JP2010045341A - 電極シート及びそれを用いた電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ - Google Patents

電極シート及びそれを用いた電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ Download PDF

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Abstract

【課題】 金属箔等の集電体の表面に、分極性電極が容易に強固に形成され、充放電の繰返しで発生するガス、あるいは振動等によっても、集電体と分極性電極との接着強度が低下しにくく、内部抵抗等の性能が良好であり、その良好な状態を長期間維持することが可能な塗液を塗布した電極シート、及びそれを用いた電気化学キャパシタを提供する。
【解決手段】 活性炭を85〜92wt%、カーボンブラックを2〜7wt%、及びポリフッ化ビニリデンを4〜9wt%の含有率で含む固形成分と、有機溶媒を混合して得られる塗液を、導電性接着層を形成したアルミ箔に塗布した後、乾燥して得られる電極シートとする。また、これらの電極シートを用いた電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタとする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電極シート及びそれを用いた電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタに関するものであり、さらに詳細には、金属箔等の集電体の表面に、活性炭等を含む塗液を塗布した後、乾燥することにより、分極性電極を形成する電極シート、及びそれを用いた電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタに関する。
近年、活性炭等の分極性電極と電解液の界面である電気二重層に電気を蓄積する電気二重層キャパシタ等の電気化学キャパシタが蓄電媒体として実用化され始めている。電気化学キャパシタの一般的な構成としては、金属箔等の集電体及び活性炭等の分極性電極からなる電極シートと、セパレータが交互に積層されて積層体が形成され、さらに電解液が含浸された積層体が容器に密封されて電気化学キャパシタセルとされる。
また、電気化学キャパシタセルの製造は、電極シートとセパレータの積層体を、角型の電気化学キャパシタにおいてはサンドイッチ状に、円筒型の電気化学キャパシタにおいてはロール状に形成し、集電体(正極体及び負極体)のリード部を各々の端子に接続し、積層体を容器に収納した後、容器の開口部から電解液を注入して積層体に電解液を含浸し、電極端子の先端を外部に露出した状態で容器を密封する方法が多く実施されている。
このような電気化学キャパシタにおいて、電極シートは、一般的に金属箔等の集電体の表面に、活性炭を含む塗液を塗布、乾燥することにより、分極性電極を形成し製造される。従来から、塗液の構成成分としては、カーボンブラック等の導電性材料、活性炭、及び、ポリテトラフルオロエチレン、セルロース等の結着剤を、有機溶媒または水性溶媒に分散してなる塗液が多く使用されているが、その構成成分や塗布方法等が、電気化学キャパシタの内部抵抗等重要な性能の良否を大きく左右する一要因となっている。そのため、優れた均一性、接着強度等を目標として、特に塗液中の結着剤成分、あるいは塗液を集電体に密着させる方法等が現在までに数多く開発され、例えば以下のような特許出願が成されてきた。
すなわち、特許文献1には、芳香族ビニル単位、共役ジエン単位等を含む共重合ラテックスからなる塗液、特許文献2には、炭素材料とポリテトラフルオロエチレンの有機溶媒分散液からなる塗液、特許文献5には、活性炭粉末、それより小さい粒径の導電性付与剤、及び樹脂が溶解された水溶性バインダーからなる塗液が開示されている。また、特許文献3には、塗液中の溶媒を、赤外線を照射することにより蒸発させ、集電体の表面に分極性電極を形成する方法、特許文献4には、塗液中の溶媒を、温風を当てることにより蒸発させ、集電体の表面に分極性電極を形成する方法が開示されている。
特開平11−162794号公報 特開平11−329904号公報 特開2001−222992号公報 特開2001−345095号公報 特開2002−222741号公報
