JP2010041900A - 電動ポンプ及びその運転方法 - Google Patents

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亮介 越坂
Shinya Yamamoto
真也 山本
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衛 桑原
Tadashi Uchiyama
理 内山
Takao Mishina
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Abstract

【課題】電動モータを大型化することなく、電動モータに発生させるトルクの大きさを切り替えることができる電動ポンプ及び運転方法を提供する。
【解決手段】真空ポンプ11の電動モータMにおいて、固定子49は、起動用の固定子鉄心50に巻装された起動用の固定子巻線52、及び定常運転用の固定子鉄心51に巻装された定常運転用の固定子巻線53を備える。起動用の固定子巻線52にはスイッチングリレー54を介して商用電源55を電気的に接続可能であるとともに、定常運転用の固定子巻線53にはインバータ64を介して商用電源55を電気的に接続可能である。真空ポンプ11は、商用電源55からの交流電力の供給先を起動用の固定子巻線52と定常運転用の固定子巻線53とで切り替えるためにスイッチングリレー54とインバータ64とを切り替える制御部65を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、電動モータを備えた電動ポンプ及びその運転方法に関する。
例えば、半導体製造工場で用いられる電動ポンプたる真空ポンプは、ケーシング内に収容されたロータを電動モータによって回転させることにより流体を移送する。このような電動ポンプにおいて、ロータと、ケーシングの内面との間に異物の噛み込みが生じる場合がある。異物を噛み込んだ状態で電動ポンプの運転が停止されると、電動ポンプの再起動時には、異物の噛み込みが無い場合に比して過大な起動トルクが必要となる。このため、電動ポンプとしては、起動のための過大な起動トルクと、定常運転のための起動トルクより低い定常運転トルクとを切り替えて発生させることが必要となる。
電動モータに発生させるトルクを切り替え可能とするものとしては、例えば、特許文献1及び特許文献2に開示のものがある。特許文献1のブラシレスモータは、1個のロータ(回転子)に対し、2組のステータ(固定子)が軸方向に隣り合わせて配置されている。各ステータそれぞれにはステータコイル(固定子巻線)が内設されている。そして、特許文献1のブラシレスモータにおいては、磁気検出素子の検知出力に応じて2組のステータコイルの双方又は片方に通電することができるようになっている。すなわち、定常運転トルクのように低トルクを必要とする場合は片方のステータコイルのみが通電され、起動トルクのような過大なトルクを必要とする場合は双方のステータコイルに通電されるようになっている。
特許文献2の開示のモータは、商用電源から可変周波数交流電力を供給するインバータ駆動回路と、インバータ駆動回路を迂回して商用電源から直接モータに電力を供給するバイパス回路と、インバータ駆動回路とバイパス回路とを切り換える切換装置とを備える。そして、起動トルクのような過大なトルクを必要とする場合は、切換装置がバイパス回路を選択し、バイパス回路から商用電源電力がモータに直接供給される。一方、定常運転トルクのような低トルクを必要とする場合は、切換装置がインバータ駆動回路を選択し、インバータ駆動回路により所定の周波数・電圧に変換された交流電力がモータに供給される。
特開2004−343856号公報 特開2005−226980号公報
ところが、特許文献1のブラシレスモータにおいては、このブラシレスモータを駆動するためのモータドライバに、各ステータコイルそれぞれに複数のパワートランジスタ(インバータ)を設ける必要があり、ブラシレスモータが大型化してしまう。また、特許文献2のモータにおいては、トルクの大きさを切り替えるためのモータの構成については何ら開示も示唆もされていない。
