JP2010043623A - 気化器 - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジンの気化器について、ベンチュリ径の確保による高出力化と暖機再始動性との両立を図る。
【解決手段】燃料供給通路としての燃料配管6を介して燃料タンクから圧送された燃料を定燃料室11に導入し、定燃料室11内に垂設された柱状体12のメインウェルから吸気通路4まで延設されたメインノズル14で燃料を吸気通路4に送出する気化器1Aにおいて、燃料配管6が定燃料室11の上流側で分岐してなり始動用の追加燃料をエンジンに供給するための始動用燃料通路15Aを備えており、始動用燃料通路15Aの途中には通常は閉弁しエンジン始動時に開弁する遮断弁16Aが配設され、始動用燃料通路15Aを介して追加燃料を吸気通路4まで圧送することにより、エンジン始動時に不足する燃料分を補う。
【選択図】図1
【解決手段】燃料供給通路としての燃料配管6を介して燃料タンクから圧送された燃料を定燃料室11に導入し、定燃料室11内に垂設された柱状体12のメインウェルから吸気通路4まで延設されたメインノズル14で燃料を吸気通路4に送出する気化器1Aにおいて、燃料配管6が定燃料室11の上流側で分岐してなり始動用の追加燃料をエンジンに供給するための始動用燃料通路15Aを備えており、始動用燃料通路15Aの途中には通常は閉弁しエンジン始動時に開弁する遮断弁16Aが配設され、始動用燃料通路15Aを介して追加燃料を吸気通路4まで圧送することにより、エンジン始動時に不足する燃料分を補う。
【選択図】図1
Description
本発明は、エンジンに燃料を供給する気化器に関し、殊に、エンジンの始動性を良好にする始動補助機能を有した気化器に関する。
汎用エンジン等の燃料供給手段の一部として使用される気化器は、図5、図6の縦断面図に示すように、吸気通路4が貫通する本体ボディ2の下面側に定燃料室11を構成するフロートチャンバ10が設けられ、その定燃料室11の中央で垂設された柱状体12のメインウェル13内に挿設されたメインノズル14が先端側を吸気通路4で開口しており、吸気通路4内の空気流で生じた吸引力により吸い出されて燃料がエンジンに供給される。
また、気化器1Cは、図示しない燃料タンクから延設された燃料配管6が接続され燃料供給通路が定燃料室11まで繋がった状態でエンジンシステムに配置され、この燃料配管6の途中に燃料ポンプ3が配設されているのが通常であり、燃料を気化器1Cの定燃料室11に向かって圧送するようになっている。
このような構成の気化器1Cを使用するエンジンシステムにおいては、冷機時にチョークバルブを閉じた状態にして始動を行うのが一般的である。また、例えば特開平5−52422号公報に記載されている気化器のように、電源回路からの通電によりアクチュエータでチョークバルブを全閉位置に保持することにより、自動的に低温時のエンジン始動を補助するものが知られている。
これに対し、充分に暖機した後のエンジン再始動(暖機再始動)では、ノーチョーク・スロットル全開の状態で始動を行うことが多い。ところが、汎用エンジン等に使用する気化器においては、エンジンの出力を状況に応じてアップさせる目的でベンチュリ径の拡大を行う場合があり、エンジンの出力確保のためにベンチュリ径を大きくした場合は暖機再始動性が悪化しやすくなるという問題がある。
これは、ベンチュリ径を大きくすると、クランキング時のベンチュリ負圧が低下(0方向)するため、気化器のメインノズルから始動に必要な燃料が吸い出されにくくなることによる。従って、エンジン出力と暖機再始動性とは相反する関係にあると言え、気化器を備えたエンジンシステムにおいては、エンジンの高出力化と暖機再始動性とは両立が困難なものとなっている。
特開平5−52422号公報
本発明は、上記のような問題点を解決しようとするものであり、エンジンの気化器について、ベンチュリ径の確保による高出力化と暖機再始動性とを両立できるようにすることを課題とする。
そこで、本発明は、燃料供給通路を介して燃料タンクから圧送された燃料を定燃料室に導入し、前記定燃料室内に垂設された柱状体のメインウェルから吸気通路まで延設されたメインノズルで燃料を前記吸気通路に送出する気化器において、前記燃料供給通路が前記定燃料室の上流側で分岐して始動用の追加燃料をエンジンに供給するための始動用燃料通路を備えており、前記始動用燃料通路の途中に通常は閉弁しエンジン始動時に開弁する遮断弁が配設され、前記始動用燃料通路を介して前記追加燃料を前記吸気通路まで圧送することにより、エンジン始動時に不足する燃料分を補うこととした。
