JP5063566B2 - 誘導加熱装置 - Google Patents

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Description

この発明は電磁誘導作用により、例えば鍋などの調理器具を加熱して種々の調理を行う誘導加熱調理器等として好ましく用いることができる誘導加熱装置に関する。
従来の誘導加熱装置である誘導加熱調理器として、一平面内にて渦巻き状に巻回された加熱コイルに交番電流を通電し、周囲に発生する交番磁界の作用により、前記加熱コイルの一側に近接する導電材料製の容器に収納された被加熱物を加熱調理する誘導加熱調理器において、前記加熱コイルと略平行な面内に近接配置され、該加熱コイルと略同心をなす導電材料製のリングを具備し、またその導電性リングの通電抵抗を変更する手段を備えることで、加熱コイルへの通電により発生する磁界強度の分布を平坦化し被加熱物の加熱むらの発生を緩和する一方、均等な加熱と加熱むらのある局所加熱状態とを選択し得るようにしたものがある(例えば特許文献1参照)。
特開平7−122353号公報(第1頁、図1)
上記のような従来技術においては、導電材料製のリング(以下、リング状コイルという)には加熱コイルで発生した磁界の作用により、2次電流が発生し、リング状コイル近傍の磁界を弱めることで、鍋底の発熱分布の変化を実現しているが、リング状コイルには2次電流による発熱が発生し、加熱効率が低下するという問題があった。また、リング状コイルを冷却するために、強力な冷却ファンが必要となり、さらには冷却風路が複雑化するなど、製品が高コスト化する要因になるという課題があった。
この発明は、かかる従来技術の課題を解消するためになされたもので、リング状コイルによる発熱が低減され、加熱効率を低下させること無く、被加熱物の発熱分布を変化させることができる誘導加熱装置を得ることを目的としている。
この発明に係る誘導加熱装置は、被加熱物を誘導加熱するための平面状に卷回された加熱コイルと、この加熱コイルの近傍に該加熱コイルの成す面と略平行に同心状に配置された複数のリング状コイルと、これら複数のリング状コイルに誘起される2次電流の向きを、所定のリング状コイルについては他のリング状コイルとは逆方向に流れるように、該複数のリング状コイルのコイル端相互の接続を選択的に切り換える切換手段を備えるように構成した。
この発明においては、複数のリング状コイルに誘起される2次電流の向きを、切換手段によって所定のリング状コイルについては他のリング状コイルとは逆方向に流れるようにしたので、少ない2次電流でも、局部的な発熱集中をもった発熱分布を得ることができる。それにより、リング状コイルによる発熱を低減することができるため、加熱効率を低下させること無く、被加熱物の発熱分布を変化させることができる。
実施の形態1.
図1〜図11はこの発明の実施の形態1に係る誘導加熱装置としての誘導加熱調理器を説明する図であり、図1は誘導加熱調理器の要部構成を示す回路図、図2は図1に示された複数のリング状コイルの構成と、そのリング状コイルに流れる2次電流の向きが一部のリング状コイルでは逆方向になるように切り換える切換手段を概念的に示す回路図、図3〜図5はリング状コイルに流れる電流経路と調理器具の底部の加熱分布を説明する図、図6〜図11はゼロクロス検出回路の具体例とその動作を説明する図である。なお、各図を通じて同一または相当部分には同一符号が付されている。
図において誘導加熱調理器は、被加熱物としてのアルミ、銅、鉄等の導電性材料を用いた鍋等の調理器具1を載せる耐熱ガラス製のトッププレート2と、トッププレート2の下部に配設され調理器具1を誘導加熱するための、円形の渦巻き状に卷回され外観が略平面状に形成された加熱コイル3と、この加熱コイル3を付勢するための高周波変換回路4と、この高周波変換回路4に整流出力を供給する商用交流電源入力部5に接続された整流手段6と、上記加熱コイル3とトッププレート2の間に設けられ、加熱コイル3の成す面と略平行で、同心状に配置された複数のリング状コイルである第1コイル71、第2コイル72、及び第3コイル73(以下、包括してリング状コイル7と呼ぶことがある)と、この複数のリング状コイル7相互の接続を切り換える切替手段8と、交流電源の電圧のゼロクロス点またはその近傍を検出するゼロクロス検出手段9と、切替手段8を制御する制御手段10と、制御電圧生成手段11などから構成されている。
