JP2010038325A - 動力伝達装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】出力軸の回転により出力軸から離れた潤滑油がカウンタ軸に付着することを抑制できる動力伝達装置を提供すること。
【解決手段】車両の駆動源との間で動力を伝達する入力軸5と、入力軸と平行に配置され、車両の駆動輪との間で動力を伝達し、かつ、潤滑油により潤滑される出力軸43と、入力軸と平行に配置され、入力軸および出力軸のそれぞれとの間で動力を伝達するカウンタ軸34とを備え、カウンタ軸の中心軸線C6が、入力軸の中心軸線C3と出力軸の中心軸線C5とを結ぶ仮想線L4よりも鉛直方向下方に位置しており、車両の前進時における出力軸の回転方向A5とカウンタ軸の回転方向A6とが、それぞれの中心軸線よりも鉛直方向下方の領域で互いに離間する方向である動力伝達装置100であって、出力軸の回転により出力軸から離れた潤滑油がカウンタ軸に向かうことを抑制する抑制手段50を備える。
【選択図】 図3

Description

本発明は、動力伝達装置に関し、特に、車両の駆動源との間で動力を伝達する入力軸と、入力軸と平行に配置され、車両の駆動輪との間で動力を伝達し、かつ、潤滑油により潤滑される出力軸と、入力軸と平行に配置され、入力軸および出力軸のそれぞれとの間で動力を伝達するカウンタ軸とを備え、車両の前進時における出力軸の回転方向とカウンタ軸の回転方向とが、それぞれの中心軸線よりも鉛直方向下方の領域で互いに離間する方向である動力伝達装置に関する。
車両の駆動源との間で動力を伝達する入力軸と、入力軸と平行に配置され、車両の駆動輪との間で動力を伝達する出力軸と、入力軸と平行に配置され、入力軸および出力軸のそれぞれとの間で動力を伝達するカウンタ軸とを備える動力伝達装置が知られている。このような動力伝達装置として、例えば、特許文献1に開示された動力伝達装置が公知である。動力伝達装置の出力軸は、潤滑油により潤滑される。
特開2002−274201号公報
出力軸の回転により出力軸から離れた潤滑油が、カウンタ軸に付着し、カウンタ軸の攪拌損失が増加してしまうことがある。例えば、出力軸の回転方向とカウンタ軸の回転方向とが、それぞれの中心軸線よりも鉛直方向下方の領域で互いに離間する方向に設定されている場合である。この場合、出力軸の回転により出力軸から離れた潤滑油が、カウンタ軸に向かう方向に飛ぶため、カウンタ軸に潤滑油が付着しやすくなる。
出力軸の回転により出力軸から離れた潤滑油が、カウンタ軸に付着することを抑制できることが望まれている。
本発明の目的は、車両の駆動源との間で動力を伝達する入力軸と、入力軸と平行に配置され、車両の駆動輪との間で動力を伝達し、かつ、潤滑油により潤滑される出力軸と、入力軸と平行に配置され、入力軸および出力軸のそれぞれとの間で動力を伝達するカウンタ軸とを備え、車両の前進時における出力軸の回転方向とカウンタ軸の回転方向とが、それぞれの中心軸線よりも鉛直方向下方の領域で互いに離間する方向である動力伝達装置において、出力軸の回転により出力軸から離れた潤滑油がカウンタ軸に付着することを抑制できる動力伝達装置を提供することである。
本発明の動力伝達装置は、車両の駆動源との間で動力を伝達する入力軸と、前記入力軸と平行に配置され、前記車両の駆動輪との間で前記動力を伝達し、かつ、潤滑油により潤滑される出力軸と、前記入力軸と平行に配置され、前記入力軸および前記出力軸のそれぞれとの間で前記動力を伝達するカウンタ軸とを備え、前記カウンタ軸の中心軸線が、前記入力軸の中心軸線と前記出力軸の中心軸線とを結ぶ仮想線よりも鉛直方向下方に位置しており、前記車両の前進時における前記出力軸の回転方向と前記カウンタ軸の回転方向とが、それぞれの中心軸線よりも鉛直方向下方の領域で互いに離間する方向である動力伝達装置であって、前記出力軸の回転により前記出力軸から離れた前記潤滑油が前記カウンタ軸に向かうことを抑制する抑制手段を備えることを特徴とする。
本発明の動力伝達装置において、前記抑制手段は、前記出力軸の鉛直方向上方の空間の一部を閉塞する閉塞部材であることを特徴とする。
本発明の動力伝達装置において、前記閉塞部材は、前記閉塞部材に付着した前記潤滑油を、前記出力軸の外周部において前記出力軸の回転により前記潤滑油が離れる位置よりも前記出力軸の回転方向の下流側に導くことを特徴とする。
本発明の動力伝達装置において、前記カウンタ軸を収容するケースを備え、前記抑制手段は、前記ケースの内壁面から突出し、前記内壁面に沿って前記潤滑油を流す油路であり、前記油路は、前記カウンタ軸と直交する面と平行な前記内壁面における前記カウンタ軸の鉛直方向上方に配置され、鉛直方向と交差する方向に延設されていることを特徴とする。
本発明の動力伝達装置において、前記出力軸の鉛直方向下方には、前記潤滑油を貯留する貯留部が形成されており、回転する前記出力軸により前記貯留部から送り出された前記潤滑油が、前記動力伝達装置の各部に供給されることを特徴とする。
本発明の動力伝達装置において、前記出力軸の鉛直方向上方に配置され、前記送り出された前記潤滑油を貯留する第二貯留部を備え、前記閉塞部材は、前記第二貯留部と、前記出力軸の外周部との間の空間の一部を閉塞するものであって、前記送り出された前記潤滑油のうち前記第二貯留部に流入しない前記潤滑油を前記出力軸の外周部に導くことを特徴とする。
