JP2010043409A - 陸屋根又はベランダの排水構造及び溜まり幅規定部材 - Google Patents

陸屋根又はベランダの排水構造及び溜まり幅規定部材 Download PDF

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Abstract

【課題】排水溝部に広範囲に水溜まりができるのを防止する。
【解決手段】排水構造1は、陸屋根10の上面に設けられた水勾配部30と、水勾配部30の水下部に接続され、水勾配部30から水が流れ込む排水溝部31を有している。排水溝部31は、水勾配部30から流れ込む水を勾配を用いて誘導する排水誘導板60と、排水誘導板60により誘導された水が流れ込む排水溝底板61を有している。排水誘導板60には、排水溝底板61の水の溜まり幅を規定する溜まり幅規定部材70が設けられている。
【選択図】図3

Description

本発明は、住宅等の建物の陸屋根又はベランダの排水構造及び当該陸屋根又はベランダの排水構造に用いられる溜まり幅規定部材に関する。
例えば陸屋根の排水は、従来より、陸屋根上面に歩行可能な程度の水勾配部を設け、陸屋根上面の縁部のパラペット近傍に排水溝部を設けて、その排水溝部の排水口から竪樋を介して行うようにしている。
上述の排水溝部には、一般的に断面U字状に形成された樋状部材が用いられている。この場合、パラペットの近傍の陸屋根の上面に凹状の欠損部を形成し、樋状部材は、当該欠損部に嵌め込まれて設置されている。しかし、この樋状部材は複雑な形状を有し加工精度がでにくいため、しばしば現場合わせの作業を必要とし、作業自体が繁雑でコスト高となるという問題がある。
これに対し、特許文献1には、陸屋根の水下部となるパラペット近傍にパラペット側を低位として前記水勾配よりも急勾配とする傾斜面を形成すると共に、その傾斜面の先端側をパラペットに沿って立ち上げて排水溝を形成することが開示されている。かかる場合、排水溝の設置作業が簡単になる。
特開平11−222988号公報
しかしながら、上記構成においては、排水溝の片面に傾斜面が形成されているので、比較的広い幅に水が溜まりやすくなる。また水溜まりの境界線が不規則に蛇行しやすい。このように水溜まりの液面の幅が広くなり場所によって変動すると、見た目上好ましくない。また、広範囲に亘って水溜まりができると、歩行による水跳ねが生じやすく、泥等のごみが広範囲に付着しやすくなる。また、このような汚れは、陸屋根の防水性能の劣化を促進させるおそれがある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、排水溝部に広範囲に水溜まりができるのを防止できる陸屋根又はベランダの排水構造、及び当該排水構造に用いられる溜まり幅規定部材を提供することをその目的とする。
上記目的を達成するための本発明は、陸屋根の上面又はベランダの床面に設けられた水勾配部と、当該水勾配部の水下部に接続され、前記水勾配部から水が流れ込む排水溝部と、を有し、前記排水溝部は、前記水勾配部から流れ込む水を勾配を用いて誘導する排水誘導部と、前記排水誘導部により誘導された水が流れ込む排水溝底部と、を有し、前記排水誘導部には、前記排水溝底部の水の溜まり幅を規定する溜まり幅規定部が形成されていることを特徴とする。
なお、「ベランダ」には、床面に対向して屋根のあるものとないものの両方が含まれる。
本発明によれば、溜まり幅規定部により排水溝底部内の水の溜まり幅を規定できるので、排水溝部に幅の広い水溜まりができたり、水溜まりの幅が場所によって変動するのを防止できる。これにより、排水溝部に水が溜まった際の見た目がよくなる。また水溜まりのできる範囲が狭められるので、水溜まりに起因して陸屋根の上面やベランダの床面上に広範囲に汚れが発生することを抑制できる。さらに水溜まりの汚れ等による陸屋根やベランダの防水性能の劣化を抑制できる。
