JP2010038833A - パルスレーダ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数のPRIを設定するPRI設定器1と、複数のPRIごとに、あらかじめ定めた所定の時間間隔でパルス列Bを目標Aの方向に送信し、目標Aからの反射信号Cを受信してレンジビンごとの複数の受信ビデオ信号を生成する送受信部100と、複数のPRIごとの複数の受信ビデオ信号に対して個別に目標を検出する目標検出器18と、PRIごとに検出された個別の目標のレンジビン情報とPRI情報と送信ブラインド情報とを用いて、目標Aの相対距離を求める送信ブラインド考慮型測距器19とを備えている。
【選択図】図1
Description
図8は非特許文献1による測距例を示す説明図であり、2つのPRIを用いて目標までの相対距離を計測する場合を示している。
図8から分かるように、従来のパルスレーダ装置においては、Tpri1を送信パルス幅Tpの5倍に設定し、Tpri2を送信パルス幅Tpの4倍に設定することにより、送信パルス幅Tpの20倍の距離まで、曖昧さなく目標の相対距離の計測が可能となる。
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態1について説明する。
図1は、この発明の実施の形態1に係るパルスレーダ装置の機能構成を示すブロック図である。
図1において、パルスレーダ装置は、目標Aに対向する送受信部100と、ビデオ信号保存用メモリ16と、包絡線検波器17と、目標検出器18と、送信ブラインド考慮型測距器19とを備えている。
また、PRI設定器1、タイミング発生器2、局部発振器3、基準中間周波数信号生成器4、周波数変換器6、送受切替器9、アンテナ10、中間周波数増幅器11、分配器12、90度ハイブリッド器13、位相検波器14a、14bおよびA/D変換器15a、15bは、受信部を構成している。
送受信部100は、複数のPRIごとに、所定の時間間隔でパルス列Bを目標Aの方向に送信し、目標Aからの反射信号Cを受信してレンジビン(距離ゲート)ごとの複数の受信ビデオ信号(後述するディジタルビデオ信号Di、Dq)を生成する。
ビデオ信号保存用メモリ16は、送受信部100からの受信ビデオ信号を保存する。
図2は目標検出時のレンジビン番号と真のレンジビンとの対応関係を示す説明図であり、Tpri1の送信時およびTpri2の送信時での目標検出のレンジビン番号を示している。
周波数変換器5は、局部発振器3からの局部発振信号の周波数と、基準中間周波数信号生成器5からの基準中間周波数信号の周波数との和の周波数の送信キャリア信号を生成する。
電力増幅器8は、パルス変調器7からの出力信号を取り込み、電力増幅して送受切替器9に入力する。
アンテナ10は、送受切替器9からの入力信号を、パルス列B(送信信号)として空間に放射する。
受切替器9は、タイミング発生器2からのタイミング信号(送受切替信号に相当)に応答して、PRI(Tpri)ごとに、所定の時間間隔で、アンテナ10から入力される受信信号を周波数変換器6に入力する。
分配器12は、中間周波数増幅器11で増幅された中間周波数信号を2分配して、それぞれを個別に位相検波器14a、14bに入力する。
A/D変換器15a、15bは、ビデオ信号I、Qを、送信パルス幅Tpと同じ間隔のレンジビンごとのディジタルビデオ信号Di、Dqに変換し、受信ビデオ信号としてビデオ信号保存用メモリ16に記憶させる。
以下、PRIをTpri2として、タイミング発生器2〜ビデオ信号保存用メモリ16による上述の動作を繰返し実行する。
この際、Tpri1、Tpri2のうちのいずれかの送信時に目標が検出されなかった場合には、送信ブラインド状態と見なし、送信ブラインド情報として、検出されなかったPRIにおける目標の存在するレンジビン番号を「0」に設定する。
また、ここでは、図示を省略するが、パルス内で変調を行うパルス圧縮を併用した場合にでも、同様の作用効果を奏する。さらに、求まった目標Aまでの相対距離をパルス圧縮や合成帯域処理等を用い、より高い分解能、高い精度で測距することも可能である。
なお、上記実施の形態1(図1)では、送信ブラインド状態の発生に対して特に対処しなかったが、図3に示すように、目標検出器18に関連したノンコヒーレント積分器20および送信ブラインド判定器21Aを設け、目標検出器18で目標が検出されない状態を判定して、目標が検出されなかったときの非検出PRIにより、所定の時間間隔でパルス列を目標の方向に再度送信させるように構成してもよい。