上記加熱コイル3は、図3に示すように中心部に配置された径小の加熱コイル31と、この径小の加熱コイル31の周りに同心円状に配設された径大の加熱コイル32が直列に接続されてなり、径小の加熱コイル31と径大の加熱コイル32との間には空間部Aが設けられている。上記整流手段6はダイオードブリッジ61と、力率コンデンサ62と、ダイオードブリッジ61と力率コンデンサ62との間に接続されたチョークコイル63によって構成されている。なお、この例では力率コンデンサ62として9μF、チョークコイル63として100μHのものが用いられている。
高周波変換回路4は直列に接続されたスイッチング素子(IGBT)41、42と、該スイッチング素子41、42に対して各並列に接続されたダイオード43、44と、低電位側のスイッチング素子42と並列に接続されたスナバコンデンサ45と、加熱コイル3との直列接続体を構成し、その直列接続体として低電位側のスイッチング素子42に対して並列に接続されると共に力率コンデンサ62の低電位側に接続された共振コンデンサ46と、スイッチング素子41、42のオンオフを制御するスイッチング素子駆動回路47から構成されている。
上記リング状コイル7(第1コイル71、第2コイル72、及び第3コイル73)は、互いに径の異なる1ターンのリング状ないしはループ状に形成されてなり、トッププレート2と加熱コイル3の間における該加熱コイル3の延在面に近接する平行な面内に互いに同心に、加熱コイル3とも略同心をなして配置されている。そして、第1コイル71、第2コイル72、及び第3コイル73は、導電性材料からなる平板を用いて形成されており、この例では図2に示すように中心部が広く開き、各コイル端71a及び71b、72a及び72b、73a及び73b相互が離れて形成され、そのコイル端71a及び71b、72a及び72b、73a及び73bに切替手段8が接続されている。なお、第1コイル71のコイル端71aと第3コイル73のコイル端73aはリング電流制限抵抗85を介して接続されている。
上記切替手段8は、第1コイル71のコイル端71bと第2コイル72のコイル端72bとの間に電気的に接続された第1のスイッチ81と、第1コイル71のコイル端71bと第2コイル72のコイル端72aとの間に電気的に接続された第2のスイッチ82と、第2コイル72のコイル端72bと第3コイル73のコイル端73bとの間に電気的に接続された第3のスイッチ83と、第2コイル72のコイル端72aと第3コイル73のコイル端73bとの間に電気的に接続された第4のスイッチ84とで構成されている。なお、各コイル端71a及び71b、72a及び72b、73a及び73bと、第1〜第4のスイッチ81〜84、及びリング電流制限抵抗85との電気的な接続は、特に限定されるものではなく、例えば銅線などの導電性材料をはんだ付けや圧接することで行なわれる。
上記ゼロクロス検出手段9は、例えば図8に示すゼロクロス検出回路あるいは図10に示す商用電圧比較回路などを好ましく用いることができる。図8に示すゼロクロス検出回路は、商用交流電源の電圧のゼロクロス点を検出するもので、フォトカプラ91と、商用電圧を半波整流する半波整流ダイオード92と、この半波整流ダイオード92とフォトカプラ91と直列に接続され、フォトカプラ91に流れる電流を制限するフォトカプラ電流制限抵抗93と、プルアップ抵抗94から構成されている。なお、プルアップ抵抗94とフォトカプラ91の接続点の電圧は制御手段10へ出力される。
そして、ゼロクロス検出手段9の出力は図9に示すように、商用電圧が正であるときはLレベル、商用電圧が負であるときはHレベルとなり、LレベルからHレベルへの切り替わりの瞬間、及びHレベルからLレベルへの切り替わりの瞬間が商用電圧のゼロクロス点となる。なお、後述するように制御手段10はゼロクロス検出手段9の出力がHレベルからLレベルへの切替わりの瞬間、またはLレベルからHレベルへの切り替わりの瞬間に、切替手段8を構成する第1〜第4のスイッチ81〜84の開閉の切り替えを行う。
