JP2010038295A - 往復動機関のピストンリング - Google Patents

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Abstract

【課題】きわめて簡単な構造で、ピストンリング外周面の形状を改良して、ピストンリングの摺動外周面の油保持性をキープしながら所定の馴染み形状に早く到達させて、ピストンリングの焼き付きや摺動外周面の異常磨耗の発生を防止した往復動機関のピストンリングを提供する。
【解決手段】上面と下面とにそれぞれ結合しピストンの軸方向に形成されてシリンダライナの摺動面に摺接する外周面とを備えた往復動機関のピストンリングにおいて、前記外周面に、該外周面のピストンの軸方向に沿って複数の溝を刻設し、該複数の溝は、前記上面側から一定長さにおいては、溝の大きさを大きく且つ溝間の距離が小さい多数の大型溝に形成し、前記一定長さよりも下面寄りの部分は溝の大きさを前記大型溝よりも小さく且つ溝間の距離が大きい小型溝に形成したことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンのシリンダライナの内周面に摺接する外周面について、該内周面に対する摺接性の向上及び磨耗の低減を実現した往復動機関のピストンリングに関する。
図6(A)は大型ディーゼル機関のピストン周りの概略断面図(ピストンの片側断面を示す)、(B)は(A)におけるZ部拡大図、(C)はピストンリングの合い口の状態を示す斜視図である。
図6(A)において、ピストン2は、内周側のピストン中央部2aと外周円筒部2bとを連結して構成されている。
前記外周円筒部2bの高さ方向に複数段形成されたリング溝3には、複数のピストンリング1がそれぞれ嵌挿される。該ピストン2は、前記ピストンリング1の外周面1cがシリンダライナ6の摺動面6aに摺接しながら、往復動する。前記ピストン2の外周円筒部2bの側部にはエンジンの燃焼室4に開口するリング側面隙間7が形成されており、該リング側面隙間7には、前記燃焼室4からの燃焼ガスが充填されている。
前記ピストンリング1は、図6(B)に示すように、前記外周面1cと、燃焼室4のガスに触れるピストン2の軸心100の方向に直角な上面1aと、該上面1aの反対側に形成された下面1bと、内側のリング背面1dとを連結して構成される。
エンジンのピストン2の上昇時には、前記ピストンリング1には、上部隙間3a及び背部隙間3bが形成され、上部隙間3a及び背部隙間3bには、前記リング側面隙間7からの燃焼室4側からの燃焼ガスが矢印のように流入している。
また、前記ピストンリング1は、図6(C)のように、合い口部を切欠き、かかる切欠いた合い口部1eを介してリング状に連結されている。
前記のように、ピストンリング1は、円環の上面1a及び下面1bで異なるガス圧力に晒され、高圧の燃焼ガスは前記合い口部1eと摺動面6aと前記上部隙間3a及び背部隙間3bを通過して下面1bが臨む低圧側に漏れる。その主たる漏れは前記合い口部1eからの漏れである。
かかる合い口部1e等からのガス漏れを防止し、シリンダライナ6の摺動面6aに摺接しながら摺動する外周面1cの油の保持性を改善し、シール性能を維持する手段として、図7に示される手段が提供されている。
図7において、前記外周面1cには、該外周面1cのピストン2の軸線100方向に沿って複数の溝10sを等間隔で刻設している。尚、図7において、前記溝10s以外の構成は前記図6(B)と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
また、特許文献1(特開2000−129492号公報)には、外周面に表面に開口する多数の空洞部を有するポーラスクロムメッキ層と、ポーラスクロムメッキ層の上に形成された窒化珪素粒子分散ニッケル−コバルト−燐合金メッキ層とからなる二重構造の皮膜を有し、前記外周面にポーラスクロムメッキによる多数のディンプルを形成している。
