JP2010041730A - ホーンアンテナおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来のホーンアンテナよりも有効動作周波数帯域を拡大可能なホーンアンテナおよびその製造方法を得る。
【解決手段】 ホーンアンテナ300は、互いに対向して配置され電磁波を案内する少なくとも一対のリッジ310を含む。この一対のリッジ310のうちの第1のリッジに、ホーンアンテナ300の給電領域380に電力を供給し、またはこの給電領域380から信号を受け取る伝送線350を結合する。給電領域380における第2のリッジの内部に、伝送線350と一対のリッジ310との間のインピーダンス不整合を減少させるためのインピーダンス整合回路網を設ける。インピーダンス整合回路網は、給電領域380において、伝送線350と一対のリッジ310との間に十分な量の直列容量を形成する。ホーンアンテナ300のインピーダンス不整合が低減するとともに、動作周波数帯域が拡大する。
【選択図】 図5A

Description

本発明はアンテナの構造および製造方法に係わり、特に、動作周波数帯域が改善されたホーンアンテナおよびその製造方法に関する。
アンテナは、一般に、電磁エネルギーの放射または捕捉を行うものである。理想的な送信アンテナは、電力アンプなどの電力源から電力すなわちパワーの供給を受け、それを空間に放射する。すなわち、電磁エネルギーは送信アンテナから放出され、反射されるか、または散乱しない限り、戻ることがない。しかしながら実際のアンテナは、放射電磁場成分(radiating EM field components)および非放射電磁場成分(non-radiating EM field components)の双方を形成する。非放射電磁場成分は、例えば電力源から供給されたパワーのうち、電力源に戻るもの、あるいは負荷抵抗において消散されるものなどである。
アンテナの性能は、様々な指標で特徴づけられる。そのうちの1つが、アンテナ効率(放射効率)であり、これは次のように定義される。すなわち、アンテナが電力源から受け取るパワーに対するアンテナによって放出されるパワーの大きさの比である。アンテナが受け取り、かつアンテナから放出されないパワー成分は、熱として消費される。アンテナ性能の他の特性項目としては、アンテナ放射パターン(antenna radiation pattern)、動作周波数帯域幅(operating frequency bandwidth)、利得(gain)、および指向性(directivity)などがある。
ここでいうアンテナ放射パターン(以下、単に放射パターンという。)とは、アンテナが生成する電磁場の特性を特徴づける量の空間分布として定義することができる。放射パターンは、通常、アンテナ位置を原点として半径Rと極角0,4とにより定まる極座標(球座標)における、電力束密度(power flux density)、放射強度、指向性、利得、位相、極性および電界強度や磁界強度の数値の角分布(angular distribution)として与えられる。アンテナの指向性、利得および極性については、そのアンテナの放射パターンに関する知見に基づいて算出される。
指向性は、例えば最大放射(エネルギー)を示す方向として定義される。多くの指向性アンテナにおける放射パターンは、最大放射方向を指す1つのメインローブと、反射や交叉偏波に起因する複数のサイドローブとを含んでいる。サイドローブは、一般的に、所望の方向に放射された電磁エネルギーを減少させ、アンテナの特性を全体的に劣化させるものである。
指向性アンテナの利得は、指向性係数(directivity)に放射効率(radiation efficiency)を乗じたものとして定義される。したがって、指向性アンテナの利得は指向性係数よりも小さな値となる。なぜなら、実際のアンテナにおいては、放射効率が100%未満となるからである。
電磁場はベクトル量としてアンテナから放射される。電磁場におけるベクトルの性質は、しばしばアンテナの偏波特性(polarization)に関連する。EMCテスト(電磁適合性試験)に最もよく用いられるアンテナは、直線偏波を形成するものである。直線偏波アンテナとして、例えばデュアルリッジ型ホーンアンテナ(あるいはテーパーデュアルリッジ型ウェイブガイド)がある。これは、ホーンによって形成される主平面における主軸上の電磁場が、直線状に偏波しているものである。デュアルリッジ型ホーンアンテナを用いた場合、高負荷時において非常に広帯域な動作周波数帯域幅を得ることができる(例えば、約1GHzから約18GHz)。動作周波数帯域幅は、許容可能な性能が得られる周波数域として一般的に定義されている。
図1および図2は、従来のデュアルリッジ型ホーンアンテナ100(以下、単にアンテナ100という)を示す。このアンテナ100は、矩形状のハウジングの内部に互いに向かい合うように配置された、一対のアンテナ素子110(リッジまたはフィンともいう)を備えている。一対のアンテナ素子110は、それぞれ略凸形状の内面112と、略平面状の外面114を有して形成されている。さらに、アンテナ100は、側部が側壁120によって取り囲まれており、この側壁120によって長方形の開口面130が形成されるように構成されている。一対のアンテナ素子110は、外面114が側壁120に接するように固定されている。開口面130は、側壁120のベース部分140よりも大きな断面積を有するように構成されている。ベース部分140には、外縁が直方体をなす空洞構造150が取り付けられている。空洞構造150は、一般に、アンテナ100の給電領域の背後にシャントインダクタンス(shunt inductance)を設けるために配置されるものである。シャントインダクタンスは、給電領域においてハイパスマッチングを形成し、エネルギーがアンテナの背後から放射されるのを防止する。
ベース部分140は、図1に示すように、電源(図示せず)から同軸伝送線を介してアンテナ素子110へ電流を供給するための、1つまたは複数の入力端子(パワーコネクタ)160を備えている。フィード線170は、入力端子160(あるいは同軸伝送線)からアンテナ素子110へ電流を供給するものである。同軸伝送線からフィード線170にかけての部分は、アンテナ100の給電領域(アンテナ素子110にパワーが供給される領域または地点)の一部を構成することから、アンテナ100において重要な部分である。この給電領域にパワーが供給されると、電磁エネルギーが発生し、発生した電磁エネルギーはアンテナ100の外部へと放射される。アンテナ素子110の内面112は、放射エネルギーが、ベース部分140からスロート部分(throat)を経由して開口面130へ達し、この開口面130から外部へ放射される際にこの放射エネルギーを案内するように構成されている。
なお、上記の説明および例は、これらを本背景技術の項目で記載したことで公知の従来技術として自認したものではない。ホーンアンテナに関する公知の先行技術としては、例えば本出願人による特許文献1がある。
特開2005−312049号公報
上記したように、デュアルリッジ型ホーンアンテナには、非常に広い周波数帯域にわたって動作可能なものがある。例えば、EMCテストシステムで用いられるデュアルリッジ型ホーンアンテナの中には、およそ1GHzから18GHzの動作周波数帯域が得られるものもある。しかしながら、従来のデュアルリッジ型ホーンアンテナの構成では、これまで、18:1の帯域幅よりもはるかに広い帯域にわたる有効放射パターンを得ることができていないという課題がある。また、クワッドリッジ型ホーンアンテナでは、デュアルリッジ型ホーンアンテナと比較して、帯域幅限界が悪化してしまうという不具合がある。
クワッドリッジ型ホーンアンテナとは、基本的に、デュアルリッジ型ホーンアンテナの2偏向版であり、理想的には、クワッドリッジ型ウェイブガイドにおける2種類のモードの偏波における直交性を有効に活かすことによって機能する。このデュアルリッジ型ウェイブガイドの2つのポートにおける入射信号の位相と振幅との適正な関係を維持することで、円偏波した遠距離場を形成することができる。より一般的にはこのようなアンテナは、スイッチとともに用いられ、これにより互いに直交する2つの直線偏波が得られる。
実際には、特に給電領域において2つの偏波モードが結合することは避けられず、その結果、クワッドリッジ型ホーンアンテナとしての特性を損なうこととなる。空間の制限などをはじめとする給電領域の存在に伴う様々な問題点により、クワッドリッジ型ホーンアンテナでは、デュアル型やシングル型と同等の帯域を確保することが困難となっている。従来の最も良好なクワッドリッジ型ホーンアンテナであっても、動作可能な周波数領域は1GHzから10GHz程度である。
