JP7117409B1 - 伝送線結合構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】リッジが設けられた導波路と伝送線との結合部の低周波数帯域におけるインピーダンス整合を従来よりも改善することができる伝送線結合構造を提供する。【解決手段】互いに対向する上壁部11a及び下壁部11bを含む金属壁11で囲まれて形成された導波路12と、下壁部11bの導波路12側の一面に形成された第1リッジ13と、中心導体300に接続される導体ピン170の先端部分、又は、中心導体300の先端部分を第1リッジ13において収容する収容部20と、を備え、収容部20は、導体ピン170又は中心導体300の長さ方向に沿って第1リッジ13内に形成された受け穴201と、受け穴201に連続し、導体ピン170又は中心導体300の長さ方向に沿って受け穴201と反対の方向に延伸する延伸部202と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、リッジが設けられた導波路と伝送線とを結合するための伝送線結合構造に関する。
近年、マルチメディアの進展に伴い、セルラ、無線LAN等の無線通信用のアンテナが実装された無線端末(スマートフォン等)が盛んに生産されるようになっている。今後は、特に、ミリ波帯の広帯域な信号を使用するIEEE802.11adや5Gセルラ等に対応した無線信号を送受信する無線端末が求められている。
近年、このような無線端末の性能試験として、ダブルリッジホーンアンテナ(Double-Ridged Horn Antenna:DRHA)又はクアッドリッジホーンアンテナ(Quad-Ridged Horn Antenna:QRHA)などのアンテナを用いたOTA(Over The Air)試験が行われるようになっている。
従来、DRHA又はQRHAの少なくとも1つのリッジの内部に設けられたアンテナ給電領域(フィードポイント)において、同軸伝送線とリッジとの間のインピーダンス不整合を低減することにより、これらのアンテナの低周波数帯域における周波数特性を改善する試みがなされている(例えば、特許文献1参照)。
図12に示すように、特許文献1に開示されたような従来のアンテナでは、同軸伝送線310の導電ピン320が、給電領域330において、同軸伝送線310とリッジ340との間に直列容量を形成している。この直列容量によって、動作周波数帯域の下端を改善するために必要とされるインピーダンス整合を得ることができる。
特許第5036772号公報
しかしながら、図12に示すような従来のアンテナにおけるリッジと伝送線との結合部の構成では、ミリ波帯の広帯域にわたる測定で求められるインピーダンス整合を実現できないという問題があった。
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであって、リッジが設けられた導波路と伝送線との結合部の低周波数帯域におけるインピーダンス整合を従来よりも改善することができる伝送線結合構造を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る伝送線結合構造は、中心導体を有する伝送線が結合される伝送線結合構造であって、互いに対向する上壁部及び下壁部を含む金属壁で囲まれて形成された導波路と、前記下壁部の前記導波路側の一面に形成された第1リッジと、前記中心導体に接続される導体ピンの先端部分、又は、前記中心導体の先端部分を前記第1リッジにおいて収容する収容部と、を備え、前記収容部は、前記導体ピン又は前記中心導体の長さ方向に沿って前記第1リッジ内に形成された受け穴と、前記受け穴に連続し、前記導体ピン又は前記中心導体の長さ方向に沿って前記受け穴と反対の方向に延伸する延伸部と、を有する構成である。
上記のように、本発明に係る伝送線結合構造は、導体ピン又は中心導体の長さ方向に沿って第1リッジ内に形成された受け穴に連続し、導体ピン又は中心導体の長さ方向に沿って受け穴と反対の方向に延伸する延伸部を有する。これにより、本発明に係る伝送線結合構造は、第1リッジが設けられた導波路と伝送線との結合部において、低周波数帯域におけるインピーダンス整合を従来よりも改善することができる。すなわち、本発明に係る伝送線結合構造は、低周波数帯域において低インピーダンスになりやすいリッジ導波路において、低周波数帯域におけるインピーダンスの補償を、小さい体積の延伸部を設けることで容易に実現できる。
