以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る動画データ再生システムの概略構成図である。図1に示すように、動画データ再生システムは、サーバ装置1、画像プリント装置2、及び携帯端末4を備える。携帯端末4は、カメラや通信機能を持つスマートフォンやタブレット機器等である。携帯端末4には、動画データの登録や再生を行うためのアプリケーションプログラム(動画登録再生アプリ)がインストールされている。
携帯端末4は、画像データと動画データとをサーバ装置1に登録する。動画データは、例えば携帯端末4のカメラで撮影した動画である。画像データは、例えば動画データから切り出された静止画像、又はカメラで撮影した画像のデータである。
また、携帯端末4は、画像データ及び動画データを登録すると共に、認証キー情報の登録を行う。この認証キー情報は、後述する動画データ再生時のユーザ認証に必要となるものである。認証キー情報は、パスワード、又は携帯端末4にインストールされている動画登録再生アプリのアプリIDである。動画登録再生アプリには、インストール時に、ユーザ(携帯端末)毎に固有のアプリIDが割り当てられる。
認証キー情報がパスワードである場合、ユーザがパスワードを設定する。認証キー情報がアプリIDの場合、画像データ及び動画データの登録時に、携帯端末4からサーバ装置1にアプリIDが自動的に通知される。
サーバ装置1は、携帯端末4から画像データ及び動画データを受信すると、動画データにアクセスするための保存場所情報(例えばURLやコンテンツID)を携帯端末4へ送信する。
ユーザが、携帯端末4から画像データ及び保存場所情報を画像プリント装置2へ転送し、料金を支払うと、画像プリント装置2は保存場所情報をコード化して二次元コードを生成し、二次元コード画像と、携帯端末4から受信した画像データの画像とを合成し、合成画像を印画紙にプリントしてプリント物3を出力する。これにより、図2に示すように、画像31及び二次元コード32がプリントされたプリント物3が作成される。
ユーザが携帯端末4のカメラでプリント物3上の二次元コード32を撮影すると、携帯端末4は二次元コード32を読み取って保存場所情報を取得し、サーバ装置1にアクセスする。サーバ装置1にアクセスすると、ユーザの認証が行われる。
認証キー情報がパスワードの場合、パスワードの入力が求められる。パスワードを入力することで、正規のユーザであると認証され、以降の処理を進めることができる。
認証キー情報がアプリIDの場合、携帯端末4からサーバ装置1へアプリIDを自動的に送信する。サーバ装置1にアクセスした携帯端末4のアプリIDが、画像データ及び動画データを登録した携帯端末4のアプリIDと一致すると、正規のユーザであると認証され、以降の処理を進めることができる。
認証キー情報が異なる場合、正規ユーザとは認証されず、処理が停止する。
ユーザ認証後、携帯端末4は、サーバ装置1から画像データを取得するとともに、携帯端末4のカメラでプリント物3の画像31を撮影するようユーザに指示する。ユーザが携帯端末4のカメラで画像31を撮影すると、携帯端末4は、撮影された画像31と、サーバ装置1から取得した画像との特徴点を比較して照合する。照合により2つの画像が一致した場合、携帯端末4はサーバ装置1から画像31に対応する動画データを取得し、ディスプレイ上で動画を再生する。動画再生には公知のAR技術が用いられ、携帯端末4のカメラで撮影しているプリント物3に動画が重畳して再生される。
サーバ装置1は、正規ユーザと認証した携帯端末4の端末識別情報(携帯端末4の個体識別情報やアプリID)を管理し、2回目以降のアクセス時には端末識別情報を確認し、ユーザ認証処理を自動的に行ってもよい。これにより、ユーザは、2回目以降のアクセスにおいて、パスワードの入力等を行わずに動画を視聴することが出来る。
このように、動画データ再生システムでは、携帯端末4からサーバ装置1に画像データ及び動画データを登録し、サーバ装置1が携帯端末4に動画データの保存場所情報を通知する。画像プリント装置2は、携帯端末4から画像データ及び保存場所情報が転送され、画像31及び二次元コード32をプリントしたプリント物3を販売する。
プリント物3を購入したユーザは、携帯端末4で二次元コード32を読み取り、サーバ装置1にアクセスして動画データを受信・再生し、画像31に対応する動画を視聴することができる。これにより、プリント物3を動画付きの写真として楽しむことができる。
また、動画再生の際、正規ユーザであるか否かの認証処理が行われるため、第三者によって動画が視聴されることを防止でき、セキュリティレベルを向上させることができる。
以下、動画データ再生システムを構成する携帯端末4、サーバ装置1、画像プリント装置2について、それぞれ説明する。
図3は、携帯端末4のブロック構成図である。携帯端末4は、CPU40、メモリ41、カメラ42、通信部43、及びディスプレイ(タッチパネル)44を備える。
メモリ41は、動画データ及び動画登録再生アプリを記憶する。メモリ41は、フラッシュメモリタイプ、ハードディスクタイプ、マルチメディアカードマイクロタイプ、カードタイプのメモリ(例えば、SD又はXDメモリなど)、RAM(Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、ROM(Read-Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、PROM(Programmable Read-Only Memory)、磁気メモリの少なくとも1つのタイプの記憶媒体を含む。
CPU40が動画登録再生アプリを実行することで、図4に示すように、登録部50、転送部60、及び再生部70が実現され、サーバ装置1へのデータ登録、画像プリント装置2へのデータ転送、サーバ装置1からの動画の取得・再生などが行えるようになる。
登録部50は、切り出し部51、画像選択部52、データ送信部53、認証キー情報送信部54、及び保存場所情報受信部55を有する。
切り出し部51は、メモリ41に記憶されている動画データから静止画像を切り出す。切り出し部51は、動画データの場面が大きく変化する部分(カット又はカットブレイクという)を検出し、検出したカット毎に動画データを分割する。隣り合うフレーム間の画像を格子(矩形)に区分し、矩形毎の画素値の平均を求め、平均値の差の絶対値が大きい場合に、その場所がカットであると判定する。カットとカットとの間の動画ブロックに含まれる複数の静止画像の中から代表画像を決定する。代表画像は、動画ブロックの最初の画像、最後の画像、時間的に中間の画像等である。動画ブロック毎に代表画像を決定することで、切り出し部51は動画データから複数の静止画像を切り出す。