本発明の動力伝達装置において、前記カウンタ軸の鉛直方向の下部を含む前記カウンタ軸の一部を収容するカウンタ室を備え、前記油路は、前記カウンタ室の鉛直方向上方に設けられており、前記カウンタ室の外部に前記潤滑油を導くことを特徴とする。
本発明によれば、車両の駆動源との間で動力を伝達する入力軸と、入力軸と平行に配置され、車両の駆動輪との間で動力を伝達し、かつ、潤滑油により潤滑される出力軸と、入力軸と平行に配置され、入力軸および出力軸のそれぞれとの間で動力を伝達するカウンタ軸とを備え、カウンタ軸の中心軸線が、入力軸の中心軸線と出力軸の中心軸線とを結ぶ仮想線よりも鉛直方向下方に位置しており、車両の前進時における出力軸の回転方向とカウンタ軸の回転方向とが、それぞれの中心軸線よりも鉛直方向下方の領域で互いに離間する方向である動力伝達装置であって、出力軸の回転により出力軸から離れた潤滑油がカウンタ軸に向かうことを抑制する抑制手段を備える。抑制手段によって潤滑油がカウンタ軸に向かうことが抑制されることにより、カウンタ軸に潤滑油が付着することが抑制され、カウンタ軸における攪拌抵抗を低減することができる。
以下、本発明の動力伝達装置の一実施形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1から図3を参照して、第1実施形態について説明する。本実施形態は、車両の駆動源との間で動力を伝達する入力軸と、入力軸と平行に配置され、車両の駆動輪との間で動力を伝達し、かつ、潤滑油により潤滑される出力軸と、入力軸と平行に配置され、入力軸および出力軸のそれぞれとの間で動力を伝達するカウンタ軸とを備え、車両の前進時における出力軸の回転方向とカウンタ軸の回転方向とが、それぞれの中心軸線よりも鉛直方向下方の領域で互いに離間する方向である動力伝達装置に関する。
図1は、この発明の一実施形態が適用されたFF(フロントエンジンフロントドライブ;エンジン前置き前輪駆動)形式のハイブリッド車の動力伝達装置100を示すスケルトン図である。図1において、1はエンジン(駆動源)であり、このエンジン1としては内燃機関、具体的にはガソリンエンジンまたはディーゼルエンジンまたはLPGエンジンまたはメタノールエンジンまたは水素エンジンなどを用いることができる。
この実施形態においては、便宜上、エンジン1としてガソリンエンジンを用いた場合について説明する。エンジン1は、燃料の燃焼によりクランクシャフト2から動力を出力する装置であって、吸気装置、排気装置、燃料噴射装置、点火装置、冷却装置などを備えた公知のものである。クランクシャフト2は車両の幅方向に、かつ、水平に配置され、クランクシャフト2の後端部にはフライホイール3が形成されている。
エンジン1の外壁には、中空のトランスアクスルケース(ケース)4が取り付けられている。トランスアクスルケース4は、エンジン側ハウジング70と、エクステンションハウジング71と、エンドカバー72とを有している。これらエンジン側ハウジング70およびエクステンションハウジング71およびエンドカバー72は、アルミニウムなどの金属材料を成形加工したものである。また、エンジン側ハウジング70の一方の開口端73とエンジン1とが接触した状態で、エンジン1とエンジン側ハウジング70とが相互に固定されている。
また、エンジン側ハウジング70とエンドカバー72との間に、エクステンションハウジング71が配置されている。さらに、エンジン側ハウジング70の他方の開口端74と、エクステンションハウジング71の一方の開口端75とが接触した状態で、エンジン側ハウジング70とエクステンションハウジング71とが相互に固定されている。さらにまた、エクステンションハウジング71の他方の開口端76を塞ぐようにエンドカバー72が取り付けられて、エンドカバー72とエクステンションハウジング71とが相互に固定されている。
トランスアクスルケース4の内部G1には、インプットシャフト(入力軸)5、第1のモータジェネレータ6、動力合成機構7、変速機構8、第2のモータジェネレータ9が設けられている。インプットシャフト5はクランクシャフト2と同心状に配置されている。インプットシャフト5におけるクランクシャフト2側の端部には、クラッチハブ10がスプライン嵌合されている。
トランスアクスルケース4内には、フライホイール3とインプットシャフト5との動力伝達状態を制御するクラッチ11が設けられている。また、フライホイール3とインプットシャフト5との間におけるトルク変動を抑制・吸収するダンパ機構12が設けられている。第1のモータジェネレータ6は、インプットシャフト5の外側に配置され、第2のモータジェネレータ9は、第1のモータジェネレータ6よりもエンジン1から遠い位置に配置されている。
すなわち、エンジン1と第2のモータジェネレータ9との間に第1のモータジェネレータ6が配置されている。第1のモータジェネレータ6および第2のモータジェネレータ9は、電力の供給により駆動する電動機としての機能(力行機能)と、機械エネルギーを電気エネルギーに変換する発電機としての機能(回生機能)とを兼ね備えている。第1のモータジェネレータ6および第2のモータジェネレータ9としては、例えば、交流同期型のモータジェネレータを用いることができる。第1のモータジェネレータ6および第2のモータジェネレータ9に電力を供給する電力供給装置としては、バッテリ、キャパシタなどの蓄電装置、あるいは公知の燃料電池などを用いることができる。