また、本発明に係る伝送線結合構造においては、前記上壁部には、前記導体ピン又は前記中心導体が挿通される挿通穴が形成され、前記挿通穴は、前記第1リッジに対向する側の径が、前記導体ピン又は前記中心導体の長さ方向に沿う所定長さにわたって前記延伸部の外径よりも大きい拡張穴を有する構成であってもよい。
上記のように、本発明に係る伝送線結合構造は、上壁部に延伸部の外径よりも大きい拡張穴を設けることで、導波路と伝送線との結合部の低周波数帯域におけるインピーダンス整合を改善することができる。
また、本発明に係る伝送線結合構造は、前記上壁部の前記導波路側の一面に形成された第2リッジを更に備え、前記上壁部及び前記第2リッジには、前記導体ピン又は前記中心導体が挿通される挿通穴が形成され、前記挿通穴は、前記第1リッジに対向する側の径が、前記導体ピン又は前記中心導体の長さ方向に沿う所定長さにわたって前記延伸部の外径よりも大きい拡張穴を有する構成であってもよい。
上記のように、本発明に係る伝送線結合構造は、上壁部及び第2リッジに、延伸部の外径よりも大きい拡張穴を設けることで、導波路と伝送線との結合部の低周波数帯域におけるインピーダンス整合を改善することができる。
また、本発明に係る伝送線結合構造においては、前記延伸部は、前記拡張穴の内部に突出している構成であってもよい。
上記のように、本発明に係る伝送線結合構造は、延伸部が拡張穴の内部に突出していることにより、導体ピン又は中心導体の長さを短くすることができるため、導波路と伝送線との結合部の低周波数帯域におけるインピーダンス整合を改善することができる。
本発明は、リッジが設けられた導波路と伝送線との結合部の低周波数帯域におけるインピーダンス整合を従来よりも改善することができる伝送線結合構造を提供するものである。
(a)は本発明の実施形態に係る伝送線結合構造の構成を示す斜視図であり、(b)は本発明の実施形態に係る伝送線結合構造の要部の拡大断面図である。 図1(a)に示した伝送線結合構造の導波路の他の構成例を示す断面図であって、(a)はシングルリッジ構造を示しており、(b)はクアッドリッジ構造を示している。 比較例に係る伝送線結合構造と、本発明の実施形態に係る伝送線結合構造の特徴をまとめた表である。 比較例aに係る伝送線結合構造の構成と、反射特性及び伝送特性のシミュレーション結果を示す図である。 比較例bに係る伝送線結合構造の構成と、反射特性及び伝送特性のシミュレーション結果を示す図である。 比較例cに係る伝送線結合構造の構成と、反射特性及び伝送特性のシミュレーション結果を示す図である。 実施例d-1に係る伝送線結合構造の構成と、反射特性及び伝送特性のシミュレーション結果を示す図である。 実施例d-2に係る伝送線結合構造の構成と、反射特性及び伝送特性のシミュレーション結果を示す図である。 実施例d-3に係る伝送線結合構造の構成と、反射特性及び伝送特性のシミュレーション結果を示す図である。 (a)は図1(a)に示した伝送線結合構造に接続されるマイクロストリップ線路の構成を示す斜視図であり、(b)は図1(a)に示した伝送線結合構造とマイクロストリップ線路とが接続された状態を示す断面図である。 図1(a)に示した伝送線結合構造にホーンアンテナが接続された状態を示す断面図である。 従来のホーンアンテナにおけるリッジと伝送線との結合部を示す断面図である。
以下、本発明に係る伝送線結合構造の実施形態について図面を用いて説明する。なお、各図面上の各構成要素の寸法比は、実際の寸法比と必ずしも一致していない。
図1(a)及び(b)に示すように、本発明の実施形態に係る伝送線結合構造10は、金属壁11で囲まれて形成された導波路12と、第1リッジ13と、第2リッジ14と、入出力端子17と、収容部20と、を備える。伝送線結合構造10には、入出力端子17を介して伝送線30が結合されるようになっている。伝送線30は、例えば、中心導体300と外部導体302を有する同軸ケーブルである。