従来の気化器においては、吸気通路への燃料送出エネルギーを、主として吸気通路内で発生する吸引力に依存していることから、エンジンの出力アップを目的としてベンチュリ径を拡大した場合には燃料吸引力が弱くなるため、ノーチョーク・スロットル全開始動による暖機再始動性の悪化に繋がっていたのに対し、燃料タンク側からの圧送力が作用している燃料供給通路を分岐して吸気通路に始動用の追加燃料を能動的に供給するものとした本発明によると、ベンチュリ径を拡大しても始動時に必要とされる燃料の供給を確保しやすいものとなる。
また、この場合、その始動用燃料通路は、先端が吸気通路内で開口しており、エンジン始動時に追加燃料を吸気通路内に直接噴射することを特徴としたものとすれば、始動時用の追加燃料の供給が確実且つ充分なものとすることができる。
或いは、その始動用燃料通路は、先端がメインジェットの上流側に開口しており、追加燃料の圧力でメインノズル中の燃料を押し出しながら吸気通内に燃料を噴出させることを特徴としたものとすれば、簡易な構成でエンジン始動時に必要とされる燃料を容易に供給することができる。
さらにまた、上述した気化器において、その遮断弁はエンジンのクランキング動作に連動して開弁するソレノイドバルブである、ことを特徴としたものとすれば、遮断弁の開閉操作が適時且つ確実に行われやすい。
燃料タンクから延設された燃料供給通路を分岐して始動用の追加燃料をエンジンに供給するものとした本発明によると、ベンチュリ径の確保による高出力化と暖機再始動性とを両立することができる。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は本発明における第1の形態である気化器1Aの縦断面図、及び燃料供給系統の簡略化した配置を示しており、気化器1Aには、図示しない燃料タンクから延設された燃料供給通路を構成する燃料配管6が接続されており、この燃料配管6の途中には、燃料ポンプ3が配設されて燃料を気化器1Aに向かって圧送するようになっている。
また、気化器1Aの基本的な構成は、図5,図6に示した従来の気化器1Cと同様である。即ち、吸気通路4が横向きに貫通した本体ボディ2の下面側には定燃料室11を構成するフロートチャンバ10が設けられ、その定燃料室内11内に垂設した柱状体12の内部にはメインノズル14が挿設された図示しないメインウェルが設けられており、そのメインノズル14の先端側が吸気通路4のベンチュリ部40に突出した状態で開口している。
そして、本実施の形態の気化器1Aにおいては、気化器1Aの左側面図である図2に示すように、燃料供給通路が定燃料室11の上流側である燃料配管6の末端近くで分岐してなり、始動用の追加燃料をエンジンに供給するための始動用燃料通路15Aが設けられている。
この始動用燃料通路15Aの先端は、吸気通路4(図のように吸気通路が複数の場合はさらに分岐して)で直接開口しており、且つ、始動用燃料通路15Aの途中にはソレノイド等からなる遮断弁16Aが設けられており、これがエンジンキー50のスタート操作時(クランキング時)にのみ開弁する。
この遮断弁16Aは、通常は閉弁しており、エンジンの始動動作に連動して電気的に開弁するようになっており、エンジン始動時(クランキング時)に始動用燃料通路15Aを開放して始動用の追加燃料を吸気通路4内に直接噴射させるようになっており、通常時は遮断弁16Aに内蔵した戻しバネで閉弁状態を維持する。
即ち、前述の従来例における気化器1Cにおいては、吸気通路4内で発生する空気流による吸引力を燃料の送出力として利用している関係で、エンジン出力をアップさせるためにベンチュリ径を拡大した場合に、ノーチョーク・スロットル全開状態における暖機再始動性の悪化に繋がっていた。
これに対し、本実施の形態の気化器1Aは、燃料ポンプ3の圧送力が作用している燃料配管6を分岐してなる始動用燃料通路15Aを、吸気通路4内まで延設して開口させたことにより、エンジンの暖機再始動時であっても、能動的に追加用燃料を吸気通路4内に噴射することができる。従って、例えベンチュリ径を大きくして吸気通路4内の吸引力が小さくなっても、エンジン始動に要する燃料を容易に供給することが可能となる。