本発明は、電動モータを大型化することなく、電動モータに発生させるトルクの大きさを切り替えることができる電動ポンプ及びその運転方法を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の電動ポンプは、ハウジング内にポンプ機構が設けられるとともに、前記ハウジングの内周に固設された固定子と、前記固定子の内側に配設された回転子とを有し前記ポンプ機構を駆動する電動モータを備えた電動ポンプであって、前記固定子は、固定子鉄心に巻装された起動用の固定子巻線、及び定常運転用の固定子巻線を備え、前記起動用の固定子巻線にはスイッチングリレーを介して商用電源を電気的に接続可能であるとともに、前記定常運転用の固定子巻線にはインバータを介して前記商用電源を電気的に接続可能であり、さらに、前記商用電源からの交流電力の供給先を前記起動用の固定子巻線と定常運転用の固定子巻線とで切り替えるために前記スイッチングリレーとインバータとを切り替える制御部を備えるものである。
また、請求項3に記載の電動ポンプの運転方法は、ハウジング内にポンプ機構が設けられるとともに、前記ハウジングの内周に固設された固定子と、前記固定子の内側に配設された回転子とを有し前記ポンプ機構を駆動する電動モータを備えた電動ポンプの運転方法であって、前記電動ポンプの固定子は、固定子鉄心に巻装された起動用の固定子巻線、及び定常運転用の固定子巻線を備え、前記起動用の固定子巻線にはスイッチングリレーを介して商用電源を電気的に接続可能であるとともに、前記定常運転用の固定子巻線にはインバータを介して前記商用電源を電気的に接続可能であり、さらに、前記スイッチングリレーとインバータとを切り替える制御部を備え、過大なトルクを必要とする場合は、前記制御部が、前記商用電源からの交流電力の供給先を前記起動用の固定子巻線にするため前記商用電源に前記スイッチングリレーを電気的に接続する一方で、前記過大なトルクを必要としない場合は、前記制御部が、前記商用電源からの交流電力の供給先を前記定常運転用の固定子巻線にするため前記商用電源に前記インバータを電気的に接続するものである。
これによれば、例えば、ポンプ機構が異物を噛み込んだ状態で停止した電動ポンプを起動させる際のように、電動ポンプの起動時に過大なトルクを必要とする場合は、制御部によりスイッチングリレーを接続して商用電源から起動用の固定子巻線に交流電力を直接供給させ、電動モータに過大なトルクを発生させることができる。一方、過大なトルクを必要としない場合は、制御部によりインバータを介して商用電源から定常運転用の固定子巻線に交流電力を供給させ、電動モータに過大なトルクより低いトルクを発生させることができる。すなわち、過大なトルクを必要としない場合は、インバータによって交流電力の周波数を変換して高速運転を可能とする。このように電動モータに発生させるトルクの大きさを切り替え可能とした電動ポンプにおいては、定常運転用の固定子巻線だけにインバータを設ければよい。よって、例えば、両固定子巻線それぞれにインバータを設ける場合に比して電動モータを大型化することなく、電動モータに発生させるトルクの大きさを切り替えることができる。
また、電動ポンプにおいて、前記起動用の固定子巻線の極数は、前記定常運転用の固定子巻線の極数より大きく設定されていてもよい。これによれば、例えば、両固定子巻線を同じ極数にする場合に比して、起動用の固定子巻線を用いて発生させるトルクを、定常運転用の固定子巻線を用いて発生させるトルクより確実に大きくすることができる。
また、電動ポンプの運転方法において、前記商用電源に前記スイッチングリレーを電気的に接続した時点から所定時間経過した後に、前記商用電源に対する接続先を前記スイッチングリレーから前記インバータに切り替えるようにしてもよい。商用電源にスイッチングリレーを電気的に接続した時点から所定時間経過した後には、電動モータは低トルクで運転可能となるため、インバータによって電動モータの高速運転を行うことができる。
また、電動ポンプの運転方法において、前記電動モータにおける出力軸の回転数に基づき前記過大な起動トルクを必要とするか否かを判定してもよい。これによれば、回転センサを電動モータに設けるだけの簡単な構成で過大なトルクを必要とするか否かを判定することができる。
本発明によれば、電動モータを大型化することなく、電動モータに発生させるトルクの大きさを切り替えることができる。