導波路12は、互いに対向する上壁部11a及び下壁部11bと、互いに対向する左壁部11c及び右壁部11dと、上壁部11a、下壁部11b、左壁部11c、及び右壁部11dに接続された後壁11eとを含む金属壁11で囲まれて形成されている。図1(a)は、下壁部11bの導波路12側の一面に第1リッジ13が形成されるとともに、上壁部11aの導波路12側の一面に第2リッジ14が形成されてなるダブルリッジ構造を示している。すなわち、第1リッジ13と第2リッジ14の間隔h1が、導波路12全体の高さh2に対して小さく設定されている。
入出力端子17は、第1リッジ13及び第2リッジ14に電力を供給するか、又は第1リッジ13及び第2リッジ14から電力を受けるために、金属壁11の外側に設けられた端子である。入出力端子17は、例えば、導体ピンとしての中心導体170と、中心導体170の周囲を取り囲む絶縁体171と、絶縁体171の周囲を取り囲む外部導体172と、外部導体172に電気的に接続されたフランジ173と、を有する同軸コネクタである。中心導体170、外部導体172、及びフランジ173は、例えばステンレスに金メッキ処理若しくはパッシベーション処理が施されてなる。パッシベーション処理とは、ステンレスの組成元素であるクロムによる酸化膜(不動態被膜)を生成する処理である。
中心導体170は、Y軸方向に延伸し、第2リッジ14を通って第1リッジ13の内部に先端が突出するように配置される。中心導体170は、伝送線30が入出力端子17に取り付けられた際に、伝送線30の中心導体300と電気的に接続される。なお、本実施形態の伝送線結合構造10は、入出力端子17を省略し、伝送線30が伝送線結合構造10に直接接続される構成であってもよい。この場合は、入出力端子17の中心導体170の代わりに、伝送線30の中心導体300の先端部分が収容部20に直接収容されることになる。ただし、以降では、入出力端子17がある場合について説明する。
伝送線30を介して中心導体170に高周波信号が給電されると、中心導体170と金属壁11との間に高周波の電圧が印加される。これにより、伝送線結合構造10は、偏波面がXY平面に平行な高周波信号の電波を外部に放射する。また、伝送線結合構造10は、外部から導波路12に入力された偏波面がXY平面に平行な電波を中心導体170で受信し、受信した電波を伝送線30に向けて出力する。
フランジ173は、金属壁11の上壁部11aに入出力端子17を取り付けるためのものであり、2つのねじ174a,174bにより、金属壁11に電気的に接続するように固定される。フランジ173に電気的に接続された外部導体172は、伝送線30が入出力端子17に取り付けられた際に、伝送線30の外部導体302と電気的に接続される。
収容部20は、第1リッジ13に形成され、中心導体170の先端部分を第1リッジ13において収容するようになっている。収容部20は、中心導体170の長さ方向に沿って第1リッジ13内に形成された円柱状の受け穴201と、受け穴201に連続し、中心導体170の長さ方向に沿って受け穴201と反対の方向に延伸する円筒状の延伸部202と、を有する。例えば、延伸部202は、パイプ状の別部品として作製され、第1リッジ13に嵌め込むことができるようになっている。なお、図1(b)に示すように、受け穴201の径と延伸部202の穴の径とは等しくてもよく、あるいは異なっていてもよい。
なお、中心導体170の直径を小さくすると、受け穴201及び延伸部202の穴に対向する中心導体170の単位長さ当たりの実効的な表面積が小さくなる。したがって、入出力端子17のフランジ173の金属壁11に対する取り付け位置の高さなどを微調整して、受け穴201及び延伸部202と中心導体170との間のキャパシタンスを微調整することが容易になる。微小キャパシタンスの影響が大きなミリ波帯において、このような微調整の有用性はより顕著となる。
