JP2010043305A - 無電解めっき方法および無電解めっき装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】触媒付与処理を行った後、配線表面における異状粒状金属の発生及び配線表面のめっき膜のラフネス悪化を防止しつつ、コバルト合金膜等のめっき膜を配線の表面に選択的に形成できるようにする。
【解決手段】絶縁膜に設けた配線用凹部内に金属を埋込んで形成した埋込み配線を有する基板を用意し、基板表面を触媒付与液に接触させて配線表面に触媒を付与し、触媒付与後の基板表面に洗浄液を供給しつつ該表面を物理的に洗浄し、しかる後、基板表面に無電解めっきを行って配線表面にめっき膜を選択的に形成する。
【選択図】図13
【解決手段】絶縁膜に設けた配線用凹部内に金属を埋込んで形成した埋込み配線を有する基板を用意し、基板表面を触媒付与液に接触させて配線表面に触媒を付与し、触媒付与後の基板表面に洗浄液を供給しつつ該表面を物理的に洗浄し、しかる後、基板表面に無電解めっきを行って配線表面にめっき膜を選択的に形成する。
【選択図】図13
Description
本発明は、無電解めっき方法及び無電解めっき装置に係り、特に半導体ウェーハ等の基板の表面に設けた微細な配線用凹部に銅や銀等の配線材料(金属)を埋込んで構成した埋込み配線の露出表面に、該配線を覆う合金等からなる保護膜や磁性膜を選択的に形成するのに使用される無電解めっき方法及び無電解めっき装置に関する。本発明の無電解めっき方法及び無電解めっき装置は、例えば半導体製造技術(例えば、メモリー、ロジック、MRAMの磁性膜製造工程、センサー)やフラットパネル製造工程、MEMSなどの微細加工技術の全般に適用される。
半導体装置の配線形成プロセスとして、トレンチやビアホール等の配線用凹部内に配線材料(金属)を埋込むようにしたプロセス(いわゆる、ダマシンプロセス)が使用されつつある。これは、絶縁膜(層間絶縁膜)に予め形成したトレンチやビアホールに、アルミニウム、近年では銅や銀等の金属をめっきによって埋込んだ後、余分な金属を、例えば化学機械的研磨(CMP)によって除去し平坦化するプロセス技術である。
近年、半導体デバイスの高速化・微細化の加速とともに、配線材料としてアルミニウムに代わって銅を使用し、層間絶縁膜として低誘電率材(Low−K材)を使用したダマシンプロセス(配線の埋込み)は益々重要になって来ている。配線材料に銅を使用した半導体デバイスの信頼性を高めるには、銅配線のエレクトロマイグレーション(EM)耐性を増強させることが不可欠である。その対策の一つとして、銅配線上にコバルト(Co)合金膜を選択的に形成することが挙げられ、これにより、銅配線のEMの耐性を向上させるための顕著な効果が実証されている。また、銅配線上に形成されたコバルト合金膜が銅または酸素(O2)の拡散を防ぐ役割を十分に果たせれば、従来のプロセスに使われる誘電率が高い絶縁材のキャップ層を省くことが可能となり、各配線層間の実効誘電率を一層下げることが期待できる。
ここに、無電解めっき法は、金属と絶縁材が混在する基板表面に対して、金属上のみに選択的にめっき膜を成膜できる固有な性質を持つため、銅配線上へコバルト合金膜を選択的に形成するのに最適な方法と考えられる。
以上のことから、無電解めっきによって、銅配線上にコバルト合金膜を選択的に形成する技術は、次世代の高信頼性の銅配線構築における最も有望なプロセスと考えられる。
以上のことから、無電解めっきによって、銅配線上にコバルト合金膜を選択的に形成する技術は、次世代の高信頼性の銅配線構築における最も有望なプロセスと考えられる。
金属及び絶縁材が表面に混在する材料に対する微細加工技術、例えば微細配線を有する半導体デバイスの製造技術の一つとして、絶縁膜に設けた配線用凹部内に銅(金属配線)を埋込み、余剰な銅をCMPで研磨除去して平坦化した後に、銅配線上のみに、例えばCoWPからなるめっき膜(保護膜)を選択的に形成する、いわゆる無電解選択めっきがある。
図1は、この無電解めっきの一例を示すもので、例えばCMPで余剰の銅(金属)を研磨除去して表面を平坦化することにより、図1(a)に示すように、絶縁膜(層間絶縁膜)2の内部に、上面を除く周囲をバリアメタル3で包囲した銅配線4を形成した基板Wを用意する。この基板Wの銅配線4の表面には銅酸化物4aが形成され、絶縁膜2の表面にはパーティクル5が残存することがある。そこで、図1(b)に示すように、基板Wの表面の前洗浄を行って、銅酸化物4a及びパーティクル5を除去し、しかる後、図1(c)に示すように、銅配線4の表面に該銅配線4を形成する銅を触媒としてコバルト合金膜等からなるめっき膜(保護膜)6を無電解めっきで直接成膜する。
図2及び図3は無電解めっきの他の例を示すもので、図3に示すように、無電解めっき装置内に投入された基板Wに対し、図2(a)及び図2(b)に示すように、前述の図1に示す無電解めっきと同様にして、基板Wの表面の前洗浄を行って、銅酸化物4a及びパーティクル5を除去し、純水でリンスする。しかる後、図2(c)に示すように、銅配線4の表面にPd(パラジウム)等の触媒7を付与し、純水でリンスする。そして、図2(d)に示すように、銅配線4の表面上に付与したPd等の触媒7による酸化還元反応により、銅配線4の表面にコバルト合金膜等のめっき膜(保護膜)6を無電解めっきで選択的に成膜し、純水でリンスする。次に、基板表面の後洗浄を行って純水でリンスし、最終洗浄を行ってIPA乾燥させた後、基板をめっき装置から搬出する。
