JP2010043549A - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents

内燃機関の空燃比制御装置 Download PDF

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真典 嶋田
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Abstract

【課題】空燃比の応答性や収束性を向上し、NOx還元触媒の硫黄成分の除去性能を確保することを目的とする。
【解決手段】空燃比制御装置100は、排気浄化と排気浄化能力の回復とを行う触媒ユニット8と、排気の実空燃比を検出する空燃比センサ9と、触媒ユニット8の排気浄化能力を回復させる際に、比例積分制御によって触媒ユニット8に流入する排気の空燃比を目標空燃比に収束させるECU12とを備えている。このECU12は、実空燃比の値がストイキST以上の場合、最終目標空燃比Trgよりも低いリッチ目標空燃比rTrgに基づいて比例項を算出し、実空燃比の値が最終目標空燃比Trgより低い場合、リッチ目標空燃比rTrgに基づき比例項を算出する処理過程から最終目標空燃比Trgに基づき比例項を算出する処理過程へ、実空燃比の乱高下を抑制するように徐々に移行させる。
【選択図】図3

Description

本発明は内燃機関の制御装置に関し、特に、内燃機関の空燃比の制御装置に関する。
吸蔵還元型NOx触媒の上流に酸素を吸蔵する上流側触媒を配置し、NOx再生時に排気の空燃比を低下させてリッチ化する空燃比低下制御において、上流側触媒の酸素消費までの目標空燃比と、上流側触媒の酸素消費後の目標空燃比とを分けて設定する技術が、例えば、特許文献1に開示されている。
また、吸蔵還元型NOx触媒は、燃料中に含まれる硫黄成分により被毒され、この被毒の程度が大きくなるとNOx吸蔵還元能力が低下する。このように硫黄成分により被毒した吸蔵還元型NOx触媒は、特許文献1で行われているような空燃比がストイキよりもリッチな排気を通過させるNOx再生処理により回復できることが知られている。
特開2004−339967号公報
ところが、このようなNOx再生処理では、排気の空燃比がリッチになりすぎて、未燃焼成分や還元成分が排出されてエミッションが悪化することがある。また、排気の空燃比の応答性や収束性が悪く、排気の空燃比を目標空燃比に収束させるまでに時間がかかることがあった。
そこで、本発明は、排気の空燃比の応答性や収束性を向上し、硫黄成分の除去性能を確保することを目的とする。
かかる課題を解決する本発明の内燃機関の空燃比制御装置は、内燃機関の排気通路に配置され、流入する排気の空燃比が高いときに排気浄化を行い、流入する排気の空燃比が低いときに排気浄化能力を回復する触媒と、当該触媒よりも下流の前記排気通路に配置され、排気の実空燃比を検出する検出手段と、前記触媒に流入する排気の空燃比を低くし、前記触媒の排気浄化能力を回復させる際に、前記検出手段により検出される実空燃比と目標空燃比とに基づいて算出される比例項(P項)及び積分項(I項)を用いた比例積分制御(PI制御)によって前記触媒に流入する排気の空燃比を目標空燃比に収束させる制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記触媒に流入する排気の空燃比をストイキよりも低い最終目標空燃比に収束させる場合に、前記実空燃比と、前記最終目標空燃比と、前記最終目標空燃比よりも低いリッチ目標空燃比とに基づいて、前記比例項を算出し設定することを特徴とする(請求項1)。
本発明の課題に対して、実空燃比と目標空燃比とに基づいて算出される比例項(P項)及び積分項(I項)を用いた比例積分制御(PI制御)において、空燃比がストイキよりもリーンな場合、比例項(P項)を最終目標空燃比よりも低い空燃比に設定し、空燃比がストイキよりもリッチとなる場合、比例項(P項)を最終目標空燃比に設定することにより、硫黄成分の除去に適した空燃比に収束させるフィードバック制御を行うことができる。これにより、エミッションの悪化、応答性や収束性の悪化を抑制することができる。
