JP2010042660A - 粘着性付箋 - Google Patents

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明彦 坂東
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Abstract

【課題】情報の記入が容易で使いやすく、水性インクに対しても良好な親和性を有する水性インク描画性に優れ、且つどんな被着体であっても剥がれにくい粘着性付箋を提供する。
【解決手段】ポリエステルフィルムまたは二軸延伸されたポリプロピレンフィルムからなる基材シート(A)の片面の少なくとも一部に、再貼着再剥離可能な粘着剤からなる粘着剤層(B)が塗布、形成され、且つ、基材シート(A)の他の片面に、筆記層(C)が塗布、形成されてなる粘着性付箋であって、
筆記層(C)は、顔料(a)と親水性樹脂(b)と平均粒径が0.3〜10μmの炭酸カルシウム(c)を少なくとも含む組成物からなり、且つ、
粘着剤層(B)の面積が、基材シート(A)全面積の10%〜90%の範囲内であることを特徴とする粘着性付箋など。
【選択図】図1

Description

本発明は、剥離性粘着剤層を有するプラスチック製の粘着性付箋に関し、さらに詳しくは、水性ボールペンなどの水性インクに対して良好な親和性を有する筆記層と、貼り付けた後でも取り外すこともできる剥離性粘着剤層とを有するために、メモ用紙、マスキング材料、マーカー材料などに用いることができる、水性インク描画性に優れた粘着性付箋に関する。
従来より、事務仕事等の際のメモ等に付箋が利用されている。この付箋は、一般的に、特許文献1のように略長方形の片状をなす紙片の長手方向一端側裏面に粘着剤層が設けられており、これを積層体とした単位で市販されている。そして、利用する場合に、一枚ずつ積層体から引き剥がして必要な箇所に貼付されるようになっている。
事務作業の一つとして、保険や住宅の賃貸契約の契約書を作成する場合が挙げられる。具体的には、例えば保険営業員が契約書を作成し、契約者に署名、捺印を依頼する際、場所を明示するために、鉛筆で書類に直接書いて、知らせることが行われている。
しかし、これは営業員にとっても、時間と手間の浪費であり、契約者にとっても署名・捺印箇所の間違いは少なくなるものの、最後に鉛筆での筆記部分を消しゴムで消す必要が生じる。
これらを改善する手段として、紙を基材とした一般的な付箋を用いる方法があるが、一般的な付箋は、粘着剤の塗工面積が小さく、付箋紙を一枚ずつ剥がすときに基材のカールが発生するため、作業性が悪い。また、付箋紙を貼る前か後かで、署名、捺印に関して、筆記具で記載する必要がある。
また、事務以外の作業の際にも付箋を用いると、作業の効率化を図れる場合が多い。
例えば、引っ越し時の荷物運搬作業が挙げられる。引っ越し業者は、引っ越し元で荷物の入った段ボールに、引っ越し先での設置場所、荷物の中身をマジック等の筆記具で記載する。この場合、荷物を送り届けた後の使用済みの段ボールは、廃棄しなければならない。引っ越し一件当たりの段ボール使用量は、数十個に及びコスト的に無駄が多い。また、環境配慮の観点からも、これは好ましくない。
これを改善する手段として、紙を基材とした一般的な付箋を用いれば、使用後は段ボールから剥がすことができる。しかし、一般的な付箋は、粘着剤の塗工面積が小さく、付箋紙を一枚ずつ剥がす時に基材のカールが発生するため、段ボールに付きにくく、悲観と共に剥がれやすい。トラック等での荷物の輸送時には、段ボール間でのこすれ等のため、より剥がれやすくなる。また、一般的な付箋は、基材が無地であるため、荷物の設置場所等の情報を筆記具で書かなければならず作業も煩雑である。
一方、二軸延伸ポリプロピレンフィルム等の合成樹脂フィルムからなる封筒は、破れにくく、雨などの水分から内封物を守り、窓付き封筒や透明封筒を容易に製造することができるので、広く普及している。
このような目的に使用される合成樹脂フィルムは、粗面化インクをグラビヤ印刷などによって印刷することにより、マット加工され、ボールペンや鉛筆に対する筆記性(又は描画性)が与えられている。筆記性(描画性)を有する合成樹脂フィルムは、封筒のみならず、便箋や付箋としても、使用されている。
ところが、グラビヤ印刷用のインクの乾燥形式は、蒸発乾燥なので、溶剤として速乾性を有するトルエン、キシレン、ヘキサンなどが用いられ、樹脂としては、これらの溶剤に可溶な石灰ロジン、亜鉛ロジン、エステルガム、ギルソナイト、塩素化ポリプロピレン、
マレイン酸樹脂などが用いられる。しかし、これらの樹脂は、親水性を有しないので、水性インクに対する親和性がなく。水性ボールペン、水性マーキングペン、筆ペンで筆記したり、水性インクのスタンプ台を用いて印字しようとすると、水性インクがはじいたり、水性インクがはじかないまでも、水性インクが付着した面を重ねることなく、乾燥するまで待つ必要があり、水性インクに対しては、実用性が乏しかった。合成樹脂フィルムよりなる封筒類や付箋の使用が拡大するにつれ、油性インクのみならず、水性インクに対しても親和性を有し、水性インク筆記具類を用いることができる水性インク筆記性合成樹脂フィルムよりなる封筒類や付箋の開発が求められるようになった。
従来の付箋の改良品として、特許文献2では、耐水性があり描画性が良好で、破れたり反り曲がったりしにくく、ほこりが飛散せず、これまで使用が困難であった水を使用する現場およびクリーンルーム等においても使用可能な付箋を提供するために、基材Aの少なくとも一方の面に筆記層Bが設けられ、かつ、該筆記層Bまたは基材Aの表面の少なくとも一部に剥離性粘着層Cが設けられた付箋であって、該基材Aが、熱可塑性樹脂と、該熱可塑性樹脂に不活性な粒子および/または非相溶性樹脂とを含有する組成物からなり、空洞含有率が8体積%以上50体積%以下で光線透過率が30%以下のシートである、付箋が提案されている。
