以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
まず、図1を参照しながら、本発明の一実施形態である燃料電池装置を搭載した燃料電池車両の構成を説明する。図1は、本発明の一実施形態である燃料電池装置を搭載した燃料電池車両の構成を、上面視において模式的に示した図である。図1に示されるように、燃料電池車両1は、燃料電池装置2と、燃料タンク3と、DC−DCコンバータ4と、インバータ5と、トラクションモーター6と、ラジエータ7を搭載している。
尚、以下の説明においては、特に断らない限り「前方」とは燃料電池車両1の前進方向(図1等においてFRとして示す方向)のことを示し、「後方」とは燃料電池車両1の後進方向のことを示す。また、「右側」とは燃料電池車両1の前進方向を向いた場合の右側のことを示し、「左側」とは燃料電池車両1の前進方向を向いた場合の左側のことを示す。
燃料電池装置2は、燃料電池車両1を走行させるための電力を発生させる装置であって、燃料電池車両1のフロアパネルの下方に配置されている。また、燃料電池装置2の一部(上部)は、運転席8と助手席9との間に形成されたセンタートンネルCT(図1では図示せず)の内部に配置されている。
燃料電池装置2は、複数の燃料電池セル(単セル)を積層し電気的に直列接続してなる燃料電池スタックFSTを、燃料電池ケース200の内部に収納した構成となっている。単セルは、例えば高分子電解質型燃料電池であって、イオン交換膜からなる電解質膜の一方の面に空気極を有し、他方の面に燃料極を有し、さらに空気極および燃料極を両側から挟み込むように一対のセパレータを有する構造となっている。この場合、一方のセパレータの水素ガス通路に水素ガスが供給され、他方のセパレータの酸化ガス通路に酸化ガスが供給され、これらの反応ガスが化学反応することで電力が発生する。
複数の単セルは、燃料電池車両1の左右方向に沿って積層されている。燃料電池ケース200のうち単セルの積層方向の一端部(燃料電池車両1の右側における端部)には、燃料ガス供給ポンプ等の補機類を内部に収納した補機ユニットAUが接続固定されている。
燃料タンク3は、燃料電池装置2に供給する水素ガスを貯えておくためのタンクであって、燃料電池車両1の後方に配置されている。燃料タンク3から燃料電池装置2に供給される水素ガスの流量は、アクセル開度等によって定まる要求電力に応じて、図示しない制御装置及び流量調整弁等により制御されている。
DC−DCコンバータ4は、直流の電圧変換器であり、燃料電池装置2から入力された電力を、その直流電圧(燃料電池スタックFSTの出力電圧)を昇圧してからインバータ5に出力する機能を有する。本実施形態においては、DC−DCコンバータ4は、燃料電池車両1のフロアパネルの下方で、且つ運転席8と助手席9との間に形成されたセンタートンネルCTの内部に配置されている。DC−DCコンバータ4は、FDC容器400の内部に収納された状態で、燃料電池装置2の前方に配置されている。
フロアパネルの下方には、側面衝突時における車両の変形を抑制するための保護柱PLが、燃料電池車両1の左右方向に沿って配置されている。保護柱PLは、燃料電池車両1の右側側面近傍から中央に向かって延びる右側柱PL1と、燃料電池車両1の左側側面近傍から中央に向かって延びる左側柱PL2とを備えている。燃料電池車両1の中央付近においては、右側柱PL1の先端と左側柱PL2の先端とが対向しており、両者は離間した状態となっている。これは、後に説明するように燃料電池ケース200とDC−DCコンバータ4とを接続するための空間を確保するためである。右側柱PL1の先端と左側柱PL2の先端とは、燃料電池ケース200とDC−DCコンバータ4との接続部分の上方において、図示しない接続柱により接続されている。
フロアパネルの下方の空間は、保護柱PLが存在することにより、燃料電池車両1の前後方向に沿って連続して広い空間を確保することができない。このため、図1に示したように、燃料電池ケース200は保護柱PLよりも後方側に配置する一方で、DC−DCコンバータ4は当該保護柱PLよりも前方側に配置している。すなわち、燃料電池ケース200とDC−DCコンバータ4は、保護柱PLを挟んだ状態で、燃料電池車両1の前後方向に沿って並ぶように配置されている。
図1においては、燃料電池ケース200とDC−DCコンバータ4との位置関係を模式的に示す便宜のため、両者が離間したように描いている。しかし実際には、DC−DCコンバータ4は、フロアパネルの下方の空間のうち保護柱PLよりも下方となる位置において、燃料電池ケース200に対し締結固定されている。また、このように締結固定された部分において、両者は電気的にも接続された状態となっている。
インバータ5は、DC−DCコンバータ4から出力された直流電力を三相交流電力に変換し、トラクションモーター6に供給する機能を有する。インバータ5は、燃料電池装置2の出力電圧よりも大きい例えば650Vの入力電圧を受けて動作する仕様となっている。DC−DCコンバータ4は、燃料電池装置2とインバータ5との間に配置されることで、燃料電池装置2の出力電圧と、インバータ5が動作可能な入力電圧との差を埋める役割を果たしている。
