JP2010042767A - 舵取機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】往復駆動されるラム軸と、該ラム軸に係合可能な係合具と、前記係合具に連結されて前記ラム軸の往復動を回転運動に変えて舵軸を回転駆動する回転駆動機構とを備えた舵取機において、前記ラム軸を軸線に直角に2等分して第1ラム軸1zと第2ラム軸1yとに分割し、前記係合具を前記第1ラム軸1zと第2ラム軸1yの分割部の軸端部1sに回転自在に当接させる円筒体12に構成するとともに、前記円筒体12を回転自在に支持し前記第1ラム軸1zと第2ラム軸1yの往復動による前記円筒体12の回転運動を介して前記舵軸7を回転駆動せしめるチラー2を備えたことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
図5において、同一軸線上に棒状のラム軸1が配置され、該ラム軸1の両端部は、船体5,5に軸受11、11にて支持された油圧シリンダ6,6内に収納され、該油圧シリンダ6,6の油圧によって、該ラム軸1が同一軸線上を往復するように駆動される。
前記ラム軸1の中央大径部にはラムピン4が突設され、該ラムピン4の軸方向に嵌挿された立体状ブッシュ3がフォーク状チラー2のフォーク部26に嵌挿されている。前記フォーク状チラー2は、船舶の舵軸7にキー8で固定されている。
前記立体状ブッシュ3には、倒れ止め具8aが固定され、該倒れ止め具8aを水平ガイド棒27に沿ってガイドすることにより、前記ラム軸1がその軸線周りに回動しないようになっている。
かかる舵取機においては、装置の機械効率が高いことが望ましいが、機械効率の向上をなすには、舵軸7の舵角の大きさに従って増加する摩擦抵抗、ブッシュ3とフォーク状チラー2間の摩擦抵抗、ラム軸1とブッシュ3との摩擦抵抗、倒れ止め具8aと水平ガイド棒27との摩擦抵抗等を低減する必要がある。
かかる摩擦抵抗のうち、舵軸7の舵角の大きさに従って増加する摩擦抵抗を低減することが効果的である。
前記軸線1aに垂直方向の曲げ荷重T1は、図6に示すように、前記ラム軸1の軸線1a方向の移動量Sの増加に従って増加する、即ち舵軸7の舵角の大きさに従って増加する。
従って、かかる反力W1,W2によるラム軸1の摩擦抵抗を低減させる必要があるが、前記図5〜6の手段では、かかる課題を解決できない。
前記ラム軸を軸線に直角に第1ラム軸と第2ラム軸とに分割し、前記係合具を前記第1ラム軸と第2ラム軸の分割部の軸端部に回転自在に当接させる円筒体に構成するとともに、前記円筒体を回転自在に支持し前記第1ラム軸と第2ラム軸の往復動による前記円筒体の回転運動を介して前記舵軸を回転駆動せしめるチラーを備えたことを特徴とする(請求項1)。
ラム軸を軸線に直角に第1ラム軸と第2ラム軸とに分割したことにより、ラム軸を往復駆動する油圧シリンダ等の駆動源からの軸方向力が、第1ラム軸と第2ラム軸のそれぞれ別個に作用し、且つ2つの軸は、チラーに支持された円筒体を介して回転自在に接触しているので、従来のラム軸が一体のもののような、ラム軸の軸線方向の移動量の増加に従って増加する、軸に垂直方向の曲げ荷重(分力荷重)T1は発生せず、駆動源からの軸方向力は常に軸線方向の荷重であり、この軸方向力を第1ラム軸と第2ラム軸のそれぞれ別個に受け持つので、該軸方向力による軸に垂直方向の曲げ荷重は発生しないこととなる。
また、第1ラム軸と第2ラム軸とに分割して、2つの軸は円筒体を介して回転自在に接触しているので、第1ラム軸と第2ラム軸とは回転が拘束されておらず、従って従来のもののように、立体状ブッシュを水平ガイド棒に沿って移動させる手段、つまり水平ガイド棒及びその支持手段は不要となり、構造が簡単化される。
ラム軸を軸線に直角に第1ラム軸と第2ラム軸とに分割したことによる前記効果に加えて、外輪、転動体、内輪からなる転がり軸受を係合具としてチラーに支持して、転がり軸受の外輪を分割部の軸端部に回転自在に接触させたので、該転がり軸受とラム軸の接触による摩擦抵抗がさらに小さくなり、舵取機全体の機械効率の向上効果がさらに大きくできる。
