JP2010044993A - 熱陰極およびそれを備えるイオン源 - Google Patents

熱陰極およびそれを備えるイオン源 Download PDF

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Abstract

【課題】 同軸構造の熱陰極の内部導体の温度上昇を抑制して、内部導体の寿命ひいては熱陰極の寿命を長くする。
【解決手段】 この熱陰極10は、中空の外部導体2と、その内側に同軸状に配置されている中空の内部導体1と、両導体1、2の先端部を電気的に接続する接続導体3とを備えている。加熱電流IH は、接続導体3を通して折り返されて、外部導体2と内部導体1とで互いに逆向きに流される。
【選択図】 図2

Description

この発明は、例えば、イオンビームを発生させるイオン源、プラズマを発生させるプラズマ源、電子ビームを発生させる電子ビーム源等に用いられるものであって、熱電子を放出する熱陰極、および、それを備えるイオン源に関する。
筒状の外部導体と、この外部導体の内側に同軸状に配置されている中実(中が詰まっていて中空でないこと)構造の内部導体(中心導体)と、この外部導体の先端部と内部導体の先端部とを電気的に接続する接続導体とを備えている同軸構造の熱陰極であって、加熱電流が、接続導体を通して折り返されて、外部導体と内部導体とで互いに逆向きに流される熱陰極、および、それを備えるイオン源が、例えば特許文献1に記載されている。
この特許文献1に記載の熱陰極によれば、(a)外部導体と内部導体とが同軸状であり、かつ外部導体と内部導体とで加熱電流が互いに逆向きに流されるので、両導体に流れる加熱電流が発生させる磁界が相殺し合い、当該熱陰極全体として見れば、加熱電流を流すことによって発生する磁界を小さく抑えることができるので、熱電子を放出しやすくなる、(b)熱陰極の先端部(即ち接続導体付近)等の体積を、線材(棒材とも言える)によって形成されている公知のフィラメントに比べて大きくすることができるので、陰極寿命を長くすることができる、等の効果を奏するとされている。
特開2006−54108号公報(段落0020、0022〜0023、図2)
上記熱陰極においては、内部導体の温度が、外部導体からの放射熱を受けて当該外部導体の温度よりも大きく上昇するので、熱電子放出量を多くするために加熱電流を大きくすると、内部導体の温度が当該内部導体を構成する材料の融点以上になって、内部導体が短時間で溶融、溶断する可能性があり、従って内部導体の寿命ひいては熱陰極の寿命が短いという課題がある。
そこでこの発明は、同軸構造の熱陰極の内部導体の温度上昇を抑制して、内部導体の寿命ひいては熱陰極の寿命を長くすることを主たる目的としている。
この発明に係る熱陰極の一つは、加熱電流が流されて熱電子を放出する熱陰極であって、中空の外部導体と、前記外部導体の内側に同軸状に配置されている中空の内部導体と、前記外部導体の先端部と前記内部導体の先端部とを電気的に接続する接続導体とを備えており、かつ前記加熱電流は、前記接続導体を通して折り返されて、前記外部導体と前記内部導体とで互いに逆向きに流されることを特徴としている。
この熱陰極においては、内部導体が中空であるので、中実の場合に比べて、内部導体の質量や断面積が大きくなるのを抑えつつ、内部導体の太さを大きくすることができる。その結果、内部導体の単位表面積当たりの熱の集中を抑制して、内部導体の温度上昇を抑制することができる。
外部導体の先端部と内部導体の先端部とを接続導体で接続する代わりに、両先端部を電気的に直接接続しても良い。
内部導体は、外部導体よりも融点の高い材料で形成されていても良い。
この発明に係るイオン源は、上記熱陰極を、プラズマ生成用の陰極として備えている。
