JP2010042746A - エコ運転支援装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 運転操作のエコ度合いの表示と、燃費情報の表示とに生じる表示の不整合を軽減させたエコ運転支援装置を提供する。
【解決手段】 運転者による車両の運転操作の状態を表す運転操作状態情報と、運転者の運転操作がエコ運転操作であるか否かを区別するためのエコしきい値とに基づいて、運転操作のエコ度合いを求める手段と、運転操作のエコ度合いが表示されるように表示を制御する手段と、車両の燃料情報を表示させるように表示を制御する手段と、表示された燃料情報に基づいて、運転操作のエコ度合いの表示を補正する手段として機能するエコ判断部22を設けている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ドライバのエコ運転を支援する技術に関する。
近年、環境保護の観点からドライバのエコ運転を支援するエコ運転支援装置が車両に搭載されるようになってきた。例えば、アクセルの踏み込み量やエンジンとトランスミッションの効率、さらには走行速度や加速度などから燃費のよい走行状態(以下、この状態をエコ運転状態と呼ぶ)にあるか否かをエコ運転支援装置が判定する。エコ運転支援装置は、走行状態がエコ運転状態にあると判定すると、LED(Light Emitting Diode)を点灯させる。また、車両が走行中のある瞬間での燃料消費率を計算して、燃費情報として表示する技術も知られている。
特許文献1では、複数種類の燃料計測条件に基づいて車両の走行燃費を計測することで、様々な条件下での燃費に基づいて総合的に車両燃費を評価する技術を提案している。
また、特許文献2では、ユーザが設定した目標燃費と、演算によって求めた瞬間燃費との比較を行って、比較の結果をスピーカ、液晶画面のバックライトやLEDの点灯等によって表示している。
特開2001−108503号公報 特開2003−42000号公報
燃費計を備えて、燃費情報を表示する車両に、上述のエコ運転支援装置を搭載しようとする場合、燃費情報の表示と、エコ運転状態の判定表示(以下、エコ度合いの表示と呼ぶ)とにズレが生じてしまう場合がある。
エコ運転支援装置の提供するエコ度合いの表示は、エコ運転状態へと改善するための操作をどのように行えばよいかを示すものであるため、非常に短い瞬間の燃費を表示する燃費計の表示とはズレた表示となることがある。
ドライバによっては、これらの表示にズレが生じていると、どちらの表示に合わせて運転を行えばよいのかが分からずストレスとなる。特許文献1及び2にも燃費情報の表示と、エコ度合い表示との表示の不整合を解消する技術は開示されていない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、運転操作のエコ度合いの表示と、燃費情報の表示とに生じる表示の不整合を軽減させたエコ運転支援装置を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために本発明のエコ運転支援装置は、運転者による車両の運転操作の状態を表す運転操作状態情報と、前記運転者の運転操作がエコ運転操作であるか否かを区別するためのエコしきい値とに基づいて、前記運転操作のエコ度合いを求める運転操作エコ度合取得手段と、前記運転操作エコ度合取得手段によって取得された運転操作のエコ度合いが表示されるように表示を制御する運転操作エコ度合表示制御手段と、前記車両の燃料情報を表示させるように表示を制御する燃料表示制御手段と、前記燃料表示制御手段が表示させる燃料情報に基づいて、前記運転操作エコ度合表示制御手段が表示させる運転操作のエコ度合いを補正する表示補正手段とを有する構成を備えている。
このように本発明は、燃費情報に基づいて運転操作のエコ度合いを補正することで、運転操作のエコ度合いの表示と、燃費情報の表示とに生じる表示の不整合を軽減させることができる。
上記エコ運転支援装置において、前記運転操作エコ度合表示制御手段は、前記車両が走行状態にあるときに、前記車両が走行状態にあるときの前記運転操作状態情報に基づいた表示を行わせるように表示を制御するものであり、前記燃費表示制御手段は、前記車両が走行状態にあるときに、所定期間内における前記燃費情報の表示を行わせるように表示を制御するものである構成を採用できる。
上記エコ運転支援装置において、前記燃費表示制御手段は、前記車両が走行状態にあるときの第1の所定期間内における第1燃費情報を、当該第1の所定期間よりも長い第2の所定期間における第2の燃費情報との相対関係が分かるように相対表示を行わせる構成を採用できる。