図3において、図1との相違点は、包絡線検波器17の後段に、ノンコヒーレント積分器20が付加され、目標検出器18の後段に、送信ブラインド判定器21Aが付加されていることのみである。
送信ブラインド判定器21Aは、目標検出器18の検出結果が送信ブラインド状態を示す場合のみに動作し、送受信部100に対して、非検出PRIおよび所定の時間間隔でパルス列Bを再度送信させる指令を与えるとともに、ノンコヒーレント積分器20を有効化する。
この際、Tpri1、Tpri2のいずれかの送信時に目標が検出されなかった場合には、送信ブラインドと見なし、検出されなかったPRIにおける目標の存在するレンジビン番号を「0」に設定する。
また、ここでは、図示を省略するが、パルス内で変調を行うパルス圧縮を併用した場合にでも、同様の作用効果を奏する。さらに、求まった目標Aまでの相対距離をパルス圧縮や合成帯域処理等を用い、より高い分解能、高い精度で測距することも可能である。
なお、上記実施の形態2(図3)では、包絡線検波器17の後段に必要時に有効化されるノンコヒーレント積分器20を挿入したが、図4に示すように、包絡線検波器17の前段にコヒーレント積分器22を挿入し、送信ブラインド判定器21Bは、目標検出器18で目標が検出されなかったときの非検出PRIにより、所定の時間間隔以上の長時間間隔でパルス列Bを目標Aの方向に再度送信させるように構成してもよい。
図4において、図3との相違点は、ノンコヒーレント積分器20に代えて、包絡線検波器17の前段にコヒーレント積分器22が付加され、送信ブラインド判定器21Aに代えて、目標検出器18の後段に送信ブラインド判定器21Bが付加されていることのみである。
目標検出器18は、複数のPRIごとのコヒーレント積分後の複数の受信ビデオ信号に対して個別に目標を検出する。
送信ブラインド判定器21Bは、目標検出器18で目標が検出されない状態を判定して、目標検出器18で目標が検出されなかったときの非検出PRIにより、所定の時間間隔以上の長時間間隔でパルス列Bを目標Aの方向に再度送信させる。
図4において、タイミング発生器2〜ビデオ信号保存用メモリ16の動作は、前述と同様である。
同様に、コヒーレント積分器22は、Tpri2送信時の複素ディジタルビデオ信号を同じレンジビンごとにフーリエ変換し、その演算結果を包絡線検波器17に入力する。
包絡線検波器17は、コヒーレント積分器22からの2回目のTpri2送信時のすべての複素ディジタルビデオ信号の振幅値を求め、その検波結果を目標検出器18に入力し、目標検出器18は、2回目のTpri2送信時の包絡線検波器17の出力信号のそれぞれに対し、CFARを用いて個別に目標の検出を行う。
この際、Tpri1、Tpri2のいずれかの送信時に目標が検出されなかった場合は、送信ブラインドと見なし、検出されなかったPRIにおける目標の存在するレンジビン番号を「0」に設定する。
また、ここでは、図示を省略するが、パルス内で変調を行うパルス圧縮を併用した場合にでも、同様の作用効果を奏する。さらに、求まった目標Aまでの相対距離をパルス圧縮や合成帯域処理等を用い、より高い分解能、高い精度で測距することも可能である。
なお、上記実施の形態2(図4)では、コヒーレント積分器22を用いたが、図5に示すように、送信ブラインド判定器21Cのみを用い、目標検出器18で目標が検出されない非検出PRIが存在した場合に、想定される真のレンジビンの目標が送信ブラインド状態とならないように、送受信部100内のPRI設定器1に対して新たなPRIを設定させるように構成してもよい。
図5において、図4との相違点は、コヒーレント積分器22を不要とし、送信ブラインド判定器21Bに代えて、目標検出器18の後段に送信ブラインド判定器21Cが付加されていることのみである。
図6はこの発明の実施の形態3による測距例を示す説明図であり、2つのPRIに加えて、新たなPRI(Tpri3)を用いて目標Aまでの相対距離を計測する場合を示している。
図7は目標検出時のレンジビン番号と真のレンジビンとの対応関係を示す説明図であり、Tpri1、Tpri2の送信時に加えて、新たなTpri3の送信時での目標検出のレンジビン番号を対応付けて示している。
したがって、PRI設定器1は、図6、図7に示すように、真のレンジビン番号「8」の目標が送信ブラインドにならない別のPRIとして、送信パルス幅Tpの3倍のPRI(Tpri3)を新たに設定する。