従来から使用されている塗液のうち、均一性が優れた塗液は、活性炭、カーボンブラック等が、溶媒中に均一に分散され、スラリー状となっているものである。このような塗液は、粘度を低く維持している場合は、集電体として好適に使用されるエッチング処理を施し表面に凹凸を有する金属箔の凹部にも、比較的によく浸透されると思われる。しかしながら、いずれの塗液であっても、溶媒中に分散されている活性炭、カーボンブラック等は、互いに凝集しやすく、各々の粒子は比較的に大きな塊の状態となる。そのため、これらの塗液をそのまま使用すると、集電体と分極性電極との接着強度が優れた電極シートが得られないという不都合があった。さらに充放電の繰返しで発生するガス、あるいは自動車に用いた際の振動等により、集電体と分極性電極が剥離し、短期間で内部抵抗等の性能が劣化するという不都合があった。
このような問題を解決するために、例えば特開2001−216956には、集電体の表面に結着剤粉末、好ましくは金属箔表面の凹凸の平均開口径よりも小さい結着剤粉末を、溶媒を含まない粉末状として配置し、その後、活物質(活性炭等)と溶媒を含有するペースト(塗液)を塗布して乾燥させる方法が提案されている。しかしながら、このような塗布方法は製造工程数が増え、手間もかかるという不都合がある。
従って、本発明が解決しようとする課題は、金属箔等の集電体の表面に、分極性電極が容易に強固に形成され、充放電の繰返しで発生するガス、あるいは振動等によっても、集電体と分極性電極との接着強度が低下しにくく、内部抵抗等の性能が良好であり、その良好な状態を長期間維持することが可能な塗液を塗布した電極シート、及びそれを用いた電気化学キャパシタを提供することである。
本発明者らは、これらの課題を解決すべく鋭意検討した結果、活性炭を85〜92wt%、カーボンブラックを2〜7wt%、及びポリフッ化ビニリデンを4〜9wt%の含有率で含む固形成分と、有機溶媒とを混合して得られる塗液は、固形成分同士が凝集しにくく、各々の粒子は小さな粒子の状態で溶媒に微分散し、一定の粘度と特性を長時間維持できること、前記の塗液はアルミ箔等の表面に対する濡れ特性が極めて優れていること、また、前記塗液をアルカリ金属のケイ酸塩及び/またはアルカリ土類金属のケイ酸塩を含む導電性接着層を介してアルミ箔からなる集電体に積層することにより、集電体と分極性電極との接着強度が優れた電極シートが得られ、さらに内部抵抗を長期間低く維持できる電気化学キャパシタが得られること等を見出し、本発明の電極シート及びそれを用いた電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタに到達した。
すなわち本発明は、活性炭を85〜92wt%、カーボンブラックを2〜7wt%、及びポリフッ化ビニリデンを4〜9wt%の含有率で含む固形成分と、有機溶媒を混合して得られる塗液を、表面にアルカリ金属のケイ酸塩及び/またはアルカリ土類金属のケイ酸塩を含む導電性接着層を形成したアルミ箔に塗布した後、乾燥して得られることを特徴とする電極シートである。
また、本発明は、前記の電極シートとセパレータが積層された積層体、及び電解液が、容器に密封された構成を備えてなることを特徴とする電気二重層キャパシタである。
また、本発明は、負極シートと前記の電極シートからなる正極シートとセパレータが積層された積層体、及び電解液が、容器に密封された構成を備えてなることを特徴とするリチウムイオンキャパシタである。
本発明における塗液は、固形成分同士が凝集しにくく、各々の粒子は小さな粒子の状態で溶媒に微分散し、一定の粘度と特性を長時間維持することができる。また、アルミ箔等からなる集電体の表面に対する濡れ特性が極めて優れている。そのため、該塗液を用いた本発明の電極シートは、塗液を容易に充分に集電体表面の凹部内に浸透できるとともに、分極性電極を極めて均一にアルミ箔等の集電体の表面に形成させることができる。従って、集電体と分極性電極との接着強度を、従来のものより大幅に向上させることができる。
また、前記の電極シートを正極シート及び負極シートとして用いた本発明の電気二重層キャパシタ、前記の電極シートを正極シートとして用いたリチウムイオンキャパシタは、集電体と分極性電極との接着強度が高く、内部抵抗が低く優れた性能を有するものであり、充放電を頻繁に繰返して使用しても、あるいは自動車等振動の影響を受けるものに使用しても、その性能を良好な状態で長期間維持することができる。
本発明の電極シートは、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ、ハイブリッド型の電池等の蓄電媒体において、活性炭等を含む固形成分と有機溶媒とを混合して調製される塗液を、アルミ箔等の表面に塗布、乾燥して得られる電極シートに適用される。
また、本発明の電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタは、正極用の電極シート及び/または負極用の電極シートとして、前記の電極シートを用いたキャパシタに適用される。特に振動に対する接着強度が高く、自動車用の電気化学キャパシタに好適に適用される。また、本発明の電極シート及びキャパシタは、角型のキャパシタ、円筒型のキャパシタのいずれにも適用することができる。