動画データから切り出された複数の静止画像は、ディスプレイ44に表示される。画像選択部52は、ユーザから静止画像の選択を受け付ける。
データ送信部53は、通信部43を用いて、動画データ、及び選択された静止画像の画像データをサーバ装置1へ送信する。
認証キー情報送信部54は、サーバ装置1へ認証キー情報を送信する。認証キー情報がパスワードである場合、ディスプレイ44にパスワード入力画面を表示し、ユーザからパスワードの入力を受け付ける。認証キー情報送信部54は、ユーザから入力されたパスワードをサーバ装置1へ送信する。認証キー情報がアプリIDの場合、認証キー情報送信部54は、インストールされている動画登録再生アプリのアプリIDをサーバ装置1へ送信する。認証キー情報送信部54による認証キー情報の送信は、例えばデータ送信部53による画像データ及び動画データの送信に続いて行われる。
保存場所情報受信部55は、通信部43を介して、サーバ装置1から、動画データにアクセスするための保存場所情報を受信する。
転送部60は、通信部43を用いて、データ送信部53がサーバ装置1へ送信した静止画像の画像データと、保存場所情報受信部55がサーバ装置1から受信した保存場所情報とを画像プリント装置2へ転送する。
再生部70は、コード読取部71、認証処理部72、画像取得部73、特徴点比較部74、及び動画再生部75を有する。
コード読取部71は、カメラ42を用いてプリント物3にプリントされた二次元コード32から保存場所情報を読み取る。読み取った保存場所情報に基づいて携帯端末4がサーバ装置1にアクセスすると、サーバ装置1がユーザ認証処理を行い、認証キーを要求する。
認証処理部72は、サーバ装置1からの認証キーの要求に応じて、認証キー情報を送信する。認証キー情報は、アプリIDや、ユーザから入力されたパスワードである。
サーバ装置1により正規ユーザと認証されると、画像取得部73はサーバ装置1から画像31に対応する画像データを取得する。また、画像取得部73はカメラ42を用いてプリント物3上の画像31を取得する。
特徴点比較部74は、サーバ装置1から取得した画像と、カメラ42で撮影したプリント物3の画像31との特徴点を比較する。
サーバ装置1から取得した画像と、カメラ42で撮影したプリント物3の画像31との特徴点が合致した場合、動画再生部75は、サーバ装置1から動画データを受信する。動画再生部75は、公知のAR技術を用いて、受信した動画データを、カメラ42で撮影しているプリント物3の画像31に重畳させて再生する。例えば、検出した画像31の特徴点を追跡してカメラ42の位置姿勢を推定し、カメラ画像と動画の位置合わせを行う。
特徴点が不一致の場合、ディスプレイ44に動画の再生が不可であることが表示される。
図5はサーバ装置1の構成図である。サーバ装置1は、画像データ受信部11、動画データ受信部12、保存場所情報送信部13、画像データ送信部14、動画データ送信部15、動画配信管理部16、認証部17、及びデータベース18を備え、例えばコンピュータにより構成される。
画像データ受信部11及び動画データ受信部12は、携帯端末4から画像データ及び動画データを受信する。携帯端末4からのデータ受信時、認証部17は携帯端末4から認証キー情報を受信する。保存場所情報送信部13は、携帯端末4から動画データを受信すると、動画データにアクセスするための保存場所情報を携帯端末4へ送信する。
携帯端末4から受信した画像データ、動画データ、及び認証キー情報と、携帯端末4へ送信した保存場所情報とは、互いに紐付けられて、データベース18に格納される。
認証部17は、携帯端末4が保存場所情報に基づいてサーバ装置1にアクセスした場合、この保存場所情報に紐付けられた認証キー情報を用いてユーザ認証処理を行う。例えば、認証部17は、アクセスしてきた携帯端末4に対し、パスワード入力又はアプリIDの通知を要求する。認証部17は、この要求に応じて携帯端末4から送信された認証キー情報と、データベース18に格納されている認証キー情報とを照合し、認証処理を行う。
認証処理により、携帯端末4のユーザが正規ユーザであることが確認されると、画像データ送信部14は、携帯端末4がアクセスしてきた際に用いた保存場所情報に対応する画像データを携帯端末4へ送信する。動画データ送信部15は、携帯端末4からの要求に応じて、携帯端末4がアクセスしてきた際に用いた保存場所情報に対応する動画データを携帯端末4へ送信する。
データベース(記憶部)18は、画像データ、動画データ、及び管理情報を保存する。画像データ及び動画データは、携帯端末4から受信したものである。管理情報は、画像データと動画データとの対応関係や、認証キー情報、データが登録された日付等の情報を含む。サーバ装置1は、携帯端末4の端末識別情報を取得する端末識別情報取得部をさらに備え、取得した端末識別情報を管理情報に含めてもよい。これにより、データベース18内の画像データ及び動画データの登録日や認証キー、登録に使用された携帯端末4の情報等を管理することができる。
データベース18は、フラッシュメモリタイプ、ハードディスクタイプ、マルチメディアカードマイクロタイプ、カードタイプのメモリ(例えば、SD又はXDメモリなど)、RAM、SRAM、ROM、EEPROM、PROM、磁気メモリの少なくとも1つのタイプの記憶媒体を含む。
動画配信管理部16は、携帯端末4から受信した画像データ及び動画データをデータベース18に保存すると、保存場所情報を生成し、この保存場所情報を含む管理情報を作成する。動画配信管理部16は、管理情報を参照し、携帯端末4がアクセスしてきた際の保存場所情報から、対応する画像データ及び動画データを特定する。
図6は、画像プリント装置2のブロック構成図である。図6に示すように、画像プリント装置2は、CPU(中央処理部)20、タッチパネル(表示部、操作部)21、課金部22、プリンタ23、通信部24、及びメモリ25を有する。画像プリント装置2は、デジタルカメラ等で撮影した画像データが記憶された記憶媒体から画像データを読み取り、読み取った画像をタッチパネル21に表示し、ユーザから画像の選択、プリントサイズやプリント枚数の指定を受け付け、プリンタ23により画像をプリント出力する機能を備えている。
課金部22は、投入された貨幣を識別計数し、釣銭を出金する。プリンタ23は、例えば昇華型熱転写方式の高解像度カラープリンタである。
メモリ25は、制御プログラムを記憶する。メモリ25は、フラッシュメモリタイプ、ハードディスクタイプ、マルチメディアカードマイクロタイプ、カードタイプのメモリ(例えば、SD又はXDメモリなど)、RAM、SRAM、ROM、EEPROM、PROM、磁気メモリの少なくとも1つのタイプの記憶媒体を含む。
CPU20が制御プログラムを実行することで、画像プリント装置2の各部を制御する制御部として機能する。