特開2000−129492号公報
前記のように、ピストンリング1において、高圧の燃焼ガスは、合い口部1eと摺動面6aと上部隙間3a及び背部隙間3b等を通過して下面1bが臨む低圧側に漏れ、その主たる漏れは合い口部1eからの漏れであることから、かかる合い口部1e等からのガス漏れを防止し、シリンダライナ6の摺動面6aに摺接しながら摺動する外周面1cの、油の保持性を改善し、シール性能を維持する手段として、図7に示される手段が提供されている。
即ち、図7においては、外周面1cに、該外周面1cのピストン2の軸方向に沿って複数の溝10sを等間隔で刻設している。
しかしながら、図7においては、複数の溝10sを等間隔で外周面1cに刻設していることから、高圧の燃焼ガスがピストンリング1の上面1a側に作用する場合、摺動面6aの外周面1c部の上面1a寄りの部分が磨耗し、その断面は上底が短い台形状になる。このため、油の保持性を狙った前記複数の溝10sは、油を保持したい前記磨耗部位から先に消滅することになる。
かかる、不具合に対処するため、外周面1cの硬さを上昇すると、複数の溝10sの形成が困難になるばかりでなく、適正な形状にピストンリング1の形状が馴染まないため、ピストンリング1とシリンダライナ6への接触圧力が高いまま維持され、シリンダライナ6の過大磨耗につながる。
本発明はかかる従来技術の課題に鑑み、きわめて簡単な構造で、ピストンリング外周面の形状を改良して、ピストンリングの摺動外周面の油保持性をキープしながら所定の馴染み形状に早く到達させて、ピストンリングの焼き付きや摺動外周面の異常磨耗の発生を防止した往復動機関のピストンリングを提供することを目的とする。
本発明はかかる課題を解決するもので、ピストンの軸方向に直角な燃焼室側のガスに触れる上面と、該上面の反対側に形成された下面と、前記上面と下面とにそれぞれ結合しピストンの軸方向に形成されてシリンダライナの摺動面に摺接する外周面とを備えた往復動機関のピストンリングにおいて、
前記外周面に、該外周面のピストンの軸方向に沿って複数の溝を刻設し、該複数の溝は、前記上面側から一定長さにおいては、溝の大きさを大きく且つ溝間の距離が小さい多数の大型溝に形成し、前記一定長さよりも下面寄りの部分は溝の大きさを前記大型溝よりも小さく且つ溝間の距離が大きい小型溝に形成したことを特徴とする(請求項1)。
また、かかる発明において、好ましくは、前記複数の溝は、溝の大きさが大きな前記大型溝から、前記上面側からのピストンの軸方向において連続的に溝の形を小さくすることにより、前記大型溝よりも小さい前記小型溝に連結する(請求項2)。
また、本発明は、前記往復動機関のピストンリングにおいて、前記外周面に、該外周面のピストンの軸方向に沿って複数の同一形状の溝を刻設し、該複数の溝は、前記上面側から一定長さにおいてはピストンの軸方向ピッチが小さく溝の数が多い多数の溝に形成し、前記一定長さよりも下面寄りの部分は前記小さいピッチよりもピッチが大きく溝の数が少ない少数の溝に形成したことを特徴とする(請求項3)。
また、かかる発明において、好ましくは、前記複数の同一形状の溝は、前記多数の溝数から、前記上面側からのピストンの軸方向ピッチを連続的に減少することにより、溝の数を減少して前記少数の溝数に連結する(請求項4)。
また、本発明は、前記往復動機関のピストンリングにおいて、外周面に、該外周面に沿って前記上面側からピストンの軸方向に一定長さにおいては粗い仕上げ面とし、前記一定長さよりも前記下面寄りの部分は前記粗い仕上げ面よりも平滑な仕上げ面に構成したことを特徴とする(請求項5)。
また、かかる発明において、好ましくは、前記粗い仕上げ面をグラインダによる研削仕上げとし、前記平滑な仕上げ面をエッチング仕上げで構成する(請求項6)。