一方、図10に示すゼロクロス検出手段9としての商用電圧比較回路は、商用交流電源の電圧の絶対値が所定値を下回ったことを検出する電圧絶対値検出手段95と比較手段96から構成されている。図において、電圧絶対値検出手段95は商用電圧を整流するダイオードブリッジ951と、このダイオードブリッジ951の出力に接続される分圧抵抗952と検出抵抗953の直列接続体と、検出抵抗953に並列に接続されたノイズ除去コンデンサ954を用いて構成されている。そして、比較手段96は比較器961と、直列に接続された2つの比較抵抗962、963で構成されている。上記2つの比較抵抗962、963の接続点は比較器961の非反転入力ピンに接続され、検出抵抗953と分圧抵抗952の接続点は比較器961の反転入力ピンに接続される。そして、比較器961の出力、即ち比較手段96の出力は制御手段10へ出力される。
上記電圧絶対値検出手段95においては、商用電圧はダイオードブリッジ951によって全波整流され、全波整流された電圧は分圧抵抗952と検出抵抗953の比で分圧され、検出抵抗953の両端にその分圧された電圧が発生する。比較手段96の出力電圧は、図11に示すように検出抵抗953の両端の電圧が2つの比較抵抗962、963の分圧電圧よりも低いときにHレベルを出力し、高いときにLレベルを出力する。比較手段96の出力がHレベルになるのは、図11に示すように商用電圧のゼロクロス近傍となる。なお、ゼロクロス近傍の範囲は分圧抵抗952と検出抵抗953と比較抵抗962、963の値によって決定される。
例えば、比較抵抗962、963の分圧電圧を0.5V、分圧抵抗952と検出抵抗953の抵抗比を99:1とすると、商用電圧の瞬時値が50V以下となる時に比較手段96の出力がHレベルとなる。なお、上記比較手段96の出力がHレベルとなる商用電圧の絶対値は、その電圧値で第1〜第4のスイッチ81〜84の開閉の切替えを行っても、これら第1〜第4のスイッチ81〜84、及び高周波変換回路4に劣化が生じないように分圧抵抗952と検出抵抗953と比較抵抗962、963の値を設定すればよく、当然のことながら、上記例示した設定値に限定されるものではない。
上記制御手段10は、スイッチング素子駆動回路47を制御して加熱コイル3に流れる高周波電流を制御すると共に、切替手段8を制御して第1コイル71〜第3コイル73に流れる電流を制御する。なお、鍋底など調理器具1の底部への加熱量は、加熱コイル3に流れる高周波電流に比例して大きくなるが、その制御方法は公知の技術を適宜選択して用いることができるものであるので、詳細な説明を省略する。また、制御手段10、切替手段8、スイッチング素子駆動回路47、及びゼロクロス検出手段9に必要な直流電圧は制御電圧生成手段11から供給される(詳細は図示省略)。その他、電源スイッチ、操作ボタン類、表示手段等の構成は、従来技術による例えば公知の誘導加熱調理器と同様であるので、図示及び説明を省略する。
次に、上記のように構成された実施の形態1の動作について説明する。まず、商用交流電源入力部5から入力された商用電圧は、整流手段6とゼロクロス検出手段9と制御電圧生成手段11に供給される。整流手段6によって整流された整流出力は加熱コイル3を駆動するための高周波電流を発生させる高周波変換回路4に供給される。なお、高周波変換回路4の動作、及び加熱コイル3の制御などは、例えば公知の一般的なものと同様であるので、詳細な説明は省略する。次に切替手段8の制御方法と調理器具1の底の加熱分布について詳細に説明する。制御手段10は使用者が例えば煮込み調理開始操作などを行ったときに、使用者の選択により、あるいは予め設定された加熱パターンやプログラムなどにより調理器具1の底に加熱分布に変化がつくように切替手段8が制御される。
図3は第1〜第4のスイッチ81〜84が全て開状態のとき(第1のモード)の第1コイル71〜第3コイル73に流れる電流経路と調理器具1の底の加熱分布を説明する図である。一般的に、加熱コイル3と調理器具1との間に導電材料製の閉ループのリング状コイルが存在する場合、そのリング状コイルには加熱コイル3に流れる電流と逆向きに2次電流が流れ、加熱コイル3に流れる電流によって発生した磁界を打ち消し、リング状コイルの上部にある調理器具1の底の加熱を弱める。