また、特許文献3では、水性ボールペン、水性マーキングペン、筆ペン、水性スタンプ台などの水性インクに対して良好な親和性を有する水性インク筆記性合成樹脂フィルム、並びに、該フィルムよりなり、これらの筆記具又はスタンプ台を用いて筆記又は印字することができる封筒、便箋及び付箋を提供するために、合成樹脂フィルムに、ポリビニルアルコールをコーティングしてなることを特徴とする水性インク筆記性合成樹脂フィルムや、該ポリビニルアルコールが無機充填剤を含有する水性インク筆記性合成樹脂フィルム、及び該水性インク筆記性合成樹脂フィルムよりなる便箋が提案されている。
しかしながら、従来から提案されたものは、性能的に十分ではなく、従って、情報の記入が容易で使いやすく、水性インクに対しても良好な親和性を有する水性インク筆記性(描画性)に優れ、且つどんな被着体であっても剥がれにくい粘着性付箋が望まれていた。
特開平11−342690号公報 特開平07−108785号公報 特開2000−043208号公報
本発明の目的は、従来技術の問題点に鑑み、情報の記入が容易で使いやすく、水性インクに対しても良好な親和性を有する水性インク描画性に優れ、且つどんな被着体であっても剥がれにくい粘着性付箋を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために、鋭意研究を重ねた結果、基材シート(A)の片面には、再貼着再剥離可能な粘着剤からなる粘着剤層(B)が、その面積が基材シート(A)全面積の10%〜90%の範囲内となるように、塗布、形成し、一方、基材シート(A)の他の片面には、顔料(a)と親水性樹脂(b)と炭酸カルシウム(c)を含む組成物からなる筆記層(C)が塗布、形成されてなる粘着性付箋とすると、水性インクに対する親和性が向上し、水性インク描画性を付与し得ることと、使いやすく、剥がれにくい粘着性付箋となることを見出した。それらの知見に基づいて、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、ポリエステルフィルムまたは二軸延伸されたポリプロピレンフィルムからなる基材シート(A)の片面の少なくとも一部に、再貼着再剥離可能な粘着剤からなる粘着剤層(B)が塗布、形成され、且つ、基材シート(A)の他の片面に、筆記層(C)が塗布、形成されてなる粘着性付箋であって、
筆記層(C)が、顔料(a)と親水性樹脂(b)と平均粒径が0.3〜10μmの炭酸カルシウム(c)を少なくとも含む組成物からなり、且つ、
粘着剤層(B)の面積が、基材シート(A)全面積の10%〜90%の範囲内であることを特徴とする粘着性付箋が提供される。
本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、筆記層(C)には、筆記具で選択できる文字、図形および図表の少なくとも一つが印刷されていることを特徴とする粘着性付箋が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1の発明において、筆記層(C)には、さらに、離型剤層(D)が塗布、形成されてなることを特徴とする粘着性付箋が提供される。
さらに本発明の第4の発明によれば、第1の発明において、基材シート(A)と粘着剤層(B)との界面に、アンカー層(E)が塗布、形成されてなることを特徴とする粘着性付箋が提供される。
本発明の第5の発明によれば、第1〜4のいずれかの発明において、親水性樹脂(b)が、ポリアルキレングリコール系樹脂であることを特徴とする粘着性付箋が提供される。
また本発明の第6の発明によれば、第1〜5のいずれかの発明において、基材シート(A)が、透明または半透明であることを特徴とする粘着性付箋が提供される。
さらに、本発明の第7の発明によれば、第1〜6のいずれかの発明において、前記粘着剤は、アクリル系粘着剤を含有するものであることを特徴とする粘着性付箋が提供される。
本発明の第8の発明によれば、第2の発明において、前記文字、図形および図表の少なくとも一つが、書類の署名箇所および/または捺印箇所を示すものであることを特徴とする粘着性付与付箋が提供される。
また、本発明の第9の発明によれば、第2の発明において、前記文字、図形および図表の少なくとも一つが、荷物の設置場所および/または荷物の中身を示すものであることを特徴とする粘着性付箋が提供される。
また、本発明の第10の発明によれば、第2の発明において、前記文字、図形および図表の少なくとも一つが、材料の不良箇所部分および/または不良箇所に該当する設計図面番号の記載場所を示すものであることを特徴とする粘着性付箋が提供される。
さらに、本発明の第11の発明によれば、第2の発明において、前記文字、図形および図表の少なくとも一つが、アイデアおよび/またはスケジュールの記入を補助するデザインフレームを示すものであることを特徴とする粘着性付箋が提供される。
本発明の第12の発明によれば、第3の発明において、離型剤層(D)が、ポリビニルアルコールの変性体からなることを特徴とする粘着性付箋が提供される。
また、本発明の第13の発明によれば、第4の発明において、アンカー層(E)が、ゴム系のアンカー剤を含むことを特徴とする粘着性付箋が提供される。
さらに、本発明の第14の発明によれば、第1〜13のいずれかの発明において、粘着性付箋が、積層されて積層体を形成していることを特徴とする粘着性付箋が提供される。
本発明の第15の発明によれば、第1〜14のいずれかの発明において、基材シート(A)の面積が、1cm〜250cmの範囲であり、粘着剤層(B)の面積が、基材シート(A)全面積の50%〜70%の範囲内であることを特徴とする粘着性付箋が提供される。