トラクションモーター6は、インバータ5から出力される三相交流電力の供給を受け、燃料電池車両1を走行させるための駆動力を発生させる電磁モーターである。トラクションモーター6が発生させる駆動力は、図示しない制御装置がアクセル開度等に基づいて要求電力を算出し、かかる要求電力基づいて燃料電池装置2の出力電力及びインバータ5の出力電力を制御することにより調整される。
ラジエータ7は、燃料電池車両1に搭載された燃料電池装置2、DC−DCコンバータ4、トラクションモーター6等の冷却を行うための装置である。ラジエータ7は、冷却対象であるそれぞれの装置との間で、図1には図示しない配管を通じて冷媒を循環させるものである。燃料電池車両1のバンパフェイス部分に設けられた通風口10から導入した外気が、ラジエータ7を通過する冷媒から熱を奪うことにより、各装置の冷却が行われる。このため、ラジエータ7は車両の最前方に配置されている。
続いて、図2を参照しながら、燃料電池装置2の電気的な構成を説明する。図2は、燃料電池装置2の電気的な構成を説明するための模式図である。燃料電池ケース200の内部に収納された燃料電池スタックFSTは、その積層方向における両端部に配置された第一集電部ET1及び第二集電部ET2によって挟まれている。第一集電部ET1及び第二集電部ET2は、いずれも燃料電池スタックFSTの断面形状と略同一の形状に形成された金属板である。
第一集電部ET1は、燃料電池スタックFSTのうち右側の端面に沿って配置され、右側端部に位置する単セルのカソード極と接続されている。第二集電部ET2は、燃料電池スタックFSTのうち左側の端面に沿って配置され、左側端部に位置する単セルのアノード極と接続されている。すなわち、第一集電部ET1及び第二集電部ET2は、燃料電池スタックFSTから電力を取り出すための、一対の電極端子として機能するものである。
燃料電池装置2は、燃料電池スタックFSTから取り出した電力を外部に出力するための2本の電流経路を有しており、それぞれの電流経路の末端において出力端子201、202が配置されている。出力端子201は、一方の電流経路によって第一集電部ET1と接続されており、出力端子202は、他方の電流経路によって第二集電部ET2と接続されている。
図2に示したように、第一集電部ET1と出力端子201とを接続する電流経路の途上には、第一集電部ET1側から順に第一リレーRL1、サービスプラグSP1が配置されている。また、第二集電部ET2と出力端子202とを接続する電流経路の途上には、第二集電部ET2側から順に第二リレーRL2、サービスプラグSP2が配置されている。
後に説明するように、サービスプラグSP1、SP2は一体形成されており、一つのサービスプラグSPを構成している。サービスプラグSPは安全装置の一つであって、作業者が引き抜きプラグSPP(図2では図示せず)を上方に引き抜くことで、第一集電部ET1と出力端子201との間、及び、第二集電部ET2と出力端子202との間を、いずれも電気的に遮断された状態とすることができるものである。
第一集電部ET1と第一リレーRL1とは集電バスバーCB1で接続されており、第二集電部ET2と第二リレーRL2とは集電バスバーCB2で接続されている。第一リレーRL1とサービスプラグSP1とは内部入力バスバーAB1で接続されており、第二リレーRL2とサービスプラグSP2とは内部入力バスバーAB2で接続されている。サービスプラグSP1と出力端子201とは内部出力バスバーOB1で接続されており、サービスプラグSP2と出力端子202とは内部出力バスバーOB2で接続されている。出力端子201、202は、DC−DCコンバータ4の入力端子425,426とそれぞれ接続されている。
続いて、図3を参照しながら、燃料電池装置2の具体的な形状について説明する。図3に示したように、燃料電池ケース200は略直方形状のケースであって、その長手方向が燃料電池車両1の左右方向に沿うように配置されている。燃料電池ケース200の内部には、複数の単セルが燃料電池車両1の左右方向に沿って積層された状態で収納されている。
燃料電池ケース200の側面に接続固定された補機ユニットAUは、燃料電池車両1の側面から見た場合において燃料電池ケース200と略同一の外形を有している。このため、燃料電池ケース200と補機ユニットAUとは、両者で一つの略直方形状をなしているということができる。
燃料電池ケース200のうち前方側の端部近傍には、燃料電池ケース200の上面よりも低い位置において水平なFC側シール面203が形成されている。FC側シール面203には、長辺が燃料電池車両1の左右方向に沿うように形成された略長方形状の貫通孔204が形成されている。燃料電池装置2が発電した電力をDC−DCコンバータ4に向けて出力するための出力端子201、202が、燃料電池車両1の左右方向に並ぶように配置されており、これらは貫通孔204から上方に向けて突出している。出力端子201、202の先端且つ中央寄りの部分には、それぞれ締結用ボルト穴220、221が形成されている。