図2及び図3に示す無電解めっきにおいて、SiO2やSiOC等からなる絶縁膜2の表面には、基本的に触媒の置換反応が起きないため、無電解めっき反応は、触媒7が付与された銅配線4の表面上でしか発生せず、このため無電解選択めっきが行われる。
ここで、CMP等によって余剰な金属(銅)が除去されて表面が平坦化された後、基板の絶縁膜の表面上に金属(銅)が存在することがある。図1に示す無電解めっきでは、銅配線の表面に容易に反応してコバルト合金膜等のめっき膜の成膜が開始されるため、絶縁膜表面上に存在する微量な銅へ対しても非常に反応しやすい。
一方で、図2及び図3に示す無電解めっきでは、銅との置換反応で銅配線表面にPd等の触媒を付与し、その後のめっき処理で、触媒反応(酸化還元反応)により、コバルト合金膜等のめっき膜が選択的に成膜される。この時、前述のように、絶縁膜の表面上にも銅が存在することから、絶縁膜上に存在する銅へPd等の触媒が付与され、前述と同じようにして、絶縁膜上にコバルト合金膜等のめっき膜が成長する懸念がある。さらに詳細には、例えばPd触媒は、絶縁膜表面上においては、触媒付与処理により銅と反応結合せずに表面上に存在しているPdと銅と金属電子交換の置換反応によりCu-Pdとして存在する。しかしながら、銅配線上のPd付与量と比較して、絶縁膜上に付与されるPd付与量は極めて少ない。このため、図1に示す無電解めっきに比して、図2及び図3に示す無電解めっきの方の選択性が高く、しかも、めっき液としても安定しており運用しやすい。このため、図2及び図3に示す無電解めっきが広く行われている。
ここに、図2及び図3に示すように、Pd等の触媒を銅配線等の金属配線上に付与し、しかる後、無電解めっきを行うと、触媒付与処理によって配線抵抗が上昇する懸念がある。このため、触媒付与液を、例えば低溶存酸素化することで、触媒付与処理による配線抵抗上昇を抑制することが提案されている(特許文献1,2等参照)。
特開2005−29810号公報
特開平10−294296号公報
無電解めっきによって、銅配線等の金属配線の表面にコバルト合金膜等のめっき膜を選択的に成膜するプロセスにおける従来の問題点として、めっき処理後の配線表面上、特に配線端部に異常粒状金属が発生(析出)することが挙げられる。特に、触媒を付与した後に無電解めっきを行う時、配線抵抗の上昇を抑制するため、低溶存酸素化した触媒付与液を使用した触媒付与処理を行うと、この問題が顕著になる。
図4(a)は、溶存酸素濃度が2ppm以上の8ppmの触媒付与液を使用して触媒付与処理を行い、しかる後、めっき処理を行った時における基板の表面観察(SEM)を示す。図4(b)は、溶存酸素濃度が2ppm以下の1ppmの触媒付与液を使用して触媒付与処理を行い、しかる後、めっき処理を行った時における基板の表面観察(SEM)を示す。図4(a)及び図4(b)から、例えば溶存酸素濃度が8ppmの触媒付与液を使用して触媒付与処理を行った後にめっき処理した場合に比較して、溶存酸素濃度が1ppmの触媒付与液を使用して触媒付与処理を行った後にめっき処理を行った場合には、めっき処理後における配線表面上の異常粒状金属の発生量が増加してしまうことが判る。
また、絶縁膜上にも、CMP後に残った微量の銅等の金属と結合したPd等の触媒や、単体で存在するPd等の触媒を核として無電解めっきにより異常粒状析出が生じる可能性がある。
ここで、めっき後に発生(析出)した、図4(b)にて、主に見受けられる配線端部や絶縁膜表面上の異常粒状金属をめっき後洗浄で除去することが知られている。しかし、微細配線の表面上の異物粒状金属は、極めて微小であり、しかも、異常粒状金属と配線上に形成した金属(下地)は基本的に同一金属組成であるため、異常粒状金属だけをめっき後洗浄にて選択的に除去することは一般に困難である。このため、異常粒状金属を発生(析出)させないようにすることが望まれている。
例えば、微細な銅配線表面に触媒としてのPdを付与して無電解めっきを行う時に、下地銅の配向性の違いによりPd触媒の銅配線表面への付着量が異なることが知られている。そして、線幅が1mm以下〜数nmの微細配線の表面に無電解めっきでコバルト合金等のめっき膜を成膜する時に、めっき膜の成長が下地銅の配向性の影響を受けて、不均一な膜厚のめっき膜が銅配線表面上部に形成される。また、触媒付与処理を行うことで、付与した触媒の周辺の金属(銅)表面上に発生する生成物量(銅生成物)が異なる。これらは、金属配線上の無電解めっきによるめっき膜の成長において、下地金属の影響により異なる膜厚のめっき膜を形成し、配線表面ラフネスを悪化させてしまう。
ここで、極めて多量の触媒を銅配線の表面へ供給することで、下地銅の影響を緩和させることができるが、このように、極めて多量の触媒を銅配線の表面へ供給すると、触媒付与処理による配線抵抗上昇を誘引し、配線抵抗の上昇率を増加させてしまう。また、大量に触媒を付与できたとしても、配線表面ラフネスに関しては、良好なラフネスを達成することは非常に困難であり、効果的では無い。