前記溜まり幅規定部は、前記排水溝底部側に面する垂直側面と、前記垂直側面の上端から前記排水誘導部の水上側に向けて形成される上面とを有するようにしてもよい。かかる場合、垂直側面により、排水溝底部側に壁ができるので、排水溝部の水溜まりの幅を適正に規制できる。また、この垂直側面により、排水溝部の水が周囲に飛散したり、溢れることを抑制できる。さらに、垂直側面により、水の流路が限定されるので排水溝部内の水位が高くなり、排水口に向かう水の流れを確保しやすくなる。これにより、より少ない水量であっても適正に排水できる。なお、「垂直側面」には、僅かに傾いているような略垂直なものも含まれる。
前記溜まり幅規定部の上面は、前記排水溝底部側が低くなるように傾斜していてもよい。かかる場合、溜まり幅規定部の上面に流れ込んだ水が排水溝底部に確実に流れるので、当該上面に水が残留することを防止できる。
前記排水誘導部は、前記水勾配部側から前記排水溝底部に向けて低くなる傾斜面を有し、前記溜まり幅規定部は、前記垂直側面と、前記上面と、前記垂直側面と前記上面を接続する傾斜底面とを有する部材であり、前記排水誘導部の傾斜面上に設置されていてもよい。かかる場合、溜まり幅規定部が排水誘導部と別体であるので、例えば作業スペースが必要な排水溝底部や排水誘導部の設置を溜まり幅規定部のない状態で先に行い、その後溜まり幅規定部を設置することができる。このように、排水溝部等の設置作業を簡単に行うことができる。
前記溜まり幅規定部は、前記排水誘導部に形成される凹凸に追従可能な素材により形成されていてもよい。かかる場合、例えば溝形成方向に連結される排水誘導部片同士の継ぎ目などにシールなどによる段差がある場合であっても、その形に応じて溜まり幅規定部が変形できるので、溜まり幅規定部を適正に取り付けることができる。
また、前記排水溝部の排水溝底部は、前記排水溝部の延設方向に水平に形成されていてもよい。これにより、排水溝部は、その延設方向に水を流すための勾配のないいずれの位置でも同一の断面形状を有することとなる。この結果、当該排水溝部の形成がきわめて容易のものとなるばかりでなく、当該排水溝部を複数片に部材化する場合であっても、勾配を考慮する必要がないためきわめて容易に部材化できるのである。
別の観点による本発明によれば、陸屋根の上面又はベランダの床面に設けられた水勾配部から流れ込む水を排水溝底部に誘導する排水誘導部に設けられ、前記排水溝底部側に面する垂直側面と、前記垂直側面の上端から前記排水誘導部の水上側に向けて形成された上面とを有し、前記排水溝底部の水の溜まり幅を規定することを特徴とする溜まり幅規定部材が提案される。
本発明によれば、排水溝底部内の水の溜まり幅を規定できるので、排水溝底部に幅の広い水溜まりができたり、水溜まりの幅が場所によって変動するのを防止できる。これにより、排水溝底部に水が溜まった際の見た目がよくなる。また水溜まりのできる範囲が狭められるので、水溜まりによる汚れの発生を抑制できる。さらに水溜まりの汚れ等による陸屋根やベランダの防水性能の劣化を防止できる。
本発明によれば、排水溝部に広範囲に水溜まりができるのを防止できる。
以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施の形態について説明する。図1(a)及び図1(b)は、本実施の形態にかかる陸屋根の排水構造1の一例を示す模式図である。
例えば陸屋根10は、居室2となるペントハウスを囲むように構成されており、平面形状が、例えば陸屋根上面21の外周に沿って形成されたパラペット22によって規定された四角の外形と、当該外形の中に居室2によって規定された四角の内形を有する四角リング状に形成されている。
該陸屋根10に形成される排水構造1は、例えば陸屋根上面21の中央付近が高く外壁20側とパラペット22側が低くなっている水勾配部30と、当該水勾配部30の両側の水下端部に接続され、水勾配部30から水が流れ込む排水溝部31とを有している。
