以下、この発明の一実施形態について説明する。最初に図1を参照して信号取得、蓄積および提示システムの概略的構成について説明する。1が各個人(ユーザ)毎の信号取得部であり、信号取得および符号化部2と蓄積部3とを有している。信号取得および符号化部2は、ユーザに装着した複数のセンサから、ユーザの視聴覚情報、生体情報を収集し、これらの収集した信号を統合符号化する。統合符号化した信号を統合信号と称する。信号取得および符号化部2は、ユーザが携帯できるように、携帯型の構成、所謂モバイル端末の構成とされている。統合信号は、着脱自在の蓄積媒体例えばカード状の半導体メモリに蓄積される。
蓄積部3は、例えばユーザの家庭に設置されているパーソナルコンピュータによって実現可能である。蓄積部3に対して、蓄積媒体が挿入され、統合信号が蓄積媒体から読み出される。そして、蓄積部3では、総合的な判断に基づいて統合信号から有効情報を取捨選択し、選択した有効情報を一時的に蓄積媒体例えばハードディスクに蓄積する。なお、信号取得および符号化部2から蓄積部3に対して、蓄積媒体の代わりに有線または無線の通信によって統合信号を送信しても良い。このように、信号取得および符号化部2と蓄積部3とは、パーソナルネットワークで接続されている。
信号取得部1(蓄積部3)が通信端末4およびパブリックネットワーク5を介してレンタル統合データベース6と接続される。通信端末4は、有線または無線の通信端末である。統合信号は、送信時には、セキュリティ確保のために暗号化される。レンタル統合データベース6は、各ユーザに対して割り当てられた所定の容量の個人別データベースを含む。ユーザは、通信端末4からの特定の認証手段でもって通信接続の確認を行い、暗号化した統合信号をレンタル統合データベース6に送信し、自分に割り当てられたデータベースに対して統合信号を蓄積する。蓄積されるデータは、送信されてきた暗号化統合信号と属性データである。レンタル統合データベース6を管理する会社は、複数のユーザとの個別契約を結ぶことで、蓄積データの管理を行い、例えば契約期間やデータ量に応じた使用料をユーザから徴収することによって、レンタル統合データベース6の運営を行なっている。
レンタル統合データベース6は、種々のパブリックデータベース7と接続されており、後述する方法でもって関連する情報と自動的にリンクが行なわれる。パブリックデータベース7は、アクセス可能なデータベースを意味し、利用に対して有償無償の何れもありうる。また、レンタル統合データベース6と統合信号提示装置8とが接続されている。統合信号提示装置8は、再体験センターに設置されている。ユーザが過去の体験を再体験したい要求が生じたとき、ユーザは、統合信号提示装置8によって再体験することができる。
図1に示すシステムは、実際には、複数の会社によって運営されることが多い。信号取得および符号化部2を製造し、販売することによって、利益を得ることができる。また、蓄積部3のハードウエアまたはソフトウェアを製造し、販売することで利益を得ることができる。さらに、レンタル統合データベース6の使用契約に基づいて使用料を得ることができる。レンタル統合データベース6がパブリックデータベース7にリンクする際には、情報料をパブリックデータベース7の管理会社に対して支払うことになる。統合信号提示装置8によって、再体験を提供することによって使用料を得ることができる。これらのビジネス上の利益を得ることが可能な点から複数の会社によってシステムが運用されることが実際的である。
上述したシステムを構成する各構成要素についてより詳細に説明する。最初に信号取得部1の信号取得および符号化部2の一例について、図2を参照して説明する。視聴覚信号および生体信号を取得するために、CCD等を使用した画像入力部11と、マイクロホンを使用した音声入力部12と、体温を測定するための温度検知部13と、筋電位を検出する筋電位検知部14と、発汗を検出する発汗検知部15とが設けられている。図示したもの以外の生体情報を入力するための検知部を設けても良い。例えば心拍、血圧等の情報を取得しても良い。
これらの検知部を構成するセンサがユーザに装着されている。例えば画像入力部11のCCDは、眼鏡のフレーム等に装着することにより、ユーザが実際に見ている画像にできるだけ近い画像に係る画像信号を生成するようになされる。特にCCDは、広角撮影が可能なものが望ましい。他のマククロホン、検知部のセンサも、眼鏡のフレームに対して取り付けることができる。
上述した入力部および検知部のそれぞれの出力信号がアンプを介してA/D変換器16,17,18,18,20に供給され、ディジタル信号へ変換される。A/D変換器16〜20からのディジタル信号がそれぞれ信号処理部21,22,23,24,25に供給される。信号処理部21〜25は、それぞれに最適なノイズ低減処理等の処理を行い、ノイズ等の不要な信号成分を取り除き、また、加工しやすい信号に変換または整形される。信号処理部21〜25のそれぞれの出力信号が統合符号化部26において符号化され、統合信号へ変換される。そして、1系列の信号としてリムーバブルな蓄積媒体例えばフラッシュメモリカード27に記録される。制御部28は、統合符号化部26からの統合信号をフラッシュメモリカード27に書き込む動作、並びに統合信号をフラッシュメモリカード27から読み出す動作等を制御する。