図3は、本発明における第2の実施の形態である気化器1Bの縦断面図及び燃料供給系統の簡略化した配置を示している。その基本的構成及び燃料供給系統の基本的配置、さらには遮断弁16Bの動作については前述した気化器1Aと同様であるが、その始動用燃料通路15Bが、吸気通路4に直接接続されるのではなくメインウェル13の底部側に接続されている点が異なる。
即ち、吸気通路4の中心軸線に対し直角な面で切断した図4の縦断面図に示すように、燃料配管6から分岐した始動用燃料通路15Bは、フロートチャンバ10の底面を介してメインウェル13内のメインジェット17手前で開口しており、エンジン始動時に燃料配管6からの圧送力が作用している追加用燃料を送出して、メインノズル14(図のように複数の吸気通路では各メインノズル)内の燃料とともに吸気通路4内に燃料を能動的に噴出させるようになっている。
このような構成の気化器1Bは、前述の気化器1Aと同様にベンチュリ径を拡大しても良好な暖機再始動性を実現することができる。また、これに加えて、本実施の形態の気化器1Bの場合は、前述の気化器1Aの始動用燃料通路15Aよりも始動用燃料通路15Bが長くなるものの、気化器の構成自体は大きく変わらないために改造の手間を最小限にして、既存の気化器を殆どそのまま利用することができることから、コスト的に有利なものとなる。
尚、上述の実施の形態においては、その暖機再始動時にける機能及び有用性を中心に説明したが、本発明は暖機再始動性のみならず低温始動性に関しても、始動時に必要とされる燃料を補助的に供給する機能を発揮するため、同様に有用性があることは言うまでもない。
以上、述べたようにエンジンの気化器について、本発明により、ベンチュリ径の確保による高出力化と暖機再始動性とを両立できるようになった。
1A,1B 気化器、3 ポンプ、4 吸気通路、6 燃料配管、11 定燃料室、12 柱状体、13 メインウェル、14 メインノズル、15A,15B 始動用燃料通路、16A,16B 遮断弁、17 メインジェット、40 ベンチュリ部
Claims (4)
- 燃料供給通路を介して燃料タンクから圧送された燃料を定燃料室に導入し、前記定燃料室内に垂設された柱状体のメインウェルから吸気通路まで延設されたメインノズルで燃料を前記吸気通路に送出する気化器において、前記燃料供給通路が前記定燃料室の上流側で分岐して始動用の追加燃料をエンジンに供給するための始動用燃料通路を備えており、前記始動用燃料通路の途中に通常は閉弁しエンジン始動時に開弁する遮断弁が配設され、前記始動用燃料通路を介して前記追加燃料を前記吸気通路まで圧送することにより、エンジン始動時に不足する燃料分を補うことを特徴とする気化器。
- 前記始動用燃料通路は、先端が前記吸気通路内で開口しており、エンジン始動時に前記追加燃料を前記吸気通路内に直接噴射することを特徴とする請求項1に記載した気化器。
- 前記始動用燃料通路は、先端がメインジェットの上流側に開口しており、前記追加燃料の圧力で前記メインノズル中の燃料を押し出しながら前記吸気通路内に燃料を噴出させることを特徴とする請求項1に記載した気化器。
- 前記遮断弁は、エンジンのクランキング動作に連動して開弁するソレノイドバルブであることを特徴とする請求項1,2または3に記載した気化器。
Priority Applications (1)
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JP2008209837A JP2010043623A (ja) | 2008-08-18 | 2008-08-18 | 気化器 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013529758A (ja) * | 2010-07-01 | 2013-07-22 | フスクバルナ アクティエボラーグ | 始動時における内燃エンジンへの燃料供給を制御するための方法、およびキャブレータ |
WO2015012061A1 (ja) * | 2013-07-24 | 2015-01-29 | 日立工機株式会社 | エンジン及びエンジン作業機 |
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2008
- 2008-08-18 JP JP2008209837A patent/JP2010043623A/ja not_active Withdrawn
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