JP2010043798A - ヒートポンプ式給湯装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 圧縮機の吐出圧力を低減し、COPの向上を図ることができるヒートポンプ式給湯装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明に係るヒートポンプ式給湯装置の代表的な構成は、圧縮機102と、膨張弁104と、蒸発器106と、温度域の異なる冷媒と複数系統の湯水とで熱交換を行う複数の放熱器(第1放熱器110、第2放熱器112)と、異なる温度域に加熱された複数系統の湯水を貯留する複数の蓄熱槽(高温蓄熱槽120、中温蓄熱槽122)とを備え、圧縮過程と放熱過程の間に冷媒が超臨界状態となる超臨界サイクルを行うことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ヒートポンプを用いて高温の湯水および中温の湯水を供給するヒートポンプ式給湯装置に関する。
従来から、ヒートポンプ(熱交換サイクル)を用いて水を加熱して湯水を供給する給湯装置が知られている。ヒートポンプは火力に比べてエネルギー密度が低いこと、および安価な夜間電力を利用できることから、蓄熱方式を採用している場合が多い。例えば、蓄熱槽に温めた湯水を蓄えておき、必要に応じて使用する貯湯タンクシステムがある。また特許文献1に示されるように、蓄熱槽に比熱の高い蓄熱材(ナトリウム系水和剤などのように、100℃付近で相変化することにより潜熱を蓄えるものが好んで用いられる)を備えておき、さらに蓄熱槽の熱容量を増大させたものもある。
蓄熱槽に熱(湯水)を蓄える場合、なるべく多くの熱を蓄えておくために、できる限り高温(100℃付近)にすることが好ましい。これに対し蓄熱された湯水の用途としては、風呂への給湯などの高温用(40〜60℃)と、床暖房(35〜40℃)や融雪(15℃程度)などの中温用があり、それぞれ必要温度が異なる。そこで通常は、蓄えられた高温の湯水と、新しく供給する冷水とを混ぜて、所望の温度の湯水を生成して給湯している。また、蓄熱槽には温度分布があり、上に行くほど高温になっている。そこで従来からも、特許文献2に示されるように、貯湯タンクの上部から高温の湯水を供給し、貯湯タンクの高さ方向の中途部から中温の湯水を供給する構成が開示されている。
ところで、近年は環境保全の観点から、いわゆる自然冷媒を用いる意識が高まっている。その一環として、天然物であって環境に対し無害なCOを冷媒に用いる構成が知られている。しかしCOは臨界点が約31℃と低いため、冷媒として用いる場合には、気体と液体の境界がなくなる超臨界域を用いることになる。例えば特許文献3には、冷媒として二酸化炭素(CO)、エチレン、エタン、酸化窒素等を超臨界で使用するヒートポンプ式給湯装置が開示されている。
特開2007−57159号公報 特開2008−170101号公報 特開2001−263801号公報
上記のようなヒートポンプ式給湯装置において、ヒートポンプの出湯温度(放熱器の入口温度)は、高温用途を基準に設定される。図6はCOのモリエル線図であって、図6(a)はPH線図、図6(b)はTH線図である。両図においてA→Bは圧縮(等エントロピー変化)、B→Cは放熱(等圧変化)、C→Dは膨張(等エンタルピー変化)、D→Aは蒸発(等圧変化)である。
図6を参照すると、出湯温度(Bの温度)を高くするためには、圧力を上昇させる必要があることがわかる。さらに湯水は熱交換によって直線的に温度変化し、図6(b)に破線で示すような軌跡を描く。これに対しCO冷媒の定圧曲線は高温から中温にかけて温度低下の割合が大きい。そして、加熱を行うためには、定圧曲線が温度変化直線よりも高温側になるように、圧力を高くしなければならない。
そして圧力が高くなるに従い、圧縮機のCOP(Coefficient Of Performance:成績係数)が加速度的に低下するという問題がある。ヒートポンプのCOPは、図6(a)に示すサイクルにおいて蒸発過程のエンタルピー変化量ΔIを圧縮過程のエンタルピー変化量ΔLで割った値として得ることができ、すなわち圧縮機の仕事に相当するΔLが増大するとCOPが低下する。
