JP2010044984A - 誘導加熱装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】鍋底の加熱分布を容易に変化させることができ、しかも小型で低コストな部品を用いることが可能な誘導加熱装置を提供する。
【解決手段】加熱コイル3と、この加熱コイルを付勢する高周波変換回路4と、交流電源に接続され上記高周波変換回路に整流出力を供給する整流手段6と、上記加熱コイルに対して略同心に配置された導電性リング7と、この導電性リングの通電抵抗を変更する通電抵抗変更手段8と、上記交流電源のゼロクロスを検出する、または該ゼロクロスの近傍における電圧の絶対値が所定値を下回ったことを検出する検出手段9(9A)と、この検出手段の検出結果に基づいて上記通電抵抗変更手段を作動させる制御手段10とを備えるようにした。
【選択図】図1
【解決手段】加熱コイル3と、この加熱コイルを付勢する高周波変換回路4と、交流電源に接続され上記高周波変換回路に整流出力を供給する整流手段6と、上記加熱コイルに対して略同心に配置された導電性リング7と、この導電性リングの通電抵抗を変更する通電抵抗変更手段8と、上記交流電源のゼロクロスを検出する、または該ゼロクロスの近傍における電圧の絶対値が所定値を下回ったことを検出する検出手段9(9A)と、この検出手段の検出結果に基づいて上記通電抵抗変更手段を作動させる制御手段10とを備えるようにした。
【選択図】図1
Description
この発明は電磁誘導作用により、例えば鍋などの調理器具を加熱して種々の調理を行う誘導加熱調理器等として好ましく用いることができる誘導加熱装置に関する。
従来の誘導加熱装置である誘導加熱調理器として、一平面内にて渦巻き状に巻回された加熱コイルに交番電流を通電し、周囲に発生する交番磁界の作用により、前記加熱コイルの一側に近接する導電材料製の容器に収納された被加熱物を加熱調理する誘導加熱調理器において、前記加熱コイルと略平行な面内に近接配置され、該加熱コイルと略同心をなす導電材料製のリング(以下、導電性リングという)を具備し、またその導電性リングの通電抵抗を変更する手段を備えることで、加熱コイルへの通電により発生する磁場強度の分布を平坦化し被加熱物の加熱むらの発生を緩和する一方、均等な加熱と加熱むらのある局所加熱状態とを選択し得るようにしたものがある(例えば特許文献1参照)。
上記のような従来の誘導加熱装置においては、導電性リングには加熱コイルで発生した磁界の作用により2次電流が発生し、導電性リング近傍の磁場を弱めることで、調理器具の底部の発熱分布を変化させているが、導電性リングの通電抵抗の変更を加熱コイルに高周波電流が流れている状態で行うと、加熱コイルに流れる高周波電流と導電性リングに流れる2次電流に急激な変化が発生するため、加熱コイルに高周波電流を流すための高周波変換回路や導電性リングの通電抵抗を変更する手段に劣化が生じる。そのため、高周波変換回路や導電性リングの通電抵抗を変更する手段は急激な電流変化に耐え得る大型で高コストな部品が必要となる。なお、加熱コイルに高周波電流が流れていない状態としてから、導電性リングの通電抵抗を変更することで、上記課題を一応は解決できるものの、調理器具の加熱を一旦停止せねばならず、それにより調理の不具合が発生するという問題があった。
この発明は上記のような従来技術の課題を解消するためになされたもので、導電性リングの通電抵抗変更手段として小型で低コストな部品を使用することができ、しかも被加熱物の加熱を一旦停止することなく、発熱分布を変化させることができる誘導加熱装置を提供することを目的としている。
この発明に係る誘導加熱装置は、加熱コイルと、この加熱コイルを付勢する高周波変換回路と、交流電源に接続され上記高周波変換回路に整流出力を供給する整流手段と、上記加熱コイルに対して略同心に配置された導電性リングと、この導電性リングの通電抵抗を変更する通電抵抗変更手段を備えると共に、上記交流電源のゼロクロスを検出する、または該ゼロクロスの近傍における電圧の絶対値が所定値を下回ったことを検出する検出手段を備えており、制御手段はこの検出手段の検出結果に基づいて上記通電抵抗変更手段を作動させるように構成されている。
この発明においては、通電抵抗変更手段を交流電源のゼロクロスまたはゼロクロス近傍における電圧の絶対値が所定値を下回ったことを検出して制御するようにしたことにより、加熱コイルに流れる高周波電流が小さくなる時点で導電性リングの通電抵抗が変更されるので、通電抵抗の変更時における導電性リングに流れる2次電流と加熱コイルに流れる高周波電流の変化量を何れも小さくすることができる。このため、導電性リングの通電抵抗変更手段と高周波変換回路に小型で低コストな部品を用いることができる。また、被加熱物の加熱を一旦停止することなく発熱分布を変化させることができる。
実施の形態1.
