JP2010045053A - 燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(1)燃料電池スタック23を収めるケース40が車体に搭載されており、スタックに接続する流体配管のうち燃料ガス配管31aに遮断バルブ48が設けられており、遮断バルブはケース内に収められている燃料電池。(2)燃料ガス配管の、スタックへの入側と出側の両方の部分に遮断バルブが設けられている。(3)燃料電池スタックを収めるケース40を車体に搭載し、流体配管の分配・集合部をケース40内に収めた燃料電池。ケース40はアルミ製であり、配管とケース内面との間は絶縁されている。ケース40外に位置する金属部品には、絶縁被覆または絶縁カバーが施されている。
【選択図】 図19
Description
固体高分子電解質型燃料電池では、アノード側では、水素を水素イオンと電子にする反応が行われ、水素イオンは電解質膜中をカソード側に移動し、カソード側では酸素と水素イオンおよび電子(隣りのMEAのアノードで生成した電子がセパレータを通してくる)から水を生成する反応が行われる。
アノード側:H2 →2H+ +2e-
カソード側:2H+ +2e- +(1/2)O2 →H2 O
セパレータでのジュール熱とカソードでの水生成反応で熱が出るので、セパレータ間には、各セル毎にあるいは複数個のセル毎に、冷却媒体(通常は冷却水)が流れる流路が形成されており、燃料電池を冷却している。
特開平8−192639号公報は、車両前方エンジンルーム内に燃料電池スタックを搭載した電気自動車を開示している。該公報は、車両衝突時のエネルギをフレームサイドメンバのエネルギ吸収部で吸収して燃料電池および燃料供給装置を保護する構造を提案している。
燃料電池スタックが車両衝突に対して守られることが必要であることは当然であるが、それに接続する各種配管も、とくに燃料ガス配管も、車両衝突において守られることが必要である。また、ケース外で燃料ガス配管が損傷してもスタック内水素の大気放出が防止されることが必要である。
また、スタックに接続される各種配管は冷媒や生成水を介しての導通により高電位となるので、配管類の絶縁も考慮されなければならない。
本発明の目的は、スタックに接続される配管(とくに燃料ガス配管)の、車両衝突における安全性を確保した(ケース外で燃料ガス配管が損傷してもスタック内水素の大気放出が防止される)、(また、望ましくは、電気絶縁性も考慮された)燃料電池を提供することにある。
(1) 燃料電池スタックを収めるケースが車体に搭載されており、前記スタックに接続する流体配管のうち燃料ガス配管に遮断バルブが設けられており、該遮断バルブは前記ケース内に収められている燃料電池。
(2) 前記燃料ガス配管の、前記スタックへの入側と出側の両方の部分に前記遮断バルブが設けられている(1)記載の燃料電池。
(3) 前記スタックに接続する流体配管の分配・集合部、および前記スタックと前記流体配管分配・集合部との間の流体配管部分が前記ケース内に収められており、前記ケースはアルミ製であり、前記スタックおよび前記流体配管と、前記ケース内面との間は絶縁されており、前記流体配管に連なり前記ケース外に位置する金属部品には、絶縁被覆または絶縁カバーが施されている(1)または(2)記載の燃料電池。
(4) 前記スタックは、2列並列に水平に配置されており、該2列並列のスタックはセル積層方向を車両前後方向と直交する方向に向けて1つの前記ケース内に配置されており、前記スタックの一端にあるエンドプレートには、前記流体配管が接続されており、冷媒、燃料ガス、酸化ガスは、前記スタックの一端にある前記エンドプレートから前記スタックに入り、Uターンして、同じエンドプレートから出ており、前記流体配管分配・集合部は前記流体配管が接続される前記エンドプレートと前記ケースとの間に配置されている、(3)記載の燃料電池。
上記(3)または(4)の燃料電池では、スタックをケース内に収めるとともに、スタックに接続する流体配管の分配・集合部およびスタックと流体配管分配・集合部との間の流体配管部分もケース内に収めたので、車両衝突の際、スタックおよびスタックに接続する流体配管の分配・集合部およびスタックと流体配管分配・集合部との間の流体配管部分はケースによって守られ、安全である。とくに補強が難しい流体配管の分配・集合部をケース内に収めるという配置をとることによって安全を確保した。高電位となっている配管部分をケース内に収めることで、直接触れないようにすることができ、安全にした。
また、ケースはアルミ製であるので、軽量かつ放熱性上有利である。また、スタックおよび配管とケース内面との間は、スペースを確保する、あるいはケース内面に絶縁コーティングを施す等により、絶縁されているので、ケースに触っても安全である。
また、流体配管に連なりケース外に位置する金属部品(たとえば、各種配管のケース外に出ている部分)には、絶縁被覆または絶縁カバーが施されているので、触っても安全である。