燃料電池ケース200の上方部分であって、燃料電池車両1の左右方向における中央部分(換言すれば、燃料電池ケース200と補機ユニットAUとを含めた略直方形状の中央部分)には、サービスプラグSPが配置されている。サービスプラグSPは、燃料電池ケース200の上方に向けて突出しており、その一部が燃料電池車両1のセンタートンネルCTの内部空間に配置されている。
図2を参照しながら説明したように、サービスプラグSPと出力端子201、202とは、図3においては図示しない内部出力バスバーOB1、OB2によりそれぞれ接続されている。当該内部出力バスバーOB1、OB2は、燃料電池ケース200の外部に露出することのないよう、FCバスバーケース205の内部に収納されている。
FCバスバーケース205は、燃料電池ケース200の上面から前方側側面に亘るように配置されており、サービスプラグSPと燃料電池ケースとの間に配置される第一水平部205aと、第一水平部205aの前方側端部から下方に向けて延びる垂直部205bと、垂直部205bの下端から前方側に向けて延びる第二水平部205cとを有している。第一水平部205a、垂直部205b、及び第二水平部205cは、いずれも内部に空間が形成されており、互いに連通している。
第一水平部205a及び垂直部205bの上部は、サービスプラグSPの一部であるサービスプラグカバーSPCにより覆われている。サービスプラグカバーSPCは、第一水平部205a及び垂直部205bの上部に対しボルト締結により固定されている。サービスプラグカバーSPCを取り外すと、第一水平部205a及び垂直部205bの上部が開口した状態となり、第一水平部205a及び垂直部205bの内部空間にアクセスできるようになっている。本実施形態では、FCバスバーケース205の内部空間は、燃料電池ケース200の内部空間(燃料電池スタックFSTが配置されている空間)と連通している。
尚、FCバスバーケース205の内部の空間には、内部出力バスバーOB1、OB2の他、第一リレーRL1とサービスプラグSP1とを接続する内部入力バスバーAB1、及び、第二リレーRL2とサービスプラグSP2とを接続する内部入力バスバーAB2も配置されている。FCバスバーケース205の内部における各バスバーの配置については、後に詳しく説明する。
第二水平部205cは、先述のFC側シール面203及び貫通孔204がその上面に形成されている。貫通孔204から上方に突出する出力端子201、202は、第二水平部205cの内部空間内において、サービスプラグSPから延びる内部出力バスバーOB1、OB2とそれぞれ接続されている。
第二水平部205cの前方側側面には、第二水平部205cの内部空間に通じるサービスホールが形成されており、サービスカバー206が当該サービスホールを塞いでいる。サービスホールは、第二水平部205cの内部において、出力端子201等を内部出力バスバーOB1等に締結固定する作業を行うために形成された開口である。
サービスカバー206は、ボルトBT1、BT2により第二水平部205cに対して固定されている。このため、第二水平部205cの前方側側面からは、ボルトBT1、BT2が前方側に向かって突出している。
燃料電池ケース200には、第二水平部205cを左右両側から挟むように締結ベース207、208が形成されている。締結ベース207は、第二水平部205cの右側に位置しており、FC側シール面203と同一の高さにおいて水平な締結面209を有している。締結面209には、内部が雌螺子加工された二か所のボルト挿入穴210a、210cが形成されている。
締結ベース208は、第二水平部205cの左側に位置しており、FC側シール面203と同一の高さにおいて水平な締結面213を有している。締結面213には、内部が雌螺子加工された二か所のボルト挿入穴214a、214cが形成されている。
ボルト挿入穴210a、210c、214a、214cは、DC−DCコンバータ4を燃料電池ケース200に締結固定する際、締結固定用のボルトを挿入するために形成されたものである。
燃料電池ケース200の前方側側面には、2枚のFC側リブ217、218が、前方に向けて突出するように形成されている。FC側リブ217、218は互いに平行で且つ対向配置された薄板であって、締結ベース207及び締結ベース208を、その間に挟むような位置に形成されている。すなわち、FC側リブ217は締結ベース207よりも右側となる位置に形成されており、FC側リブ218は締結ベース208よりも左側となる位置に形成されている。
燃料電池ケース200の前方側は、図2に示したように階段状に形成されており、上面よりも低い位置において水平面FL1、FL2を有している。水平面FL1は燃料電池ケース200の前方側のうち右側に形成されており、その上部は右側柱PL1を配置するための空間となっている。右側柱PL1は、水平面FL1の上方において燃料電池車両1の右側から中央に向かって延び、その先端はFC側リブ217の近傍に位置している。
水平面FL2は燃料電池ケース200の前方側のうち左側に形成されており、その上部は左側柱PL2を配置するための空間となっている。左側柱PL2は、水平面FL2の上方において燃料電池車両1の左側から中央に向かって延び、その先端はFC側リブ218の近傍に位置している。