また特に超臨界を使用する場合には、従来広く利用されていたフロンの圧力が2〜3MPaであったのに対し、10〜20MPa程度と高い圧力を必要とする。さらに温度上昇に対する圧力の増分もフロンの場合より大きい。このため、COPの低下も著しく、なるべく圧縮機の圧力を低減させたいという要請がある。また、通常でも高圧であることから圧縮機や配管などの機器への機械的負荷が大きい点においても、圧力増大を抑えることが望まれている。
一方、上記したように、給湯装置から供給する湯水の用途は様々であって、必ずしも高温の湯水が必要な場合ばかりではない。中温用途から考えれば、ヒートポンプの出湯温度は不必要に高いということができる。ここで特許文献2のように貯湯タンクの中途部から湯水を抜き出すことも考えられるが、あくまでも全ての湯水を高温までヒートポンプで加熱しているため、圧縮機の圧力の低減(ひいてはCOPの向上)を図ることはできない。
そこで本発明は、圧縮機の吐出圧力を低減し、COPの向上を図ることができるヒートポンプ式給湯装置を提供することを目的とする。
上記課題を鑑みるに、発明者は、モリエル線図のうち図6(b)に示すTH線図における挙動と傾向に着目した。すなわち、図6(b)に示すTH線図の横軸であるエンタルピー(KJ/Kg)は、流量を低減させることによって高めることができる。したがって、流量を低減させることによってヒートポンプの出湯温度はそのままに圧縮機の圧力を低下させることができることに着眼した。
なお、図6(b)に示すエンタルピー(KJ/Kg)は、冷媒の熱量/質量である。しかし、加熱対象である湯水の流量を削減すれば、必要な熱量も少なくなるため、冷媒の質量も小さくすることができる。すなわち、冷媒の質量を湯水の流量に転換して考えることができる。そして、湯水を必要とする温度に分けて加熱することにより、高温に加熱する湯水の量を削減できることを見出し、本発明に想到するに到った。
すなわち、本発明に係るヒートポンプ式給湯装置の代表的な構成は、圧縮機と、膨張手段と、蒸発器と、温度域の異なる冷媒と複数系統の湯水とで熱交換を行う複数の放熱器と、異なる温度域に加熱された複数系統の湯水を貯留する複数の蓄熱槽とを備え、圧縮過程と放熱過程の間に前記冷媒が超臨界状態となる超臨界サイクルを行うことを特徴とする。
このように、湯水を温度に応じて複数の系統に分けて、複数の放熱器によってそれぞれと熱交換を行うように構成したことにより、高温で熱交換する湯水の流量を削減することができる。したがって、全ての温度の湯水を高温で熱交換することがないため、圧縮機の圧力を低減させることができ、COPの向上を図ることができる。
また圧縮過程と放熱過程の間に冷媒が超臨界状態となる超臨界サイクルは、高圧で動作し、また温度上昇に対する圧力の増分が大きい。したがって圧縮機の圧力を低減する利点が大きく、特に有効に本発明の利益を得ることができる。
冷媒はCOであってもよい。超臨界サイクルによって自然冷媒であるCOを用いることにより、環境に負担をかけないヒートポンプとすることができる。
複数の放熱器は冷媒の流れに対して直列に接続され、高温の冷媒と湯水とで熱交換する第1放熱器と、第1放熱器で冷却された中温の冷媒と湯水とで熱交換する第2放熱器とからなり、複数の蓄熱槽は、第2放熱器と熱交換した中温の湯水を貯留する中温蓄熱槽と、第2放熱器および第1放熱器と熱交換した高温の湯水を貯留する高温蓄熱槽とからなっていてもよい。
すなわち第1放熱器と第2放熱器は冷媒に対して直列に接続されており、湯水に対しても直列に接続される。これにより、第1放熱器と第2放熱器の間から必要分の中温の湯水を取り出すことができ、また中温となった湯水を加熱して高温の湯水を得ることができるため温度差が少なく、圧縮機の圧力を低減させることができる。
第2放熱器に湯水を供給する湯水輸送手段と、第2放熱器において熱交換された湯水を中温蓄熱槽または第1放熱器に分流させる分流手段とを備えていてもよい。すなわち、放熱器が直列に接続されるのとは別に、複数の放熱器に対して湯水を直列に循環させることでもよい。これにより、中温まで加熱(熱交換)された湯水の一部を高温に加熱することができ、少量としたことの利益だけでなく、開始温度を高めることができるため、少ない熱量で湯水を加熱することができる。
