか、印刷依頼に関する依頼情報を表示するユーティリティプログラム40を格納している。
表示部16は液晶ディスプレイなどの表示装置で構成されており、OS、アプリケーションプログラム、ドライバプログラムの操作や設定などを行うための画面、および画像や映像などを表示する。操作部17はキーボードやマウスなどの入力装置で構成されており、ユーザが端末10に対して行う操作や入力を受け付ける。ネットワーク通信部18は、ネットワーク2を通じて複合機20などの外部装置と通信する機能を果たす。
CPU11はプログラムを実行することで、ユーザによる操作部17の操作で指示された印刷を複合機20に依頼したり、印刷依頼に関する依頼情報を表示部16に表示させたり、印刷依頼に係る印刷物の取得通知を印刷装置から受信するまで依頼情報を表示部16に継続表示させる制御部としての機能を果たす。
複合機20に対する印刷の依頼は、端末10が印刷ジョブを発行して複合機20に送信することにより行う。この印刷ジョブは、ジョブを作成した(印刷を指示した)ユーザに関する情報(ユーザ情報)、ジョブを発行した端末10に関する情報(端末情報)、ジョブの内容に関する情報(ジョブ内容情報)、端末10側でジョブを管理するためのジョブ管理情報などを含んでいる。
ユーザ情報は、ユーザ名やユーザのログインID(Identification)などの情報である。端末情報は、端末名やネットワーク2上における端末のIP(Internet Protocol)アドレスなどの情報である。ジョブ内容情報は、印刷するドキュメント(ファイル)の名称、ジョブのサイズ、ジョブのページ数、記録紙のサイズ(A4/A3など)、印刷の向き(縦方向/横方向)、レイアウト(2in1/4in1など)、印刷モード(片面/両面)、カラーモード(白黒/カラー)、解像度、印刷部数、親展印刷の指定/非指定などの情報である。ジョブ管理情報は、所定の規則で割り当てられた発行番号やジョブの発行日時(送信日時)によって示されるタイムスタンプなどの一意の情報(ID)である。また、ジョブ管理情報は端末10内に保存される。
図3は、複合機20の概略構成を示している。複合機20は、制御部としてのCPU21に、バス22を介してROM23と、RAM24と、不揮発メモリ25と、ハードディスク装置26(図中、HDDと表示)と、操作表示部27と、ファクシミリ通信部28と、ネットワーク通信部29と、画像処理部30と、スキャナ部31と、プリンタ部32(印刷部)と、認証部33と、時計部34とを接続して構成される。
CPU21は、ROM23に格納されているプログラムに基づいて複合機20の動作を制御する。RAM24はCPU21がプログラムを実行する際に各種データを一時的に格納するワークメモリとして使用されるほか、画像データを一時的に保存するための画像メモリなどにも使用される。不揮発メモリ25は、電源がオフされても記憶が保持されるメモリであり、後述するジョブ情報テーブル50(図4参照)やユーザの認証情報などが記憶される。ハードディスク装置26は、複合機20を動作させるOSや複合機20の各種機能を動作させるアプリケーションプログラム、各種の保存データなどを格納するほか、原稿のコピーや端末10などの外部装置から依頼された印刷における画像データなども保存する。
操作表示部27は、ユーザに各種の操作画面や案内画面を表示する表示部としての機能と、ユーザが複合機20に対して行う操作や入力を受け付ける操作部としての機能とを果たす。操作表示部27で行う操作には、ユーザが端末10から複合機20に印刷を依頼した後に、複合機20の排紙トレイ36に排出された印刷物をユーザが排紙トレイ36から取り出して取得する際に行う所定の操作(取得確認操作)が含まれる。この操作表示部27は、ユーザから所定の操作を受けた場合に印刷物の取得(ユーザによる排紙トレイ36からの取り出し)を認識する認識部としての機能も果たす。ここでは、操作表示部27は液晶ディスプレイとその画面上に設けられたタッチパネルと、各種のスイッチ類とで構成される。
ファクシミリ通信部28は、ファクシミリ機能を備えた外部装置と公衆回線を通じて通信する機能を果たす。ネットワーク通信部29は、端末10などの外部装置とネットワーク2を通じて通信する機能を果たす。
スキャナ部31は、原稿を光学的に読み取って画像データを取得する機能を果たす。スキャナ部31は、たとえば、原稿に光を照射する光源と、原稿からの反射光を受光して原稿を幅方向に1ライン分読み取るイメージセンサと、イメージセンサによるライン単位の読み取り位置を原稿の長さ方向に移動させるスキャン機構と、原稿からの反射光をイメージセンサに導いて結像させるレンズやミラーからなる光学経路などで構成される。画像処理部30は画像データに対して、画像補正、回転、拡大/縮小、圧縮/伸張など各種の画像処理を施す機能を果たす。
プリンタ部32は、入力された画像データに対応する画像を記録紙に印刷して出力する機能を果たす。たとえば、記録紙の搬送装置と、感光体ドラムと、帯電装置と、レーザーユニットと、現像装置と、転写分離装置と、クリーニング装置と、定着装置などを備え、電子写真プロセスによって記録紙上に画像を形成するレーザープリンタなどとして構成される。複合機20の給紙トレイ35に積載されている記録紙は、このプリンタ部32に供給されて画像が印刷され、印刷物となってプリンタ部32から出力され排紙トレイ36に排出される。