タッチパネル21を介してユーザから動画付き写真のプリント注文開始指示を受け付けると、通信部24は、無線通信又は有線通信機能を利用して、携帯端末4から画像データ及び保存場所情報を受信する。制御部は、図7に示すように、受信した画像データを用いて、プリント物3のサンプル画像80をタッチパネル21に表示する。
ユーザが購入画像を選択して料金を支払うと、制御部は、保存場所情報をコード化した二次元コード画像と、画像データとを合成して合成画像を作成し、プリンタ23へ転送する。プリンタ23は、この合成画像を印画紙にプリントし、プリント物3を出力する。
図8は、本実施形態による画像・動画の登録及び動画再生の処理の流れを示す図である。
ユーザが、携帯端末4を操作し、動画登録再生アプリを実行し、登録処理を開始すると、メモリ41内の動画データが選択できるようになる。ユーザがいずれかの動画データを選択すると、切り出し部51が選択された動画データから複数の静止画像を切り出してディスプレイ44に表示する。ユーザは、複数の静止画像のいずれかを選択する(ステップS101)。
携帯端末4のデータ送信部53が、ステップS101でユーザに選択された動画データ及び静止画像の画像データをサーバ装置1へ送信し、認証キー情報送信部54が認証キー情報をサーバ装置1へ送信する(ステップS102)。認証キー情報は、アプリID、又はユーザから入力されたパスワードである。
サーバ装置1は、携帯端末4から受信した動画データ、画像データ、及び認証キー情報をデータベース18に保存すると共に、動画データにアクセスするための保存場所情報を携帯端末4に通知する(ステップS103)。
ユーザは、画像プリント装置2を操作し、動画付き写真のプリント注文を開始する。画像プリント装置2の通信機能を利用して、サーバ装置1へ送信したものと同じ画像データ、及びサーバ装置1から通知された保存場所情報を、携帯端末4から画像プリント装置2へ転送する(ステップS104)。
ユーザからの料金の支払いを受け付けると、画像プリント装置2は、保存場所情報をコード化して二次元コード画像を生成し、この二次元コード画像と、携帯端末4から転送された画像データとを合成して、合成画像を生成する(ステップS105)。
プリンタ23が、この合成画像を印画紙にプリントして出力する(ステップS106)。これにより、ユーザは、画像31及び二次元コード32がプリントされたプリント物3を入手することができる(ステップS107)。
ユーザが、携帯端末4の動画登録再生アプリを実行し、再生処理を開始すると、カメラ42を起動し、ディスプレイ44上に二次元コードの読み取り指示が表示される。カメラ42でプリント物3の二次元コード32を撮影することで、携帯端末4は保存場所情報を読み取る(ステップS108)。
携帯端末4が、読み取った保存場所情報を用いてサーバ装置1にアクセスすると(ステップS109)、サーバ装置1はユーザ認証のために携帯端末4に対して認証キーを要求する(ステップS110)。携帯端末4は、この要求に応じて、サーバ装置1へ認証キーを送信する(ステップS111)。例えば、パスワード認証の場合、携帯端末4のディスプレイ44にパスワード入力画面が表示され、携帯端末4は、ユーザから入力されたパスワードをサーバ装置1へ送信する。認証キーがアプリIDの場合、携帯端末4はアプリIDをサーバ装置1へ送信する。
サーバ装置1は、受信した認証キーを用いて認証処理を行い(ステップS112)、認証結果を携帯端末4へ通知する(ステップS113)。ユーザ認証処理により、正規ユーザと認証されると、携帯端末4の画像取得部73は、画像データを要求する(ステップS114)。サーバ装置1は、管理情報を参照し、携帯端末4からアクセスされた際の保存場所情報に対応する画像データを携帯端末4へ送信する(ステップS115)。
携帯端末4がサーバ装置1から画像データを受信すると、ディスプレイ44上に画像31の読み取り指示が表示される。カメラ42でプリント物3の画像31を撮影すると、特徴点比較部74が、サーバ装置1から受信した画像と、カメラ42で撮影した画像31との特徴点を比較する(ステップS116)。特徴点が合致すると、携帯端末4はサーバ装置1に対し動画データを要求する(ステップS117)。
サーバ装置1は、ステップS115で携帯端末4へ送信した画像データに対応する動画データを携帯端末4へ送信する(ステップS118)。携帯端末4が動画データを受信すると、動画再生部75が、公知のAR技術を用いて、カメラ42で撮影している画像31に重畳させて動画データを再生する(ステップS119)。これにより、ディスプレイ44では、プリント物3内の画像31が動き出したように動画が再生される。
このように、本実施形態によれば、画像プリント装置2から出力されたプリント物3を携帯端末4で撮影することで、プリント物3に動画が重畳して再生されるようにサーバ装置1から携帯端末4へ動画データを配信することができる。
動画データは、ユーザ自らサーバ装置1に登録できる。そのため、プリント物3にプリントされた画像だけでなく、関連する動画も、楽しむことができる。
また、二次元コード32から保存場所情報を読み取ってサーバ装置1にアクセスした際に、ユーザ認証処理が行われる。このため、第三者によって動画が視聴されることを防止でき、セキュリティレベルを向上させることができる。
上記第1の実施形態において、認証キー情報としてアプリIDとパスワードの両方を登録するようにしてもよい。画像データ及び動画データを登録したユーザが、自身の携帯端末4を使用してプリント物3上の二次元コード32から保存場所情報を読み取り、サーバ装置1にアクセスした場合は、アプリIDを用いたユーザ認証が自動的に行われる。
ユーザAが携帯端末4Aを用いて画像データ、動画データ、認証キー情報(パスワード及びアプリID)を登録し、画像プリント装置2で作成したプリント物3をユーザBに譲渡する場合、ユーザAはユーザBに認証キー情報として登録したパスワードを教える。ユーザBは、自身の携帯端末4Bを使用してプリント物3上の二次元コード32から保存場所情報を読み取り、サーバ装置1にアクセスする。
サーバ装置1は、携帯端末4BからアプリIDを自動取得する。携帯端末4BのアプリIDは、画像データ及び動画データを登録した携帯端末4AのアプリIDと異なるため、サーバ装置1は携帯端末4Bに対し、パスワードの入力を求める。ユーザBは、携帯端末4Bのパスワード入力画面に、ユーザAから教えられたパスワードを入力する。これにより、ユーザBが正規ユーザと認証され、携帯端末4Bにて動画の再生が行えるようになる。サーバ装置1は、携帯端末4BのアプリIDを正規ユーザのアプリIDとして登録し、以後の携帯端末4Bからのアクセス時にはアプリIDに基づく認証を自動的に行ってもよい。