請求項1、2に記載の発明によれば、内部導体が中空であるので、中実の場合に比べて、内部導体の質量や断面積が大きくなるのを抑えつつ、内部導体の太さを大きくすることができる。その結果、内部導体の単位表面積当たりの熱の集中を抑制して、内部導体の温度上昇を抑制することができる。従って、内部導体の寿命ひいては熱陰極の寿命を長くすることができる。
更に、請求項2に記載の発明によれば次の効果を奏する。即ち、外部導体の先端部と内部導体の先端部とを、接続導体を用いずに、電気的に直接接続しているので、接続導体を用いる場合に比べて、熱陰極の先端部の体積を小さくすることができる。その結果、熱陰極の熱容量を小さくし、温度制御時の時定数を小さくして、温度制御の応答性をより良くすることができる。
請求項3に記載の発明によれば次の更なる効果を奏する。即ち、内部導体は外部導体よりも温度が高くなるけれども、内部導体は外部導体よりも融点の高い材料で形成されているので、内部導体の耐熱性が高く、従って内部導体の寿命ひいては熱陰極の寿命をより長くすることができる。また、熱陰極の運転範囲をより広くすることもできる。
請求項4に記載の発明によれば、上記のような熱陰極をプラズマ生成用の陰極として備えているので、請求項1、2または3記載の発明について上述した効果と同様の効果を奏することができる。
図1は、この発明に係る熱陰極を備えるイオン源の一実施形態を示す概略断面図である。このイオン源20は、プラズマ32の生成用の陰極として、熱陰極10を備えている。即ちこのイオン源20は、熱陰極10からアノードを兼ねるプラズマ生成容器22内へ熱電子を放出させ、熱陰極10とプラズマ生成容器22との間でアーク放電を生じさせて、プラズマ生成容器22内へ導入されたガス(蒸気の場合を含む)30を電離させてプラズマ32を生成し、このプラズマ32からイオン引出し口34を通して引出し電極系36によってイオンビーム38を引き出すよう構成されている。
イオン引出し口34は、この実施形態では、図1中において上下方向に長い形状をしており、イオン源20はリボン状のイオンビーム38を引き出すことができる。イオン引出し口34は、より具体的にはこの実施形態では、上記上下方向に長いスリット状をしている。
引出し電極系36は、図示例では1枚の電極で構成されているが、それに限られるものではなく、複数枚の電極で構成されていても良い。
熱陰極10は、後で図2〜図6を参照して詳述するけれども、共に中空の外部導体2および内部導体1を有する同軸構造をしている。この熱陰極10は、イオン引出し口34の長手方向に沿うように(例えば実質的に平行になるように)、プラズマ生成容器22内に、例えば全長の半分以上が挿入されている。熱陰極10がプラズマ生成容器22を貫通する部分は、この実施形態では電気絶縁物24によって絶縁されている。但し、電気絶縁物24を用いずに、空間絶縁(例えば1mm程度またはそれ以下の隙間による絶縁)によって、熱陰極10とプラズマ生成容器22との間を電気的に絶縁しても良い。熱陰極10の長手方向の端部の内で、プラズマ生成容器22内に位置する側の端部が先端部10aである。
熱陰極10の外部導体2と内部導体1との間には、加熱電流IH を流す(供給する)加熱電源26が接続されている。より具体的にはこの実施形態では、加熱電源26は直流電源であって、その正極が外部導体2に、負極が内部導体1にそれぞれ接続されている。熱陰極10は、より具体的にはそれを構成する外部導体2および内部導体1は(図2、図3の実施形態の場合は更に接続導体3も)、上記加熱電流IH によって発熱して、プラズマ生成容器22内に熱電子を放出する。
熱陰極10(より具体的にはこの実施形態ではその内部導体1)とプラズマ生成容器22との間には、両者間に直流電圧を印加して、上記アーク放電を生じさせてアーク電流を流す直流のアーク電源28が、プラズマ生成容器22を正極側にして接続されている。