金属壁11の上壁部11a及び第2リッジ14には、中心導体170が挿通される円柱状の挿通穴203が形成されている。なお、導波路12がシングルリッジ構造を有する場合には、挿通穴203は上壁部11aのみに形成される。挿通穴203は、第1リッジ13に対向する側の径が、中心導体170の長さ方向に沿う所定長さにわたって延伸部202の外径よりも大きい円柱状の拡張穴204を有していてもよい。なお、延伸部202は拡張穴204の内部に突出していてもよい。
上記の収容部20及び拡張穴204は、伝送線30と第1リッジ13及び第2リッジ14との間の低周波数帯域におけるインピーダンスの補償を行うインピーダンス整合部を構成する。
金属壁11、第1リッジ13、第2リッジ14、及び延伸部202は、例えば、同一の金属部材により形成されている。なお、金属壁11、第1リッジ13、第2リッジ14、及び延伸部202は、同一の金属部材により一体形成されていてもよい。金属部材としては、真鍮、アルミニウム、銅などの導電性材料を用いることができる。
なお、導波路12は、ダブルリッジ構造を有するものに限定されず、図2(a)に示すようなシングルリッジ構造や、図2(b)に示すようなクアッドリッジ構造などの任意のリッジ構造を有していてもよい。図2(a)のシングルリッジ構造では、下壁部11bの導波路12側の一面に第1リッジ13のみが形成されている。また、図2(b)のクアッドリッジ構造では、上壁部11a、下壁部11b、左壁部11c、及び右壁部11dのそれぞれに、第2リッジ14、第1リッジ13、リッジ15、及びリッジ16が形成されている。導波路12がクアッドリッジ構造である場合には、左壁部11c及び右壁部11dのそれぞれに形成されたリッジ15,16に電力を供給するか、又はリッジ15,16から電力を受けるための入出力端子が、金属壁11の外側に更に設けられる。さらに、リッジ15,16は、金属壁11、第1リッジ13、第2リッジ14、及び延伸部202と同一の金属部材で形成され、第1リッジ13及び第2リッジ14における収容部20や挿通穴203と同様の収容部や挿通穴が設けられていてもよい。
次に、比較例a~cと、本実施形態に係る伝送線結合構造10の実施例d-1~d-3の反射特性S11及び伝送特性S21をシミュレーションした結果について説明する。図3は、比較例a~c及び実施例d-1~d-3について、中心導体170と受け穴201との間のクリアランス、中心導体170の長さ、延伸部202の有無をまとめた表である。伝送線30から第1リッジ13に向けて入力される高周波信号は、その一部が導波路12において反射されて伝送線30に戻るとともに、他の一部が図1(a)等に示すX軸正方向に伝搬して外部に放射される。反射特性S11は、伝送線30から入力される高周波信号に対する、伝送線30から出力される高周波信号の電力比である。また、伝送特性S21は、伝送線30から入力される高周波信号に対する、X軸正方向に放射される電波の電力比である。ここでは、高周波信号として5GHz~35GHzの正弦波を用いている。
[比較例a]
図4に示す比較例aは、クリアランスと中心導体170の長さが通常で、延伸部202が設けられていない従来の伝送線結合構造の反射特性S11及び伝送特性S21をシミュレーションした結果を示している。反射特性S11は、13.5GHz~28GHzで-10dBよりも小さく、20GHzで-14.9dBである。一方、伝送特性S21は、12GHz~30GHzで-1dBよりも大きく、20GHzで-0.14dBである。
[比較例b]
図5に示す比較例bは、クリアランスが比較例aよりも小さく、中心導体170の長さは比較例aと同じで、延伸部202が設けられていない伝送線結合構造の反射特性S11及び伝送特性S21をシミュレーションした結果を示している。反射特性S11は、11GHz~29GHzで-10dBよりも小さく、20GHzで-27.8dBである。つまり、比較例bは、比較例aよりもより低周波数まで良好な反射特性S11を示している。一方、伝送特性S21は、9.5GHz~30GHzで-1dBよりも大きく、20GHzで-0.007dBである。つまり、比較例bは、比較例aよりもより低周波数まで良好な伝送特性S21を示している。