配線表面に異常粒状金属が析出したり、配線表面のラフネスが悪化したりすると、配線のEM耐性は向上するものの、EM耐性のばらつきを誘発する要因となりかねない。また、後の工程であるエッチストッパ膜形成、CVDや塗布工程(スピンオン)などによる絶縁膜の成膜後のラフネスに影響を与え、リソグラフィ工程やエッチング工程などに影響を及ぼすばかりでなく、配線間の密着性を劣化させて、配線間リーク特性の劣化やTDDB特性劣化など製品信頼性の低下の要因となり得る。このため、改善することが望まれる。
配線表面に無電解めっきでコバルト合金等のめっき膜を選択的に成膜する時における配線表面のラフネス悪化のアルゴリズムは以下のように考えられる。
コバルト合金膜等のめっき膜厚のばらつきは、めっき開始時間のばらつきとめっき成膜レートの違いによって生じる。つまり、配線の全表面がめっきによるコバルト合金等のめっき膜で覆われた後、めっき膜は下地めっき膜を触媒として成長する。このため、めっき膜厚のばらつきは、めっき開始時間と配線表面がめっき膜で覆われる時間との差が配線表面の各場所で異なることで生じる。
例えば、Pdを触媒とした銅表面へのコバルト合金のめっきは、電気化学的に、図5(a)に示す、銅表面のPd触媒上のめっき液(次亜リン酸)のアノード電流(A)の方が、図5(b)に示す、銅表面上の還元電流(B)よりも大きくなる(A>B)ことで、反応を開始する。この時、同一配線表面上で、図6に示すように、例えば銅配線表面の配向性が異なるなど、めっき開始条件が異なる要因が存在すると、配線表面の各部分的にめっき膜厚が異なることになる。
つまり、下記の表1は、銅配向性と仕事関数の関係を示す。図7は、銅配向性とPd析出の相関を示す。図8は、銅配向性とコバルト合金膜の成膜開始時間との相関を示す。この図7及び図8から、銅配向性の違いによって、Pd付着量が異なって、めっき膜厚のばらつきに繋がり、また、銅配向性の違いにより、付与されたPd触媒間の触媒付与処理時に発生する銅生成物量が異なることが判る。
この結果、図9に示すように、銅配線4の表面に選択的に形成される、例えばCoWPからなるめっき膜6aにあっては、下地銅の配向性の影響を受けて、めっき膜厚にばらつきが生じる。また銅配線4上の、特に配線端部にコバルト粒等の異状粒状金属9が発生(析出)する。図10は、配向性を有する下地銅の表面にめっき膜を選択的に形成した時の表面解析(SEM)を示す。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、触媒付与処理を行った後、配線表面における異状粒状金属の発生及び配線表面のめっき膜のラフネス悪化を防止しつつ、コバルト合金膜等のめっき膜を配線の表面に選択的に形成できるようにした無電解めっき方法及び無電解めっき装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、絶縁膜に設けた配線用凹部内に金属を埋込んで形成した埋込み配線を有する基板を用意し、基板表面を触媒付与液に接触させて配線表面に触媒を付与し、触媒付与後の基板表面に洗浄液を供給しつつ該表面を物理的に洗浄し、しかる後、基板表面に無電解めっきを行って配線表面にめっき膜を選択的に形成することを特徴とする無電解めっき方法である。
このように、Pd等の触媒を付与した後に、基板表面に洗浄液を供給しつつ該表面を物理的に洗浄することで、絶縁膜上の、例えば銅、銅と結合したPd(Cu−Pd)、単体で存在するPd、或いは配線上の異常粒状析出の要因と考えられる比較的大きく密集したPd核等を除去して、異常粒状金属の発生(析出)を抑制することができる。特に、無電解選択めっき全般において課題である異常粒状析出を、配線抵抗上昇の改善効果とトレードオフの関係にある触媒付与液の低溶存酸素化という方法を用いて、一層増加する異常粒状析出をその後の処理によって改善するのではなく、事前に抑制することが可能となる。
請求項2に記載の発明は、前記洗浄液として、前記配線及び該配線表面に付与した触媒が非溶解の薬液を使用することを特徴とする請求項1記載の無電解めっき方法である。
このように、触媒付与後に、配線及び該配線表面に付与した触媒が非溶解の薬液による洗浄を行うことで、配線表面上の銅等の金属を溶解させて配線抵抗の上昇を招いたりすることなく、配線下地銅等の配向性の違いによるめっき膜厚のばらつきの問題を解決することができる。このように、例えば銅配向性の違いによるめっき膜厚のばらつきを抑制できるのは、Pd等の触媒付着量の少ない部分には銅生成物等の金属生成物が多い傾向があり、この銅生成物等の金属生成物を除去することにより、めっき開始のタイミングを早めることができることによると考えられる。よって、めっき開始時間と配線表面がめっき膜で覆われる時間との差を抑制することになり、配線表面上に均一なめっき膜厚を形成することができる。
なお、このような薬液による洗浄では、絶縁膜表面上に存在する、例えば銅、銅と結合したPd(Cu−Pd)等を溶解させて除去することはできないが、前述のように、物理的洗浄と組合せることで、絶縁膜上の、例えば銅、銅と結合したPd(Cu−Pd)等を溶解させることなく物理的に除去して、異常粒状金属の発生(析出)を抑制することができる。