しかし、図3に示すように第1〜第4のスイッチ81〜84が全て開状態の第1のモードの場合は、第1コイル71〜第3コイル73が閉路となっていないため、2次電流が流れる経路が無い。そのため、加熱コイル3に流れる電流によって発生した磁界は打ち消されずに調理器具1まで達し、調理器具1の底を加熱する。従って、調理器具1の底の加熱は加熱コイル3の上部で強く、加熱コイル3から離れるほど加熱は弱くなり、図3(b)に示すように加熱コイル3による加熱は、径小の加熱コイル31と径大の加熱コイル32による加熱分布が合成され、調理器具1の底の加熱分布はほぼ均一なものとなる。
図4(a)は第1のスイッチ81と第4のスイッチ84が開状態、第2のスイッチ82と第3のスイッチ83が閉状態のとき(第2のモード)の第1コイル71〜第3コイル73に流れる電流経路を示し、図4(b)はそのときの調理器具1の底の加熱分布を示している。第1コイル71〜第3コイル73には2次電流が加熱コイル3に流れる電流と逆向きの方向に流れようとするが、図4に示す第1〜第4のスイッチ81〜84の接続状態では、2次電流の流れる方向が他とは逆向きに流れるように接続されているリング状コイル(第3コイル73)があるので、そのように流れることはできない。
ここで、第1コイル71と第2コイル72の、加熱コイル3に流れる電流と逆向きに流れようとするエネルギーの和は、第3コイル73において加熱コイル3に流れる電流と逆向きに流れようとするエネルギーよりも大きいため、第3コイル73には、第1コイル71と第2コイル72の加熱コイル3に流れる電流と逆向きに流れようとするエネルギーによって、加熱コイル3に流れる電流と同じ向きに流れる。そのため、加熱コイル3に流れる電流によって発生する磁界は第1コイル71と第2コイル72の上部で打ち消され、第3コイル73の上部で強められることになる。このとき、図4(b)に示すように調理器具1の底の加熱分布は底の中心部の加熱が強く、底の外周部の加熱が弱い加熱分布となる。第1コイル71〜第3コイル73に流れる2次電流は、一部が逆方向に流れるようにしたので小さくなるが、該2次電流が小さくても調理器具1底部に局部的な発熱集中をもった発熱分布が得られる。
図5(a)は第1のスイッチ81と第4のスイッチ84が閉状態、第2のスイッチ82と第3のスイッチ83が開状態のとき(第3のモード)の第1コイル71〜第3コイル73に流れる電流経路を示す図。図5(b)はそのときの調理器具1の底の加熱分布を示す図である。第1コイル71〜第3コイル73には、2次電流が加熱コイル3に流れる電流と逆向きに流れようとするが、図4の場合と同様に第1〜第4のスイッチ81〜84の接続状態ではそのように流れることはできない。
図5(a)においては、第2コイル72と第3コイル73の、加熱コイル3に流れる電流と逆向きに流れようとする2次電流のエネルギーの和は、第1コイル71の加熱コイル3に流れる電流と逆向きに流れようとする2次電流のエネルギーに対して大きいため、第1コイル71に流れる2次電流は第2コイル72と第3コイル73の加熱コイル3に流れる電流と逆向きに流れようとするエネルギーによって加熱コイル3に流れる電流と同じ向きに流れる。そのため、加熱コイル3に流れる電流によって発生する磁界は第2コイル72と第3コイル73の上部で打ち消され、第1コイル71の上部で強められることになる。このとき、調理器具1の底の加熱分布は図5(b)に示すように底の外周部の加熱が強く、底の中心部の加熱が弱い加熱分布となる。なお、2次電流は第1のモードと同様小さくなる。
ところで、上記のように第1コイル71〜第3コイル73に流れる2次電流をスイッチ(第1のスイッチ81〜第4のスイッチ84)で切り換える場合、大きな電流が流れているときに切り替えようとすると、電流容量の大きい大型で高コストのスイッチが必要となる。しかし、この実施の形態1では、複数のリング状コイルの一部に2次電流が他とは逆方向に流れるようにしているので、2次電流が全て同じ向きに流れる場合よりも小さい。このため、スイッチは小型のものでも差し支えない。加えて、切替手段8による切り替えのタイミングは、ゼロクロス検出手段9によって検出された商用電圧のゼロクロス点、またはその近傍で行うように制御されている。以下、その動作について具体的に説明する。