しかしながら、このような制御方法では、空燃比がストイキよりもリーンな状態からストイキよりもリッチな状態に移行する際に、比例項(P項)の目標空燃比を急に変更するため、比例項(P項)の補正量が急変し、ひいては、実空燃比に乱高下を発生させていた。したがって、このような制御方法において、空燃比の収束性を改善する余地があった。
一方、本発明の内燃機関の空燃比制御装置の前記制御手段における比例項の算出処理により、比例項(P項)の補正量の変化を緩慢にすることができる。これにより、空燃比の乱高下を抑制することができ、空燃比を目標値へ精度良く収束させ、硫黄成分の除去性能を確保することができる。
さらに本発明の制御装置において、前記制御手段は、前記実空燃比の値がストイキ以上の場合、前記リッチ目標空燃比に基づいて比例項を算出し、前記実空燃比の値がストイキより低い場合、前記リッチ目標空燃比に基づき前記比例項を算出する処理過程から前記最終目標空燃比に基づき前記比例項を算出する処理過程へ、実空燃比の乱高下を抑制するように徐々に移行させることができる(請求項2)。
また、前記制御手段は、前記実空燃比の値がストイキ以上の場合、前記最終目標空燃比よりも高い空燃比である中間目標空燃比に基づいて前記積分項を算出し、前記検出手段により検出される実空燃比がストイキよりも低い場合、前記最終目標空燃比に基づいて前記積分項を算出することができる。(請求項3)。
本発明は、排気通路上の触媒に流入する排気の空燃比をストイキよりも低い最終目標空燃比に収束させる場合に、実空燃比と、最終目標空燃比と、最終目標空燃比よりも低いリッチ目標空燃比とに基づいて、比例項を算出し設定することにより、空燃比の乱高下を抑制し、空燃比の応答性、収束性を向上し、硫黄成分の除去性能を確保することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面と共に詳細に説明する。
本発明の実施例1について図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の内燃機関の空燃比制御装置(以下、単に「制御装置」と称する。)100の概略構成を示した説明図である。制御装置100はエンジン本体1に組み込まれている。エンジン本体1は、4つの気筒を有する水冷式の4ストロークサイクル・ディーゼルエンジンである。各気筒内には、燃料を噴射する燃料噴射弁2が配置されている。また、エンジン本体1には、吸気通路3及び排気通路4が接続されている。
エンジン本体1に接続された吸気通路3上には、排気のエネルギを駆動源として作動するターボチャージャ5のコンプレッサ5aが配置されている。コンプレッサ5aよりも上流の吸気通路3には、その吸気通路3内を流通する吸気の流量を調節するスロットル弁6が配置されている。このスロットル弁6は、電動アクチュエータにより開閉される。スロットル弁6よりも上流の吸気通路3には、その吸気通路3内を流通する吸入空気の流量に応じた信号を出力するエアフローメータ7が配置されている。このエアフローメータ7により、エンジン本体1への吸入空気量が測定されている。吸気通路3及び吸気通路3に配置されている上記機器がエンジン本体1の吸気系を構成している。
一方、エンジン本体1に接続された排気通路4の途中には、ターボチャージャ5のタービン5bが配置されている。タービン5bは排気通路4を流れる排気によって駆動され、コンプレッサ5aは駆動されたタービン5bとともに回転して吸気通路3を流れる吸気を過給する。そして、タービン5bを収容するタービン室にタービン5bの全周を囲むように複数の可変ノズル5cが設けられ、これらの可変ノズル5cをそれぞれ回動させることで、可変ノズル5c間に形成されるノズル通路断面積を変化させる可変ノズル5c及びこれを駆動する電動アクチュエータが可変ノズル機構を構成している。
タービン5bよりも下流側の排気通路4には、触媒ユニット8が配置されている。触媒ユニット8は、主に吸蔵還元型NOx触媒を構成要素とし、そのNOx触媒の上流側に酸化触媒を有するユニットである。触媒ユニット8は、内燃機関が通常運転状態のように排気の空燃比が高いリーンのときには、排気中のNOxを吸蔵する。また、触媒ユニット8は、排気の空燃比が低いリッチ若しくはストイキになり、かつ排気中に還元成分が存在するとき(還元雰囲気のとき)には、吸蔵していたNOxを放出する特性を有する。さらに、触媒ユニット8は、NOxとともに燃料などに含まれる硫黄成分(SOx)を吸蔵し、高温かつ排気の空燃比が低いリッチ若しくはストイキのときに吸蔵していた硫黄成分を放出する特性も有する。