水勾配部30は、居室2側の外壁20に沿って水平の水下部30aを備え、該水下部30aと外壁20との間に排水溝部31が設けられている。また、水勾配部30は、陸屋根上面21の外周部にパラペット22に沿って水平の水下部30bを備え、該水下部30bとパラペット22との間にも排水溝部31が設けられている。
居室2側の排水溝部31とパラペット22側の排水溝部31とは、連通排水溝23等によって連通されている。居室2側の水下部30aとパラペット22側の水下部30bのレベルは同等であり、これらの水下部30a、30bに沿って設けた排水溝部31のレベルも同じになっている。なお、居室2側の水下部30aに沿って設けた排水溝部31とパラペット22側に設けた水下部30bに沿って設けた排水溝部31とが、夫々独立して排水し得るように構成されている場合には、両者のレベルは同等でなくてもよい。
上記の如く、陸屋根上面21には、居室2の周囲に水下部30bと排水溝部31とが形成され、パラペット22の内周に沿って水下部30bと排水溝部31とが形成されている。このため、陸屋根上面21における居室2の周囲及びパラペット22の内周の位置が最も低いレベルに設定され、これらの位置に形成された水下部30a、30bを起点として登り勾配の水勾配を持った斜面10a〜10jが形成されている。これらの斜面10a〜10jの交叉部には、稜線11a〜11fが形成され、更に、稜線11a〜11fの交点から山線12a〜12g、及び谷線13a〜13cが形成されている。
居室2側の水下部30aとパラペット22側の水下部30bと稜線11a〜11fとの高さの差は、例えば陸屋根上面21に於ける並行(対向)する水下部の間の距離の1/2の寸法と水勾配(約1/100〜約2/100)によって設定されている。例えば、対向する水下部30a、30b間の距離が360cmで、水勾配が1/100である場合、稜線の高さは18mmとなる。
排水溝部31や連通排水溝23には、排水竪樋35が接続されており、当該排水竪樋35から建物の外部に排水される。
本実施の形態では、排水溝部31は、例えば外壁20とパラペット22の長手方向に沿って水平に形成されており、溝の形成方向に勾配のない、いわゆる零勾配に形成されている。このため、排水溝部31に於ける排水は、重力による自然流下ではなく水位の上昇に起因して流下することになる。このようないわゆる零勾配の場合、溝の形成方向に排水溝部31のレベルが変わらないので、排水溝部31を構成する各種部品の統一化をはかることができる。
図2及び図3は、パラペット22側の排水構造1の構成の概略を示す縦断面の説明図である。パラペット22は、陸屋根上面21の外縁に沿って形成されており、陸屋根上面21より上方に突出した外壁パネル40と、該外壁パネル40の上面を覆う笠木41とを有している。外壁パネル40の内側には、軽量気泡コンクリート(ALC)からなる床板42と、該床板42の上面に敷設される断熱板43と、該断熱板43の上面に敷設される傾斜板44と、該傾斜板43上に敷設される上板45と、該上板45を覆って設けられる防水シート46とを備えている。
床板42は、端部を梁48に載置させることで当該梁48に支持されており、外壁パネル40も金物(図示省略)を介して梁48に支持されている。床板42の外面と外壁パネル40の内面との間の梁48の上方には、隙間が形成されている。また、梁48の上面には、外壁パネル40の内面及び上面に沿って設けられる防水下地材50がボルト締結されており、当該ボルトを埋設する状態で前記隙間にはモルタル47が充填されている。
また、断熱板43は、床板42及びモルタル47の上面を覆って設けられ、外壁パネル40の内側の全面に亘って敷設されている。傾斜板44、上板45及び防水シート46は、外壁パネル40の近傍部分を除いた領域、つまり排水溝部31が形成される部分を除いた領域に敷設されている。傾斜板44は、陸屋根上面21の中央側から外壁パネル40側に向けて厚みが薄くなっており、これにより水勾配部30の勾配が形成されている。
なお、本実施の形態において、水勾配部30は、例えば傾斜板44、上板45及び防水シート46により構成されている。