続いて、図4を参照し、燃料電池装置2の内部における具体的な構成を説明する。図4は、燃料電池装置2の内部構成の一部を示した図であって、第一集電部ET1、第二集電部ET2、第一リレーRL1、第二リレーRL2、サービスプラグSP、及びこれらを接続する各種バスバー(内部入力バスバーAB1等)を示している。一方、第一集電部ET1と第二集電部ET2との間に配置される燃料電池スタックFSTについては、図示を省略している。
第一集電部ET1はその前方側の一部が屈曲しており、水平なバスバー締結部FB1が形成されている。集電バスバーCB1は、端子台TBLの下方を左右方向に沿うように配置されており、その一端がバスバー締結部FB1に接続され、他端が第一リレーRL1に接続されている。
第二集電部ET2はその前方側の一部が屈曲しており、水平なバスバー締結部FB2が形成されている。集電バスバーCB2は、その一端がバスバー締結部FB2に接続され、他端が第二リレーRL2に接続されている。
図4に示したように、第一リレーRL1及び第二リレーRL2は、燃料電池ケース200の内部であり且つ燃料電池スタックFSTの前方側となる位置に配置されている。第一リレーRL1及び第二リレーRL2は、DC−DCコンバータ4の位置よりも左側となる位置において、左右方向に沿って互いに隣り合うように配置されており、いずれも燃料電池ケース200に対して固定されている。
図2を参照しながら既に説明したように、サービスプラグSPには、内部入力バスバーAB1、AB2、内部出力バスバーOB1、OB2という4本のバスバーが接続されている。図4に示したように、これら4本のバスバーはいずれも、サービスプラグSPの下端から前方側(燃料電池ケース200のうち、出力端子201、202が配置されている方の側面側)に向かって延びる上流部と、上流部の前方側端部から下方(出力端子201、202の近傍)に向かって延びる下流部とを有している。また、上流部と下流部との間には、側面視で円弧状に湾曲した湾曲部が形成されている。
以下の説明では、内部入力バスバーAB1、AB2の上流部をそれぞれ上流部AB1a、上流部AB2aと表記することがあり、内部入力バスバーAB1、AB2の下流部をそれぞれ下流部AB1b、下流部AB2bと表記することがある。同様に、内部出力バスバーOB1、OB2の上流部をそれぞれ上流部OB1a、上流部OB2aと表記することがあり、内部出力バスバーOB1、OB2の下流部をそれぞれ下流部OB1b、下流部OB2bと表記することがある。更に、内部入力バスバーAB1、AB2の湾曲部をそれぞれ湾曲部Ra1、Ra2と表記することがあり、内部出力バスバーOB1、OB2の湾曲部をそれぞれ湾曲部Ro1、Ro2と表記することがある。
上流部AB1a、AB2a、OB1a、OB2aは、その大部分が第一水平部205aの内部に配置される。下流部AB1b、AB2b、OB1b、OB2bは、その大部分が垂直部205bの内部に配置される。
図4に示したように、4本の上流部AB1a、AB2a、OB1a、OB2aは、上下方向に互いに重なる組が2組となるよう配置されており、当該組同士は互いに水平方向に離間している。すなわち、上下方向に2段重ねとなったバスバーの組が2組(上流部OB1aと上流部AB1aの組、及び、上流部OB2aと上流部AB2aの組)存在し、当該組同士が互いに水平方向(本実施形態では左右方向)に離間した状態で配置されている。
換言すれば、4本の上流部AB1a、AB2a、OB1a、OB2aは、上下方向に2本ずつ重なった状態で、上面視で2列となってサービスプラグSPから前方に向かうよう配置されている。具体的には、内部出力バスバーOB1と内部出力バスバーOB2とが同一の高さとなる位置に配置されており、これらが左右方向に離間した状態で互いに平行となっている。また、内部出力バスバーOB1の下方には内部入力バスバーAB1が配置され、内部出力バスバーOB2の下方には内部入力バスバーAB2が配置されている。内部入力バスバーAB1と内部入力バスバーAB2とは同一の高さとなる位置に配置されており、これらが左右方向に離間した状態で互いに平行となっている。
本実施形態では、4本の上流部AB1a、AB2a、OB1a、OB2aを以上のように配置しているため、4本の上流部が占める空間の幅(左右方向の幅)が小さくなっている。その結果、サービスプラグSP及び第一水平部205aの左右方向の幅も小さくなっており、燃料電池車両1のセンタートンネルCT内において広い空間が確保されている。これにより、本実施形態では、センタートンネルCT内に配置されたバッテリケーブル等と干渉することなく、サービスプラグSPに接続されるバスバーを配置することが可能となっている。
尚、本実施形態では、4本の上流部AB1a、AB2a、OB1a、OB2aのうち、上下方向に重なるバスバーの組を2組としたが、上下方向に重なるバスバーの組が1組以上あれば上記の効果を奏する。しかし、上下方向に重なるバスバーの組が2組であれば、4本の上流部が占める空間の左右方向の幅及び高さのバランスが適切なものとなるため、サービスプラグSP周囲の空間をより有効に利用することができる。
下流部AB1bは、高さ方向における略中央部分で湾曲しており、当該部分から下方の部分が下流部OB1bの右側に位置している。その結果、下流部AB1bの下端部近傍においては、下流部AB1bと下流部OB1bとは互いに平行になっており、左右方向に離間している。