図3は、統合符号化部26の一例を示す。上述した画像および音声、種々の生体信号は、それぞれある物理的な特性を持っている。例えば画像は、空間および時間方向に局所的な相関が高いという性質がある。情報量としては、画像データが最も多いため、画像データに他のデータを埋め込むことによって情報量が増えないような統合符号化を行なう。図3は、例えば画像データに音声データを埋め込む統合符号化部の構成例である。
画像データがラインメモリ31に供給される。画像データは、サンプリング周波数が13.5MHzで、1画素当たり8ビットに量子化したものである。この画像データは、水平方向に720画素で、垂直方向に480ラインで、時間方向に30コマ/秒のデータである。ラインメモリ31に格納された1ライン分の画像データが並列にバレルシフタ32に供給される。バレルシフタ32の出力が符号化データメモリ33に格納される。
また、音声データがバレルシフタ32にシフト量を制御する信号として供給される。音声データは、サンプリング周波数がライン周波数と等しい15.7kHzで、1サンプル当たり9ビットのデータである。したがって、画像の1ラインに対して、音声データの1サンプルが発生する。バレルシフトとは、リング状にシフト動作を行なうことを意味する。
図4Aは、1コマの画像データの一例である。図4Aは、単純な例として、1枚の画像中の中央部分が四角い暗いエリアとされた原画像を示している。最も上側のラインL1からラインL2,L3,・・・,L478,L479,L480が存在する。各ラインの横方向に720サンプルが存在する。但し、図面では、簡単のため、ライン数が480本よりかなり少ない本数とされている。
1ライン当たり1サンプルが発生する音声データの値は、0から511まで変化する。この音声データの値に対応して画像の各ラインのデータを水平方向に右側にバレルシフトする。先頭のラインL1または所定の間隔で位置するラインのデータは、バレルシフト動作の対象とされず、バレルシフトがされないラインの画像データが復号時の基準データと使用される。なお、ラインL2、L3、L478、L479、L480のように、1ラインの画像データが全く同一の値の場合では、バレルシフトした結果も同じデータとなるので、これらのラインは、符号化に不向きである。
図4Bは、図4Aの画像中の各ラインが音声データによってシフトされた結果の画像データを示すものである。この画像データ(統合信号)が符号化データメモリ33に格納されている。図2におけるフラッシュメモリカード27が符号化データメモリ33に相当する。図4Bに示すように、画像データの情報量が増えることなく、画像の水平方向の連続性が保たれたまま、音声データによって垂直方向の連続性が崩れるように符号化されている。
図5は、統合符号化の復号装置の一例を示す。符号化データメモリ33には、統合符号化された画像データが格納されている。符号化データメモリ33から読み出された1ライン分のデータがバレルシフタ34に供給される。バレルシフタ34の出力がラインメモリ35および相関検出部36に供給される。ラインメモリ35には、初期値としては、先頭のラインL1のデータが格納される。バレルシフタ34の画像データは、符号化されたもので、一方、ラインメモリ35に格納されたデータは、1ライン前の復号された画像データである。
相関検出部36には、バレルシフタ34の出力とラインメモリ35の出力とが供給される。バレルシフタ34のシフト量を0,1,2,・・・・,511と変化させた時に、バレルシフタ34の1ライン分のデータと、ラインメモリ35の1ライン分のデータとの相関、すなわち、垂直方向の相関を演算する。そして、垂直方向の相関が最大となるシフト量を検出する。ラインメモリ35から復号された画像データが出力される。また、バレルシフタ34のシフト量がラッチ37に供給される。相関検出部36が相関が最大となることを検出した時に発生するラッチパルスがラッチ37に対して供給され、相関が最大となる時のシフト量がラッチ37に取り込まれる。ラッチ37から音声データが出力される。なお、上述した統合符号化は、一例であって、特開2000-59743号公報に記載されている埋め込み符号化を使用しても良い。
図6は、信号取得部1の蓄積部3の一例の構成を示す。蓄積部3では、フラッシュメモリカード27から読み出された統合信号が暗号化器41および統合復号部42に供給される。暗号化器41で暗号化された統合信号が書き込み回路43を介してハードディスク44に蓄積される。また、ハードディスク44から読み出し回路45を介して蓄積されている信号が読み出される。ハードディスクは、蓄積媒体の一例であって、光ディスク、磁気テープ、半導体メモリ等の蓄積媒体を使用しても良い。