以下、本発明で使用される塗液について詳細に説明する。
本発明で使用する塗液の固形成分の一成分であるカーボンブラックとしては、ファーネスブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック等のいずれでも用いることができる。
また、本発明で使用する活性炭としては、水蒸気や二酸化炭素により賦活を行なった椰子殻炭、木粉炭、ピート炭等や、易黒鉛化性炭素をアルカリ金属化合物により賦活を行なったアルカリ賦活炭等が挙げられる。しかしながら、単位体積当たりの静電容量が高い電極シート、キャパシタが得られる活性炭を用いることが好ましい。
そのため本発明においては、石油系ピッチ、石炭系ピッチ、合成系ピッチ、またはこれらを出発原料としたコークス(易黒鉛化性コークス)を600〜800℃で熱処理することによって調製される炭素化物を、窒素含有量が10wt%以下となるように窒化処理を施した後、賦活処理して得られる活性炭が好適に使用される。尚、賦活処理後の活性炭は、通常は窒素含有量が1wt%以下である。さらに前記のピッチとしては、ナフタレン、メチルナフタレン、アントラセン、フェナントレン、アセナフテン、アセナフチレン、ピレン等の縮合多環炭化水素をフッ化水素及び三フッ化ホウ素の存在下で重合させて得られる合成系ピッチを用いることがより好ましい。これらは他のピッチ類と異なり、化学純度が高く、性状を自由に制御可能であることから特に好適に用いられる。
前記の炭素化物の窒化処理は、特に限定されないが窒素含有性ガスを含有する雰囲気下で熱処理する方法(ここでいうところの窒素含有性ガスは、炭素に対して不活性である窒素ガスは含まない)、窒素プラズマによる方法、含窒素有機物との共炭化などが挙げられる。
炭素化物の窒素含有性ガス雰囲気下での熱処理温度に関しては、高すぎても低すぎても窒素の導入量が少なくなってしまい静電容量が向上しない。高すぎる熱処理温度は炭素網面が発達しすぎてしまい、賦活による細孔構造の形成が阻害されてしまう。
その熱処理温度は600〜1000℃が好ましく、より好ましくは600〜950℃、さらに好ましくは600〜850℃である。熱処理時間は0.1〜10時間が好ましく、より好ましくは0.1〜8時間、さらに好ましくは0.1〜6時間である。また、窒素含有性ガスの中でも、炭素との反応性からアンモニアが好ましい。該窒素含有性ガスは窒素やアルゴンなどの不活性ガスで希釈してもよく、その濃度は0.1〜100vol%が好ましく、より好ましくは0.5〜100vol%、さらに好ましくは1〜100vol%である。
窒素含有性ガスとの熱処理の際の炭素化物の形状は限定されるものではないが、より窒素含有性ガスと接触し窒素のより多い導入を行なうためには、細かい粒子となっていることが望ましい。その粒子径は10mm以下が好ましく、より好ましくは7mm以下、さらに好ましくは5mm以下である。
このような熱処理により得られた窒素化物は、粉砕後に賦活処理を行なうが、より高い静電容量を得るためには薬品賦活が好ましく、さらに水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、塩化カリウム等のアルカリ金属化合物によるアルカリ賦活がより好ましい。
本発明における塗液の固形成分は、前記のような活性炭、カーボンブラック、及びポリフッ化ビニリデンを、各々85〜92wt%、2〜7wt%、及び4〜9wt%の含有率で含むものである。このような固形成分には、さらに樹脂を含ませることができる。樹脂は、結着剤の効果が得られる樹脂であれば特に限定されることはないが、熱硬化性樹脂が好ましく、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アルキド樹脂、及びポリイミド樹脂等を使用することができる。尚、固形成分の含有率が前記の範囲外である場合は、キャパシタを製造する際に、内部抵抗を低く維持できなくなる虞がある。
本発明における塗液は、前記の固形成分と有機溶媒を混合して得られるものである。有機溶媒としては、アミド系の非プロトン性有機溶媒が好ましく、例えばN−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−エチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアセトアミド等を挙げることができる。これらの中でも沸点が比較的に低く塗布後の乾燥が容易であるという点で、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドを用いることが好ましい。