同様に、下流部AB2bは、高さ方向における略中央部分で湾曲しており、当該部分から下方の部分が下流部OB2bの左側に位置している。その結果、下流部AB2bの下端部近傍においては、下流部AB2bと下流部OB2bとは互いに平行になっており、左右方向に離間している。
その結果、垂直部205bの下端部近傍から第二水平部205cの内部空間においては、下流部AB1b、AB2b、OB1b、OB2bが左右方向に沿って一列となっている。下流部AB1b、AB2b、OB1b、OB2bの下端部は、いずれも第二水平部205cの内部に設置された端子台TBLに接続されている。
端子台TBLは、第二水平部205cの内部において左右方向に沿って配置されている。端子台TBLにおいて、下流部OB1bと出力端子201とがボルト締結により互いに接続されている。同様に、下流部OB2bと出力端子202とがボルト締結により互いに接続されている。
内部入力バスバーAB1は、端子台TBLを挟んで二つの部分に分かれている。すなわち、サービスプラグSP1から端子台TBLまでを接続する部分(上流部AB1a及び下流部AB1b)と、端子台TBLから第一リレーRL1までを接続する部分(図4では図示省略)とに分かれている。これら二つの部分は、端子台TBLにおいてボルト締結により互いに接続されている。
同様に、内部入力バスバーAB2は、端子台TBLを挟んで二つの部分に分かれている。すなわち、サービスプラグSP2から端子台TBLまでを接続する部分(上流部AB2a及び下流部AB2b)と、端子台TBLから第二リレーRL2までを接続する部分(図4では図示省略)とに分かれている。これら二つの部分は、端子台TBLにおいてボルト締結により互いに接続されている。
本実施形態では、4本の下流部AB1b、AB2b、OB1b、OB2bを以上のように配置しているため、これら4本の下流部AB1b、AB2b、OB1b、OB2bを配置することによるバスバーの突出量(前方側に向かってバスバーが突出する量)が小さくなっている。すなわち、前後方向における垂直部205bの寸法(厚さ)が小さくなっているため、燃料電池装置2とDC−DCコンバータ4との間隔が狭くても、両者の間に4本の下流部AB1b、AB2b、OB1b、OB2bを配置することが可能となっている。
続いて、図5を参照しながら、湾曲部Ra1、Ra2、Ro1、Ro2の形状、及びこれら近傍の構成について説明する。図5は、燃料電池装置2の内部構成の一部を示した図であって、左右方向と垂直な面により燃料電池ケース200を切断した状態を模式的に示している。
図5に示したように、内部入力バスバーAB1の湾曲部Ra1と内部入力バスバーAB2の湾曲部Ra2とは、左右方向から見た場合においていずれも円弧状となるよう形成されており、両者の形状及び位置は同一となっている。また、内部出力バスバーOB1の湾曲部Ro1と内部出力バスバーOB2の湾曲部Ro2とは、左右方向から見た場合においていずれも円弧状となるよう形成されており、側面視における両者の形状及び位置は同一となっている。
燃料電池スタックFSTの上面、及び、出力端子201、202が配置された側の側面のいずれにも平行な方向(本実施形態では、燃料電池スタックFSTの積層方向と一致する)から見た場合において、湾曲部Ra1、Ra2、Ro1、Ro2の4つの曲率中心は全て同一の位置となっている。すなわち、これら湾曲部が同心円の一部をなすように配置されている。
その結果、上流部OB1aと上流部AB1aとの距離、及び、湾曲部Ro1と湾曲部Ra1との距離は、全体で略均一となっている。同様に、上流部OB2aと上流部AB2aとの距離、及び、湾曲部Ro2と湾曲部Ra2との距離も、全体で略均一となっている。
ここで、例えば湾曲部Ro1の曲率半径を湾曲部Ra1の曲率半径と同じとなるように形成した場合(図5に点線で示した)と比較すると、本実施形態では湾曲部Ro1と湾曲部Ra1との間が無駄に拡がることがないため、複数のバスバーがよりコンパクトに配置され、湾曲部Ro1の上方に広い空間が確保されている。
本実施形態では、燃料電池ケース200の内面のうち湾曲部Ro1、Ro2の上方となる位置に、燃料電池ケース200(FCバスバーケース205)の変形を抑制するための補強リブ250を形成している。補強リブ250は、垂直部205bの上端部近傍の壁面(内面)から後方側に向かって突出するように形成された突起であって、その上辺がサービスプラグカバーSPCの下面を支えている。このように、本実施形態では湾曲部Ro1の上方に広く確保された空間を有効に利用しており、FCバスバーケース205の強度を内側に形成した補強リブ250によって向上させている。その結果、FCバスバーケース205の外側には補強リブを形成する必要がないため、FCバスバーケース205の寸法が増大してしまうことが抑制されている。
補強リブ250は、前後方向と平行な板状の突起が、左右方向に沿って複数並ぶように形成されている。ただし、補強リブ250の形態としてはこのようなものに限られず、FCバスバーケース205の変形を抑制するようなものであれば様々な形態を採用することができる。例えば、左右方向に沿って形成された一本の棒状の突起であってもよい。また、サービスプラグカバーSPCの下面から、下方に向かって突出するように形成された突起であってもよい。