フラッシュメモリカード27から読み出された統合信号が統合復号部42によって復号される。統合復号部42からは、画像信号、音声信号、体温の温度信号、筋電位信号、発汗信号が分離して得られる。これらの体感信号(視聴覚信号および生体信号)が記録トリガ検出部46に供給される。記録トリガ検出部46は、ハードディスク44に記録すべき体感信号か否かを示すトリガ信号Rを発生し、このトリガ信号Rをシステム制御およびアドレス発生部47に供給する。後述するように、ハードディスク44に記録すべき有効な体感信号か否かの判断は、複数の体感信号に基づいて統合判断される。このトリガ信号Rを利用して、ユーザが印象深いと感じた視聴覚信号を取捨選択してハードディスク44に記録することができる。
システム制御およびアドレス発生部47は、蓄積部3の全体の処理を制御するものである。上述したトリガ信号Rに基づいて、システム制御およびアドレス発生部47は、フラッシュメモリカード27からの統合信号を読み出すアドレスを制御し、有効と判断された統合信号を読み出す。読み出された統合信号が暗号化器41で暗号化され、書き込み回路43を介してハードディスク44に書き込まれる。書き込み回路43およびハードディスク44がシステム制御およびアドレス発生部47によって制御される。システム制御およびアドレス発生部47は、ハードディスク44の読み出し動作も制御し、読み出し回路45を介して読み出し信号が出力される。
記録トリガ検出部46において、記録すべき統合信号を決定すると、その統合信号がフラッシュメモリカード27から読み出されるように制御される。また、フラッシュメモリカード27と暗号化器41の間に、記録トリガ検出部46において、記録すべき統合信号を決定するのに必要な時間、統合信号を遅延する遅延素子を設けても良い。
48は、属性データ生成部を示す。ユーザが端末(信号取得部1)を操作することによって、所望の属性データを入力することで、統合信号と関連する属性データが生成される。例えば運動会、オリンピック等のイベント名が属性データとして使用される。他に、体験した年月日および時刻、場所等が属性データとして使用される。属性データは、体験のキーワードとなるもので、その具体例については後述する。属性データも暗号化器41に供給される。
暗号化器41は、フラッシュメモリカード27から読み出された統合信号と、属性データ生成部48からの属性データとを受け取り、これらの統合信号および属性データを鍵信号49を使用して暗号化する。暗号化は、プライバシーの保護のために必要である。一例として、別途記録された個人の認証用生体データ(指紋等)が鍵信号49として使用される。
図6中の記録トリガ検出部46の一例について説明する。図7は、画像信号に関する処理の構成を示し、図7の構成によって画像信号に関連するトリガ信号Vが生成される。統合復号部42からの画像信号がフレームメモリ51と減算器52とに供給される。フレームメモリ51の出力が減算器52に供給される。減算器52は供給される画像信号間の差分を算出し、算出した差分を絶対値計算回路53に供給する。絶対値計算回路53は、供給される差分について絶対値を計算し、計算した差分絶対値を積算回路54に供給する。積算回路54は、供給される差分絶対値を所定のフレーム数に渡って積算し、積算値を比較回路55に供給する。
比較回路55には所定のしきい値が供給され、このしきい値と積算値との比較結果を示す信号がトリガ生成回路56に供給される。トリガ生成回路56は、供給される信号に従ってトリガ信号Vを生成する。ここで、トリガ信号Vを生成する条件としては、画像内の物体が動いた場合、CCDが被装着者と共に動いた場合、または全体的な輝度レベルに変化があった場合等が挙げられ、何れの場合もフレーム間差分に基づいて判断することができる。なお、ブロックマッチング等の方法によって動きベクトルを抽出し、抽出した動きベクトルに基づく処理を行うことによってトリガ信号を生成する構成を用いても良い。
次に、図8は、温度検知部で検知された体温信号に関連するトリガ信号Tを生成する構成を示す。統合復号部42からの体温信号が遅延素子61と減算器62とに供給される。遅延素子61は、供給される信号を所定期間遅延させ、減算器62に供給する。減算器62は供給される2個の信号間の差分を算出し、算出した差分を絶対値計算回路63に供給する。絶対値計算回路63は、供給される差分について絶対値を計算し、計算した差分絶対値を比較回路64に供給する。
比較回路64には所定のしきい値が供給され、このしきい値と絶対値計算回路63の出力との比較結果を示す信号がトリガ生成回路65に供給される。トリガ生成回路65は、供給される信号に従ってトリガ信号Tを生成する。以上のような構成により、何らかの刺激が被装着者に加わったことに起因して被装着者の体温が変化する場合等にトリガ信号が生成される。なお、遅延素子61による遅延の期間は、体温の変化を検出するために好適に設定すれば良い。