携帯端末4Bでのパスワード入力に代わり、サーバ装置1が、携帯端末4Bからのアクセスがあると、携帯端末4Aに対し、携帯端末4Bでの動画再生を許可するか否か問い合わせるようにしてもよい。サーバ装置1は、携帯端末4Bのアプリに登録されているユーザ名を携帯端末4Aに通知する。ユーザAが、通知されたユーザ名から、プリント物3を譲渡したユーザBであることを確認して動画再生を許可すると、携帯端末4Bにて動画の再生が行えるようになる。このような方法によれば、ユーザAがユーザBへのプリント物3譲渡時にパスワードを忘れた場合でも、ユーザBの携帯端末4Bで動画再生を行うことができる。
携帯端末4のCPU40が動画登録再生アプリを実行することで、プリント物3が購入されずに、データだけがサーバ装置1に登録されたままとなることを防止するための期限管理部が実現されてもよい。例えば、サーバ装置1へ動画データ及び画像データを登録し、保存場所情報を受信した後、一定期間(例えば1ヶ月)以内に画像データ及び保存場所情報が画像プリント装置2へ転送されない場合、すなわちプリント物3の購入が行われていない場合、期限管理部は、携帯端末4のディスプレイ44を用いて、未購入のプリント物3があることを報知したり、サーバ装置1に登録されたデータが消去されることをアラーム表示したりする。
また、期限管理部は、画像プリント装置2へ転送されていない画像データ及び保存場所情報の数が一定数に達した場合、すなわち未購入のプリント物3の数が一定数に達した場合に、携帯端末4のディスプレイ44を用いて、未購入のプリント物3が溜まっていることを報知したり、サーバ装置1に登録されたデータが消去されることをアラーム表示したりしてもよい。これにより、プリント物3が購入されずに、データだけがサーバ装置1に登録されたままとなることを防止し、サーバ装置1のデータベース18を効率良く使用できる。
動画登録再生アプリは、画像データ及び保存場所情報を画像プリント装置2へ転送した後、すなわちプリント物3の購入が行われたと考えられる場合、携帯端末4のディスプレイ44上に、二次元コード32を読み取って動画の再生を試行する指示を表示してもよい。携帯端末4が二次元コード32を読み取ってサーバ装置1にアクセスすることで、サーバ装置1は登録された動画データ及び画像データについて、動画付き写真が購入されたことを把握できる。
サーバ装置1は、動画再生のアクセスがあった場合のデータ保存期間(例えば2年)を定め、この保存期間の終了が近付くと、アクセス実績のある携帯端末4に対し、保存期間の終了が近いことを通知してもよい。サーバ装置1は、携帯端末4から、保存期間の延長や動画データの買い取りを有料で受け付けてもよい。料金の支払いは例えばクレジットカードを使用したオンライン決済で行われる。ユーザが保存期間の延長を選択した場合、サーバ装置1は、登録データの保存期間を延長する。ユーザが動画データの買い取りを選択した場合、サーバ装置1は携帯端末4へ動画データを送信し、この動画データをデータベース18から削除する。これにより、再生されなくなった動画データがサーバ装置1に登録されたままとなることを防止し、サーバ装置1のデータベース18を効率良く使用できる。
サーバ装置1は、携帯端末4の端末情報、アプリID、アクセス元IPアドレス等を確認して、一定期間内に、同一の携帯端末4から登録(アップロード)されるデータのサイズを制限してもよい。
上記第1の実施形態では、動画データから切り出した静止画像の画像データをサーバ装置1に登録するとともに、この静止画像に二次元コードを合成してプリント物3にプリントする例について説明した。しかし、画像データから切り出された静止画像に気に入った画像がない場合は、メモリ41内の他の画像データを選択し、サーバ装置1に登録し、画像プリント装置2へ転送してプリント物3にプリントするようにしてもよい。
サーバ装置1は、保存場所情報を携帯端末4へ送信する際、二次元コードのプリント位置情報をあわせて送信してもよい。画像プリント装置2は、携帯端末4から保存場所情報と共にプリント位置情報を受信し、プリント位置情報に基づいて二次元コード画像を合成する。これは、画像の特徴点比較(図8のステップS116)を行う際に、二次元コード32が特徴点比較の妨げになることを防止するためである。
携帯端末4は、サーバ装置1へ送信した画像データをコピーし、コピーした画像データを編集不能となるように保持し、画像プリント装置2へ転送することが好ましい。また、画像プリント装置2は、携帯端末4から編集不能の画像データが転送された場合、自装置の編集(スタンプやフレームの追加等)機能を用いた画像編集を行えないように制御する。サーバ装置1への送信後、画像プリント装置2でのプリント前に画像データが編集されると、プリント物3上の編集された画像と、サーバ装置1に保存されている画像とで特徴点が不一致となり得るためである。
上記第1の実施形態では、画像プリント装置2が保存場所情報のコード化処理を行う例について説明したが、携帯端末4の動画登録再生アプリにより行ってもよい。この場合、携帯端末4から画像プリント装置2へ二次元コード画像が転送される。
図7に示すように、プリント物3のサンプル画像80をタッチパネル21に表示する場合、サンプル画像80内の二次元コードを、ダミー情報に基づく二次元コードとすることが好ましい。これにより、タッチパネル21に表示されたサンプル画像80を携帯端末で撮影して動画を再生するような行為を防止できる。
上記第1の実施形態において、動画再生時のユーザ認証の有無を選択できるようにしてもよい。例えば、携帯端末4から画像データ及び動画データをサーバ装置1に登録する際に、認証キー情報の登録の有無を選択できるようにする。認証キー情報が登録されない場合、動画再生時のユーザ認証処理は省略される。
また、ユーザ認証の有無を、画像プリント装置2におけるプリント物3の購入時に選択できるようにしてもよい。この場合、サーバ装置1は、ユーザ認証を行う保存場所情報と、ユーザ認証を行わない保存場所情報の2つの保存場所情報を携帯端末4へ送信する。携帯端末4は、画像プリント装置2へ画像データ及び2つの保存場所情報を転送する。画像プリント装置2にユーザ認証の有無を選択する選択画面が表示され、ユーザの選択に応じた保存場所情報がコード化され、印画紙にプリントされる。画像プリント装置2は、ユーザ認証の有無により、プリント物3の販売価格を変えてもよい。
[第2の実施形態]
図9は、第2の実施形態に係る動画データ再生システムの概略構成図である。図9に示すように、動画データ再生システムは、サーバ装置100、画像プリント装置200、及び携帯端末400を備える。携帯端末400は、ユーザが所有するスマートフォンやタブレット機器等である。携帯端末400には、動画データを再生するためのプログラム(動画再生アプリ)が記憶されている。動画再生アプリには、インストール時に、ユーザ(携帯端末)毎に固有のアプリIDが割り当てられる。