また、本発明は、前記往復動機関のピストンリングにおいて、外周面に、該外周面に沿ってショットピーニングによる複数のディンプルを刻設し、該複数のディンプルは、前記上面側から一定長さにおいてはピストンの軸方向ピッチが小さくディンプルの数が多い多数のディンプルに形成し、前記一定長さよりも下面寄りの部分は前記小さいピッチよりもピッチが大きくディンプルの数が少ない小数のディンプルに形成したことを特徴とする(請求項7)。
本発明によれば、シリンダライナの摺動面に摺接する外周面に、該ピストンの軸方向に沿って設けられた複数の溝は、前記上面側から一定長さにおいては、溝の大きさを大きく且つ溝間の距離が小さい多数の大型溝に形成し、前記一定長さよりも下面寄りの部分は溝の大きさを前記大型溝よりも小さく且つ溝間の距離が大きい小型溝に形成したので(請求項1)、
高圧の燃焼ガスがピストンリングの上面側から摺動面の外周面に作用する際に、外周面の荷重は、ピストンの軸方向において、上面側が大きく下面側になるに従い小さくなる。
従ってかかる発明によれば、上面側から一定長さにおいては溝の大きさを大きく且つ溝間の距離が小さい多数の大型溝に形成し、前記一定長さよりも下面寄りの部分は溝の大きさを前記大型溝よりも小さく且つ溝間の距離が大きい小型溝に形成したことにより、溝の磨耗進展時には、前記上面側から一定長さにおいては前記多数の大型溝に形成したことで、従来のものよりも溝の磨耗が少なくなって油の保持性が向上する。
また溝の磨耗の少ない前記一定長さよりも下面寄りの部分は、溝の大きさを小さく且つ溝間の距離が大きい小型溝としたことで、通常どおり油の保持性を十分に保持できる。
また、上面側から一定長さにおいては溝の大きさを大きく且つ溝間の距離が小さい多数の大型溝に形成したので、前記一定長さよりも下面寄りの部分は溝の大きさを小さく且つ溝間の距離が大きい小型溝としたことにより、上面側から一定長さにおける溝の柔軟性が前記一定長さよりも下面寄りの部分よりも大きくなる。
従って、高圧の燃焼ガスがピストンリングの上面側から摺動面の外周面に作用する際において、上面側から一定長さにおける溝の柔軟性の発生により、ピストンリングの上部の変形が容易になって馴染み性が向上し、ピストンリングとシリンダライナとの接触圧力が低下する。
また、かかる発明において、前記複数の溝は、溝の大きさが大きな前記大型溝から、前記上面側からのピストンの軸方向において連続的に溝の形を小さくすることにより、前記大型溝よりも小さい前記小型溝に連結するように構成すれば(請求項2)、
高圧の燃焼ガスがピストンリングの上面側から摺動面の外周面に作用する際には、外周面の荷重は、ピストンの軸方向において、上面側が大きく下面側になるに従い小さくなる。そこで、本発明においては複数の溝の大きさが大きな大型溝から、前記上面側からのピストンの軸方向において連続的に溝の形を小さくして大型溝よりも小さい小型溝に連結するように構成することにより、ピストンリング荷重は上面側が大きく下面側になるに従い小さくなるのに応じて、溝の形もピストンリング荷重の変化にスライドして変化することとなり、ピストンリング荷重に応じた適正形状の溝を提供できる。
また、本発明は、外周面の複数の同一形状の溝は、前記上面側から一定長さにおいてはピストンの軸方向ピッチが小さく溝の数が多い多数の溝に形成し、前記一定長さよりも下面寄りの部分は前記小さいピッチよりもピッチが大きく溝の数が少ない少数の溝に形成すれば(請求項3)、
前記複数の溝の大きさが同一であっても、溝のピッチを、上面側から一定長さにおいては小さく溝の数が多い多数の溝とし、前記一定長さよりも下面寄りの部分はピッチが大きく溝の数が少ない少数の溝とすることにより、
溝の磨耗進展時には、前記上面側から一定長さにおいては、溝のピッチを小さくして多数の溝に形成したことで、従来のものよりも溝の磨耗が少なくなって油の保持性が向上し、溝の磨耗の少ない前記一定長さよりも下面寄りの部分は、溝のピッチを大きくして溝間の距離が大きい少数の溝としたことで、通常どおり油の保持性を十分に保持できる。
