JP2010038310A - 動力伝達チェーンおよび動力伝達装置 - Google Patents

動力伝達チェーンおよび動力伝達装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 プーリの最小作動半径を考慮してロングリンクを適正に配置することで、より一層騒音を低減するとともに耐久性も向上させた動力伝達チェーンおよび動力伝達装置を提供する。
【解決手段】 チェーン進行方向の長さが異なるリンクがランダムに配列されており、無段変速機の最小作動半径におけるプーリへの噛み込みピン本数が一定となるように、ランダム配列におけるチェーン進行方向の長さが大きいロングリンクの配置位置が規定されている。
【選択図】 図5

Description

この発明は、動力伝達チェーン、さらに詳しくは、自動車等の車両の無段変速機(CVT)に好適な動力伝達チェーンおよび動力伝達装置に関する。
自動車用無段変速機として、図7に示すように、固定シーブ(2a)および可動シーブ(2b)を有しエンジン側に設けられたドライブプーリ(2)と、固定シーブ(3b)および可動シーブ(3a)を有し駆動輪側に設けられたドリブンプーリ(3)と、両者間に架け渡された無端状動力伝達チェーン(1)とからなり、油圧アクチュエータによって可動シーブ(2b)(3a)を固定シーブ(2a)(3b)に対して接近・離隔させることにより、油圧でチェーン(1)をクランプし、このクランプ力によりプーリ(2)(3)とチェーン(1)との間に接触荷重を生じさせ、この接触部の摩擦力によりトルクを伝達するものが知られている。
動力伝達チェーンとしては、特許文献1に、ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を長さ方向に屈曲可能に連結する複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、一のリンクの前挿通部に固定されかつ他のリンクの後挿通部に移動可能に嵌め入れられた第1ピンと一のリンクの前挿通部に移動可能に嵌め入れられかつ他のリンクの後挿通部に固定された第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされており、騒音および振動を低減するために、リンクのピッチ長、ピンの転がり接触面形状、ピンのプーリ面との接触位置(オフセット量)などを2種類以上としたものが提案されている。
特開2006−242374号公報
上記特許文献1に示されている動力伝達チェーンでは、ピッチ長が異なる複数のリンクおよび形状が異なるピンを組み合わせることによって騒音を低減することができるが、ピッチランダム(リンクランダム)は、騒音の原因となる回転角変動(ワウ、フラッター)を大きくすることがあり、また、無段変速機のプーリ径が最小作動半径となった時には、シーブ面間に挟持されるピンの総数が相対的に少なくなることから、この条件下で、ロングリンクが相対的に多くなると、耐久性に不利となることがある。従来、プーリの最小作動半径を考慮したロングリンクの適正な配置は、考えられていなかった。
この発明の目的は、プーリの最小作動半径を考慮してロングリンクを適正に配置することで、より一層騒音を低減するとともに耐久性も向上させた動力伝達チェーンおよび動力伝達装置を提供することにある。
この発明による動力伝達チェーンは、ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する前後に並ぶ複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、いずれか一方のピンの転がり接触面が平坦面とされるとともに、同他方のピンの転がり接触面が所定の曲面とされて、第1ピンと第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされており、無段変速機のプーリ間に掛け渡されて、第1ピンおよび第2ピンの少なくとも一方の両端面がプーリのシーブ面と接触することで摩擦力により動力を伝達するとともに、ピンとプーリとの接触径が変化することで無段変速機の変速比を変化させる動力伝達チェーンにおいて、長さが異なるリンクがランダムに配列されており、無段変速機の最小作動半径におけるプーリへの噛み込みピン本数が一定となるように、ランダム配列における長さが大きいロングリンクの配置位置が規定されていることを特徴とするものである。