請求項3に記載の発明は、前記金属として銅を、前記触媒としてパラジウムをそれぞれ使用し、前記洗浄液として、TMAH、NH4OHまたはコリンを主体とし、銅とパラジウムが非溶解の薬液を使用することを特徴とする請求項1記載の無電解めっき方法である。
この薬液は、主にアルカリ性であるが、酸性であってもよい。
この薬液は、主にアルカリ性であるが、酸性であってもよい。
請求項4に記載の発明は、前記物理的洗浄は、吸湿性と耐薬性に優れ、基板との接触時に基板に与えるダメージが少ないロールまたはスポンジを使用したスクラブ洗浄もしくはスプレー噴射による洗浄であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の無電解めっき方法である。
請求項5に記載の発明は、前記基板表面への触媒付与に先立って、基板の表面を前洗浄することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の無電解めっき方法である。
請求項6に記載の発明は、絶縁膜に設けた配線用凹部内に金属を埋込んで形成した埋込み配線を有する基板表面を触媒付与液に接触させて配線表面に触媒を付与する触媒付与ユニットと、前記触媒付与後の基板表面に洗浄液を供給しつつ該表面を物理的に洗浄する触媒付与後洗浄ユニットと、前記洗浄後の基板表面に無電解めっきを施す無電解めっきユニットを有することを特徴とする無電解めっき装置である。
請求項7に記載の発明は、触媒付与前の基板を前洗浄する前洗浄ユニットと、無電解めっき後の基板を後洗浄するめっき後洗浄ユニットを更に有することを特徴とする請求項6記載の無電解めっき装置である。
本発明によれば、配線表面上に発生(析出)した異物粒状金属をめっき後の後洗浄にて除去するのでは無く、異物粒状金属の発生(析出)自体をめっき前に事前に完全に抑制することができる。しかも、洗浄液として、配線及び該配線表面に付与された触媒が非溶解の薬液を使用することで、配線表面に選択的に成膜されるコバルト合金成膜等のめっき膜厚のばらつきを抑えて、配線表面のラフネス悪化を抑制することができる。これにより、配線間リーク特性やTDDB特性やEM耐性などの製品信頼性の低下を抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。以下の例では、図2(a)に示すように、絶縁膜(層間絶縁膜)2の内部に、上面を除く周囲をバリアメタル3で包囲した銅配線4を形成した基板Wを用意し、この銅配線4の表面に、図2(c)に示すように、触媒7としてPdを付与した後、図2(d)に示すように、CoWPからなるめっき膜(保護膜)6を選択的に形成して該表面を保護するようにした例を示す。
図11は、本発明の実施の形態における無電解めっき装置の平面配置図を示す。図11に示すように、この無電解めっき装置には、表面に銅配線を形成した半導体ウェーハ等の基板を収容した基板カセットを載置収容するロード・アンロードユニット11が備えられている。そして、排気系統を備えた矩形状の装置フレーム12の内部に、基板の表面を前洗浄する前洗浄ユニット14a、前洗浄後の基板表面に触媒付与液を接触させて、銅配線の表面に、例えばPd等の触媒を付与する触媒付与ユニット14b、及び触媒付与後の基板表面に洗浄液を供給しつつ該表面を物理的に洗浄する触媒付与後洗浄ユニット14cが配置されている。
装置フレーム12の内部には、基板の表面に無電解めっきを行う無電解めっきユニット16、無電解めっきによって銅配線の表面に形成されためっき膜(保護膜)の選択性を向上させるため、基板のめっき後洗浄(後処理)を行う後洗浄ユニット18、後洗浄後の基板を乾燥させる乾燥ユニット20、及び仮置台22が配置されている。更に、装置フレーム12の内部には、ロード・アンロードユニット11に搭載された基板カセットと仮置台22との間で基板Wの受渡し行う第1基板搬送ロボット24と、仮置台22と各ユニット14a,14b,14b,16,18,20との間で基板の受渡しを行う第2基板搬送ロボット26が、それぞれ走行自在に配置されている。
次に、図11に示す無電解めっき装置に備えられている触媒付与後洗浄ユニット14cを図12を参照して説明する。なお、前洗浄ユニット14a及び後洗浄ユニット18は、触媒付与後洗浄ユニット14cとほぼ同様な構成を有している。
図12に示すように、触媒付与後洗浄ユニット14cには、基板Wの外周部を挟み込んで基板Wを保持する複数のローラ30と、ローラ30で保持した基板Wの表面に洗浄液を供給する洗浄液用ノズル32及び純水を供給する純水用ノズル34と、ローラ30で保持した基板Wの裏面に洗浄液を供給する洗浄液用ノズル36及び純水を供給する純水用ノズル38が備えられている。