図1〜図6はこの発明の実施の形態1に係る誘導加熱装置としての誘導加熱調理器を説明する図であり、図1は誘導加熱調理器の要部構成を示す回路図、図2は導電性リングとその通電抵抗変更手段を概念的に示す回路図、図3〜図6は動作説明図である。図において、誘導加熱調理器は、アルミ、銅、鉄等の導電性材料を用いた鍋等の調理器具1を載せるトッププレート2と、トッププレート2の下部に配設され調理器具1を加熱する渦巻き状の加熱コイル3と、この加熱コイル3を付勢する高周波変換回路4と、この高周波変換回路4に整流出力を供給する商用交流電源入力部5に接続された整流手段6と、上記加熱コイル3とトッププレート2の間に設けられ、加熱コイル3に対して略同心に配置された導電性リング7と、この導電性リング7の通電抵抗を変更するための通電抵抗変更手段8と、交流電源の電圧のゼロクロス点を検出する検出手段であるゼロクロス検出手段9と、このゼロクロス検出手段9の検出結果に基づいて通電抵抗変更手段8を切換えるように動作させる制御手段10と、制御電圧生成手段11などから構成されている。
図1〜図6はこの発明の実施の形態1に係る誘導加熱装置としての誘導加熱調理器を説明する図であり、図1は誘導加熱調理器の要部構成を示す回路図、図2は導電性リングとその通電抵抗変更手段を概念的に示す回路図、図3〜図6は動作説明図である。図において、誘導加熱調理器は、アルミ、銅、鉄等の導電性材料を用いた鍋等の調理器具1を載せるトッププレート2と、トッププレート2の下部に配設され調理器具1を加熱する渦巻き状の加熱コイル3と、この加熱コイル3を付勢する高周波変換回路4と、この高周波変換回路4に整流出力を供給する商用交流電源入力部5に接続された整流手段6と、上記加熱コイル3とトッププレート2の間に設けられ、加熱コイル3に対して略同心に配置された導電性リング7と、この導電性リング7の通電抵抗を変更するための通電抵抗変更手段8と、交流電源の電圧のゼロクロス点を検出する検出手段であるゼロクロス検出手段9と、このゼロクロス検出手段9の検出結果に基づいて通電抵抗変更手段8を切換えるように動作させる制御手段10と、制御電圧生成手段11などから構成されている。
整流手段6はダイオードブリッジ61と、力率コンデンサ62と、ダイオードブリッジ61と力率コンデンサ62との間に接続されたチョークコイル63によって構成されている。なお、この例では力率コンデンサ62として9μF、チョークコイル63として100μHのものが用いられている。高周波変換回路4は直列に接続されたスイッチング素子(IGBT)41、42と、該スイッチング素子41、42に対して各並列に接続されたダイオード43、44と、低電位側のスイッチング素子42と並列に接続されたスナバコンデンサ45と、加熱コイル3との直列接続体を構成し、その直列接続体として低電位側のスイッチング素子42に対して並列に接続されると共に力率コンデンサ62の低電位側に接続された共振コンデンサ46と、スイッチング素子41、42のオンオフを制御するスイッチング素子駆動回路47から構成されている。