この動力伝達チェーンは、自動車等の無段変速機としての使用に好適なものとなる。このような無段変速機では、低速走行時(発進時など)に対応する変速比が最大のアンダードライブ(以下、「U/D」と称す。)と、高速走行時に対応する変速比が最小のオーバードライブ(以下、「O/D」と称す。)との間で変速比が変化するようになっており、プーリの作動半径が変化する。プーリの作動半径が大きい場合には、シーブ面間に挟持されるピンの数が相対的に多くなり、プーリの作動半径が小さい場合には、シーブ面間に挟持されるピンの数が相対的に少なくなる。チェーンの耐久性を考える上では、シーブ面間に挟持されるピンの数が最も少なくなる最小作動半径で考えることが好ましい。最小作動半径は、U/D状態でのドライブプーリの巻き掛け径およびO/D状態でのドリブンプーリの巻き掛け径に相当する。シーブ面間に挟持されるピン総数(例えば10本)に相当する部分の周方向の一方の端から他方の端までが挟持範囲となり、プーリの角度にすると、150°〜160°程度になる。
リンクは、例えば、チェーン進行方向の長さが異なるショートリンクSとロングリンクLとの2種類のもので構成され、チェーン進行方向にSSLLSSSSSLSLLSSSのようなランダム配列とされる。ランダム配列は、Sが5枚以上連続したり、Lが5枚以上連続したり、連続する10枚のリンク中にSが8枚あったり、Lが8枚あったりすることを許容するものであるが、この発明による動力伝達チェーンでは、Sが所定数(例えば5枚)以上連続することは許容されるが、LがSの最大連続数(例えば5枚)以上連続することは禁止され、連続する10枚のリンク中にSが所定数(例えば8枚)あることは許容されるが、連続する10枚のリンク中にLがSの最大数(例えば8枚)以上あることは禁止される。このランダム配列の制約条件は、具体的には、無段変速機のU/D小径側(最小作動半径)におけるプーリへの噛み込みピン本数を考慮して設定される。
例えば、全てがショートリンクである場合に、U/D小径側でピンがN本噛み込んでいるとして、ショートリンクをロングリンクに置き換えていくと、ロングリンクがM枚となったところで、ピンの噛み込み本数が1本減り、ピンが(N−1)本噛み込んでいる状態となる。この場合に、ロングリンクの最大枚数を(M−1)枚とすることで、プーリへの噛み込みピン本数が一定という条件が確保される。ピンがプーリに噛み込んでいる状態での角度に換算した場合、挟持範囲の角度をθ、ショートリンク1枚分に対応する角度をα、ロングリンク1枚分に対応する角度をβとすると、余り角Δθ=(θ−N×α)を(β−α)で割った商の値がN枚連続するリンク中に含まれてもよいロングリンクの最大枚数となる。
チェーンは、例えば、幅方向同位相の複数のリンクで構成されるリンク列を進行方向(前後方向)に3つ並べて1つのリンクユニットとし、この3列のリンク列からなるリンクユニットを進行方向に複数連結して形成されているとともに、各リンク列に含まれるリンク枚数が異なるものとされることがある。
リンクのピッチ長が2種類とされることで、打音発生の周期がずれて、音圧レベルのピークが低減される。ピン形状に関しては限定されないが、転がり接触面の曲率が相対的に大と相対的に小、長さが相対的に長と相対的に短およびチェーン径方向オフセットが相対的に内方と相対的に外方のうち、少なくとも1つの組合せが使用されることが好ましい。第1ピンおよび第2ピンは、通常、いずれか一方の転がり接触面が平坦面とされ、他方の転がり接触面が相対的に転がり接触移動可能なインボリュート曲面に形成される。ただし、第1ピンおよび第2ピンは、それぞれの接触面が所要の曲面に形成されるようにしてもよい。
第1ピンおよび第2ピンのうちの一方は、一のリンクの前挿通部の前側部分に設けられたピン固定部に固定されかつ他のリンクの後挿通部の前側部分に設けられたピン可動部に移動可能に嵌め入れられ、同他方は、一のリンクの前挿通部の後側部分に設けられたピン可動部に移動可能に嵌め入れられかつ他のリンクの後挿通部の後側部分に設けられたピン固定部に固定されていることが好ましい。
ピン固定部へのピンの固定は、例えば、機械的圧入によるピン固定部内縁とピン外周面との嵌合固定とされるが、これに代えて、焼き嵌めまたは冷やし嵌めによってもよい。嵌合固定は、ピン固定部の長さ方向に対して直交する部分の縁(上下の縁)で行われるのが好ましい。この嵌合固定の後、予張力付与工程において予張力が付与されることにより、リンクのピン固定部(ピン圧入部)に均等にかつ適正な残留圧縮応力が付与される。
この発明による動力伝達チェーンでは、第1ピンおよび第2ピンの少なくとも一方がプーリと接触して摩擦力により動力伝達する。いずれか一方のピンがプーリと接触するチェーンにおいては、第1ピンおよび第2ピンのうちのいずれか一方は、このチェーンが無段変速機で使用される際にプーリに接触する方のピン(以下では、「第1ピン」または「ピン」と称す)とされ、他方は、プーリに接触しない方のピン(インターピースまたはストリップと称されており、以下では、「第2ピン」または「インターピース」と称す)とされる。