さらに、触媒ユニット8は、流入する排気の空燃比が高いリーンのときに排気中の酸素を吸蔵し、流入する排気の空燃比が低くなりストイキを通過してリッチになるときに吸蔵していた酸素(吸蔵酸素)を放出する酸素吸蔵能(Oストレージ効果)を有している。本実施例における触媒ユニット8が本発明の触媒に相当する。
触媒ユニット8の下流側の排気通路4には、排気の空燃比を検出する空燃比センサ9が配置されている。本実施例における空燃比センサ9が本発明の検出手段に相当する。
そして、制御装置100には、排気通路4内を流通する排気の一部を吸気通路3へ還流(再循環)させるEGR(Exhaust Gas Recirculation)通路10が備えられている。本実施例では、EGR通路10によって還流される排気をEGRガスと称している。EGR通路10は、タービン5bよりも上流の排気通路4と、コンプレッサ5aよりも下流の吸気通路3とを接続している。このEGR通路10を通って、排気の一部がEGRガスとして高圧でエンジン本体1へ送り込まれる。EGR通路10には、EGR通路10の通路断面積を調整することにより、EGR通路10を流通するEGRガスの量を制御するEGR弁11が配置される。EGR弁11は、電動アクチュエータにより開閉される。
さらに、制御装置100は、電子制御ユニットであるECU(Electronic Control Unit)12を備えている。このECU12は、内燃機関の運転条件や運転者の要求に応じて内燃機関の運転状態を制御するユニットである。
ECU12には、エアフローメータ7、空燃比センサ9、クランクポジションセンサ13、及びアクセルポジションセンサ14などの各種センサが電気配線を介して接続され、これら各種センサの出力信号がECU12に入力されるようになっている。
一方、ECU12には、燃料噴射弁2、ならびにスロットル弁6、可変ノズル5c、EGR弁11の電動アクチェータが電気配線を介して接続されており、ECU12によりこれらの機器が制御される。
ECU12は、クランクポジションセンサ13やアクセルポジションセンサ14などの出力信号を受けて内燃機関の運転状態を判別し、判別された機関運転状態に基づいて上記機器を電気的に制御する。
次に、本発明の制御装置100の触媒ユニット8における硫黄成分(SOx)を除去する空燃比の制御について説明する。
触媒ユニット8では、NOxと共に吸蔵される硫黄成分が内燃機関1の運転時間と共に増加する。そして触媒ユニット8は吸蔵した硫黄成分が増加していくと、NOx吸蔵能力が低下してしまう。そこで、触媒ユニット8のNOx吸蔵能力を回復させるために、触媒ユニット8に吸蔵された硫黄成分吸蔵量が所定量以上になると、内燃機関1をリッチ燃焼させる。内燃機関1をリッチ燃焼させる手法としては、燃料噴射弁2から噴射される燃料量を増量し、スロットル弁6を調節して吸気量を減少させ、可変ノズル5cを回動してノズル通路断面積を大きくしてターボチャージャ5の過給圧を低下させて吸気量を削減し、EGR弁11を開き側に制御して酸素量を減少させることが行われる。このようにして内燃機関1をリッチ燃焼させ、内燃機関1から未燃焼成分を排気通路4へ供給し、触媒ユニット8を高温に昇温すると共に触媒ユニット8に流入する排気の空燃比を目標空燃比のリッチ空燃比に低下させ、触媒ユニット8から硫黄成分を除去する処理を行う場合がある。
また、排気通路4に配置された触媒ユニット8では、吸蔵されるNOxが内燃機関の運転時間と共に増加する。そこで、触媒ユニット8のNOx吸蔵能力を回復させるために、触媒ユニット8に吸蔵されたNOx吸蔵量が所定量以上になると、内燃機関1をリッチ燃焼させる。これにより、内燃機関1から未燃焼成分を排気通路4へ供給し、触媒ユニット8に流入する排気の空燃比を目標空燃比のリッチ空燃比に低下させ、触媒ユニット8からNOxを放出させるNOx還元を実施する場合がある。なお、このNOx還元処理では、硫黄成分を除去する場合と同様な制御が行われるため、その詳細な説明を省略する。以下、リッチ燃焼を用いた硫黄成分を除去する場合を説明する。