排水溝部31は、水勾配部30からの水を勾配を用いて誘導する排水誘導部としての排水誘導板60と、排水誘導板60により誘導された水が流れ込む排水溝底部としての排水溝底板61とを有している。この排水誘導板60と排水溝底板61は、例えば一体の鋼板により形成され、その表面には、塩化ビニル樹脂がラミネート加工等により被覆されている。
排水誘導板60と排水溝底板61は、上述の如く一体に形成されて排水溝部形成部材として部材化され、当該排水溝形成部材をパラペットに沿って敷き並べていくことにより、図3に示すように排水溝部31がパラペット22の外壁パネル40に沿って形成されている。また、当該排水溝形成部材は、隣接する排水溝部形成部材と突き付けにより連結されており、それらの継目は、塩化ビニル樹脂製の水密シート(図示せず)によりシールされている。排水溝形成部材の表面には上述の如く塩化ビニル樹脂が被覆されているので、水密シートの排水溝形成部材への取付けは、これら塩化ビニル樹脂どうしの熱溶着や溶剤による溶着、又は接着によりなされ、これらの間に隙間のない良好なシールが形成される。
排水誘導板60は、例えば水上部が上板45と防水シート46の間に挟まれてネジ(図示せず)などにより固定され、その水上部から排水溝底板61に向けて水勾配部30より急な角度で傾斜している。
排水溝底板61は、例えば排水誘導板60の水下端部に連続し下に凸に湾曲し、その後外壁パネル40の内側の側壁面に沿って立ち上がり外壁パネル40の上面までを覆うように形成されている。排水溝底板61の底部には、排水溝部31の延設方向に所定の間隔で前記排水竪樋35の排水口(図示せず)が設けられており、当該排水口から排水溝底板61に流れ込んだ水を排水できる。
排水誘導板60上には、排水溝底板61の水の溜まり幅Dを規定する溜まり幅規定部材70が設けられている。溜まり幅規定部材70は、例えば縦断面が略直角三角形の角柱状に形成され、排水溝底板61の長手方向に沿って外壁パネル40と平行に設置されている。溜まり幅規定部材70は、水密シートや排水誘導板60の表面と同じ材質の弾力性のある素材(排水誘導板60に形成される凹凸に追従可能な素材)、例えば塩化ビニル樹脂により形成されている。これにより、上記排水溝形成部材の継目に水密シートを設けることにより継目毎に隆起する部位が形成されている場合であっても、当該隆起に追従して溜まり幅規定部材70を設けることができ、当該隆起の存在によって溜まり幅規定部材70と排水誘導板60及び水密シートとの間に隙間が形成されることが防止される。
溜まり幅規定部材70は、例えば排水溝底板61側に面する垂直側面70aと、垂直側面70aの上端から水上側に向けて形成される上面70bと、垂直側面70aと上面70bを接続する傾斜底面70cとを有している。
上面70bは、例えば水平に形成されている。また、傾斜底面70cには、長手方向に複数本の溝70dが形成されている。溜まり幅規定部材70は、排水誘導板上に接着又は溶着により取り付けられることとなるが、この溝70dにより、傾斜底面70cの排水誘導板60に対する接触面積が低減され、ひいては、接着面又は溶着面が低減されることとなる。この結果、交換時などに溜まり幅規定部材70の排水誘導板60に対する取り外しが簡単になる。上面70bと傾斜底面70cとの頂角は、排水誘導板60の傾斜面に接している。
なお、外壁20側の排水構造1は、上記パラペット22側の排水構造1と同様であるので、説明を省略する。
以上のように構成された排水構造1では、図1に示すように陸屋根10の屋根上面21上の水が水勾配部30を流れ、排水溝部31に流れ込む。そして図3に示すように排水溝部31では、排水誘導板60の勾配により水が誘導され、溜まり幅規定部材70の上面70bを通って、最も深い排水溝底板61内に流れ込む。このとき、排水溝部31の断面形状が略三角形であるため、排水溝部31に流れ込む雨水の量が少ない場合には水位が急激に上昇し、雨水の量が増加するのに従って水位の上昇が緩やかになる。従って、雨水の量が少ない場合であっても、十分な水位を確保でき、確実な排水を実現することが可能となる。排水溝底板61に溜まった水Aは、排水竪樋35から外部に排水される。