第1のモータジェネレータ6の配置位置および第1のモータジェネレータ6の構成を具体的に説明する。エンジン側ハウジング70の内面には、エンジン1側に向けて延ばされ、ついで、インプットシャフト5側に向けて延ばされた隔壁77が形成されている。さらに、隔壁77に対してケースカバー78が固定されている。このケースカバー78は、エンジン1から離れる方向に延ばされ、ついで、インプットシャフト5側に向けて延ばされた形状を有している。そして、隔壁77とケースカバー78とにより取り囲まれた空間G2に、第1のモータジェネレータ6が配置されている。第1のモータジェネレータ6は、トランスアクスルケース4側に固定されたステータ13と、回転自在なロータ14とを有している。ステータ13は、隔壁77に固定された鉄心15と、鉄心15に巻かれたコイル16とを有している。
ステータ13およびロータ14は、所定肉厚の電磁鋼板を、その厚さ方向に複数枚を積層して構成したものである。なお、複数の電磁鋼板は、インプットシャフト5の軸線方向に積層されている。そして、インプットシャフト5の軸線方向における第1のモータジェネレータ6のコイル16の両端間が、インプットシャフト5の軸線方向における第1のモータジェネレータ6の配置領域L1である。一方、インプットシャフト5の外周には、中空シャフト17が取り付けられている。そして、インプットシャフト5と中空シャフト17とが相対回転可能に構成されている。ロータ14は、中空シャフト17の外周側に連結されている。
また、動力合成機構(言い換えれば動力分配機構)7は、第1のモータジェネレータ6と第2のモータジェネレータ9との間に設けられている。動力合成機構7は、いわゆるシングルピニオン形式の遊星歯車機構7Aを有している。すなわち、遊星歯車機構7Aは、サンギヤ18と、サンギヤ18と同心状に配置されたリングギヤ19と、サンギヤ18およびリングギヤ19に係合するピニオンギヤ20を保持したキャリヤ21とを有している。そして、サンギヤ18と中空シャフト17とが連結され、キャリヤ21とインプットシャフト5とが連結されている。なお、リングギヤ19は、インプットシャフト5と同心状に配置された環状部材(言い換えれば円筒部材)22の内周側に形成されており、この環状部材22の外周側にはカウンタドライブギヤ23が形成されている。
第2のモータジェネレータ9は、カウンタドライブギヤ23よりもエンジン1から遠い位置に設けられている。第2のモータジェネレータ9のロータ26がMGシャフト45の外周に連結されており、MGシャフト45は車両の幅方向にほぼ水平に配置されている。このMGシャフト45とインプットシャフト5および中空シャフト17とが非同心状に配置されている。
すなわち、インプットシャフト5は、MGシャフト45と平行に配置されている。インプットシャフト5における軸方向の一方側(エンドカバー72側)の端部を含む軸方向の一部の領域5tと、MGシャフト45における軸方向の他方側(エンジン1側)の端部を含む軸方向の一部の領域45tとが径方向に互いに対向している。
第2のモータジェネレータ9の配置位置および第2のモータジェネレータ9の構成を具体的に説明する。エクステンションハウジング71の内面には、MGシャフト45側に向けて延ばされた隔壁79が形成されている。そして、エクステンションハウジング71と隔壁79とエンドカバー72とにより取り囲まれた空間G3に、第2のモータジェネレータ9が配置されている。
第2のモータジェネレータ9は、トランスアクスルケース4に固定されたステータ25と、回転自在なロータ26とを有している。ステータ25は、鉄心27と、鉄心27に巻かれたコイル28とを有している。ステータ25およびロータ26は、所定肉厚の電磁鋼板を、その厚さ方向に複数枚を積層して構成したものである。なお、複数の電磁鋼板は、MGシャフト45の軸線方向に積層されている。そして、MGシャフト45の軸線方向における第2のモータジェネレータ9のコイル28の両端間が、MGシャフト45の軸線方向における第2のモータジェネレータ9の配置領域L2に相当する。
上記のように、第1のモータジェネレータ6と第2のモータジェネレータ9とは、MGシャフト45およびインプットシャフト5ならびに中空シャフト17の軸線方向において異なる位置に配置されている。より具体的には、軸線方向において、第1のモータジェネレータ6の配置領域L1と、第2のモータジェネレータ9の配置領域L2とが、重ならないように、各モータジェネレータの配置位置が設定されている。また、第1のモータジェネレータ6の回転中心(中心軸線)と、第2のモータジェネレータ9の回転中心(中心軸線)とが各シャフトの半径方向に位置ずれしている。
MGシャフト45における動力合成機構7側の端部にはギヤ46が形成(連結)されている。ギヤ46は、はすば歯車であり、カウンタドライブギヤ23と噛み合って(係合して)いる。カウンタドライブギヤ23とギヤ46とは、ギヤ46からカウンタドライブギヤ23に動力が伝達される場合の変速比が“1”より大きくなるように構成されている。これらのギヤ46およびカウンタドライブギヤ23により、変速機構8が構成されている。第2のモータジェネレータ9の動力がMGシャフト45を介してギヤ46に伝達されると、ギヤ46の回転速度が減速されて環状部材22に伝達される。すなわち、第2のモータジェネレータ9のトルクが増幅されて動力合成機構7に伝達される。