また、かかる発明によれば、上面側から一定長さにおいては、複数の同一形状の溝は、ピストンの軸方向ピッチが小さく溝の数が多い多数の溝に形成し、一定長さよりも下面寄りの部分はピッチが大きく溝の数が少ない少数の溝に形成したことにより、
上面側から一定長さにおける多数の溝の柔軟性が、前記一定長さよりも下面寄りの部分の少数の溝よりも大きくなり、高圧の燃焼ガスがピストンリングの上面側から摺動面の外周面に作用する際の、上面側から一定長さにおける多数の溝の柔軟性により、ピストンリングの変形が容易になって馴染み性が向上し、ピストンリングとシリンダライナとの接触圧力が低下する。
また、かかる発明において、前記複数の同一形状の溝は、多数の溝数から、上面側からのピストンの軸方向ピッチを連続的に減少することにより、溝の数を減少して前記少数の溝数に連結するように構成すれば(請求項4)、
高圧の燃焼ガスがピストンリングの上面側から摺動面の外周面に作用する際には、外周面の荷重は、ピストンの軸方向において、上面側が大きく下面側になるに従い小さくなる。
そこで、本発明においては、複数の溝は、溝の形が同一であっても、多数の溝数から、上面側からのピストンの軸方向ピッチを連続的に減少して、前記少数の溝数に連結している。
これにより、ピストンリング荷重は上面側が大きく下面側になるに従い小さくなるのに応じて、溝の軸方向ピッチもピストンリング荷重の変化にスライドして変化することとなって、ピストンリング荷重に応じた適正形状の溝を提供できる。
また、本発明は、外周面に、該外周面に沿って上面側からピストンの軸方向に一定長さにおいては粗い仕上げ面とし、前記一定長さよりも下面寄りの部分は前記粗い仕上げ面よりも平滑な仕上げ面に構成し(請求項5)、好ましくは、前記粗い仕上げ面をグラインダによる研削仕上げとし、前記平滑な仕上げ面をエッチング仕上げで構成したので(請求項6)、
高圧の燃焼ガスがピストンリングの上面側から摺動面の外周面に作用する際に、外周面の荷重は、ピストンの軸方向において、上面側が大きく下面側になるに従い小さくなる。
従ってかかる発明によれば、上面側から一定長さにおいてはグラインダによる研削仕上等の粗い仕上げ面とし、前記一定長さよりも下面寄りの部分はエッチング仕上げ等の粗い仕上げ面よりも平滑な仕上げ面に構成したことにより、ピストンリングの磨耗進展時には、前記上面側から一定長さにおいては前記グラインダによる研削仕上げ等の粗い仕上げ面に形成したことで、従来のものよりも外周面の磨耗が少なくなって油の保持性が向上する。
また外周面の磨耗の少ない前記一定長さよりも下面寄りの部分は、エッチング仕上げ等の平滑な仕上げ面としたことで、通常どおり油の保持性を十分に保持できる。
また、かかる発明によれば、上面側から一定長さにおける粗い仕上げ面の柔軟性が、前記一定長さよりも下面寄りの部分の平滑な仕上げ面よりも大きくなるので、高圧の燃焼ガスがピストンリングの上面側から摺動面の外周面に作用する際の、上面側から一定長さにおける仕上げ面の柔軟性により、ピストンリングの変形が容易になって馴染み性が向上し、ピストンリングとシリンダライナとの接触圧力が低下する。
また、本発明は、外周面に、該外周面に沿ってショットピーニングによる複数のディンプルを刻設し、該複数のディンプルは、前記上面側から一定長さにおいてはピストンの軸方向ピッチが小さくディンプルの数が多い多数のディンプルに形成し、前記一定長さよりも下面寄りの部分は前記小さいピッチよりもピッチが大きくディンプルの数が少ない少数のディンプルに形成したので(請求項7)、高圧の燃焼ガスがピストンリングの上面側から摺動面の外周面に作用する際に、外周面の荷重は、ピストンの軸方向において、上面側が大きく下面側になるに従い小さくなる。
従ってかかる発明によれば、外周面に沿ってショットピーニングによる複数のディンプルを刻設し、該複数のディンプルは、上面側から一定長さにおいてはピストンの軸方向ピッチが小さくディンプルの数が多い多数のディンプルに形成し、前記一定長さよりも下面寄りの部分は前記小さいピッチよりもピッチが大きくディンプルの数が少ない少数のディンプルに形成している。