ローラ30で保持した基板Wの表面側に位置して、中心に回転軸40を有する円筒状の洗浄部材42が、基板の裏面側に位置して、中心に回転軸44を有する円筒状の洗浄部材46が、それぞれ上下方向に移動して基板Wに接触するように配置されている。この両洗浄部材42,46は、例えば多孔質連続気孔組織のポリビニルアルコール(PVA)製のロールスポンジからなるロール状ブラシで構成されている。このように、吸湿性と耐薬性(酸・アルカリ耐性、溶媒)に優れた多孔質連続気孔組織のポリビニルアルコール(PVA)製のロールスポンジで洗浄部材(ロール状ブラシ)42,46を構成することにより、基板の表面に洗浄部材42,46を接触させて両者を相対移動させることで、基板の表面にダメージを与えることなく、基板の表面に残った残留物を容易に除去することができる。しかも、洗浄部材42,46を、中心に回転軸40,44を有するロール状ブラシとし、ロール状ブラシを基板の表面に接触させながら回転させて基板の表面を洗浄することで、基板の表面の洗浄効率を向上させることができる。なお、洗浄部材をフッ樹脂等の樹脂材としてもよい。
ここに、洗浄液用ノズル32から基板Wの表面に供給される洗浄液として、TMAHを主体とし、銅とパラジウムが非溶解のアルカリ性の薬液が使用される。この洗浄液として、NH4OHやコリンを含む、銅とパラジウムが非溶解のアルカリ性の薬液を使用しても良い。なお、この洗浄液は、銅とパラジウムが非溶解であれば、酸性であってもよい。
この触媒付与後洗浄ユニット14cによれば、基板Wをその表面(被処理面)を上向きにして複数のローラ30で保持し、ローラ30を介して、基板Wを所定の回転速度、例えば110rpmで回転させながら、基板Wの表面(上面)に純水用ノズル34から純水を滴下して、基板Wの全表面を純水で濡らす。次に、基板Wの上方に配置された洗浄部材(ロール状ブラシ)42を所定の回転速度、例えば100rpmで回転させながら下降させて基板Wの表面に接触させる。そして、洗浄部材(ロール状ブラシ)42が基板Wの表面に接触すると同時に、基板Wの上方に配置された洗浄液用ノズル32から基板Wの表面に洗浄液を供給する。
この基板の表面(上面)の前洗浄と並行して、必要に応じて、基板の裏面(下面)の前洗浄を行う。つまり、基板Wの裏面(下面)に純水用ノズル38から純水を供給し、基板Wの下方に配置された洗浄部材(ロール状ブラシ)46を所定の回転速度、例えば100rpmで回転させながら上昇させて基板Wの裏面に接触させる。そして、洗浄部材(ロール状ブラシ)46が基板Wの裏面に接触すると同時に、基板Wの下方に配置された洗浄液用ノズル36から基板Wの表面に洗浄液を供給し、これによって、洗浄液による化学的作用と洗浄部材46による機械的作用を組合せた前洗浄で基板Wの裏面を洗浄する。
そして、所定時間、例えば30秒間基板の表面を洗浄した後、洗浄部材42を上昇させて基板Wの表面から離し、洗浄液用ノズル32からの洗浄液の供給を停止した後、純水用ノズル34から基板Wの表面に純水を供給して基板Wの表面を純水でリンスする。
基板Wの裏面にあっても同様に、所定時間基板の裏面を洗浄した後、洗浄部材46を下降させて基板Wの裏面から離し、洗浄液用ノズル36からの洗浄液の供給を停止した後、純水用ノズル38から基板Wの裏面に純水を供給して基板Wの裏面を純水でリンスする。
なお、基板の裏面側に洗浄液用ノズル36を配置することなく、純水用ノズル38のみを配置して、基板の裏面の純水によるリンスのみを行うようにしてもよく、また洗浄液の基板の裏面側への回り込みがない場合には、基板の裏面の純水によるリンスを省略するようにしてもよい。
次に、この無電解めっき装置による一連の処理(無電解めっき処理)を、図13を参照して説明する。
先ず、表面に銅配線を形成した基板Wを該基板Wの表面を上向き(フェースアップ)で収納してロード・アンロードユニット11に搭載した基板カセットから、1枚の基板Wを第1基板搬送ロボット24で取出し仮置台22に搬送して該仮置台22上に載置する。この仮置台22に載置された基板Wを、第2基板搬送ロボット26で前洗浄ユニット14aに搬送する。
先ず、表面に銅配線を形成した基板Wを該基板Wの表面を上向き(フェースアップ)で収納してロード・アンロードユニット11に搭載した基板カセットから、1枚の基板Wを第1基板搬送ロボット24で取出し仮置台22に搬送して該仮置台22上に載置する。この仮置台22に載置された基板Wを、第2基板搬送ロボット26で前洗浄ユニット14aに搬送する。
この前洗浄ユニット14aでは、表面(被処理面)を上向きにして基板をローラで保持する。そして、ローラを介して、基板を回転させながら、基板の表面に純水を供給して基板の全表面を純水で数秒濡らし、しかる後、洗浄部材(ロール状ブラシ)を回転させながら基板表面を接触させる。洗浄部材(ロール状ブラシ)が基板に接触すると同時に、前洗浄薬液を基板表面に供給して基板のめっき前洗浄を行う。その後、ロールを基板の表面から離し、直ちに純水を基板表面に供給して基板表面をリンスする。その後、純水の供給を停止し、基板を回転させて可能な範囲で乾燥させる。
次に、前洗浄後の基板を触媒付与ユニット14bに搬送し、表面(被処理面)を下向きにして、基板を触媒付与ユニット14bの基板保持機構で保持する。そして、基板保持機構に直結された回転軸を回転させて基板を回転させながら、基板の下方に配置された複数のスプレーノズルから触媒付与液を基板の表面へ向けて噴射することで、基板表面に触媒付与処理を行う。これによって、図2(c)に示すように、銅配線4の表面に触媒(Pd触媒)7を付与する。なお、基板を回転させながら、触媒付与槽内の触媒付与液中に基板を浸漬させることで、基板表面の触媒付与処理を行うようにしてもよい。そして、触媒付与処理後、基板表面に純水を供給して基板表面をリンスし、基板を回転させて基板表面を乾燥させる。