また本発明の第16の発明によれば、第1〜14のいずれかの発明において、基材シート(A)の面積が、250cm〜3mの範囲であり、
粘着剤層(B)の面積が、基材シート(A)全面積の10%〜30%の範囲内であることを特徴とする粘着性付箋が提供される。
本発明の粘着性付箋によれば、第1の発明においては、水性インクに対する親和性が向上して、水性インク描画性に優れ、且つ、付箋紙の剥がし時にカールが発生せずに、使いやすく、被着体の必要な箇所に貼付すると、剥がれにくいという効果を発揮する。
本発明の第2の発明においては、筆記層(C)には、筆記具で容易に選択できる文字、図形および図表の少なくとも一つが印刷されていることを特徴とする粘着性付箋であるので、例えば、被着体が書類の場合は書類の署名および/または捺印箇所等、被着体が引っ越しに用いる段ボールの場合は荷物の設置場所および/または荷物の中身等、および被着体が建築現場での建築物各部の場合は材料の不良箇所の明示部分及び不良箇所に該当する設計図面番号の記載場所等が印刷されていることにより、前記各情報を筆記具等で容易に選択でき、しかも、従来の粘着剤が剥がれ易い被着体である建築構造体または段ボール等への貼り付き性が良好であり、経時後も剥がれが発生する事がなく、段ボール等の被着体の保護及び再利用化並びに作業の効率化および費用の削減等を達成できるという効果がある。また手帳等に貼付したり壁等に掲示することによりスケジューリングやアイデアの取りまとめが容易になる等の効果もある。
また、本発明の第3の発明においては、筆記層(C)には、さらに、離型剤層(D)が塗布、形成されてなることを特徴とするので、粘着性付箋は、ブロッキング防止性に優れ、背面の引き剥がし力が低減されるという効果がある。
さらに、本発明の第4の発明においては、基材シート(A)と粘着剤層(B)との界面に、アンカー層(E)が塗布、形成されてなることを特徴とするので、粘着性付箋は、基材シート(A)と粘着剤層(B)との親和性が向上するという効果がある。
本発明の第5の発明においては、親水性樹脂(b)は、ポリアルキレングリコール系樹脂であることを特徴とするので、粘着性付箋は、水性インクの吸収が生じ、水性インク描画性が向上するという効果がある。
また本発明の第6の発明においては、基材シート(A)は、透明または半透明であることを特徴とするので、粘着性付箋は、被着体、例えば下地等を目視で確認することができ、正確な場所の明示が可能であり、貼った付箋を取り外さなくても書類の内容の確認が可能であるという効果がある。
さらに、本発明の第7の発明においては、前記粘着剤は、アクリル系粘着剤を含有するものであることを特徴とするので、粘着性付箋は、被着体への糊残りが少なく、繰り返し使用が可能であるという効果がある。
本発明の第8の発明においては、前記文字、図形および図表の少なくとも一つは、書類の署名箇所および/または捺印箇所を示すものであることを特徴とするので、粘着性付箋は、例えば、契約書類の作成時に署名、捺印箇所を的確に明示でき、被着体への貼り付き性も良好であるため著しい作業の効率化を達成できるという効果がある。
また、本発明の第9の発明においては、前記文字、図形および図表の少なくとも一つは、荷物の設置場所および/または荷物の中身を示すものであることを特徴とするので、粘着性付箋は、例えば、引っ越し作業時に荷物の設置場所、中身の情報を筆記具等で容易に選択でき、作業の効率化と段ボールの再利用化を達成できるという効果がある。
また、本発明の第10の発明においては、前記文字、図形および図表の少なくとも一つは、材料の不良箇所部分および/または不良箇所に該当する設計図面番号の記載場所を示すものであることを特徴とするので、粘着性付箋は、例えば、建築現場での検査時に、不
良箇所を的確に明示でき、被着体への貼り付き性も良好であるため、作業の効率化と工程費用の削減を達成できるという効果がある。
また、本発明の第11の発明においては、第2の発明において、前記文字、図形および図表の少なくとも一つが、アイデアおよび/またはスケジュールの記入を補助するデザインフレームであることを特徴とするので、粘着性付箋は、例えば、手帳等に張って手軽にアイデアを書き留めたりスケジュールの調整を記入したりすることができる。しかも訂正が必要な場合には粘着性付箋を剥がして別の手帳等の頁に張り直すことが容易であり、紙の付箋と異なり粘着性付箋を剥がす際のカールがほとんどないことから取扱性に優れる。
さらには通常の紙の付箋より厚みを薄くできるので手帳等が必要以上に厚くなることを防止することができる。
本発明の第12の発明においては、離型剤層(D)は、ポリビニルアルコールの変性体からなることを特徴とするので、粘着性付箋は、特に、ブロッキング防止性に優れ、背面の引き剥がし力が低減されるという効果がある。
また、本発明の第13の発明においては、アンカー層(E)は、ゴム系のアンカー剤を含むことを特徴とするので、粘着性付箋は、特に、基材シート(A)と粘着剤層(B)との親和性が向上するという効果がある。
さらに、本発明の第14の発明においては、粘着性付箋は、積層されて積層体を形成していることを特徴とするので、実用性が向上した粘着性付箋であるという効果がある。
本発明の第15の発明においては、粘着性付箋は、基材シート(A)の面積が1cm〜250cmの範囲であり、粘着剤層(B)の面積が、基材シート(A)全面積の50%〜70%の範囲内であることを特徴とするので、手帳等に貼付させた際に容易に剥離せず、また紙の付箋と異なり粘着性付箋を剥がす際のカールがほとんどないことから何度でも貼り直しが可能であり取扱性に優れる。
本発明の第15の発明においては、粘着性付箋は、基材シート(A)の面積が、250cm〜3mの範囲であり、粘着剤層(B)の面積が、基材シート(A)全面積の10%〜30%の範囲内であることを特徴とするため、会議やミーティングの際に黒板がない場合であっても壁等に大型の粘着性付箋を貼着することが可能であり、別途マグネットや画鋲等の固定手段を準備する必要がないことから取扱性に優れる。