従って、かかる発明によれば、ピストンリングの外周面の磨耗進展時には、前記上面側から一定長さにおいては、軸方向ピッチが小さくディンプルの数が多い多数のディンプルに形成したことで、従来のものよりもディンプルの磨耗が少なくなって油の保持性が向上する。
またディンプルの磨耗の少ない前記一定長さよりも下面寄りの部分は、前記小さいピッチよりもピッチが大きくディンプルの数が少ない少数のディンプルに形成したので、通常どおり油の保持性を十分に保持できる。
また、かかる発明によれば、上面側から一定長さにおいては軸方向ピッチが小さくディンプルの数が多い多数のディンプルに形成したので、ディンプルの柔軟性が、前記一定長さよりも下面寄りの部分つまりディンプルのピッチが大きくディンプルの数が少ない少数のディンプルに形成した部分よりも大きくなり、高圧の燃焼ガスがピストンリングの上面側から摺動面の外周面に作用する際の、上面側から一定長さにおけるディンプルの柔軟性によりピストンリングの変形が容易になって馴染み性が向上し、ピストンリングとシリンダライナとの接触圧力が低下する。
以上により、ピストンの軸方向に沿って設けられた複数の溝の形状を改良するという、きわめて簡単な構造で、ピストンリングの摺動外周面の油保持性をキープしながら所定の馴染み形状に早く到達させることができ、ピストンリングの焼き付きや摺動外周面の異常磨耗の発生を防止できる。
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
図6(A)は本発明が適用される大型ディーゼル機関のピストン周りの概略断面図(ピストンの片側断面を示す)、(B)は(A)におけるZ部拡大図、(C)はピストンリングの合い口の状態を示す斜視図である。
図6(A)において、ピストン2は、内周側のピストン中央部2aと外周円筒部2bとを連結して構成されている。
前記外周円筒部2bの高さ方向に複数段形成されたリング溝3には、複数のピストンリング1がそれぞれ嵌挿され、該ピストン2は、前記ピストンリング1の外周面1cがシリンダライナ6の摺動面6aに摺接しながら、往復動する。前記ピストン2の外周円筒部2bの側部にはエンジンの燃焼室4に開口するリング側面隙間7が形成されており、該リング側面隙間7には、前記燃焼室4からの燃焼ガスが充填されている。
前記ピストンリング1は、図6(B)に示すように、前記外周面1cと、燃焼室4のガスに触れるピストン2の軸心100の方向に直角な上面1aと、該上面1aの反対側に形成された下面1bと、内側のリング背面1dとを連結して構成される。
エンジンのピストン2の上昇時には、図6(B)に示すように、前記ピストンリング1には、上部隙間3a及び背部隙間3bが形成され、上部隙間3a及び背部隙間3bには、前記リング側面隙間7からの燃焼室4側からの燃焼ガスが矢印のように流入している。
また、前記ピストンリング1は、図6(C)のように、合い口部を切欠き、かかる切欠いた合い口部1eを介してリング状に連結されている。
前記のように、ピストンリング1は、円環の上面1a及び下面1bで異なるガス圧力に晒され、高圧の燃焼ガスは前記合い口部1eと摺動面に接する外周面1cと前記上部隙間3a及び背部隙間3bを通過して下面1bが臨む低圧側に漏れる。その主たる漏れは前記合い口部1eからの漏れである。
本発明は、前記ピストンリング1の形状の改良に係るものである。
(第1実施例)
図1は、本発明の第1実施例に係る大型ディーゼル機関のピストンリングの拡大斜視断面図である。図2は図1のZ部拡大断面図である。
前記図6において、ピストンリング1は、リング溝3に嵌挿され、燃焼室4側のガスに触れるピストン2の軸線方向100に直角な上面1aと、該上面1aの反対側に形成された下面1bと、前記上面1aと下面1bとにそれぞれ結合しピストンの軸方向に形成されてシリンダライナ6の摺動面6aに摺接する外周面1cと、該外周面1cの裏側の背面1dを備えている。