サーバ装置100は、画像データと、この画像データに対応する動画データとを保存している。サーバ装置100は、画像データ、対応する動画データにアクセスするための保存場所情報(例えばURL)、及び認証キー情報を画像プリント装置200へ送信する。認証キーは、後述するユーザ認証に必要となるものであり、例えばパスワードである。
画像データは、例えば、スポーツ選手や有名人等の人物、動物、車などの画像のデータであり、動画データは、画像内の対象物が動いたり音声を出したりしている動画のデータである。以下、画像データが人物画像のデータである場合について説明する。
画像プリント装置200は、ユーザから料金が支払われると、サーバ装置100から受信した保存場所情報をコード化して二次元コードを生成する。そして、画像プリント装置200は、二次元コード画像と、サーバ装置100から受信した画像データに基づく人物画像とを合成し、合成画像を印画紙にプリントしてプリント物300を出力する。これにより、図10に示すように、人物画像310及び二次元コード320がプリントされたプリント物300が作成される。
また、ユーザからの料金支払い後、画像プリント装置200は、認証キーを表示する。例えば、認証キーとなる複数桁のパスワードが表示される。ユーザは、このパスワードを書き取るなどして記録する。
携帯端末400にて動画再生アプリを実行し、携帯端末400のカメラでプリント物300上の二次元コード320を撮影すると、携帯端末400は二次元コード320から保存場所情報を読み取り、サーバ装置100にアクセスする。
サーバ装置100への初回アクセス時に、パスワードを用いたユーザ認証が行われる。ユーザは、携帯端末400のパスワード入力画面に、画像購入時に画像プリント装置200に表示されていたパスワードを入力する。入力したパスワードがサーバ装置100へ送信され、正規のユーザであると認証されると、以降の処理を進めることができる。パスワードが誤っている場合、正規ユーザとは認証されず、処理を進めることができない。
ユーザ認証後、携帯端末400は、サーバ装置100から画像データを取得するとともに、携帯端末400のカメラでプリント物300の人物画像310を撮影するようユーザに指示する。ユーザが携帯端末400のカメラで人物画像310を撮影すると、携帯端末400は、撮影された人物画像310と、サーバ装置100から取得した画像との特徴点を比較して照合する。照合により2つの画像が一致した場合、携帯端末400はサーバ装置100から人物画像310に対応する動画データを取得し、ディスプレイ上で動画を再生する。動画再生には公知のAR技術が用いられ、携帯端末400のカメラで撮影しているプリント物300に動画が重畳して再生される。
サーバ装置100は、ユーザ認証後、携帯端末400からアプリIDを取得し、正規ユーザのアプリIDとして保存する。サーバ装置100への2回目以降のアクセス時には、携帯端末400からサーバ装置100へアプリIDが自動的に送信され、アプリIDを用いたユーザ認証が行われる。すなわち、アプリIDを用いてユーザ認証が自動的に行われ、ユーザはパスワードを入力する必要はない。
このように、動画データ再生システムでは、画像プリント装置200により、人物画像310及び二次元コード320がプリントされたプリント物300を販売する。プリント物300の購入後、ユーザは、携帯端末400でプリント物300上の二次元コード320を読み取り、サーバ装置100にアクセスして動画データを受信・再生し、人物画像310に対応する動画を視聴することができる。
また、プリント物300の購入時に、画像プリント装置200が、認証キーとなるパスワードをユーザに提示する。携帯端末400によるサーバ装置100への初回アクセス時に、この認証キーを用いて、正規ユーザであるか否かの認証処理が行われるため、第三者によって動画が視聴されることを防止できる。これにより、例えば、動画再生を行う携帯端末の台数が管理・制限されている場合に、第三者の携帯端末で再生されることで、正規ユーザによる再生端末台数が減少する(第三者により動画再生権利が使用される)ことを防止できる。
以下、動画データ再生システムを構成するサーバ装置100、画像プリント装置200、携帯端末400について、それぞれ説明する。
図11はサーバ装置100の構成図である。サーバ装置100は、画像データ送信部101、保存場所情報送信部110、端末情報取得部120、動画データ送信部130、動画配信管理部140、認証部150、及びデータベース160を備え、例えばコンピュータにより構成される。
データベース(記憶部)160は、画像データ、動画データ、及び管理情報を格納する。画像データ及び動画データは、例えばライセンサから提供されたものである。
図12に管理情報の一例を示す。管理情報は、複数のボックスに区分けされており、各ボックスには保存場所情報、ユーザアプリID、認証キー情報、販売可能数、再生可能デバイス数、画像情報、及び動画情報が含まれる。管理情報は、画像販売及び動画配信の管理単位でボックス分けされている。
販売可能数は、プリント物300の販売可能枚数(上限枚数)である。
保存場所情報は、動画再生に際しサーバ装置100にアクセスするために必要な情報であり、これがコード化された二次元コード320がプリント物300にプリントされる。例えば、ボックス001に対応する画像販売では、販売可能数X1と同数の保存場所情報が準備される。これらX1個の保存場所情報は互いに異なるURLであるが、サーバ装置100の内部での変換処理により、同一のボックス(ボックス001)が参照され、同一の動画データが再生されるようになっている。
保存場所情報送信部110は、画像プリント装置200からの要求に応じて、複数の保存場所情報のうち、未送信の保存場所情報のいずれかを画像プリント装置200へ送信する。これにより、画像プリント装置200で販売されるプリント物300は、人物画像310が同じであっても、二次元コード320が異なったものとなる。
プリント物300の販売枚数が販売可能数に達すると、未送信の保存場所情報がなくなるため、サーバ装置100は売り切れとなったことを画像プリント装置200に通知する。
認証キー情報は、ユーザ認証に用いられるものであり、画像購入時に、画像プリント装置200のディスプレイに表示される。認証キー情報は、保存場所情報と共に画像プリント装置200へ送信される。
認証部150は、ユーザの認証処理を行う。認証部150は、携帯端末400がサーバ装置100にアクセスしてきた際の保存場所情報に対応する認証キー情報と、携帯端末400から送信された認証キー情報(ユーザが入力したパスワード)とを照合して、認証を行う。認証部150が正規ユーザと認証した場合、端末情報取得部120が携帯端末400からアプリIDを取得する。取得されたアプリIDは、正規ユーザのアプリIDとして、管理情報内の保存場所情報に対応するユーザアプリIDに登録される。