認証部33は、認証用のデータを取得して予め登録されている認証情報に基づいてユーザを認証する機能を果たす。このユーザ認証には、たとえば、IC(Integrated Circuit)カードやIDカードなどに記憶されている認証用のデータを読み取って予め登録されている認証情報と照合し本人認証を行うカード認証技術や、指紋や指静脈などの生体情報を認証用のデータとして読み取って予め登録されている認証情報と照合し本人認証を行う生体認証技術などの汎用の各種の認証技術が単独もしくは組み合わせて用いられる。時計部34は、時刻を刻む。
CPU21はプログラムを実行することで、印刷の依頼元の端末10から受信した印刷ジョブの情報を不揮発メモリ25に保存したり、印刷ジョブを実行してプリンタ部32に印刷を行わせたり、操作表示部27により所定の操作(取得確認操作)が行われると印刷物の取得(ユーザによる排紙トレイ36からの取り出し)を認識して印刷の依頼元の端末10に完了通知を送信したりする制御部としての機能を果たす。
またCPU21は、親展印刷に指定されていない印刷ジョブに対しては、端末10から受信した印刷ジョブを受信順に実行する。親展印刷に指定された印刷ジョブに対しては、ユーザを認証してからその認証ユーザに係る印刷ジョブを実行する。詳細には、CPU21は親展印刷に指定された印刷ジョブを端末10から受信すると一旦保存し、その後、認証部33によるユーザの認証が行われるとその認証ユーザに係る印刷ジョブを操作表示部27に表示させる。この操作表示部27に表示させた印刷ジョブの選択操作を受けて、CPU21はジョブの実行を開始する。
図4は、複合機20の不揮発メモリ25に記憶されたジョブ情報テーブル50の構成例を示している。ジョブ情報テーブル50は、端末10から受信した印刷ジョブの情報を登録するものである。ジョブ情報テーブル50に登録された情報は、印刷物の取り出し状況(取得状況)を含む印刷ジョブの履歴を表示するために使用される。
ジョブ情報テーブル50には、複合機20側でジョブを管理するための管理番号情報と、端末10から受信した印刷ジョブに含まれているユーザ情報、端末情報、ジョブ内容情報、端末10側のジョブ管理情報(端末側管理)と、ジョブの受付時刻情報と、ジョブ実行情報と、ジョブ実行の開始時刻情報と、ジョブ実行の終了時刻情報と、印刷物取出情報とが対応付けられて登録される。
管理番号情報は、CPU21がジョブの受付順に自動的に割り当てた連番号を示す情報である。連番号は、たとえば1001から始まる4桁の連番号などである。ユーザ情報、端末情報、ジョブ内容情報、端末10側のジョブ管理情報は、前述した各種情報である。すなわち、ユーザ情報はユーザ名やユーザのログインIDなど、端末情報は端末名や端末のIPアドレスなど、ジョブ内容情報は印刷するドキュメントの名称、ジョブのサイズやページ数など、端末10側のジョブ管理情報は端末10が作成した所定の発行番号やジョブの発行日時(送信日時)によって示されるタイムスタンプなどの情報である。
受付時刻情報は、ジョブの受付時にCPU21が時計部34から取得した時刻情報である。ジョブ実行情報は、ジョブの実行状況を示す情報である。実行状況には、「実行待ち」と「実行完了」とがあり、これらの実行状況はフラグによって示される。ここでは、フラグ0(図中のflg_0)は実行待ちを示し、フラグ1(図中のflg_1)は実行完了を示す。この実行状況を示すフラグは、初期値が0に設定される。なお、図4に示した例では、ジョブの実行状況を示すフラグが全て1となっているが、たとえば親展印刷に指定された印刷ジョブが実行待ちとなっている場合などにこのフラグは0となる。
開始時刻情報は、ジョブの実行開始時にCPU21が時計部34から取得した時刻情報である。終了時刻情報は、ジョブの実行終了時にCPU21が時計部34から取得した時刻情報である。印刷物取出情報は、印刷物の取り出し状況を示す情報である。取り出し状況には、「未取り出し」と「取り出し済み」とがあり、これらの取り出し状況はフラグによって示される。ここでは、フラグ0(図中のflg_0)は未取り出しを示し、フラグ1(図中のflg_1)は取り出し済みを示す。この取り出し状況を示すフラグは、初期値が0に設定される。
次に、印刷システム5における端末10から複合機20への印刷依頼時に、端末10および複合機20に各々表示される情報について説明する。
図5は、ネットワーク2上の1台の端末10(図1のPC3)から2台の複合機20(図1のMFP1およびMFP2)に印刷を依頼したときに、端末10のユーティリティプログラム40によって表示部16に表示された依頼情報の例を示している。
ユーザが端末10を操作してドキュメントを印刷したい複合機20を指定し印刷を指示すると、ユーティリティプログラム40は、指示を受けた印刷に関する依頼情報を含むメッセージウィンドウ60を表示部16の画面上に表示させる。このメッセージウィンドウ60は、表示部16の画面上における所定の位置、たとえば画面の右上隅部などの端寄りに表示される。
メッセージウィンドウ60には依頼情報として、依頼先の複合機20の名称(機種名)およびIPアドレスと、印刷を依頼したドキュメントの名称(ドキュメント名)とを含むメッセージが表示される。このメッセージは、印刷ジョブの送信毎に個別に表示される。すなわち、ジョブ単位で表示される。メッセージに含まれている複合機20の名称やIPアドレスは、そのメッセージが示す複合機20(印刷の依頼先の複合機20)を識別するための識別情報となる。メッセージに含まれているドキュメント名は、そのメッセージが示す印刷依頼(印刷ジョブ)を識別するための識別情報となる。