触媒ユニット8から硫黄成分を除去する場合、空燃比センサ9の検出値、すなわち、実空燃比と目標空燃比に基づいて算出される比例項(P項)及び積分項(I項)を用いた比例積分制御(PI制御)によって、触媒ユニット8に流入する排気の空燃比を低下させて、リッチ側の目標空燃比に収束させるフィードバック制御を実施するようにしている。比例積分制御(PI制御)では、比例項(P項)と積分項(I項)との和が、排気の空燃比を低下させる制御量として入力される。すなわち、比例積分制御(PI制御)における排気の空燃比の制御量は、比例項(P項)と積分項(I項)の大きさによって決定されている。このような空燃比を低下させるフィードバック制御を実施するECU12が本発明の制御手段に相当する。
このような比例積分制御(PI制御)を用いたフィードバック制御によって、触媒ユニット8に流入する排気の空燃比を硫黄成分の除去に適する目標空燃比に収束させる場合には、空燃比センサ9の検出値、すなわち、実空燃比と最終目標空燃比と、リッチ目標空燃比とに基づいて算出される比例項(P項)及び積分項(I項)が用いられる。比例項(P項)は、実空燃比と目標値との差分で得られる。積分項(I項)は、実空燃比と目標値との差分を積算することで得られる。ここでの最終目標空燃比は、最終的に排気の空燃比を維持しようとする空燃比、すなわち、硫黄成分の除去に適する目標空燃比であり、例えば、14.1程度の値とすることができる。一方、リッチ目標空燃比は、最終目標空燃比よりもリッチな空燃比であって、例えば、13.0程度の値とすることができる。
次に、ECU12による制御処理について処理のフローを参照しつつ説明する。図2はECU12による処理の流れを説明したフローチャートを示している。
まず、ECU12は、ステップS1で、最終目標空燃比Trgを設定する。最終目標空燃比Trgは、硫黄成分の除去に適する目標空燃比であり、例えば、14.1程度の値とすることができる。ステップS1の処理を終えると、ECU12は、ステップS2へ進む。
ECU12は、ステップS2で、空燃比センサ9の検出値を取得する。これにより、触媒ユニット8の下流側の排気の空燃比が検出される。ステップS2の処理を終えると、ECU12はステップS3へ進む。
ECU12は、ステップS3で、実空燃比がストイキよりも低いか否かを判断する。すなわち、実空燃比がOストレージ効果の影響を受けているか否かを判断する。ECU12は、ステップS3において、YESと判断した場合、すなわち、実空燃比がストイキよりも低い場合、ステップS4へ進む。
ECU12は、ステップS4で、比例項(P項)を空燃比センサ9の検出値、すなわち、実空燃比と、ステップS1で設定した最終目標空燃比Trgと、最終目標空燃比Trgよりも低いリッチ目標空燃比rTrgに基づいて、比例項(P項)を算出し設定する。リッチ目標空燃比rTrgは、最終目標空燃比よりもリッチな空燃比であって、例えば、13.0程度の値とすることができる。ここで、具体的な比例項(P項)の算出についての一例を示す。
図3は、比例項(P項)を算出するために用いる比例項目標値と実空燃比との関係を示した説明図である。縦軸は比例項目標値Tpを示し、横軸は実空燃比abyfを示している。横軸の実空燃比abyfは、空燃比センサ9により検出される排気ガスの検出値である。図3中の実線は、制御装置100が行う制御により算出される比例項目標値Tpの値を示し、破線は、比較例として示す制御方法によって算出される比例項目標値Tpの値を示している。
まず、比較例として示す制御によって算出される比例項(P項)について説明する。比較例の制御では、実空燃比A/Fの値がストイキSTとなる点を境界として比例項(P項)の算出に用いる比例項目標値Tpを変更する。すなわち、実空燃比がストイキSTよりもリッチな領域では、比例項目標値Tpを最終目標空燃比Trgとして比例項(P項)を算出し、実空燃比がストイキSTよりもリーンな領域では、比例項目標値Tpをリッチ目標空燃比rTrgとして比例項(P項)を算出する。