図9は、筋電位検知部で検知された筋電位信号に関連するトリガ信号Kを生成する構成を示す。統合復号部42からの筋電位信号が絶対値計算回路71に供給される。絶対値計算回路71の出力がピーク検出回路72に供給される。ピーク検出回路72は、供給される信号からピーク値を検出し、検出したピーク値を比較回路73に供給する。ここで、ピーク検出回路72には、一定の時間間隔でリセット信号が供給される。
リセット信号が供給される毎に、ピーク検出回路72がそれ以前に検出したピーク値がリセットされる。このようにして、一定の時間間隔毎にピークが検出される。比較回路73には所定のしきい値が供給され、このしきい値とピーク検出回路72の出力との比較結果を示す信号がトリガ生成回路74に供給される。トリガ生成回路75は、供給される信号に従ってトリガ信号Kを生成する。このようにして、一定の時間間隔毎に、トリガ信号Kの生成の可否が決定される。
なお、図示しないが、発汗検知部で検知された発汗信号に基づいて、発汗量が急に多くなるのに対応したトリガー信号Hも生成される。
以上のような構成により、被装着者に加わる刺激、被装着者の動作等に起因して筋電位がある程度以上大きく変化する場合等に、トリガ信号が生成される。例えば、顔の筋肉に筋電位センサを装着すれば、表情の変化に基づいてトリガ信号が生成される。なお、筋電位のパルス(ピーク)間隔の差に基づく処理を行うことによってトリガ信号を生成する構成を用いても良い。
さらに、記録トリガ検出部46は、上述したように生成される各トリガ信号に基づいて総合的な判断を行い、有効な体感信号のみを蓄積するように、書き込み有効期間を示す信号Rを生成する。統合判断のための構成の一例を図10に示す。ここでは、トリガ信号として上述した4種類のトリガ信号V,T,K,Hが供給される場合を示す。トリガ信号V,T,K,Hがアンド回路81に供給される。アンド回路81は、トリガ信号V,T,K,Hに基づいてアンド信号を生成し、生成したアンド信号を波形整形回路82に供給する。波形整形回路82は、供給される信号に、孤立点の除去等の波形整形処理を施す。波形整形回路82の出力は同期回路83に供給される。
一方、コントロール回路84は、システム制御およびアドレス発生部47の指令に従って同期情報に係る信号を生成し、生成した信号を同期回路83に供給する。同期回路83は、波形整形回路82が出力する信号に対して、システム制御およびアドレス発生部47の指令に従う同期をとる処理を行う。このような処理の結果として、書き込み有効期間を示す信号Rが同期回路83から出力される。この信号Rがシステム制御およびアドレス発生部47に供給される。それによって、書き込み有効期間の統合信号が暗号化されてハードディスク44に書き込まれる。上述した記録検出部46の出力信号Rによって、視聴覚信号の内で、生体に関しての変化を生じさせるような印象深いものが選択的に且つ自動的にハードディスク44に書き込まれる。また、そのときの生体信号もハードディスク44に書き込まれる。生体信号は、ユーザが印象深いと感じたか否かの判断のために利用され、また、後日、再体験を可能とするために保存される。
なお、トリガ信号がV,T,K,H以外のものを含む場合、トリガ信号の種類が4種類以外である場合等においても、上述したような構成においてアンド回路81に供給されるトリガ信号の種類や個数を変更することによって書き込むべき信号(期間を特定する)を示す信号Rを生成することができる。
次に、図11を参照してレンタル統合データベース6について説明する。レンタル統合データベース6に対して、上述した信号取得部1の蓄積部3のハードディスク44に蓄積された暗号化統合信号(属性データを含む)が通信端末4およびパブリックネットワーク5を介して入力される。また、図1にも示すように、再体験センターに設置されている統合信号提示装置8との間で、データの入出力が可能とされ、また、レンタル統合データベース6は、パブリックデータベース7に対してアクセスし、所望のデータを検索し、検索した所望のデータをダウンロードすることが可能とされている。
レンタル統合データベース6は、個人別にレンタルされるデータベース901 〜90n
を備えている。データベースを使用できる者は、登録されたユーザである。登録が完了すると、例えば認証用のパスワード(個人ID)が発行される。そのユーザを識別することが可能な情報例えば指紋の情報を使用しても良い。ユーザが自分の属性データおよび統合信号を自分用のデータベースに登録する時には、個人認証部91において、認証(本人確認)がなされる。認証が成立すると、書き込み/読み出し制御部92によって暗号化された属性データおよび統合信号が自分用のデータベースに登録される。