以下、本発明の電動ポンプを多段ルーツ式の真空ポンプに具体化した一実施形態を図1〜図3にしたがって説明する。なお、以下の説明において真空ポンプの「前」及び「後」は、図1に示す矢印Yの方向を前後方向とする。
図1に示すように、真空ポンプ11のポンプハウジングH1は、ロータハウジング12と、このロータハウジング12の前端(一端)に接合されたフロントハウジング13と、ロータハウジング12の後端(他端)に接合されたリヤハウジング14とから形成されている。ロータハウジング12は、シリンダブロック15と複数の隔壁16とからなっている。フロントハウジング13と隔壁16との間の空間、隣り合う隔壁16の間の空間、及び隔壁16とリヤハウジング14との間の空間は、それぞれポンプ室18となっている。隔壁16には、隣り合うポンプ室18を連通する通路17が形成されている。
フロントハウジング13とリヤハウジング14とには、回転軸19及び回転軸20が、それぞれベアリング21,22を介して回転可能に支持されている。回転軸19と回転軸20は互いに平行に配置されるとともに、隔壁16に挿通されている。回転軸19には、複数(本実施形態においては5つ)のロータ23が、一体形成されるとともに、回転軸20には、回転軸19に一体形成されたロータ23と同数のロータ28が、一体形成されている。複数のロータ23,28は、回転軸19,20の軸線方向に見て同形同大の形状をなしてはいるが、厚みはリヤハウジング14側のものほど小さくなってゆくようにしてある。
各ポンプ室18内には、対応するロータ23,28が僅かの隙間を保って互いに噛合した状態で収容されるとともに、各ロータ23,28とポンプ室18を形成するロータハウジング12の内周面との間に僅かの隙間を保った状態で収容されている。各ポンプ室18の容積の大きさは、フロントハウジング13に最も近いポンプ室18が最も大きく、リヤハウジング14に近いポンプ室18ほど小さくなってゆくようにしてある。
ポンプハウジングH1のリヤハウジング14には、歯車装置39及び軸継ぎ手40を収容するギヤハウジングH2が接合されている。ギヤハウジングH2には、電動モータMを収容するモータハウジングH3が接合されている。ポンプハウジングH1とギヤハウジングH2とモータハウジングH3とによって、真空ポンプ11全体のハウジングHが構成されている。
そして、上記真空ポンプ11において、電動モータMが駆動すると、電動モータMの駆動力は、軸継ぎ手40を介して回転軸19に伝えられるとともに、軸継ぎ手40から歯車装置39を介して回転軸20に伝えられる。回転軸20(ロータ28)は、歯車装置39の介在によって、回転軸19(ロータ23)とは異なる方向に回転される。そして、フロントハウジング13に最も近いポンプ室18に導入されたガスは、このポンプ室18内のロータ23,28の回転によって、隔壁16の通路17を経由して隣のポンプ室18へと移送される。以下、同様にガスは、ポンプ室18の容積が小さくなってゆく順に移送され、リヤハウジング14に最も近いポンプ室18へ移送されたガスは、このポンプ室18から真空ポンプ11外へ排出される。よって、本実施形態においては、回転軸19,20及びロータ23,28が、電動モータMによって駆動するポンプ機構Pを構成している。
次に、電動モータMについて詳細に説明する。電動モータMは、モータハウジングH3にベアリング46,47を介して回転可能に支持された出力軸41と、この出力軸41に止着された回転子48と、モータハウジングH3の内周面に固設された固定子49とからなっている。出力軸41は、ポンプ機構Pの回転軸19と同一軸線上に配置されている。出力軸41の前端部(一端部)は、モータハウジングH3及びギヤハウジングH2を貫通して、ギヤハウジングH2内で軸継ぎ手40に連結されている。
電動モータMにおける固定子49は、出力軸41の軸方向に並設された起動用の固定子鉄心50及び定常運転用の固定子鉄心51を備えるとともに、起動用の固定子鉄心50に巻装された起動用の固定子巻線52及び定常運転用の固定子鉄心51に巻装された定常運転用の固定子巻線53を備える。各固定子鉄心50,51それぞれは環状をなすとともに、モータハウジングH3の内周面に固定されている。また、各固定子巻線52,53それぞれは複数相(3相)である。なお、起動用の固定子巻線52の極数と定常運転用の固定子巻線53の極数は異なり、起動用の固定子巻線52の極数(本実施形態では4極)が、定常運転用の固定子巻線53は極数(本実施形態では2極)より大きくなっている。