この触媒付与処理に、例えば2ppm以下の溶在酸素濃度を有する低酸素濃度化した触媒付与液を使用することで、銅配線の抵抗が触媒付与処理に伴って上昇してしまうことを防止することができる。
触媒付与後乾燥させた基板を、触媒付与ユニット14bから取出して触媒付与後洗浄ユニット14cに搬送する。この触媒付与後洗浄ユニット14cでは、図12に示すように、被処理面(表面)を上向きにして基板Wをローラ30で保持する。そして、ローラ30を介して、基板Wを回転させながら、純水用ノズル34から基板Wの表面に純水を供給して、基板の全表面を純水で数秒濡らし、洗浄部材(ロール状ブラシ)42を回転させながら基板Wの表面に接触させる。洗浄部材(ロール状ブラシ)42が基板Wに接触すると同時に、洗浄液用ノズル32から、基板Wの表面に、配線表面上の銅生成物を除去でき、しかも銅及びPd触媒を溶解することがないようにコントロールされた、例えばTMAHを主体とする、銅とパラジウムが非溶解のアルカリ性薬液からなる洗浄液を供給して触媒付与後洗浄処理を行う。その後、洗浄部材(ロール状ブラシ)42を基板Wの表面から離し、基板Wの表面に向けて純水用ノズル34から直ちに純水を供給して被処理表面を純水でリンスする。その後、純水用ノズル34からの純水供給を停止し、基板Wを回転させて可能な範囲で乾燥させる。
次に、触媒付与後洗浄後の基板を無電解めっきユニット16に搬送する。無電解めっきユニット16では、被処理面(表面)を下向きにして基板を基板保持機構で保持する。そして、基板保持機構に直結する回転軸によって基板を回転させながら下降させて、成分及び温度調整された無電解めっき液槽内のめっき液中に基板を浸漬させて、基板表面に無電解めっき処理を行う。この無電解めっき処理によって、図2(d)に示すように、銅配線4の表面に、CoWPからなるめっき膜(保護膜)6を選択的に成膜する。次に、基板表面に純水を供給して基板表面を純水でリンスし、基板を回転させて基板表面を乾燥させる。
次に、この無電解めっき処理後の基板を後洗浄ユニット18に搬送し、ここで、基板の表面に形成されためっき膜(保護膜)6の選択性を向上させて歩留りを高めるためのめっき後処理(後洗浄)を施す。つまり、被処理面(表面)を上向きにして基板をローラで保持する。そして、ローラを介して基板を回転させながら、基板表面に純水を供給して基板の全表面を純水で数秒濡らし、洗浄部材(ロール状ブラシ)を回転させながら基板表面を接触させる。洗浄部材(ロール状ブラシ)が基板表面に接触すると同時に、めっき後洗浄薬液を基板表面に供給して後洗浄処理を行う。その後、洗浄部材(ロール状ブラシ)を基板の表面から離し、直ちに純水にて被処理表面をリンスする。
なお、被処理面(表面)を下向きにして基板を保持し、基板を回転させながら、基板の下方に配置された複数のスプレーノズルからめっき後洗浄液を基板の表面に向けて噴射して、めっき後洗浄処理を行うようにしてよい。
そして、このめっき後洗浄後の基板Wを乾燥ユニット20に搬送し、被処理面(表面)を上向きにして、基板を乾燥ユニット20の基板保持機構で保持する。そして、この基板保持機構の回転軸を介して、基板を高速回転させて基板表面を乾燥させる。もしくは、表面状態によっては、IPA乾燥を行う。
この乾燥後の基板を、第2基板搬送ロボット26で仮置台22の上に置き、この仮置台22の上に置かれた基板を、第1基板搬送ロボット24でロード・アンロードユニット11に搭載された基板カセットに戻す。
この例では、触媒付与後に、例えばTMAHを主体とする、銅と触媒Pdを溶解することがないように設計された薬液(洗浄液)を供給しつつ、基板表面の物理的洗浄を行うことで、配線表面上の異物粒状金属をめっき後の後洗浄にて除去するのではなく、異物粒状金属の発生(析出)自体をめっき前に事前に完全に抑制することができ、しかも、配線表面上に形成されるめっき膜の表面ラフネス悪化を抑制することができる。
つまり、上記の洗浄液を用いても、物理的洗浄を行わない浸漬による洗浄処理では、配線表面ラフネスの改善に効果はあるものの、配線表面上の異物粒状金属を除去することは出来ない。また、絶縁膜上には、銅と結合していない触媒Pdが存在し、絶縁膜上の銅に結合した微量の触媒Pdも存在する。すなわち、絶縁膜上にもコバルト合金等が成膜される可能性がある。しかしながら、この例のように、物理的洗浄を行うことで、溶解でなく物理的洗浄で絶縁膜上のCu、Cu-Pd、Pd等をめっき処理前に除去することができる。このため、絶縁膜上における僅かなコバルト合金等の成膜も事前に抑制することができる。
このように、触媒付与後洗浄処理を行うことによって、図14に示すように、銅配線4の表面に、下地銅の配向性の影響を受けることなく、例えばCoWPからなる均一な膜厚のめっき膜6bを選択的に形成し、しかも、銅配線4上の、特に配線端部にコバルト粒等の異状粒状金属が発生(析出)することを防止することができる。これによって、均一な膜厚の無電解選択めっき膜に期待されるEM耐性をばらつき無く向上させ、配線間リークやTDDB特性の劣化を抑制することができる。図15に、触媒付与後洗浄を行い、しかる後に無電解めっき処理を行って銅配線の表面にめっき膜を選択的に形成した時の表面解析(SEM)を示す。