図6及び図7は、(a)商用電圧と、(b)整流手段6によって整流された整流電圧と、(c)加熱コイル3に流れる高周波電流、の時間変化を対応させて示す波形図であり、図6は加熱量が小さい時、図7は加熱量が大きい時を示している。一般的に、加熱コイル3に流れる高周波電流は高周波変換回路4に供給される整流電圧に比例して大きくなる。
加熱量が小さいときには図6に示すように整流電圧は平滑化されているため、加熱コイル3には振幅が小さくかつ振幅が略一定の例えば数十kHzの高周波電流が流れ、加熱量が大きい時には図7に示すように整流電圧は商用電圧の絶対値の波形に近い脈流状の波形となり、加熱コイル3には振幅が大きく商用電圧の絶対値に比例して変動する例えば数十kHzの高周波電流が流れ、また、その振幅絶対値変動の位相は商用電圧の位相と略合致したものとなっている。これは加熱量が大きい時は力率コンデンサ62から出力される高周波電流がダイオードブリッジ61とチョークコイル63を経由して商用電源から供給される電流よりも大きいためであり、加熱量が小さい時は力率コンデンサ62から出力される高周波電流がダイオードブリッジ61とチョークコイル63を経由して商用交流電源入力部5から供給される電流よりも小さいためである。
一方、リング状コイル7に流れる電流は加熱コイル3に流れる高周波電流に比例し、その波形は加熱コイルと同様な波形となり、加熱量が大きいときにはリング状コイル7に流れる電流も大きくなる。そのリング状コイル7に流れる電流を制御する第1〜第4のスイッチ81〜84の開閉は、ゼロクロス検出手段9の出力に基づいて、制御手段10が切替手段8を介して行うように構成されている。制御手段10は、ゼロクロス検出手段9がゼロクロス近傍を検出した時に、切替手段8を駆動する。
かかる構成により、図7に示すように商用電圧の位相とリング状コイル7に流れる電流の振幅絶対値の位相は略合っているので、ゼロクロス検出手段9が商用電圧のゼロクロス点を検出したときに行われる第1〜第4のスイッチ81〜84の開閉動作は、必ずリング状コイル7に流れる電流が小さい時となり、加熱コイル3に対する加熱量に関わらず第1〜第4のスイッチ81〜84の切り替えは小電流時に行われるように動作する。
上記説明したように、実施の形態1によれば、加熱コイル3の近傍に該加熱コイル3と略平行に同心状に配置された第1コイル71〜第3コイル73からなる3つのリング状コイル7を設け、切換手段8によって第1コイル71〜第3コイル73に誘起される2次電流の向きを、選択された所定のリング状コイルについては他のリング状コイルとは逆方向に流れるように、第1コイル71〜第3コイル73のコイル端相互の接続を切り換えるようにしたので、磁界を弱める部分と強める部分を同時に作ることができる。このとき、第1コイル71〜第3コイル73に流れる2次電流が小さくなるので、単一のリング状コイルを用いて磁界を弱める部分を作るだけの場合よりも、少ない2次電流で調理器具1に局部的な発熱集中をもった発熱分布を得ることができる。
さらに、加熱コイル3の発生する磁界エネルギーは加熱コイル3の上部にあるリング状コイルから別のリング状コイルに移動し、その別のリング状コイルの上部の調理器具1の底部に達することになり無駄なエネルギーがなくなるため、効率が向上し省エネルギーにもなる。このため、リング状コイル7の冷却構造を簡素化することができる。そのため、誘導加熱装置を小型化、軽量化することもできる。また、リング状コイル7に流れる2次電流を小さくすることができるため、導電性リングの接続を切り替える第1〜第4のスイッチ81〜84には許容開閉電流の小さい小型で低コストなものを用いることができ、耐久性を向上することもできる。