起動用の固定子巻線52のコイルエンド52aからは、リード部52bが延設されるとともに、このリード部52bは、商用電源55への接続方式としてスイッチングリレー54を採用して電気的に接続されている。また、スイッチングリレー54は、ブレーカ57を介して商用電源55に電気的に接続されている。そして、スイッチングリレー54が接続(ON)されると、商用電源55からの交流電力がリード部52bから起動用の固定子巻線52に供給されるようになっている。
すなわち、スイッチングリレー54が接続状態にされると、起動用の固定子巻線52にはブレーカ57の最大定格電流の交流電力が直接供給され、電動モータMには大電流が印加されて過大なトルクである起動トルクが発生する。また、スイッチングリレー54が非接続(OFF)にされると、商用電源55からの交流電力が起動用の固定子巻線52に供給されないようになっている。
一方、定常運転用の固定子巻線53のコイルエンド53aからは、リード部53bが延設されるとともに、このリード部53bは、商用電源55への接続方式としてインバータ64を採用して電気的に接続されている。また、インバータ64はブレーカ57を介して商用電源55に電気的に接続されている。インバータ64は、商用電源55の交流電力を別の大きさ、周波数、位相の交流電力に変換する。例えば、真空ポンプ11を起動した後の定常運転時には、インバータ64は、商用電源55の交流電力の周波数を高くなるように変換する。すると、電動モータMには過大な起動トルクより低トルクな定常運転トルクが発生するとともに、出力軸41を起動トルク発生時よりも高速で回転させることが可能になる。よって、本実施形態の真空ポンプ11は、1つの商用電源55から2つの固定子巻線52,53に交流電力が供給されるようになっている。
電動モータMは、商用電源55から交流電力が供給されたときに出力軸41の回転数を検出する回転センサSを備えている。
図3(a)に示すように、スイッチングリレー54及びインバータ64それぞれには、制御部65が電気的に接続されている。制御部65は、CPU(中央処理制御装置)66、真空ポンプ11の運転制御プログラムや各種情報等を予め記憶したメモリ67、タイマカウンタ68、入力インターフェース(図示せず)、出力インターフェース(図示せず)等を備える。
タイマカウンタ68は、商用電源55にスイッチングリレー54を電気的に接続した時点からの経過時間を計測するとともに、経過時間に係る検出信号をCPU66に出力する。そして、制御部65は、タイマカウンタ68からの検出信号に基づいて電動モータMの運転状態を推定し、その推定された運転状態に基づいて、商用電源55に対する接続先をスイッチングリレー54とインバータ64とで切り替える制御を行う。
また、メモリ67には、タイマカウンタ68からの検出信号と比較される基準経過時間が、情報として記憶されている。基準経過時間は、真空ポンプ11において、異物を噛み込んだロータ23,28が、商用電源55にスイッチングリレー54を電気的に接続して起動トルクを発生させてから回転可能となるまでに要する時間の最小値に設定されている。また、メモリ67には、真空ポンプ11の運転制御プログラムが記憶されている。
電動モータMの回転センサSは、制御部65に電気的に接続されている。メモリ67には、回転センサSからの出力軸41の回転数に係る検出信号と比較される基準回転数が、情報として記憶されている。基準回転数は、電動モータMの定常運転時における出力軸41の回転数である。この基準回転数は、真空ポンプ11において、ロータ23,28が異物を噛み込んだ状態ときの出力軸41の回転数より高く、真空ポンプ11を定常運転するときにおける出力軸41の回転数である(例えば、3000rpm)。
図2は、制御部65によって遂行される真空ポンプ11の運転制御プログラムを表すフローチャートである。