内部出力バスバーOB1と出力端子201との締結は、既に説明したように端子台TBLにおいて行われている。図5に示したように、かかる締結個所は、FC側シール面203よりも低い位置となっている。その結果、内部出力バスバーOB1と出力端子201との締結は、第二水平部205cの内部空間で行われている。
仮に、内部出力バスバーOB1と出力端子201との締結をFC側シール面203よりも高い位置(垂直部205bの内部)で行うような構成においては、締結用のボルト等を垂直部205bの内部に収納する必要があるため、垂直部205bが更に前方側に突出することとなる。しかし、本実施形態では、内部出力バスバーOB1と出力端子201との締結をFC側シール面203よりも低い位置で行っているため、垂直部205bが前方側に突出することが抑制されている。その結果、燃料電池装置2とDC−DCコンバータ4との間隔を狭くすることが可能となっている。
図3を再び参照しながら、サービスプラグSPの具体的な構成について説明する。既に説明したように、サービスプラグSPは、二つのサービスプラグSP1、SP2を一体形成したものであって、作業者が引き抜きプラグSPPを上方に引き抜くことで、第一集電部ET1と出力端子201との間、及び、第二集電部ET2と出力端子202との間を、いずれも電気的に遮断された状態とすることができるものである。
サービスプラグSPは、第一水平部205a及び垂直部205bの上部を覆うサービスプラグカバーSPCと、サービスプラグベースSPBと、引き抜きプラグSPPと、インターロックINCとを有している。
サービスプラグカバーSPCは、第一水平部205a及び垂直部205bの上部全体を覆うように形成されたフランジ部CFLと、フランジ部CFLから上方に向けて突出するように形成されたボックス部CBXとを有している。フランジ部CFLは、第一水平部205a及び垂直部205bの上端部に対し複数のボルトBTCにより締結固定されている。第一水平部205a及び垂直部205bの上端部、すなわち、フランジ部CFLと当接する部分には、平坦且つ水平なシール面が形成されている。フランジ部CFLの下面のうち上記シール面と当接する部分には、Oリングが挿入された溝が周状に形成されており、その内側には、ボックス部CBXの内部空間に繋がる開口が形成されている。このような構成により、FCバスバーケース205の内部に水が浸入することを防止している。
尚、第一水平部205a及び垂直部205bの上部は、燃料電池ケース200の上面から上方に向けて突出するように形成されている。燃料電池ケース200の上面には、第一水平部205aの後方側端部から後方に向かって延びる平行な二本のリブCRB1、CRB2が形成されている。リブCRB1、CRB2の上端面は、第一水平部205a及び垂直部205bの上端に形成されたシール面から同一の高さで連続する面として形成されている。第一水平部205a及び垂直部205bの上部と、これに繋がるリブCRB1、CRB2とが、全体で、燃料電池ケース200の上部を補強する補強リブとして機能している。
また、第一水平部205a及び垂直部205bの上端部に形成されたシール面は、一部が、サービスプラグカバーSPCを締結固定するための締結面となっている。すなわち、シール面と締結面とが同一の面となっている。このような構成により、誤差(面の加工誤差や、型形状の誤差等)が累積してシール面と締結面の相対高さが設計からずれてしまうことがなく、シール性能を確実に確保することが可能となっている。
垂直部205bの上端部とフランジ部CFLとの締結は、前後方向の位置が略同一となるように配置された2本のボルトBTCのみで行われている。ボルトBTCをこのように配置することで、垂直部205bの厚さ(前後方向に沿った寸法)を小さく形成することが可能となっている。尚、このようなボルトBTCの配置であっても、先述のように、補強リブ250によってFCバスバーケース205の変形に対する耐久性が確保されている。
第一水平部205a及び垂直部205bの上部にサービスプラグカバーSPCを装着する際には、第一水平部205a及び垂直部205bの上端面から上方に向けて突出する位置決めピンを、サービスプラグカバーSPCの下面に形成された位置決め穴に挿入することで、ボルト締結前の位置合わせが行われる。サービスプラグカバーSPCの上面のうち位置決め穴の直上となる部分には、上方に向けて突出するピン受け突起PBが形成されている。
図3に示したように、ピン受け突起PBの一つは、フランジ部CFLのうちボックス部CBXよりも前方側の部分において、右側寄りとなる位置に形成されている。一方、左側寄りとなる位置には形成されていない。ピン受け突起PBをこのように左右非対称に配置することで、センタートンネルCT内に配置されるバッテリケーブルを、ピン受け突起PBと干渉しないように引き回すことが可能となっている。