また、レンタル統合データベース6を管理する会社は、パブリックネットワーク5に対して自動検索、自動リンク・プログラムを走らせることによって、データベース901 〜90n に登録されている属性データに基づいて、関連のある情報を検索する。検索結果に基づいて、リンク先の情報を属性データ中に自動的に書き込む。また、属性データ中のリンク先の情報に基づいてパリックデータベース7にリンクして、レンタル統合データベース6のデータベースに既に蓄積している統合信号と関連するデータをパブリックデータベース7から取得し、データベースに登録済の統合信号を書き換えるようになされる。
このようなパブリックデータベース7に対するリンク、情報の取得等のために、暗号化の復号化器93、統合符号化の復号化部94、属性データの抽出、編集部95、リンク、編集加工を行なうデータ処理部96、統合符号化部97、暗号化器98をレンタル統合データベース6が備えている。データ処理部96は、パブリックデータベース7とのインターフェースの機能も有している。
個人のデータベースから読み取られ、復号された統合信号がデータ処理部96に供給される。また、抽出、編集部95によって属性データが抽出され、抽出された属性データがデータ処理部96に供給される。データ処理部96によって、パブリックネットワーク5に対して自動検索、自動リンク・プログラムが実行され、属性データと関連のある情報が検索される。検索された情報のデータベースがリンク先として属性データに書かれる。このリンク先の情報を属性データとして書き込む処理が編集処理の一つである。
リンク先の情報に基づいてアクセスされたパブリックデータベース7から関連する情報がデータ処理部96に対してダウンロードされる。データ処理部96では、復号した統合信号とダウンロードした情報との相関の有無がチェックされ、相関のあるデータが選択される。相関があるデータは、符号化部97および暗号化器98、書き込み/読み出し制御部92を介してデータベースに記録される。すなわち、データベース中の一部の情報がパブリックデータベース7から取得した関連する情報によって書き換えられる。
信号取得部1の蓄積部3からレンタル統合データベース6へのデータ送信手続きについて、図12のフローチャートを参照して説明する。図12の左側は、信号取得部1における処理を示し、その右側の破線で囲んだ処理S30がレンタル統合データベース6における処理を示す。ステップS1では、取得部1の蓄積部3に対しての接続がなされる。ステップS2では、レンタル統合データベース6に対する接続かなされる。それによって、通信端末4を介した通信路が確立される。
ステップS31では、通信開始の準備がなされる。取得部1から個人ID、パスワードがレンタル統合データベース6に対して送信される。ステップS32において個人認証がなされる。ステップS33において、認証が成立したか否かが決定される。認証が成立すると、通信開始がなされ(ステップS34)、取得部1の蓄積部3から統合信号が読み出される(ステップS4)。読み出された統合信号が暗号化され、暗号化統合信号が送信される(ステップS5)。ステップS35で受信された暗号化統合信号が統合データベースに記録される(ステップS36)。
取得部1では、ステップS6において、統合信号の読み出しの終了が監視されており、レンタル統合データベース6では、統合データベースへの統合信号の記録の終了が監視されている(ステップS37)。読み出しが終了すると、通信が終了する(ステップS38)。また、両方の動作が終了したか否かがステップS7で監視されている。ステップS7で終了が決定されると、通信が切断される(ステップS8)。そして、データの秘匿性を守るために、送信済の統合信号が蓄積部3の記憶内容から消去される。
図13は、信号取得部1からレンタル統合データベース6へのデータ送信手続きの他の例のフローチャートである。通信端末4のタイマーによって、自動的に送信を行なうものである。最初にステップS11において、送信スケジュールデータが読み込まれる。送信スケジュールデータは、送信スケジューラの処理S10において生成される。すなわち、自動送信時刻の入力がステップS14で行なわれ、ステップS15において、送信スケジュールデータが読み込まれる。
ステップS12では、現在時刻が読み込まれる。ステップS13では、現在時刻が自動送信時刻になったか否かが決定される。送信時刻になったと決定されると、蓄積装置3に対して接続される(ステップS1)。この後の通信処理は、図12を参照して説明した送信処理と同様であり、対応する処理ステップに対して同一の参照符号を付して示し、詳細説明を省略する。
図14は、信号取得部1からレンタル統合データベース6へのデータ送信手続きのさらに他の例のフローチャートである。図14の処理は、蓄積部3に対する統合信号の蓄積量が所定の量に到達したなら、統合信号をレンタル統合データベース6に対して自動的に送信するものである。最初にステップS21において、統合信号の蓄積量が読み取られる。ステップS22では、蓄積量が規定量に達したか否かが決定される。