本発明はかかる問題に鑑みてなされたもので、その目的は、従来のホーンアンテナよりも広い有効動作周波数帯域を有するホーンアンテナおよびその製造方法を提供することにある。
上記した問題を解消するために、本発明のデュアルリッジ型またはクワッドリッジ型のホーンアンテナは、互いに対向して配置され、その挟間に電磁波を案内する少なくとも一対のリッジを備えている。この一対のリッジのうちの第1のリッジには、アンテナ給電領域に電力を供給し、またはこのアンテナ給電領域から信号を受け取る伝送線が結合されている。アンテナ給電領域における、一対のリッジのうちの第2のリッジの内部には、伝送線とリッジとの間のインピーダンス不整合を減少させるべく、インピーダンス整合回路網が設けられている。このインピーダンス整合回路網は、例えば、アンテナ給電領域において伝送線とリッジとの間に直列容量が形成されるように構成され、これにより、インピーダンス不整合が低減されるようになっている。
一つの例として、インピーダンス整合回路網は、伝送線から第1のリッジを通って、第2のリッジ内に形成されたノッチ部の内部へと延在する導電ピンを含むようにしてもよい。インピーダンス不整合を減少させるためにアンテナ給電領域において必要とされる直列容量は、導電ピンのうち、ノッチ部の内部に組み込まれた部分によって得られる。この導電ピンの部分は、開回路の伝送線スタブすなわち容量性スタブに相当する。ここで、容量性スタブの直径もしくは長さ、またはその両方を増加させることにより、この容量性スタブによって得られるキャパシタンスの量を増加させることができる。
導電ピンの直径は、伝送線の中心導体の直径とほぼ等しくなるようにしてもよい。この場合には、伝送線の中心導体の延長部分をそのまま導電ピンとして用いることができる。あるいは、導電ピンを、伝送線の中心導体とは別体として構成し、これを中心導体に取り付けるようにしてもよい。この場合には、導電ピンの直径が中心導体の直径よりも実質的に大きくなるようにすることも容易に可能となる。この場合、導電ピンは、中心導体の直径よりも大きいが一定の直径をもつ連続導体として構成してもよい。また、導電ピンは、2つの別個の部分を互いに結合して構成してもよく、例えば、導電ピンを、伝送線から第1のリッジを通ってノッチ部との境界まで延在する第1の部分と、この第1の部分に直接接続され、ノッチ部の内部に密閉される第2の部分と、を含むようにしてもよい。この場合には、第2の部分の直径を、第1の部分の直径よりも大きくしてもよい。
本発明のホーンアンテナでは、インピーダンス整合回路網が、アンテナ給電領域において導電ピンを固定させるとともに導電ピンとリッジとの間の物理的接触を防止する誘電体を含むようにしてもよい。この場合、誘電体は、伝送線から第1のリッジを通って延在し、第2のリッジ内に形成されたノッチ部の内部にまで達するように構成してもよい。また、誘電体は、導電ピンの末端部を覆うようにノッチ部の内部に密閉されるようにしてもよい。誘電体は、いずれの場合においても、上記容量性スタブによって得られるキャパシタンスの量を増加させるように機能し得る。十分な量のキャパシタンスが得られるようにするため、約2.0以上の比誘電率を有する誘電材料の群から選択した材料により誘電体を構成するようにしてもよい。例えば、誘電体を、合成フロロポリマー、架橋ポリスチレン、およびセラミック材料を含む誘電材料の群から選んだ材料で構成する事が可能である。
本発明のホーンアンテナの製造方法は、一対のリッジを、これらのリッジの内向面の挟間に電磁エネルギーが案内されるように配置する工程と、一対のリッジの第1のリッジを経由して延びる穴部に導電ピンを挿通する工程とを含む。この場合、導電ピンは、上記したような構成とすることができる。この製造方法はまた、導電ピンの一端をホーンアンテナのパワーコネクタすなわち入出力コネクタに接続する工程と、導電ピンの末端部が一対のリッジのうちの第2のリッジ内に形成されたノッチ部の内部に位置すると共に入出力コネクタが第1のリッジの外面と面一となるまで、導電ピンおよび入出力コネクタの組立体を、穴部の内部において前進させる工程とを含む。この場合において、導電ピンとコネクタとの組立体を穴部の内部において前進させる前に、ノッチ部の内部に誘電体すなわち誘電体プラグを挿入する工程を行うようにしてもよい。誘電体プラグを設けるようにした場合には、導電ピンの末端部がノッチ部の内部に固定されると共に導電ピンとリッジとの間の物理的接触が回避され、かつ、導電ピンのノッチ部の内部に組み込まれた部分によって得られる直列容量が増加する。
以上のように、本発明のホーンアンテナによれば、アンテナ給電領域における第2のリッジの内部に、第1のリッジに結合された伝送線と一対のリッジとの間のインピーダンス不整合を減少させるインピーダンス整合回路網を組み込むようにしたので、インピーダンス不整合が低減され、動作周波数帯域を拡大することができる。
また、本発明のホーンアンテナの製造方法によれば、第1のリッジを通って延びる穴部に導電ピンを挿通し、導電ピンの一端を入出力コネクタに接続すると共に、導電ピンの末端部が第2のリッジ内のノッチ部の内部に位置すると共に入出力コネクタが第1のリッジの外面と面一となるまで導電ピンおよび入出力コネクタの組立体を穴部の内部において前進させるようにしたので、インピーダンス不整合の低減によって動作周波数帯域が拡大されたホーンアンテナを製作することができる。
従来のデュアルリッジ型ホーンアンテナの構造を示す側面図である。 図1に示したデュアルリッジ型ホーンアンテナの構造を示す上面図である。 フィード線とウェイブガイドとがオーム接続により直接結合された、比較例に係るデュアルリッジ型ホーンアンテナの構造を示す断面図である。 図3Aに示したデュアルリッジ型ホーンアンテナのベース部分を示す拡大断面図である。 図3Aおよび図3Bに示したデュアルリッジ型ホーンアンテナによって得られる周波数伝達関数の大きさを表すグラフである。 図3Aおよび図3Bに示すデュアルリッジ型ホーンアンテナによって得られる周波数伝達関数の位相を表すグラフである。 導電ピンとリッジとが容量結合を介して間接的に結合するように構成された本実施の形態に係るデュアルリッジ型ホーンアンテナの構造を示す断面図である。 図5Aに示したデュアルリッジ型ホーンアンテナのベース部分の一構成例を示す拡大断面図である。 図5Aに示したデュアルリッジ型ホーンアンテナのベース部分の他の構成例を示す拡大断面図である。 図5Aに示したデュアルリッジ型ホーンアンテナのベース部分のさらに他の構成例を示す拡大断面図である。 図5Aに示すデュアルリッジ型ホーンアンテナのベース部分のさらに他の構成例を示す拡大断面図である。 図5Aに示すデュアルリッジ型ホーンアンテナのベース部分のさらに他の構成例を示す拡大断面図である。 図5Aに示すデュアルリッジ型ホーンアンテナのベース部分のさらに他の構成例を示す拡大断面図である。 図5Aに示すデュアルリッジ型ホーンアンテナのベース部分のさらに他の構成例を示す拡大断面図である。 図5Aに示すデュアルリッジ型ホーンアンテナのベース部分のさらに他の構成例を示す拡大断面図である。 図3Aに示した比較例に係るデュアルリッジ型ホーンアンテナの入力電圧定在波比と、図5Aに示した本実施の形態に係るデュアルリッジ型ホーンアンテナの入力電圧定在波比とを対比して表すグラフである。 図3Aのデュアルリッジ型ホーンアンテナの反射減衰量と、図5Aのデュアルリッジ型ホーンアンテナの反射減衰量とを対比して表すグラフである。 図3Aのデュアルリッジ型ホーンアンテナの周波数伝達関数と、図5Aのデュアルリッジ型ホーンアンテナの周波数伝達関数とを対比して表すグラフである。 図3Aのデュアルリッジ型ホーンアンテナの利得と、図5Aのデュアルリッジ型ホーンアンテナの利得とを対比して表すグラフである。 本実施の形態に係るデュアルリッジ型ホーンアンテナの製造方法の一例を表す流れ図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図5A〜図5Iは、本発明の実施の形態におけるデュアルリッジ型ホーンアンテナのいくつかの例を表すものである。詳細は後述するが、本実施の形態のアンテナ構造は、デュアルリッジ型ホーンアンテナまたはクワッドリッジ型ホーンアンテナにおける、少なくとも1つの「リッジ」の内部にインピーダンス整合回路網を組み込むことにより、従来のアンテナ構造と比較して改善を図ったものである。このインピーダンス整合回路網は、アンテナ給電領域(フィードポイント)における、同軸伝送線とリッジとの間のインピーダンス不整合を低減することによって、動作周波数帯域の低周波数端における改善をもたらすものである。