前記と同様に、駆動源からの軸方向力は常に軸線方向の荷重であり軸方向力を第1ラム軸と第2ラム軸のそれぞれ別個に受け持つので、該軸方向力による軸に垂直方向の曲げ荷重は発生せず、従って、軸に垂直方向の曲げ荷重による軸受にかかる反力の発生がなく、かかる反力によるラム軸の摩擦抵抗が無くなり、かかる摩擦抵抗の低減により舵取機全体の機械効率の向上させることができる、という効果が得られる他、インボリュート曲線による接触であるので、前記分割部の軸端部を正確な曲面状に形成すれば、倒れが多くなっても双方の接触面が直交するので摩擦損失が低減され、機械効率のさらなる向上が得られる。
前記第1ラム軸側と第2ラム軸側の当接部を、給油装置により潤滑油を供給することにより摩擦損失が低減され、機械効率のさらなる向上が得られる。
図1(A)、(B)において、静止状態で同一軸線上に配置した棒状のラム軸を、前記ラム軸の軸線1aに直角に2等分して第1ラム軸1zと第2ラム軸1yとに分割している。前記第1ラム軸1zと第2ラム軸1yとの軸端面1s、1sには、ラムピン4に回転自在に支持された円筒体12が当接されている。
前記円筒体12を回転自在に支持するラムピン4は、該ラムピン4の両端部をフォーク状のチラー2に固定されている。さらに該フォーク状のチラー2は、船舶の舵軸7にキー8で固定されている。該舵軸7の回転中心を7aで示す。
前記油圧シリンダ6、6には、軸受11、11が固定され、該軸受11、11の内周には前記第1ラム軸1z及び第2ラム軸1yが回転自在に支持されている。
また、前記第1ラム軸1z及び第2ラム軸1yは、軸受11、11のみでは片持ちになるため、該軸受11、11の内側に補助ブッシュ13,13にて該第1ラム軸1z及び第2ラム軸1yを支持する。
かかる円筒体12の移動は前記ラムピン4を介してフォーク状のチラー2に伝達され、該チラー2がY1矢印のように回転して、該チラー2に固定された舵軸7が回転中心7a周りにY1矢印のように回転される。
従って、かかる第1実施例によれば、ラム軸を第1ラム軸1zと第2ラム軸1yとに分割したことにより、ラム軸を往復駆動する油圧シリンダ6,6からの軸方向力Fが、第1ラム軸1zと第2ラム軸1yのそれぞれ別個に作用し、且つ2つの軸はチラー2に支持された円筒体12を介して回転自在に接触しているので、従来のラム軸が一体のもの(図6に示すもの)のような、ラム軸の軸線方向の移動量の増加に従って増加する軸に垂直方向の曲げ荷重(分力荷重)T1は発生せず、油圧シリンダ6,6からの軸方向力Fは常に軸線方向1aのみの荷重であり、この軸方向力Fを第1ラム軸1zと第2ラム軸1yのそれぞれ別個に受け持つので、該軸方向力Fによる軸に垂直方向の曲げ荷重T1は発生しない。
また、第1ラム軸1zと第2ラム軸1yとに分割して、2つの軸1z、1yは円筒体12を介して回転自在に接触しているので、第1ラム軸1zと第2ラム軸1yとは回転が拘束されておらず、従って従来のもの(図6参照)のように、倒れ止め具8aを水平ガイド棒27に沿って移動させる手段、つまり水平ガイド棒27及びその支持手段は不要となり、構造が簡単化される。
この第2実施例は、前記第1実施例と同様に、静止状態で同一軸線上に配置した棒状のラム軸を、前記ラム軸の軸線1aに直角に2等分して第1ラム軸1zと第2ラム軸1yとに分割している。
そして、外輪14が前記第1ラム軸1zと第2ラム軸1yの分割部の軸端部1s,1sに回転自在に当接され、該外輪14の回転を転動体(複数の球体またはコロ体)15を介して内輪12aに接続する転がり軸受14aを設け、前記転がり軸受14aの内輪12aをラムピン4にて回転自在に支持している。
該ラムピン4の両端部は、フォーク状のチラー2に固定されており、さらに前記第1実施例と同様に該フォーク状のチラー2は、船舶の舵軸7にキー8で固定されている。
その他の構成は前記第1実施例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
この第3実施例は、前記第1実施例と同様に、静止状態で同一軸線上に配置した棒状のラム軸を、前記ラム軸の軸線1aに直角に2等分して第1ラム軸1zと第2ラム軸1yとに分割している。
そして、この第3実施例においては、前記ラム軸を2等分した第1ラム軸1zと第2ラム軸1yとの間に、該第1ラム軸1zと第2ラム軸1yとを相対移動不能に接続する補強板16を溶接で固定している(ボルト締めでも良い)。
また、この第3実施例においては、前記第1ラム軸1zと第2ラム軸1yとに固定した
倒れ止め具8aが設けられ、該倒れ止め具8aを水平ガイド棒28に沿ってガイドすることにより、前記第1ラム軸1zと第2ラム軸1yがその軸線1a周りに回動しないようになっている。