これに対し、制御装置100により行われる制御では、実空燃比の値がストイキSTとなる点及び空燃比R1となる点を境界として比例項(P項)の算出に用いる比例項目標値Tpを変更する。このR1は、最終目標空燃比以上、ストイキより低い空燃比とすることができ、特に、最終目標空燃比とすることが望ましい。このようなR1を設定することにより、比例項目標値Tpを徐々に変更させることができる。
制御装置100により行われる制御は、具体的に、実空燃比が空燃比R1よりもリッチな領域では、比例項目標値Tpを最終目標空燃比Trgとして、比例項(P項)を算出する。一方、実空燃比がストイキSTよりもリーンな領域では、比例項目標値Tpをリッチ目標空燃比rTrgとして、比例項(P項)を算出する。
さらに、実空燃比がR1よりもリーンで、かつストイキSTよりもリッチな領域では、実空燃比R1の時点での比例項(P項)の値である最終目標空燃比Trgと実空燃比ストイキSTの時点での比例項(P項)の値であるリッチ目標空燃比rTrgとを結ぶ直線を設定し、実空燃比abyfに対応する直線上の値を比例項目標値Tpとして算出する。なお、実空燃比R1は最終目標空燃比Trgとすることができる。
以上のように、実空燃比abyfの値と、最終目標空燃比Trgと、最終目標空燃比Trgよりも低いリッチ目標空燃比rTrgとに基づいて算出し、設定することにより、排気の空燃比の収束性を向上することができる。
ECU12は、ステップS4で比例項(P項)を算出し設定すると、ステップS5へ進む。ECU12は、ステップS5で最終目標空燃比に基づいて、積分項(I項)を設定する。すなわち、積分項目標値Tiを最終目標空燃比Trgとする。ECU12はステップS5の処理を終えるとステップS6へ進む。
ECU12は、ステップS6で、比例項(P項)及び積分項(I項)を算出する。
比例項(P項)は、空燃比センサ9の検出値、すなわち、実空燃比abyfと比例項目標値Tpとの差分で算出される。具体的には、
abyf(P)=Kp・(abyf−Tp) (1)
abyf(P):比例項(P項)
Kp:フィードバックゲイン(比例要素)
abyf:実空燃比
Tp:比例項目標値
比例項目標値Tpは、ステップS4で決定されている値である。すなわち、図3に基づいて算出された値である。
一方、積分項(I項)は、空燃比センサ9の検出値、すなわち、実空燃比abyfと積分項目標値Tiとの差分を積算して算出される。具体的には、
abyf(I)=Ki∫(abyf−Ti)dt (2)
abyf(I):積分項(I項)
Ki:フィードバックゲイン(積分要素)
abyf:実空燃比
Ti:積分項目標値
ステップS5を経由した場合、すなわち、実空燃比がストイキSTより低い場合、積分項目標値Tiを最終目標空燃比Trgとして、積分項を算出する。
ECU12は、ステップS6の処理を終えるとステップS7へ進む。ECU12は、ステップS7で、算出した比例項(P項)及び積分項(I項)に基づいて比例積分制御(PI制御)を用いたフィードバック制御を実施する。具体的には、排気の空燃比を低下させる制御量=比例項(P項)+積分項(I項)で算出される。ここで、排気の空燃比を低下させる制御量は、内燃機関をリッチ燃焼させる制御量であり、制御量が大きくなるほど、排気の空燃比を低下させてリッチ化する。具体的な制御としては、燃料噴射弁2からの噴射燃料の増加や、スロットル弁6を調節することによる吸気量の削減や、可変ノズル5cを回動してノズル通路断面積を大きくしてターボチャージャ5の過給圧を低下させることによる吸気量の削減や、EGR弁11を開き側に制御することによる酸素量の削減の何れか又これらを組み合わせたものである。
ところで、ECU12は、ステップS3において、NOと判断した場合、すなわち、実空燃比がストイキ以上の場合、ステップS8へ進む。
ECU12は、ステップS8で、ステップS4と同様の処理を行う。ここでは、その詳細な説明は省略する。
ECU12は、ステップS9で積分項(I項)を算出するために用いる積分項目標値Tiを中間目標空燃比mTrgに設定する。このような中間目標空燃比mTrgは、最終目標空燃比TrgとストイキSTとの間の値とすることができる。ステップS9において、積分項(I項)を算出するために用いる積分項目標値Tiを中間目標空燃比mTrgに設定することにより、積分項(I項)が過剰積算されることを抑制し、積分項(I項)を小さくする。ECU12はステップS9の処理を終えるとステップS6へ進む。
