JP2010038649A - 変位測定装置、および変位測定方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】レーザ干渉測長装置は、1064nmおよび532nmのレーザ光を射出する光源部110と、偏光ビームスプリッタ120と、測定光路300の長波長レーザ光を分離するダイクロイックミラー320と、分離したレーザ光を反射する長波長コーナキューブ330と、測定光路300に対し変位可能な測定コーナキューブ340と、参照光路200に対し変位可能な参照コーナキューブ220と、長波長レーザ光の光路長を変更する光路変更手段と、干渉信号を出力する位相検出部420と、和信号を演算する和信号演算手段と、和信号の位相が変化しないように、参照コーナキューブ220を変位させる変位制御手段と、その変位量を検出する参照変位量検出手段と、測定コーナキューブ340の変位量を演算する測定変位量演算手段と、を具備した。
【選択図】図5
Description
この特許文献1に記載のものは、光源から1.06μmYAGレーザとその第2高調波を射出し、λ/2板により偏光状態を調整し、これらのレーザ光をビームスプリッタに入射させる。ここで、ビームスプリッタで反射されたレーザ光は、参照鏡で反射され、ビームスプリッタを透過したレーザ光は、プローブ鏡で反射されることで、これらの反射光は、再びビームスプリッタに入射して干渉する。この後、これらのレーザ光の干渉縞を分離させて、これらの干渉縞に基づく信号を検出することで、幾何学的長さを計算する構成が採られている。
また、非特許文献2に記載の方法は、波長可変レーザを用いて、測定中に波長を可変させながら測定を実施することで内挿誤差の影響をなくして測長する方法である。
また、上記非特許文献1に記載のような光路長増幅法を用いる場合では、見かけ上レーザ光の波長が短くなるため、高精度化が実現できるが、光学系が複雑になり、光路長が増大することで光量が低下するという問題もある。また、測定における最高移動速度が低下するなどといった問題も挙げられる。
さらに、非特許文献2に記載のような波長可変レーザを用いる方法では、測定中に波長可変を動的に実施するため、光学部品におけるレーザ光の分散の影響が課題となり、また高度な波長安定性を実現することも困難となる。
以上のように、レーザ干渉測長計において、簡単な構成で、数μmの狭測定範囲でサブナノメートルの測定精度を実現することは困難であるという課題がある。
そして、分離されたレーザ光のうち、測定光路側に分離されたレーザ光では、長波長レーザ光は、測定光路分離手段により分離され、長波長反射部で反射され、測定側光路長変更手段により光路長が変更された後、光重ね合わせ手段に入射する。また、測定光路側の短波長レーザ光は、測定反射部に反射された後、光重ね合わせ手段に入射する。
一方、参照光路側に分離されたレーザ光では、長波長レーザ光は、参照側光路長変更手段により光路長が変更された後、光重ね合わせ手段に入射する。また、参照光路側の短波長レーザ光は、参照側反射部に反射された後、光重ね合わせ手段に入射する。
そして、光重ね合わせ手段は、同一波長のレーザ光同士を重ね合わせて干渉波を生成し、検出部に向かってこの干渉波を射出する。
また、検出部では、この干渉波を受信して、長波長レーザ光に対する干渉信号、および短波長レーザ光に対する干渉信号をそれぞれ出力する。
そして、和信号演算手段は、これら2つの干渉信号の和信号を演算し、参照変位量検出手段は、この和信号の位相が変化しないように参照反射部を変位させる。そして、測定変位量演算部は、この参照反射部の変位量に基づいて、測定反射部の変位量を演算する。
各レーザ光の屈折率は、例えば空気中では、略1であるが、実際には、各レーザ光において僅かな差がある。空気中での屈折率の差の概略値を次式(3)に示す。
ここで、和信号演算手段は、これらの干渉信号y1、y2の和信号を次式(4)に示すように演算する。
この和信号y1+y2は、(4)式に示すように、周期が非常に短いcos(2πl(n1+n2)/λ2)の信号成分と、周期が長いcos(2πl(n1−n2)/λ2)との積となる。図2は、図1において、和信号y1+y2の波形の頂点を結ぶ外形信号成分A1と、周期が長い信号成分A2(cos(2πl(n1−n2)/λ2))のみを示した図である。図2に示すように、和信号y1+y2の波形の頂点を結ぶ外形信号成分A1が1周する点、すなわち外径信号成分のゼロクロス点の周期は、周期が長いcos(2πl(n1−n2)/λ2)の信号成分A2の半周期と一致する。すなわち、次式(5)を満たす変位量lが与えられた際に、外形信号成分A1が1周する。