最後に、送信ブラインド考慮型測距器19は、Tpri1送信時に目標検出器18で検出された目標のレンジビン番号と、Tpri3送信時に目標検出器18で検出された目標のレンジビン番号とを用いて、図7から、目標Aの存在する真のレンジビン番号を求める。
また、ここでは、図示を省略するが、この際に、Tpri3送信時に目標が検出されなかった場合は、信号対雑音電力が低いものと見なし、前述の実施の形態2、3のいずれかの手順により、信号対雑音電力の改善を行う。
また、ここでは、図示を省略するが、パルス内で変調を行うパルス圧縮を併用した場合にでも、同様の作用効果を奏する。さらに、求まった目標Aまでの相対距離をパルス圧縮や合成帯域処理等を用い、より高い分解能、高い精度で測距することも可能である。
Claims (4)
- 複数のPRI(Pulse Repetition Interval:パルス繰返し周期)を設定するPRI設定器と、
前記複数のPRIごとに、あらかじめ定めた所定の時間間隔でパルス列を前記目標の方向に送信し、前記目標からの反射信号を受信してレンジビンごとの複数の受信ビデオ信号を生成する送受信部と、
前記複数のPRIごとの前記複数の受信ビデオ信号に対して個別に目標を検出する目標検出器と、
前記PRIごとに検出された前記個別の目標のレンジビン情報とPRI情報と送信ブラインド情報とを用いて、前記目標の相対距離を求める送信ブラインド考慮型測距器と、
を備えたことを特徴とするパルスレーダ装置。 - 複数のPRIを設定するPRI設定器と、
前記複数のPRIごとに、あらかじめ定めた所定の時間間隔でパルス列を前記目標の方向に送信し、前記目標からの反射信号を受信してレンジビンごとの複数の受信ビデオ信号を生成する送受信部と、
前記複数のPRIごとの前記複数の受信ビデオ信号に対して個別に目標を検出する目標検出器と、
前記目標検出器で目標が検出されない状態を判定して、目標が検出されなかったときの非検出PRIにより、前記所定の時間間隔でパルス列を前記目標の方向に再度送信させるための送信ブラインド判定器と、
前記非検出PRIで前記パルス列を再度送信して得られた受信ビデオ信号と、前記非検出PRIで最初に得られた受信ビデオ信号との積分を行うノンコヒーレント積分器と、
前記PRIごとに検出された前記個別の目標のレンジビン情報とPRI情報と送信ブラインド情報とを用いて、前記目標の相対距離を求める送信ブラインド考慮型測距器と、
を備えたことを特徴とするパルスレーダ装置。 - 複数のPRIを設定するPRI設定器と、
前記複数のPRIごとに、あらかじめ定めた所定の時間間隔でパルス列を前記目標の方向に送信し、前記目標からの反射信号を受信してレンジビンごとの複数の受信ビデオ信号を生成する送受信部と、
前記複数のPRIごとに、前記複数の受信ビデオ信号に対しコヒーレント積分を行うコヒーレント積分器と、
前記複数のPRIごとのコヒーレント積分後の複数の受信ビデオ信号に対して個別に目標を検出する目標検出器と、
前記目標検出器で目標が検出されない状態を判定して、前記目標検出器で目標が検出されなかったときの非検出PRIにより、前記所定の時間間隔以上の長時間間隔でパルス列を前記目標の方向に再度送信させるための送信ブラインド判定器と、
前記PRIごとに検出された目標のレンジビン情報とPRI情報と送信ブラインド情報とを用いて、前記目標の相対距離を求める送信ブラインド考慮型測距器と、
を備えたことを特徴とするパルスレーダ装置。 - 複数のPRIを設定するPRI設定器と、
前記複数のPRIごとに、あらかじめ定めた所定の時間間隔でパルス列を前記目標の方向に送信し、前記目標からの反射信号を受信してレンジビンごとの複数の受信ビデオ信号を生成する送受信部と、
前記複数のPRIごとの前記複数の受信ビデオ信号に対して個別に目標を検出する目標検出器と、
前記目標検出器で目標が検出されない状態を判定して、目標が検出されない非検出PRIが存在した場合に、想定される真のレンジビンの目標が送信ブラインド状態とならないように、新たなPRIを設定させるための送信ブラインド判定器と、
前記PRIごとに検出された個別の目標のレンジビン情報とPRI情報と送信ブラインド情報とを用いて、前記目標の相対距離を求める送信ブラインド考慮型測距器と、
を備えたことを特徴とするパルスレーダ装置。
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