リンクは、例えば、ばね鋼や炭素工具鋼製とされる。リンクの材質は、ばね鋼や炭素工具鋼に限られるものではなく、軸受鋼などの他の鋼でももちろんよい。リンクは、前後挿通部がそれぞれ独立の貫通孔(柱有りリンク)とされていてもよく、前後挿通部が1つの貫通孔(柱無しリンク)とされていてもよい。ピンの材質としては、軸受鋼などの適宜な鋼が使用される。
なお、この明細書において、リンクの長さ方向の一端側を前、同他端側を後としているが、この前後は便宜的なものであり、リンクの長さ方向が前後方向と常に一致することを意味するものではない。
上記の動力伝達チェーンは、いずれか一方のピン(インターピース)が他方のピン(ピン)よりも短くされ、長い方のピンの端面が無段変速機のプーリの円錐状シーブ面に接触し、この接触による摩擦力により動力を伝達するものであることが好ましい。各プーリは、円錐状のシーブ面を有する固定シーブと、固定シーブのシーブ面に対向する円錐状のシーブ面を有する可動シーブとからなり、両シーブのシーブ面間にチェーンを挟持し、可動シーブを油圧アクチュエータによって移動させることにより、無段変速機のシーブ面間距離したがってチェーンの巻き掛け半径が変化し、スムーズな動きで無段の変速を行うことができる。
この発明による動力伝達装置は、円錐面状のシーブ面を有する第1のプーリと、円錐面状のシーブ面を有する第2のプーリと、これら第1および第2のプーリに掛け渡される動力伝達チェーンとを備えたもので、動力伝達チェーンが上記に記載のものとされる。
この発明の動力伝達チェーンおよび動力伝達装置によると、プーリの最小作動半径を考慮して、連続するリンクに含まれるロングリンクの最大数を規定することにより、ロングリンクが適正に配置され、より一層騒音を低減するとともに耐久性も向上させることができる。
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。以下の説明において、上下は、図2の上下をいうものとする。
図1は、この発明による動力伝達チェーンの一部を示しており、動力伝達チェーン(1)は、チェーン長さ方向に所定間隔をおいて設けられた前後挿通部(12)(13)を有する複数のリンク(11)(21)と、チェーン幅方向に並ぶリンク(11)(21)同士を長さ方向に屈曲可能に連結する複数のピン(第1ピン)(14)およびインターピース(第2ピン)(15)とを備えている。インターピース(15)は、ピン(14)よりも短くなされ、両者は、インターピース(15)が前側に、ピン(14)が後側に配置された状態で対向させられている。
この発明の動力伝達チェーン(1)では、リンク(11)(21)については、図2に示したリンク(11)と図3に示したリンク(21)との2種類が使用されている。
チェーン(1)は、幅方向同位相の複数のリンクで構成されるリンク列を進行方向(前後方向)に3つ並べて1つのリンクユニットとし、この3列のリンク列からなるリンクユニットを進行方向に複数連結して形成されている。この実施形態では、リンク枚数が9枚のリンク列とリンク枚数が8枚のリンク列2つとが1つのリンクユニットとされている。
図2および図3に示すように、リンク(11)(21)の前挿通部(12)は、ピン(14)が移動可能に嵌め合わせられるピン可動部(16)およびインターピース(15)が固定されるインターピース固定部(17)からなり、後挿通部(13)は、ピン(14)が固定されるピン固定部(18)およびインターピース(15)が移動可能に嵌め合わせられるインターピース可動部(19)からなる。
各ピン(14)は、インターピース(15)に比べて前後方向の幅が広くなされており、インターピース(15)の上下縁部には、各ピン(14)側にのびる突出縁部(15a)(15b)が設けられている。
チェーン幅方向に並ぶリンク(11)(21)を連結するに際しては、一のリンク(11)(21)の前挿通部(12)と他のリンク(11)(21)の後挿通部(13)とが対応するようにリンク(11)(21)同士が重ねられ、ピン(14)が一のリンク(11)(21)の後挿通部(13)に固定されかつ他のリンク(11)(21)の前挿通部(12)に移動可能に嵌め合わせられ、インターピース(15)が一のリンク(11)(21)の後挿通部(13)に移動可能に嵌め合わせられかつ他のリンク(11)(21)の前挿通部(12)に固定される。そして、このピン(14)とインターピース(15)とが相対的に転がり接触移動することにより、リンク(11)(21)同士の長さ方向(前後方向)の屈曲が可能とされる。
リンク(11)(21)のピン固定部(18)とインターピース可動部(19)との境界部分には、インターピース可動部(19)の上下の凹円弧状案内部(19a)(19b)にそれぞれ連なりピン固定部(18)に固定されているピン(14)を保持する上下の凸円弧状保持部(18a)(18b)が設けられている。同様に、インターピース固定部(17)とピン可動部(16)との境界部分には、ピン可動部(16)の上下の凹円弧状案内部(16a)(16b)にそれぞれ連なりインターピース固定部(17)に固定されているインターピース(15)を保持する上下の凸円弧状保持部(17a)(17b)が設けられている。