ステップS9を経由した場合、すなわち、実空燃比がストイキST以上の場合、ECU12は、ステップS6の式(2)において、積分項目標値Tiを最終目標空燃比よりも高い空燃比である中間目標空燃比mTrgとして、積分項を算出する。
次に、図4、図5を参照しながら、制御装置100の空燃比の比例項(P項)についての制御による効果を説明する。
図4は、本発明の空燃比の制御における排気の空燃比並びに比例項及び積分項の時間推移を示した説明図である。一方、図5は、比較例として示す空燃比の制御における排気の空燃比並びに比例項及び積分項の時間推移を示した説明図である。図4(a)は、本発明の空燃比の制御による排気の実空燃比の時間推移を示し、図4(b)は、本発明の空燃比の制御における比例項及び積分項の時間推移を示している。図4(c)は、本発明の比例項及び積分項を算出するのに用いる比例項目標値Tp、積分項目標値Tiの時間推移を示している。同様に、図5(a)は、比較例の空燃比の制御による排気の実空燃比の時間推移を示し、図5(b)は、比較例の空燃比の制御における比例項及び積分項の時間推移を示している。図5(c)は、比較例の比例項及び積分項を算出するのに用いる比例項目標値Tp、積分項目標値Tiの時間推移を示している。なお、比較例の空燃比の制御と本発明の空燃比の制御とは、比例項(P項)についての制御が異なる点で相違している。
制御装置100により行われる制御は、図4(c)において設定した比例項目標値Tp、積分項目標値Tiにより、図4(b)における比例項(P項)、積分項(I項)を決定する。そして、これら比例項(P項)、積分項(I項)より、排気の空燃比を低下させる制御量を決定し、図4(a)の実空燃比に反映される。同様に、図5(c)において設定した比例項目標値Tp、積分項目標値Tiにより、図5(b)における比例項(P項)、積分項(I項)を決定し、図5(a)の実空燃比に反映される。
まず、比較例の空燃比の制御について説明する。図5(a)に示す実空燃比は、初め、リーンの状態である。このとき、図5(c)に示すように、比例項目標値Tpをリッチ目標空燃比rTrgに設定し、積分項目標値Tiを中間目標空燃比mTrgに設定する。これにより、図5(b)に示すように、比例項(P項)、積分項(I項)が変動し、図5(a)に示す実空燃比に反映される。こうして、図5(a)の空燃比が低下し、ストイキの状態へ近づく。
図5(a)の実空燃比がストイキの状態に到達すると、図5(c)において、比例項目標値Tp、積分項目標値Tiが変更される。すなわち、比例項目標値Tpを最終目標空燃比Trgに設定し、積分項目標値Tiを最終目標空燃比Trgに設定する。これにより、図5(b)に示すように比例項(P項)、積分項(I項)が変化する。比較例の空燃比制御では、図5(b)に示すように、比例項目標値Tpを変更すると、実空燃比が乱高下する現象が見られる。
次に、本発明の空燃比の制御について説明する。図4(a)に示す実空燃比がリーンの状態であるとき、図4(c)に示すように、比例項目標値Tpをリッチ目標空燃比rTrgに設定し、積分項目標空燃比Tiを中間目標空燃比mTrgに設定する。これにより、図4(b)に示すように、比例項(P項)、積分項(I項)が変動する。これが図4(a)の実空燃比に反映され、空燃比は低下し、ストイキの状態へ近づく。
図4(a)の実空燃比がストイキの状態に到達すると、図4(c)において、比例項目標値Tp、積分項目標空燃比Tiの設定値が変更される。すなわち、比例項目標値Tpを最終目標空燃比Trgへ徐々に変更していき、積分項目標空燃比Tiを最終目標空燃比Trgに設定する。これにより、図4(b)のように比例項(P項)の乱高下が抑制され、図4(a)の実空燃比に反映される。したがって、比較例において見られた実空燃比の乱高下が抑制され、収束性を向上することができる。このような比例項目標値Tpの算出はステップS4及びステップS8の処理により行われている。