本発明の燃料電池は、固体高分子電解質型燃料電池10である。本発明の燃料電池10は、たとえば燃料電池自動車に搭載される。
スタック23一端にはエンドプレート22とインシュレータ21との間にプレッシャプレート32が設けられ、プレッシャプレート32とエンドプレート22との間にばね機構33が設けられてセルを均一に押圧するようにしてある。
セパレータ18は、カーボン板に冷却水流路26やガス流路27を形成したもの、または、導電性粒子を混入して導電性をもたせた樹脂板に冷却水流路26やガス流路27を形成したもの、または、流路26、27を形成する凹凸のある金属板を複数枚重ね合わせたもの、の何れかからなる。図示例は、セパレータ18がカーボン板からなる場合を示している。
セパレータ18は、燃料ガスと酸化ガス、燃料ガスと冷却水、酸化ガスと冷却水、の何れかを区画する。セパレータ18は、また、導電性部材であり、隣り合うセルのアノードからカソードに電子が流れる電気の通路を形成している。
2列並列のスタック23が車両に搭載される場合、スタック23はセル積層方向を車両前後方向と直交する方向に向けて配置される。また、テンションプレート24がスタックの上下に位置するように配置される。
燃料ガスは、燃料ガス配管分配・集合部35aの分配部35ai で分かれて入側燃料ガス配管31aからエンドプレート22の左右方向中央部の上部で左右のスタック23に入り、左右のスタック23からエンドプレート22の左右方向中央部の下部で出側燃料ガス配管31aに流出し、左右の出側燃料ガス配管31aは左右方向中央下部の燃料ガス配管分配・集合部35aの集合部35ao で合流し、そこから横に流れてさらに下方に流れる。
酸化ガスは、酸化ガス配管分配・集合部35bの分配部35bi で分かれて入側酸化ガス配管31bからエンドプレート22の左右方向端部の下部で左右のスタック23に入り、左右のスタック23からエンドプレート22の左右方向端部の上部で出側酸化ガス配管31bに流出し、左右の出側酸化ガス配管31bは左右方向中央上部の酸化ガス配管分配・集合部35bの集合部35bo で合流し、そこから下方に流れる。
スタック23に接続する各種流体配管30、31a、31b(30は冷媒配管、31aは燃料ガス配管、31bは酸化ガス配管)の分配・集合部34、35a、35b(34は冷媒配管の分配・集合部で分配部34i と集合部34o を含み、35aは燃料ガス配管の分配・集合部で分配部35ai と集合部35ao を含み、35bは酸化ガス配管の分配・集合部で分配部35bi と集合部35bo を含む)も、スタック23を収めたケースと同一のケース40に収められている。また、スタック23と流体配管30、31a、31bの分配・集合部34、35a、35bとの間の流体配管部分も、スタック23を収めたケースと同一のケース40に収められている。
ケース40は、望ましくはアルミ製であり、スタック23および各種流体配管30、31a、31bと、ケース40の内面との間は、互いに電気的に絶縁されている。この絶縁は、スタック23および各種流体配管30、31a、31bと、ケース40の内面との間に絶縁空間距離dをとるか、または絶縁空間をとれない場合はケース40の内面に樹脂材等の絶縁材をコーティングする、などの手段、方法によって達成している。ケース40は車体にアースされており、ケース40に直接手を触れても感電しない。
流体(冷媒、燃料ガス、酸化ガス)の左右スタック23からの合流部、または左右スタック23への分配部、に、流体の流れを直接衝突させないようにする整流板43が設けられる。整流板43は、左右管の接続部の、合流管対向部から、合流管の方向に延びている。
この整流板43には、左右の流れに平等に触れる位置に、切り欠き44が形成されている。この切り欠き44には、左右の流れに平等に触れることができるように、センサー45(センサーの感知部)が配置されている。センサー45は温度センサー(たとえば、サーミスタ)であってもよいし、他のセンサー、たとえば濃度センサー、湿度センサー等であってもよい。
各種流体配管30、31a、31bのうち冷媒配管30の出側配管だけがケース40の上側から取り出され、他はすべてケース40の下側から取り出される。冷媒配管30の出側配管をケース40の上側から取り出すのは、冷媒配管30内の気泡を、冷媒流れと浮力で上方に円滑に移動させるためである。
図5、図6に示すように、スタック23をケース40内に収めるとともに、スタック23に接続する流体配管30、31a、31bの分配・集合部34、35a、35b、およびスタックと流体配管分配・集合部との間の流体配管部分もケース40内に収めたので、車両衝突の際、スタック23およびスタックに接続する流体配管30、31a、31bの分配・集合部34、35a、35bおよびスタックと流体配管分配・集合部との間の流体配管部分は、ケース40によって守られ、安全である。とくに配管が変形した時に配管から大きな曲げモーメントがかかるために補強が難しい流体配管の分配・集合部34、35a、35bをケース40内に収めるという構造をとることによって、分配・集合部34、35a、35bが特別な補強をとらないでもケース40によって守られるので、安全が確保される。また、スタック23と導通しているために高電位となっている配管部分30、31a、31bがケース40内に収められることで、高電位配管部分に直接手が触れないようにすることができ、感電上、安全である。