ボックス部CBXは、バスバーを収納するための空間が内部に形成されており、当該空間はFCバスバーケース205の内部空間と連通している。ボックス部CBXの内部には、第一水平部205aから延びる4つのバスバー(内部入力バスバーAB1、AB2、内部出力バスバーOB1、OB2)が収納されている。これら各バスバーは、ボックス部CBXの上部に形成された開口(図示せず)を通り、それぞれサービスプラグベースSPBに向かって延びるように配置されている。
サービスプラグベースSPBは、引き抜きプラグSPPを脱着可能に保持する部分であって、図6に示すように、フランジ部BFLと、フランジ部BFLから上方に向けて突出するように形成されたボックス部BBXとを有している。フランジ部BFLは、ボックス部CBXの上部に形成された開口を上方から封止するものであって、ボックス部CBXの上面に対し複数のボルトBTBにより締結固定されている。
ボックス部BBXは、その内部において、上方に向けて突出した略円筒形状の4つの端子ST1、ST2、ST3、ST4を有している。これらは、前後方向に沿って1列となるように配置されており、後方側から前方側に向かって、端子ST1、ST2、ST3、ST4の順に並んでいる。本実施形態では、4つの端子をこのように1列に配置することにより、サービスプラグSPの左右方向の幅を抑制している。
端子ST1はその下端が内部入力バスバーAB1と接続されており、端子ST2はその下端が内部出力バスバーOB1と接続されている。端子ST3はその下端が内部出力バスバーOB2と接続されており、端子ST4はその下端が内部入力バスバーAB2と接続されている。図6のように、ボックス部BBXから引き抜きプラグSPPが引き抜かれた状態においては、これら端子間はいずれも電気的に接続されていない状態であるから、第一集電部ET1と出力端子201との間、及び、第二集電部ET2と出力端子202との間は、いずれも電気的に遮断された状態となっている。
一方、図3に示したように、ボックス部BBXに引き抜きプラグSPPが装着された状態においては、引き抜きプラグSPPの内部に備えられた接続バスバーIB1(図示せず)によって端子ST1と端子ST2とが電気的に接続された状態となり、引き抜きプラグSPPの内部に備えられた接続バスバーIB2(図示せず)によって端子ST3と端子ST4とが電気的に接続された状態となる。すなわち、図3の状態においては、第一集電部ET1と出力端子201との間、及び、第二集電部ET2と出力端子202との間は、いずれも電気的に接続された状態となっている。
以上のように、サービスプラグSPは、第一集電部ET1と出力端子201との間を接続又は遮断するサービスプラグSP1と、第二集電部ET2と出力端子202との間を接続又は遮断するサービスプラグSP2とが、一体形成されたものである。以上の説明で明らかなように、サービスプラグSP1は、サービスプラグSPのうち端子ST1、端子ST2、及び接続バスバーIB1によって構成される部分である。また、サービスプラグSP2は、サービスプラグSPのうち端子ST3、端子ST4、及び接続バスバーIB2によって構成される部分である。
引き抜きプラグSPPは、サービスプラグベースSPBに対し上方から装着されており、その上端部には把持部SPGが形成されている。作業者は、把持部SPGを掴むことにより、引き抜きプラグSPPを上方に引き抜くことが可能となっている。
既に説明したように、サービスプラグSPは、燃料電池ケース200の上方に向けて突出しており、その一部が燃料電池車両1のセンタートンネルCTの内部空間に配置されている。図7に示したように、センタートンネルCTの天井CTTには略長方形状の開口SHLが形成されており、サービスプラグSPのうちボックス部BBXの一部が、開口SHLから上方に向けて突出するよう配置されている。すなわち、サービスプラグベースSPBのフランジ部BFLは天井CTTの下方に配置されており、引き抜きプラグSPPは天井CTTの上方に配置されている。
このような構成により、燃料電池車両1の室内側から引き抜きプラグSPPにアクセスすることが可能となっている。ただし、天井CTTの上方には、引き抜きプラグSPP及び開口SHLを覆うような保護カバーPCVが装着されており、保護カバーPCVを取り外した後でなければ、燃料電池車両1の室内側から引き抜きプラグSPPにアクセスすることができないようになっている。
図7に点線で示したように、サービスプラグベースSPBには、ボックス部BBXの側面から左右方向に向けて突出するリブBRB1、BRB2を形成してもよい。リブBRB1、BRB2は、いずれも天井CTTの下方となる位置に形成されており、上面視において、それぞれの先端位置が開口SHLよりも外側となるように形成される。
ボルトBTBを外して、サービスプラグベースSPBを燃料電池車両1の室内側から上方に持ち上げようとした場合、リブBRB1、BRB2の上部が天井CTTに当たることとなる。すなわち、サービスプラグベースSPBは僅かにしか持ち上げることができなくなっており、燃料電池車両1の室内側から活電部に対してアクセスされることを防止している。