ピン(14)を基準としたピン(14)とインターピース(15)との接触位置の軌跡は、円のインボリュートとされており、この実施形態では、ピン(14)の転がり接触面(14a)が、断面において半径Rb、中心Mの基礎円を持つインボリュート曲線とされ、インターピース(15)の転がり接触面(15c)が平坦面(断面形状が直線)とされている。これにより、各リンク(11)(21)がチェーン(1)の直線領域から曲線領域へまたは曲線領域から直線領域へと移行する際、前挿通部(12)においては、ピン(14)が固定状態のインターピース(15)に対してその転がり接触面(14a)がインターピース(15)の転がり接触面(15c)に転がり接触(若干のすべり接触を含む)しながらピン可動部(16)内を移動し、後挿通部(13)においては、インターピース(15)がインターピース可動部(19)内を固定状態のピン(14)に対してその転がり接触面(15c)がピン(14)の転がり接触面(14a)に転がり接触(若干のすべり接触を含む)しながら移動する。
この動力伝達チェーン(1)では、ピンの上下移動の繰り返しにより、多角形振動が生じ、これが騒音の要因となるが、ピン(14)とインターピース(15)とが相対的に転がり接触移動しかつピン(14)を基準としたピン(14)とインターピース(15)との接触位置の軌跡が円のインボリュートとされていることにより、ピンおよびインターピースの接触面がともに円弧面である場合などと比べて、振動を小さくすることができ、騒音を低減することができる。
この動力伝達チェーン(1)は、図7に示すV型プーリ式CVTで使用されるが、この際、図6に示すように、プーリ軸(2e)を有するプーリ(2)の固定シーブ(2a)および可動シーブ(2b)の各円錐状シーブ面(2c)(2d)にインターピース(15)の端面が接触しない状態で、ドライブピン(14)の端面がプーリ(2)の円錐状シーブ面(2c)(2d)に接触し、この接触による摩擦力により動力が伝達される。
実線で示した位置にあるドライブプーリ(2)の可動シーブ(2b)を固定シーブ(2a)に対して接近・離隔させると、ドライブプーリ(2)における巻き掛け径は、同図に鎖線で示すように、接近時には大きく、離隔時には小さくなる。ドリブンプーリ(3)では、図示省略するが、その可動シーブがドライブプーリ(2)の可動シーブ(2b)とは逆向きに移動し、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が大きくなると、ドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が小さくなり、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が小さくなると、ドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が大きくなる。この結果、変速比が1:1である状態(初期値)を基準にして、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が最小で、ドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が最大であるU/D(アンダードライブ)状態が得られ、また、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が最大で、ドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が最小のO/D(オーバードライブ)状態が得られる。
より一層の騒音および振動の低減のためには、ピッチ長が異なる2種類以上のリンク(11)(21)や断面形状端面形状が異なる2種類以上のピン(14)をランダムに配列することが好ましく、これにより、打音発生の周期がずれて、音のエネルギーが異なる周波数帯に分散され、音圧レベルのピークが低減される。
図2および図3において、符号AおよびBで示す箇所は、チェーン(1)の直線領域においてピン(14)とインターピース(15)とが接触している線(断面では点)であり、AB間の距離がピッチ長である。図2のリンク(11)に対して、AB間の距離(ピッチ長)を大きくしたものが、図3のリンク(21)となっており、リンク(11)(21)については、ピッチ長が小のもの(「ショートリンク」と称す)と大のもの(「ロングリンク」と称す)とが使用されている。