上記の反射特性S11の低減は、受け穴201の直径を小さくしてクリアランスを小さくしたことにより、第1リッジ13と中心導体170との間のキャパシタンスが増えたことによると考えられる。しかしながら、中心導体170と受け穴201との間のクリアランスが極小になるため、製造公差や組み立て公差が厳しくなるという問題がある。
[比較例c]
図6に示す比較例cは、クリアランスが比較例aと同じで、中心導体170の長さが比較例aよりも長く、延伸部202が設けられていない伝送線結合構造の反射特性S11及び伝送特性S21をシミュレーションした結果を示している。反射特性S11は、11.5GHz~28.5GHzで-10dBよりも小さく、20GHzで-30.0dBである。つまり、比較例cは、比較例aよりもより低周波数まで良好な反射特性S11を示している。一方、伝送特性S21は、10.5GHz~30GHzで-1dBよりも大きく、20GHzで-0.004dBである。つまり、比較例cは、比較例aよりもより低周波数まで良好な伝送特性S21を示している。
上記の反射特性S11の低減は、受け穴201と中心導体170を共に下方に長くしたことにより、受け穴201とそれに対向する中心導体170の表面積が大きくなり、第1リッジ13と中心導体170との間のキャパシタンスが増えたことによると考えられる。しかしながら、受け穴201と中心導体170を共に下方に長くするには高アスペクトな加工が要求されるため、製造コストが高くなるという問題がある。また、受け穴201と中心導体170が共に下方に長くなる分、伝送線結合構造全体のサイズが大きくなる可能性がある。
[実施例d-1]
図7に示す実施例d-1は、クリアランスと中心導体170の長さが比較例aと同じで、延伸部202が設けられた本実施形態の伝送線結合構造10の反射特性S11及び伝送特性S21をシミュレーションした結果を示している。反射特性S11は、12GHz~29GHzで-10dBよりも小さく、20GHzで-20.7dBである。つまり、実施例d-1は、比較例aよりもより低周波数まで良好な反射特性S11を示している。一方、伝送特性S21は、10GHz~31GHzで-1dBよりも大きく、20GHzで-0.037dBである。つまり、実施例d-1は、比較例aよりもより低周波数まで良好な伝送特性S21を示している。
上記の反射特性S11の低減は、延伸部202を設けたことにより、延伸部202の穴及び受け穴201に対向する中心導体170の表面積が大きくなり、延伸部202を含めた第1リッジ13と中心導体170との間のキャパシタンスが増えたことによると考えられる。実施例d-1は、比較例a~cと比較して、中心導体170の長さを低減できるとともに、受け穴201の深さを浅くすることができるため、加工コスト及び製造コストを抑えることができる。また、実施例d-1は、比較例a~cと比較して、伝送線結合構造全体のサイズを小さくすることができる。
[実施例d-2]
図8に示す実施例d-2は、クリアランスと中心導体170の長さが比較例aと同じで、収容部20に延伸部202が設けられた本実施形態の伝送線結合構造10の反射特性S11及び伝送特性S21をシミュレーションした結果を示している。反射特性S11は、11.5GHz~29GHzで-10dBよりも小さく、20GHzで-25.6dBである。つまり、実施例d-2は、比較例aよりもより低周波数まで良好な反射特性S11を示している。一方、伝送特性S21は、10.5GHz~30.5GHzで-1dBよりも大きく、20GHzで-0.012dBである。つまり、実施例d-2は、比較例aよりもより低周波数まで良好な伝送特性S21を示している。
実施例d-2は、実施例d-1を改良したものである。実施例d-1のように延伸部202を追加した構成では、延伸部202の上面と第2リッジ14との間のインピーダンス整合が崩れることがある。そこで、実施例d-2は、延伸部202の上面に相対する第2リッジ14の挿通穴203に延伸部202の外径よりも大きい円筒状の拡張穴204を新たに設けることにより、インピーダンス整合を改善している。このことは、実施例d-1の20GHzにおける反射特性S11が-20.7dBであるのに対し、実施例d-2の20GHzにおける反射特性S11が-25.6dBに低減されていることから確認できる。