また、本発明においては、前記のアミド系の非プロトン性有機溶媒のほか、ピロリドン系の非プロトン性有機溶媒を含ませて混合させることができる。ピロリドン系の非プロトン性有機溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン等を用いることが好ましい。尚、前記のようなピロリドン系の非プロトン性有機溶媒を併用する場合は、通常はピロリドン系の非プロトン性有機溶媒の重量混合比が、有機溶媒全体の20wt%以下となるようにされる。
本発明において、集電体の表面に塗布する際の塗液の粘度は、室温(25℃)において、B型粘度計を用いて6rpmの測定条件で、通常は1000〜12000mPa・s、好ましくは1500〜10000mPa・sとなるように調製される。また、塗布する際の塗液の粘度は、室温(25℃)において、B型粘度計60rpmの測定条件では、通常は200〜2400mPa・s、好ましくは300〜2000mPa・sである。また、室温(25℃)におけるチクソインデックスは、通常は2.0〜8.0、好ましくは3.0〜7.0である。尚、集電体の表面に塗液を塗布する際は、塗液の温度が10〜40℃、好ましくは15〜35℃となるようにコントロールされて塗布が行なわれる。
本発明の塗液の固形成分含有率と粘度(B型粘度計6rpm)の関係は、通常は図4に示すようなものとなる。粘度が12000mPa・sを超える範囲では、固形成分含有率の各製造バッチまたは各製造ロット毎のバラツキによる粘度の変動が大きく、安定して均一な品質の塗液を調製することが困難である。また、粘度が1000mPa・s未満の範囲では、所定の厚さの分極性電極を形成させることが困難となる。さらに、1000〜12000mPa・sの範囲では、この塗液を用いてキャパシタを製造する場合に、内部抵抗を低くコントロールすることができる。これらの理由により、塗布する際の塗液の粘度は、前述のような範囲に設定されることが好ましい。
次に、本発明の電極シートについて詳細に説明する。
本発明の電極シートは、アルミ箔の表面に導電性接着層としてアルカリ金属のケイ酸塩及び/またはアルカリ土類金属のケイ酸塩を含む導電性接着層が形成され、さらにその外側表面に、前述の塗液を塗布した後、乾燥して得られる電極シートである。尚、本発明の電極シートは、電気二重層キャパシタにおいては通常は正極用の電極シート及び負極用の電極シートとして使用され、リチウムイオンキャパシタにおいては、通常は正極用の電極シートとして使用される。
前記の電極シートに使用されるアルカリ金属のケイ酸塩としては、ケイ酸リチウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム等を、アルカリ土類金属のケイ酸塩としては、ケイ酸カルシウムを例示することができる。これらは、2種類以上使用することもできる。また、導電性接着層は、これらのケイ酸塩のほか、黒鉛、カーボンブラック等の導電性成分が必要である。そのほか、活性炭、熱硬化性樹脂等が含まれていてもよいが、ケイ酸塩の導電性接着層全体に対する含有率は、通常は1〜80wt%、好ましくは2〜50wt%である。
このような電極シートにおいて、アルミ箔の表面に導電性接着層を形成する方法については、特に限定されることはないが、例えば前記のような導電性接着層の構成成分を、水、水系溶媒、または有機溶媒に溶解あるいは分散させて塗工液を調製し、これをアルミ箔の表面に塗工し乾燥させることにより、アルミ箔の表面に導電性接着層を形成させることができる。導電性接着層の厚みは、通常はアルミ箔の厚みの2〜40%、好ましくは5〜25%である。導電性接着層の厚みがアルミ箔の厚みの2%未満の場合は、アルミ箔との接着強度が弱くなり、40%を超える場合は、キャパシタの内部抵抗の上昇を抑制する効果が少なくなる。
本発明の電極シートの基本的な形態は、図1に示すように、前述の塗液を塗布、乾燥することにより得られる分極性電極が、導電性接着層を介して、リード部1となる部分を除いたアルミ箔2の両面(斜線部)に形成されるものである。塗液の塗布の際は、所望の膜厚を得るために、エチレングリコール、モノメチルエーテル、キシレン等の溶剤で希釈して塗液の粘度を微調整することができる。また消泡剤を適量加えても良い。塗液をアルミ箔等の表面へ塗布する方法については、特に制限されることはないが、例えば、片面に塗液を塗布し、乾燥した後、同様にして、他の片面への塗液の塗布、乾燥を行なうことができる。前述のように、本発明における塗液は均一性が高く、一定の粘度と特性を長時間維持することができ、濡れ特性が極めて優れているので、膜厚を容易に精密にコントロールすることができる。