再生可能デバイス数は、1枚のプリント物300で動画を再生できる携帯端末400の台数を示す。従って、1つの保存場所情報に対応して登録可能なユーザアプリIDの数が、再生可能デバイス数となる。
販売可能数及び再生可能デバイス数は、画像データ及び動画データを提供するライセンサが設定してもよい。再生可能デバイス数を設定しなくてもよい。また、販売可能数を設定せず、保存場所情報を1種類としてもよい。
画像情報は、販売する画像データについての情報を示す。動画情報は、画像データに対応する動画データについての情報を示す。
画像データ送信部101は、画像プリント装置200及び携帯端末400へ画像データを送信する。例えば、画像データ送信部101は、ライセンサから提供された画像データ及び動画データがサーバ装置100に登録されると、画像プリント装置200へ画像データを送信する。また、画像データ送信部101は、携帯端末400が保存場所情報に基づいてサーバ装置100にアクセスした場合、この保存場所情報に対応するボックスの画像情報を参照し、画像データを携帯端末400へ送信する。
例えば、保存場所情報がボックス001に含まれるものである場合、画像データ送信部101は携帯端末400へ画像データP1を送信し、保存場所情報がボックス002に含まれるものである場合、画像データ送信部101は携帯端末400へ画像データP2を送信する。
動画データ送信部130は、携帯端末400からの要求に応じて、携帯端末400へ動画データを送信する。携帯端末400へ送信する動画データは、携帯端末400へ送信した画像データに対応したものである。
動画配信管理部160は、携帯端末400へ配信するデータの特定や、管理情報の更新等を行う。
図13は、画像プリント装置200のブロック構成図である。図13に示すように、画像プリント装置200は、CPU(中央処理部)201、タッチパネル(表示部、操作部)210、課金部220、プリンタ230、通信部240、及びメモリ250を有する。画像プリント装置200は、通信部240を介してサーバ装置100と通信可能に接続されている。
メモリ250は、制御プログラム、画像販売プログラム、及びサーバ装置100から受信した画像データを記憶する。メモリ250は、フラッシュメモリタイプ、ハードディスクタイプ、マルチメディアカードマイクロタイプ、カードタイプのメモリ(例えば、SD又はXDメモリなど)、RAM、SRAM、ROM、EEPROM、PROM、磁気メモリの少なくとも1つのタイプの記憶媒体を含む。
CPU201が制御プログラムを実行することで、画像プリント装置200の各部を制御する制御部として機能する。
CPU201が画像販売プログラムを実行することで、図14に示すように、サンプル画像表示部260、保存場所情報取得部270、コード化処理部280、画像合成部290、及び認証キー表示部292が実現され、プリント物300の販売が行えるようになる。
サンプル画像表示部260は、サーバ装置100から受信した画像データを用いて、図15に示すように、タッチパネル210にプリント物300のサンプル画像700を表示する。ユーザが購入画像を選択して料金を支払うと、保存場所情報取得部270は購入された画像に対応する保存場所情報及び認証キーをサーバ装置100から取得する。
コード化処理部280は、保存場所情報取得部270が取得した保存場所情報をコード化して二次元コード画像を生成する。画像合成部290は、購入された画像に二次元コード画像を合成して合成画像を作成する。この合成画像をプリンタ230が印画紙にプリントすることで、プリント物300が出力される。
認証キー表示部292は、プリンタ230のプリント処理中などに、図16に示すように、保存場所情報取得部270が取得した認証キーをタッチパネル210に表示する。
画像プリント装置200は、デジタルカメラ等で撮影した画像データが記憶された記憶媒体から画像データを読み取り、読み取った画像をタッチパネル210に表示し、ユーザから画像の選択、プリントサイズやプリント枚数の指定を受け付け、プリンタ230により画像をプリント出力する機能を備えていてもよい。
図17は、携帯端末400のブロック構成図である。携帯端末400は、CPU401、メモリ410、カメラ420、通信部430、GPS440、及びディスプレイ(タッチパネル)450を備える。
メモリ410は、動画再生アプリ(アプリケーションプログラム)を記憶する。メモリ410は、フラッシュメモリタイプ、ハードディスクタイプ、マルチメディアカードマイクロタイプ、カードタイプのメモリ(例えば、SD又はXDメモリなど)、RAM、SRAM、ROM、EEPROM、PROM、磁気メモリの少なくとも1つのタイプの記憶媒体を含む。
CPU401が動画再生アプリを実行することで、図18に示すように、コード読取部460、認証処理部462、画像取得部470、特徴点比較部480、及び動画再生部490が実現され、動画の再生が行えるようになる。
コード読取部460は、カメラ420を用いてプリント物300にプリントされた二次元コード320から保存場所情報を読み取る。認証処理部462は、ディスプレイ450に認証キー入力画面を表示し、ユーザから入力された認証キーをサーバ装置100へ送信する。また、認証処理部462は、ユーザ認証後、サーバ装置100へアプリIDを送信する。
画像取得部470は、ユーザ認証後、サーバ装置100から画像データを取得する。また、取得部470は、カメラ420を用いてプリント物300上の人物画像310を取得する。
特徴点比較部480は、サーバ装置100から取得した画像と、カメラ420で撮影したプリント物300の人物画像310との特徴点を比較する。特徴点が合致した場合、動画再生部490は、サーバ装置100から動画データを受信して再生する。特徴点が不一致の場合、ディスプレイ450に再生不可であることが表示される。
動画再生部490は、公知のAR技術を用いて、受信した動画データを、カメラ420で撮影している人物画像310に重畳させて再生する。例えば、検出した人物画像310の特徴点を追跡してカメラ420の位置姿勢を推定し、カメラ画像と動画の位置合わせを行う。
GPS440は携帯端末400の位置情報を取得し、サーバ装置100からの要求に応じて位置情報をサーバ装置100に通知する。
図19は、本実施形態による画像販売及び動画再生の処理の流れを示す図である。