ユーザにより複数の印刷が指示された場合には、ユーティリティプログラム40は各印刷に対応する各メッセージをメッセージウィンドウ60に表示させる。メッセージウィンドウ60に複数のメッセージが表示される場合は、各メッセージは図示のように上から下へ指示順(指示時刻の古い順)に並べられて表示される。
たとえば、ユーザがPC3を操作して、IPアドレスが[10.201.XX.XXX]に設定されている[MFP1]を指定して[e.pdf]ドキュメントの印刷を指示し、次にIPアドレスが[10.201.XX.YYY]に設定されている[MFP2]を指定して[t.ppt]ドキュメントの印刷を指示し、次に[MFP1]を指定して[b.xls]ドキュメントの印刷を指示した場合は、PC3の表示部16には図5(A)に示すようなメッセージウィンドウ60が表示される。この場合のメッセージウィンドウ60には、「MFP1(10.201.XX.XXX)にe.pdfの印刷を依頼しました。」というメッセージ61と、「MFP2(10.201.XX.YYY)にt.pptの印刷を依頼しました。」というメッセージ62と、「MFP1(10.201.XX.XXX)にb.xlsの印刷を依頼しました。」というメッセージ63とが指示順(依頼順)に上から下へ並べられて表示される。また、ユーザが更に印刷を指示すると、その指示で新たに複合機20に依頼された印刷に対応するメッセージがメッセージ63の下に並べられて表示される。なお、図5(A)は、ユーザがPC3にてb.xlsドキュメントを開き印刷を指示した直後の画面を示している。
上記のメッセージは、メッセージに対応する印刷物が複合機20から取り出されるまで表示され続ける。詳細には、メッセージに示される複合機20にて、依頼された印刷に係る印刷物の取得確認操作が操作表示部27で行われ、印刷物の取得通知を端末10が複合機20から受信するまで表示され続ける。
たとえば、ユーザがb.xlsドキュメントの印刷物をMFP1から取り出して取得するのに伴いMFP1の操作表示部27で取得確認操作を行うと、MFP1はb.xlsドキュメントの印刷物の取得通知を印刷の依頼元のPC3に送信する。PC3ではMFP1から取得通知を受信すると、ユーティリティプログラム40が図5(B)に示すようにメッセージウィンドウ60における該当メッセージ(メッセージ63)の表示を消去する。
同様に、e.pdfドキュメントの印刷物がMFP1から取り出されるのに伴い取得確認操作が行われると、e.pdfドキュメントの印刷物の取得通知がMFP1からPC3に送信され、PC3ではユーティリティプログラム40によってメッセージウィンドウ60における該当メッセージ(メッセージ61)の表示が消去される。t.pptドキュメントの印刷物がMFP2から取り出されるのに伴い取得確認操作が行われると、t.pptドキュメントの印刷物の取得通知がMFP2からPC3に送信され、PC3ではユーティリティプログラム40によってメッセージウィンドウ60における該当メッセージ(メッセージ62)の表示が消去される。またユーティリティプログラム40は、全てのメッセージ(最後のメッセージ)を消去する場合はメッセージウィンドウ60も消去する。
図6および図7は、複合機20の操作表示部27に表示される印刷ジョブの確認画面の遷移例を示している。詳細には、図6は複合機20がユーザ認証の行われていない状態で使用されている場合の例であり、図7は複合機20がユーザ認証の行われた状態で使用されている場合の例である。以下では、ユーザ認証が行われていない場合のモードを「非認証モード」と呼び、ユーザ認証が行われた場合のモードを「認証モード」と呼ぶ。
図6(A)および図7(A)は、複合機20の操作表示部27に表示されたコピーモードの画面を示している。コピーモードの画面上には、印刷ジョブの履歴の表示を押下操作(タッチ)によって受け付けるジョブ確認ボタン70が設けられている。
非認証モードにてジョブ確認ボタン70が押下されると、CPU21は、操作表示部27の画面を図6(B)に示すような印刷ジョブの履歴リスト画面に切り替える。非認証モードでは、複合機20の受信した印刷ジョブの情報が管理番号順(受付順)に上から下へ並べられて表示される。この印刷ジョブの情報は、複合機20による印刷ジョブの受信毎に個別に表示される。すなわち、ジョブ単位で表示される。
履歴リスト画面における印刷ジョブの表示可能数は、予め決められている。表示可能数を超える分の印刷ジョブは、図示しない表示切り替えボタンを押下操作するなどにより表示される。この場合も、管理番号順に表示可能数分ずつ表示される。
履歴リスト画面に表示される印刷ジョブの情報は、ジョブの管理番号(図中の「No.」)、ユーザ名やユーザのログインIDなどのユーザ情報(図中の「登録元」)、印刷するドキュメントの名称(図中の「ドキュメント名」)、印刷物の取り出し状況(図中の「取り出し」)である。CPU21は、不揮発メモリ25に記憶されているジョブ情報テーブル50(図4参照)から表示対象となる印刷ジョブの管理番号情報、ユーザ情報、ジョブ内容情報に含まれるドキュメントの名称、印刷物取出情報を取得し、各情報をジョブ単位で履歴リスト画面に表示させる。なお、図6(B)は、図4に示したジョブ情報テーブル50に登録されている情報を使用して、管理番号の古い5つの印刷ジョブ(No.1001〜No.1005の印刷ジョブ)の情報が表示された履歴リスト画面を示している。