イオン源20は、この実施形態では更に、プラズマ生成容器22内であって熱陰極10とは反対側の部分に、電子を反射させる反射電極40を有している。42は電気絶縁物である。熱陰極10と反射電極40とを結ぶ軸48は、イオン引出し口34の長手方向に沿っている(例えば実質的に平行である)。更にこの実施形態では、プラズマ生成容器22内には、その外部に設けた磁石44によって、上記軸48に沿う方向の磁界46が印加される。磁界46の向きは図示とは逆でも良い。
磁界46は、プラズマ32中の電子やイオンが当該磁界46と交差する方向に拡散するのを抑制して、密度の高いプラズマ32を生成することに、換言すればプラズマ32の生成効率を高めることに寄与する。反射電極40も、熱陰極10から放出された電子(熱電子)やプラズマ32中の電子を反射させて、当該電子とガス分子との衝突確率を高めて、密度の高いプラズマ32を生成することに、換言すればプラズマ32の生成効率を高めることに寄与する。
次に、上記熱陰極10の幾つかの実施形態を図2〜図6を参照して説明する。
図2に示す熱陰極10は、中空の外部導体2と、この外部導体2の内側に同軸状に配置されている中空の内部導体1と、外部導体2の先端部と内部導体1の先端部とを電気的に接続する接続導体3とを備えている。そして、上記加熱電源26から供給される加熱電流IH は、接続導体3を通して折り返されて、外部導体2と内部導体1とで互いに逆向きに流される。外部導体2および内部導体1は、共に筒状(但し以下に述べるように、横断面が円形に限られるものではない)をしていると言うこともできる。なお、内部導体1を外部導体2に対して所定の位置に位置決めする支持部材の図示は省略している。後述する他の実施形態においても同様である。
外部導体2および内部導体1は、この実施形態では、横断面が共に円形をしているが、それに限られるものではなく、横断面が共に楕円形や多角形等をしていても良い。また、熱陰極10以外のイオン源20を構成するプラズマ生成容器22等による熱陰極10への熱放射の影響を加味した上で、外部導体2と内部導体1との横断面形状を互いに若干異なるようにしても良い。以上のことは、図3〜図5に示す実施形態においても同様である。
接続導体3は、環状をしている。より具体的にはこの実施形態では円環状をしているが、それに限られるものではなく、要は外部導体2および内部導体1の横断面形状に合わせれば良い。
接続導体3は、この実施形態では、外部導体2の先端部と内部導体1の先端部との間に嵌合して結合している。この接続導体3と外部導体2および内部導体1との結合は、例えば、嵌合による結合のみでも良いし、嵌合と溶接を併用しても良い。溶接を併用すると、結合の信頼性が向上する。
外部導体2、内部導体1および接続導体3は、それぞれ、例えば、モリブデン(融点2896K)、タンタル(融点3290K)、タングステン(融点3695K)、レニウム(融点3459K)、イリジウム(融点2739K)のような高融点金属またはこられの金属の内の二つ以上を含む合金等の高融点材料で形成するのが好ましい。図3〜図5に示す実施形態においても同様である。
この熱陰極10においては、内部導体1が中空であるので、中実の場合に比べて、内部導体1の質量や断面積が大きくなるのを抑えつつ、内部導体1の太さ(例えば外径)を大きくすることができる。その結果、内部導体1の単位表面積当たりの熱の集中を抑制して、内部導体1の温度上昇を抑制することができる。従って、内部導体1の寿命ひいては熱陰極10の寿命を長くすることができる。
仮に、内部導体を中空ではなく、単に中実で直径の大きい棒状や、中実で直径の小さい棒の集合体にした場合は、(a)内部導体の質量が大きくなって熱容量が大きくなるので、温度制御時の時定数が大きくなって熱陰極10の温度制御の応答性が悪くなる、(b)内部導体の断面積が大きくなって電気抵抗が小さくなるので、熱陰極に投入できる電力が小さくなり、熱陰極10の温度が十分に上がらなくなる、等の不都合が発生するけれども、内部導体1を中空にすることによってこのような不都合の発生を防止することができる。