一方、前記トランスアクスルケース4の内部には、インプットシャフト5と平行なカウンタシャフト(カウンタ軸)34が設けられている。カウンタシャフト34には、カウンタドリブンギヤ35およびファイナルドライブピニオンギヤ36が形成されている。そして、カウンタドライブギヤ23とカウンタドリブンギヤ35とが係合されている。
さらに、トランスアクスルケース4の内部にはデファレンシャル37が設けられており、デファレンシャル37は、デフケース38の外周側に形成されたファイナルリングギヤ39と、デフケース38に対してピニオンシャフト40を介して取り付けられた連結された複数のピニオンギヤ41と、複数のピニオンギヤ41に係合されたサイドギヤ42と、サイドギヤ42に連結された2本のフロントドライブシャフト(出力軸)43とを有している。フロントドライブシャフト43は、インプットシャフト5と平行に配置されている。各フロントドライブシャフト43には前輪(駆動輪)44が連結されている。このように、トランスアクスルケース4の内部に、変速機構8およびデファレンシャル37を一括して組み込んだ、いわゆるトランスアクスルを構成している。
上記のように構成されたハイブリッド車においては、車速およびアクセル開度などの条件に基づいて、前輪44に伝達するべき要求トルクが算出され、その算出結果に基づいて、エンジン1、クラッチ11、第1のモータジェネレータ6、第2のモータジェネレータ9が制御される。エンジン1から出力されるトルクを前輪に伝達する場合は、クラッチ11が係合される。すると、クランクシャフト2の動力(言い換えればトルク)がインプットシャフト5を介してキャリヤ21に伝達される。
キャリヤ21に伝達されたトルクは、リングギヤ19、環状部材22、カウンタドライブギヤ23、カウンタドリブンギヤ35、カウンタシャフト34、ファイナルドライブピニオンギヤ36、デファレンシャル37を介して前輪44に伝達され、駆動力が発生する。また、エンジン1のトルクをキャリヤ21に伝達する際に、第1のモータジェネレータ6を発電機として機能させ、発生した電力を蓄電装置(図示せず)に充電することもできる。
さらに、第2のモータジェネレータ9を電動機として駆動させ、その動力を動力合成機構7に伝達することができる。第2のモータジェネレータ9の動力がMGシャフト45を介してギヤ46に伝達されると、ギヤ46の回転速度が減速されて環状部材22に伝達される。すなわち、第2のモータジェネレータ9のトルクが増幅されて動力合成機構7に伝達される。このようにして、エンジン1の動力および第2のモータジェネレータ9の動力が動力合成機構7に入力されて合成され、合成された動力が前輪44に伝達される。つまり、動力合成機構7は、エンジン1の動力、あるいは、第2のモータジェネレータ9の動力のうち少なくともいずれか一方を前輪44に伝達する。
ここで、図2を参照して、トランスアクスルケース4内の各軸の配置について説明する。図2は、動力伝達装置100の軸配置について説明するための図である。
各軸5,34,43,45の配置は、次のとおりである。インプットシャフト5を基準として、MGシャフト45はその斜め上方に、カウンタシャフト34は斜め下方に配置されている。フロントドライブシャフト43の中心軸線C5と比較して、カウンタシャフト34の中心軸線C6は、わずかに下方に位置している。カウンタシャフト34の中心軸線C6は、インプットシャフト5の中心軸線C3とフロントドライブシャフト43の中心軸線C5とを結ぶ仮想線L4よりも下方に位置している。MGシャフト45をトランスアクスルケース4内の上部、カウンタシャフト34を下部に配置し、さらに、カウンタドライブギヤ23が、ギヤ46に駆動されるドリブンギヤを兼ねることで、全体として各軸5,34,43,45をコンパクトに配置することができる。これにより、HVの大きな課題であるコスト低減や、車両搭載性の向上、質量低減による燃費向上等の大きなメリットが得られる。
各軸5,45,43,34の回転方向は、図2に矢印A3からA6でそれぞれ示した方向である。つまり、フロントドライブシャフト43は、中心軸線C5の下方において図2の左方向に回転し、カウンタシャフト34は、中心軸線C6の下方において図2の右方向に回転する。言い換えると、フロントドライブシャフト43の回転方向とカウンタシャフト34の回転方向とが、それぞれの中心軸線よりも下方の領域で互いに離間する方向である。なお、図示の回転方向は、車両の前進時のものである。また、本実施形態の説明における上下方向とは、特にことわりのない限り、車両に搭載された状態における上下方向(鉛直方向)を意味している。
また、動力伝達装置100において、ファイナルリングギヤ39で掻き揚げられた潤滑油を各部に供給する潤滑油の供給方法を用いることが検討されている。トランスアクスルケース4内において、ファイナルリングギヤ39の鉛直方向下方には、潤滑油を貯留する貯留部30が形成されている。貯留部30は、トランスアクスルケース4の内壁(側壁および底部)で形成されている。また、ファイナルリングギヤ39の上方には、オイルキャッチタンク(第二貯留部)32が設けられている。貯留部30に溜まった潤滑油は、ファイナルリングギヤ39の回転により送り出され、その一部が矢印Y1に示すようにオイルキャッチタンク32に流入する。オイルキャッチタンク32に流入した潤滑油は、オイルキャッチタンク32からトランスアクスルケース4内の各部に供給される。