本発明においては、さらに前記のように処理した後、塗膜を熱処理炉等で熱処理してもよい。熱処理の温度は、通常は100〜600℃である。本発明の電極シートの製造においては、主に乾燥により溶媒が揮発される。また、熱処理を行なう場合は、これにより塗液中の活性炭、カーボンブラック、及びポリフッ化ビニリデン等に残存する官能基(−OH、−COOH、−C=O等)が分解除去されるとともに、活性炭、カーボンブラック、及びポリフッ化ビニリデンの結着強化が行なわれる。前記のようにして得られる本発明の電極シートの分極性電極は、密度が通常は0.5〜0.7g/cc、好ましくは0.55〜0.65g/cc、厚みが通常は0.02〜0.2mm、好ましくは0.05〜0.1mmである。
次に、本発明の電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタについて詳細に説明する。
本発明の電気二重層キャパシタは、正極用の電極シート及び負極用の電極シートとして前述の電極シートを用いたものである。また、本発明のリチウムイオンキャパシタは、正極用の電極シートとして前述の電極シートを用いたものである。
尚、リチウムイオンキャパシタに用いられる負極用の電極シートは、例えば、前述のピッチにカーボンブラックを配合し熱処理して得られる活物質と、有機溶媒を混合して調整される塗液を、銅箔の表面に塗布した後、乾燥して得られる電極シートである。
本発明のキャパシタは、このような電極シートとセパレータを交互に積層させた積層体が用いられる。電極シートとセパレータを積層する際は、図2に示すように、正極用の電極シート(正極体)のリード部4及び負極用の電極シート(負極体)のリード部5が、各々正極端子6及び負極端子7に接続できるように積層される。その後、図3に示すように、積層体8は、少なくとも一辺に開口部を有するプラスチックフィルムで被覆された金属箔製の偏平状の容器9に収納されるが、電極端子が開口部側になるように収納される。尚、キャパシタの製造の際には、通常は電解液を注入する前に、積層体及び偏平状の容器の乾燥処理が行なわれるが、本発明において前述の電極シートの製造後、継続してキャパシタを製造する場合は、積層体の乾燥処理時間が短縮されるか、あるいは場合によっては乾燥処理を省略することが可能である。
本発明においては、次に容器に電解液が注入され積層体に電解液が含浸される。本発明の電気二重層キャパシタに使用される電解液としては特に限定されることはないが、溶媒として、例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート等を例示することができ、電解質として、例えばテトラエチルアンモニウム、トリメチルエチルアンモニウム、ジメチルジエチルアンモニウム、トリメチルエチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム等を例示することができる。また、本発明のリチウムイオンキャパシタに使用される電解液としては、溶媒として前記と同様の溶媒を例示することができ、電解質として、例えばLiBF、LiPF等を例示することができる。
また、容器内を減圧処理して分極性電極に吸着されているガスを除去する操作が行なわれる。このようにすることにより、積層体に電解液を効率よく含浸することができる。さらに、必要に応じて、電解液の注入から容器の密封までの間に、分極性電極に含まれる水分や官能基を電気分解し除去するために、電極端子に通電して電解精製を行なうこともできる。
その後、例えば加熱された2本のヒートシールバーを、プラスチックフィルムで被覆された金属箔製の偏平状容器の開口部において、挟んだ状態で押圧することにより容器の密封が行なわれ、本発明のキャパシタが得られる。尚、本発明においては、電解液の注入から容器の密封まで、減圧下または不活性ガス雰囲気下で行なわれる。
次に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明がこれらにより限定されるものではない。
[実施例1〜3]
(活性炭の調製)
フッ化水素・三フッ化ホウ素の共存下、ナフタレンを重合させてピッチ(メトラー法による軟化点:283℃、炭素化物の光学異方性:100%、黒鉛化物のLc値:>100nm)を合成した。次に、高さ400mm、底面400mm×400mmのステンレス製角型容器の中に、該ピッチ1000gを仕込み、縦型炉中、窒素雰囲気下730℃まで昇温して、この温度で1時間保持して炭素化物を得た。
該炭素化物を40μm以下に粉砕した後、アルミナ容器に入れ、アンモニア/窒素(30/70vol%)混合ガス雰囲気下、750℃、4時間保持することによって窒化処理した。この窒素化物の窒素含有量は4.8wt%であった。