本例の場合は、No.1001の印刷ジョブと、No.1003の印刷ジョブと、No.1004の印刷ジョブとは、ジョブが実行済みで(フラグ1)、かつ印刷物が取り出し済みであり(フラグ1)、履歴リスト画面における取り出し状況が「済み」と表示される。No.1002の印刷ジョブと、No.1005の印刷ジョブとは、ジョブは実行済みであるが(フラグ1)、印刷物が未取り出しであり(フラグ0)、履歴リスト画面における取り出し状況が「未」と表示される。以下では、この印刷物が未取り出しの印刷ジョブを「未取出印刷ジョブ」と呼ぶ。
未取出印刷ジョブは、履歴リスト画面上での表示領域における任意の箇所が押下操作(タッチ)されることにより選択されるようになっている。前述した取得確認操作は、この履歴リスト画面に表示された未取出印刷ジョブの表示領域の押下操作である。
たとえば、親展印刷に指定されていない印刷ジョブに対しては、複合機20は端末10から印刷ジョブを受信すると、その印刷ジョブを受信順に実行して印刷物を出力する。その後、履歴リスト画面に表示された未取出印刷ジョブの表示領域の選択を受けてその未取出印刷ジョブの取り出し状況を未取り出しから取り出し済みに更新する。
本例の場合は、複合機20(MFP1)は端末10(PC3)から上述したNo.1002の印刷ジョブを受信すると、その印刷ジョブを実行して印刷物を出力する。ジョブの実行が完了すると、CPU21はジョブ情報テーブル50におけるNo.1002のジョブ実行情報のフラグを0から1に更新する。
その後、図6(B)に示す履歴リスト画面にてユーザが未取出印刷ジョブであるNo.1002の印刷ジョブの表示領域71を押下すると、操作表示部27はNo.1002の印刷ジョブが選択されたことを示す選択情報をCPU21に送信する。CPU21は、ジョブ情報テーブル50において、操作表示部27から受信した選択情報が示すNo.1002の印刷物取出情報のフラグを0から1に更新し、図6(C)に示すように、履歴リスト画面に表示しているNo.1002の印刷ジョブにおける取り出し状況を「済み」に変更する。そしてCPU21は、No.1002の印刷ジョブに係る印刷物の取得通知を印刷ジョブの送信元の端末10(PC3)に送信する。この取得通知には、端末10側のジョブ管理情報と、印刷物の取り出し済み(取得済み)を示す印刷物取出情報とが含まれる。
一方、認証モードの場合は、コピーモードの画面上に設けられたジョブ確認ボタン70が押下されると、操作表示部27の画面は図7(B)に示すような印刷ジョブの履歴リスト画面に切り替えられる。認証モードでは、CPU21は、ジョブ情報テーブル50に登録されているユーザ情報に基づいて認証ユーザの印刷ジョブを抽出し、認証ユーザの印刷ジョブの情報のみを管理番号順(受付順)に上から下へ並べてジョブ単位で表示させる。
たとえば、[09876]のユーザがユーザ認証を行って複合機20(MFP1)にログインしている場合は、ジョブ確認ボタン70が押下されると、CPU21は、図4に示したジョブ情報テーブル50に登録されている[09876]のユーザの印刷ジョブ、すなわち、No.1002、No.1005、No.1007、No.1011の印刷ジョブを抽出して、図7(B)に示すように、それらのジョブの情報を管理番号順に上から下へ並べて履歴リスト画面に表示させる。
このように、認証モードでは履歴リスト画面に認証ユーザの印刷ジョブのみが表示されるため、自分(認証ユーザ本人)の印刷ジョブや所望の印刷ジョブが探し易くなる。
認証モードにおける履歴リスト画面で未取出印刷ジョブが押下・選択されると、CPU21は非認証モードにおける未取出印刷ジョブの押下・選択と同様に動作する。本例の場合は、未取出印刷ジョブであるNo.1002の印刷ジョブの表示領域71が押下・選択されると、CPU21は、No.1002の印刷ジョブが選択されたことを示す選択情報を操作表示部27から受信して、ジョブ情報テーブル50におけるNo.1002の印刷物取出情報のフラグを0から1に更新し、図7(C)に示すように、履歴リスト画面に表示しているNo.1002の印刷ジョブにおける取り出し状況を「済み」に変更する。そしてCPU21は、No.1002の印刷ジョブに係る印刷物の取得通知を印刷ジョブの送信元の端末10(PC3)に送信する。
また、親展印刷に指定された印刷ジョブに対しては、CPU21は端末10から受信した印刷ジョブを一旦保存し、履歴リスト画面に表示した未取出印刷ジョブの押下・選択を受けてその未取出印刷ジョブの実行を開始し、ジョブの実行後にその未取出印刷ジョブの取り出し状況を「未」から「済み」に変更する。たとえば、複合機20(MFP1)にログインしている[09876]のユーザが図7(B)に示す履歴リスト画面にて、未取出印刷ジョブであるNo.1002の印刷ジョブの表示領域71を押下すると、操作表示部27はNo.1002の印刷ジョブが選択されたことを示す選択情報をCPU21に送信する。CPU21は、操作表示部27から選択情報を受信すると、その選択情報が示すNo.1002の印刷ジョブの実行を開始する。