ここで、ファイナルリングギヤ39によって送り出された潤滑油のうち、オイルキャッチタンク32に到達しなかった潤滑油(矢印Y2参照)が、矢印Y3で示すように、カウンタドリブンギヤ35やファイナルドライブピニオンギヤ36等で構成されるカウンタギヤ部や後述するカウンタ室へ上方から流入し、カウンタドリブンギヤ35やファイナルドライブピニオンギヤ36での攪拌損失を増加させるという課題がある。
トランスアクスルケース4内には、カウンタドリブンギヤ35の下部を含むカウンタドリブンギヤ35の一部を収容するカウンタ室31が設けられている。トランスアクスルケース4には、カウンタドリブンギヤ35の外周部に沿って、カウンタドリブンギヤ35と貯留部30(トランスアクスルケース4の底部)とを仕切る仕切りリブ29が設けられている。仕切りリブ29は、カウンタドリブンギヤ35の側面と対向する(カウンタシャフト34と直交する面と平行な)トランスアクスルケース4の内壁と共に、カウンタ室31を構成している。仕切りリブ29は、カウンタドリブンギヤ35と貯留部30との間の位置にカウンタドリブンギヤ35の外周部と対向して形成されている。仕切りリブ29によりカウンタドリブンギヤ35と貯留部30との間が仕切られていることにより、カウンタドリブンギヤ35が貯留部30に貯留された潤滑油に浸かる(油浴する)ことが抑制され、カウンタドリブンギヤ35における攪拌損失が低減されている。
しかしながら、ファイナルリングギヤ39で送り出された潤滑油が、矢印Y3で示すように上方から流入すると、潤滑油がカウンタドリブンギヤ35やファイナルドライブピニオンギヤ36に直接付着したり、カウンタ室31に流入したりすることで、カウンタドリブンギヤ35やファイナルドライブピニオンギヤ36における攪拌損失が増加してしまうこととなる。
以下に図3を参照して説明するように、本実施形態の動力伝達装置100には、潤滑油がカウンタシャフト34(カウンタドリブンギヤ35、ファイナルドライブピニオンギヤ36)に向かうことを抑制するガイドリブ(図3の符号50参照)が設けられている。ガイドリブ50は、ファイナルリングギヤ39によって上方に送り出されたもののオイルキャッチタンク32に到達しなかった潤滑油を、せき止め、ファイナルリングギヤ39の外周部の上部に導く。導かれた潤滑油は、ファイナルリングギヤ39の回転により再び飛ばされて、カウンタドリブンギヤ35を越えた位置まで到達する(図3の符号Y6参照)。これにより、潤滑油がカウンタドリブンギヤ35やファイナルドライブピニオンギヤ36に直接付着したり、カウンタ室31に流入したりすることを抑制することができる。その結果、カウンタドリブンギヤ35やファイナルドライブピニオンギヤ36における攪拌損失が低減される。
図3は、本実施形態の動力伝達装置100を示す平面図である。図3に示すように、ファイナルリングギヤ39の上方には、潤滑油がカウンタシャフト34に向かうことを抑制する抑制手段としてのガイドリブ(閉塞部材)50が設けられている。ガイドリブ50は、ファイナルリングギヤ39の頂部の上方に設けられており、ファイナルリングギヤ39の上方の空間の一部を閉塞している。より具体的には、ガイドリブ50は、フロントドライブシャフト43の中心軸線C5の上方よりも、わずかにファイナルリングギヤ39の回転方向A5の上流側(カウンタドリブンギヤ35から遠い側)に位置している。
ガイドリブ50は、ファイナルリングギヤ39の回転方向と交差するガイド面51を有している。ガイド面51は、ガイドリブ50において、ファイナルリングギヤ39の回転方向A5の上流側に形成されており、飛来して付着した潤滑油をファイナルリングギヤ39の外周部の上部に導く。ガイド面51の上端は、オイルキャッチタンク32の下面に当接している。また、ガイド面51の下端とファイナルリングギヤ39との間には、隙間が設けられている。言い換えると、ガイドリブ50は、オイルキャッチタンク32とファイナルリングギヤ39の外周部との間の空間の一部を閉塞するものである。
ファイナルリングギヤ39により貯留部30から送り出されたものの、オイルキャッチタンク32に流入しなかった潤滑油は、矢印Y4に示すように、ガイド面51に衝突する。すなわち、ガイドリブ50がオイルキャッチタンク32とファイナルリングギヤ39の外周部との間の空間の一部を閉塞していることで、ファイナルリングギヤ39の回転によりファイナルリングギヤ39から離れた潤滑油が、カウンタシャフト34に向かうことが抑制される。
ガイド面51に衝突した潤滑油は、矢印Y5に示すように、ガイド面51によってファイナルリングギヤ39の頂部に導かれる。ファイナルリングギヤ39の頂部に落下した潤滑油は、ファイナルリングギヤ39の歯面の向く方向(例えば、ファイナルリングギヤ39の接線方向)に飛ばされる。この場合、飛ばされる潤滑油の流線は、矢印Y6に示すように、カウンタドリブンギヤ35を飛び越えるものとなる。すなわち、飛ばされた潤滑油は、カウンタドリブンギヤ35の上方を飛び越えて、カウンタドリブンギヤ35よりもファイナルリングギヤ39側と反対側に到達する。つまり、潤滑油がカウンタシャフト34に向かうことが抑制される。よって、カウンタドリブンギヤ35やファイナルドライブピニオンギヤ36等で構成されるカウンタギヤ部、および、カウンタ室31への潤滑油の流入が抑制される。その結果、カウンタドリブンギヤ35やファイナルドライブピニオンギヤ36の油浴が軽減され、攪拌抵抗が減少することで、トランスアクスルの効率が向上する。