従来の触媒付与後洗浄を行うことなく無電解めっき処理を行った時(従来例1〜3)と、触媒付与後洗浄を行った後に無電解めっき処理を行った時(実施例1)における基板の配線間リーク電流の分布を測定した結果を、無電解めっき処理を行わなかった時(比較例)と比較して図16に示す。図16に示すように、従来例1〜3における基板のリーク電流分布では、リーク量の劣化やばらつきの増加などでデバイス性能を満たすことが出来ないが、実施例1における基板のリーク電流は、比較例とほぼ同等で、これにより、デバイスの性能を達成できることが判る。つまり、触媒付与後洗浄処理として、物理的洗浄を銅とPd触媒等を溶解しない洗浄液にて洗浄処理することで、最も良好なリーク特性を示すことが判る。
図17は、初期、Pd触媒付与を行う際にめっき前洗浄を行わなかった時、めっき前洗浄を行った時、及びめっき前洗浄と触媒付与後洗浄の双方を行った時の表面解析(tof-sims)によって得られたPdカウント数を示すグラフである。この図17から、めっき前洗浄を行うことで、前洗浄なしのPd触媒付与よりもPdカウント数が増加し、更に触媒付与後洗浄を行うことで、Pdカウント数が更に増加することが判る。このことから、触媒付与処理により、触媒(Pd)付与だけでなく、何らかの銅生成物が存在するようになり、触媒付与後洗浄を行うことで、銅生成物が除去されていることが判る。つまり、触媒付与後洗浄を行うことで、例えば銅表面の付与Pd面積が増加するとともに、Pd近傍の銅表面においても、良好な銅表面状態になったことが推測される。
図18は、触媒付与後洗浄を行わなかった時と触媒付与後洗浄を行った時における銅表面上の還元電流示すグラフである。図18から、触媒付与後洗浄を行うことで、触媒付与後洗浄を行わなかった時に比べて、銅錯体または銅化合物の還元電流ピークが低下し、これによって、銅表面の銅生成物が洗浄されていることが判る。
更に、触媒付与処理後に続けて無電解めっきを行うと、触媒付与液は酸性であることが多く、めっき液はアルカリ性であることから、触媒付与液がリンスによって十分除去されず、除去されずに残った触媒付与液がめっき液と触れることにより、中和反応やソルベントショック(Solvent Shock)が生じることがある。この例によれば、触媒付与後、無電解めっき処理前にアルカリ性薬液で基板を洗浄することにより、前述の中和反応やソルベントショック(Solvent Shock)を緩和することも可能となる。
以下、物理的洗浄の効果と洗浄液の効果をより詳細に説明する。
以下、物理的洗浄の効果と洗浄液の効果をより詳細に説明する。
〔物理的洗浄の効果〕
Pdを触媒として銅配線の表面にコバルト合金めっき膜を成膜する時、めっき膜の成長は、触媒表面から始まることから、めっき膜は、Pd核を取り囲むように等方性成長し、銅配線の全表面がめっき膜で被覆されても成長を続けることで、所定の膜厚のめっき膜が形成される。ここで、触媒付与液の低溶存酸素化に伴い、Pd核の成長が促進され、比較的大きなPd核が局所的に存在したり、触媒Pdが非常に高密度で分布する領域が局所的に存在したりすると推測される。銅配線Cuや触媒Pdを溶解しない洗浄液を選定し、物理的洗浄を実施することにより、比較的Pd核が小さくて下地銅金属と結合しているのと対照的である比較的大きなPd核は除去され、これによって、後のめっき処理において異物粒状金属の発生(析出)を回避することが出来る。
Pdを触媒として銅配線の表面にコバルト合金めっき膜を成膜する時、めっき膜の成長は、触媒表面から始まることから、めっき膜は、Pd核を取り囲むように等方性成長し、銅配線の全表面がめっき膜で被覆されても成長を続けることで、所定の膜厚のめっき膜が形成される。ここで、触媒付与液の低溶存酸素化に伴い、Pd核の成長が促進され、比較的大きなPd核が局所的に存在したり、触媒Pdが非常に高密度で分布する領域が局所的に存在したりすると推測される。銅配線Cuや触媒Pdを溶解しない洗浄液を選定し、物理的洗浄を実施することにより、比較的Pd核が小さくて下地銅金属と結合しているのと対照的である比較的大きなPd核は除去され、これによって、後のめっき処理において異物粒状金属の発生(析出)を回避することが出来る。
また、配線表面の非溶解を考慮した配線銅や触媒Pdなどを溶解しない洗浄液を用いた物理洗浄を行うことで、溶解でなく物理的洗浄にて絶縁膜上のCu、Cu-Pd、Pdをめっき処理前に除去することが可能である。このため、本発明を適用することで、絶縁膜上における僅かなコバルト合金めっき膜の成膜も事前に抑制することができる。
〔洗浄液の効果〕
Pdを触媒として銅配線の表面にコバルト合金めっき膜を成膜する時、下地銅の配向性の影響により、触媒付着量が異なるため、触媒Pdを下地銅配線表面に均一に付与することは出来ない。また、下地銅配線の影響により、触媒周辺のCu生成物の量も異なることが判っている。