[実施例d-3]
図9に示す実施例d-3は、クリアランスが比較例aと同じで、中心導体170の長さが比較例aよりも短く、収容部20に延伸部202が設けられた本実施形態の伝送線結合構造10の反射特性S11及び伝送特性S21をシミュレーションした結果を示している。反射特性S11は、11GHz~29GHzで-10dBよりも小さく、20GHzで-29.4dBである。つまり、実施例d-3は、比較例aよりもより低周波数まで良好な反射特性S11を示している。一方、伝送特性S21は、9.5GHz~30.5GHzで-1dBよりも大きく、20GHzで-0.005dBである。つまり、実施例d-3は、比較例aよりもより低周波数まで良好な伝送特性S21を示している。
実施例d-3は、実施例d-2を改良したものであり、図1(b)に示した構成に相当する。実施例d-3は、延伸部202の上面に相対する第2リッジ14の拡張穴204に延伸部202を突出させることにより、中心導体170の長さを短くすることが可能である。これにより、実施例d-2と比較して受け穴201の深さを浅くすることができるため、製造コストを抑えることができる。また、実施例d-2と比較して、伝送線結合構造全体のサイズを小さくすることができる。
以下、本実施形態の伝送線結合構造10の適用例を説明する。図10(a)は、本実施形態の伝送線結合構造10に接続されるマイクロストリップ線路40の構成を示している。図10(a)に示すように、マイクロストリップ線路40は、誘電体基板41の一面側に帯状の主導体42が一端から他端までパターン形成され、その反対面側はアース導体43で被われている。マイクロストリップ線路40は、誘電体基板41の誘電率、厚さt、主導体42の幅等によって伝送路のインピーダンスが決定される。
図10(b)に示すように、伝送線結合構造10の導波路12の端面12aは、マイクロストリップ線路40の誘電体基板41の端面41aに接合される。例えば、上壁部11aの第2リッジ14よりも上側の端面は、マイクロストリップ線路40の主導体42の一端42aに接続され、下壁部11bの第1リッジ13よりも下側の端面は、アース導体43に接続される。なお、ここでは、導波路12の第1リッジ13及び第2リッジ14が形成されていない部分の高さh2が、マイクロストリップ線路40の誘電体基板41の厚さtに等しいものとしたが、両者は相違していてもよい。また、導波路12の幅wは、マイクロストリップ線路40の誘電体基板41の幅に等しくてもよく、両者は相違していてもよい。
このように、マイクロストリップ線路40と伝送線結合構造10とが接続される構造であれば、例えばマイクロストリップ線路40の主導体42の他端42b側から入力されて一端42a側に伝搬されたミリ波帯の電波は、導波路12の端面12a側に入力され、導波路12内を伝搬して伝送線30に出力される。逆に、伝送線30に入力された高周波信号は、導波路12内を伝搬して導波路12の端面12a側からマイクロストリップ線路40の主導体42の一端42a側に入力され、他端42b側から出力される。
図11は、本実施形態の伝送線結合構造10にDRHA又はQRHAなどのホーンアンテナ50が接続された構成を示している。ホーンアンテナ50は、上側リッジ51と、下側リッジ52と、を備え、ミリ波の周波数帯域(例えば、約20GHz~46GHz)の電波を送受信するものである。
図11に示すように、伝送線結合構造10の導波路12の端面12aは、ホーンアンテナ50の後方の開口部50bに接合される。上壁部11aの第2リッジ14の端面は、ホーンアンテナ50の上側リッジ51の一端に接続され、下壁部11bの第1リッジ13の端面は、下側リッジ52の一端に接続される。なお、ここでは、導波路12における第1リッジ13と第2リッジ14の間隔h1が、ホーンアンテナ50の後方の開口部50bにおける上側リッジ51と下側リッジ52の間隔に等しいものとしたが、両者は相違していてもよい。