上記エコ運転支援装置において、前記表示補正手段は、前記燃費情報に基づいて、前記エコしきい値の補正を行う構成を採用できる。
本発明のエコ運転支援装置は、車両の運転状態を表す運転状態情報と、前記車両の運転状態がエコ運転状態であるか否かを区別するためのエコしきい値とに基づいて、前記運転状態のエコ度合いを求める運転状態エコ度合取得手段と、前記運転状態エコ度合取得手段によって取得された運転状態のエコ度合いを表示させるように表示を制御する運転状態エコ度合表示制御手段と、前記車両の燃費情報を表示させるように表示を制御する燃費表示制御手段と、前記燃費表示制御手段が表示させる燃費情報に基づいて、前記運転状態エコ度合表示制御手段が表示させる運転状態のエコ度合いを補正する表示補正手段と、を有する構成を備えている。
本発明によれば、運転操作のエコ度合いの表示と、燃費情報の表示とに生じる表示の不整合を軽減させることができる。
添付図面を参照しながら本発明の最良の実施例を説明する。
まず、図1を参照しながら本実施例の構成を説明する。図1には、エコ運転を支援するエコ運転支援システム1Aの構成を示す。なお、本明細書におけるエコの定義として、エコノミーとエコロジーの両方、又は何れか一方の意味を持つものとする。
エコノミーとは、燃料の消費を抑えて燃料を節約(省燃費)することを意味する。また、エコロジーとは、化石燃料の消費を抑えたり、又は化石燃料の燃焼などによって生じる有害物質や二酸化炭素の発生、排出を抑えることを意味する。
図1に示すエコ運転支援システム1Aは、エンジン及びトランスミッションの制御を行うパワートレインECU(Electronic Control Unit)10と、ハイブリッドシステムの制御を行うハイブリッドECU(以下、HV−ECUと表記する)20と、インジケータパネル40の表示を制御するメータECU30と、モータ・ジェネレータの制御を行うモータ・ジェネレータECU50とを車内通信バスによって接続したシステム構成を有している。これらのECUは、例えば、CAN(Controller Area Network)等のプロトコルに従って他のECUと通信を行う。
なお、ハイブリッドシステムとは、ハイブリッド車両が最も効率よく走行できるようにエンジンとモータとを駆動制御するシステムであって、図1に示すHV−ECU20、パワートレインECU10やモータ・ジェネレータECU50等がこのシステムに含まれる。
また、図1には、車内通信バスに接続するECUとしてパワートレインECU10と、HV−ECU20と、メータECU30と、モータ・ジェネレータECU50とを図示しているが、車内通信バスには、その他にも複数の車両を制御するECUが接続されているものとする。
また、図1に実線で示す矢印は、信号の物理的な接続状態を表しており、図1に点線で示す矢印は、データの流れを表している。
パワートレインECU10は、各種センサ2から吸入空気量や空燃比等を表すセンサ信号を取得して、取得したセンサ信号に基づいて燃料噴射量、点火時期、変速タイミング等の制御指令値の演算を行う。この演算結果に基づいてインジェクタや点火コイル等のアクチュエータを制御する。
また、パワートレインECU10には、燃費計算部15が設けられている。燃費計算部15は、車両の瞬間燃費や平均燃費を算出する。
燃費計算部15は、各種センサ2のうちの車速センサから車輪の回転数に応じたパルス信号を入力する。燃費計算部15は、入力したパルス信号のパルス数と、単位パルス当たりの距離とから走行距離を演算する。なお、この単位パルス当たりの距離はメモリ(後述する図3に示すRAM28)に記憶されており、燃費計算部15が走行距離を演算する際にメモリから読み出される。
また、燃費計算部15は、パワートレインECU10内のエンジンを制御する制御装置(不図示)から取得した燃料噴射時間と、単位時間当たりの噴射量とから燃料噴射量を演算する。この単位時間当たりの噴射量もメモリに記憶されており、燃費計算部15が燃料噴射量を演算する際にメモリから読み出される。燃費計算部15は、算出した走行距離と燃料噴射量とから瞬間燃費(第1の燃費情報)と平均燃費(第2の燃費情報)とを算出する。算出した瞬間燃費や平均燃費は燃費情報としてエコ判断部22に通知される。なお、瞬間燃費とは、過去数秒間(所定区間又は第1の所定区間)における燃費におけるである。また、平均燃費は、燃料噴射量を予め設定された距離(第2の所定区間)に対応させて積算しておけば容易に算出が可能である。この距離は、イグニッションキーがオンされてからオフされるまでの1トリップ間、1日、1カ月、1年等の所定時間ごとの走行距離や、予め設定された所定距離等種々の設定が可能である。