さて、真空ポンプ11の起動時、制御部65は真空ポンプ11の運転信号を入力すると、図3(c)に示すように、インバータ64を起動させる(ステップS1)。すると、定常運転用の固定子巻線53にはインバータ64を介して商用電源55が電気的に接続される。そして、インバータ64によって、商用電源55の交流電力が定常運転用の周波数に変換されて、電動モータMにおける定常運転用の固定子巻線53に供給される。なお、このとき、スイッチングリレー54は非接続状態(OFF)にあり、起動用の固定子巻線52に交流電力は供給されない。
次に、制御部65は、回転センサSから得られる検出信号(出力軸41の回転数)と、メモリ67に予め記憶された基準回転数とを比較し、真空ポンプ11が定常運転用の回転数で運転可能か否かを判定する(ステップS2)。ステップS2の判定結果が否定判定である場合、制御部65は、スイッチングリレー54を接続(ON)する(ステップS3)。このとき、制御部65はスイッチングリレー54を接続すると同時に、インバータ64を待機状態に制御し、商用電源55への接続方式をインバータ64からスイッチングリレー54に切り替える。すなわち、制御部65により、交流電力の供給先が定常運転用の固定子巻線53から起動用の固定子巻線52へと切り替えられる。
すると、定常運転用の固定子巻線53に商用電源55から交流電力が供給されず、図3(b)に示すように、スイッチングリレー54を介して商用電源55と起動用の固定子巻線52が電気的に接続され、電動モータMにおける起動用の固定子巻線52にはブレーカ57の最大定格電流の交流電力が直接供給される。ステップS2で制御部65が真空ポンプ11を定常運転用の回転数で運転できないと判定した場合(否定判定)は、ロータ23,28が異物を噛み込んだ状態であり、定常運転トルクではロータ23,28を回転させることができない場合である。すなわち、真空ポンプ11の起動時に過大な起動トルクを必要とする場合である。そして、商用電源55からの交流電力が直接電動モータMに供給されると、電動モータMには過大な起動トルクが発生するため、噛み込まれた異物がロータ23,28によって破壊され、出力軸41が回転しロータ23,28が回転可能となる。
また、制御部65は、スイッチングリレー54を電気的に接続(ON)した時点からの経過時間をタイマカウンタ68に計測させる(ステップS4)。そして、制御部65は、タイマカウンタ68から得られる検出信号(経過時間)と、メモリ67に予め記憶された基準経過時間とを比較し、経過時間が所定時間(基準経過時間)経過したか否かを判定する(ステップS5)。ステップS5における判定結果が否定判定である場合、制御部65は経過時間が所定時間経過したか否かを判定する制御を繰り返す。
ステップS5での判定結果が肯定判定である場合、制御部65はステップS1に移行し、待機状態にあるインバータ64を起動させる。その後、ステップS2に移行し、制御部65は、回転センサSから得られる検出信号(出力軸41の回転数)と、メモリ67に予め記憶された基準回転数とを比較し、真空ポンプ11を定常運転用の回転数で運転可能か否かを判定する。
このとき、真空ポンプ11ではロータ23,28が噛み込んだ異物が除去され、真空ポンプ11は定常運転可能になっているため、ステップS2での判定結果は肯定判定となる。そして、図3(c)に示すように、制御部65はスイッチングリレー54を非接続(OFF)に制御すると同時に、商用電源55への接続方式をスイッチングリレー54からインバータ64に切り替える。すなわち、過大な起動トルクを必要としない場合は、制御部65は商用電源55にインバータ64を電気的に接続する。すると、インバータ64によって周波数変換された交流電力が、電動モータMの定常運転用の固定子巻線53に供給される。電動モータMでは、起動トルクより低トルクの定常運転トルクが発生し、変換された周波数に応じた回転数で出力軸41が回転し、定常運転が行われる(ステップS6)。すなわち、ロータ23,28が異物等を噛み込んでおらず、過大な起動トルクを必要とすることなく真空ポンプ11を運転できる場合は、商用電源55からの交流電力を電動モータMに直接供給することなく真空ポンプ11が定常運転される。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)電動モータMに一対の固定子鉄心50,51を設け、起動用の固定子鉄心50に起動用の固定子巻線52を巻装するとともに、定常運転用の固定子鉄心51に定常運転用の固定子巻線53を巻装した。