このように、ホーンアンテナ50と伝送線結合構造10とが接続される構造であれば、例えばホーンアンテナ50の前方の開口部50a側から入力されたミリ波帯の電波は、導波路12の端面12a側に入力され、導波路12内を伝搬して伝送線30に出力される。逆に、伝送線30に入力された高周波信号は、導波路12内を伝搬して導波路12の端面12a側からホーンアンテナ50の後方の開口部50b側に入力され、前方の開口部50aから出力される。
以上説明したように、本実施形態に係る伝送線結合構造10は、入出力端子17の中心導体170(又は伝送線30の中心導体300)の長さ方向に沿って第1リッジ13内に形成された受け穴201に連続し、中心導体170(又は中心導体300)の長さ方向に沿って受け穴201と反対の方向に延伸する延伸部202を有する。これにより、本実施形態に係る伝送線結合構造10は、第1リッジ13が設けられた導波路12と伝送線30との結合部において、低周波数帯域におけるインピーダンス整合を従来よりも改善することができる。すなわち、本実施形態に係る伝送線結合構造10は、低周波数帯域において低インピーダンスになりやすいリッジ導波路において、低周波数帯域におけるインピーダンスの補償を、小さい体積の延伸部202を設けることで容易に実現できる。
また、本実施形態に係る伝送線結合構造10は、上壁部11a及び/又は第2リッジ14に、延伸部202の外径よりも大きい拡張穴204を設けることで、導波路12と伝送線30との結合部の低周波数帯域におけるインピーダンス整合を改善することができる。
また、本実施形態に係る伝送線結合構造10は、延伸部202が拡張穴204の内部に突出していることにより、中心導体170(又は中心導体300)の長さを短くすることができるため、導波路12と伝送線30との結合部の低周波数帯域におけるインピーダンス整合を改善することができる。
なお、本実施形態においては、伝送線結合構造10にDRHA又はQRHAなどのホーンアンテナ50が接続された構成を示したが、ホーンアンテナ以外でもフィルタ、スイッチ、カップラなどの種々の導波管部品に対しても接続することが可能である。
10 伝送線結合構造
11 金属壁
11a 上壁部
11b 下壁部
12 導波路
13 第1リッジ
14 第2リッジ
20 収容部
30 伝送線
170 中心導体(導体ピン)
201 受け穴
202 延伸部
203 挿通穴
204 拡張穴
300 中心導体

Claims (4)

  1. 中心導体(300)を有する伝送線(30)が結合される伝送線結合構造(10)であって、
    互いに対向する上壁部(11a)及び下壁部(11b)を含む金属壁(11)で囲まれて形成された導波路(12)と、
    前記下壁部の前記導波路側の一面に形成された第1リッジ(13)と、
    前記中心導体に接続される導体ピン(170)の先端部分、又は、前記中心導体の先端部分を前記第1リッジにおいて収容する収容部(20)と、を備え、
    前記収容部は、
    前記導体ピン又は前記中心導体の長さ方向に沿って前記第1リッジ内に形成された受け穴(201)と、
    前記受け穴に連続し、前記導体ピン又は前記中心導体の長さ方向に沿って前記受け穴と反対の方向に延伸する延伸部(202)と、を有することを特徴とする伝送線結合構造。
  2. 前記上壁部には、前記導体ピン又は前記中心導体が挿通される挿通穴(203)が形成され、
    前記挿通穴は、前記第1リッジに対向する側の径が、前記導体ピン又は前記中心導体の長さ方向に沿う所定長さにわたって前記延伸部の外径よりも大きい拡張穴(204)を有することを特徴とする請求項1に記載の伝送線結合構造。
  3. 前記上壁部の前記導波路側の一面に形成された第2リッジ(14)を更に備え、
    前記上壁部及び前記第2リッジには、前記導体ピン又は前記中心導体が挿通される挿通穴(203)が形成され、
    前記挿通穴は、前記第1リッジに対向する側の径が、前記導体ピン又は前記中心導体の長さ方向に沿う所定長さにわたって前記延伸部の外径よりも大きい拡張穴(204)を有することを特徴とする請求項1に記載の伝送線結合構造。
  4. 前記延伸部は、前記拡張穴の内部に突出していることを特徴とする請求項3に記載の伝送線結合構造。
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