ガイド面51に直接衝突する潤滑油だけでなく、オイルキャッチタンク32の外壁部32aに付着した潤滑油についても、カウンタドリブンギヤ35やファイナルドライブピニオンギヤ36へ付着することを抑制することができる。ファイナルリングギヤ39により送り出された潤滑油が、オイルキャッチタンク32の外壁部32aに衝突(付着)した場合、潤滑油は、外壁部32aを流下し、ガイド面51を伝ってファイナルリングギヤ39の頂部に導かれる。すなわち、本実施形態によれば、ファイナルリングギヤ39により送り出されたもののオイルキャッチタンク32に流入しなかった潤滑油は、その多くが、オイルキャッチタンク32の外壁部32aやガイド面51を経てファイナルリングギヤ39の頂部に導かれる。
よって、ファイナルリングギヤ39の回転によりファイナルリングギヤ39から離れた潤滑油がカウンタドリブンギヤ35やファイナルドライブピニオンギヤ36に付着することを十分に抑制することができる。カウンタドリブンギヤ35やファイナルドライブピニオンギヤ36は、ファイナルリングギヤ39等と比較して高回転で回転する。このため、カウンタドリブンギヤ35やファイナルドライブピニオンギヤ36への潤滑油の付着を抑制することは、動力伝達装置100の効率の向上に特に有効である。
なお、ガイドリブ50の設置位置や形状等については、上記のものには限定されない。ガイドリブ50は、ファイナルリングギヤ39の上方の空間の一部を閉塞していればよい。あるいは、ガイドリブ50は、ファイナルリングギヤ39により送り出されてファイナルリングギヤ39の上方の空間をカウンタシャフト34へ向けて飛ぶ潤滑油の流路に設けられていればよい。さらに、ガイドリブ50が、潤滑油をファイナルリングギヤ39の外周部に導くように形成されていることが望ましい。
ファイナルリングギヤ39の外周部において、ガイドリブ50が潤滑油を導く位置は、潤滑油がファイナルリングギヤ39から離れる位置よりも回転方向A5の下流側であればよい。貯留部30から送り出される潤滑油がファイナルリングギヤ39から離れる位置よりも回転方向A5の下流側に潤滑油が導かれれば、ファイナルリングギヤ39により飛ばされる潤滑油が、カウンタシャフト34を越えやすくなる。例えば、本実施形態のように、頂部よりもわずかに回転方向A5の上流側に潤滑油が導かれた場合には、再びファイナルリングギヤ39により飛ばされる場合に、潤滑油が斜め上方に向けて飛び出す。このため、より確実にカウンタドリブンギヤ35を越えて潤滑油を飛ばすことができる。ガイドリブ50が潤滑油を導く導き先の位置は、例えば、ファイナルリングギヤ39の圧力角やファイナルリングギヤ39の径、ファイナルリングギヤ39とカウンタドリブンギヤ35との位置関係等に基づいて設定することができる。
また、ガイドリブ50の適用対象となる動力伝達装置100は、ファイナルリングギヤ39により貯留部30の潤滑油を送り出す潤滑油供給方法のものには限定されない。ファイナルリングギヤ39が、貯留部30の潤滑油を送り出すものでなくとも、ファイナルリングギヤ39が潤滑油により潤滑されている場合(例えば、トランスアクスルケース4内に貯留された潤滑油にファイナルリングギヤ39の一部が浸かっている場合)には、ファイナルリングギヤ39の回転に伴って、ファイナルリングギヤ39から潤滑油が飛ばされ、カウンタドリブンギヤ35等に付着する可能性がある。
これに対して、ファイナルリングギヤ39に送り出されてファイナルリングギヤ39の上方の空間をカウンタシャフト34へ向けて飛ぶ潤滑油をガイドリブ50で受けることで、潤滑油がカウンタシャフト34へ向かうことを抑制できる。また、ガイドリブ50が付着した潤滑油をファイナルリングギヤ39の外周部の上部に導くことにより、カウンタシャフト34を越えて潤滑油を飛ばすことができる。その結果、ファイナルリングギヤ39から飛ばされた潤滑油がカウンタドリブンギヤ35やファイナルドライブピニオンギヤ36に付着することを抑制することができる。
なお、この場合、ファイナルリングギヤ39の鉛直方向上方の空間に飛んだ潤滑油の全てをガイドリブ50で受ける(集める)必要はなく、鉛直方向上方に飛んだ潤滑油のうち、カウンタドリブンギヤ35を越えて飛んでいくことができない潤滑油を受けるようにガイドリブ50が設けられていればよい。言い換えると、潤滑油がカウンタドリブンギヤ35やファイナルドライブピニオンギヤ36へ向けて飛ぶ流線上にガイドリブ50が設けられていれば、カウンタドリブンギヤ35やファイナルドライブピニオンギヤ36に潤滑油が付着することを効果的に抑制することができる。
(第2実施形態)
図4から図7を参照して第2実施形態について説明する。第2実施形態については、上記第1実施形態と異なる点についてのみ説明する。
上記第1実施形態のガイドリブ50は、ファイナルリングギヤ39に送り出されてファイナルリングギヤ39の上方の空間をカウンタシャフト34へ向けて飛ぶ潤滑油を止めてファイナルリングギヤ39の外周部の上部に導くものであった。本実施形態のガイドリブ(図6および図7の符号60参照)は、ファイナルリングギヤ39から飛んでトランスアクスルケース4の内壁面に付着した潤滑油がカウンタドリブンギヤ35やファイナルドライブピニオンギヤ36に向けて流下することを抑制する。