1重量部の該窒素化物の粉末と1.8重量部の95%水酸化カリウムとを均一に混合し、窒素雰囲気下5℃/分で750℃まで昇温し、この温度で3時間保持した。室温まで冷却したのちメタノール−水混合液中に投入し、濾液が中性になるまで0.1mol/L塩酸水溶液による酸洗浄、濾過、水洗を繰り返して窒素含有量が0.5wt%の活性炭を得た。
(塗液の調製)
プラネタリーミキサーに、活性炭、カーボンブラック(デンカブラック)、及びポリフッ化ビニリデンを投入した後、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)とN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を含む有機溶媒を注入し、混練しながら混合した。その際、混合物の発熱が確認されたが、N,N−ジメチルホルムアミドの沸点に近づかないように混合した。尚、各々の混合比(実施例1〜3)は、表1に示す通りであった。得られたスラリー状の塗液は、いずれも1日静置しても活性炭、カーボンブラック、及びポリフッ化ビニリデンの沈降がない分散安定性の極めて良好な塗液であった。また、室温(25℃)において、B型粘度計6rpmの測定条件で2000〜5000mPa・sであった。
(電極シートの製作)
ミキサーに、ケイ酸カリウム2.3kg、黒鉛1kg、カーボンブラック0.2kg、及び陰イオン界面活性剤2%を含む1%アンモニア水6.5kgを投入した後、これらを撹拌して、導電性接着層用の塗工液を調製した。この塗工液を、片面塗工装置を用いて、幅150mm、厚さ30μmのアルミ箔の片面の中央部に105mmの幅で塗布した。アルミ箔の巻出し速度、巻取り速度は4m/minであった。また、塗工装置の熱風導入口から、120〜150℃の乾燥空気を導入して乾燥させた。他の片面も同様にして塗工した。その結果、アルミ箔の両側の表面に各々厚さ約4μmの導電性接着層が形成された。
次に、前述のように調製された各塗液を、片面塗工装置を用いて、前記のように表面に導電性接着層が形成されたアルミ箔に塗布した。尚、電極シートのリード部となる部分にはシールを施した。塗液の塗布の際のアルミ箔の巻出し速度、巻取り速度は4m/minであった。また、塗工装置の熱風導入口から、40〜80℃の乾燥空気を導入して乾燥させた。他の片面も同様にして塗工した。さらに、巻取ったものを熱処理炉で30分間熱処理した後、シールを剥がし、図1に示すような形状に切断して、集電体の表面に厚さ約60〜70μmの分極性電極が形成された電極シートを得た。各々の分極性電極は、密度が約0.59〜0.63g/ccであった。
これらの電極シートのアルミ箔(集電体)と塗膜(分極性電極)について、JIS K 5600−5−6の機械的強度の測定方法に準じて接着強度を測定した。電極シートの塗液の塗布部分を、縦及び横に各々6本ずつ切込み、中央の25個の格子状に分割されたサンプルについて、セロテープ(登録商標)によるアルミ箔からの剥離試験を行なった。その結果、表1に示すように、いずれのサンプルも、アルミ箔(集電体)から塗膜(分極性電極)を剥離することができなかった。
(電気二重層キャパシタの製作)
前述のように製作された電極シートと、紙製のセパレータ(厚さ50μm)を、リード部が交互に正極及び負極の電極端子に接続できるように、合計30枚積層させて、リード部を除いた一辺が100mmの正方形の積層体(厚さ10mm)を製作した。次に、積層体の正極体のリード部及び負極体のリード部を、各々電極端子に溶接により接着した後、真空乾燥機を用いてこれらを160℃で24時間減圧乾燥した。
また、表面がプラスチックフィルムで被覆されたアルミ箔を基材とする一辺が150mmの正方形の偏平状の容器を、真空乾燥機を用いて105℃で15時間減圧乾燥した。この偏平状の容器は、一辺に開口部を有するものであった。
積層体及び偏平状の容器を、窒素雰囲気下で室温まで冷却した後、図3に示すように、積層体を容器に挿入した。次に、プロピレンカーボネート溶媒にアンモニウム塩等を分散させた電解液90mlを、偏平状の容器の開口部から注入した。電解液の注入を終了した後、30分間真空ポンプにより減圧にして、積層体の減圧処理を行なった。また、この間、電極端子に通電して電解精製を行なった。その後、容器の開口部を150℃でヒートシールし、偏平状の容器を密封して電気二重層キャパシタを得た。
これらの電気二重層キャパシタの25℃、2.7V充電における内部抵抗を測定した結果、表1に示すように性能が優れていることが確認できた。
[実施例4〜5]
(電極シートの製作)
実施例1の電極シートの製作において、導電性接着層の構成成分としてケイ酸カリウムの替わりに各々ケイ酸ナトリウム(実施例4)、ケイ酸カルシウム(実施例5)を用いたほかは、実施例1と同様にして、活性炭の調製、塗液の調製を行ない、実施例1と同様にして電極シートを製作した。