導電性リング7はループ状に形成され、トッププレート2と渦巻き状の加熱コイル3の間における該加熱コイル3の延在面に近接する平行な面内に該加熱コイル3と略同心をなして配置される。そして、該導電性リング7は、この例では図2に示すように中心部が広く開いた渦巻き状に約2ターンに卷回され、端部相互が離れて形成されており、その離れた部位である開放端7aに通電抵抗変更手段8が接続される。通電抵抗変更手段8は導電性リング7の開放端7aを接続する第一のスイッチ手段81と、リング電流制限抵抗82を介して導電性リング7の開放端7aを接続する第二のスイッチ手段83と、これら第一、第二のスイッチ手段81、83を開閉駆動するスイッチ駆動回路84から構成されている。
ゼロクロス検出手段9は、商用交流電源の電圧のゼロクロス点を検出するもので、フォトカプラ91と、商用電圧を半波整流する半波整流ダイオード92と、この半波整流ダイオード92とフォトカプラ91と直列に接続され、フォトカプラ91に流れる電流を制限するフォトカプラ電流制限抵抗93と、プルアップ抵抗94から構成されている。なお、プルアップ抵抗94とフォトカプラ91の接続点の電圧は制御手段10へ出力される。また、ゼロクロス検出手段9の出力は図3に示すように、商用電圧が正であるときはLレベル、商用電圧が負であるときはHレベルとなり、LレベルからHレベルへの切替わりの瞬間、及びHレベルからLレベルの切り替わりの瞬間が商用電圧のゼロクロス点となる。
制御手段10は、スイッチング素子駆動回路47を制御して加熱コイル3に流れる高周波電流を制御すると共に、所定時にゼロクロス検出手段9の検出結果に応じて通電抵抗変更手段8を制御して導電性リング7に流れる電流を制御する。また、制御手段10、スイッチ駆動回路84、スイッチング素子駆動回路47、及びゼロクロス検出手段9に必要な直流電圧は制御電圧生成手段11から供給される(詳細は図示省略)。その他、電源スイッチ、操作ボタン類、表示手段等の構成は、従来技術による例えば公知の誘導加熱調理器と同様であるので、図示及び説明を省略する。
次に上記のように構成された実施の形態1の動作について説明する。商用交流電源入力部5から入力された商用電圧は、整流手段6とゼロクロス検出手段9と制御電圧生成手段11に供給される。整流手段6によって整流された整流出力は加熱コイル3に高周波電流を発生させる高周波変換回路4に供給される。図4及び図5は、通電抵抗変更手段8を構成する第一、第二のスイッチ手段81、83が図2のように開成している場合において、(a)商用電圧と、(b)整流手段6によって整流された整流電圧と、(c)加熱コイル3に流れる高周波電流、の時間変化を対応させて示す波形図であり、図4は加熱量が小さい時、図5は加熱量が大きい時を示している。一般的に、加熱コイル3に流れる高周波電流は高周波変換回路4に供給される整流電圧に比例して大きくなる。
そのため、加熱量が小さい時には図4に示すように整流電圧は平滑化されているため、加熱コイル3には振幅が小さくかつ振幅が略一定の例えば数十kHzの高周波電流が流れ、加熱量が大きい時には図5に示すように整流電圧は商用電圧の絶対値の波形に近い脈流状の波形となり、加熱コイル3には例えば周波数が数十kHzで振幅が大きくその電流波形の振幅が商用電圧の絶対値に比例して変動する高周波電流が流れる。これは加熱量が大きい時は力率コンデンサ62から出力される高周波電流がダイオードブリッジ61とチョークコイル63を経由して商用電源から供給される電流よりも大きいためであり、加熱量が小さい時は力率コンデンサ62から出力される高周波電流がダイオードブリッジ61とチョークコイル63を経由して商用交流電源入力部5から供給される電流よりも小さいためである。