図4は、ファイナルリングギヤ39によって送り出された潤滑油が内壁面を流下する様子を示す断面図である。図5は、ファイナルリングギヤ39によって送り出された潤滑油が内壁面を流下する様子を示す平面図である。
図4に示すように、ファイナルリングギヤ39により潤滑油が送り出される場合、潤滑油は、ファイナルリングギヤ39の歯筋方向へ飛ぶ。潤滑油の飛ぶ方向は、ファイナルリングギヤ39の捩れ角の設定により決まるものであり、例えば、回転方向の前方の歯面39aが、エンジン側ハウジング70と対向している場合、図4に矢印Y7で示すように、潤滑油はエンジン側ハウジング70の内壁面70aへ向けて飛ぶ。この場合、潤滑油はエンジン側ハウジング70の内壁面70aに付着し、矢印Y8に示すように内壁面70aを流下する。潤滑油が、内壁面70aにおけるカウンタドリブンギヤ35の上方に付着した場合、図5に示すように、内壁面70aを流下する潤滑油(Y8)が、カウンタドリブンギヤ35やカウンタ室31へ向けて流下することとなる。その結果、カウンタドリブンギヤ35やファイナルドライブピニオンギヤ36の攪拌損失が増大してしまう。
これに対して、本実施形態の動力伝達装置100には、エンジン側ハウジング70の内壁面70aに付着した潤滑油がカウンタドリブンギヤ35やファイナルドライブピニオンギヤ36に向けて流下することを抑制するガイドリブ(油路)60が設けられている。
図6は、本実施形態の動力伝達装置100の断面図である。図7は、本実施形態の動力伝達装置100の平面図である。
ガイドリブ60は、図6に示すように、エンジン側ハウジング70の内壁面70aから突出している。図7に示すように、ガイドリブ60は、鉛直方向と交差する方向に延設されており、内壁面70aに沿って潤滑油を流す油路として機能する。ガイドリブ60は、カウンタシャフト34と直交する面に平行な内壁面70aにおけるカウンタシャフト34よりも上方に配置されており、直線状をなしている。
ガイドリブ60において、ファイナルリングギヤ39に近い側の端部60bは、ファイナルリングギヤ39から遠い側の端部60aと比較して、鉛直方向上方に位置している。言い換えると、ガイドリブ60は、内壁面70aに沿ってファイナルリングギヤ39から遠ざかるに連れて鉛直方向下方に向かうように傾斜している。
ファイナルリングギヤ39に送り出されて、エンジン側ハウジング70の内壁面70aへ付着した潤滑油が、内壁面70aを流下すると、ガイドリブ60により潤滑油の流れ方向が変更される。ガイドリブ60の上面61まで流下した潤滑油は、矢印Y9に示すように、ガイドリブ60の上面61上をガイドリブ60の傾斜方向に流れる。ガイドリブ60におけるファイナルリングギヤ39から遠い側の端部60aの位置は、カウンタ室31の外部に潤滑油を導くように設定されている。水平方向におけるガイドリブ60の設置範囲は、仕切りリブ29におけるファイナルリングギヤ39から遠い側の端部29aの水平方向の位置を含んでいる。言い換えると、水平方向において、ガイドリブ60におけるファイナルリングギヤ39から遠い側の端部60aは、仕切りリブ29におけるファイナルリングギヤ39から遠い側の端部29aよりもファイナルリングギヤ39側と反対側に突出している。よって、ガイドリブ60に導かれた潤滑油は、カウンタ室31の外部に流れ落ちる。
ガイドリブ60におけるファイナルリングギヤ39に近い側の端部60bの位置は、内壁面70aに沿って流下する潤滑油がカウンタ室31に流入することを抑制できるように設定されている。水平方向におけるガイドリブ60の設置範囲は、仕切りリブ29におけるファイナルリングギヤ39に近い側の端部29bの水平方向の位置を含んでいる。言い換えると、水平方向において、ガイドリブ60におけるファイナルリングギヤ39に近い側の端部60bは、仕切りリブ29におけるファイナルリングギヤ39に近い側の端部29bよりもファイナルリングギヤ39側に突出している。よって、内壁面70aに沿って流下する潤滑油が、カウンタ室31へ流入することを効果的に抑制することができる。
本実施形態のガイドリブ60によれば、ファイナルリングギヤ39に送り出されてエンジン側ハウジング70の内壁面70aに付着した潤滑油が、カウンタドリブンギヤ35、ファイナルドライブピニオンギヤ36、およびカウンタ室31に向けて流下することを抑制することができる。これにより、内壁面70aを流下する潤滑油がカウンタドリブンギヤ35やファイナルドライブピニオンギヤ36に直接付着したり、カウンタ室31へ流入したりすることを抑制し、カウンタドリブンギヤ35やファイナルドライブピニオンギヤ36における攪拌損失を低減させることができる。
なお、本実施形態では、ガイドリブ60がエンジン側ハウジング70に設けられたが、ガイドリブ60の設置位置は、これには限定されない。ガイドリブ60は、カウンタドリブンギヤ35の両側面とそれぞれ対向する内壁面のうち、ファイナルリングギヤ39の回転方向の前方の歯面(図4の符号39a参照)と対向する(歯筋方向にある)内壁面に設けられていればよい。
また、ガイドリブ60の適用対象となる動力伝達装置100は、ファイナルリングギヤ39により貯留部30の潤滑油を送り出す潤滑油供給方法のものには限定されない。ファイナルリングギヤ39が、貯留部30の潤滑油を送り出すものでなくとも、ファイナルリングギヤ39が潤滑油により潤滑されている場合には、ファイナルリングギヤ39の回転に伴って、ファイナルリングギヤ39から潤滑油が飛ばされる。従って、ファイナルリングギヤ39の歯筋方向にある内壁面(例えば、内壁面70a)にガイドリブ60が設けられることにより、ファイナルリングギヤ39から飛ばされて内壁面70aに付着した潤滑油が、カウンタドリブンギヤ35やファイナルドライブピニオンギヤ36に付着することを抑制することができる。