ジョブの実行が完了すると、CPU21はジョブ情報テーブル50におけるNo.1002の印刷ジョブのジョブ実行情報のフラグを0(実行待ち)から1(実行完了)に更新し、印刷物取出情報のフラグを0(未取り出し)から1(取り出し済み)に更新する。さらにCPU21は、図7(C)に示すように、履歴リスト画面に表示しているNo.1002の印刷ジョブにおける取り出し状況を「済み」に変更し、取得通知を印刷ジョブの送信元の端末10(PC3)に送信する。
次に、印刷システム5の動作について説明する。
図8は、印刷システム5の印刷動作におけるシステム全体の処理の流れを示している。詳細には、端末10が複合機20に印刷を依頼するときの処理の流れと、複合機20が端末10から依頼された印刷を実行するときの処理の流れとを示している。ここでは、複合機20が行う処理については、通常印刷の場合と親展印刷の場合とに分けて説明する。
端末10では、CPU11は印刷依頼に関する依頼情報(印刷ジョブに関するメッセージ)を表示するユーティリティプログラム40を起動する(ステップS101)。その後本処理においては、CPU11はユーティリティプログラム40に従い動作する。
CPU11は、ユーザによる操作部17を通した操作で印刷の指示を受けると(ステップS102)、指示を受けた印刷に関するメッセージ(依頼情報)を表示部16に表示する(ステップS103)。メッセージの表示は、図5(A)に示したように、端末10における表示部16の画面上にメッセージウィンドウ60を表示し、そのメッセージウィンドウ60内に、依頼先の複合機20の名称やIPアドレス、印刷を依頼したドキュメントの名称を含むメッセージをジョブ単位で表示することにより行う。さらにCPU11は、指定された複合機20に印刷ジョブを送信する(ステップS104)。
端末10を操作するユーザは、表示部16に表示されたメッセージウィンドウ60のメッセージを見て、自分の指示した印刷が複合機20に依頼されたことを確認できる。その後、ユーザは指示した印刷に係る印刷物を取得するために、任意のタイミングで印刷を指定した複合機20へと移動する。
複合機20では、端末10から印刷ジョブを受信すると(ステップS111/S121)、CPU21は印刷ジョブの情報を不揮発メモリ25のジョブ情報テーブル50(図4参照)に登録して記憶する(ステップS112/S122)。
通常印刷に指定された印刷ジョブについては、CPU21は印刷ジョブを受信順に実行する(ステップS113)。印刷ジョブの実行においては、CPU21は印刷ジョブの内容(ジョブ内容情報)に基づいてプリンタ部32などを動作させ、給紙トレイ35からプリンタ部32に記録紙を供給して印刷を行い、印刷物をプリンタ部32から出力して排紙トレイ36に排出する。印刷ジョブの実行を完了すると、CPU21は、ジョブ情報テーブル50に登録されている該当の印刷ジョブに対し、ジョブ実行情報のフラグを初期値の0(実行待ち)から1(実行完了)に更新する。
複合機20に到着したユーザは、複合機20の操作表示部27を通して印刷ジョブの履歴リストを表示する操作を行う。CPU21は、印刷ジョブの履歴リストを表示させる操作を受けると(ステップS114)、履歴リスト画面を操作表示部27に表示する(ステップS115)。
詳細には、ユーザが複合機20にログインしていない場合は、操作表示部27に表示されているコピーモードの画面でユーザによりジョブ確認ボタン70が押下されると(図6(A)参照)、CPU21は操作表示部27に非認証モードによる履歴リスト画面を表示する(図6(B)参照)。また、ユーザが複合機20にログインしている場合は、操作表示部27に表示されているコピーモードの画面でユーザによりジョブ確認ボタン70が押下されると(図7(A)参照)、CPU21は操作表示部27に認証モードによる履歴リスト画面を表示する(図7(B)参照)。
履歴リスト画面に表示された印刷ジョブのうち、取得確認操作が行われているジョブは取り出し状況が「済み」と表示され、取得確認操作が行われていないジョブは取り出し状況が「未」と表示される。
ユーザは、履歴リスト画面に表示された印刷ジョブの中から所望の印刷ジョブを探し、その印刷ジョブに係る印刷物の取り出し状況を確認することができる。取り出し状況が「未」と表示されている印刷ジョブ(未取出印刷ジョブ)ついては、ユーザはその印刷ジョブの印刷物が複合機20の排紙トレイ36に存在するものと認識する。その後、ユーザはその印刷ジョブの印刷物を複合機20の排紙トレイ36から取り出して取得し、履歴リスト画面において、取得した印刷物に対応する印刷ジョブを選択する。
複合機20では、排紙トレイ36から印刷物が取り出され(ステップS116)、操作表示部27に表示した履歴リスト画面にて、排紙トレイ36から取り出された印刷物に対応する印刷ジョブの選択操作を受けると(ステップS117)、CPU21は、選択された印刷ジョブの取出状況ステータスを更新する(ステップS118)。
取出状況ステータスの更新は、前述したように、ジョブ情報テーブル50に登録されている該当の印刷ジョブに対して印刷物取出情報のフラグを初期値の0(未取り出し)から1(取り出し済み)に更新し、履歴リスト画面に表示している該当の印刷ジョブの取り出し状況を「未」から「済み」に変更することにより行う。さらにCPU21は、この印刷ジョブの印刷物の取得通知を印刷ジョブの送信元の端末10に送信する。