その他の構成は前記第1実施例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
この第4実施例においては、前記第1実施例と同様に、静止状態で同一軸線上に配置した棒状のラム軸を、前記ラム軸の軸線1aに直角に2等分して第1ラム軸1zと第2ラム軸1yとに分割している。
前記第1ラム軸1zと第2ラム軸1yの分割部の軸端部を球面状の曲面状部1c、1dに形成し、前記第1ラム軸1zと第2ラム軸1yの分割部の曲面状部1c、1dの表面に当接するチラーの表面をインボリュート曲線からなる接触面20aに構成された円弧状チラー20に形成されている。そして、前記円弧状チラー20を、前記舵軸7に固定している。
また、前記の他に、図2における転がり軸受14aの外輪14と前記第1ラム軸1zと第2ラム軸1yの分割部の軸端部1sに回転自在に当接する当接部、及び図4(A)、(B)における前記第1ラム軸1zと第2ラム軸1yの分割部の曲面状の軸端部に当接するインボリュート曲線からなる円弧状チラー20の接触面20aの、いずれかに潤滑油を供給する自動給油装置24を備える。
かかる第5実施例によれば、前記第1ラム軸1z側と第2ラム軸1y側の当接部を、自動給油装置24により潤滑油を供給することによって、摩擦損失が低減され、機械効率のさらなる向上が得られる。
1y 第2ラム軸
1c、1d 曲面状部
1s 軸端面
2 チラー
4 ラムピン
6 油圧シリンダ
7 舵軸
7a 回転中心
11 軸受
12 円筒体
12a 内輪
13 補助ブッシュ
14 外輪
14a 転がり軸受
15 転動体(球体またはコロ体)
16 補強板
20 円弧状チラー
20a 接触面
24 自動給油装置
F 油圧
Claims (5)
- 往復駆動されるラム軸と、該ラム軸に係合可能な係合具と、前記係合具に連結されて前記ラム軸の往復動を回転運動に変えて舵軸を回転駆動する回転駆動機構とを備えた舵取機において、
前記ラム軸を軸線に直角に第1ラム軸と第2ラム軸とに分割し、前記係合具を前記第1ラム軸と第2ラム軸の分割部の軸端部に回転自在に当接させる円筒体に構成するとともに、前記円筒体を回転自在に支持し前記第1ラム軸と第2ラム軸の往復動による前記円筒体の回転運動を介して前記舵軸を回転駆動せしめるチラーを備えたことを特徴とする舵取機。 - 往復駆動されるラム軸と、該ラム軸に係合可能な係合具と、前記係合具に連結されて前記ラム軸の往復動を回転運動に変えて舵軸を回転駆動する回転駆動機構とを備えた舵取機において、
前記ラム軸を軸線に直角に第1ラム軸と第2ラム軸とに分割し、外輪が前記第1ラム軸と第2ラム軸との分割部の軸端部に回転自在に当接され、該外輪の回転を転動体を介して内輪に接続する転がり軸受にて前記係合具を構成するとともに、前記内輪を回転自在に支持し前記第1ラム軸と第2ラム軸の往復動による前記転がり軸受の回転運動を介して前記舵軸を回転駆動せしめるチラーを備えたことを特徴とする舵取機。 - 前記ラム軸を分割した第1ラム軸と第2ラム軸との間に、該第1ラム軸と第2ラム軸とを相対移動不能に接続する補強板を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の舵取機。
- 往復駆動されるラム軸と、該ラム軸に係合可能な係合具と、前記係合具に連結されて前記ラム軸の往復動を回転運動に変えて舵軸を回転駆動する回転駆動機構とを備えた舵取機において、
前記ラム軸を軸線に直角に第1ラム軸と第2ラム軸とに分割し、前記第1ラム軸と第2ラム軸の分割部の軸端部を曲面状に形成し、前記係合具を前記第1ラム軸と第2ラム軸の分割部の前記曲面状の軸端部に当接するインボリュート曲線からなる接触面に構成し、前記係合具を前記舵軸に固定して、該係合具の前記インボリュート曲線からなる接触面に連動して前記舵軸を回転駆動せしめるように構成したことを特徴とする舵取機。 - 前記第1ラム軸と第2ラム軸の分割部の軸端部に回転自在に当接させる円筒体の当接部、転がり軸受の外輪と前記第1ラム軸と第2ラム軸の分割部の軸端部に回転自在に当接する当接部、前記第1ラム軸と第2ラム軸の分割部の曲面状の軸端部に当接するインボリュート曲線からなる接触面部の、いずれかに潤滑油を供給する給油装置を備えたことを特徴とする請求項1,2,4のいずれか1項に記載の舵取機。
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