ライセンサから販売画像及び動画が提供され、販売可能数や再生可能デバイス数が設定されると、これらの情報を含む管理情報がデータベース160に登録される(ステップS201)。サーバ装置100は、販売可能数に対応する数の保存場所情報を生成し、管理情報内に格納する。管理情報の登録に伴い、サーバ装置100は画像プリント装置200へ画像データを送信する(ステップS202)。サーバ装置100から画像プリント装置200への画像データの送信タイミングは任意である。
送信された画像データはメモリ250に記憶される。これにより、画像プリント装置200で画像の販売が開始される。サンプル画像表示部260は、画像データを用いて、図15に示すように、タッチパネル210にプリント物300のサンプル画像700を表示する。
ユーザが、画像プリント装置200を操作して画像を購入し、料金を支払うと(ステップS203)、画像プリント装置200の保存場所情報取得部270は購入された画像に対応する動画データの保存場所情報及び認証キー情報をサーバ装置100に要求する(ステップS204)。
サーバ装置100は、画像プリント装置200からの要求に基づいて、データベース160内の管理情報の対応するボックスを参照し、未送信の保存場所情報と、認証キー情報とを画像プリント装置200へ送信する(ステップS205)。例えば、データベース160に図12に示す管理情報が保存され、ステップS203で購入された画像が画像P1である場合、サーバ装置100は、ボックス001に含まれる未送信の保存場所情報と、認証キー情報とを送信する。管理情報内の送信された保存場所情報には、送信済のフラグが設定される。なお、認証キー情報は、ステップS202で画像データと共にサーバ装置100から画像プリント装置200へ送信されていてもよい。
画像プリント装置200は、サーバ装置100から保存場所情報を取得すると、コード化処理部280がこの保存場所情報をコード化し、二次元コード画像を生成する。そして、画像合成部290が、この二次元コード画像と、ステップS203で購入された画像とを合成して、合成画像を生成する(ステップS206)。
プリンタ230が、この合成画像を印画紙にプリントする(ステップS207)。プリント処理中、図16に示すように、タッチパネル210には認証キー情報が表示される(ステップS208)。ユーザは、表示された画面を携帯端末400のカメラ420で撮影したり、認証キーをメモ帳に記録したりする。その後、ユーザは、画像プリント装置200から出力された人物画像310及び二次元コード320がプリントされたプリント物300を入手する(ステップS209)。
ユーザが、携帯端末400の動画再生アプリを実行すると、カメラ420が起動し、ディスプレイ450上に二次元コードの読み取り指示が表示される(ステップS210)。カメラ420でプリント物300の二次元コード320を撮影することで、携帯端末400は保存場所情報を取得する(ステップS211)。
携帯端末400が保存場所情報に基づいてサーバ装置100にアクセスすると(ステップS212)、サーバ装置100はユーザ認証のために携帯端末400に対して認証キーを要求する(ステップS213)。携帯端末400のディスプレイ450に認証キー入力画面が表示されると、ユーザは画像購入時に記録していた認証キーを入力する(ステップS214)。携帯端末400は、入力された認証キーをサーバ装置100へ送信する(ステップS215)。
サーバ装置100は、受信した認証キーを用いて認証処理を行い(ステップS216)、認証結果を携帯端末400へ通知する(ステップS217)。正規ユーザと認証されると、携帯端末400の画像取得部460は、サーバ装置100に対し、画像データを要求する(ステップS218)。サーバ装置100は、携帯端末400からアクセスされた際の保存場所情報に対応する管理情報のボックスを参照し、画像データを携帯端末400へ送信する(ステップS219)。例えば、保存場所情報がボックス001に含まれるものである場合、サーバ装置100は画像データP1を携帯端末400へ送信する。
携帯端末400がサーバ装置100から画像データを受信すると、ディスプレイ450上に人物画像310の読み取り指示が表示される。カメラ420でプリント物300の人物画像310を撮影すると、特徴点比較部480が、サーバ装置100から受信した画像と、カメラ420で撮影した人物画像310との特徴点を比較する(ステップS220)。特徴点が合致すると、携帯端末400はサーバ装置100に対し動画データを要求する(ステップS221)。
サーバ装置100は、ステップS219で携帯端末400へ送信した画像データに対応する動画データを携帯端末400へ送信する(ステップS222)。例えば、サーバ装置100は、管理情報のボックス001を参照し、画像データP1に対応する動画データM1を携帯端末400へ送信する。
携帯端末400が動画データを受信すると、動画再生部490が、公知のAR技術を用いて、カメラ420で撮影している人物画像310に重畳させて動画データを再生する(ステップS223)。
なお、サーバ装置100は、正規ユーザと認証した後、携帯端末400からアプリIDを取得し、保存場所情報に対応付けて管理情報に登録する。2回目以降の動画再生では、サーバ装置100は、携帯端末400から保存場所情報に基づくアクセスがあると、携帯端末400からアプリIDを取得し、取得したアプリIDが正規ユーザのアプリIDとして登録されているか否か判定し、ユーザ認証を自動で行う。
このように、本実施形態によれば、画像プリント装置200から出力されたプリント物300を携帯端末400で撮影することで、プリント物300に動画が重畳して再生されるように携帯端末400へ動画データを配信することができる。また、プリント物300の販売時に認証キー(パスワード)を提示し、動画の初回再生時に認証キーの入力を求めることで、正規ユーザのみが動画を再生できるようになる。
また、サーバ装置100のデータベース160に保存された管理情報で、販売可能数や再生可能デバイス数を設定することで、プリント物300の発行枚数や、動画再生端末数を制限することができる。例えば、発行枚数を制限することで、プリント物300の価値を上げることができる。また、動画再生端末数を制限することで、プリント物300の複製・頒布を抑制できる。
動画の初回再生時に認証キーの入力が必要となるため、プリント物300を購入していない非正規ユーザは動画を再生することができない。そのため、非正規ユーザにより動画再生の権利が使用されることを防止できる。
ユーザ(携帯端末400)の位置や、動画再生時刻により、異なる動画が再生されるようにしてもよい。この場合、図20に示すように、管理情報には、位置や時刻等の条件に応じた複数の動画が定義される。ユーザ(携帯端末400)の位置は、GPS440により取得される。例えば、条件1に時刻5:00〜10:00、条件2に時刻10:00〜18:00、条件3に時刻18:00〜5:00が設定されている場合、朝、昼、夜で再生される動画を変えることができる。