また、起動用の固定子巻線52を、スイッチングリレー54を介して商用電源55に電気的に接続可能とするとともに、定常運転用の固定子巻線53を、インバータ64を介して商用電源55に電気的に接続可能とし、スイッチングリレー54とインバータ64とを切り替える制御部65を設けた。そして、ロータ23,28が異物を噛み込んだ状態で停止した真空ポンプ11を起動させる際、制御部65によりスイッチングリレー54を接続して商用電源55から起動用の固定子巻線52に交流電力を直接供給させ、電動モータMに過大な起動トルクを発生させてロータ23,28により異物を除去することができる。一方、異物を除去し、過大な起動トルクを必要としない場合は、制御部65によりインバータ64に切り替えて商用電源55から定常運転用の固定子巻線53に交流電力を供給させ、電動モータMに定常運転トルクを発生させることができる。したがって、起動時と定常運転時とで電動モータMに発生させるトルクの大きさを切り替え可能とした真空ポンプ11においては、定常運転させるときだけインバータ64による制御を必要とするため、定常運転用の固定子巻線53だけにインバータ64を設ければよい。よって、例えば、両固定子巻線52,53それぞれにインバータ64を設ける場合に比して電動モータMを大型化することなく、電動モータMに発生させるトルクの大きさを切り替えることができる。
(2)電動モータMに一対の固定子鉄心50,51を設け、起動用の固定子鉄心50に起動用の固定子巻線52を巻装するとともに、定常運転用の固定子鉄心51に定常運転用の固定子巻線53を巻装した。また、起動用の固定子巻線52を、スイッチングリレー54を介して商用電源55に電気的に接続可能とするとともに、定常運転用の固定子巻線53を、インバータ64を介して商用電源55に電気的に接続可能とした。そして、制御部65の制御により、商用電源55への接続先をスイッチングリレー54とインバータ64とで切り替えることができる。したがって、制御部65による電動モータMの電気的な制御により、ロータ23,28が異物を噛み込んでいてもその異物を除去して真空ポンプ11を起動させることができる。よって、例えば、レンチを用いて人力でロータ23,28を回転させて異物を掻き出す場合に比して、異物を容易に掻き出すことができる。さらには、ロータ23,28によって異物を掻き出すために、ロータ23,28の形状を変更したり、ロータ23,28に衝撃を与える構成を別途設ける場合に比して、簡単な構成で異物を除去して真空ポンプ11を起動させることができる。
(3)起動用の固定子巻線52は4極であり、定常運転用の固定子巻線53は2極である。このため、例えば、両固定子巻線52,53を同じ極数にする場合に比して、起動用の固定子巻線52を用いて発生させる起動トルクを、定常運転用の固定子巻線53を用いて発生させる定常運転トルクより確実に大きくすることができる。
(4)制御部65は、スイッチングリレー54を接続した時点から所定時間経過した後に、定常運転用の固定子巻線53にインバータ64を介して商用電源55を電気的に接続する。このため、商用電源55からの電力供給開始から所定時間経過し、電動モータMにおける出力軸41の回転数が一定回転までに上昇して低トルクで運転可能となった後は、インバータ64によって出力軸41の回転数を制御し、高速運転を行うことができる。
(5)制御部65は、電動モータMに設けた回転センサSからの検出信号に基づき、起動時に過大な起動トルクを必要とするか否かを判定する。このため、簡単な構成で起動トルクを必要とするか否かを判定することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 起動用の固定子巻線52の極数と、定常運転用の固定子巻線53の極数とを同じにしてもよい。
○ 電動モータMにおいて、回転子48の外周側に1つの固定子鉄心を配設するとともに、この1つの固定子鉄心に起動用の固定子巻線52と定常運転用の固定子巻線53を巻装して固定子を形成してもよい。