図3は、測定反射部の変位に伴う和信号の変化を示す図である。この図3において、上から順に、(7)式中の位相変化量が+0、+0.5π、+1.0π、+1.5πに変化した場合の信号波形をそれぞれ示す。
この図3からも分かるように、測定反射部の変位量Dは、次式を満たすときに、1周期となる。
また、上記(10)式により、次式が成立する。
このような変位検出装置および変位検出方法では、例えば空気中ではKの値が4.2×10−6程度であり、1よりも十分に小さい値となるため、測定反射部の変位量Dが微小である場合でも、参照反射部の変位量lに変換すると大きな値となる。例えば、参照反射部の変位量lを10μm程度で測定することで、測定反射部の変位量Dをピコメートル単位で高精度に測定することができる。すなわち、波長が短いX線などを用いる必要がなく、複雑な光学系や高価な光学部品を用いた大型の装置を構成する必要もなく、簡単な構成で変位測定装置を構成することができる。これに加えて、可視域のレーザ光や近赤外域のレーザ光を用いることができるため、光源の安定性を確保でき、光源から特定の波長のレーザ光を射出する構成であるため、波長可変レーザで問題となる光学部品の分散の影響も問題なく、高度な波長安定性も実現できる。さらに、上述したように、ピコメートル単位の高精度な変位測定が可能であり、狭範囲における測定精度を向上させることができる。
図4は、本発明に係る一実施の形態のレーザ干渉測長装置の概略構成を示すブロック図である。
図5は、レーザ干渉測長装置1におけるレーザ干渉測長計100の光学系の概略を示すブロック図である。なお、図5において、破線は長波長レーザ光の光路を示し、実線は短波長レーザ光の光路を示す。
図5に示すように、レーザ干渉測長計100は、光源としての光源部110と、偏光分離手段および光重ね合わせ手段としての偏光ビームスプリッタ120と、測定側光路長変更手段および参照側光路長変更手段の一部を構成する光路長変更コーナキューブ130と、参照光路200と、測定光路300と、干渉測長光路400と、を備えている。
このような偏光ビームスプリッタ120に入射したレーザ光は、点Bにおける偏光分離膜にて、S偏光光が反射され、P偏光光が透過して2つの直線偏光光に分離される。偏光分離膜にて分離されたS偏光は、反射膜にて反射し、参照光路200に面する偏光ビームスプリッタ120の一端面から射出される。一方、偏光分離膜を透過したP偏光は、測定光路300に面する偏光ビームスプリッタ120の一端面から射出される。
ここで、参照光路200から入射したP偏光光は、そのまま透過され、参照光路200とは反対側の端面から光路長変更コーナキューブ130に向かって射出される。また、測定光路300から入射したS偏光光は、反射膜にて反射されて光路長変更コーナキューブ130に向かって射出される。さらに、光路長変更コーナキューブ130側から入射したP偏光光は、そのまま透過されて参照光路200側に射出され、S偏光光は、反射膜にて反射されて測定光路300側に射出される。
また、光路長変更コーナキューブ130や、後述する参照反射部としての参照コーナキューブ220、後述する測定反射部としての測定コーナキューブ340、後述する長波長反射部としての長波長コーナキューブ330を用いることで、偏光ビームスプリッタ120における所定点(図5における点A)にて反射された光を集光することができ、良好な干渉波を形成することができる。また、この点Aを通過する光路上に干渉測長光路400を形成することで、図5に示すように、光源部110から射出されたレーザ光の入射光路と、干渉測長光路400とをずらすことができるため、干渉測長光路400内に入射光路のレーザ光に干渉せずに光学部品を配置することが可能となる。なお、本実施の形態では、光路長変更コーナキューブ130によりレーザ光を反射される構成としたが、例えばミラーによりレーザ光を反射させる構成としてもよい。
また、参照コーナキューブ220は、参照光路200の光路に沿って変位可能に設けられ、図示しない駆動手段により参照光路上で進退駆動可能となっている。この駆動手段は、測長制御部600により、例えば10−9m単位で精密に動作が制御されている。