第1放熱器と高温蓄熱槽との間で湯水を循環させる第1湯水輸送手段と、第2放熱器と中温蓄熱槽との間で湯水を循環させる第2湯水輸送手段とを備えていてもよい。これにより、高温蓄熱槽および中温蓄熱槽に対する湯水の循環量、ひいては温度制御を個別に行うことができ、自由度の高い装置とすることができる。
放熱器の下流側かつ膨張手段の上流側の冷媒と、蒸発器の下流側かつ圧縮機の上流側の冷媒とで熱交換を行うインタクーラを備えていてもよい。これにより、蒸発過程のエンタルピーの変化量を増大させることができるため、COPをさらに向上させることができる。
蒸発器の下流側かつ圧縮機の上流側の冷媒と、蓄熱槽から送出した湯水とで熱交換を行う第2蒸発器を備えていてもよい。これにより気液混合となっている可能性のある冷媒を確実に蒸発させることができ、圧縮機に液滴が導入されることを回避し、圧縮機の故障を防止することができる。
複数の放熱器においては、複数系統の湯水の少なくとも1つの系統において、湯水に代えて不凍液からなる熱媒体と熱交換を行ってもよい。熱の利用形態として、湯水を直接利用するのではなく、暖房のように循環させる場合がある。この場合において、不凍液を循環させることにより、配管内の冬季の凍結を防止することができる。また熱交換の回数を最小限に抑えることができるため、装置のコストを低減し、かつ温度損失を削減することができる。
本発明によれば、ヒートポンプ式給湯装置において、圧縮機の吐出圧力を低減し、COPの向上を図ることができる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1は本実施形態に係るヒートポンプ式給湯装置を説明する図であって、図1(a)は装置構成を説明する概略図、図1(b)はCO冷媒および湯水の温度変化を説明するTH線図である。
図1(a)に示すヒートポンプ式給湯装置(以下、単に「給湯装置100」という。)は、圧縮機102と、膨張手段の例としての膨張弁104と、蒸発器106と、複数の放熱器の例としての第1放熱器110および第2放熱器112とからなるヒートポンプユニットを有している。なお膨張手段としては、膨張弁に代えてエゼクタを用いることができる。
第1放熱器110と第2放熱器112は冷媒に対して直列に接続されており、湯水と熱交換を行うことによって放熱し、冷媒は冷却される。したがって、第1放熱器110と第2放熱器112には温度域の異なる冷媒が流れている。
本実施形態において冷媒は自然冷媒であるCOを用いており、ヒートポンプは圧縮過程と放熱過程の間に冷媒が超臨界状態となる超臨界サイクルを行う。超臨界サイクルは高圧で動作し、動作温度範囲内で相変化(気液変化)を行わないために、自由で幅の広い温度範囲と大きな熱搬送を設定することができる。
一方、給湯装置100は複数の湯水の循環系統を備えており、それぞれ第1放熱器110と第2放熱器112に接続されて熱交換を行う。第1放熱器110と熱交換する湯水は高温になり、高温蓄熱槽120に貯湯される。第2放熱器112と熱交換する湯水は中温となり、中温蓄熱槽122に貯湯される。
なお中温がどの程度の温度であるかについては、湯水を供給する用途や季節に応じて適宜設定することができるが、一般に15〜40℃程度である。したがって中温蓄熱槽122には、想定される中温のうち最大温度の湯水を貯留する。
高温蓄熱槽120および中温蓄熱槽122内において温度が低下した湯水は、それぞれの蓄熱槽の下部から取りだし、湯水輸送手段の例としてのポンプ124によって第2放熱器112に供給する。そして第2放熱器112において熱交換された湯水を、分流手段の例としての三方弁126によって、中温蓄熱槽122または第1放熱器110へと分流する。第1放熱器110に供給された湯水は、高温まで加熱されてから高温蓄熱槽120へと送られる。すなわち湯水に対しても第2放熱器112、第1放熱器110は直列に接続されているが、三方弁126によって経路を切り換えることにより、第2放熱器112と中温蓄熱槽122を循環する第2系統と、第2放熱器112と第1放熱器110と高温蓄熱槽120とを循環する第1系統とが構成されている。三方弁126は開度を調節することができ、中温の湯水と高温の湯水の比率を変更することにより、第1放熱器110と第2放熱器112の間から必要分の中温の湯水を取り出すことができる。また第1放熱器110と第2放熱器112を流れる湯水の量を調節することにより、高温蓄熱槽120と中温蓄熱槽122の温度制御を行うことができる。