Pdを触媒として銅配線の表面にコバルト合金めっき膜を成膜する時、下地銅の配向性の影響により、触媒付着量が異なるため、触媒Pdを下地銅配線表面に均一に付与することは出来ない。また、下地銅配線の影響により、触媒周辺のCu生成物の量も異なることが判っている。
すなわち、下地銅配線の影響により、触媒付与率が低い部分については、銅生成物が多くなっているという傾向がある。同量の触媒を異なる下地銅配線表面に付与することは出来ないが、配線上の触媒Pdを除去することなく、触媒周辺の銅生成物や触媒に覆い被さっている銅生成物を除去することができれば、触媒付与率が低く、銅生成物が多い下地銅配線表面上において、洗浄処理により銅生成物を除去することで、表面上の触媒面積率を向上させることができる。推測に伴い、検証を高感度な表面解析(tof-sims)を用いて行った結果、銅及びPdを溶解しない洗浄液にて触媒付与後に後洗浄を行うことで、前述の図17に示すように、Pdカウント数が増加することが確認された。Pdは洗浄液に溶解しないことからも、表面に存在した銅生成物が触媒付与後洗浄で除去されることで、Pd表面積比率が増加していることが確認されている。
銅配線表面上のPd触媒表面比率の差を低減することで配線表面のラフネスが改善される。また、無電解めっきは、金属表面の電位の低下によりめっきが始まることから、表面上の銅生成物を除去することで、前述の図18に示すように、触媒による電位低下に随伴して銅表面においても電位低下が起こり、容易にめっき成膜されることが推測される。これらが配線表面ラフネス改善効果をもたらす。
これまで本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。例えば、配線材料として銅を使用しているが、銅の代わりに銅合金を使用してもよい。
4 銅配線
6,6a,6b めっき膜
7 触媒
12 装置フレーム
14a 前洗浄ユニット
14b 触媒付与ユニット
14c 触媒付与後洗浄ユニット
16 無電解めっきユニット
18 後洗浄ユニット
20 乾燥ユニット
24,26 基板搬送ロボット
30 ローラ
32,36 洗浄液用ノズル
34,38 純水用ノズル
40,42 回転軸
42,46 洗浄部材(ロール状ブラシ)
6,6a,6b めっき膜
7 触媒
12 装置フレーム
14a 前洗浄ユニット
14b 触媒付与ユニット
14c 触媒付与後洗浄ユニット
16 無電解めっきユニット
18 後洗浄ユニット
20 乾燥ユニット
24,26 基板搬送ロボット
30 ローラ
32,36 洗浄液用ノズル
34,38 純水用ノズル
40,42 回転軸
42,46 洗浄部材(ロール状ブラシ)
Claims (7)
- 絶縁膜に設けた配線用凹部内に金属を埋込んで形成した埋込み配線を有する基板を用意し、
基板表面を触媒付与液に接触させて配線表面に触媒を付与し、
触媒付与後の基板表面に洗浄液を供給しつつ該表面を物理的に洗浄し、しかる後、
基板表面に無電解めっきを行って配線表面にめっき膜を選択的に形成することを特徴とする無電解めっき方法。 - 前記洗浄液として、前記配線及び該配線表面に付与した触媒が非溶解の薬液を使用することを特徴とする請求項1記載の無電解めっき方法。
- 前記金属として銅を、前記触媒としてパラジウムをそれぞれ使用し、前記洗浄液として、TMAH、NH4OHまたはコリンを主体とし、銅とパラジウムが非溶解の薬液を使用することを特徴とする請求項1記載の無電解めっき方法。
- 前記物理的洗浄は、吸湿性と耐薬性に優れ、基板との接触時に基板に与えるダメージが少ないロールまたはスポンジを使用したスクラブ洗浄もしくはスプレー噴射による洗浄であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の無電解めっき方法。
- 前記配線表面への触媒付与に先立って、基板の表面を前洗浄することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の無電解めっき方法。
- 絶縁膜に設けた配線用凹部内に金属を埋込んで形成した埋込み配線を有する基板表面を触媒付与液に接触させて配線表面に触媒を付与する触媒付与ユニットと、
前記触媒付与後の基板表面に洗浄液を供給しつつ該表面を物理的に洗浄する触媒付与後洗浄ユニットと、
前記洗浄後の基板表面に無電解めっきを施す無電解めっきユニットを有することを特徴とする無電解めっき装置。 - 触媒付与前の基板を前洗浄する前洗浄ユニットと、
無電解めっき後の基板を後洗浄するめっき後洗浄ユニットを更に有することを特徴とする請求項6記載の無電解めっき装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008206797A JP2010043305A (ja) | 2008-08-11 | 2008-08-11 | 無電解めっき方法および無電解めっき装置 |
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-
2008
- 2008-08-11 JP JP2008206797A patent/JP2010043305A/ja active Pending
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