エンジンのピストン2の上昇時には、図6に示すように、前記ピストンリング1には、上部隙間3a及び背部隙間3bが形成され、上部隙間3a及び背部隙間3bには、前記リング側面隙間7からの燃焼室4側からの燃焼ガスが矢印のように流入して、外周面1cをシリンダライナ6の摺動面6aに押付けている。
この第1実施例においては、前記外周面1cに、該外周面1cのピストンの軸心方向100に沿って複数の溝10(10a、10b)を刻設している。
また、かかる第1実施例において、前記上面1a側から一定長さSよりも、上方においては、前記複数の溝10は、第2図の幅w、深さt、奥部の半径rが、幅w、深さt、奥部の半径rなる溝10a(図1)に構成され、下面1bに近づいて前記一定長さSに達すると幅w、深さt、奥部の半径rなる溝10b(図1)に構成される。
そして、前記溝10aの、溝間の距離vは、前記上面1a側の溝10aが最も小さく、前記距離vから下方の溝10bへと、連続的に増加して行く。
高圧の燃焼ガスが、ピストンリング1の上面側1aから摺動面の外周面1cに作用する際に、外周面1cの荷重は、ピストン2の軸心方向100において、上面1a側が大きく下面1b側になるに従い小さくなる。
従ってかかる実施例によれば、上面1a側から一定長さSにおいては溝10の大きさを大きくつまり深さtが深く且つ溝間の距離vが小さい多数の大型の溝10aに形成し、前記一定長さSよりも下面1b寄りの部分は溝10の大きさを前記大型の溝10aよりも小さくつまり深さtが浅く且つ溝間の距離vが大きい小型の溝10bに形成したことにより、溝10の磨耗進展時には、前記上面1a側から一定長さSにおいては前記多数の大型の溝10aに形成したことで、従来のものよりも溝10の磨耗が少なくなって油の保持性が向上する。
また溝10の磨耗の少ない前記一定長さSよりも下面1b寄りの部分は、溝10bの大きさを小さくつまり深さtが浅く且つ溝間の距離vが大きい小型の溝10bとしたことで、通常どおり油の保持性を十分に保持できる。
また、上面1a側から一定長さSにおいては、溝10の大きさを大きく且つ溝間の距離vが小さい多数の大型の溝10aに形成したので、前記一定長さSよりも下面1b寄りの部分は溝10の大きさを小さく且つ溝間の距離vが大きい小型の溝10bとしたことにより、
上面1a側から一定長さSにおける溝10aの柔軟性が、前記一定長さSよりも下面1b寄りの部分よりも大きくなり、高圧の燃焼ガスがピストンリング1の上面1a側から摺動面の外周面1cに作用する際の、上面1a側から一定長さSにおける溝10aの柔軟性によりピストンリング1の変形が容易になって馴染み性が向上し、ピストンリング1とシリンダライナ6との接触圧力が低下する。
また、前記第1実施例において、前記複数の溝10を、該溝10の大きさを第2図のように深さt、幅w、奥部の半径rに設定して、前記上面1a側を大きくして大型の溝10a(深さt、幅w、奥部の半径r)を形成し、該大型の溝10aから一定割合で連続的あるいは断続的に減じてゆきに、下面1bの溝10b(深さt、幅w、奥部の半径r)まで小さくすることも、さらに、溝10b(深さt、幅w、奥部の半径r)においても一定割合で連続的あるいは断続的に小さくしていくようにしてもよい。
このように、高圧の燃焼ガスがピストンリング1の上面1a側から摺動面の外周面1cに作用する際には、外周面1cの荷重は、ピストン2の軸心100方向において、上面1a側が大きく下面1b側になるに従い小さくなる。
然るに、この実施例のように、複数の溝10の大きさが大きな大型の溝10aから、前記上面1a側からのピストン2の軸方向において連続的または断続的に溝10の形を小さくして、大型の溝10aよりも小さい小型の溝10bに連結するように構成することにより、ピストンリング1荷重は上面1a側が大きく下面1b側になるに従い小さくなるのに応じて、溝10の形もピストンリング1荷重の変化にスライドして変化することとなり、ピストンリング1荷重に応じた適正形状の溝10を提供できる。