本発明の粘着性付箋の構成の一例を示す模式図である。 本発明の粘着性付箋の一例を示す模式図である。 本発明の粘着性付箋の一例を示す模式図である。 本発明の粘着性付箋の一例を示す模式図である。 基材シート(A)に粘着剤層(B)を形成した状態を例示した模式斜視図である。 基材シート(A)に粘着剤層(B)を形成した状態を例示した模式図である。 基材シート(A)に粘着剤層(B)を形成した状態を例示した模式図である。 基材シート(A)を折り返した状態を説明するための模式図である。 デザインフレームを例示した模式図である。 デザインフレームを例示した模式図である。 デザインフレームを例示した模式図である。
本発明の粘着性付箋(以下、単に「付箋」と言う。)は、ポリエステルフィルムまたは二軸延伸されたポリプロピレンフィルムからなる基材シート(A)の片面の少なくとも一
部に、再貼着再剥離可能な粘着剤からなる粘着剤層(B)が塗布、形成され、且つ、基材シート(A)の他の片面に、筆記層(C)が塗布、形成されてなる粘着性付箋であって、
筆記層(C)が、顔料(a)と親水性樹脂(b)と平均粒径が0.3〜10μmの炭酸カルシウム(c)を少なくとも含む組成物からなり、且つ、
粘着剤層(B)の面積が、基材シート(A)全面積の10%〜90%の範囲内であることを特徴とするとするものである。そして、好ましい態様として、筆記層(C)には、筆記具で容易に選択できる文字、図形および図表の少なくとも一つが印刷されていること、また、筆記層(C)には、さらに離型剤層(D)が塗布、形成されてなること、さらに、基材シート(A)と粘着剤層(B)との界面に、アンカー層(E)が塗布、形成されてなることを特徴とするものである。
図1は、本発明の粘着性付箋の構成の一例を示す模式図であり、また、図2〜4、9〜11は、それぞれ、本発明の粘着性付箋の一例を模式的に示した図であって、筆記層(C)に印刷される、筆記具等で容易に選択できる文字、図形および図表等の一例を示したものである。また図5〜8は基材シート(A)に対する粘着剤層(B)の位置を説明するための模式図である。
以下、本発明の粘着性付箋について項目毎に詳細に説明する。
1.基材シート(A)
本発明の粘着性付箋に使用される基材シート(A)としては、紙、プラスチックフィルムまたは布等を使用することができるが、好ましくはプラスチックフィルムであり、より好ましくはポリエステルフィルムまたは二軸延伸されたポリプロピレンフィルム(以下OPPと略称することもある。)である。
基材シート(A)の厚みは、25〜125μmの範囲であることが、遮光性、取り扱い性の点で好ましく、25〜60μmの範囲であればさらに好ましい。
紙としては、例えば、上質紙、色上質紙、中質紙、アート紙、コート紙、ケント紙、ノンカーボン紙、模造紙等が挙げられる。これら紙は、あくまでも例であって、基材の種類としては、これに限定されるものではない。
また、プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン、ポリアミド、ポリウレタン等を任意の方法で成型したものを用いることができる。ポリプロピレン系フィルムは、優れた透明性、光沢性等の光学特性、引張特性、ヤング率に代表される機械特性、実質上の無毒性及び無臭性等の特性を備えているため、好ましい。
前記プラスチックフィルムは、透明または半透明であるものが好ましい。被着体、例えば下地等を目視で確認することができるので、正確な場所の明示が可能である、貼った付箋を取り外さなくても、書類の内容の確認が可能である等のためである。
透明または半透明であるプラスチックフィルムとしては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリウレタン等を任意の方法で成形したものを用いることができる。
これらプラスチックフィルムは、あくまでも例であって、基材の種類としては、これに限定されるものではない。また、実際の作業では、黒色等の油性ペンを使用する場合もあるが、鉛筆等を使用した場合の描画性を考慮して、上記フィルムの片面を、凹凸面処理等したものを用いることもできる。
布としては、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、レーヨン等を材料とした糸を織った繊維を、ポリエチレン等の樹脂で片面または両面ラミネート処理したものが挙げられる。これら布は、あくまでも例であって、基材の種類としては、これに限定されるものではない。
基材シートは、離型剤加工したものであってもよい。
また、基材シートは、端部が曲がったり、丸まったりしない程度の剛性を有し、薄く、できれば巻回できる柔軟性のあるものが好ましい。
基材シートの形状は、目的に応じて適宜自由に形成できる。例えば、四角形の他に、円形、楕円形、多角形、矢印型など自由に形成できる。
2.粘着剤層(B)
(1)粘着剤の原料
本発明の粘着性付箋に使用される粘着剤層(B)の粘着剤としては、被着体への糊残りがなく、繰り返し使用が可能等の特性が要求されるため、アクリル系粘着剤が最適である。アクリル系粘着剤の中でも、溶剤型アクリル粘着剤及びアクリルエマルジョン型粘着剤(水系)が好適に用いられる。アクリル系粘着剤は、ポリ(メタ)アクリル酸エステルとタッキファイヤーを主成分とする組成物である。
溶剤型アクリル粘着剤の主成分であるポリ(メタ)アクリル酸エステルを形成する単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル等が挙げられる。これら単量体は、あくまでも例であって、種類としてはこれに限定されるものではない。これら単量体は、単独で用いても良く、2種以上併用してもよい。これらのポリ(メタ)アクリル酸エステルは、トルエン、酢酸エチル等の溶剤中でのラジカル重合法等の公知な方法で製造することができる。