U/D状態でのドライブプーリ(2)の巻き掛け径およびO/D状態でのドリブンプーリ(3)の巻き掛け径は、プーリ(2)(3)の最小作動半径であり、プーリ径がこの最小作動半径となった時には、シーブ面(2c)(2d)間に挟持されるピン(14)の総数が相対的に少なくなることから、この条件下で、ロングリンクが相対的に多くなると、耐久性に不利となることがある。
図4には、最小作動半径のプーリ(2)に巻き掛けられているチェーン(1)の部分を示している。同図において、相対的に多いショートリンク(Sで示す)と、相対的に少ないロングリンク(Lで示す)とがランダムに配列されており、10本のピン(14)がシーブ面(2c)(2d)間に挟持されている。ショートリンクSとロングリンクLとをランダムに配列すると、チェーン(1)が1周する間には、ショートリンクSの間にほぼ均等にロングリンクLが存在する時だけでなく、10本分全てまたはほとんどがショートリンクSになる時も出てくる。ロングリンクLが配置されている箇所では、隣り合うピン(14)同士の間隔が大きくなるので、挟持範囲内にあるロングリンク数が異なると、回転角変動に伴う騒音の増加や耐久性の低下の可能性がある。
そこで、本発明においては、最小作動半径のプーリ(2)の挟持範囲内にあってチェーン(1)の進行とともに変化するロングリンクLの枚数について、ピン(14)の噛み込み数Nを基準として、図5に示す基準に基づいて設定されている。
図5は、U/D小径側(プーリの最小作動半径時)を示しており、角度にしてθの挟持範囲内にショートリンクSのみで常に10本ピン(14)が噛み込んでいる。このときの余り角Δθは、2.7°である。ショートリンクSをロングリンクLに置き換えるとして、余り角Δθと置き換えに伴う角度増加分とが比較される。例えば、ロングリンクを2枚とすると、余り角Δθ>S×(10−L枚数)+L枚数の角度であり、ロングリンクを3枚以上にすると、余り角Δθ<S×(10−L枚数)+L枚数の角度となる。この場合、ロングリンクLが常に2枚以下で噛み込む配列にすると、U/D小径側で常にピン(14)が10本噛み込むことになる。
こうして、無段変速機の最小作動半径におけるプーリ(2)(3)への噛み込みピン(14)の本数が一定となり、ロングリンクLのランダム配列に伴って悪化する可能性のある騒音および耐久性を所定水準以上に保つことができる。
図1は、この発明による動力伝達チェーンの1実施形態の一部を示す平面図である。 図2は、リンク、ピンおよびインターピースの基準形状を示す拡大側面図である。 図3は、異なるピッチ長のリンクの形状を示す拡大側面図である。 図4は、この発明によるショートリンクおよびロングリンクの配列の1例を示す図である。 図5は、ロングリンクの配列の設定のステップを説明する図である。 図6は、動力伝達チェーンがプーリに取り付けられた状態を示す正面図である。 図7は、無段変速機を示す斜視図である。
符号の説明
(1) 動力伝達チェーン
(2)(3) プーリ
(2a)(3b) 固定シーブ
(2b)(3a) 可動シーブ
(2c)(2d) 円錐状シーブ面
(11) ショートリンク(ピッチ長が小のリンク)
(12) 前挿通部
(13) 後挿通部
(14) ピン(第1ピン)
(15) インターピース(第2ピン)
(21) ロングリンク(ピッチ長が大のリンク)

Claims (2)

  1. ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する前後に並ぶ複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、いずれか一方のピンの転がり接触面が平坦面とされるとともに、同他方のピンの転がり接触面が所定の曲面とされて、第1ピンと第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされており、無段変速機のプーリ間に掛け渡されて、第1ピンおよび第2ピンの少なくとも一方の両端面がプーリのシーブ面と接触することで摩擦力により動力を伝達するとともに、ピンとプーリとの接触径が変化することで無段変速機の変速比を変化させる動力伝達チェーンにおいて、
    長さが異なるリンクがランダムに配列されており、無段変速機の最小作動半径におけるプーリへの噛み込みピン本数が一定となるように、ランダム配列における長さが大きいロングリンクの配置位置が規定されていることを特徴とする動力伝達チェーン。
  2. 円錐面状のシーブ面を有する第1のプーリと、円錐面状のシーブ面を有する第2のプーリと、これら第1および第2のプーリに掛け渡される動力伝達チェーンとを備え、動力伝達チェーンが請求項1に記載の動力伝達装置。
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