すなわち、偏光ビームスプリッタ120から射出された長波長レーザ光のS偏光光は、λ/4板210により円偏光光に変換されて参照コーナキューブ220に入射する。そして、この長波長レーザ光は、参照コーナキューブ220にて反射され、再びλ/4板210を通過して偏光ビームスプリッタ120に入射する。この時、長波長レーザ光は、λ/4板210により偏光方向が変更され、つまりP偏光光に変換される。この後、このP偏光光の長波長レーザ光は、偏光ビームスプリッタ120の点Aを通過して、参照光路200とは反対側の端面から射出され、光路長変更コーナキューブ130に反射される。そして、再び偏光ビームスプリッタ120に入射して、点Bを通過して参照光路200側に射出される。この後、このP偏光光の長波長レーザ光は、λ/4板210を透過することで、円偏光光に変換され、参照コーナキューブ220にて反射された後、再びλ/4板210を通過して、偏光方向が偏光されたS偏光光に変換される。その後、再び偏光ビームスプリッタ120に入射し、点Aにおいて、反射膜に反射されることで干渉測長光路400側に向かって射出される。すなわち、長波長レーザ光は、λ/4板210および光路長変更コーナキューブ130により、偏光ビームスプリッタ120および参照コーナキューブ220間の参照光路200内を2往復する。
長波長コーナキューブ330は、直角三面鏡を有する光学部品である。この長波長コーナキューブ330は、ダイクロイックミラー320にて反射された長波長レーザ光を、3つの鏡面により反射させて、再びダイクロイックミラー320側に射出する。この時、上述したように、長波長コーナキューブ330は、偏光ビームスプリッタ120における点Aを通る光路上に、長波長レーザ光を反射させる。
すなわち、偏光ビームスプリッタ120から射出された長波長レーザ光のP偏光光は、λ/4板310により円偏光光に変換された後、ダイクロイックミラー320にて反射され、長波長コーナキューブ330に入射する。そして、この長波長レーザ光は、長波長コーナキューブ330にて反射された後、ダイクロイックミラー320にて偏光ビームスプリッタ120側に反射され、λ/4板310を通過して偏光ビームスプリッタ120に入射する。この時、長波長レーザ光は、λ/4板310により偏光方向が変更されたS偏光光に変換される。この後、このS偏光光の長波長レーザ光は、偏光ビームスプリッタ120の点Aにて反射され、参照光路200とは反対側の端面から射出され、光路長変更コーナキューブ130に反射される。そして、再び偏光ビームスプリッタ120に入射して、点Bにて反射され、測定光路300側に射出される。この後、このS偏光光の長波長レーザ光は、λ/4板310を透過することで、円偏光光に変換され、ダイクロイックミラー320を経て長波長コーナキューブ330にて反射される。そして、ダイクロイックミラー320により偏光ビームスプリッタ120側に反射された後、再びλ/4板310を通過して、偏光方向が変更されたP偏光光に変換される。その後、再び偏光ビームスプリッタ120に入射し、点Aを透過して干渉測長光路400側に向かって射出される。すなわち、長波長レーザ光は、λ/4板310、光路長変更コーナキューブ130、ダイクロイックミラー320、長波長コーナキューブ330により、偏光ビームスプリッタ120および長波長コーナキューブ330間を2往復する。
環境モニタ500は、例えば温度計、気圧計、湿度計、CO2濃度計などの計測器を備えている。そして、この環境モニタ500は、これらの計測器により、空気屈折率の算出に必要となる環境因子(温度、気圧、湿度、CO2濃度)を測定し、その測定値を測長制御部600に出力する。なお、CO2濃度の影響は特に少ないため、CO2濃度計で測定する必要は必ずしもなく、適当な値、例えば450 ppmなどと固定しておいてもよい。
測長制御部600は、レーザ干渉測長計100に接続されるとともに、レーザ干渉測長計から出力される干渉信号に基づいて、参照コーナキューブ220や測定コーナキューブ340の変位量を演算する。また、測長制御部600は、レーザ干渉測長計における参照コーナキューブ220を所定方向に移動させる制御を実施する。この測長制御部600としては、例えばパーソナルコンピュータなどの汎用コンピュータを用いてもよく、専用の制御機器を用いてもよい。
この測長制御部600における具体的な構成は図示を省略するが、装置全体を制御するCPU(Central Processing Unit)、ユーザにより入力操作が可能なキーボードやマウスなどの入出力手段、CPUにて演算されるデータが一時記憶されるメモリや各種データやプログラムなどが記録されるHDDなどの記憶手段などを備えて構成されている。