HV−ECU20は、不図示のバッテリECU、エンジンECUや、モータ・ジェネレータECU50等を相互に管理制御して、ハイブリッド車両が最も効率よく走行できるようにハイブリッドシステムの全体を制御する。本実施例では、HV−ECU20がエコ運転支援装置としての機能を有しており、HV−ECU20にはHV制御部21の他に、エコ判断部22が設けられている。エコ判断部22が本発明の運転操作エコ度合取得手段、運転操作エコ度合表示制御手段、燃費表示制御手段、表示補正手段、運転状態エコ度合取得手段、運転状態エコ度合表示制御手段として機能している。
HV制御部21は、各種センサ2によって測定されたセンサ信号や、他のEUCから送られた信号を取得して、ハイブリッドシステムを制御する制御信号を生成する。センサ信号には、アクセル開度センサ(不図示)によって測定されるアクセル開度、車速センサ(不図示)によって測定される車速、シフトポジションセンサ(不図示)によって検出されるシフト位置、車両の制御モード(パワーモード、スポーツモード等)を切り替えるスイッチの状態、バッテリの電圧を示す信号などが挙げられる。
また、HV制御部21は、取得したセンサ信号に基づいて車両パワー、車両の限界出力、バッテリの充電許可電力等を算出し、算出したこれらの情報をHV状態信号としてエコ判断部22に出力する。
エコ判断部22は、HV制御部21から出力されるHV状態信号と、各種センサ2によって測定されたセンサ信号と、燃費計算部15から出力される燃費情報とを入力する。
エコ判断部22は、入力したHV状態信号とセンサ信号(これらの信号が運転操作状態情報に該当する)とに基づいて、車両の運転操作又は運転操作のエコ度合いを表すエコ運転状態量(運転操作のエコ度合い、又は運転状態のエコ度合に該当する)を算出する。エコ運転状態量の詳細については後述する。
また、エコ判断部22は、算出したエコ運転状態量とエコ判定しきい値(エコ判定しきい値については後述する)とに基づいて、車両の現在の運転状態がエコ運転状態にあるのか、非エコ運転状態にあるのかを判定する。この処理の詳細についても後述する。
エコ判断部22は、エコ運転状態量や、車両が現在エコ運転状態にあるか否かを判定した判定結果等を示すエコ状態信号をメータECU30の通知制御部31に出力する。なお、エコ判断部22は、燃費計算部15から取得した燃費情報もエコ状態信号として通知制御部31に出力する。
メータECU30は、インジケータパネル40の表示を制御するECUである。メータECU30には、通知制御部31が設けられている。通知制御部31は、エコ判断部22からエコ状態信号を取得して、このエコ運転状態信号に基づいて車両の運転状態のエコ度合いを表す表示画像を生成する。生成した表示画像は、通知制御部31の制御に基づいてインジケータパネル40のエコ表示部41にリアルタイムに表示される。
また、通知制御部31は、パワートレインECU10から取得した燃費情報をインジケータパネル40の瞬間燃費計100に表示させる。瞬間燃費計100の一例として、例えば図2に示すものが挙げられる。この瞬間燃費計100では、瞬間燃費が平均燃費よりもよい状態にあるのか悪い状態にあるのか表示している。瞬間燃費計100の真ん中の位置を平均燃費として、平均燃費よりも瞬間燃費がよい状態にあるのか悪い状態にあるのかを表示している。すなわち、図2に示す瞬間燃費計100では、瞬間燃費(第1の燃費情報)を平均燃費(第2の燃費情報)との相対関係が分かるように相対表示させる。
なお、瞬間燃費計100の表示は、瞬間燃費を平均燃費の相対表示で表示させる以外に、瞬間燃費と平均燃費とをそれぞれ別々に表示させるものであってもよい。
インジケータパネル40には、車両の運転状態のエコ度合いを表す表示と、車両の瞬間燃費計の表示とを表示させるエコ表示部41が設けられている。エコ表示部41には、通知制御部31の制御に基づいて、エコバー表示と瞬間燃費計の表示とがリアルタイムに表示される。
モータ・ジェネレータECU50は、HV−ECU20から出力される各種状態信号や各種制御信号に従って、モータ・ジェネレータの駆動を制御する。
図3には、HV−ECU20、パワートレインECU10、メータECU30やモータ・ジェネレータECU50のハードウェア構成を示す。これらのECU20、10、30、50には、ECUによる制御処理を実現するためのプログラムや、特に、HV−ECU20においては後述するエコ判断のためのプログラムなどが格納されたROM26と、ROM26に格納されたプログラムを読み込んで処理を実行する中央処理装置(CPU)25と、演算時に使用する一時的なデータを保存するRAM28と、データの入出力部27などを有している。
次に、エコ判断部22で生成されるエコ運転状態量について説明する。