内部導体1の温度を、図6に示したモデルを用いて式で説明する。ここでは、熱陰極10の軸方向における温度勾配は無視することにする。
この場合、間隔に比べて十分に大きな面積を有している二つの物体が放射のやりとりをしている場合における公知の関係式に従って(例えば、北村健三、大竹一友、「基礎伝熱工学」、初版、共立出版株式会社、1991年12月25日、頁146−148参照)、内部導体1の正味の(即ち内部導体1が放射する熱量から内部導体1が吸収する熱量を引いた)放射熱Q1 は、数1で表すことができる。ここで、a、bはそれぞれ円筒状の内部導体1、外部導体2の半径(厚さは無視)、E1 、E2 はそれぞれ内部導体1、外部導体2の放射エネルギー、ε1 、ε2 はそれぞれ内部導体1、外部導体2の放射率、T1 、T2 はそれぞれ内部導体1、外部導体2の温度、σはステファン・ボルツマン定数である。
Figure 2010044993
内部導体1において放射平衡(即ち、内部導体1が放射する熱量と内部導体1が吸収する熱量とが等しい状態)が実現していて内部導体1の温度が平衡を保っているとすると、上記Q1 =0と置くことができるので、これと数1とから、数2が得られ、更に数3が得られ、これによって内部導体1の温度T1 を求めることができる。
Figure 2010044993
Figure 2010044993
この数3から、内部導体1の半径aを大きくすると(但し、外部導体2の半径bよりも小さく、かつ電気絶縁に必要なギャップを確保できることが条件)、その温度T1 を下げられることが分かる。具体的には、内部導体1の半径aを外部導体2の半径bに近づけると、内部導体1の温度T1 は外部導体2の温度T2 に近づくことが分かる。
例えば、内部導体1および外部導体2がタングステン(融点3695K)で形成されていて、所要の熱電子量を得る場合の外部導体2の温度T2 が3000Kであるとする。
この場合、仮に、外部導体2の半径bを2.5mmとし、内部導体1を従来例のように中実としてその半径aを1.0mmとすると、上記数3からT1 =1.257×3000=3771[K]となり、タングステンの上記融点を超えてしまう。
しかしながら、外部導体2の半径bを同じく2.5mmとし、内部導体1をこの発明に従って中空(筒状)としてその半径を2.0mmとすると、上記数3からT1 =1.057×3000=3171[K]となり、タングステンの上記融点よりも十分に低い温度となる。
再び図1、図2を参照して、上記熱陰極10は、更に次のような効果も奏する。即ち、外部導体2と内部導体1とが同軸状であり、かつ外部導体2と内部導体1とで加熱電流IH が互いに逆向きに流されるので、両導体2、1に流れる加熱電流IH が発生させる磁界が相殺し合い、当該熱陰極10全体として見れば、加熱電流IH を流すことによって発生する磁界を小さく抑えることができる。従って、当該磁界に熱電子が捕捉されにくくなるので、熱電子を放出しやすくなる。
また、このような熱陰極10を備えているイオン源20においては、磁石44によってプラズマ生成容器22内に印加する磁界46が、熱陰極10が発生する磁界によって乱されるのを小さく抑制することができるので、プラズマ生成容器22内に、図1に示す例のように、イオン引出し口34に沿っていて、かなりシャープで高密度な円柱状のプラズマ32を生成することができる。その結果、当該プラズマ32からイオン引出し口34を通してイオンビーム38を効率良く引き出すことができるので、イオンビーム38のビーム電流を大きくすることが容易になる。
これに対して、上記熱陰極10の代わりに、公知のU字状のフィラメントを設けた場合は、図示していないけれども、当該フィラメントに加熱電流を流すことによって強い磁界が広範囲に発生し、これが上記磁界46を大きく乱すので、プラズマ32はプラズマ生成容器22内において大きく広がったものとなり、その密度も低くなる。その結果、イオンビーム38のビーム電流は、上記熱陰極10を用いる場合に比べてかなり小さくなる。