なお、リング状コイル7に流れる電流が大きいときに第1〜第4のスイッチ81〜84を開閉すると、加熱コイル3に流れる電流が急激に変化するので、高周波変換回路8を構成する部品を劣化させる恐れがあるが、この実施の形態1においてはゼロクロス検出手段9を備え、該ゼロクロス検出手段9によって商用電圧のゼロクロス点、またはその近傍で第1〜第4のスイッチ81〜84の開閉を行うようにしているので、リング状コイル7に流れる電流が大きいときに切替手段8を動作させるような制御を行っても、高周波変換回路4を構成する部品を劣化させる恐れがない。このため、高周波変換回路4を構成する部品に小容量のものを用いることができる。なお、この場合にも第1〜第4のスイッチ81〜84も勿論小型のものを用い得るが、実施の形態1のリング状コイル7及び切替手段8の構成では、上記のようにリング状コイル7に流れる2次電流を小さくすることができるため、ゼロクロス検出手段9を省くことも差し支えない。
また、図6に示すように加熱量が小さいときには加熱コイル3、及びリング状コイル7に流れる電流は商用電圧のゼロクロス近傍に関係無く小さいため、例えば加熱量が小さい時にのみ切替手段8を動作させ、その後加熱量をアップさせるように制御する場合には、第1〜第4のスイッチ81〜84は許容開閉電流の小さい小型で低コストなものでも差支えない。さらに、この実施の形態1ではリング状コイル7の接続を変更するスイッチが複数必要となるが、2次電流を小さくすることができるため、小さなコストアップに抑えることができる。また、リング状コイル7は、導電性材料からなる平板を用いて形成したが、材料の種類、形状は例示したものに限定されるものではなく、例えば加熱コイル3と同様に渦巻き状の電線としても差し支えない。
また、切替手段8は、第1のモード〜第3のモードの3つのモードが得られるようにしたが、第2のモードと第3のモードは何れか一方でもよい。また、4モード以上とすることもできる。さらに、複数のリング状コイル7として、それぞれ1ターンに卷回された第1コイル71、第2コイル72、及び第3コイル73の3つを用いたが、これに限定されるものでは無く、複数のリング状コイルのターン数(ループ数)は互いに異なっていても良いし、リング状コイルの設置数は2以上であればよい。要するに、複数のリング状コイルの接続により、少なくとも一つのリング状コイルの2次電流の方向が他のリング状コイルと逆向き(加熱コイル3に流れる1次電流と同方向)となるようなものであればよい。従って、切替手段8の接続も例示されたものに限定されないことは当然である。
即ち、複数のリング状コイルには、それぞれ加熱コイル3に流れる電流と逆向きに流れようとするエネルギーが生じるが、そのエネルギーを複数のリング状コイルまたはそのセットの間で差をつけ、エネルギーの大きいリング状コイルまたはそのセットで目的とする他の所定のリング状コイルのエネルギーに打ち勝つように複数のリング状コイルのコイル端を接続すれば良い。なお、リング状コイルに発生する、加熱コイル3に流れる電流と逆向きに流れようとするエネルギーは、リング状コイルの径が大きいほど、また、リング状コイルのターン数(ループ数)が多い程大きくなる。
更にまた、上記実施の形態1では、高周波変換回路4として電流共振ハーフブリッジ型インバータを用いているが、勿論これに限られるものでは無く、例えば電流共振フルブリッジ型インバータや電圧共振型インバータ等でも良い。また、力率コンデンサ62は9μF、チョークコイル63は100μHとしたが、これに限定されるものでは無く、商用電圧の位相と整流電圧の位相が揃うように、また、加熱量が大きい時に整流出力の電圧瞬時値の最低値がゼロ付近まで低下するように設定すれば良い。さらに、整流手段6の構成も例示したものに限定されるものでは無く、商用電圧の位相と整流電圧の位相が揃うように、また、加熱量が大きい時に整流電圧がゼロ付近まで低下するような構成であれば良い。また、商用電圧のゼロクロス近傍で加熱コイル3に流れる高周波電流が小さくなるような構成であれば良い。
また、第1〜第4のスイッチ81〜84の種類等は特に限定されるものではなく、例えば公知の各種電子的スイッチ、機械的スイッチ等から小型で低コストなものを適宜選択して用いることができる。因みに上記実施の形態1では、構成が簡素であり、汎用的かつ小型で安価な例えば電磁リレーなども用いることができる。このため、装置を小型化、軽量化することが可能であり、それに伴って耐久性を向上することも容易である。また、誘導加熱調理器として、IHクッキングヒータのようなトッププレート2を有するものについて例示したが、例えばIH炊飯器等、他の誘導加熱調理器でも良く、さらに誘導加熱を利用した例えば誘導加熱式アイロンなど、他の誘導加熱装置にも同様に利用できることは言うまでもない。