ステップS22において、蓄積量が規定量に達したと決定されると、通信端末が起動される(ステップS23)。そして、通信が開始され(ステップS24)、レンタル統合データベース6に接続される(ステップS2)。レンタル統合データベース6側の処理は、S30として示すように、図12または図13に示されるものと同様である。起動された通信端末4からID、パスワードが送信され、送信準備ができたか否かがステップS24で決定される。
通信端末4の送信の準備が完了し、蓄積装置3の準備がステップS25において完了したと決定されると、統合信号が読み出される(ステップS4)。そして、通信端末4により送信される(ステップS5)。ステップS26において、送信が終了したと決定されると、通信が切断される(ステップS8)。
また、統合信号の読み出しが終了したとステップS6において決定されると、ステップS7において読み出し動作および送信動作が終了したか否かが決定される。終了したと決定されると、統合信号が消去される(ステップS9)。
図15は、レンタル統合データベース6の各データベースに登録されている統合信号が有する属性データの一例を示す。図15の例では、個人ID100a、イベント名100b、タイムスタンプ100c、場所100d、リンク先1の情報100e、リンク先2の情報100fが属性データとして設定されている。属性データとしては、リンク先の情報を追加したり、後で新たなカテゴリーを規定することが可能なように、予備領域が用意されている。リンク先の情報は、パブリックデータベース7内の他のデータベースにリンクするために必要な情報である。
次にリンクの方法について、図16に示す属性データの具体例に基づいて説明する。この例では、個人ID100aが「特許 太郎」、イベント名100bが「シドニー・オリンピック開会式観戦」、タイムスタンプ100cが「2000年 9月15日午前10時」、場所100dが「オリンピック・スタジアム」、リンク先1の情報100eが「ABC放送素材No. ???」、リンク先2の情報100fが「NNS放送素材No. xxx」とされている。この属性データは、「特許太郎」というユーザがオリンピックの開会式を体験した時の統合信号であることを表している。また、この開会式の放送用の素材が例えば放送局「ABC」、または放送局「NNS」に保管され、パブリックデータとして公開されていることを表している。
上述したように、レンタル統合データベース6を管理する会社は、データベースに登録されている属性データに基づいて、パブリックデータベース7から関連のある情報を検索する。検索結果に基づいて、リンク先の情報を属性データ中に書き込む。上述した例では、公開されているパブリックデータベース7から放送局「ABC」「NNS」の該当するオリンピック開会式のデータの保管場所を抽出し、この保管場所を属性データのリンク先を示す情報100e、100fに自動的に書き込む。
そして、上述したように、パブリックデータベース7にリンクして、レンタル統合データベース6のデータベースに既に蓄積している統合信号と関連するデータをパブリックデータベース7から取得し、データベースに登録済の統合信号を書き換えるようになされる。このような処理によって、レンタル統合データベース6のデータベースに格納されている情報は、取得部1において、ユーザ個人が取得した情報に対して、パブリックデータベースから取得した情報が付け加わる。それによって、データベースに登録されているデータがより内容が豊富とされ、また、より高品質なものとされる。上述した例では、ユーザ自身が取得した開会式の画像、音に加えて放送局が取材した結果の画像、音がデータベースに登録されることになる。
図17は、レンタル統合データベース6によってなされる検索、自動リンクの動作を説明するためのフローチャートである。レンタル統合データベース管理会社では、ユーザとの契約(または要求)に従って、自動リンクプログラムを走らせる。まず、ステップS41において、データベースから契約者の特定のデータを読み出し、個人IDの確認を行う。次に、属性データを読み取り(ステップS42)、ユーザがあらかじめ指定していたリンク条件を判断し(ステップS43)、その結果からイベント名を抽出する(ステップS44)。この場合、属性データ中のタイムスタンプなど、別の情報からリンク先を決めるようにしても良い。
ステップS45では、抽出されたイベント名をキーワードとして、公開されているパブリックネットワーク内のデータベース7を検索する。検索エンジンにより検索が開始され(ステップS46)、検索結果がリストアップされる(ステップS47)。ステップS48では、この検索結果の中から、有力なリンク先を抽出する。