なお、鍋底など調理器具1の底部への加熱量は、加熱コイル3に流れる高周波電流に比例して大きくなるが、その制御方法は公知の技術を適宜選択して用いることができるものであるので、説明を省略する。ここで、導電性リング7の開放端7aが第一のスイッチ手段81または第二のスイッチ手段83によって閉成されると、導電性リング7には加熱コイル3と逆向きの電流が流れ、導電性リング7が配置される部分の調理器具1の底部の発熱が弱められることになる。第二のスイッチ手段83と直列に接続されたリング電流制限抵抗82は導電性リング7に流れる電流を制限するためのもので、導電性リング7に流れる電流が小さいほど導電性リング7が配置される部分の調理器具1の底部の発熱の低減は小さくなる。
図6は第一のスイッチ手段81と第二のスイッチ手段83を操作したときにそれぞれ測定された調理器具1底部の発熱分布を示している。図6(a)は第一のスイッチ手段81と第二のスイッチ手段83が共に開状態の場合であり、密に巻かれた加熱コイル3の内外径の中央部に発熱の最大点が発生した発熱分布となる。一方、図6(b)は第一のスイッチ手段81のみを閉状態とした場合であり、加熱コイル3の内外径の中央部の発熱が低下し、調理器具1の底部全体で均一化された発熱分布となる。また、図6(c)は第二のスイッチ手段83を閉状態、第一のスイッチ手段81を開状態とした場合であり、加熱コイル3の内外径の中央部の発熱がやや低下し、第一のスイッチ手段81と第二のスイッチ手段83を共に開状態とした図6(a)の場合と第一のスイッチ手段81を閉状態とした図6(b)の場合の中間的な発熱分布となる。
ところで、導電性リング7に流れる電流は加熱コイル3に流れる高周波電流に比例し、その波形は加熱コイルと同様な波形となり、加熱量が大きいときには導電性リング7に流れる電流も大きくなる。この発明の特徴部分である、その導電性リング7に流れる電流を制御する第一のスイッチ手段81と第二のスイッチ手段83の開閉は、この実施の形態1においてはゼロクロス検出手段9が商用電圧のゼロクロス点を検出したときに、制御手段10がスイッチ駆動回路84を介して行うように構成されている。具体的には、調理の種類等によって、例えば図示省略しているメニューボタン等の切り替えにより、通常加熱→均一加熱、または均一加熱→通常加熱への切り替えの指示などのトリガーがかかったときに、制御手段10は、ゼロクロス検出手段9がゼロクロス点を検出するのを待って、ゼロクロス点が検出されたときにスイッチ駆動回路84が駆動される。
また導電性リング7に流れる数十kHzの高周波電流の波形の振幅変化は図5に示すように商用電圧の位相と略合致しているので、ゼロクロス検出手段9が商用電圧のゼロクロス点を検出したときに行われる上記第一のスイッチ手段81または第二のスイッチ手段83のオン、オフ動作は、必ず導電性リング7に流れる電流が小さい時となる。そのため、第一のスイッチ手段81と第二のスイッチ手段83には許容開閉電流の小さい小型で低コストなものを用いることができる。また、導電性リング7に流れる電流が大きいときに第一のスイッチ手段81あるいは第二のスイッチ手段83を開閉すると、加熱コイル3に流れる電流が急激に変化することにより、高周波変換回路8を構成する部品を劣化させる恐れがあるが、この実施の形態1においては商用電圧のゼロクロス点、またはその近傍で第一のスイッチ手段81または第二のスイッチ手段83の開閉を行うようにしているので、高周波変換回路4を構成する部品を劣化させる恐れがない。このため、高周波変換回路4を構成する部品も小型で低コストなものを用いることが可能である。