(第2実施例)
図3は、本発明の第2実施例に係る大型ディーゼル機関のピストンリングの拡大斜視断面図である。
この第2実施例においては、前記外周面1cに設けた複数の溝10を、同一形状とし、該複数の同一形状の溝10は、前記上面1a側から一定長さSにおいてはピストンの軸方向ピッチnが小さく溝の数が多い多数の溝10に形成し、前記一定長さSよりも下面1b寄りの部分は前記小さいピッチよりもピッチnが大きく溝の数が少ない少数の溝10に形成している。
即ち、かかる実施例においては、前記上面1a側から一定長さSよりも、上方においては、前記複数の同一形状の溝10は、図3のように、ピッチnをn、n、nのように、連続的あるいは断続的に減じて行く。前記一定長さSよりも下方では、ピッチnは前記最大ピッチnよりも大きく構成すればよい。
かかる第2実施例によれば、外周面1cの複数の同一形状の溝10は、前記上面1a側から一定長さSにおいてはピストン2軸方向ピッチnが小さく溝の数が多い多数の溝10に形成し、前記一定長さSよりも下面1b寄りの部分は前記小さいピッチよりもピッチnが大きく溝の数が少ない少数の溝10に形成したので、前記複数の溝10の大きさが同一であっても、溝10のピッチnを、上面1a側から一定長さSにおいては、ピッチn、n、nのように小さく溝の数が多い多数の溝10とし、前記一定長さSよりも下面1b寄りの部分はピッチnのように大きく溝の数が少ない少数の溝10としている。
これにより、溝10の磨耗進展時には、前記上面1a側から一定長さSにおいては溝のピッチnを小さくして多数の溝10に形成したことで、従来のものよりも溝10の磨耗が少なくなって油の保持性が向上し、溝10の磨耗の少ない前記一定長さSよりも下面1b寄りの部分は、溝のピッチnを大きくして溝間の距離が大きい少数の溝10としたことで、通常どおり、油の保持性を十分に保持できる。
また、前記のように、上面1a側から一定長さSにおいては、複数の同一形状の溝10は、前記のように、ピストンの軸方向ピッチnがn、n、nのように小さく溝の数が多い多数の溝10に形成し、一定長さSよりも下面1b寄りの部分はピッチnが大きく溝の数が少ない少数の溝10に形成したことにより、
上面1a側から一定長さSにおける多数の溝10の柔軟性が、前記一定長さSよりも下面1b寄りの部分の少数の溝10よりも大きくなり、高圧の燃焼ガスがピストンリング1の上面1a側から摺動面の外周面1cに作用する際の、上面1a側から一定長さSにおける少ピッチn、n、nの多数の溝10の柔軟性によって、ピストンリング1の変形が容易になって馴染み性が向上し、ピストンリング1とシリンダライナ6との接触圧力が低下する。
また、前記第2実施例において、前記複数の同一形状の溝10は、多数の溝数10から、上面1a側からのピストン2の軸方向ピッチnをn、n、n、nのように、一定割合で連続的に減少することにより、下面1bで溝10を前記少数の溝数nに連結するように構成することもできる。
ここで、高圧の燃焼ガスがピストンリング1の上面1a側から摺動面の外周面1cに作用する際には、外周面1cの荷重は、ピストン2の軸線方向において、上面1a側が大きく下面1b側になるに従い小さくなる。
かかる実施例においては、複数の溝10は、溝10の形状が同一であっても、多数の溝数10から、上面1a側からのピストン2の軸方向ピッチn、n、n、nのように一定割合で連続的に減少して、前記少数の溝数10に連結している。
これにより、ピストンリング荷重は上面1a側が大きく下面1b側になるに従い小さくなるのに応じて、溝10の軸方向ピッチnもn、n、n、nのようにピストンリング荷重の変化にスライドして変化することとなって、ピストンリング荷重の変化に応じた適正形状の溝10を提供できる。