そして、この測長制御部600の記憶手段には、CPUにて演算処理させる各種プログラムとして、図4に示すように、環境因子読込手段610と、屈折率演算手段620と、環境因子定数演算手段630と、干渉信号読込手段640と、和信号演算手段650と、変位制御手段660と、参照変位量演算手段670と、測定変位量演算手段680と、などを備えている。なお、本実施の形態において、これらの構成がプログラムとして記憶され、CPUにて演算処理される構成を例示するがこれに限定されず、例えば、各構成がICチップなどの集積回路にて構成されるものであってもよい。
この時、変位制御手段660は、和信号演算手段650にて演算された和信号y1+y2がゼロクロス点となるように、参照コーナキューブ220を変位させる。
次に、上述したようなレーザ干渉測長装置により被測定対象3の変位量を測定する際の測定原理について説明する。
上述したようなレーザ干渉測長計100では、光源部110から1064nmの長波長レーザ光と、532nmの短波長レーザ光が射出されると、これらの各波長のレーザ光は以下のような光路を経て位相検出部420に受光される。
すなわち、各波長のレーザ光は、偏光ビームスプリッタ120により偏光方向の違いに分離され、S偏光光のレーザ光は、参照光路200に分離され、P偏光光のレーザ光は測定光路300に分離されて、それぞれ射出される。
参照光路200に射出された長波長レーザ光は、偏光ビームスプリッタ120および参照コーナキューブ220の間を2往復し、短波長レーザ光は、偏光ビームスプリッタ120および参照コーナキューブ220の間を1往復する。一方、測定光路300に射出された長波長レーザ光は、偏光ビームスプリッタ120および長波長コーナキューブ330の間を2往復し、短波長レーザ光は、偏光ビームスプリッタ120および測定コーナキューブ340の間を1往復する。また、各レーザ光はこの後、偏光ビームスプリッタ120にて再び合成され、それぞれ干渉測長光路400に射出され、位相検出部420に受光される。この位相検出部420では、光電変換により干渉波に応じた干渉信号が生成され、測長制御部600に出力される。
ここで、この各環境因子の標準値を図6に示す値に定義する。図7は、気圧、湿度、CO2濃度を図6に示す標準値に保った状態で、温度を図6の変化範囲内で可変させた場合の環境因子定数Kの変化を示す図である。図8は、温度、湿度、CO2濃度を図6に示す標準値に保った状態で、気圧を図6の変化範囲内で可変させた場合の環境因子定数Kの変化を示す図である。図9は、温度、気圧、CO2濃度を図6に示す標準値に保った状態で、湿度を図6の変化範囲内で可変させた場合の環境因子定数Kの変化を示す図である。図10は、温度、気圧、湿度を図6に示す標準値に保った状態で、CO2濃度を図6の変化範囲内で可変させた場合の環境因子定数Kの変化を示す図である。
図7ないし図10からも分かるように、Kの値は4.2×10−6程度の値であり、空気屈折率n2≒n1≒1であることから、n2−n1も同様に4.2×10−6であることが分かる。
次に、上述したレーザ干渉測長装置1を用いた被測定対象の変位量Dの測定方法について説明する。
図11は、レーザ干渉測長装置1を用いた変位測定方法のフローチャートである。
この際、測定コーナキューブ340の変位により、干渉信号y2が変化するため、和信号y1+y2も変化するが、この変化を打ち消すように、参照コーナキューブ220を変位させる。すなわち、測長制御部600は、和信号演算手段650にて演算された和信号y1+y2が常にゼロクロス点となるように、変位制御手段660にて参照コーナキューブ220を変位させる(ステップS105)。
次に、上記のような変位測定方法における不確かさ解析を以下に示す。
上述した(11)式を微分すると、次式が得られる。
図7ないし図10に示した結果により、例えば温度を0.1℃、気圧を1hPa、湿度を3%で測定した場合、環境因子定数Kの不確かさは、δK≒2.0×10−9となる。ここで、これらの測定値は、市販の一般的な温度計、気圧計、湿度計により容易に測定可能な精度であり、これらの市販の計測器にて計測した環境因子定数Kの不確かさδKであっても十分に小さい値となる。なお、CO2濃度の影響は他の測定環境因子に比べて十分小さく、CO2濃度の変化による環境因子定数Kの不確かさδKは、上記の値よりもさらに小さくなる。このためCO2濃度の測定は必ずしも行わなくてよい。