また、流体配管30、31a、31bに連なりケース40外に位置する金属部品(たとえば、各種配管のケース外に出ている部分)には、絶縁被覆または絶縁カバーが施されているので、触っても安全である。
また、図18、図19に示すように、燃料ガス配管31aに遮断バルブ48が設けられるので、ケース40外で燃料ガス配管31aが損傷しても遮断バルブ48が閉じてスタック内水素の大気放出が防止される。また、燃料ガス配管31aの遮断バルブ48はケース40内に収められているので、遮断バルブ48もケース40によって保護される。
また、図10、図11に示すように、配管30、31、31a、31bに接続する配管にとりつけられた、流体の制御のためのセンサー、バルブについているワイヤハーネス50の取り出しがケース40の車室側からとされているので、車両の前面衝突に対してワイヤハーネス50も保護される。
請求項3または請求項4の燃料電池によれば、スタックをケース内に収めるとともに、流体配管の分配・集合部およびスタックと流体配管分配・集合部との間の流体配管部分もケース内に収めたので、車両衝突の際、スタックおよび流体配管の分配・集合部およびスタックと流体配管分配・集合部との間の流体配管部分がケースによって守られ、安全を確保できる。とくに補強が難しい流体配管の分配・集合部をケース内に収めたので、安全を確保できる。また、高電位となっている配管部分をケース内に収めたので、直接手が触れないようにすることができ、安全を確保できる。
また、ケースはアルミ製としたので、軽量かつ放熱性上有利である。また、スタックおよび配管とケース内面との間が絶縁されているので、ケースに触っても安全である。
また、ケース外金属部品に、絶縁被覆または絶縁カバーを施したので、触っても安全である。
11 電解質膜
12 触媒層
13 拡散層
14 電極(アノード、燃料極)
15 触媒層
16 拡散層
17 電極(カソード、空気極)
18 セパレータ
19 モジュール
20 ターミナル
21 インシュレータ
22 エンドプレート
23 スタック
24 テンションプレート
25 ボルト
26 冷媒流路
27 ガス流路
27a 燃料ガス流路
27b 酸化ガス流路
28 冷媒マニホールド
29 ガスマニホールド
29a 燃料ガスマニホールド
29b 酸化ガスマニホールド
30 冷媒配管
31 ガス配管
31a 燃料ガス配管
31b 酸化ガス配管
32 プレッシャプレート
33 ばね機構
34 冷媒配管の分配・集合部
34i 分配部
34o 集合部
35a 燃料ガス配管の分配・集合部
35ai 分配部
35ao 集合部
35b 酸化ガス配管の分配・集合部
35bi 分配部
35bo 集合部
40 ケース
40a 上ケース
40b 下ケース
40c フランジ部
41 露出部分
42 延び出し部分
43 整流板
44 切り欠き
45 センサー
46 上下ケースの締結ボルト
47 シール部材(グロメット)
48 遮断バルブ
50 ワイヤハーネス
Claims (4)
- 燃料電池スタックを収めるケースが車体に搭載されており、前記スタックに接続する流体配管のうち燃料ガス配管に遮断バルブが設けられており、該遮断バルブは前記ケース内に収められている燃料電池。
- 前記燃料ガス配管の、前記スタックへの入側と出側の両方の部分に前記遮断バルブが設けられている請求項1記載の燃料電池。
- 前記スタックに接続する流体配管の分配・集合部、および前記スタックと前記流体配管分配・集合部との間の流体配管部分が前記ケース内に収められており、前記ケースはアルミ製であり、前記スタックおよび前記流体配管と、前記ケース内面との間は絶縁されており、前記流体配管に連なり前記ケース外に位置する金属部品には、絶縁被覆または絶縁カバーが施されている請求項1または請求項2記載の燃料電池。
- 前記スタックは、2列並列に水平に配置されており、該2列並列のスタックはセル積層方向を車両前後方向と直交する方向に向けて1つの前記ケース内に配置されており、前記スタックの一端にあるエンドプレートには、前記流体配管が接続されており、冷媒、燃料ガス、酸化ガスは、前記スタックの一端にある前記エンドプレートから前記スタックに入り、Uターンして、同じエンドプレートから出ており、前記流体配管分配・集合部は前記流体配管が接続される前記エンドプレートと前記ケースとの間に配置されている、請求項3記載の燃料電池。
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