なお、上記導電性リング7は複数設けても良い。また、導電性リング7の開放端7aを接続する第二のスイッチ手段83とリング電流制限抵抗82の直列接続体は、例えば並列に複数設けても良く、その場合、より細かく発熱分布に変化をつけることが可能となる。さらに、簡素化や低コスト化などのために、第一のスイッチ手段81と第二のスイッチ手段83の一方を省略しても良い。また、導電性リング7の形状、巻数などは、図2に例示されたものに限定されないことは言うまでもない。また、図6(a)、図6(b)、図6(c)の3つのモードの切替えは、加熱コイル3の加熱量の制御と独立して、あるいは連動して、例えば専用のボタンにより手動で行い、あるいは調理メニューに応じて用意された加熱パターン等で自動的に切換えられるようにプログラムでシーケンス制御するなど、所望により適宜選択できる。
上記のように、この実施の形態1によれば、渦巻き状の加熱コイル3に同心状に設けられた導電性リング7の通電抵抗を変更することで加熱むらを変更し得るようにした誘導加熱調理器において、通電抵抗変更手段8を構成する第一のスイッチ手段81または第二のスイッチ手段83の開閉の切替えを商用電圧のゼロクロス近傍で切換えるようにしたので、第一及び第二のスイッチ手段81、83の開閉時に流れる電流を小さくすることができるため、第一及び第二のスイッチ手段81、83を小型で低コストなものとすることができる。また、第一及び第二のスイッチ手段81、83の開閉時に導電性リング7に流れる電流の変化量が小さくなるため、加熱コイル3に流れる高周波電流の変化量も小さくすることができ、高周波変換回路4を構成する部品の劣化を低減できるので、高周波変換回路4を構成する部品を小型で低コストなものとすることができる。また、調理器具1の加熱を一旦停止すること無く、導電性リング7の通電抵抗の変更、すなわち、調理器具1底部の加熱分布を変化させることが可能となり、調理性能の向上した誘導加熱調理器が得られる。
なお、上記実施の形態1では、高周波変換回路4として電流共振ハーフブリッジ型インバータを用いているが、勿論これに限られるものでは無く、例えば電流共振フルブリッジ型インバータや電圧共振型インバータ等でも良い。また、力率コンデンサ62は9μF、チョークコイル63は100μHとしたが、これに限定されるものでは無く、商用電圧の位相と整流電圧の位相が揃うように、また、加熱量が大きい時に整流出力の電圧瞬時値の最低値がゼロ付近まで低下するように設定すれば良い。さらに、整流手段6の構成も例示したものに限定されるものでは無く、商用電圧の位相と整流電圧の位相が揃うように、また、加熱量が大きい時に整流電圧がゼロ付近まで低下するような構成であれば良い。また、商用電圧のゼロクロス近傍で加熱コイル3に流れる高周波電流が小さくなるような構成であれば良い。
実施の形態2.