アクリルエマルジョン型粘着剤の主成分であるアクリルエマルジョンの原料となる単量体としては、上記の溶剤型アクリル粘着剤の場合と同様のものが使用できる。これら単量体は、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。これらの重合体は、水中での乳化重合法等の公知な方法で製造できる。
本発明の粘着性付箋に使用される粘着剤層(B)のタッキファイアーとしては、例えば、ロジン、ロジン誘導体、テルペン系樹脂、石油樹脂、アルキルフェノール樹脂、キシレン樹脂、クマロンインデン樹脂等が挙げられる。
これらタッキファイアーは、あくまでも例であって、種類としては、これに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。なお、本発明で用いられる粘着剤には、性能上充分であれば、これらのタッキファイアーを必ずしも配合する必要はない。
本発明の付箋に使用される粘着剤には、その他必要に応じて、酸化防止剤等の劣化防止剤、炭酸カルシウム、タルク、シリカ等の無機フィラーを添加することができる。
(2)形成方法
本発明の粘着性付箋は、粘着剤層(B)の面積が基材シート(A)全面積の10%〜90%の範囲内であることが必要である。
粘着剤層(B)の面積は、基材シート(A)の面積が1cm〜250cmの範囲の場合には、基材シート(A)全面積を基準として、30%以上の範囲が好ましく、50%〜70%の範囲内であればさらに好ましい。
この様に基材シート(A)の大きさが比較的小さい場合には粘着剤層(B)の面積割合を大きくすることにより粘着性付箋が自然に剥がれるのを防止することができる。
また着剤層(B)の面積は、基材シート(A)の面積が、250cm〜3mの場合には、基材シート(A)全面積を基準として、基材シート(A)全面積の10%〜30%の範囲内であることが好ましい。
この様に基材シート(A)の大きさが比較的大きい場合には粘着剤層(B)の面積割合を小さくすることにより、被着体に対する粘着性付箋の着脱性を向上させることができる。
図5は、基材シート(A)に粘着剤層(B)を形成した状態を例示した模式斜視図である。
基材シート(A)として25〜60μmのOPP(参照符号7)が使用されている。図5に例示した前記OPP7は6.5cm×6.5cmの正方形であり、その一方の面に5cm×6.5cmの大きさで粘着剤層(B)(参照符号8)が設けられている。
粘着剤層(B)の面積が基材シート(A)全面積の90%を超えると粘着性付箋の取扱性に劣る場合があり、また全面積の10%を下回ると手帳等から自然に剥がれるため取扱性に劣る場合がある。
図6は、基材シート(A)に粘着剤層(B)を形成した状態を例示した模式図である。
基材シート(A)として25〜60μmのOPP(参照符号9)が使用されている。例示した前記OPPは78.8cm×109.1cmの長方形であり、その四隅に粘着剤層(B)(参照符号10)が設けられている。
図6の基材シート(A)に対する粘着剤層(B)の配置は例示であり、例えば、図7(a)〜(c)に例示されるように、前記粘着剤層(B)は1または2以上を適宜配置することができる。
基材シート(A)に対する粘着剤層(B)は、前記基材シート(A)の重心に対して対称の位置に配置することが好ましい。
図8は、基材シート(A)を折り返した状態を説明するための模式図である。
基材シート(A)(参照符号9)を一点破線x−xの位置により折り返した場合に代表されるように、前記粘着剤層(B)(参照符号10,11)は、長方形または正方形の基材シート(A)(参照符号9)を、各辺を揃えて折り返したときに、互いに重ならない位置に配置することが好ましい。
粘着剤層(B)の形成方法としては、粘着剤を塗工すればよく、粘着剤の塗工方法としては、グラビア塗工が好適である。
塗工システムとしては、例えば、ダイレクトグラビアコーター、リバースグラビアコーター、オフセットグラビアコーター等が挙げられる。塗工実施上、必要ならば、溶剤または水で粘着剤組成物の粘度を、適宜調整することが望ましい。
3.筆記層(C)
(1)筆記層(C)の構成
本発明の粘着性付箋は、粘着剤層(B)が塗布、形成された基材シート(A)の片面とは別の面に、顔料(a)と親水性樹脂(b)と炭酸カルシウム(c)を少なくとも含む組成物からなる筆記層(C)が塗布、形成されることに最大の特徴がある。本発明の粘着性付箋に、この筆記層(C)を設けることにより、特に水性インクに対する描画性が向上する。
本発明における筆記層(C)とは、鉛筆、ボールペン、水性・油性サインペンなどの一般的な筆記道具を用いた場合に、その表面に記載が可能である層をいう。
本発明においては、特に、水性ボールペン、水性マーキングペン、筆ペンなどで筆記したり、水性インク描画性に優れるために、筆記層(C)は、顔料(a)と親水性樹脂(b)と炭酸カルシウム(c)を少なくとも含む組成物からなる。
上記組成物に用いられる顔料(a)は、特に限定されないが、適宜所望の色相にするた
めに、公知の顔料が用いられ、例えば、有機白色顔料、赤色顔料、黄色顔料、橙色顔料などが用いられる。また、その配合量も、特に限定されず、適宜所望の色相にするために、適宜用いられる。さらに、顔料(a)の変りに、染色剤などを用いてもよいし、或いは顔料(a)と併用してもよい。
また、上記組成物に用いられる親水性樹脂(b)としては、水溶性樹脂でもよく、特に限定されないが、その具体例として、天然高分子としては、プルラン、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の繊維誘導体が挙げられ、合成高分子としては、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレングリコール、ポリエチレンオキサイド、ポリエステル、ポリジオキソラン等が挙げられる。これらの中でも好ましいのは、ポリアルキレングリコールである。