条件に“位置”を設定した場合、特定の場所で特定の動画が再生される。例えば、イベント会場において動画再生を行うことで、イベントに関連した特別な動画を視聴可能にできる。
管理情報の条件には、位置や時刻だけでなく、携帯端末400から取得可能な様々なデバイス情報(メーカ、設定言語、モデル名、IPアドレスゾーン、ネットワークセグメント)を設定することができる。管理情報の条件にアプリIDが設定されてもよい。
管理情報には、動画データの配信期間が設定されていてもよい。また、追加課金により動画データの配信期間が延長できるようにしてもよい。この場合、動画データの配信期間は、保存場所情報毎に異なったものとなる。
動画データ再生システムは、複数の画像プリント装置200を備えていてもよい。サーバ装置100が、画像プリント装置200毎に、画像の販売期間を設定してもよい。
サンプル画像表示部260は、タッチパネル210にサンプル画像700を表示する際、サンプル画像700内の二次元コードを、ダミー情報に基づく二次元コードとすることが好ましい。これにより、タッチパネル210に表示されたサンプル画像700を携帯端末で撮影して動画を再生するような行為を防止できる。
画像プリント装置200からの要求に応じてサーバ装置100が保存場所情報を送信する際、二次元コードのプリント位置情報もあわせて送信してもよい。画像合成部290は、プリント位置情報に基づいて、ユーザが購入した画像に二次元コード画像を合成し、合成画像を作成する。このように、二次元コードのプリント位置を指定することで、人物画像の品質を低下させずに、二次元コードをプリントすることができる。コードプリント位置情報は、画像データを提供するライセンサが決定してもよい。コードプリント位置情報は、サーバ装置100が画像プリント装置200に画像データを送信する際に(図19のステップS202)あわせて送信してもよい。
上記実施形態では、サーバ装置100から画像プリント装置200へ画像データを送信する例について説明したが、画像データ及び認証キー情報を格納した記憶媒体を画像プリント装置200に接続するなどにより、画像プリント装置200のメモリ250に画像データ及び認証キー情報を書き込んでもよい。
この場合、画像プリント装置200が保存場所情報を生成(発行)し、この保存場所情報をコード化して二次元コード画像を生成してもよい。画像プリント装置200は、サーバ装置100内の対応するボックスが参照可能となる番号(以下、元番号と称する)に追加桁番号を付加して保存場所情報を生成する保存場所情報生成部を有する。画像が購入される毎に追加桁番号を変えることで、画像プリント装置200で販売されるプリント物300は、人物画像310が同じであっても、二次元コード320が異なったものとなる。保存場所情報は、追加桁番号が異なっていても、動画データの保存場所が特定可能となる元番号を含んでいるため、サーバ装置100の内部処理により、同一のボックスが参照されるようになっている。
画像プリント装置200が保存場所情報の生成に用いる元番号は、例えば、係員が画像プリント装置200を操作してメモリ250に書き込むことができる。
動画データ再生システムが複数の画像プリント装置200を備えている場合は、追加桁番号に、画像プリント装置200の号機IDを含めてもよい。これにより、各画像プリント装置200が互いに異なる保存場所情報を生成することができる。
このように画像プリント装置200が保存場所情報を生成することで、サーバ装置100における保存場所情報の管理負荷を軽減することができる。また、追加桁番号に上限を持たせることで、プリント物300の販売枚数を画像プリント装置200により管理することが可能となる。また、画像プリント装置200から、サーバ装置100との通信機能を省略できる。
上記第2の実施形態において、画像プリント装置200のレシートプリンタが、認証キーをレシートに印字して出力してもよい。
上記第2の実施形態では、プリント物300の購入時に画像プリント装置200からユーザに対して認証キーを提示する例について説明したが、ユーザ自身が認証キーを登録できるようにしてもよい。この場合、プリント物300の購入時に、画像プリント装置200に、認証キー登録サイトのURL情報を示す二次元コードが表示される。ユーザは、携帯端末400のカメラ420を用いて二次元コードを読み取り、サーバ装置100上の認証キー登録サイトにアクセスし、認証キーを登録する。
認証キー登録サイトのURL情報は、保存場所情報に対応付けて作成される。ユーザが、動画の初回再生時に、自身で登録した認証キーを入力することでユーザ認証が行われる。
携帯端末400が認証キー登録サイトにアクセスすると、サーバ装置100が携帯端末400からアプリIDを取得し、取得したアプリIDを認証キーとして登録してもよい。携帯端末400が保存場所情報に基づいてサーバ装置100にアクセスすると、アプリIDを用いたユーザ認証が自動的に行われる。
上記第2の実施形態において、動画再生時のユーザ認証の有無を選択できるようにしてもよい。例えば、画像プリント装置200におけるプリント物300の購入時にユーザ認証の有無を選択できるようにする。サーバ装置100は、選択に応じて、ユーザ認証を行う保存場所情報、又はユーザ認証を行わない保存場所情報を画像プリント装置200へ送信する。携帯端末400が、ユーザ認証を行わない保存場所情報に基づいてサーバ装置100にアクセスした場合、ユーザ認証処理は省略される。画像プリント装置200は、ユーザ認証の有無により、プリント物300の販売価格を変えてもよい。
携帯端末4、400で再生される動画は、プリント物3、300に重畳されるものに限定されず、プリント物3、300の位置に関係なくディスプレイ44、450で再生されてもよい。
上述した第1、第2の実施形態で説明した動画データ再生システムの少なくとも一部は、ハードウェアで構成してもよいし、ソフトウェアで構成してもよい。ソフトウェアで構成する場合には、動画データ再生システムの少なくとも一部の機能を実現するプログラムをフレキシブルディスクやCD−ROM等の記録媒体に収納し、コンピュータに読み込ませて実行させてもよい。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でもよい。
また、動画データ再生システムの少なくとも一部の機能を実現するプログラムを、インターネット等の通信回線(無線通信も含む)を介して頒布してもよい。さらに、同プログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、あるいは記録媒体に収納して頒布してもよい。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。