次に、リンク先へ支払いを行うための手続きを開始する。ステップS49では、リンク先への接続がなされる。ステップS50では、リンク先への支払い手続きがなされる。例えばパブリックネットワーク5を通じて、レンタル統合データベース管理会社に登録されている個人の口座からリンク先へ電子決済によって支払いがなされる(ステップS51)。この支払いは、ダウンロードしたデータ量とは無関係の入会金、手付金のような最初に必要なものである。
支払いがリンク先から確認されることによってリンクの許可発行が行われる(ステップS52)。この許可を確認の上、リンク先の接続が切断され(ステップS52)、また、リンク先の情報が属性データに書き込まれる(ステップS54)。ステップS48において抽出されたリンク先に対しての処理が終了したか否かがステップS55おいて決定され、処理が全て終了すると、プログラムが終了する。
上述したように自動リンク先の検索と属性データの編集が終了すると、次にレンタル統合データベースに含まれるデータベースの自動編集が行われる。図18は、統合データベースの内容の自動編集の処理の流れを示すフローチャートである。レンタル結合データベース管理会社では、自動編集プログラムを走らせる。まず、ステップS61において、個人キーで統合信号データの暗号化を復号する。ステップS62では、属性データを読出す。
属性データ中のリンク先の情報が抽出される(ステップS63)。この情報に基づいてパブリックデータベース7のリンク先例えば放送局のデータベースに対してレンタル統合データベース6が接続される(ステップS64)。また、抽出されたリンク先に対する支払い手続きがなされる(ステップS65)。そして、パブリックネットワーク5を通じて、レンタル統合データベース管理会社に登録されている個人の口座からリンク先へ電子決済によって支払いがなされる(ステップS66)。ステップS67では、リンク先のデータがダウンロードされる。この支払いは、ダウンロードしたデータ量に応じたもの(従量課金)とされる。ダウンロードの終了がステップS68において決定され、ダウンロードが終了すると、ステップS69において、リンク先との接続が断たれる。
ステップS62において読み出された属性データと対応する統合信号が復号され、統合信号が画像データ、音声データ、生体信号などへ分離される(ステップS70)。ステップS71では、リンク先からダウンロードしたデータ例えば画像データと復号した個人画像データとの内容の相関が検出される(ステップS71)。個人の画像データとダウンロードされた画像データとの関連(内容の相関)に基づいて、ステップS72において、画像、音声の入れ替えや補間(追加)が行われる。自動編集が終了すると、ステップS73において、再度統合符号化によって各データがまとめられ、ステップS74において、再度個人キーで暗号化される。ステップS75では、この暗号化された編集後の統合信号によってデータベースが書き換えられ、プログラムが終了する。
レンタル統合データベース6と接続され、再体験センターに設置されている、統合信号提示装置8の一例の構成を図19に示す。提示装置8は、再体験センターに設置されている。ユーザが過去に体験した体験を再体験したい要求が生じたとき、ユーザは、再体験センターにでかけて再体験をすることが可能である。
統合信号提示装置8においては、温度、湿度などの空調等が制御可能な特殊な部屋において、前面に大画面提示用のスクリーン101および3次元音響装置102が配置されている。図示の例では、1面のスクリーン101を示しているが、正面および左右側面の3面にスクリーンが配置された没入型スクリーンでも良い。また、スクリーン101には、反射型または透過型プロジェクタによって画像が提示される。音響装置102に関しては、スクリーン101を通して音を出すものであっても、壁に多数のスピーカを埋め込んで音場再生するものであっても良い。
部屋の中央には動く椅子103が設置されている。椅子103は、3次元方向に動くことが可能な構成とされ、動揺創造部104の出力によって駆動される。動揺創造部104は、統合信号中の画像信号から動きベクトルを検出し、検出した動きベクトルに基づいて動揺信号成分が生成される。動揺創造部104には、動揺信号を蓄積するためのハードディスク等の蓄積装置が備えられている。動く椅子103によって、例えば歩いたり、走ったり、自動車に乗っている時に受ける振動を再現することができる。この動揺信号の生成方法の一例は、例えば特開2000−214755号公報に記載されている。
105は、部屋の温度、湿度等を制御する空調設備である。空調設備105は、制御部106によって制御される。制御部106には、制御データを蓄積するためのハードディスク等の蓄積装置が備えられている。上述した画像再生機器としてのスクリーン101および音響装置102は、信号処理部107によって制御される。信号処理部107には、画像データ、音響データを蓄積するためのハードディスク等の蓄積装置が備えられている。