図7、図8はこの発明の実施の形態2に係る誘導加熱装置としての誘導加熱調理器を説明する図であり、図7は誘導加熱調理器の要部構成を示す回路図、図8は商用交流電源の電圧の絶対値が所定値を下回ったことを検出する電圧絶対値検出手段と比較手段の出力波形を説明する図である。なお、この実施の形態2は、上記実施の形態1におけるゼロクロス検出手段9を、電圧絶対値検出手段95と比較手段96からなるゼロクロスの近傍における電圧の絶対値が所定値を下回ったことを検出する検出手段9Aに置き換えたものである。図において、電圧絶対値検出手段95は商用電圧を整流するダイオードブリッジ951と、このダイオードブリッジ951の出力に接続される分圧抵抗952と検出抵抗953の直列接続体と、検出抵抗953に並列に接続されたノイズ除去コンデンサ954を用いて構成されている。
図7、図8はこの発明の実施の形態2に係る誘導加熱装置としての誘導加熱調理器を説明する図であり、図7は誘導加熱調理器の要部構成を示す回路図、図8は商用交流電源の電圧の絶対値が所定値を下回ったことを検出する電圧絶対値検出手段と比較手段の出力波形を説明する図である。なお、この実施の形態2は、上記実施の形態1におけるゼロクロス検出手段9を、電圧絶対値検出手段95と比較手段96からなるゼロクロスの近傍における電圧の絶対値が所定値を下回ったことを検出する検出手段9Aに置き換えたものである。図において、電圧絶対値検出手段95は商用電圧を整流するダイオードブリッジ951と、このダイオードブリッジ951の出力に接続される分圧抵抗952と検出抵抗953の直列接続体と、検出抵抗953に並列に接続されたノイズ除去コンデンサ954を用いて構成されている。
比較手段96は比較器961と、直列に接続された2つの比較抵抗962で構成されている。上記2つの比較抵抗962の接続点は比較器961の非反転入力ピンに接続され、検出抵抗953と分圧抵抗952の接続点は比較器961の反転入力ピンに接続される。そして、比較器961の出力、即ち比較手段96の出力は制御手段10へ出力される。制御手段10は、所定時に検出手段9Aの検出結果に基づいて通電抵抗変更手段8を制御して導電性リング7に流れる電流を制御する一方、スイッチング素子駆動回路47を制御して加熱コイル3に流れる高周波電流を制御する。その他の構成は実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
次に、上記のように構成された実施の形態2の動作について、上記実施の形態1と相違する部分を中心に説明する。電圧絶対値検出手段95においては、商用電圧はダイオードブリッジ951によって全波整流され、全波整流された電圧は分圧抵抗952と検出抵抗953の比で分圧され、検出抵抗953の両端にその分圧された電圧が発生する。比較手段96の出力電圧は、図8(c)に示すように検出抵抗953の両端の電圧が2つの比較抵抗962の分圧電圧よりも低いときにHレベルを出力し、高いときにLレベルを出力する。この比較手段96の出力がHレベルの時に、制御装置10は通電抵抗変更手段8を構成する第一のスイッチ手段81または第二のスイッチ手段83(図2参照)の開閉の切替えを行う。
図8に示すように、比較手段96の出力がHレベルになるのは商用電圧のゼロクロス近傍となる。ゼロクロス近傍の範囲は分圧抵抗952と検出抵抗953と比較抵抗962の値によって決定される。例えば、比較抵抗962の分圧電圧を0.5V、分圧抵抗952と検出抵抗953の抵抗比を99:1とすると、商用電圧の瞬時値が50V以下となる時に比較手段96の出力がHレベルとなる。なお、この比較手段96の出力がHレベルとなる商用電圧の絶対値はその電圧値で第一のスイッチ手段81と第二のスイッチ手段83の開閉の切替えを行っても第一、第二のスイッチ手段81、83と高周波変換回路4に劣化が生じないように設定すればよく、当然のことながら、上記設定値に限定されるものではない。要するに第一のスイッチ手段81と第二のスイッチ手段83の開閉の切替えを行っても第一、第二のスイッチ手段81、83と高周波変換回路4に劣化が生じないように分圧抵抗952と検出抵抗953と比較抵抗962の値を設定すればよい。
上記のように実施の形態2によれば、渦巻き状の加熱コイル3に同心状に近接配置された導電性リング7の通電抵抗を変更することで加熱むらを変更し得るようにした誘導加熱調理器において、導電性リング7の通電抵抗を変更する通電抵抗変更手段8を構成する第一のスイッチ手段81または第二のスイッチ手段83の開閉の切替えを商用電圧の絶対値が所定の値以下となった時に導電性リング7の通電抵抗を変更することで、第一、第二のスイッチ手段81、83の開閉時に流れる電流を小さくすることができる。そのため、第一、第二のスイッチ手段81、83を小型で低コストなものとすることができる。