一方、親展印刷に指定された印刷ジョブについては、CPU21は受信した印刷ジョブを一旦保存する。その後、複合機20に到着したユーザは、親展印刷を指定した印刷に係る印刷物を出力するために、ユーザ認証を行って複合機20にログインし、印刷ジョブの履歴リストを表示する操作を行う。
複合機20では、認証部33によりユーザ認証を行い(ステップS123)、操作表示部27により印刷ジョブの履歴リストを表示させる操作を受けると(ステップS124)、CPU21は操作表示部27に認証モードによる履歴リスト画面を表示する(ステップS125/図7(B)参照)。
ユーザは、この認証モードによる履歴リスト画面にて自分の印刷ジョブの履歴や印刷物の取り出し状況を確認することができる。また、取り出し状況が「未」と表示されている印刷ジョブついては、ユーザはその印刷ジョブを押下することにより選択することができる。
CPU21は、操作表示部27に表示した履歴リスト画面にて、印刷ジョブに対する選択操作を受けると(ステップS126)、選択された印刷ジョブの処理を実行し、ステータスを更新する(ステップS127)。
ステータスの更新は、前述したように、ジョブ情報テーブル50に登録されている該当の印刷ジョブに対してジョブ実行情報のフラグを0から1に更新すると共に、印刷物取出情報のフラグを0から1に更新し、履歴リスト画面における該当の印刷ジョブの取り出し状況を「未」から「済み」に変更することにより行う。さらにCPU21は、この印刷ジョブの印刷物の取得通知を印刷ジョブの送信元の端末10に送信する。
印刷ジョブが実行されると、その印刷ジョブの印刷物は複合機20の排紙トレイ36に排出され、ユーザにより排紙トレイ36から取り出される(ステップS128)。
端末10では、CPU11は印刷ジョブを複合機20に送信すると(ステップS104)、その印刷ジョブに対する複合機20からの取得通知の受信を監視する(ステップS105)。複合機20から取得通知を受信すると、CPU11は、取得通知に含まれている端末10側のジョブ管理情報と、印刷物の取り出し済み(取得済み)を示す印刷物取出情報とにより、そのジョブ管理情報(ID)に該当する印刷ジョブの印刷物の取得を確認し、表示部16に表示しているメッセージウィンドウ60において、該当の印刷ジョブに関するメッセージを消去する(ステップS106)。また、メッセージウィンドウ60に表示していた全てのメッセージを消去する際は、メッセージウィンドウ60自体も消去する。
図9は、図8に示したシステム全体の処理における端末10のユーティリティプログラム40が行う処理の流れを示している。
端末10のユーティリティプログラム40が起動すると(起動)、ユーティリティプログラム40は新規の印刷の指示された場合は(ステップS131;Yes)、表示部16に印刷の依頼(印刷ジョブ)に関するメッセージを表示して(ステップS132)、ステップS133へ移行する。新規の印刷が指示されない場合は(ステップS131;No)、ステップS133へ移行する。
ステップS133では、ユーティリティプログラム40は複合機20から取得通知を受信した場合は(ステップS133;Yes)、取得通知によって示された印刷ジョブに関するメッセージを消去して(ステップS134)、ステップS135へ移行する。取得通知を受信しない場合は(ステップS133;No)、ステップS135へ移行する。
ステップS135では、ユーティリティプログラム40は、自身を終了する割り込みを受けたか否かを判断する。ユーティリティプログラム終了の割り込みを受けない場合は(ステップS135;No)、ステップS131へ戻り、それ以降を同様に繰り返す。ユーティリティプログラム終了の割り込みを受けた場合は(ステップS135;Yes)、ユーティリティプログラム40を停止する(停止)。
図10は、図8に示したシステム全体の処理における複合機20が行う印刷ジョブの履歴リストの表示に関する処理の流れを示している。
複合機20のCPU21は、印刷ジョブの履歴リストを表示させる操作を受けると(開始)、操作表示部27に履歴リスト画面を表示する(ステップS141)。
履歴リスト画面に表示された未取出印刷ジョブが指定(押下・選択操作)されなければ(ステップS142;No)、ステップS146へ移行する。指定された場合は(ステップS142;Yes)、CPU21は、ジョブ情報テーブル50における該当の印刷ジョブの印刷物取出情報を取り出し済みに更新(フラグを0から1に更新)し(ステップS143)、履歴リスト画面における該当の印刷ジョブの取り出し状況を「未」から「済み」に変更する(ステップS144)。そしてCPU21は、該当の印刷ジョブの取得通知を印刷ジョブの送信元の端末10に送信し(ステップS145)、ステップS146へ移行する。
ステップS146では、履歴リスト画面の表示の終了指示(表示終了の操作)を受けなければ(ステップS146;No)、ステップS142へ戻り、それ以降を同様に繰り返す。終了指示を受けた場合は(ステップS146;Yes)、CPU21は、履歴リスト画面の表示を終了する(終了)。