本実施例ではエコ運転状態量を車両パワーに基づいて算出する。ハイブリッド車両においては、電力で駆動されるモータと、エンジンとが設けられているので、モータとエンジンの双方で発生するエネルギーを1つの基準で表すために車両パワーを用いる。車両パワーは、電力量や仕事率と表現され、エンジンのトルクとエンジン回転数との積と、モータのトルクとモータの回転数との積との和で求めることができる。
エコ判断部22は、まず、各種センサ2から車速を取得すると共に、HV制御部21から車両パワーを取得する。次に、図4に示すエコ判定しきい値マップを参照して、現在の車速において、車両がエコ運転状態にあると判定できる車両パワーの上限値(以下、この値をエコ判定しきい値と呼ぶ)を求める。このエコ判定しきい値マップには、車速に応じて設定されたエコ判定しきい値が記録されている。また、このエコ判定しきい値マップには、車速に応じて設定された、エンジンの始動が必要な車両パワー(以下、エンジン始動しきい値Gと呼ぶ)も記録されている。
エコ判断部22は、図4に示すエコ判定しきい値マップを参照して、車両パワーのエコ判定しきい値とエンジン始動しきい値とを求めると、これらの値とHV制御部21から取得した現在の車両パワーとに基づいてエコ運転状態量を算出する。エコ運転状態量の具体的な算出方法については、図5を参照しながら説明する。
図5には、インジケータパネル40のエコ表示部41に表示されるエコバー表示60の一例を示す。
なお、このエコバー表示60は、エコ判断部22から通知されるエコ状態信号等に基づいて、メータECU30の通知制御部31で表示画像を作成することで、エコ表示部41に表示される。
エコバー表示60は、エコ運転状態量をエコ判定しきい値に対する相対量で図形表示するものである。また、エコ運転状態量をエンジン始動しきい値Gに対する相対量で図形表示するものである。
エコバー表示60には、図5(A),(B),(C),(D)に示すように、ドライバの要求するエコ運転状態量のバー表示61と、HVエコ運転領域62(図5に示すO−A区間)と、エコ運転領域63(図5に示すA−B区間)と、非エコ運転領域64(図5に示すB−C区間)と、回生運転領域(図5に示すO−P間)65と、エンジンの始動しきい値(図5(A),(B),(C),(D)に示すG点)と、エコ判定しきい値(図5(A),(B),(C),(D)に示すB点)とが表示される。
図5(A)には、エコ運転状態量のバー表示61をHVエコ運転領域62内に表示した例を示す。エコ運転状態量のバー表示61がHVエコ運転領域62内に表示されている時には、車両がモータで走行している状態を表示している。HVエコ運転領域62では、車両で発生する現在の車両パワーの、エンジン始動しきい値Gに対する相対量でエコ運転状態量を表示している。
HVエコ運転領域62でのエコ運転状態量の算出式を以下に示す。
エコ運転状態量=(現在の車両パワー/エンジン始動しきい値)×50[%]・・・(1)
また、HVエコ運転領域62の上限値が、エンジンの始動しきい値Gとなっている。エンジン始動しきい値Gは、ドライバの要求する車両パワーがエンジン始動しきい値Gよりも高くなった場合に、エンジンを始動させるしきい値である。
図5(B)には、エコ運転状態量のバー表示61をエコ運転領域63内に表示した例を示す。ドライバの要求する車両パワーがエンジン始動しきい値Gを超えると、エコ運転状態量がエコ運転領域63に表示される。すなわち、エンジンが始動状態にある時には、エコ運転状態量がエンジン始動しきい値Gの境界上、又はエンジン始動しきい値Gよりもエコ度合いが悪い側に位置するように表示される。
エコ運転状態量のバー表示61がHVエコ運転領域62内に表示されている時には、車両がモータとエンジンとで走行し、車両の運転状態がエコ運転状態にあることを示している。
エコ運転領域63では、車両の現在の車両パワーと、エンジン始動しきい値と、エコ判定しきい値とを用いて以下に示す式(2)でエコ運転状態量を求める。
エコ運転状態量={(現在の車両パワー−エンジン始動しきい値)/エコ判定しきい値−エンジン始動しきい値}×50[%]+50[%]・・・(2)
図5(C)には、エコ運転状態量のバー表示61を非エコ運転領域64内に表示した例を示す。ドライバの要求する車両パワーがエコ判定しきい値を超えると、エコ運転状態量が非エコ運転領域64内に表示される。エコ運転状態量のバー表示61が非エコ運転領域64内に表示されているときには、車両が非エコ運転状態にあることを示している。
非エコ運転領域64でのエコ運転状態量も上述した式(2)によって求められる。
図5(D)には、エコ運転状態量のバー表示61を回生運転領域65内に表示した例を示す。回生ブレーキ等の操作によって車両の運転状態が回生運転状態にあると、エコ運転状態量のバー表示61が回生運転領域65内に表示される。