以下に説明する実施の形態では、基本的に、インピーダンス整合回路網が、導電フィード線(すなわち、導電ピン)を含む。この導電ピンは、同軸伝送線から、複数のリッジのうちの第1のリッジを通って、複数のリッジのうちの第2のリッジの内部に形成されたノッチ部の内部へと延在している。導電ピンの長さおよび直径は、導電ピンがリッジと物理的に接触することなく容量結合を介してリッジと間接的に結合するように選択される。また、ノッチ部の内部に誘電体を設けることにより、容量結合を増加させるとともに導電ピンをノッチ部の内部に固定するようにすることもできる。
上記したインピーダンス整合回路網を他の広帯域ホーンアンテナの改善例と組み合わせてもよいことは容易に理解できるであろう。そのような改善例は、本実施の形態や、あるいは本発明者による特許または特許出願に開示されている。例えば、本実施の形態に記載した改善例と、同一出願人による米国特許第7,161,550号明細書(特開2005−312049)に記載の1つ以上の改善例とを組み合わせてもよい。ただし、開示されているすべての改善例を、必ずしも本発明の各実施の形態に含めなければならないものではなく、上記に開示の改善例のうちの1つのみ、または場合によっては複数の改善例を、本発明のいくつかの実施の形態に含めるようにしてもよい。なお、当業者であれば、図面や本明細書で必ずしも明記されていない他の実施の形態を生み出すための本発明の各種態様の組み合わせ方を、容易に理解することができるであろう。本発明は、そのような考え得る組み合わせのすべてを包含することを意図している。
ここではまず、本実施の形態についての説明に先立ち、比較例(図3A〜図4B)について説明する。
<比較例>
図3Aは、比較例に係るホーンアンテナの断面構造を表すものである。このホーンアンテナ200は、互いに対向して配置された少なくとも2つのリッジ(以下、「フィン」と称する場合もある)210を有する。リッジ210は、ホーンアンテナ200から放射された電磁(EM:ElectroMagnetic)エネルギーを案内し、あるいは、ホーンアンテナ200によって捕捉された電磁エネルギーを案内(guide)するためのものである。リッジ210は、電磁エネルギーの案内に適切と考えられるほぼ任意の形状とすることができる。例えば、図3Aに示すように、リッジ210は、曲面をなす内面212と、ほぼ平面をなす外面214とを有するようにしてもよい。なお、外面214の構成はさほど重要ではない(構造を簡素化するためには平面状にするのがよい)が、内面212の外形は、ホーンアンテナ200から放射された電磁エネルギーを案内する(導く)ように機能するものであることが好ましい。但し、ここに明記していない他のリッジ210の形状を用いてもよい。リッジ210は、その形状が決定したならば、ほぼ任意の導電性材料により構成可能である。リッジ210を構成するために用いられ得る材料の一例としては、アルミニウムが挙げられる。但し、ここに明記していない他の材料を用いてもよい。
一つのやり方として、リッジ210を独立した別個の導電性プレートとして形成し、後述する方法で一体に組み立てるという方法がある。他のやり方として、2つのリッジ210を合わせた輪郭全体を、これらの2つのリッジが互いに対向配置された状態となるように切り出して、2つのリッジ210全体を、導電性材料からなる1つの連続体として形成するようにしてもよい。2つのリッジ210を設ける構成とする場合には、図3Aに示すように、リッジ210を他のアンテナ部品(以下に説明する)と組み合わせることで、デュアルリッジ型ホーンアンテナ(以下、デュアルリッジ型ウェイブガイドと称する場合がある)が形成される。なお、ここでは明確に図示はしていないが、2つのデュアルリッジ型のホーンアンテナ200を一緒に配置し、隣り合うリッジ210同士がほぼ90度離れて配置(または形成)されるようにすることにより、クワッドリッジ型ホーンアンテナを構成することも可能である。そのようなクワッドリッジ型ホーンアンテナは、一般に、2つの入出力ポートを有する。
デュアルリッジ型であるとクワッドリッジ型であるとを問わず、リッジ210は、ホーンアンテナ200のベース部分220において密接に結合するとともに互いに湾曲しつつ離反することにより、ベース部分220の空洞構造240よりもわずかに大きな開口面230を形成するようになっている。一例として、空洞構造240は、例えば直方体をなす箱体形状とし、これと同様の形状を有するベース部分220と一体的に形成するか、あるいはこのベース部分220と一体的に結合するように構成される。この空洞構造240を設ける場合には、ホーンアンテナ200の給電領域280の背後にシャントインダクタンス(shunt inductance)が形成されるように構成する。このシャントインダクタンスは、ホーンアンテナ200の背後からのエネルギー放射を防止し、給電領域280に配置されたインピーダンス整合回路網の機能に寄与する。空洞構造240は、さらに、以下に述べるような構成となっている。
図3Aに示すように、ホーンアンテナ200のベース部分220には、少なくとも1つのコネクタ260が結合している。コネクタ260は、基本的に、リッジ210にパワーを供給し、あるいはリッジ210から信号を受け取るために設けられている。コネクタ260は、送信モードでは、電力源(図示せず)から同軸伝送線250を介してリッジ210に電流を供給し、受信モードでは、放射信号を受信した際にリッジ210によって生じた電流を受け取るようになっている。コネクタ260は、「パワーコネクタ」または「入出力コネクタ」として機能するものである。単一のコネクタ260が用いられる場合、同軸伝送線250とリッジ210の給電領域280との間に電流を流すために導電ピン(導電フィード線)270が用いられる。なお、本明細書において「給電領域」とは、パワーがリッジ210に供給される地点を意味している。
図3Aおよび図3Bに示すように、導電ピン270は、コネクタ260から、複数のリッジ210のうちの第1のリッジと、この第1のリッジと第2のリッジとの間を隔てるギャップ(間隙)とを通って延在し、第2のリッジの内面212まで達している。導電ピン270の一端は、同軸伝送線250に電流を流し、または同軸伝送線250からの電流を流すべく、コネクタ260に接続されている。導電ピン270の他端(末端部)は、給電領域280に電流を流し、または給電領域280からの電流を流すべく、第2のリッジの内面212に接続されている。具体的には、導電ピン270の末端部は、第2のリッジの内面212と直接的かつ物理的に接続されるように構成されている。そのような直接的かつ物理的な接続は、導電ピン270の末端部と第2のリッジの内面212とを、所望の給電点で半田付けすることによって得ることができる。
図3Aおよび図3Bに示したホーンアンテナの構成例は、いくつかの用途に対しては適切であるものの、すべての用途に対して最良の解決手段を提供するものではない可能性がある。例えば、この実施の形態ではかなり広帯域な帯域幅(例えば、約18:1の帯域幅)を得ることができるが、動作周波数帯域は、その上端および下端が、以下に述べる2つの主要なメカニズムによって制限されてしまう。これは、超広帯域用途(すなわち、18:1の帯域幅を超える用途)に対しては望ましいものではない。
動作周波数帯域の下端は、ウェイブガイドの形状(すなわち、リッジ210の形状)と、給電領域280の背後に配置された空洞構造240の寸法および形状とによって制限される。例えば、図3Aおよび図3Bに示すデュアルリッジ型ウェイブガイドは、動作周波数がその基本モードの遮断周波数を下回った際に、直流短絡(入力インピーダンスがほぼゼロの状態)を形成し易い。十分に低い周波数では、空洞構造240もまた直流短絡を形成する。しかしながら、同軸伝送線250は、給電領域280に対してゼロを上回る入力インピーダンス(通常は約50オーム)を与えている。その結果、給電領域280において著しいインピーダンス不整合が生じ、動作周波数帯域の下端が制限されてしまう。