このように、本実施の形態に係る印刷システム5では、端末10から複合機20に印刷を依頼するとその依頼情報(印刷ジョブの情報)がメッセージとして端末10の表示部16に表示される。このメッセージは、複合機20での印刷物の取得に伴い行われる取得確認操作が実際に行われるまで端末10の表示部16に継続表示される。これにより、ユーザは端末10にメッセージが表示されている間は、依頼した印刷に係る印刷物を複合機20から取り出して取得していないものと容易に判断できるようになる。すなわち、ユーザは印刷物の取得状況(依頼した印刷に係る印刷物を複合機20から取得したか否か)を、端末10に表示されたメッセージから容易に判断できるようになる。したがって、端末10から複合機20に依頼して印刷された印刷物のユーザによる取り忘れを防止できるようになる。
また、メッセージは印刷ジョブの送信毎に個別に表示(ジョブ単位で表示)され、この個々のメッセージは対応する取得通知を端末10が複合機20から受信するまで個別に継続表示される。すなわち、上記の取得確認操作が行われていない印刷ジョブのメッセージのみが表示され続ける。これにより、ユーザは端末10から複数の印刷を1台または複数台の複合機20に依頼した場合などに、ジョブ単位で表示されるメッセージに基づいて、複数依頼した印刷に係る個々の印刷物の取得状況などを容易に判断できるようになる。すなわち、ユーザは複数依頼した印刷のうちの何れの印刷物が取得済みで何れの印刷物が未取得であるのかを、上記のジョブ単位で表示されたメッセージの有無によって容易に判断できるようになる。したがって、特に複数の印刷を依頼した場合に起こりやすくなる印刷物の取り忘れについても確実に防止できるようになる。
また、メッセージにはドキュメント名が含まれているため、ユーザはドキュメント名に基づいてそのメッセージが示す印刷ジョブを識別することができる。さらに、メッセージには複合機20の名称が含まれているため、ユーザは複合機20の名称に基づいてそのメッセージが示す印刷ジョブの依頼先の複合機20を識別することができる。
またメッセージは、上記のように複合機20で取得確認操作が行われるまで端末10に継続表示される。これにより、従来の電子メールなどによる通知において起こりやすくなる、通知を受けたことの忘却による印刷物の取り忘れや無駄な再印刷についても確実に防止できるようになる。
また、複合機20で取得確認操作が行われるまでメッセージを表示し続けることにより、ユーザに印刷物を取りに行くことを促す効果も得られる。これにより、複合機20から出力された印刷物がそのまま長時間放置されている間に紛失してしまったり、誤って捨てられてしまったりするようなトラブルも防止することができる。
また取得確認操作は、複合機20の操作表示部27(履歴リスト画面)にジョブ単位で表示された印刷ジョブの選択操作である。このように、操作表示部27にジョブ単位で表示された印刷ジョブを選択するだけの簡単な操作で取得確認操作が行えるようになる。
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
たとえば、端末10の表示部16に表示する印刷依頼に関する依頼情報は、実施の形態で説明したようなメッセージウィンドウ60にメッセージとして表示するものに限らない。この依頼情報は、メッセージなどの文章情報の他に、印刷を依頼していることを想起させる他の文章情報や文字情報、もしくは、プリンタ(複合機)やドキュメントを模式的に表したアイコンなどの図形情報などとしてもよい。
また、依頼情報がメッセージなどの文章情報であっても、実施の形態で説明したようなジョブ単位で表示するメッセージに限らない。さらには、印刷ジョブの識別情報(ドキュメント名)や印刷装置の識別情報(複合機20の名称)を含むものにも限らない。
たとえば、単に、依頼した印刷において未取得(未取り出し)の印刷物がある旨のメッセージを表示するなどしてもよい。複数の印刷を依頼した場合は、印刷物が未取得である印刷ジョブに関する情報を一文のメッセージで表示したり、単に、未取り出しの印刷物の件数をメッセージで表示したりするなどしてもよい。
具体的には、「依頼した印刷で未取得の印刷物があります。」などのメッセージを表示するだけでもよい。複数の印刷を依頼した場合は、「ドキュメントAとドキュメントBの印刷物が未取得です。」、もしくは、「MFP1に依頼したドキュメントAとMFP2に依頼したドキュメントBの印刷物が未取得です。」もしくは、「未取得の印刷物がN件あります。」、もしくは、「未取得の印刷物がMFP1にN件、MFP2にM件あります。」などのメッセージを表示してもよい。このようなジョブ単位ではないメッセージや簡素なメッセージの文章情報による依頼情報が表示されるだけでも、ユーザに未取得の印刷物があることを報知でき、ユーザを印刷物の取得に向かわせられるようになる。
依頼情報の表示形態についても、実施の形態で説明した表示形態に限らない。たとえば、メッセージウィンドウを設けてメッセージとして表示する場合のメッセージウィンドウの表示位置などは、実施の形態で説明した表示部の画面の右上隅部に限らず、画面の他の隅部や、上部、下部、左側部、右側部などにしてもよい。
また、依頼情報の表示位置、大きさ、色(メッセージウィンドウやメッセージ(文字)の表示位置、大きさ、色)などを所定の条件に応じて変更するようにしてもよい。所定の条件は、たとえば印刷を依頼してから取得確認操作が行われるまでの経過時間、もしくは、印刷物の取り忘れの多いユーザや取りに行くまでの時間が遅いユーザなどを考慮して、ユーザが依頼した過去の印刷における上記の経過時間の平均値や累積値などにしてもよい。