回生運転領域65でのエコ運転状態量は以下に示す式(3)によって求められる。
エコ運転状態量=(現在の車両パワー/回生限界値)×−100[%]・・・(3)
なお、回生限界値は、回生によって発電可能な限界値や、充電可能な限界値などが設定されている。
図5(A)〜(D)に示すO点は原点位置であり、エコ運転領域63と回生運転領域65との境界線を示している。エコ運転状態量がO点に表示されると、エコ運転状態量が0%であることを示している。
なお、エンジン始動しきい値Gは、車速やバッテリ残量等によって変動し、最小値は0[kW]となる。すなわち、エンジン始動しきい値が0[kW]のときには、O点とA点とで同じ0[kW]を表すことになる。
また、エコ運転状態量は、図6に示すマップから算出してもよい。マップを利用してエコ運転状態量を算出することで、エコ運転状態量の算出を簡略化することができる。
図6に示すマップは、横軸が車両パワー[kW]を示し、縦軸がエコ運転状態量[%]を表す。マップに示すA’点がエンジンの始動しきい値を示す。また、A点は、バー表示61をHVエコ運転領域62からエコ運転領域63に切り替える表示変更しきい値を表す。A’点とA点でのエコ運転状態量は、50[%]を示す。
また、マップに示すB点がエコ判定しきい値を示す。B点でのエコ運転状態量は、100[%]である。また、C点がエコ運転状態量が150[%]の状態を示し、P点は回生限界値を示す。P点でのエコ運転状態量は、−100[%]を表す。
なお、Px<Ox≦Ax≦A’x≦Bx<Cxとする。Pxはマップに示すP点のX座標値、Oxはマップに示すO(原点)のX座標値、Axはマップに示すA点のX座標値、A’xはマップに示すA’点のX座標値、Bxはマップに示すB点のX座標値、Cxはマップに示すC点のX座標値を示す。
次に、エコ判定しきい値の燃費情報に基づく補正方法について説明する。
エコ判断部22は、図2に示す瞬間燃費計100の表示と、図5に示すエコバー表示60との表示の不整合を軽減させるためにエコ判定しきい値を燃費情報に基づいて補正する。
エコ判断部22は、燃費計算部15で算出される平均燃費を燃費情報として取得する。また、HV−ECU20のメモリ(RAM28)には、基準燃費の値が記録されている。基準燃費は、カタログ燃費ともいい、実際の走行状態に基づく標準的な燃費をいう。
エコ判断部22は平均燃費を取得すると、まず、平均燃費と基準燃費とを比較する。平均燃費が基準燃費以上である場合には、エコ判断部22はエコ判定しきい値の補正は行わない。また、平均燃費が基準燃費よりも低い場合には、エコ判断部22は、平均燃費の基準燃費に対する割合を算出し、算出した割合に応じてエコ判定しきい値を補正する。
図7(A)には、平均燃費の時間経過による推移を示し、図7(B)には、平均燃費の変化に基づいて補正したエコ判定しきい値を示す。なお、図7(A)に示す実線が平均燃費を示し、点線が基準燃費を示す。また、図7(B)に示す点線が補正前のエコ判定しきい値を示し、実線が補正後のエコ判定しきい値を示す。
例えば、図7(A)に示すように平均燃費の基準燃費に対する割合が0.8(8割)であれば、図7(B)に示すようにエコ判定しきい値もエコ判定しきい値マップから求めたエコ判定しきい値に0.8を掛け算して、掛け算した値を補正したエコ判定しきい値とする。
なお、本実施例では、エコ判定しきい値の補正は、図7(A)に示すように平均燃費が基準燃費を下回った場合に行っているが、平均燃費が基準燃費を上回った場合にもエコ判定しきい値の補正を行ってもよい。但し、この場合、エコ判定しきい値を大きい値に補正することによりエコ運転領域を広げてしまうことになる。このため、例えば、平均燃費の基準燃費に対する割合を求めたら、求めた割合を直接使用してエコ判定しきい値を補正するのではなく、求めた割合をさらに補正して、補正した割合によりエコ判定しきい値を補正する。例えば、平均燃費の基準燃費に対する割合が「1.10」であった場合には、「0.10」を半分にして「1.05」でエコ判定しきい値を補正する。
なお、平均燃費の基準燃費に対する割合を求めてエコ判定しきい値を補正する以外に、基準燃費と平均燃費との差分を求め、求めた差分に基づいてエコ判定しきい値を補正してもよい。例えば、基準燃費と平均燃費との差分に応じた補正値を記録したテーブルを用意しておく。エコ判断部22は、基準燃費と平均燃費との差分を求め、求めた差分からテーブルを検索して差分に応じた補正値を求める。求めた補正値によりエコ判定しきい値を補正する。
また、上述したように平均燃費の算出間隔は、イグニッションキーがオンされてからオフされるまでの1トリップ間、1日、1カ月、1年等任意に設定することができる。平均燃費の算出間隔が長く設定されている場合には、図8に示すようにエコ判定しきい値マップ自体を補正しておいて、補正したエコ判定しきい値マップからエコ判定しきい値を求めるようにしてもよい。