以上の実施の形態によれば、溜まり幅規定部材70により、排水溝底板61内の水の溜まり幅Dを規定できるので、排水溝部31に幅の広い水溜まりができたり、水溜まりの幅が場所によって変動するのを防止できる。これにより、排水溝部31に水が溜まった際の見た目がよくなる。また、水溜まりのできる範囲が狭められるので、水溜まりによる汚れの発生を抑制できる。さらに水溜まりの汚れ等による陸屋根10の防水性能の劣化を防止できる。
また、溜まり幅規定部材70は、排水溝部31側に面する垂直側面70aと、垂直側面70aの上端から排水誘導板60の水上側に向けて形成される上面70bを有している。このため、垂直側面70aにより、排水溝底板61側に壁ができるので、排水溝部31の水の溜まり幅Dを適正に規制できる。また、垂直側面70aにより、排水溝部31の水が周囲に飛散したり溢れることを抑制できる。さらに、垂直側面70aにより、水の流路が限定されるので排水溝部31内の水位が高くなり、排水口に向かう水の流れを確保しやすくなる。これにより、より少ない水量であっても適正に排水できる。
排水溝底板61や排水誘導板60は、通常複数の板片をパラペット22の長手方向に繋ぎ合せて設置され、その際に溶着機器等を用いて防止シート等により繋ぎ目をシールする必要があるため、作業スペースが必要になる。本実施の形態では、溜まり幅規定部材70が、排水誘導板60と別体であるので、例えば溜まり幅規定部材70を取り外した状態で、排水溝底板61や排水誘導板60の設置を行い、その後溜まり幅規定部材70を設置することができる。このように排水溝部31等の設置作業を簡単に行うことができる。
溜まり幅規定部材70は、弾力性のある素材により形成されているので、溝形成方向に連結される排水誘導板60片同士の継ぎ目などに防水シートなどによる段差がある場合に、その形に応じて溜まり幅規定部材70が変形するので、溜まり幅規定部材70を適正に取り付けることができる。
以上の実施の形態では、溜まり幅規定部材70の上面70bが平坦であったが、 図4に示すように排水溝底板61側が低くなるように傾斜していてもよい。こうすることにより、上面70b上で水が残留するようなことがなくなる。よって、排水溝部31の見た目がさらによくなり、上面70b上の水による汚れの発生も防止できる。
図5に示すように溜まり幅規定部材70の上面70bに長手方向に沿った複数の溝70eを形成してもよい。こうすることにより、仮に上面70bに水が付着した場合に、毛細管現象より、水が溝70eに沿って長手方向に拡散される。これにより、水溜まりができることが防止される。また、水が揮発しやすくなり、より乾燥が速く進む。
以上の実施の形態では、溜まり幅規定部材70が排水誘導板60と別体であったが、溜まり幅規定部が排水誘導板60に一体に形成されていてもよい。かかる場合、例えば排水誘導板60の傾斜面に溜まり幅規定部材70と同じ段部が形成される。こうすることにより、排水構造1の部品点数を減らすことができる。
以上の実施の形態は、陸屋根上面21の周囲のパラペット22や外壁20付近に排水溝部31が形成されている例であったが、図1(a)や図1(b)に示す如く屋根の勾配の納まり上の関係から当該屋根の中央部に水勾配部の水下部が形成される場合がある。かかる水勾配部に対しても、本発明は適用可能である。かかる場合例えば図6に示すように左右の水勾配部30の水下部に、互いに対向する排水誘導板60が設置され、それらの水下部の中央に共通の排水溝底板61が設置される。左右の排水誘導板60上には、それぞれ溜まり幅規定部材70が設けられる。この左右の溜まり幅規定部材70により排水溝底板61の水の溜まり幅Dが規定される。
以上の実施の形態では、防水性を要する部位を適宜塩化ビニル製若しくは塩化ビニルにより被覆する構成となっているが、防水性及び上述の如く溶着性・接着性を有する素材であれば、合成ゴム系の素材等の塩化ビニル以外の素材を採用することも可能である。