所定の条件が経過時間の場合は、経過時間が所定の閾値以下であれば依頼情報を小さく表示し、経過時間が所定の閾値を超過すると、依頼情報を大きく表示したり、目立つ位置に表示したり、目立つ色に変化させたりするなどしてもよい。所定の条件が経過時間の平均値や累積値の場合は、それらの値が所定の閾値以下であれば依頼情報を小さく表示し、所定の閾値を超過するときは依頼情報を最初から大きく表示する、もしくは、目立つ位置に表示したり目立つ色で表示したりするなどしてもよい。
また、経過時間の平均値や累積値は、手動操作でリセットできたり、所定の条件で自動的にリセットされたりするようにしてもよい。自動的にリセットする場合の所定の条件は、たとえば所定の印刷依頼回数(10回や100回など)、最新の所定回数(5回や10回など)の印刷における経過時間の平均値や累積値が所定の閾値以下の場合などにしてもよい。
複合機20においては、操作表示部27によりユーザから所定の操作(取得確認操作)を受けた場合に、複合機20からの印刷物の取得を認識するようにしたが、この所定の操作は、実施の形態で説明したような操作表示部27にジョブ単位で表示された印刷ジョブを選択する操作に限らない。たとえば、操作表示部27にジョブ単位で表示された印刷ジョブを選択してからOKボタン(確定ボタン)を押下するような操作でもよい。
また、実施の形態ではユーザにより上記の取得確認操作を受けた場合に印刷物の取得(ユーザによる排紙トレイ36からの取り出し)を認識するようにしたが、このようなユーザの操作を受けて印刷物の取得を認識するものに限らず、印刷物が排紙トレイ36から取り出されたことを検知して自動的に認識するようにしてもよい。
たとえば、複合機20が複数の排紙トレイ36を備えていて各排紙トレイ36に印刷物の有無を検知する検知部としてのセンサが設けられており、印刷物がジョブ毎に各排紙トレイ36に排出されるような構成であれば、排紙トレイ36に設けられているセンサを認識部とすることもできる。この場合は、排紙トレイ36から印刷物が取り出されると、そのことを検知したセンサが印刷物の取り出し済みを認識したことを示す情報(検知情報)をCPU21に送信し、CPU21がその情報に基づいて実施の形態で説明したように動作するなどが可能である。
また、印刷物の取り出し状況を示す履歴リスト画面では、印刷物が取り出し済みの印刷ジョブは表示せずに、未取り出しの印刷ジョブのみを表示するようにしてもよい。また、履歴リスト画面に表示された未取出印刷ジョブは、未取り出しから取り出し済みに変更されると、変更されたタイミングで消去されたり、変更時点から所定時間が経過すると自動的に消去されたり、変更後の次回の履歴リスト画面の表示以降に表示されなくなったりするようにしてもよい。
また、履歴リスト画面に印刷ジョブの実行状況に関する情報、たとえば、実行待ち/実行完了といったジョブの実行状況、ジョブの実行開始時間や実行終了時間などを加えて表示するようにしてもよい。これらの情報は、ジョブ情報テーブル50に登録されているジョブ実行情報、開始時刻情報、終了時刻情報を使用して表示することができる。この場合は、特に親展印刷に指定されていない印刷ジョブにおいて、印刷物の取り出し状況が未取り出しと表示された場合に、上記の印刷ジョブの実行状況に関する情報を見てその印刷ジョブが実行待ちであるのか実行完了であるのかを確認できるようになる。
また実施の形態では、端末10がジョブ管理情報(端末10側でジョブを管理するための情報)を印刷ジョブに含めて複合機20に送信し、複合機20がこのジョブ管理情報を取得通知に含めて端末10に送信することにより、端末10が取得通知に含まれるジョブ管理情報に基づいて消去対象となる印刷ジョブのメッセージを確認するようにしたが、消去対象となるメッセージの確認方法は他の方法でもかまわない。
たとえば、複合機20は端末10から印刷ジョブを受信すると、その受付情報(所定の規則で割り当てた受付番号やジョブの受付日時(受信日時)によって示されるタイムスタンプなどの一意の情報(ID))を端末10に返信する。端末10は複合機20から返信された受付情報と印刷ジョブのメッセージとを対応付けて管理する。そして複合機20が受付情報を取得通知に含めて端末10に送信することにより、端末10が取得通知に含まれる受付情報に基づいて消去対象となる印刷ジョブのメッセージを確認するようにしてもよい。また、端末10が複合機20内のジョブ情報テーブル50に登録されている該当の印刷ジョブの印刷物取出情報が更新されたか否かを周期的に監視(ポーリング)するようにしてもよい。この場合の端末10による該当の印刷ジョブの識別にも、上記の端末10側が作成したジョブ管理情報や複合機20側が作成した受付情報などを利用することができる。
また、実施の形態では複合機20がユーザ認証を行うようにしたが、ユーザ認証はネットワーク2上に設けた認証サーバなどによって行うようにしてもよい(サーバ認証)。
また、本発明に係る印刷装置は、実施の形態で説明した親展印刷機能を備えた印刷装置に限らず、親展印刷機能を備えていない印刷装置も含まれる。さらに本発明に係る印刷装置は、実施の形態で説明した複合機に限らず、プリンタや印刷機能を備えた複写機などの他の印刷装置も含まれる。