これらの電極シートのアルミ箔(集電体)と塗膜(分極性電極)について、実施例1〜3と同様にして接着強度を測定した。その結果、表1に示すように、アルミ箔(集電体)から塗膜(分極性電極)を剥離することができなかった。
(電気二重層キャパシタの製作)
次にこれらの電極シートを用いたほかは、実施例1と同様にして電気二重層キャパシタを製作した。これらの電気二重層キャパシタの25℃、2.7V充電における内部抵抗を測定した結果、表1に示すように性能が優れていることが確認できた。
[実施例6]
(活物質の調製)
実施例1と同様にして合成したピッチ100重量部に対して、カーボンブラック(デンカブラック)を5重量部添加し、両成分をブレンダーで1分間混合した後、該ピッチとカーボンブラックの混合粉末を、窒素流通下、アルミナボールを入れたロータリーキルンに連続的に供給し、550℃で1時間保持して熱処理した。室温まで冷却した後、該熱処理物を粉砕し、キノリン中120℃で撹拌しながら72時間加熱した。その後、吸引ろ過してキノリンを除き、メタノールを加えて30分間超音波洗浄し、25℃で72時間撹拌した。その後、吸引ろ過してメタノールを除き、回収したケーキを200℃で14時間真空乾燥し活物質を得た。
(塗液の調製)
プラネタリーミキサーに、前記の活物質を投入した後、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)とN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を含む有機溶媒を注入し、混練しながら混合し、室温(25℃)において、B型粘度計6rpmの測定条件で3000mPa・sとなるように塗液を調製した。その際、混合物の発熱が確認されたが、ジメチルホルムアミドの沸点に近づかないように混合した。得られたスラリー状の塗液は、1日静置しても活物質の沈降がない分散安定性の極めて良好な塗液であった。
(負極用の電極シートの製作)
次に、前述のように調製された塗液を、片面塗工装置を用いて銅箔に塗布した。尚、電極シートのリード部となる部分にはシールを施した。塗液の塗布の際の銅箔の巻出し速度、巻取り速度は4m/minであった。また、塗工装置の熱風導入口から、40〜80℃の乾燥空気を導入して乾燥させた。他の片面も同様にして塗工した。さらに、巻取ったものを熱処理炉で30分間熱処理した後、シールを剥がし、図1に示すような形状に切断して、集電体の表面に厚さ約60〜70μmの分極性電極が形成された負極用の電極シートを得た。分極性電極は、密度が0.6g/ccであった。
(リチウムイオンキャパシタの製作)
正極用の電極シートとして実施例1の電極シートを用い、負極用の電極シートとして前記の電極シート用い、これらと紙製のセパレータ(厚さ50μm)を、リード部が交互に正極及び負極の電極端子に接続できるように、合計30枚積層させて、リード部を除いた一辺が100mmの正方形の積層体(厚さ10mm)を製作した。次に、積層体の正極体のリード部及び負極体のリード部を、各々電極端子に溶接により接着した後、真空乾燥機を用いてこれらを160℃で24時間減圧乾燥した。
また、表面がプラスチックフィルムで被覆されたアルミ箔を基材とする一辺が150mmの正方形の偏平状の容器を、真空乾燥機を用いて105℃で15時間減圧乾燥した。この偏平状の容器は、一辺に開口部を有するものであった。
積層体及び偏平状の容器を、窒素雰囲気下で室温まで冷却した後、図3に示すように、積層体を容器に挿入した。次に、プロピレンカーボネート溶媒にリチウム塩等を分散させた電解液90mlを、偏平状の容器の開口部から注入した。電解液の注入を終了した後、30分間真空ポンプにより減圧にして、積層体の減圧処理を行なった。また、この間、電極端子に通電して電解精製を行なった。その後、容器の開口部を150℃でヒートシールし、偏平状の容器を密封してリチウムイオンキャパシタを得た。
このリチウムイオンキャパシタの25℃、2.7V充電における内部抵抗を測定した結果、0.9mΩであり性能が優れていることが確認できた。
[比較例1〜3]
(電極シートの製作)
実施例1〜3の塗液の調製において、固形成分の組成を変えたほかは実施例1〜3と同様にして塗液を調製した。得られたスラリー状の塗液は、1日静置しても活性炭、カーボンブラック、及びポリフッ化ビニリデンの沈降がない分散安定性の極めて良好な塗液であった。
前記の塗液を用いたほかは実施例1〜3と同様にして電極シートを製作した。これらの電極シートのアルミ箔(集電体)と塗膜(分極性電極)について、実施例1〜3と同様にして接着強度を測定した。その結果、表1に示すように、比較例1、2のサンプルは、アルミ箔(集電体)から塗膜(分極性電極)を剥離することができなかったが、比較例3のサンプルは、アルミ箔(集電体)から塗膜(分極性電極)が剥離した。