また、上記実施形態においては、排水溝部31が、パラペット22の長手方向に水平のいわゆる零勾配のものであったが、勾配を有するものであってよい。また、以上の実施の形態では、陸屋根10の排水構造1であったが、本発明は、ヒトが歩行可能な程度に水勾配を有する外部床を備えた、下屋の屋根部等の他の陸屋根や、ベランダ(屋根のないバルコニーを含む)の排水構造に適用してもよい。
なお、以上の実施の形態に於いて排水される水とは、雨水に限定されるものではなく、陸屋根上面やベランダの床面に屋上緑化のための人工緑地を構成したような場合には、この人工緑地に散水したときの水や積雪が溶け出して形成される水等や、陸屋根上面やベランダの床面で歩行者がこぼした飲料等、陸屋根やベランダに流れ込む可能性を有する全ての液体を含むものである。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に相到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
陸屋根の排水構造の一例を示す模式図である。 陸屋根の排水構造の一例を示す模式図である。 排水構造の構成の概略を示す縦断面の説明図である。 排水構造の構成の概略を示す縦断面の説明図である。 溜まり幅規定部材の上面が傾斜している場合の排水構造の構成の概略を示す説明図である。 溜まり幅規定部材の上面に溝が形成されている場合の排水構造の構成の概略を示す説明図である。 谷状の水勾配部の水下部に排水溝部が形成されている場合の排水構造を示す縦断面の説明図である。
符号の説明
1 排水構造
10 陸屋根
30 水勾配部
31 排水溝部
60 排水誘導板
61 排水溝底板
70 溜まり幅規定部材
D 水の溜まり幅

Claims (7)

  1. 陸屋根の上面又はベランダの床面に設けられた水勾配部と、当該水勾配部の水下部に接続され、前記水勾配部から水が流れ込む排水溝部と、を有し、
    前記排水溝部は、前記水勾配部から流れ込む水を勾配を用いて誘導する排水誘導部と、前記排水誘導部により誘導された水が流れ込む排水溝底部と、を有し、
    前記排水誘導部には、前記排水溝底部の水の溜まり幅を規定する溜まり幅規定部が形成されていることを特徴とする、陸屋根又はベランダの排水構造。
  2. 前記溜まり幅規定部は、前記排水溝底部側に面する垂直側面と、前記垂直側面の上端から前記排水誘導部の水上側に向けて形成される上面とを有することを特徴とする、請求項1に記載の陸屋根又はベランダの排水構造。
  3. 前記溜まり幅規定部の上面は、前記排水溝底部側が低くなるように傾斜していることを特徴とする、請求項2に記載の陸屋根又はベランダの排水構造。
  4. 前記排水誘導部は、前記水勾配部側から前記排水溝底部に向けて低くなる傾斜面を有し、
    前記溜まり幅規定部は、前記垂直側面と、前記上面と、前記垂直側面と前記上面を接続する傾斜底面とを有する部材であり、前記排水誘導部の傾斜面上に設置されていることを特徴とする、請求項2又は3に記載の陸屋根又はベランダの排水構造。
  5. 前記溜まり幅規定部は、前記排水誘導部に形成される凹凸に追従可能な素材により形成されていることを特徴とする、請求項4に記載の陸屋根又はベランダの排水構造。
  6. 前記排水溝部の排水溝底部は、前記排水溝部の延設方向に水平に形成されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の陸屋根又はベランダの排水構造。
  7. 陸屋根の上面又はベランダの床面に設けられた水勾配部から流れ込む水を排水溝底部に誘導する排水誘導部に設けられ、
    前記排水溝底部側に面する垂直側面と、前記垂直側面の上端から前記排水誘導部の水上側に向けて形成された上面とを有し、前記排水溝底部の水の溜まり幅を規定することを特徴とする、溜まり幅規定部材。
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