換言すれば、直列に接続された第2放熱器112と第1放熱器110との中途から湯水を抜き出すことにより、中温の湯水と高温の湯水を別系統として取り出すことができる。これは電気のトランスコイルにおいて巻き数の中途にタップを設けて中程度の交流電圧を抜き出す構成と類似している。このとき、第1放熱器110と第2放熱器112とが実際上は1つの放熱器であることを妨げない。
高温蓄熱槽120または中温蓄熱槽122に貯留した湯水は、破線で示すように取り出されて、所定の用途に用いられる。また湯水を消費した分は、新しい冷水を供給することができる。
上記構成によれば、図1(b)に示すように、放熱過程における湯水の水温変化の直線を分割することができる(図6(b)の破線参照)。ここで水温変化の直線は、エンタルピーHの次元が(KJ/Kg)であることから、流量が多いほどに傾きが小さくなり(直線が0°に近づく)、流量が少ないほどに傾きが大きくなる(直線が90°に近づく)。したがって、第2放熱器112に通す湯水の量と第1放熱器110に通す湯水の量との差を大きくするほど、2つの直線を大きく屈曲させられることがわかる。
したがって、各々の系統の湯水の流量を適切に調節することにより、水温変化直線の傾きをCO冷媒の定圧曲線に沿わせることができる。図1(b)に示すように定圧曲線はS字を逆にしたような経路を辿り、0〜30℃程度の低温では傾きが大きく、30℃〜50℃程度の中温では傾きが小さく、それ以上の高温では傾きが大きい(数値は一例である)。そこで中温の第2放熱器112では水量を多くし、高温の第1放熱器110では水量を少なくして、水温変化直線を大きく屈曲させることにより、定圧曲線がこれを下回りにくくなり、圧縮機の圧力を低減させることが可能となる。
このように、湯水を温度に応じて複数の系統に分けて、複数の放熱器によってそれぞれと熱交換を行うように構成したことにより、高温で熱交換する湯水の流量を削減することができる。したがって、全ての温度の湯水を高温で熱交換することがないため、圧縮機の圧力を低減させることができ、COPの向上を図ることができる。
特に本実施形態のように超臨界サイクルを用いる場合には、全体的に圧力が高めになること、およびCO冷媒は温度上昇に対する圧力の増分が大きいことから、特に有効に本発明の利益を得ることができる。しかし超臨界サイクルは自由で幅の広い温度範囲と大きな熱搬送を設定することができること、およびCO冷媒は自然冷媒であることから、環境に負担をかけないヒートポンプとすることができる。
また、圧縮機102の圧力を低減させることができるため、圧縮機102を小型化することができる。さらに蓄熱槽を2分化したことにより、個々の蓄熱槽(高温蓄熱槽120、中温蓄熱槽122)の小型化も図ることができる。総じて配置の自由度を向上させることができ、例えばマンションやビルディングのパイプシャフトにヒートポンプユニットや蓄熱槽を収容することができる。特にヒートポンプユニットと高温蓄熱槽とを近接して配置(または略一体に構成)した場合には、高価で加工性の悪い銅管の配管長を削減することができ、装置コストおよび施工性も向上させることができる。
[他の実施形態]
本発明の他の実施形態について説明する。
図2は3つの放熱器を備えるヒートポンプ式給湯装置の例を示す図であって、図2(a)は装置構成を説明する図、図2(b)はCO冷媒のTH線図である。
図2に示す給湯装置200は、第1放熱器110および第2放熱器112に加え、第3放熱器114を備えている。上述したように、CO冷媒の定圧曲線はS字を逆にしたような経路を辿り、低温域と高温域において傾きが大きい。
そこで図2(a)においては、水量の少ない高温にする湯水を第1放熱器110と第3放熱器114において熱交換し、水量の多い中温にする湯水を第2放熱器112において熱交換する。これにより、図2(b)に示すように、水温変化直線は定圧曲線に極めてよく沿うことになり、圧縮機の圧力を最低限に抑えることが可能となる。