例えば、平均燃費の算出間隔を1トリップに設定した場合には、前回のトリップにより算出した平均燃費に基づいてエコ判定しきい値マップを補正し、この補正したエコ判定しきい値マップを用いてエコ運転状態量を算出する。
さらに、平均燃費に基づいてエコ判定しきい値マップを補正する場合に、図9に示すように車速に応じて補正値を変更してもよい。
例えば、図9に示す例では、車速が低速域にある場合には、パワートレイン効率を考慮してエコ判定しきい値の補正は行わない。車速が中速域にある場合には、過度な加速を制限するようにエコ判定しきい値を補正する。また、車速が高速域にある場合には、一定速度を維持するようにエコ判定しきい値を補正する。
すなわち、低速域では、エコ判定しきい値に[1.0]を積算した値を補正後のエコ判定しきい値とする。
また、低速域と中速域との境界では補正に使用する割合は[1.0]であるが、速度が増加するに従って、補正に使用する割合を平均燃費の基準燃費に対する割合に近づけていく。そして、中速域と高速域との境界では、平均燃費の基準燃費に対する割合でエコ判定しきい値を補正する。高速域では、平均燃費の基準燃費に対する割合により一律にエコ判定しきい値を補正する。
なお、基準燃費の値もユーザの設定によって自由に変更することができる。
次に、インジケータパネル40のエコ表示部41にエコバー表示60を表示させるためのエコ判断部22の処理手順について図10に示すフローチャートを参照しながら説明する。
まずエコ判断部22は、各種センサ2から測定データを入力すると、入力したデータが正常であるか否かを判定する(ステップS1)。エコ判断部22は、入力したデータから各種センサ2が正常に動作しているか否かを判定する。例えば、所定時間以上継続して同一のデータを入力した場合には、各種センサ2に固着異常が発生していると判定する。
エコ判断部22は、測定データが正常ではないと判定すると(ステップS1/NO)、各種センサ2のフェール時のエコ運転状態量として0%を算出する(ステップS9)。
測定データが正常であると判定すると(ステップS1/YES)、エコ判断部22は、車両の状態がエコ運転表示(エコバー表示60)を提供可能な状態にあるか否かを判定する(ステップS2)。シフトレバーがバックやパーキングの位置にあったり、パワースイッチをオンする信号が入力されている場合には、エコ運転表示が可能な状態ではないと判定する。
エコ判断部22は、エコ運転表示が可能な状態ではないと判定すると(ステップS2/NO)、除外時のエコ運転状態量として0%を算出する(ステップS10)。
次に、エコ判断部22は、図4に示すエコ判定しきい値マップを参照してエコ運転状態にあると判定できるエコ判定しきい値を求める(ステップS3)。エコ判断部22は、図4に示すエコ判定しきい値マップをメモリに記憶しており、車速センサで測定された車速に基づいてエコ判定しきい値マップを参照し、エコ判定しきい値を求める。なお、図4に示すエコ判定しきい値マップは適合によって算出される。
次に、エコ判断部22は、ステップS3で求めたエコ判定しきい値を燃費情報に基づいて補正する(ステップS4)。補正の詳細については、図11に示すフローチャートを参照しながら後述する。
次に、エコ判断部22は、補正したエコ判定しきい値と、各種センサ2の測定データ等から求めた現在の車両パワーとからエコ運転状態量を算出する(ステップS5)。エコ運転状態量は、上述した式(1)で求めることができる。
次に、エコ判断部22は、現在、車両が停車状態にあるか否かを判定する(ステップS6)。各種センサ2のうちの車速センサから入力した車速に基づいて、車両が停車状態にあるか否かを判定する。例えば、車速が2km/hよりも小さくなったの場合には、車両が停止状態にあると判定し、車速が4km/hよりも大きくなった場合には、車両が走行状態にあると判定する。また、車速が2km/h以上で4km/h以下の場合には、停車判定を直ちに行わずに、その後、車速の変化があるまで待機する。
車両が停止状態にあると判定した場合には(ステップS6/YES)、車両停止時のエコ運転状態量として0%を算出する(ステップS11)。
次に、エコ判断部22は、算出したエコ運転状態量からエコバー表示60の表示状態を決定する(ステップS7)。エコバー表示60の表示状態を決定すると、エコ判断部22は、エコ運転状態量と、エコバー表示60の表示状態等を表す情報と、燃費計算部15から取得した燃費情報とを少なくとも含んだエコ状態信号をメータECU30に通知する(ステップS8)。メータECU30は、エコ判断部22により通知されたエコ状態信号に基づいて図5に示すエコバー表示60の表示画像を生成し、エコ表示部41に表示させる。また、エコ状態信号として取得した燃費情報を瞬間燃費計100に表示させる。