動作周波数帯域の上端では、給電領域280の背後の空洞構造240が、その給電領域280において短絡に近い入力インピーダンスを与えるように共振する。具体的には、空洞構造240は、ホーンアンテナ200の動作周波数が限りなく増加するにしたがって、多数の(実際には無数の)共振を示す。ここで特に注目すべき共振は、開回路の共振である基本共振モードではなく、むしろ、給電領域280の近傍においてゼロの電場を示す特定の共振モードである。このモードは、(例えば、図4Aおよび図4Bに示すように)ホーンアンテナ200の周波数応答において顕著にV字状に落ち込んだ部分(以下、V字状部分という。)を生じ、これにより動作周波数帯域の上端が制限されてしまう。また、このV字状部分は、ホーンアンテナ200の入力リターン損失にも見ることができる(図示せず)。これは、ほぼすべての入力パワーが、ゼロに近い入力インピーダンスによって反射してしまうからである。
場合によっては、給電領域280の背後の空洞構造240のサイズを小さくすることにより、V字部分が生ずる周波数を、より高域にシフトさせることも可能である。しかしながら、このようにすると、給電領域280におけるインピーダンス不整合が増加し、低周波域での応答特性が損なわれ易くなってしまう。すなわち、空洞構造240のサイズを小さくすると、基本共振の下側のキャビティウェル(cavity well)を表す等価シャントインダクタンスが低下する。シャントインダクタンスが減少すると、給電領域280側から見た入力インピーダンスが、より大きいサイズの空洞の場合よりも高い周波数で短絡状態に陥ってしまい、これによりホーンアンテナ200の低周波応答が制限されてしまう。
図4Aおよび図4Bは、図3Aのデュアルリッジ型ホーンアンテナ200によって得られる周波数応答の大きさと位相とをそれぞれ表すグラフである。これらのグラフは、ホーンアンテナ200によってかなり大きな帯域幅(およそ1GHz〜18GHz)が得られているものの、動作帯域幅の上端および下端はいくつかの要因によって制限されていることを示している。ここでいう要因には、給電領域280の背後にある空洞構造240の挙動や、給電領域280において低インピーダンスを示す空洞共振(これは反射を発生させることにより放射パワーの減少を招く)が含まれる。
また、図3Aに示したデュアルリッジ型ホーンアンテナ200は、帯域幅が制限されていることに加え、導電ピン270とリッジ210との間が直接的かつ物理的に接続されている。これは、以下の2つの理由から問題となり得る。
第1の問題として、導電ピン270とリッジ210との間を物理的に接続するには、加工がやや難しいことが挙げられる。上記したように、この物理的接続は、一般的に、導電ピン270の末端部と第2のリッジの内面212とを半田付けすることによって形成される。しかしながら、導電ピン270とリッジ210とは、異なる材料から構成されている場合が多い。(例えば、導電ピン270が金めっきした真鍮または銅で、リッジ210がアルミニウム)。そのため、導電ピン270とリッジ210との2つの面を半田付けの手法を用いて接続した際に、強力な接合または高い導電性接合が得られない場合がある。インピーダンス整合を目的とする場合には、付随的なインダクタンスを伴う凹状の同軸穴(re-entrant coaxial hole)を意図せずに形成してしまうことがないように、リッジ210の表面に接続点を形成することが重要である。
第2の問題は、コネクタ260に導電ピン270の長手方向の力が加わった場合、コネクタ260のソケット部が変位し、これによりコネクタ260においてインピーダンスの不整合が生じることである。コネクタ260は、非常に高品質なものでさえ、導電ピン270に加わる長手方向の力に対しては耐性がない。このため、導電ピン270と第2のリッジとの間を直接的かつ物理的に接続する手段が著しく制限されてしまう。
以上の理由から、以下に述べるような改良を行うのが好ましい。
<実施の形態>
図5A〜図5Fは、本発明の実施の形態に係るデュアルリッジ型ホーンアンテナの構成例を表すもので、図3Aに示したホーンアンテナ200にいくつかの改良を加えたものである。このホーンアンテナ300は、デュアルリッジ型ホーンアンテナまたはクワッドリッジ型ホーンアンテナにおける少なくとも1つのリッジ310の内部にインピーダンス整合回路網を組み込んだものであり、これにより、比較例のアンテナ構造(図3Aのホーンアンテナ200)と比較して改善がなされている。
このインピーダンス整合回路網は、後述するように、給電領域380における、同軸伝送線350とホーンアンテナ(リッジ310)との間に存在し得るインピーダンス不整合を低減または除去することによって、動作周波数帯域の下端を改善するように機能する。場合によっては、インピーダンス不整合が少なくなれば、例えば給電領域380の背後の空洞構造340のサイズを小さくすることにより、動作周波数帯域の上端を拡大することも可能となる。
このインピーダンス整合回路網の他の利点として、導電ピン370とリッジ310との間の直接的かつ物理的な接続を要しないやり方でインピーダンス整合回路網を設けることができる点があげられる。これにより、製造が大幅に簡素化されるとともに、例えばコネクタ360に加わる長手方向の力に起因する機械的・電気的な不安定さを排除することができる。
図5Aに示したホーンアンテナ300の基本的な構成は、図3Aに示したホーンアンテナ200と同様である。例えば、ホーンアンテナ300は、互いに対向して配置された少なくとも2つのリッジ310を有するように構成されている。リッジ310は、ホーンアンテナ300から放射された電磁エネルギーを案内し、あるいは、ホーンアンテナ300によって捕捉された電磁エネルギーを案内する。上記したように、リッジ310は、ホーンアンテナ300を介して電磁エネルギーを案内するために適切と考えられる、ほぼ任意の材料によってほぼ任意の形状を有するように構成される。リッジ310は、それぞれが独立した別個の導電性プレートを上記した方法により一体に組み立てることにより構成するようにしてもよいし、あるいは、導電性材料からなる1つの連続体として成形されるようにしてもよい。適切な数のリッジ310を設けることにより、図5Aに示したようなデュアルリッジ型ホーンアンテナ300、あるいは、図示しないクワッドリッジ型ホーンアンテナが形成される。
デュアルリッジ型であるとクワッドリッジ型であるとを問わず、リッジ310は、ホーンアンテナ300のベース部分320において密接に結合するとともに互いに湾曲しつつ離反することにより、ベース部分320の空洞構造340よりもわずかに大きな開口面330を形成するようになっている。一例として、ホーンアンテナ300の給電領域380の背後にシャントインダクタンスが設けられるようにするために、空洞構造340を、例えば直方体をなす箱体形状にして、これと同様の形状のベース部分320と一体的に形成するか、あるいはこのベース部分320と一体的に結合させるようにする。上記したように、シャントインダクタンスは、給電領域380においてハイパスマッチングをもたらし、エネルギーがホーンアンテナ300の背後から放射されるのを防止する。この空洞構造340は、さらに、以下に述べるように構成される。
図5Aに示したように、ホーンアンテナ300のベース部分320には、リッジ310にパワーを供給し、あるいはリッジ310から信号を受け取るための少なくとも1つの入出力コネクタ360が結合している。入出力コネクタ360は、例えばホーンアンテナ300が送信モードにある場合、電力源(図示せず)から同軸伝送線350を介してリッジ310に電流を供給するようになっている。また、上記実施の形態と同様に、同軸伝送線350からリッジ310の給電領域380に電流を流すための導電ピン(導電給電線)370が設けられている。導電ピン370の一端は、同軸伝送線350からの電流を受け取るべく、入出力コネクタ360に接続されている。しかしながら、導電ピン370の他端(末端部)は、上記した比較例とは異なり、第2のリッジの内向面312と直接的かつ物理的に接続されるように構成されてはいない。
その代わりに、導電ピン370は、入出力コネクタ360から、複数のリッジ310のうちの第1のリッジと、この第1のリッジおよび第2のリッジの間を隔てさせるギャップとを通って延在し、第2のリッジの内部に形成されたノッチ部390の内部へと達している。このノッチ部390は、適切と考えられるほぼ任意の態様で、ほぼ任意の幾何学的構造を有するように形成される。一例として、ノッチ部390は、第1のリッジを通って第2のリッジの一部へと延在する穴をドリル加工により穿孔することによって形成される。他の例として、ノッチ部390もしくは穴部またはその両方を、例えばリッジ310が初めて切り出されまたは成形される際に、リッジ310の初期形状の中に前もって作り込んでおくようにしてもよい。