図3に戻って説明を続ける。図3に示した点線DLは、フランジ部BFLの上面を通る仮想平面に対し、開口SHLの縁の形状を鉛直下方に向けて投影して描いたものである。同図で明らかなように、点線DLは、複数のボルトBTBのうち一部(左側に配置された2本)の直上を通っている。すなわち、複数のボルトBTBの一部が、上面視で開口SHLの縁と重なっているため、当該ボルトBTBを燃料電池車両1の室内側(センタートンネルCTの上方側)から取り外すことができないようになっている。
更に、複数のボルトBTBのうち1本(図示しない)は、ボックス部CBXの内側から上方に向けて挿入されており、ボックス部CBXの内側から締結されている。このため、当該ボルトBTBについても、燃料電池車両1の室内側からは取り外すことができないようになっている。
サービスプラグカバーSPCのうち垂直部205bの上方にある部分と、ボックス部CBXの上面と、引き抜きプラグSPPの上面には、それぞれ、換気膜AF1、AF2、AF3が形成されている。換気膜AF1、AF2、AF3は、樹脂により形成されたメッシュであって、水の浸入を防止しながら気体の通過を許容するものである。燃料電池スタックFSTから仮に水素ガスが漏洩したとしても、換気膜AF1、AF2、AF3を通過して外部に流出するため、水素ガスがFCバスバーケース205の内部やサービスプラグSPの内部に残留してしまうことがない。
インターロックINCは、引き抜きプラグSPPの状態(有無)を燃料電池車両1の制御装置が検知するためのセンサーであって、引き抜きプラグSPPの有無に応じてON/OFFが切り替わるスイッチを内蔵している。これにより、引き抜きプラグSPPが引き抜かれた状態であるにもかかわらず、燃料電池装置2の起動が行われてしまうこと等を防止することができる。
インターロックINCは、図示しないロック機構をも備えている。インターロックINCの下部はボックス部CBXの上面に固定されており、上部は引き抜きプラグSPPに対して固定されている。インターロックINCは、上記ロック機構が解除されていない状態においては、引き抜きプラグSPPが引き抜かれることを妨げるようになっている。
燃料電池車両1の室内から引き抜きプラグSPPを引き抜く際は、前席(運転席8又は助手席9)から引き抜きプラグSPPにアクセスすることとなる。本実施形態では、サービスプラグSPの前方側にインターロックINCを配置しているため、前席から上記ロック機構を解除する作業や、引き抜きプラグSPPを引き抜く作業を容易に行うことが可能となっている。
図8を参照しながら、インターロックINCの結線について説明する。図8はサービスプラグSP近傍の構成を説明するための図である。インターロックINCは二つの電極端子IT1、IT2を有しており、引き抜きプラグSPPの状態に応じた信号が電極端子IT1、IT2から制御装置に出力される。電極端子IT1、IT2は、インターロックINCの下端からボックス部CBXの内部に向けて突出している。
ボックス部CBXの内部には、燃料電池ケース200内部に配置された各構成機器に繋がる接地部GDが備えられている。電極端子IT2は、インターロックINCの接地端子であって、導線L2により接地部GDと接続されている。
電極端子IT1には導線L1の一端が接続されている。また、導線L2には導線L3の一端が結線されている。導線L1及び導線L3は、いずれもボックス部CBXの上面に設けられたグロメットGRMを貫き、ボックス部CBXの上方に向かって延びている。導線L1及び導線L3は、コネクタCNを介して制御装置に接続されている。また、導線L3は、燃料電池車両1の室内に配置された接地ラインにも接続されている。
このような構成により、グロメットGRMを貫く導線の数を2本のみとしながらも、燃料電池車両1の室内に配置された接地ラインをボックス部CBXの内部に導くことが可能となっている。
図9を参照しながら、本実施形態とは別の実施形態に係る燃料電池装置2aの構成を説明する。燃料電池装置2aは、サービスプラグSPの形状においてのみ燃料電池装置2と異なっている。
燃料電池装置2aのサービスプラグSPは、サービスプラグカバーSPCの下方にサービスプラグケースSPC2を有している。サービスプラグカバーSPCとサービスプラグケースSPC2とで一つの筺体を構成しており、かかる筺体がボックス部CBXの上面に取り付けられている。
このような構成においては、筺体が底板を有するため、筺体とFCバスバーケース205との境界部分全体をシール面とする必要がない。すなわち、燃料電池装置2のサービスプラグカバーSPCは、FCバスバーケース205との境界部分全体にわたる大きなシール面及びOリングを配置する必要があった。これに対し、燃料電池装置2aの上記構成においては、筺体の底板の一部にバスバーを通すための最低限の大きさを有する開口を設けた上で、当該開口の周囲を囲む程度のシール面及びOリングを配置すればよい。
尚、このような構成においては、筺体の底板の一部において換気膜AF1等と同様な換気膜AF4を備えることで、筺体の内部空間とFCバスバーケース205内部空間とが連通する経路を更に確保してもよい。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、前述した各具体例が備える各要素およびその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。