○ 商用電源55からスイッチングリレー54を介して起動用の固定子巻線52に電力供給を開始した後、出力軸41の回転数や交流電力の電流値に基づいて商用電源55に接続する方式をスイッチングリレー54からインバータ64に切り替えるようにしてもよい。
○ 真空ポンプ11の運転制御プログラムにおいて、真空ポンプ11が定常運転用の回転数で運転可能か否かを判定し、繰り返して否定判定の場合には、真空ポンプ11の異常を報知するようにしてもよい。
○ ポンプ機構Pは、スクロール式であってもよい。
○ 電動ポンプは、多段式ではなく単段式のルーツ式の真空ポンプであってもよい。
○ 電動ポンプは、真空ポンプに限定されない。
実施形態の真空ポンプを示す縦断面図。 真空ポンプの運転制御プログラムを示すフローチャート。 (a)は真空ポンプの電気的構成を模式的に示すブロック図、(b)は、スイッチングリレーを接続した状態を示すブロック図、(c)はインバータを駆動させた状態を示すブロック図。
符号の説明
H…ハウジング、M…電動モータ、P…ポンプ機構、11…電動ポンプとしての真空ポンプ、41…出力軸、48…回転子、49…固定子、50…起動用の固定子鉄心、51…定常運転用の固定子鉄心、52…起動用の固定子巻線、53…定常運転用の固定子巻線、54…スイッチングリレー、55…商用電源、64…インバータ、65…制御部。

Claims (5)

  1. ハウジング内にポンプ機構が設けられるとともに、前記ハウジングの内周に固設された固定子と、前記固定子の内側に配設された回転子とを有し前記ポンプ機構を駆動する電動モータを備えた電動ポンプであって、
    前記固定子は、固定子鉄心に巻装された起動用の固定子巻線、及び定常運転用の固定子巻線を備え、前記起動用の固定子巻線にはスイッチングリレーを介して商用電源を電気的に接続可能であるとともに、前記定常運転用の固定子巻線にはインバータを介して前記商用電源を電気的に接続可能であり、
    さらに、前記商用電源からの交流電力の供給先を前記起動用の固定子巻線と定常運転用の固定子巻線とで切り替えるために前記スイッチングリレーとインバータとを切り替える制御部を備える電動ポンプ。
  2. 前記起動用の固定子巻線の極数は、前記定常運転用の固定子巻線の極数より大きく設定されている請求項1に記載の電動ポンプ。
  3. ハウジング内にポンプ機構が設けられるとともに、前記ハウジングの内周に固設された固定子と、前記固定子の内側に配設された回転子とを有し前記ポンプ機構を駆動する電動モータを備えた電動ポンプの運転方法であって、
    前記電動ポンプの固定子は、固定子鉄心に巻装された起動用の固定子巻線、及び定常運転用の固定子巻線を備え、前記起動用の固定子巻線にはスイッチングリレーを介して商用電源を電気的に接続可能であるとともに、前記定常運転用の固定子巻線にはインバータを介して前記商用電源を電気的に接続可能であり、さらに、前記スイッチングリレーとインバータとを切り替える制御部を備え、
    過大なトルクを必要とする場合は、前記制御部が、前記商用電源からの交流電力の供給先を前記起動用の固定子巻線にするため前記商用電源に前記スイッチングリレーを電気的に接続する一方で、
    前記過大なトルクを必要としない場合は、前記制御部が、前記商用電源からの交流電力の供給先を前記定常運転用の固定子巻線にするため前記商用電源に前記インバータを電気的に接続することを特徴とする電動ポンプの運転方法。
  4. 前記商用電源に前記スイッチングリレーを電気的に接続した時点から所定時間経過した後に、前記商用電源に対する接続先を前記スイッチングリレーから前記インバータに切り替える請求項3に記載の電動ポンプの運転方法。
  5. 前記電動モータにおける出力軸の回転数に基づき前記過大なトルクを必要とするか否かを判定する請求項3又は請求項4に記載の電動ポンプの運転方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2012149690A1 (zh) * 2011-05-05 2012-11-08 贾润年 一种车辆用的发电机马达装置
JP2016217288A (ja) * 2015-05-22 2016-12-22 株式会社荏原製作所 真空ポンプ装置

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