ノッチ部390の形成方法の如何を問わず、ノッチ部390および導電ピン370は、導電ピン370がリッジ310の表面に接触しないように構成されている。図3Aおよび図3Bに示したホーンアンテナ200では直接的・物理的接続手法が用いられていたが、それとは異なり、図5A〜図5Fに示した導電ピン370は、給電領域380において、同軸伝送線350とリッジ310との間に容量接続を形成している。具体的には、導電ピン370のうちノッチ部390の内部に組み込まれた部分が、開回路の伝送線スタブ(以下、容量性スタブ部分と称する場合もある)を構成している。この容量性スタブ部分は、給電領域380において、同軸伝送線350とリッジ310との間に直列容量を形成するものである。本実施の形態では、容量性スタブ部分によって得られる直列容量によって、動作周波数帯域の下端を改善するために必要とされるインピーダンス整合を得ることができる。
ホーンアンテナを構成する場合、動作周波数帯域の下端において、十分ではあるが過度ではない容量性リアクタンスを得るために、比較的大きなキャパシタンスが必要となることがある。ここで、適度な大きさのキャパシタンスを得るためには、いくつかの方法がある。第1に、凹状(リエントラント形状)のスタブを用いる場合、その凹状スタブの内径(di)の値と外径(do)の値とを比較的近づけることにより、比較的大きなキャパシタンスを得ることができる。この場合には、表面積が最大限となることにより、容量結合が増加する。そして、例えば以下の(1)式で示すように、導電ピン370とその各外壁とによって形成される伝送線の特性インピーダンス(Zostub)が小さくなって、給電領域380におけるインピーダンス整合が改善される。
例えば、導電ピン370によって形成される伝送線スタブの特性インピーダンス(Zostub)は、(1)式により与えられる。ここで、L1は分布インダクタンス(H/m)であり、C1は分布容量(F/m)である。
Figure 2010041730
また、伝送線スタブは、以下の(2)式で表わされる位相速度を示す。
Figure 2010041730
伝送線スタブが空気誘電体を有している場合、比誘電率および比透磁率は「1」であり、位相速度は、単に、自由空間における光速c0となる。よって、導電ピン370の分布容量(C1)は、以下の(3)式によって表すことができる。
Figure 2010041730
(3)式は、導電ピン370の内径(di)と外径(do)とを近づけることによって、単位長さ当たりのキャパシタンスが上昇し、伝送線スタブの特性インピーダンス(Zostub)が低下することを示している。これにより、以下の(4)式で表わされるように、伝送線スタブの駆動点インピーダンス、すなわち入力インピーダンス(Zstub)が減少する。
Figure 2010041730
(4)式に示した入力インピーダンス(Zstub)は容量性であり、伝送線スタブが1/4波長長さ未満である場合に、キャパシタンスCstubと等しくなる。
場合によっては、以下の(5)式に示すように、容量性スタブの長さを増加させることによって、容量性スタブ(第2のリッジの内部に組み込まれた導電ピン370の部分)への入力インピーダンス(Zstub)を低下させることができる。
Figure 2010041730
この場合、容量性スタブが示す実効キャパシタンスCstub((4)式を参照)が減少するものの、容量性スタブの長さが増加するので、容量性スタブの半波長共振周波数(開回路の伝送線スタブが開放に近くなる周波数)が低下する。これにより、容量性構造体の上限周波数が低下し、その結果、ホーンアンテナ300の上限周波数が低下してしまう。したがって、ホーンアンテナ300の上限周波数が悪影響を受けないようにするため、半波長共振周波数がホーンアンテナ300の所望の上限周波数を上回ることとなるように容量性スタブの長さを適切に選択するのが好ましい。
容量性スタブの内径寸法と外径寸法との比は、一般的には機械加工性能によって制限されることから、容量性スタブの長さを制限すると、容量性スタブによって得られる実現可能なキャパシタンスが限定される場合が多い。但し、このキャパシタンスは、他の形のキャパシタンスを用いることによって増加させることができる。
実際には、導電ピン(容量性スタブ)370は、3つの別個の成分を含む実効キャパシタンスを与える。第1に、容量性スタブ370は、容量性スタブ370の表面とノッチ部390の表面との間に、容量性スタブ370の長さ方向に沿って上記した分布キャパシタンスをもたらしている。この形態のキャパシタンスは、容量性スタブ370の長さに直接依存し、長さに応じて増減する。第2に、実効キャパシタンスは、容量性スタブ370の端部とノッチ部390の内面の端部との間に、平行板キャパシタンスを含んでいる。この平行板キャパシタンスは、容量性スタブ370とノッチ部390との対向面間のギャップを増減させることによって調整可能である。第3に、実効キャパシタンスは、容量性スタブ370の「コーナー部」近傍のフリンジ電界からの寄与成分を含んでいる(フリンジキャパシタンスと称する)。このフリンジキャパシタンスは、容量性スタブ370のコーナー部の形状を鋭くしたり、丸みを帯びた形状とすることによって適宜増減可能である。容量性スタブ370の形状および長さに応じて、以上の3つの寄与成分を適宜活用することにより、容量性スタブ370の実効キャパシタンスを増加させることができる。
[変形例]
(誘電体を追加する態様)
必要に応じて、例えば図5Bおよび図5Cに示すように、容量構造に誘電体を追加することにより、キャパシタンスをさらに増加させることができる。その一例として、図5Bに示すように、第2のリッジの内部に形成されたノッチ部390内に誘電体400を密閉する構成とすることができる。他の例として、図5Cに示すように、穴部およびノッチ部390の双方にわたって誘電体400が延在するように構成してもよい。具体的には、誘電体400を、入出力コネクタ360から第1のリッジを通って、第2のリッジ内に形成されたノッチ部390の内部へと延びるように設けてもよい。これらのいずれの例も利用可能であるが、図5Bに示した例の方が好ましい場合がある。図5Bに示した例は、図5Cのものよりもやや堅牢な上、リッジ間のギャップ内に誘電体400を用いる必要がないからである(ギャップ内にこれを用いることによって、多少の悪影響が生じる可能性がある)。
誘電体400は、導電ピン370の末端部をノッチ部390の内部に固定するとともに導電ピン370とリッジ310との間の物理的な接触を防止するという機能に加え、容量性構造体(導電ピン370)の比誘電率(εR)を増加させることにより容量性スタブ(導電ピン)370の実現可能キャパシタンスを増加させるという機能をも有する。誘電体400としては、様々な誘電材料を用いることができるが、十分なキャパシタンスを得るため、実施の形態においては、約2.0よりも高い比誘電率を有する誘電材料を用いることが好ましい。誘電体400としては、例えば、合成フロロポリマー(PTFE等)、架橋ポリスチレン(レクソライト(登録商標)等)、およびセラミック材料(アルミナ(商標名)、ベリリア、またはチタン酸バリウム)が候補材料として挙げられる。但し、本実施の形態で明記されていない他の誘電材料を用いてもよい。
上記したように、入力インピーダンス(Zstub)を減少させるとともに容量性スタブによってもたらされる直列容量を増加させるためには、導電ピン370の長さ(lstub)を長くすればよい。しかしながら、導電ピン370の長さは、半波長共振周波数がホーンアンテナ300の所望の上限周波数を上回ることを確保しつつキャパシタンスを最適化するために利用可能な唯一の寸法というわけではない。以下において図5D〜図5Fを参照して説明するように、導電ピン370の直径を利用することも可能である。
(導電ピンの形状に関する態様)
図5D〜図5Fは、導電ピン370の形状(主として直径)に関するいくつかの態様を表すものである。
一例として、図5Dに示したように、導電ピン370は、入出力コネクタ360から第1のリッジを通って、第2のリッジ内に形成されたノッチ部390の内部へと延びる、一定の直径を有する単線の導体とすることができる。導電ピン370の直径は、同軸伝送線350の内部に設けられた中心導体350aの直径とほぼ等しくしてもよい。この場合には、中心導体350aの延長部分をそのまま導電ピン370として用いるようにしてもよい。