ポリアルキレングリコール(PAG)としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロックまたはランダム共重合体、エチレンオキシドとテトラヒドロフランのブロックまたはランダム共重合体等が挙げられ、好ましくは、アルキレン基の炭素数2〜6で、アルキレン基のうちのエチレン基の割合は50%モル以上のものが挙げられ、これらのうち最も好ましいものはポリエチレングリコールである。
また、親水性樹脂(b)の含有量は、上記組成物全体100重量部に対して、2〜20重量部であることが好ましい。この含有量が2重量部より少ない場合には、水性インクとの親和性が充分ではなく、描画性が劣り、一方、20重量部を超える場合は、基材シート(A)への密着性が充分でない。
さらに、上記組成物に用いられる炭酸カルシウム(c)は、平均粒径が0.3〜10μmであることが好ましい。平均粒径が0.3μmより小さい場合は、形成される筆記層(C)における描画性が劣り、一方、10μmより大きい場合は、基材(A)の表面の凹凸の程度が過剰に大きくなるため、筆記具で書きにくくなり、問題がある。
このような炭酸カルシウム(c)は、表面粗面化物質として機能し、基材シート(A)の表面を粗面化する。このことにより、基材シート(A)と、筆記用具のインキやカーボン粒子との密着性が上がり、フィルムに好ましい描画性が付与される。
また炭酸カルシウム(c)の含有量は、上記組成物全体100重量部に対して、1〜30重量部であることが好ましい。この含有量が1重量部より少ない場合には、筆記用具のインキやカーボン粒子との密着性が充分ではなく、一方、30重量部を超える場合は、基材シート(A)への接着性が充分ではない。
さらに、上記組成物に用いられる炭酸カルシウム(c)の替わりに、例えば、無機粒子として、シリカ、ゼオライト、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタンなどや、有機粒子として、メラミン系樹脂やベンゾグアナミン系樹脂、尿酸系樹脂、ナイロン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、シリコン系樹脂などを用いてもよいし、或いは炭酸カルシウム(c)と併用してもよい。
また、上記組成物には、顔料(a)、親水性樹脂(b)、炭酸カルシウム(c)以外に、樹脂バインダーや溶剤を含有してもよく、樹脂バインダーを含有することが好ましい。
上記組成物に用いられる樹脂バインダーとしては、基材シート(A)との接着性を有していれば何を用いてもよく、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などが用いられ、ポリウレタン系樹脂が好ましい。
上記溶剤としては、特に限定されず、公知の溶剤が用いられ、例えば、アルコールやトルエンなどが用いられる。
筆記層(C)を、基材コート(A)の片面に設ける方法としては、基材シート(A)の
表面に、顔料(a)と親水性樹脂(b)と炭酸カルシウム(c)を少なくとも含有する上記組成物を、グラビアコーター、リバース・キス・コーター、リバースロールコーター、多層カーテンコーター、バーコーター、エアドクターなどの通常のコート用装置を用いて塗布する方法が挙げられるが、筆記層(C)を設ける方法は、これらに限定されない。
(2)筆記層(C)の印刷
本発明の粘着性付箋に使用される筆記層(C)に施される印刷内容に関しては、筆記具等で容易に選択できる文字、図形および図表の少なくとも一つが印刷されていることが望ましい。
例えば、被着体が書類である場合には、少なくとも付箋紙の端部に署名・捺印位置を明示する部分と、署名・捺印を選択できる部分とを有していることが好ましい。付箋紙の端部に署名・捺印位置を明示するデザインとしては、図2にあるように矢印、長方形等が挙げられる。これは、あくまでも例でありこれに限定されるものではない。
また、例えば、被着体が段ボールである場合には、少なくとも荷物の設置場所と荷物の内容・種類が記載されていることが好ましい。設置場所としては図3の例にあるように、居間、台所、寝室、子供部屋等が挙げられる。荷物の内容・種類としては、われもの、衣服、本、CD等が挙げられる。これらは、あくまでも例でありこれに限定されるものではない。また、印刷内容に、段ボールのナンバーを記載する場所や、荷物の重量に関する項目があってもよい。本発明品の使用者は、ペンで該当項目を丸印等で選択するだけでよい。
また、例えば、被着体が建築現場での建築物各部である場合には、少なくとも不良箇所を明示するデザイン部分と図面番号等を記載する部分を有していることが好ましい。不良箇所を明示するデザインとしては図4の例にあるように平行線、略長方形、矢印等が挙げられる。図面番号等を記載する部分は、図面No.、不良状態等の項目が挙げられる。
また、例えば、被着体が手帳やメモ等である場合には、前記印刷内容は長方形、正方形等の枠線の内部に罫線を引いて、適宜デザインフレームを形成することができる。
図9および図10はデザインフレームを例示した模式図である。
図9および図10に例示されるデザインフレームを手帳やメモ等に貼付して携帯することにより、いつでも予定やアイデア等を記入することができる。
また手帳やメモ等に直接筆記具により記載した場合には後で間違いを発見したり、訂正が必要になったりした場合には新たな情報を上書きする必要がある。この場合、上書きされた情報により手帳やメモ等の内容の判読が困難になるが、本発明の場合には粘着性付箋を剥がして新たな粘着性付箋を貼付するだけで対応できるため、内容の判読が困難になることを防止することができる。