(電気二重層キャパシタの製作)
前記の電極シートを用いたほかは実施例1〜3と同様にして電気二重層キャパシタを製作した。これらの電気二重層キャパシタの25℃、2.7V充電における内部抵抗を測定した結果、表1に示すように実施例1〜3と比べてその値が大きいことが確認できた。
[比較例4]
実施例6のリチウムイオンキャパシタの製作において、正極用の電極シートとして比較例1の電極シートを用いたほかは実施例6と同様にしてリチウムイオンキャパシタを製作した。
このリチウムイオンキャパシタの25℃、2.7V充電における内部抵抗を測定した結果、2.3mΩであり、実施例6のリチウムイオンキャパシタより内部抵抗が大きいことが確認できた。
[加速劣化試験による電気二重層キャパシタの性能調査]
実施例1の電気二重層キャパシタについて、室温下(25℃)で0V−2.5Vの充放電(充電開始1時間後、30分かけて0Vまで放電)を10回繰返した後、内部抵抗を測定した結果、1.0mΩであり、性能が優れていることが確認できた。
次に、この電気二重層キャパシタについて、60℃の環境下、2.5Vの充電を行ない、2000時間この状態を維持した(加速劣化試験)。その後、室温下(25℃)で0V−2.5Vの充放電(充電開始1時間後、30分かけて0Vまで放電)を10回繰返した後、内部抵抗を測定した。その結果、1.2mΩであり、内部抵抗の上昇が小さいことが確認できた。
実施例1の電気二重層キャパシタの製作において、電極シートの導電性接着層を形成しなかったほかは実施例1と同様にして電気二重層キャパシタを製作した。この電気二重層キャパシタについて、室温下(25℃)で0V−2.5Vの充放電(充電開始1時間後、30分かけて0Vまで放電)を10回繰返した後、内部抵抗を測定した結果、いずれも1.0mΩであり、性能が優れていることが確認できた。
次に、これらの電気二重層キャパシタについて、60℃の環境下、2.5Vの充電を行ない、2000時間この状態を維持した(加速劣化試験)。その後、室温下(25℃)で0V−2.5Vの充放電(充電開始1時間後、30分かけて0Vまで放電)を10回繰返した後、内部抵抗を測定した。その結果、1.5mΩであり、内部抵抗の上昇が大きいことが確認できた。
Figure 2010045341
以上のように、本発明の実施例の電極シートは、集電体と分極性電極が強固に接着していることが確認できた。また、本発明の実施例の電極シートを用いたキャパシタは、内部抵抗が低くコントロールされ、その性能を良好な状態で長期間維持できることが確認できた。
本発明の電極シートにおいて、塗液の塗布部分の一例を示す平面図 本発明における積層体の一例示す斜視図 本発明の電気二重層キャパシタの一例を示す構成図 本発明の塗液の固形成分含有率と粘度(B型粘度計6rpm)の関連性の一例を示すグラフ
1 リード部
2 アルミ箔
3 電極シート
4 正極体のリード部
5 負極体のリード部
6 正極端子
7 負極端子
8 積層体
9 容器

Claims (7)

  1. 活性炭を85〜92wt%、カーボンブラックを2〜7wt%、及びポリフッ化ビニリデンを4〜9wt%の含有率で含む固形成分と、有機溶媒を混合して得られる塗液を、表面にアルカリ金属のケイ酸塩及び/またはアルカリ土類金属のケイ酸塩を含む導電性接着層を形成したアルミ箔に塗布した後、乾燥して得られることを特徴とする電極シート。
  2. 活性炭が、ピッチまたは易黒鉛化性コークスを熱処理することによって得られる炭素化物を、窒化処理した後、賦活処理したものである請求項1に記載の電極シート。
  3. ピッチが、縮合多環炭化水素をフッ化水素及び三フッ化ホウ素の存在下で重合させて得られるピッチである請求項2に記載の電極シート。
  4. 有機溶媒が、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアセトアミドから選ばれる1種以上のアミド系の非プロトン性有機溶媒である請求項1に記載の電極シート。
  5. 有機溶媒が、アミド系の非プロトン性有機溶媒とピロリドン系の非プロトン性有機溶媒を含むものである請求項1に記載の電極シート。
  6. 請求項1に記載の電極シートとセパレータが積層された積層体、及び電解液が、容器に密封された構成を備えてなることを特徴とする電気二重層キャパシタ。
  7. 負極シートと請求項1に記載の電極シートからなる正極シートとセパレータが積層された積層体、及び電解液が、容器に密封された構成を備えてなることを特徴とするリチウムイオンキャパシタ。
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