なお図2の例では、中温の湯水の用途として床暖房のような循環式を想定している。そこで高温蓄熱槽120と中温蓄熱槽122とは湯水の経路を独立させている。第1放熱器110と高温蓄熱槽120とを結ぶ第1系統は、第1湯水輸送手段の例としてのポンプ124aによって湯水が循環される。第2放熱器112と中温蓄熱槽122とを結ぶ第2系統は、第2湯水輸送手段の例としてのポンプ124bによって湯水が循環される。なお、図1に示す三方弁126は備えていない。そして高温蓄熱槽120および中温蓄熱槽122の湯水の温度制御は、ポンプ124a、124bのそれぞれの流量を調整(インバータ制御など)することによって行うことができる。
また中温蓄熱槽122の内部には、比熱の大きい蓄熱材123を配置し、熱量を多く蓄えられるようにしている。また中温で長期間循環させていると菌が繁殖するおそれがあることから、中温蓄熱槽122の内部に湯水を流通させる熱交換用コイル122aを配置し、中温蓄熱槽122内の湯水を直接供給しないようにしている(この場合、中温蓄熱槽122内の湯水は二次冷媒である)。
図3はさらにインタクーラを備えるヒートポンプ式給湯装置の例を示す図であって、図3(a)は装置構成を説明する図、図3(b)はCO冷媒のPH線図である。
図3(a)に示す給湯装置202は、第2放熱器112の下流側かつ膨張弁104の上流側と、蒸発器106の下流側かつ圧縮機102の上流側とで熱交換を行うインタクーラ128を備えている。インタクーラ128は放熱後の超臨界状態の冷媒(高温)と蒸発後の気体状態の冷媒(低温)との熱交換を行うものである。
これにより、図3(b)のPH線図に示されるように、放熱過程において冷媒がより冷却され、蒸発過程においてより加熱する。このときのエンタルピーの変化量をΔI2とすると、蒸発過程全体におけるエンタルピーの変化量はΔI+ΔI2となる。したがってヒートポンプのCOP=(ΔI+ΔI2)/ΔLとなり、さらに向上させることができる。
図4はさらに湯水で蒸発を行うヒートポンプ式給湯装置の例を示す図である。図4に示す給湯装置204は、蒸発器106の下流側かつ圧縮機102の上流側に、高温蓄熱槽120または中温蓄熱槽122から送出した湯水と熱交換を行う第2蒸発器130を備えている。すなわち、ポンプ124から送り出した湯水は第2蒸発器130へと送られて熱交換を行ってから、第2放熱器112に到達する。
これにより、冷媒は第2蒸発器130においてさらに温められる。したがって気液混合となっている可能性のある冷媒を確実に蒸発させることができ、圧縮機に液滴が導入されることを回避し、圧縮機の故障を防止することができる。
またポンプ124から直接に第2放熱器112に湯水を送る場合と比して、第2蒸発器130を通過した湯水はより低温になっているため、第2放熱器112で放熱した後の冷媒もより低温となる。すなわち、図4に示すシステムは湯水を熱媒体としたインタクーラと同等であって、ヒートポンプのCOPをさらに向上させることができる。
図5は湯水に代えて熱媒体を循環させるヒートポンプ式給湯装置の例を示す図である。図に示す給湯装置208は、図2に示した給湯装置200と同様に、3つの放熱器(第1放熱器110、第2放熱器112、第3放熱器114)を備えている。そして図2と異なる点として、第2放熱器112と中温蓄熱槽122とを結ぶ第2系統は、湯水に代えて不凍液からなる熱媒体を循環させている。すなわち第2放熱器112においては冷媒と不凍液とで熱交換を行い、中温蓄熱槽122に中温の不凍液を貯留させている。中温蓄熱槽122の内部に比熱の大きい蓄熱材123を配置しても良いが、不凍液である場合(湯水でない場合)には比熱の大きな熱媒体を用いることができるため、必ずしも蓄熱材123は必要ではない。
そして本実施形態では、中温蓄熱槽122に貯留された不凍液を、ポンプ136によって直接に床暖房の床内部配管138に循環させている。ここで従来の床暖房システムにおいても、冬季の凍結防止のために、床内部配管138には不凍液を循環させている場合がある。しかし従来は単一の湯水系統であったことから、湯水の加熱が不可欠であったため、湯水と不凍液との熱交換を行っていた(湯水を不凍液に対する二次冷媒として機能させていた)。