次に、図11に示すフローチャートを参照しながらステップS4の詳細な手順について説明する。
まず、エコ判断部22は、燃費計算部15から燃費情報として平均燃費を取得する(ステップS21)。次に、エコ判断部22は、メモリから基準燃費の値を読み出し、読み出した基準燃費の値から平均燃費の値を減算する。減算結果が0以下である場合には(ステップS22/NO)、この処理を終了しエコ判定しきい値の補正は行わない。
また、減算結果が0よりも大きい場合には(ステップS22/YES)、エコ判断部22は、平均燃費の値を基準燃費の値で除算して平均燃費の基準燃費に対する割合を算出する(ステップS23)。割合を算出すると、エコ判断部22は、算出した割合をエコ判定しきい値マップから求めたエコ判定しきい値に乗算して、エコ判定しきい値を補正する(ステップS24)。
このように本実施例は、平均燃費の基準燃費に対する割合を求めて、求めた割合によりエコ判定しきい値を補正している。このため、エコバー表示60の表示と、瞬間燃費計100の表示との不整合を軽減することができる。
なお、上述したフローでは、ステップS22で基準燃費が平均燃費よりも大きい場合にエコ判定しきい値を補正していた。このステップS22の判定条件をなくし、エコ判定しきい値の補正を常に行うようにしてもよい。
図12にはエンジンのみを搭載した車両にエコ運転支援システム1Bを搭載した場合の構成を示す。この構成の場合、エンジン及びトランスミッションの制御を行うパワートレインECU10内に上述したエコ判断部13を設けて、エコ運転状態量の算出を行うことになる。
図13には、エコ判断部13に記録されるエコ判定しきい値マップの一例を示す。エンジンのみを搭載した車両の場合、エコ判定しきい値マップには、車速[km/h]と、エコ運転状態にあると判定できるアクセル開度[%]の上限値との関係を記録している。このアクセル開度の上限しきい値をエコ判定しきい値と呼ぶ。
エンジンのみを搭載した車両においても、エコ判断部13は、図13に示すエコ判定しきい値マップを参照してエコ判定しきい値を求める。さらに、エコ判断部13は、平均燃費の基準燃費に対する割合を求めて、求めた割合によりエコ判定しきい値を補正する。
また、エコ判定しきい値マップを、平均燃費の基準燃費に対する割合から補正する場合に、図13に示すように車両の速度域に応じて補正を変更してもよい。図13に示す例では、車速が低速域にある場合には、パワートレイン効率を考慮してエコ判定しきい値の補正は行わない。車速が中速域にある場合には、過度な加速を制限するようにエコ判定しきい値を補正する。また、車速が高速域にある場合には、一定速度を維持するようにエコ判定しきい値を補正する。
上述した実施例は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施が可能である。
例えば、上述した実施例では、エコ判断部をHV−ECU20やパワートレインECU10に設けたが、メータECU30やナビゲーション装置を制御するナビECU70(図12参照)に設けてもよい。
また、上述した実施例では、エコ判断部22を車両の制御装置(HV−EUC)に設けて、車速等に基づいて車両のエコ運転状態量を求め、リアルタイムにこれを表示している。これ以外に、エコ判断部22で求めた車速とエコ運転状態量を記録媒体等に記録しておき、降車後にコンピュータ装置に記録媒体の記録内容を読み込んで、エコ運転状態量の経時的な変化を表示させるようにしてもよい。
また、エコバー表示60において、図14に示すように回生運転領域側の非エコ運転領域(図14に示すD−E間)66を表示するようにしてもよい。
回生運転領域側の非エコ運転領域66は、回生ブレーキだけでなく、機械式のブレーキを使用したブレーキ操作が行われている状態を示している。回生ブレーキだけではなく、機械式ブレーキの操作が行われている場合には、図14に示す回生運転領域側の非エコ運転領域66が点灯する。
また、上述した実施例では平均燃費の基準燃費に対する割合を求めて、この割合によりエコ判定しきい値を補正していた。この他に、瞬間燃費の基準燃費に対する割合を求めて、この割合によりエコ判定しきい値を補正してもよい。
同様に、基準燃費と瞬間燃費との差分に応じた補正値を記録したテーブルをメモリに用意しておき、基準燃費と瞬間燃費との差分を求めてテーブルから補正値を読み出し、エコ判定しきい値をこの補正により補正してもよい。
また、エコ運転状態量の表示方法として、上述した実施例ではエコバー表示を例に説明した。これ以外に、ランプのオンオフ表示、メータによる円表示、ランプのオンオフ表示と円表示とを組み合わせた表示などでエコ運転状態量を表示してもよい。