また、例えば図5Eに示したように、導電ピン370の直径を、中心導体350aの直径よりも実質的に大きくしてもよい。この場合には、導電ピン370を、入出力コネクタ360の位置において中心導体350aと電気的に結合させる必要があるが、容量性スタブのキャパシタンスを増加させるためには、導電ピン370の直径が大きいことが望ましい。ただし、導電ピン370の直径と長さとを選択する際には、双方とも容量構造の半波長共振周波数に影響を及ぼすため、注意を要する。
単線導体から形成された導電ピン370は高い機械的安定性を有するが、例えば図5Fに示したように、導電ピン370をいくつかの断片から構成するようにしてもよい。図5Fは、別個に形成され半田付け等によって互いに結合された2つの導体を含む導電ピン370を示している。図5Fに示した例では、製造が複雑化する可能性があるものの、末端部(容量性スタブ部分370b)の直径を、それ以外の導電ピン370の部分(第1のリッジとギャップとを通じて延びる延在部分370a)よりも大きくすることができる。これにより、導電ピン370の容量性スタブ部分370b以外の部分370aと入出力コネクタ360との間の接続を簡単にしつつ、容量性スタブ部分370bによって得られるキャパシタンスが増加する。
なお、図5Fでは、延在部分370aの直径が中心導体350aの直径よりも大きいものとして図示している。しかしながら、中心導体350a、延在部分370a、および容量性スタブ部分370bのそれぞれの直径を適宜選択することにより、製造を簡単にすると共に中心導体350aとリッジ310との間のインピーダンス整合を最適化し得ることは容易に理解できるであろう。
また、場合によっては、導電ピン370の直径や、この導電ピン370が通る穴(第1および第2のリッジを通じて延びる穴)の直径、またはその両方をテーパ状とする(漸減させる)ようにしてもよい。この場合には、ホーンアンテナ300の同軸伝送線350と給電領域380との間に、広帯域のインピーダンス変成器が形成される。例えば、給電領域380における、ホーンアンテナ300のリッジ310間に存在するギャップを小さくすることが有益である場合がある。ギャップを小さくすることにより、給電領域380における高次モードが抑制されるとともに、(デュアルリッジ型ウェイブガイドにおける、TE10ハイブリッドモード、所望の動作モードの遮断周波数が低下する結果として)動作周波数帯域の下端がより小さくなるという利点が得られるからである。
ギャップが小さくなると、給電領域380におけるインピーダンスレベルが低下する。そこで、広帯域のインピーダンス変成器を用いて、同軸伝送線350のインピーダンス(一般的には50Ω)をより低いレベルに減少させることが必要となる。そのようなインピーダンス変成器を得るには、入出力コネクタ360からノッチ部390の方向に向かうにしたがって、導電ピン370の直径、穴の直径、またはその両方がテーパ状となる(漸減する)ようにするとよい。このテーパ形状は、入出力コネクタ360からノッチ部390の方向に向かって、滑らかに移行するか、あるいは段階的に移行するように構成することができる。ただし、実際にテーパ形状を形成するには、以下のような様々な方法がある。
(穴形状の態様)
図5G〜図5Iは、入出力コネクタ360からノッチ部390へと延びる穴の形状に関し、広帯域インピーダンス変成器の様々な例を表すものである。
図5Gは、入出力コネクタ360からノッチ部390へと延びる穴の径が比較的滑らかに移行する例を示している。図5Hは、入出力コネクタ360からノッチ部390へと延びる穴の径が段階的に移行する例を示している。図5Iは、穴と導電ピン370の双方がテーパ状である例を示している。なお、ここに明記した態様とは実質的に異なる態様で導電ピン370や穴またはその両方をテーパ状にした場合であっても、適切なインピーダンス変成量が得られること、およびその実現方法を理解することは可能であろう。一例として、導電ピン370、穴、またはその両方を、指数関数的または急激に変化するテーパ状に形成するようにしてもよい。他の例としては、導電ピン370、穴、またはその両方の一部分のみをテーパ状としてもよい。あるいは、導電ピン370のうち、第1のリッジおよびギャップを通じて延びる部分をテーパ状とすると共に、ノッチ部390の内部に設けられた部分をほぼ一定の径としてもよい。このような広帯域インピーダンス変成器の態様は、他にも多数考えられ、上記したものには限定されない。
(アンテナ特性)
図6A〜図6Dは、本実施の形態のデュアルリッジ型ホーンアンテナ300によって得られる各種特性の改善例をデュアルリッジ型ホーンアンテナ200の場合と比較して表すものである。図6A〜図6Dに示すグラフを得るために使用した各アンテナ構造(ホーンアンテナ200,300)は、デュアルリッジ型ホーンアンテナ300が上記した直列容量を含むように改変されていること以外は、ほぼ同一である。各デュアルリッジ型ホーンアンテナには、小型化した空洞構造を設けることにより、動作周波数帯域の上端において好ましい周波数応答が得られるようにしている。給電領域の背面に設けられた空洞構造のサイズを小さくすると必然的に反射減衰量が増加するが、周波数帯域の上端における性能の改善を得るためには、空洞構造サイズの縮小が必要である。
図6Aおよび図6Bは、比較例のホーンアンテナ200(空洞構造を小型化し、給電領域において直接接続したもの)と、本実施の形態のホーンアンテナ300(空洞構造を小型化し、給電領域に直列容量を形成したもの)とによって得られる、入力電圧定在波比(VSWR:Voltage Standing Wave Ratio)および反射減衰量(RL:Return Loss)をそれぞれ比較して表したものである。入力電圧定在波比および反射減衰量は、いずれも、ホーンアンテナの入力ポートに入射したパワーがいくら反射したかを表している。入力電圧定在波比および反射減衰量の値が小さいことは、良好な性能であることを示している。図6Aおよび図6Bに見られるように、ホーンアンテナ300の給電領域380に用いられている直列容量の存在により、入力電圧定在波比と反射減衰量の双方が減少していることがわかる。
図6Cおよび図6Dは、比較例のホーンアンテナ200と、本実施の形態のホーンアンテナ300とによって得られる、周波数伝達関数(frequency transfer function)の大きさ(magnitude)および利得(gain)をそれぞれ比較して表したものである。
図6Cに見られるように、ホーンアンテナ300内で用いられている直列容量によって、周波数帯域の下端領域にわたっておよそ1dB〜2dBの改善が得られている。また、図6Dに示したように、直列容量の存在により、動作周波数帯域のほぼ全域にわたって利得が増加している。なお、図6Dは、各ホーンアンテナによって得られる「不整合を伴う利得(gain with mismatch)」の量を示している。この「不整合を伴う利得」(Geffective)は、前述した「利得」とは異なり、利得(G)にいわゆる「整合効率(matching efficiency)」を乗じたもので、以下の(6)式によって表される。
Figure 2010041730
整合効率は、「1」から反射減衰量を差し引いたものであり、ホーンアンテナが受け取ったパワーの量を表している。図6Dに見られるように、デュアルリッジ型ホーンアンテナ300は、ホーンアンテナ200と比較して約1dB〜2dB程度高い「不整合を伴う利得」をもたらすことができる。
図7は、本実施の形態のデュアルリッジ型またはクワッドリッジ型ホーンアンテナの製造方法の一例を表すものである。ここに示した方法は、特に、インピーダンス整合回路網を、デュアルリッジ型またはクワッドリッジ型ホーンアンテナのリッジの内部に組み込む一態様を提供するものである。ただし、本実施の形態で明記されていない他の方法を用いた場合においても、例えば図5A〜図5F等に示したデュアルリッジ型またはクワッドリッジ型ホーンアンテナを構成することができることは理解できるであろう。