これに対し本実施形態では、第2放熱器112と中温蓄熱槽122とからなる加熱の経路と、中温蓄熱槽122と床内部配管138とからなる熱使用経路とに、おなじ熱媒体である不凍液を用いている。これは、複数の放熱器を備え、冷媒の温度域ごとに蓄熱槽を独立させて循環および熱交換させたことにより可能となるものである。すなわち、温水を台所や風呂で利用しつつ、床暖房には不凍液を利用することができ、また熱交換の回数を最小限に抑えることができるため、装置のコストを低減し、かつ温度損失を削減することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、ヒートポンプを用いて高温の湯水および中温の湯水を供給するヒートポンプ式給湯装置として利用することができる。
実施形態に係るヒートポンプ式給湯装置を説明する図である。 3つの放熱器を備えるヒートポンプ式給湯装置の例を示す図である。 さらにインタクーラを備えるヒートポンプ式給湯装置の例を示す図である。 さらに湯水で蒸発を行うヒートポンプ式給湯装置の例を示す図である。 湯水に代えて熱媒体を循環させるヒートポンプ式給湯装置の例を示す図である。 COのモリエル線図(PH線図およびTH線図)である。
符号の説明
100、200、202、204、206、208 …給湯装置
102 …圧縮機
104 …膨張弁
106 …蒸発器
110 …第1放熱器
112 …第2放熱器
114 …第3放熱器
120 …高温蓄熱槽
122 …中温蓄熱槽
122a …熱交換用コイル
123 …蓄熱材
124、124a、124b、136 …ポンプ
126 …三方弁
128 …インタクーラ
130 …第2蒸発器
132 …第1圧縮機
134 …第2圧縮機
138 …床内部配管

Claims (8)

  1. 圧縮機と、膨張手段と、蒸発器と、
    温度域の異なる冷媒と複数系統の湯水とで熱交換を行う複数の放熱器と、
    異なる温度域に加熱された前記複数系統の湯水を貯留する複数の蓄熱槽とを備え、
    圧縮過程と放熱過程の間に前記冷媒が超臨界状態となる超臨界サイクルを行うことを特徴とするヒートポンプ式給湯装置。
  2. 前記冷媒はCOであることを特徴とする請求項1に記載のヒートポンプ式給湯装置。
  3. 前記複数の放熱器は冷媒の流れに対して直列に接続され、高温の冷媒と湯水とで熱交換する第1放熱器と、前記第1放熱器で冷却された中温の冷媒と湯水とで熱交換する第2放熱器とからなり、
    前記複数の蓄熱槽は、前記第2放熱器と熱交換した中温の湯水を貯留する中温蓄熱槽と、前記第2放熱器および第1放熱器と熱交換した高温の湯水を貯留する高温蓄熱槽とからなることを特徴とする請求項1に記載のヒートポンプ式給湯装置。
  4. 前記第2放熱器に湯水を供給する湯水輸送手段と、
    前記第2放熱器において熱交換された湯水を前記中温蓄熱槽または前記第1放熱器に分流させる分流手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載のヒートポンプ式給湯装置。
  5. 前記第1放熱器と前記高温蓄熱槽との間で湯水を循環させる第1湯水輸送手段と、
    前記第2放熱器と前記中温蓄熱槽との間で湯水を循環させる第2湯水輸送手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載のヒートポンプ式給湯装置。
  6. 前記放熱器の下流側かつ膨張手段の上流側の冷媒と、前記蒸発器の下流側かつ前記圧縮機の上流側の冷媒とで熱交換を行うインタクーラを備えたことを特徴とする請求項1に記載のヒートポンプ式給湯装置。
  7. 前記蒸発器の下流側かつ前記圧縮機の上流側の冷媒と、前記蓄熱槽から送出した湯水とで熱交換を行う第2蒸発器を備えたことを特徴とする請求項1に記載のヒートポンプ式給湯装置。
  8. 前記複数の放熱器においては、前記複数系統の湯水の少なくとも1つの系統において、湯水に代えて不凍液からなる熱媒体と熱交換を行うことを特徴とする請求項1に記載のヒートポンプ式給湯装置。
JP2008208875A 2008-08-14 2008-08-14 ヒートポンプ式給湯装置 Pending JP2010043798A (ja)

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