また、第一、第二のスイッチ手段81、83の開閉時に導電性リング7に流れる電流の変化量が小さくなるため、加熱コイル3に流れる高周波電流の変化量も小さくすることができ、高周波変換回路4を構成する部品を小型で低コストなものとすることができる。また、実施の形態1と同様に調理器具1の加熱を一旦停止すること無く、導電性リング7の通電抵抗の変更、すなわち、調理器具1底部の加熱分布を変化させることが可能となり、調理性能の向上した誘導加熱調理器を提供することができる。
なお、上記実施の形態1、2における第一、第二のスイッチ手段81、83の種類等は特に限定されるものではなく、例えば公知の各種電子的スイッチ手段、機械的スイッチ等から小型で低コストなものを適宜選択して用いることができる。因みに上記実施の形態1、2では、構成が簡素であり、汎用的かつ小型で安価な例えば電磁リレーなども用いることができる。このため、装置を小型化、軽量化することが可能であり、それに伴って耐久性を向上することも容易である。また、例えば加熱コイル3に対して高透磁率部材を配置するなど調理器具1の底部に生じる加熱むらを低減するための他の技術と併用しても良い。また、誘導加熱調理器として、IHクッキングヒータのようなトッププレート2を有するものについて例示したが、例えばIH炊飯器等、他の誘導加熱調理器でも良く、さらに誘導加熱を利用した例えば誘導加熱式アイロンなど、他の誘導加熱装置にも同様に利用できることは言うまでもない。
1 調理器具、 2 トッププレート、 3 加熱コイル、 4 高周波変換回路、 5 商用交流電源入力部、 6 整流手段、 7 導電性リング、 7a 開放端、 8 通電抵抗変更手段、 81 第一のスイッチ手段、 82 リング電流制限抵抗、 83 第二のスイッチ手段、 84 スイッチ駆動回路、 9 ゼロクロス検出手段(検出手段)、 9A 検出手段、 95 電圧絶対値検出手段、 96 比較手段、 10 制御手段、 11 制御電圧生成手段。
Claims (6)
- 加熱コイルと、この加熱コイルを付勢する高周波変換回路と、交流電源に接続され上記高周波変換回路に整流出力を供給する整流手段と、上記加熱コイルに対して略同心に配置された導電性リングと、この導電性リングの通電抵抗を変更する通電抵抗変更手段と、上記交流電源のゼロクロスを検出する、または該ゼロクロスの近傍における電圧の絶対値が所定値を下回ったことを検出する検出手段と、この検出手段の検出結果に基づいて上記通電抵抗変更手段を作動させる制御手段とを備えたことを特徴とする誘導加熱装置。
- 上記検出手段として、上記交流電源の電圧のゼロクロス点を検出するゼロクロス検出手段を用いたことを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱装置。
- 上記検出手段として、上記交流電源の電圧の絶対値を検出する電圧絶対値検出手段と、この電圧絶対値検出手段によって検出された値が所定値を下回ったときに信号を出力する比較手段からなることを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱装置。
- 上記導電性リングは開放端を形成してループ状に卷回されてなり、上記通電抵抗変更手段は、上記導電性リングの開放端相互を接続するように設けられた第一のスイッチ手段からなることを特徴とする請求項1から請求項3までの何れかに記載の誘導加熱装置。
- 上記導電性リングの開放端相互に、上記第一のスイッチ手段と並列に、第二のスイッチ手段と抵抗要素との直列接続体が接続されていることを特徴とする請求項4に記載の誘導加熱装置。
- 上記整流手段は、加熱量が大きくなるに従って、整流出力の電圧瞬時値の最低値がゼロに近づく特性を有するものであることを特徴とする請求項1から請求項5までの何れかに記載の誘導加熱装置。
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2008
- 2008-08-18 JP JP2008209493A patent/JP2010044984A/ja active Pending
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