上述したようなレーザ干渉測長装置1では、レーザ干渉測長計100として、光源部110から、倍数関係となる2波長のレーザ光、すなわち1064nmの長波長レーザ光と、532nmの短波長レーザ光とを射出させる。そして、偏光ビームスプリッタ120により、これらのレーザ光を偏光方向の違いにより、参照光路200および測定光路300との2方向に分離させる。また、この参照光路200には、光軸に沿って変位可能な参照コーナキューブ220がもうけられ、測定光路300には、被測定対象が固定される測定コーナキューブ340が光軸に沿って変位可能に設けられている。また、偏光ビームスプリッタ120の参照光路200とは反対側となる端面に対応して、光路長変更コーナキューブ130が設けられ、参照光路200には、長波長レーザ光にのみに対応するλ/4板210が配置され、偏光ビームスプリッタ120および参照コーナキューブ220間で長波長レーザ光を2往復させて、光路長を変更している。また、測定光路300には、長波長レーザ光にのみに対応するλ/4板310と、長波長レーザ光のみを反射して、長波長コーナキューブ330側に誘導するダイクロイックミラー320、および長波長コーナキューブ330が設けられており、これらの光学部品と前記光路長変更コーナキューブ130とにより、測定光路300側に射出された長波長レーザ光を、偏光ビームスプリッタ120および長波長コーナキューブ330間で2往復させ、光路長を変更している。そして、偏光ビームスプリッタ120は、参照光路200および測定光路300から入射する波長毎のレーザ光をそれぞれ合成して干渉波とし、干渉測長光路400の位相検出部420において、干渉波の干渉信号を検出し、測長制御部600に出力する。また、測長制御部600は、検出された各波長のレーザ光に対する干渉信号y1,y2を合成した和信号y1+y2を演算する和信号演算手段650と、この和信号y1+y2がゼロクロス点となるように、参照コーナキューブ220を変位させる変位制御手段660とを備えている。そして、測長制御部600の参照変位量演算手段670は、変位制御手段660にて変位された参照コーナキューブ220の変位量を算出し、測定変位量演算手段680は、この算出された参照コーナキューブ220により測定コーナキューブ340の変位量Dを演算する。
したがって、可視域以外の短波長レーザ光やX線などのより短い波長を用いた測定に比べて、安全性を確保することができるとともに、装置全体の構成も簡単となり、レーザ干渉測長計の小型化、コストの低減を図ることができる。また、レーザ光を複雑な光学系内で複数往復させて光路長を倍増させることもなく、比較的単純な光路を形成すればよいため、光学系が複雑化せず、構成が簡単となり、かつレーザ光の光量の低下を抑えた安定した測定を実施できる。さらに、可変レーザ光を用いることもないため、レーザ光の分散の影響もなく、所定波長のレーザ光を安定供給することができる。以上により、簡単な構成で、安定性、安全性を十分に確保でき、かつ高精度な変位測定を実施することができるレーザ干渉測長装置1および変位測定方法を実現することができる。
このため、参照コーナキューブ220の変位量を、長波長レーザ光の干渉信号から演算することで、例えば参照コーナキューブ220の変位方向に沿って目盛を設けてこの目盛を読み込む構成などと比べて、より精度よく変位量lを演算により求めることができる。また、具体的には、上記したように、容易にマイクロメートル単位の計測が可能であり、このような精度で参照コーナキューブ220の変位量を求めることで、測定コーナキューブ340の変位量を例えばピコメートル単位で、より高精度に測定することができる。
なお、本発明は、上述した一実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲で以下に示される変形をも含むものである。
3 …被測定対象
110…光源としての光源部
120…偏光分離手段および光重ね合わせ手段としての偏光ビームスプリッタ
130…測定側光路長変更手段および参照側光路長変更手段の一部を構成する光路長変更コーナキューブ
200…参照光路
210…参照側光路長変更手段の一部を構成するλ/4板
220…参照反射部としての参照コーナキューブ
300…測定光路
310…測定側光路長変更手段の一部を構成するλ/4板