ハイブリッド車両に搭載されるエコ運転支援システム1Aの構成を示す図である。 瞬間燃費計の一例を示す図である。 ECUのハードウェア構成を示すブロック図である。 車速から車両パワーのエコ判定しきい値を求めるエコ判定しきい値マップの一例を示す図である。 エコバー表示を説明するための図であり、(A)はエコ運転状態量がHVエコ運転領域にある状態を示し、(B)はエコ運転状態量がエコ運転領域にある状態を示し、(C)はエコ運転状態量が非エコ運転領域にある状態を示し、(D)はエコ運転状態量が回生運転領域にある状態を示している。 (A)及び(D)は、エンジン始動しきい値と、この上側に設けた表示変更しきい値とを示すマップ上に車両パワーの推移を表示しており、(B)及び(C)は、車両パワーが(A)及び(C)の状態にあるときのエコバー表示の例を示す図である。 (A)は平均燃費の時間経過による推移を示し、(B)は、平均燃費の変化に基づくエコ判定しきい値の補正後の値を示す図である。 平均燃費の基準燃費に対する割合からエコ判定しきい値マップを補正する例を示す図である。 平均燃費の基準燃費に対する割合からエコ判定しきい値マップを補正する例を示す図であり、速度域に応じて補正値を変更する例を示す図である。 エコバー表示を表示させるためのエコ判断部の処理手順を示すフローチャートである。 燃費情報に基づいてエコ判定しきい値を補正する手順を示すフローチャートである。 エンジン車両に搭載されるエコ運転支援システム1Bの構成を示す図である。 平均燃費の基準燃費に対する割合からエコ判定しきい値マップを補正する例を示す図であり、速度域に応じて補正値を変更する例を示す図である。 回生運転領域側に非エコ運転領域を設けたエコバー表示を示す図である。
符号の説明
1A,1B エコ運転支援システム
2 各種センサ
10 パワートレインECU
20 HV−ECU
21 HV制御部
22 エコ判断部
30 メータECU
31 通知制御部
40 インジケータパネル
41 エコ表示部
50 モータ・ジェネレータECU

Claims (5)

  1. 運転者による車両の運転操作の状態を表す運転操作状態情報と、前記運転者の運転操作がエコ運転操作であるか否かを区別するためのエコしきい値とに基づいて、前記運転操作のエコ度合いを求める運転操作エコ度合取得手段と、
    前記運転操作エコ度合取得手段によって取得された運転操作のエコ度合いが表示されるように表示を制御する運転操作エコ度合表示制御手段と、
    前記車両の燃料情報を表示させるように表示を制御する燃料表示制御手段と、
    前記燃料表示制御手段が表示させる燃料情報に基づいて、前記運転操作エコ度合表示制御手段が表示させる運転操作のエコ度合いを補正する表示補正手段と、
    を有することを特徴とするエコ運転支援装置。
  2. 前記運転操作エコ度合表示制御手段は、前記車両が走行状態にあるときに、前記車両が走行状態にあるときの前記運転操作状態情報に基づいた表示を行わせるように表示を制御するものであり、
    前記燃費表示制御手段は、前記車両が走行状態にあるときに、所定期間内における前記燃費情報の表示を行わせるように表示を制御するものであることを特徴とする請求項1記載のエコ運転支援装置。
  3. 前記燃費表示制御手段は、前記車両が走行状態にあるときの第1の所定期間内における第1燃費情報を、当該第1の所定期間よりも長い第2の所定期間における第2の燃費情報との相対関係が分かるように相対表示を行わせることを特徴とする請求項2記載のエコ運転支援装置。
  4. 前記表示補正手段は、前記燃費情報に基づいて、前記エコしきい値の補正を行うことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載のエコ運転支援装置。
  5. 車両の運転状態を表す運転状態情報と、前記車両の運転状態がエコ運転状態であるか否かを区別するためのエコしきい値とに基づいて、前記運転状態のエコ度合いを求める運転状態エコ度合取得手段と、
    前記運転状態エコ度合取得手段によって取得された運転状態のエコ度合いを表示させるように表示を制御する運転状態エコ度合表示制御手段と、
    前記車両の燃費情報を表示させるように表示を制御する燃費表示制御手段と、
    前記燃費表示制御手段が表示させる燃費情報に基づいて、前記運転状態エコ度合表示制御手段が表示させる運転状態のエコ度合いを補正する表示補正手段と、
    を有することを特徴とするエコ運転支援装置。
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