図7に示したように、この一連の製造工程は、一対のリッジを設けることから始まる。具体的には、まず、一対のリッジを、これらのリッジの内向面の挟間に電磁エネルギーが案内されるように配置する(ステップS500)。この際、上記したように、各リッジを独立した別個の導電性プレートとして形成し、その後これらを一体に組み立てるようにしてもよいし、あるいは、2つのリッジ210を合わせた輪郭全体を、これらの2つのリッジが互いに対向配置された状態となるように、一枚の板状導電体から切り出すことにより、導電性材料からなる1つの連続体として1対のリッジを成形するようにしてもよい。リッジは、電磁エネルギーを案内するのに適切と考えられる任意の材料を用いて任意の形状を有するように形成可能である。例えば、リッジは、約9mmの厚さを有するアルミニウムのプレートから機械加工により切り出すことが可能である。但し、リッジは、様々な製造プロセス(例えば、鋳造法を用いてもよい)や、種々の材料を用いて形成することが可能であり、上記した機械加工プロセスは、そのような数多くの異なる製造のうちの一例を示したに過ぎない。
次に、複数のリッジのうちの第1のリッジを通って延びる穴に導電ピンを挿通する(ステップS510)。この穴形状は、任意の態様で形成可能であるが、例えば、第1のリッジを通って第2のリッジの一部にまで達するように機械加工またはドリルにより穿孔することにより形成してもよい。あるいは、リッジを機械加工によって切り出す際、あるいはモールド成形によりリッジを形成する際に、その初期形状の中に予め穴形状を作り込むようにしてもよい。導電ピンは、任意の導電性材料を用いて構成可能であるが、(特に動作周波数帯域の上端において)高伝導率を示すような任意の他の導電性材料を含んでもよい。例えば、ベリリウム銅を高温まで熱処理したのち銀めっきを施すことにより、導電ピンを形成してもよい。
次に、導電ピンの一端を、ホーンアンテナのパワーコネクタすなわち入出力(I/O)コネクタに接続する(ステップS520)。この接続ステップでは、例えば、半田付け、溶接、またはボンディング技術を用いて、導電ピンの一端を入出力コネクタに固着させることが可能である。一方、導電ピンの一端は、NコネクタまたはAPC−3.5コネクタの背後から突出したソケット、ピンまたは端子に半田付けする。但し、同軸伝送線の中心導体を入出力コネクタのジャックまたはコレット内に差し込むことにより、導電ピンを同軸伝送線の中心導体に接続するようにしてもよい。ただし、上記したNコネクタまたはAPC3.5コネクタの代わりに、他の多くのコネクタを用いることも可能である。その場合には、導電ピンを上記とは多少異なる態様で同軸伝送線の中心導体に接続することになるであろう。
続いて、導電ピンの末端部が複数のリッジのうちの第2のリッジ内に形成されたノッチ部の内部に位置すると共に入出力コネクタが第1のリッジの外面と面一となるまで、導電ピンおよび入出力コネクタの組立体を穴部の内部において前進させる(ステップS540)。このとき、上記したように、導電ピンの末端部とリッジとの間が、物理的接続ではなく容量結合により接続されるように配置することが好ましい。また、導電ピンによって得られるキャパシタンスの量は、給電領域におけるインピーダンス不整合を最小限に抑えるとともにホーンアンテナの周波数応答を最適化することができるように、慎重に選択することが望ましい。
所望とされるキャパシタンスの量は、導電ピンの構造を調整することによって得ることができる。上記したように、導電ピンは、例えば図5D〜図5Eに示したように単線導体により構成してもよいし、あるいは、例えば図5Fに示したように、互いに結合された複数の導体から構成してもよい。
所望とされるキャパシタンスの量はまた、導体(または複数の導体)の長さや直径、またはその両方を適宜選択することによっても得ることができる。例えば、導体(または複数の導体)の長さを、高周波数帯域に悪影響を及ぼさない程度に増加させることにより、入力インピーダンスを減少させるとともに、容量性スタブによって得られるキャパシタンスを増加させることができる。また、例えば、長さの調整に加え、あるいは長さの調整の代わりに、導体(または複数の導体)の直径を調整することで、所望のキャパシタンスの量を得るようにしてもよい。具体的には、例えば図5Dに示したように、導電ピンの直径を、同軸伝送線の内部に設けられた中心導体の直径とほぼ等しくしてもよいし、あるいは、図5E〜図5Fに示したように、導電ピンの直径を中心導体の直径よりも実質的に大きくすることにより、容量性スタブによって得られるキャパシタンスを増加させるようにしてもよい。さらに、導体(導電ピン)の内径および外径の関係に加えて、誘電体の比誘電率を適宜選択することにより、ホーンアンテナの入力インピーダンスを同軸伝送線のインピーダンス(例えば、50オーム)と整合させるようにしてもよい。
上記したステップS540に先立って、1つまたは複数のステップを実行するようにしてもよい。例えば、第2のリッジ内に形成されたノッチ部の内部に、誘電体材料または誘電体プラグを挿入するようにしてもよい(ステップS530)。上記したように、この誘電体は、ノッチの内部に密閉されるようにしてもよいし、あるいは、入出力コネクタから第1のリッジを通って延在して第2のリッジ内に形成されたノッチ部の内部まで達するようにしてもよい。いずれの場合においても、誘電体は、導電ピンの末端部をノッチ部の内部に固定するとともに、導電ピンとリッジとが物理的に接触することを防止可能である。
誘電体を設けるようにした場合には、さらに、容量性スタブ(ノッチの内部に組み込まれた導 電ピンの末端部)によってもたらされるキャパシタンスが増加する。誘電体としては、様々な誘 電材料を用いることができるが、多くの場合、約2.0よりも高い比誘電率を有する誘電材料で あることが好ましい。誘電体としては、例えば、合成フロロポリマー(PTFE等)、架橋ポリ スチレン(レクソライト(登録商標)等)、およびセラミック材料(アルミナ、ベリリア、また はチタン酸バリウム)が候補材料として挙げられる。なお、その他の誘電材料を用いてもよい。
以上のように、周波数応答が改善されたホーンアンテナおよびその製造方法について実施の形態を説明した。本実施の形態のホーンアンテナおよびその製造方法によれば、デュアルリッジ型またはクワッドリッジ型のホーンアンテナにおける少なくとも1つのリッジの内部にインピーダンス整合回路網を組み込むようにしたので、従来のアンテナ構造と比較して改善が可能である。この場合、インピーダンス整合回路網は、「開回路の伝送線スタブ」すなわち「容量性スタブ」として機能する。容量性スタブは、給電領域におけるインピーダンス不整合を低減または除去するために必要なキャパシタンス量を得るために、さまざまな態様で構成することができ、これにより、ホーンアンテナの動作周波数帯域の改善もしくは拡大、またはその両方が達成される。
場合によっては、本実施の形態に記載したインピーダンス整合回路網を、1つまたは複数の追加的な改善策と組み合わせてもよい。例えば、上記したように、空洞構造のサイズを小さくすることにより高域の周波数応答を拡大させる(例えば、図6Cに示した18GHzの上限周波数を超える)ようにしてもよい。なお、空洞構造のサイズは低域での周波数応答に影響を及ぼすので、容量性スタブによって得られるキャパシタンスを増加させることにより、所望の下限周波数(例えば、図6Cに示した約800MHz)を保つようにするとよい。また、高域の周波数応答を拡大するための他の手段を用いてもよい。
上記したように、ホーンアンテナ300のリッジ310間のギャップを小さくすることにより、動作周波数帯域の下端を拡大することができる。ただし、ギャップを縮小すると、ホーンアンテナの入力インピーダンスが全体的に低下する。よって、同軸伝送線のインピーダンス(一般的に50Ω)をより低いレベルにまで低下させるために、インピーダンス変成器を設けることが必要となる。上記したように、導電ピン370の直径や導電ピン370が内在する穴の直径を、例えば滑らかにまたは段階的に移行するテーパ状とすることで、適切な量のインピーダンス変成を得ることができる。
場合によっては、本実施の形態に記載のインピーダンス整合回路網と、本出願人による米国特許第7,161,550号明細書(特開2005−312049)に記載された1つ以上の改善策とを組み合わせてもよい。例えば、上記インピーダンス整合回路網を以下の(1)〜(5)のうちの少なくとも1つの改善策と組み合わせてもよい。
(1)ホーンアンテナの開口部にテーパ状の拡張素子対を設けること
(2)磁性体が装荷されたリッジを用いること
(3)リッジに複数の縦溝を形成すること
(4)磁性体が装荷された空洞構造を用いること
(5)互いに反対の符号を示す等価な電流をリッジに供給する補償平衡フィードを用いること
これらのうちの1つまたは複数の改善策と、本実施の形態のインピーダンス整合回路網とを組み合わせることにより、さらに優れた動作帯域幅と放射特性とを有するデュアルリッジ型またはクワッドリッジ型のホーンアンテナを得ることができる。さらに、インピーダンス整合回路網を、本実施の形態で明記されていない他の改善策と組み合わせてもよい。