さらに、例えば、被着体が黒板、壁、ボード等の場合には、発表者の意見を整理したり、自由な発想を促したりできるデザインフレームを形成することができる。
図11はデザインフレームを例示した模式図である。例えば新製品に関連する内部、外部要因等の発想を促す文字、図形、図表等の項目等が挙げられる。
本発明の粘着性付箋は紙等の場合と異なり、磁石や画鋲が使用できない場合であっても自由に本発明の粘着性付箋を使用することができるため、会議用のツールとしても応用範囲が広い。
なお上記に示した筆記層(C)の印刷はあくまでも例でありこれらに限定されるものではない。
前記印刷は通常基材シートの粘着剤塗工部がある面と別の面に施される。また、粘着性付箋を貼り付ける被着体が透明である場合は、粘着性付箋を被着体の裏に貼り付けること
もあるため、こういった用途のために粘着剤塗工部がある面に印刷を施すこともできる。さらに、前記2つの場合のどちらにも使用できるようにするため、両面に印刷を施すこともできる。
筆記層(C)の印刷は、グラビア印刷、フレキソ印刷等の一般的な印刷法が用いられる。その他、各種加工を施してもよい。
3.その他の層
本発明の粘着性付箋には、通常、離型剤層(D)やアンカー層(E)が設けられる。本発明の粘着性付箋の構成例を図1に示す。
上記離型剤層(D)は、通常、筆記層(C)に、塗布、形成されてなり、また、アンカー層は、基材シート(A)と粘着剤層(B)との界面に、塗布、形成される。
離型剤層(D)に用いられる離型剤は、基材の剥がし力を低減させる目的で、基材の粘着剤層が形成されないもう一方の片面に部分塗工される。アンカー層(E)に用いられるアンカー剤(アンカーコート剤)は、基材シート(A)と粘着剤層(B)の密着力を増加させる目的で、基材シート(A)の粘着剤が設けられる部分に塗工される。
本発明で用いられる離型剤としては、例えば、シリコーン系離型剤、アルキルペンダント系離型剤、縮合ワックス系離型剤等が用いられる。これらは、単独で用いても良く、また2種以上併用してもよい。
本発明で用いられるアンカー剤としては、基材の種類に応じて適切なものを選択する必要がある。これらは一般的に粘着テープに用いられるアンカー剤を使用できる。例えば、ゴム系のアンカー剤が好ましい。
以下に、本発明の実施例及び比較例によって、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例によってなんら限定されるものではない。
実施例及び比較例に用いた基材シート、粘着剤、筆記層(C)の組成物、塗工方法及び測定方法などは以下に示す通りである。
1.基材シート
基材シートとして、OPPフィルム(厚み40μm)とPETフィルム(厚み30μm)を用いた。
2.粘着剤
(粘着剤A)
東洋インキ製造社製のアクリルエマルジョン系粘着剤「BPW−4960−1」をそのまま粘着剤Aとして使用した。
(粘着剤B)
綜研化学社製アクリル溶剤系粘着剤「SKダイン 1131B」100重量部に対して、日本ポリウレタン工業社製「コロネートL−45」を0.5重量部添加し、混合したものを粘着剤Bとした。
3.筆記層(C)のインク組成物
筆記層(C)のインク組成物として、次に示す印刷インクA〜Eの5種類を用いた。
(インクA):
ポリウレタン樹脂を20重量部、ポリエチレングリコール樹脂5重量部、有機顔料を10重量部、トルエンを47重量部及びイソプロピルアルコールを15重量部、並びに炭酸
カルシウムを3重量部(平均粒径0.5μm)の合計100重量部を混合したものをインクAとした。
(インクB):
ポリウレタン樹脂を20重量部、ポリエチレングリコール樹脂5重量部、有機顔料を10重量部、トルエンを45重量部及びイソプロピルアルコールを15重量部、並びに炭酸カルシウムを5重量部(平均粒径0.5μm)の合計100重量部を混合したものをインクBとした。
(インクC):
ポリウレタン樹脂を25重量部、有機顔料を10重量部、トルエンを47重量部及びイソプロピルアルコールを15重量部、並びに炭酸カルシウムを3重量部(平均粒径0.5μm)の合計100重量部を混合したものをインクCとした。
(インクD):
ポリウレタン樹脂を20重量部、ポリエチレングリコール樹脂を5重量部、有機顔料を10重量部、並びにトルエンを50重量部及びイソプロピルアルコールを15重量部の合計100重量部を混合したものをインクDとした。
(インクE):
ポリウレタン樹脂を20重量部、ポリエチレングリコール樹脂5重量部、有機顔料を10重量部、トルエンを47重量部及びイソプロピルアルコールを15重量部、並びに炭酸カルシウムを3重量部(平均粒径0.05μm)の合計100重量部を混合したものをインクEとした。
4.粘着剤塗工方法
グラビアロールにより粘着剤塗工を行った。塗工面積は、付箋紙のサイズに対しての割合をパーセント表示した。
5.筆記層(C)の印刷方法
粘着剤を塗工した面と反対側の面に、グラビア印刷により、実施例1〜4及び比較例1〜3について、それぞれ印刷した。
6.測定方法
(1)描画性の評価I(鉛筆、油性ボールペン)
25mm×75mmにカットした一枚の付箋をスチール製の机の上に置き、鉛筆、油性、ボールペンにて、表面に筆記を行う。かすれ、にじみ等が発生しない場合を合格とした。
(2)描画性の評価II(水性ボールペン)
25mm×75mmにカットした一枚の付箋をスチール製の机の上に置き、水性ボールペンにて、表面に筆記を行う。かすれ、にじみ等が発生せず、かつ筆記後1分後、インクが乾燥した場合を合格とした。
[実施例1]
粘着剤A、インクAを用いて、基材シートであるOPPフィルム(厚み40μm)に塗工し、付箋を作製した。
[実施例2]
粘着剤A、インクBを用いて、基材シートであるOPPフィルム(厚み40μm)に塗工し、付箋を作製した。