更に、上記熱陰極10においては、熱陰極10の先端部10a(即ち接続導体3付近)等の体積を、線材(棒材とも言える。以下同様)によって形成されている公知のフィラメントに比べて大きくすることができるので、熱陰極10の寿命を長くすることができる。
次に、熱陰極10の他の実施形態を、図2に示した実施形態と同一または相当する部分には同一符号を付して、図2に示した実施形態との相違点を主体に説明する。
図3に示す熱陰極10は、外部導体2の先端部と内部導体1の先端部とを、盤状の接続導体3によって電気的に接続している。この接続導体3の平面形状は、この実施形態では円形をしているが(即ち接続導体3は円盤状をしているが)、それに限られるものではなく、要は外部導体2および内部導体1の横断面形状に合わせれば良い。
接続導体3は、この実施形態では、外部導体2の先端部と内部導体1の先端部とに嵌合して結合している。即ち、接続導体3は、内部導体1の先端部に被せるように嵌合すると共に、外部導体2の先端部内に嵌合している。この接続導体3と外部導体2および内部導体1との結合は、例えば、嵌合による結合のみでも良いし、嵌合と溶接を併用しても良い。溶接を併用すると、結合の信頼性が向上する。
図4、図5に示す熱陰極10においては、上記接続導体3を用いずに、外部導体2の先端部と内部導体1の先端部とを電気的に直接接続している。
より具体的には、図4に示す熱陰極10では、外部導体2の先端部を内側に絞っておくことによって、内部導体1の先端部と接触させて、両先端部を互いに電気的に接続している接続部4を形成している。
図5に示す熱陰極10では、内部導体1の先端部を外側に広げておくことによって、外部導体2の先端部と接触させて、両先端部を互いに電気的に接続している接続部4を形成している。
上記接続部4における両導体1、2の先端部の接続は、嵌め合いによる接続だけでも良いし、それと溶接を併用しても良い。溶接を併用すると、接続の信頼性が向上する。
前述した熱陰極10の温度制御の応答性の観点から、図2〜図5に示した各熱陰極10を比べると、図4、図5に示した熱陰極10では、外部導体2の先端部と内部導体1の先端部とを、接続導体を用いずに、電気的に直接接続しているので、接続導体3を用いた図2、図3の熱陰極10に比べて、熱陰極10の先端部10aの体積を小さくすることができる。その結果、熱陰極10の熱容量を小さくし、温度制御時の時定数を小さくして、温度制御の応答性をより良くすることができる。
共に接続導体3を用いた図2と図3の熱陰極10を比べると、図2の熱陰極10の方が接続導体3の質量が小さくて熱容量が小さいので、応答性が良い。但し、図3の熱陰極10でも、陰極をフィラメントによって加熱する傍熱型陰極に比べれば応答性は良い。
熱陰極10の温度制御の応答性の善し悪しは、例えば1〜2秒程度の差であるけれども、当該熱陰極10を有するイオン源20が例えばイオン注入装置に用いられている場合、注入条件を1日に多数回(例えば何十回というオーダー。以下同様)変えるためにイオン源20の立ち上げ、立ち下げを1日に多数回行うようなこともあり、その場合は熱陰極10の上記応答性がイオン注入装置のスループットにも影響する。従って、熱陰極10の上記応答性が良い方が好ましい。
なお、図4、図5に示す熱陰極10の場合、接続導体3を用いていない分、先端部10aの体積は図2、図3に示す熱陰極10よりも小さくなり、寿命の点では幾分不利になるけれども、これは例えば接続部4を軸方向に長く取ることによってある程度は補うことができる。また、線材によって形成されている公知のフィラメントに比べれば、当該フィラメントよりかは先端部10a等の体積を大きくすることができるので、熱陰極10の寿命を長くすることができる。