場合によっては、インピーダンス整合回路網を、本実施の形態に記載した態様とは若干異なる態様で設けるようにしてもよい。一例として、例えば、上記した容量性スタブに代えて積層チップコンデンサ等の既製のコンデンサを用い、これを給電領域における同軸伝送線とリッジとの間に挿入するようにしてもよい。コンデンサに置き換えることは一見些細なことのように思えるが、チップを接続することによって、ホーンアンテナの高域の周波数帯域を制限する原因となる寄生容量を抑制しやすくなる。
本明細書の開示内容に接した当業者であれば、本発明によって、動作周波数帯域を最大限とするように構成されたインピーダンス整合回路網を内蔵したデュアルリッジ型またはクワッドリッジ型のホーンアンテナおよびその製造方法が得られることを理解し得るであろう。また、当業者であれば、上記の説明を考慮することにより、本発明の各種態様の改変や代替的な実施の形態を理解することができる。したがって、特許請求の範囲は、そのような改変や変更のすべてを包含するように解釈がなされることを意図しており、よって、明細書および図面は、限定的ではなく例示的な意味合いで考慮されるべきである。
300…ホーンアンテナ、310…リッジ、312…内向面、340…空洞構造、350…同軸伝送線、350a…中心導体、360…入出力コネクタ、370…導電ピン、370a…延在部分、370b…容量性スタブ部分、380…給電領域、390…ノッチ部、400…誘電体。

Claims (26)

  1. 互いに対向して配置され、その挟間に電磁波を案内する一対のリッジと、
    前記一対のリッジのうちの第1のリッジに結合され、アンテナ給電領域に電力を供給し、または前記アンテナ給電領域から信号を受け取る伝送線と、
    前記アンテナ給電領域において前記一対のリッジのうちの第2のリッジの内部に組み込まれ、前記伝送線と前記一対のリッジとの間のインピーダンス不整合を低減させるインピーダンス整合回路網と
    を備えるホーンアンテナ。
  2. 前記インピーダンス整合回路網は、前記アンテナ給電領域における前記伝送線と前記一対のリッジとの間に直列容量が形成されるように構成されている
    請求項1に記載のホーンアンテナ。
  3. 前記インピーダンス整合回路網は、前記伝送線から前記第1のリッジを通って、前記第2のリッジ内に形成されたノッチ部の内部へと延在する導電ピンを含む
    請求項2に記載のホーンアンテナ。
  4. 前記導電ピンの直径は、前記伝送線の中心導体の直径よりも大きい
    請求項3に記載のホーンアンテナ。
  5. 前記導電ピンの直径は、前記伝送線から前記第1のリッジを通って、前記第2のリッジ内に形成されたノッチ部の内部へと延在するにしたがって、滑らかにまたは段階的に漸減する
    請求項3に記載のホーンアンテナ。
  6. 前記インピーダンス整合回路網は、さらに、前記アンテナ給電領域に前記導電ピンを固定させると共に前記導電ピンと前記一対のリッジとの間の物理的接触を防止し、かつ、前記直列容量を増加させる誘電体を含む
    請求項3に記載のホーンアンテナ。
  7. 前記誘電体は、前記伝送線から前記第1のリッジを通って、前記第2のリッジ内に形成された前記ノッチ部の内部へと延在する
    請求項6に記載のホーンアンテナ。
  8. 前記誘電体は、前記導電ピンの末端部を覆うように前記ノッチ部の内部に密閉されている
    請求項6に記載のホーンアンテナ。
  9. 互いに対向して配置され、その挟間に電磁波を案内する一対のリッジと、
    入出力コネクタから前記一対のリッジのうちの第1のリッジを通って、前記一対のリッジのうちの第2のリッジの内部のアンテナ給電領域に形成されたノッチ部の内部へと延在する導電ピンと、
    前記導電ピンの末端部を前記ノッチ部の内部に固定するとともに前記導電ピンと前記一対のリッジとの間の物理的接触を防止するように構成された誘電体と、
    を備えるホーンアンテナ。
  10. 前記誘電体は、前記入出力コネクタから前記第1のリッジを通って、前記第2のリッジ内に形成された前記ノッチ部の内部へと延在する
    請求項9に記載のホーンアンテナ。
  11. 前記誘電体は、前記ノッチ部の内部に密閉されている
    請求項9に記載のホーンアンテナ。
  12. 前記導電ピンは、前記入出力コネクタに結合された同軸伝送線の中心導体を利用して構成されている
    請求項9に記載のホーンアンテナ。
  13. 前記導電ピンは、前記入出力コネクタに結合された同軸伝送線の中心導体とは別体であり、前記中心導体に取り付けられている
    請求項9に記載のホーンアンテナ。
  14. 前記導電ピンは、前記中心導体の直径よりも大きな直径を有する連続導体を含む
    請求項13に記載のホーンアンテナ。
  15. 前記導電ピンは、
    前記入出力コネクタから前記第1のリッジを通って前記ノッチ部との境界まで延在する第1の部分と、
    前記第1の部分に直接接続されると共に前記ノッチ部の内部に密閉された第2の部分と
    を含み、
    前記第2の部分の直径が、前記第1の部分の直径よりも大きい
    請求項13に記載のホーンアンテナ。
  16. 前記導電ピンは、前記入出力コネクタから前記第1のリッジを通って、前記第2のリッジ内に形成された前記ノッチ部の内部へと延在する穴部の内部を通るように配置されている
    請求項9に記載のホーンアンテナ。
  17. 前記導電ピンの直径は、前記入出力コネクタから前記第1のリッジを通り、前記第2のリッジ内に形成された前記ノッチ部の内部へと延在するにしたがって、滑らかにまたは段階的に漸減する
    請求項16に記載のホーンアンテナ。
  18. 前記穴部の直径は、前記入出力コネクタから前記第1のリッジを通り、前記第2のリッジ内に形成された前記ノッチ部の内部へと延在するにしたがって、滑らかにまたは段階的に漸減する
    請求項16に記載のホーンアンテナ。
  19. 前記導電ピンの直径および前記穴部の直径の双方が、前記入出力コネクタから前記第1のリッジを通って、前記第2のリッジ内に形成された前記ノッチ部の内部へと延在するに従い、それぞれ滑らかにまたは段階的に漸減する
    請求項16に記載のホーンアンテナ。
  20. 一対のリッジを、これらのリッジの内向面の挟間に電磁エネルギーが案内されるように配置する工程と、
    前記一対のリッジのうちの第1のリッジを通って延びる穴部に導電ピンを挿通する工程と、
    前記導電ピンの一端を、入出力コネクタに接続する接続工程と、
    前記導電ピンの末端部が前記一対のリッジのうちの第2のリッジ内に形成されたノッチ部の内部に位置すると共に前記入出力コネクタが前記第1のリッジの外面と面一となるまで、前記導電ピンおよび前記入出力コネクタの組立体を、前記穴部の内部において前進させる前進工程と、
    を含むホーンアンテナの製造方法。
  21. 前記接続工程において、半田付け、溶接、またはボンディング技術を用いて、前記導電ピンの前記一端を前記入出力コネクタに固着させる
    請求項20に記載のホーンアンテナの製造方法。
  22. 前記導電ピンの直径を、前記入出力コネクタに結合された伝送線の中心導体の直径よりも大きくする
    請求項20に記載のホーンアンテナの製造方法。
  23. 前記前進工程に先立って、前記導電ピンの直径もしくは前記穴部の直径またはその両方を漸減させる工程をさらに含む
    請求項20に記載のホーンアンテナの製造方法。
  24. 前記前進工程に先立って、前記導電ピンの前記末端部を前記ノッチ部の内部に固定するとともに前記導電ピンと前記一対のリッジとの間の物理的接触を防止するように構成された誘電体プラグを、前記第2のリッジ内に形成された前記ノッチ部の内部に挿入する工程をさらに含む
    請求項20に記載のホーンアンテナの製造方法。
  25. 前記誘電体プラグを、2.0以上の比誘電率を有する誘電材料の群から選択する
    請求項20に記載のホーンアンテナの製造方法。
  26. 前記誘電体プラグを、合成フロロポリマー、架橋ポリスチレン、およびセラミック材料からなる誘電材料群の中から選択する
    請求項20に記載のホーンアンテナの製造方法。
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