なお、上記の各実施形態は、単独で適用される他に、適宜組み合わせて適用されることができる。
本発明の動力伝達装置の第1実施形態に係る装置を示すスケルトン図である。 本発明の動力伝達装置の第1実施形態の軸配置について説明するための図である。 本発明の動力伝達装置の第1実施形態の平面図である。 ファイナルリングギヤによって送り出された潤滑油が内壁面を流下する様子を示す断面図である。 ファイナルリングギヤによって送り出された潤滑油が内壁面を流下する様子を示す平面図である。 本発明の動力伝達装置の第2実施形態の断面図である。 本発明の動力伝達装置の第2実施形態の平面図である。
符号の説明
1 エンジン
2 クランクシャフト
3 フライホイール
4 トランスアクスルケース
5 インプットシャフト
6 第1のモータジェネレータ
7 動力合成機構
7A 遊星歯車機構
8 変速機構
9 第2のモータジェネレータ
13 ステータ
14 ロータ
15 鉄心
16 コイル
18 サンギヤ
19 リングギヤ
20 ピニオンギヤ
21 キャリヤ
22 環状部材
23 カウンタドライブギヤ
25 ステータ
26 ロータ
27 鉄心
28 コイル
29 仕切りリブ
30 貯留部
31 カウンタ室
32 オイルキャッチタンク
34 カウンタシャフト
35 カウンタドリブンギヤ
36 ファイナルドライブピニオンギヤ
39 ファイナルリングギヤ
43 フロントドライブシャフト
44 前輪
45 MGシャフト
46 ギヤ
50 ガイドリブ
51 ガイド面
60 ガイドリブ
60a ファイナルリングギヤから遠い側の端部
60b ファイナルリングギヤに近い側の端部
61 上面
70 エンジン側ハウジング
71 エクステンションハウジング
72 エンドカバー
100 動力伝達装置
C5 フロントドライブシャフトの中心軸線

Claims (7)

  1. 車両の駆動源との間で動力を伝達する入力軸と、
    前記入力軸と平行に配置され、前記車両の駆動輪との間で前記動力を伝達し、かつ、潤滑油により潤滑される出力軸と、
    前記入力軸と平行に配置され、前記入力軸および前記出力軸のそれぞれとの間で前記動力を伝達するカウンタ軸とを備え、
    前記カウンタ軸の中心軸線が、前記入力軸の中心軸線と前記出力軸の中心軸線とを結ぶ仮想線よりも鉛直方向下方に位置しており、
    前記車両の前進時における前記出力軸の回転方向と前記カウンタ軸の回転方向とが、それぞれの中心軸線よりも鉛直方向下方の領域で互いに離間する方向である動力伝達装置であって、
    前記出力軸の回転により前記出力軸から離れた前記潤滑油が前記カウンタ軸に向かうことを抑制する抑制手段を備える
    ことを特徴とする動力伝達装置。
  2. 請求項1に記載の動力伝達装置において、
    前記抑制手段は、前記出力軸の鉛直方向上方の空間の一部を閉塞する閉塞部材である
    ことを特徴とする動力伝達装置。
  3. 請求項2に記載の動力伝達装置において、
    前記閉塞部材は、前記閉塞部材に付着した前記潤滑油を、前記出力軸の外周部において前記出力軸の回転により前記潤滑油が離れる位置よりも前記出力軸の回転方向の下流側に導く
    ことを特徴とする動力伝達装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の動力伝達装置において、
    前記カウンタ軸を収容するケースを備え、
    前記抑制手段は、前記ケースの内壁面から突出し、前記内壁面に沿って前記潤滑油を流す油路であり、前記油路は、前記カウンタ軸と直交する面と平行な前記内壁面における前記カウンタ軸の鉛直方向上方に配置され、鉛直方向と交差する方向に延設されている
    ことを特徴とする動力伝達装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の動力伝達装置において、
    前記出力軸の鉛直方向下方には、前記潤滑油を貯留する貯留部が形成されており、
    回転する前記出力軸により前記貯留部から送り出された前記潤滑油が、前記動力伝達装置の各部に供給される
    ことを特徴とする動力伝達装置。
  6. 請求項5に記載の動力伝達装置において、
    前記出力軸の鉛直方向上方に配置され、前記送り出された前記潤滑油を貯留する第二貯留部を備え、
    前記閉塞部材は、前記第二貯留部と、前記出力軸の外周部との間の空間の一部を閉塞するものであって、前記送り出された前記潤滑油のうち前記第二貯留部に流入しない前記潤滑油を前記出力軸の外周部に導く
    ことを特徴とする動力伝達装置。
  7. 請求項4から6のいずれか1項に記載の動力伝達装置において、
    前記カウンタ軸の鉛直方向の下部を含む前記カウンタ軸の一部を収容するカウンタ室を備え、
    前記油路は、前記カウンタ室の鉛直方向上方に設けられており、前記カウンタ室の外部に前記潤滑油を導く
    ことを特徴とする動力伝達装置。
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