レンタル統合データベース6からの統合信号を受け取り、そして、受け取った信号を復号するために、端末108、個人認証部109、暗号化の復号化器110および統合符号化の復号化部111が設けられている。復号化部111からの統合信号が信号処理部107に供給され、統合信号に基づいて、上述した各装置に対する制御信号が信号処理部107によって生成される。信号処理部107、端末108、個人認証部109、復号化器110、復号化部111は、実際には、ワークステーションを主体として構成され、部屋の片隅に設置されている。
図20は、統合信号提示装置8に関連する動作の流れを示すフローチャートである。ユーザが再体験したいという欲求が起こったときに、再体験センターへ訪れ、窓口において所定の手続きを行う。所定の手続きとは、ユーザ固有のカードを用いた、再体験の申し込みと統合信号提示装置8の使用料の電子決済による支払いである。ユーザ固有のカードは、例えばICカードで作られており、ユーザ固有のIDや電子決済の口座の情報などが生体データ(指紋等)をキーとして暗号化されて記録されている。ユーザは窓口でユーザ固有のカードを提示し、個人認証を行うことで再体験したいイベントの予約作業を行うと共に、電子決済の手続きを済ませる(ステップS91)。
予約の時間になったとき、ユーザは統合信号提示装置8の部屋に入り、動く椅子103に座ることで再体験プログラムが開始する。まず、ステップS92では、個人認証情報が読み出され、ステップS81において、統合信号提示装置8の一部である端末108からネットワークを通じてレンタル統合データベース管理会社との接続を行なう。
あらかじめ窓口で入力していた個人認証情報および再体験したいイベント名に基づいてステップS82、S93において個人認証がなされ、ステップS94では、認証が成立するか否かが検出される。若し、認証が成立しないと、その時点で処理が終了する。認証が成立すると、イベント名がレンタル統合データベース6に対して送信される(ステップS95)。
レンタル統合データベース6では、ステップS83において、該当統合信号データの読出しとダウンロードを開始する。図20において、破線で囲んで示す処理S80は、レンタル統合データベース6の処理を示している。ステップS84では、統合信号提示装置8に対して統合信号が送信される。ステップS85において、送信の終了が監視され、送信が終了すると、接続が切断される(ステップS86)。
統合信号提示装置8は、受信した統合信号を蓄積する(ステップS96)。そして、ステップS98において読み込まれた個人キー例えば指紋情報などの生体信号キーに基づいて、統合信号の暗号化を復号する(ステップS97)。次に、ステップS99において、統合信号の復号化がなされる。それによって、元の画像データ、音声データ、各種生体信号などが分離される。
生体信号の内で、温度センサおよび発汗センサなどの信号に基づいて、空調設備105を制御する制御データが生成される(ステップS100)。ステップS101では、空調制御データの生成処理が終了したか否かが決定される。空調データによって、体験当時の周囲温度や湿度の推定が行われ、空調装置の時間変動を含めた動作プログラミングが行われる。
復号された音声信号に基づいて 3次元音響信号が生成される(ステップS102)。ステップS103では、音響信号の生成処理が終了したか否かが決定される。音声信号によって、会話の音声、周囲の音等が再現される。
ステップS104では、復号された画像信号に基づいて、動揺信号が生成される。画像信号の動きベクトルが検出され、検出された動きベクトルから動揺信号が生成される。ステップS105では、動揺信号の生成処理が終了したか否かが決定される。ステップS106復号された画像信号が蓄積される。ステップS107では、画像信号の蓄積が終了したか否かが決定される。
ステップS101、103、105および107において、終了が検出されると、すなわち、全てのデータが揃うまで待機している。全てのデータが揃った時に、信号処理部107から動作開始のトリガ信号が動揺創造部104および制御部106に送られる(ステップS108)。ステップS109では、このトリガ信号によって、互いに同期して各データの提示が開始する。それによって、過去に体験したイベントの臨場感ある再現が行われる。しかも、パブリックデータベースからの放送用の素材等の高品質のデータで補完された、より臨場感ある体験なども行われる。このようにして、再体験の一連データの再現が終了すると、プログラムが終了する。
この発明は、上述したこの発明の一実施形態等に限定されるものでは無く、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。例えば統合信号提示装置8において、空調制御データ、音響信号、動揺信号等の生成処理、および画像信号の蓄積処理をユーザが予約を行なった後に予め行なっておき、ユーザが少ない待ち時間で再体験することを可能としても良い。また、ユーザがレンタル統合データベースから属性データを受け取り、属性データを自分で編集、加工するようにしても良い。