以上のように、本発明の空燃比制御装置100は、比例項(P項)の算出において、比例項(P項)を徐々に変更するため、急な制御変動が抑えられ、空燃比の乱高下を抑制し、空燃比の応答性、収束性を向上する。さらに、積分項(I項)の算出において、実空燃比に近い中間目標空燃比mTrgを用いて、積分項(I項)の過剰積算を抑制し、空燃比の制御量を小さくし、収束性を向上する。これにより、制御装置100は、硫黄成分除去性能を早期に回復することができる。
上記実施例は本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、これらの実施例を種々変形することは本発明の範囲内であり、さらに本発明の範囲内において、他の様々な実施例が可能であることは上記記載から自明である。
本発明の内燃機関の空燃比制御装置の概略構成を示した説明図である。 ECUによる処理の流れを説明したフローチャートである。 比例項(P項)を算出するために用いる目標値と、実空燃比との関係を示した説明図である。 本発明の空燃比の制御における排気の空燃比並びに比例項及び積分項の時間推移を示した説明図であって、(a)は、空燃比の制御による排気の実空燃比の時間推移を示し、(b)は、空燃比の制御における比例項及び積分項の時間推移を示し、(c)は、比例項及び積分項を算出するのに用いる比例項目標値、積分項目標値の時間推移を示した説明図である。 比較例として示す空燃比の制御における排気の空燃比並びに比例項及び積分項の時間推移を示した説明図であって、(a)は、空燃比の制御による排気の実空燃比の時間推移を示し、(b)は、空燃比の制御における比例項及び積分項の時間推移を示し、(c)は、比例項及び積分項を算出するのに用いる比例項目標値、積分項目標値の時間推移を示した説明図である。
符号の説明
1 エンジン本体
2 燃料噴射弁
3 吸気通路
4 排気通路
5 ターボチャージャ
6 スロットル弁
7 エアフローメータ
8 触媒ユニット
9 空燃比センサ
10 EGR通路
11 EGR弁
12 ECU
13 クランクポジションセンサ
14 アクセルポジションセンサ
100 空燃比制御装置

Claims (3)

  1. 内燃機関の排気通路に配置され、流入する排気の空燃比が高いときに排気浄化を行い、流入する排気の空燃比が低いときに排気浄化能力を回復する触媒と、
    当該触媒よりも下流の前記排気通路に配置され、排気の実空燃比を検出する検出手段と、
    前記触媒に流入する排気の空燃比を低くし、前記触媒の排気浄化能力を回復させる際に、前記検出手段により検出される実空燃比と目標空燃比とに基づいて算出される比例項及び積分項を用いた比例積分制御によって前記触媒に流入する排気の空燃比を目標空燃比に収束させる制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記触媒に流入する排気の空燃比をストイキよりも低い最終目標空燃比に収束させる場合に、前記実空燃比と、前記最終目標空燃比と、前記最終目標空燃比よりも低いリッチ目標空燃比とに基づいて、前記比例項を設定することを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
  2. 請求項1記載の内燃機関の空燃比制御装置において、
    前記制御手段は、前記実空燃比の値がストイキ以上の場合、前記リッチ目標空燃比に基づいて前記比例項を算出し、
    前記実空燃比の値がストイキより低い場合、前記リッチ目標空燃比に基づき前記比例項を算出する処理過程から前記最終目標空燃比に基づき前記比例項を算出する処理過程へ、実空燃比の乱高下を抑制するように徐々に移行させることを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
  3. 請求項1乃至3記載の内燃機関の空燃比制御装置において、
    前記制御手段は、前記実空燃比の値がストイキ以上の場合、前記最終目標空燃比よりも高い空燃比である中間目標空燃比に基づいて前記積分項を算出し、前記検出手段により検出される実空燃比がストイキよりも低い場合、前記最終目標空燃比に基づいて前記積分項を算出することを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
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