上記いずれの実施形態においても、内部導体1を、外部導体2よりも融点の高い材料で形成しておいても良い。上記数3からも分かるように、内部導体1は必ず外部導体2よりも温度が高くなるので、内部導体1を外部導体2よりも融点の高い材料で形成しておくことによって、内部導体1の耐熱性を高くして、内部導体の寿命ひいては熱陰極の寿命をより長くすることができる。また、熱陰極10の運転範囲をより広くすることもできる。
前述した材料の内で、内部導体1の融点が外部導体2の融点よりも高い関係を満たす材料の組み合わせの例を表1、表2に示す。表1は接続導体3を有する場合、表2は接続導体3を有していない場合である。但しこれらはあくまでも例であり、ここで示した材料以外を使用することもできる。
また、表1、表2には、各組み合わせについて、熱陰極10の寿命等の観点(即ち、上述したように熱陰極10の寿命や熱陰極10の運転範囲を広くする観点)から好ましいという順位と、それに材料の加工性(即ち加工の難易)も考慮して好ましい順位とを併せて示している。数字の小さい順位の方がより好ましい。但しこの順位はあくまでも一例であり、この発明は必ずしもこの順位に拘束されるものではない。
Figure 2010044993
Figure 2010044993
図1に示すイオン源20は、上記各実施形態に示したような熱陰極10を、プラズマ32の生成用の陰極として備えているので、上記各実施形態の熱陰極10が奏する上記効果と同様の効果を奏することができる。
但し、上記熱陰極10は、図1に示したイオン源20以外のイオン源にも適用することができる。例えば、反射電極40を有していないイオン源や、熱陰極を複数有しているイオン源にも適用することができる。また、イオン源以外にも、熱陰極10から放出させた熱電子を利用してプラズマを発生させるプラズマ源、熱陰極10から放出させた熱電子を利用して電子ビームを発生させる電子ビーム源等にも適用することができる。
この発明に係る熱陰極を備えるイオン源の一実施形態を示す概略断面図である。 熱陰極の一実施形態を加熱電源と共に示す図であり、(A)は縦断面図、(B)は下から見た正面図である。 熱陰極の他の実施形態を加熱電源と共に示す図であり、(A)は縦断面図、(B)は下から見た正面図である。 熱陰極の更に他の実施形態を加熱電源と共に示す図であり、(A)は縦断面図、(B)は下から見た正面図である。 熱陰極の更に他の実施形態を加熱電源と共に示す図であり、(A)は縦断面図、(B)は下から見た正面図である。 熱陰極の外部導体および内部導体の一例を示す横断面図である。
符号の説明
1 内部導体
2 外部導体
3 接続導体
4 接続部
10 熱陰極
20 イオン源
26 加熱電源
H 加熱電流

Claims (4)

  1. 加熱電流が流されて熱電子を放出する熱陰極であって、
    中空の外部導体と、
    前記外部導体の内側に同軸状に配置されている中空の内部導体と、
    前記外部導体の先端部と前記内部導体の先端部とを電気的に接続する接続導体とを備えており、
    かつ前記加熱電流は、前記接続導体を通して折り返されて、前記外部導体と前記内部導体とで互いに逆向きに流されることを特徴とする熱陰極。
  2. 加熱電流が流されて熱電子を放出する熱陰極であって、
    中空の外部導体と、
    前記外部導体の内側に同軸状に配置されている中空の内部導体とを備えており、
    前記外部導体の先端部と前記内部導体の先端部とを電気的に直接接続しており、
    かつ前記加熱電流は、前記外部導体と内部導体との接続部で折り返されて、前記外部導体と前記内部導体とで互いに逆向きに流されることを特徴とする熱陰極。
  3. 前記内部導体は、前記外部導体よりも融点の高い材料で形成されている請求項1または2記載の熱陰極。
  4. 請求項1、2または3記載の熱陰極を、プラズマ生成用の陰極として備えているイオン源。
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