[実施例3]
粘着剤A、インクAを用いて、基材シートであるPETフィルム(厚み30μm)に塗工し、付箋を作製した。
[実施例4]
粘着剤B、インクAを用いて、基材シートであるPETフィルム(厚み30μm)に塗工し、付箋を作製した。
[比較例1]
粘着剤A、インクCを用いて、基材シートであるOPPフィルム(厚み40μm)に塗工し、付箋を作製した。
[比較例2]
粘着剤A、インクDを用いて、基材シートであるOPPフィルム(厚み40μm)に塗工し、付箋を作製した。
[比較例3]
粘着剤A、インクEを用いて、基材シートであるOPPフィルム(厚み40μm)に塗工し、付箋を作製した。
作製した実施例1〜4及び比較例1〜3の粘着性付箋について、前記各測定を行った。
それらの評価結果を、表1に示す。
Figure 2010042660
表1の評価結果から明かなように、実施例1〜4の粘着性付箋では、油性インクと水性インクの両方に対して、優れた描画性を示した。一方、親水性樹脂であるポリエチレングリコール樹脂を含まないインクCを用いた比較例1では、油性インクに対して、優れた描画性を示したものの、水性インクに対しては、描画性に合格しなかった。また炭酸カルシウムを含まないインクDを用いた比較例2では、油性インクと水性インクの両方に対して、描画性に合格しなかった。
さらに、平均粒径が0.05μmの炭酸カルシウムを含むインクEを用いた比較例3では、油性インクと水性インクの両方に対して、描画性に合格しなかった。
本発明の粘着性付箋は、特定の組成物からなる筆記層を有し、かつ粘着剤を特定の塗工面積で塗布してあるため、油性インクと水性インクの両方に優れた描画性を付与でき、また、著しく作業の効率の向上が可能であり、粘着性付箋として有用である。
1、9 基材シート(A)
2、8、10、11 粘着剤層(B)
3 筆記層(C)
4 離型剤層(D)
5 アンカー層(E)
6 文字、図形および図表の少なくとも一つの印刷
7 OPP

Claims (16)

  1. ポリエステルフィルムまたは二軸延伸されたポリプロピレンフィルムからなる基材シート(A)の片面の少なくとも一部に、再貼着再剥離可能な粘着剤からなる粘着剤層(B)が塗布、形成され、且つ、基材シート(A)の他の片面に、筆記層(C)が塗布、形成されてなる粘着性付箋であって、
    筆記層(C)が、顔料(a)と親水性樹脂(b)と平均粒径が0.3〜10μmの炭酸カルシウム(c)とを少なくとも含む組成物からなり、且つ、
    粘着剤層(B)の面積が、基材シート(A)全面積の10%〜90%の範囲内であることを特徴とする粘着性付箋。
  2. 筆記層(C)には、筆記具で選択できる文字、図形および図表の少なくとも一つが印刷されていることを特徴とする請求項1に記載の粘着性付箋。
  3. 筆記層(C)には、さらに、離型剤層(D)が塗布、形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の粘着性付箋。
  4. 基材シート(A)と粘着剤層(B)との界面に、アンカー層(E)が塗布、形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の粘着性付箋。
  5. 親水性樹脂(b)が、ポリアルキレングリコール系樹脂であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の粘着性付箋。
  6. 基材シート(A)が、透明または半透明であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の粘着性付箋。
  7. 前記粘着剤が、アクリル系粘着剤を含有するものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の粘着性付箋。
  8. 前記文字、図形および図表の少なくとも一つが、書類の署名箇所および/または捺印箇所を示すものであることを特徴とする請求項2に記載の粘着性付与付箋。
  9. 前記文字、図形および図表の少なくとも一つが、荷物の設置場所および/または荷物の中身を示すものであることを特徴とする請求項2に記載の粘着性付箋。
  10. 前記文字、図形および図表の少なくとも一つが、材料の不良箇所部分および/または不良箇所に該当する設計図面番号の記載場所を示すものであることを特徴とする請求項2に記載の粘着性付箋。
  11. 前記文字、図形および図表の少なくとも一つが、アイデアおよび/またはスケジュールの記入を補助するデザインフレームを示すものであることを特徴とする、請求項2に記載の粘着性付箋。
  12. 離型剤層(D)が、ポリビニルアルコールの変性体からなることを特徴とする請求項3に記載の粘着性付箋。
  13. アンカー層(E)が、ゴム系のアンカー剤を含むことを特徴とする請求項4に記載の粘着性付箋。
  14. 粘着性付箋が、積層されて積層体を形成していることを特徴とする請求項1〜13のい
    ずれかに記載の粘着性付箋。
  15. 基材シート(A)の面積が、1cm〜250cmの範囲であり、
    粘着剤層(B)の面積が、基材シート(A)全面積の50%〜70%の範囲内であることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の粘着性付箋。
  16. 基材シート(A)の面積が、250cm〜3mの範囲であり、
    粘着剤層(B)の面積が、基材シート(A)全面積の10%〜30%の範囲内であることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の粘着性付箋。
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