320…測定光分離手段としてのダイクロイックミラー
330…長波長反射部としての長波長コーナキューブ
340…測定反射部としての測定コーナキューブ
420…検出手段としての位相検出部
650…和信号演算手段
660…変位制御手段
670…参照変位量演算手段
680…測定変位量演算手段。
Claims (3)
- 波長が倍数関係にある異なる2つの波長のレーザ光を射出する光源と、
前記光源からの前記レーザ光を偏光方向の違いにより分離し、これらの分離された前記レーザ光のうち、一方を被測定対象に向かう方向の測定光路に、他方を前記測定光路とは異なる方向の参照光路に沿って射出する偏光分離手段と、
前記測定光路に設けられるとともに、波長の異なる2つのレーザ光のうち、波長が長い長波長レーザ光を反射するとともに、波長が短い短波長レーザ光を透過する測定光分離手段と、
前記測定光路内に設けられるとともに、前記測定光分離手段により分離された前記長波長レーザ光を反射する長波長反射部と、
前記測定光路内に設けられるとともに、前記長波長レーザ光の光路長を変更する測定側光路長変更手段と、
前記被測定対象に固定され、前記測定光路に沿って変位可能に設けられるとともに、前記短波長レーザ光を反射する測定反射部と、
前記参照光路に沿って変位可能に設けられ、前記レーザ光を反射する参照反射部と、
前記参照光路に設けられるとともに、前記長波長レーザ光の光路長を変更する参照側光路長変更手段と、
前記測定光路の前記測定反射部および前記長波長反射部に反射された前記レーザ光と、前記参照光路の前記参照反射部に反射された前記レーザ光とを重ね合わせる光重ね合わせ手段と、
前記光重ね合わせ手段により重ね合わされた前記レーザ光により生じる干渉波を受光するとともに、受光した干渉波に応じた干渉信号を出力する検出手段と、
前記検出手段から出力される前記干渉信号のうち、前記長波長レーザ光に対する干渉信号および前記短波長レーザ光に対する干渉信号の和信号を演算する和信号演算手段と、
前記和信号の位相が変化しないように、前記参照反射部を変位させる変位制御手段と、
前記参照反射部の変位量を検出する参照変位量検出手段と、
前記参照反射部の変位量に基づいて、前記測定反射部の変位量を演算する測定変位量演算手段と、
を具備したことを特徴とする変位測定装置。 - 請求項1に記載の変位測定装置において、
前記参照変位量検出手段は、前記長波長レーザ光に対する干渉信号に基づいて前記参照反射部の変位量を検出する
ことを特徴とする変位測定装置。 - 波長が倍数関係にある異なる2つの波長のレーザ光を射出する光源と、この光源からの前記レーザ光を偏光方向の違いにより分離し、これらの分離された前記レーザ光のうち、一方を被測定対象に向かう方向の測定光路に、他方を前記測定光路とは異なる方向の参照光路に沿って射出する偏光分離手段と、前記測定光路に設けられるとともに、波長の異なる2つのレーザ光のうち、波長が長い長波長レーザ光を反射するとともに、波長が短い短波長レーザ光を透過する測定光分離手段と、前記測定光路内に設けられるとともに、前記測定光分離手段により分離された前記長波長レーザ光を反射する長波長反射部と、前記測定光路内に設けられるとともに、前記長波長レーザ光の光路長を変更する測定側光路長変更手段と、前記被測定対象に固定され、前記測定光路に沿って変位可能に設けられるとともに、前記短波長レーザ光を反射する測定反射部と、前記参照光路に沿って変位可能に設けられ、前記レーザ光を反射する参照反射部と、前記参照光路に設けられるとともに、前記長波長レーザ光の光路長を変更する参照側光路長変更手段と、前記測定光路の前記測定反射部および前記長波長反射部に反射された前記レーザ光と、前記参照光路の前記参照反射部に反射された前記レーザ光とを重ね合わせる光重ね合わせ手段と、前記光重ね合わせ手段により重ね合わされた前記レーザ光により生じる干渉波を受光するとともに、受光した干渉波に応じた干渉信号を出力する検出手段とを具備した変位測定装置における変位測定方法であって、
前記干渉信号のうち、前記長波長レーザ光に対する干渉信号および前記短波長レーザ光に対する干渉信号の和信号を演算し、
前記和信号の位相が変化しないように前記参照反射部を変位させ、
この参照反射部の変位量を検出し、
この参照反射部の変位量に基づいて、前記測定反射部の変位量を演算する
ことを特徴とする変位測定方法。
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