この発明の実施の形態1に係る誘導加熱装置としての誘導加熱調理器の要部構成を示す回路図。 図1に示された複数のリング状コイルの構成と、そのリング状コイルに流れる2次電流の向きが一部のリング状コイルでは逆方向になるように切り換える切換手段を概念的に示す回路図。 図2に示されたリング状コイルに、第1のモードにおいて流れる電流経路(a)と、調理器具の底部の加熱分布(b)を説明する図。 図2に示されたリング状コイルに、第2のモードにおいて流れる電流経路(a)と、調理器具の底部の加熱分布(b)を説明する図。 図2に示されたリング状コイルに、第3のモードにおいて流れる電流経路(a)と、調理器具の底部の加熱分布(b)を説明する図。 図1の回路において、加熱出力が小さいときの、商用電圧と、整流電圧と、加熱コイルに流れる高周波電流、の時間変化を対応させて示す波形図。 図1において、加熱出力が大きいときの、商用電圧と、整流電圧と、加熱コイルに流れる高周波電流、の時間変化を対応させて示す波形図。 図1に示されたゼロクロス検出回路の一例を示す回路図。 図8に示されたゼロクロス検出回路の動作を説明する図。 図1に示されたゼロクロス検出回路の他の例を示す回路図。 図10に示されたゼロクロス検出回路の動作を説明する図。
符号の説明
1 調理器具(被加熱物)、 2 トッププレート、 3 加熱コイル、 31 (径小の)加熱コイル、 32 (径大の)加熱コイル、 4 高周波変換回路、 5 商用交流電源入力部、 6 整流手段、 7 リング状コイル、 71 第1コイル、 72 第2コイル、 73 第3コイル、 71a、71b、72a、72b、73a、73b コイル端、 8 切替手段、 81 第1のスイッチ、 82 第2のスイッチ、 83 第3のスイッチ、 84 第4のスイッチ、 85 リング電流制限抵抗、 9 ゼロクロス検出手段、 10 制御手段、 11 制御電圧生成手段、 A 空間部。

Claims (5)

  1. 被加熱物を誘導加熱するための平面状に卷回された加熱コイルと、この加熱コイルの近傍に該加熱コイルの成す面と略平行に同心状に配置された複数のリング状コイルと、これら複数のリング状コイルに誘起される2次電流の向きを、所定のリング状コイルについては他のリング状コイルとは逆方向に流れるように、該複数のリング状コイルのコイル端相互の接続を選択的に切り換える切換手段を備えたことを特徴とする誘導加熱装置。
  2. 上記加熱コイルは、渦巻き状に卷回された径小の加熱コイルと、この径小の加熱コイルの外周側に空間部を介して同心に配置され、該径小の加熱コイルに直列に接続された渦巻き状に卷回された径大の加熱コイルからなることを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱装置。
  3. 上記リング状コイルは、外周部に設けられた第1コイルと、この第1コイルの内周側に空間部を介して設けられ、上記2次電流のエネルギーが上記第1コイルと異なる第2コイルを備え、上記切替手段はこれら第1、及び第2コイルの各コイル端を何れも開放状態にする第1のモードと、上記2次電流の向きが、上記第1及び第2コイルの一方には上記加熱コイルに流れる電流と逆方向で、上記第1及び第2コイルの他方には上記加熱コイルに流れる電流と同方向に流れるように接続する第2のモードを有するものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の誘導加熱装置。
  4. 上記リング状コイルは、上記加熱コイルと上記被加熱物の間に配設されていることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の誘導加熱装置。
  5. 商用電圧のゼロクロス近傍を検出するゼロクロス検出手段を備え、このゼロクロス検出手段がゼロクロスを検出したときに上記切替手段の切り替えを行うようにしたことを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の誘導加熱装置。
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