かかる第2実施例において、前記以外の構成は前記第1実施例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
(第3実施例)
図4(A)は本発明の第3実施例に係る大型ディーゼル機関のピストンリングの拡大斜視断面図、(B)は(A)のY部拡大図である。
この第3実施例においては、外周面1cに、該外周面1cに沿って上面1a側からピストンの軸線100方向に一定長さBにおいては粗い仕上げ面11aとし、前記一定長さBよりも下面1b寄りの部分Bは前記粗い仕上げ面11aよりも平滑な仕上げ面11bに構成している。
そして、好ましくは、前記粗い仕上げ面11aをグラインダによる研削仕上げ面とし、前記平滑な仕上げ面11bをエッチング仕上げで構成する。
ここで、高圧の燃焼ガスがピストンリング1の上面1a側から摺動面の外周面1cに作用する際に、外周面1cの荷重は、ピストン2の軸方向において、上面1a側が大きく下面1b側になるに従い小さくなる。
従ってかかる第3実施例によれば、上面1a側から一定長さBにおいてはグラインダによる研削仕上げ等の粗い仕上げ面11aとし、前記一定長さBよりも下面1b寄りの部分Bはエッチング仕上げ等の粗い仕上げ面11aよりも平滑な仕上げ面11bに構成したことにより、ピストンリング1の磨耗進展時には、前記上面1a側から一定長さBにおいては前記グラインダによる研削仕上げ等の粗い仕上げ面11aに形成したことで、従来のものよりも外周面1cの磨耗が少なくなって油の保持性が向上する。
また外周面1cの磨耗の少ない前記一定長さよりも下面1b寄りの部分Bは、エッチング仕上げ等の平滑な仕上げ面11bとしたことで、通常どおり油の保持性を十分に保持できる。
また、上面1a側から一定長さBにおける粗い仕上げ面11aの柔軟性が、前記一定長さBよりも下面1b寄りの部分の平滑な仕上げ面11bよりも大きくなり、高圧の燃焼ガスがピストンリング1の上面1a側から摺動面の外周面1cに作用する際の、上面1a側から一定長さBにおける仕上げ面の柔軟性により、ピストンリング1の変形が容易になって馴染み性が向上し、ピストンリング1とシリンダライナ6との接触圧力が低下する。
かかる第3実施例において、前記以外の構成は前記第1実施例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
(第4実施例)
図5(A)は本発明の第4実施例に係る大型ディーゼル機関のピストンリングの拡大斜視図、(B)は(A)のA−A矢視図である。
この第4実施例においては、ピストンリング1の外周面1cに、該外周面1cに沿ってショットピーニングによる複数のディンプル12(12a,12b)を刻設し、該複数のディンプル12は、前記上面1a側から一定長さCにおいてはピストンの軸線方向のピッチが小さくディンプルの数が多い多数のディンプル12aに形成し、前記一定長さCよりも下面寄りの部分Cは前記小さいピッチよりもピッチが大きくディンプルの数が少ない少数のディンプル12bに形成している。
ここで、高圧の燃焼ガスがピストンリング1の上面1a側から摺動面の外周面1cに作用する際に、外周面1cの荷重は、ピストン2の軸方向において、上面1a側が大きく下面1b側になるに従い小さくなる。
しかるに、この第4実施例においては、外周面1cに沿ってショットピーニングによる複数のディンプル12を刻設し、該複数のディンプル12は、上面1a側から一定長さCにおいてはピストン2の軸方向ピッチが小さくディンプル12の数が多い多数のディンプル12aに形成し、前記一定長さCよりも下面寄りの部分は前記小さいピッチよりもピッチが大きくディンプル12の数が少ない少数のディンプル12bに形成している。
このため、ピストンリング1の外周面1cの磨耗進展時には、前記上面1a側から一定長さCにおいては、軸方向ピッチが小さくディンプルの数が多い多数のディンプル12aに形成したことで、従来のものよりもディンプル12aの磨耗が少なくなって油の保持性が向上する。
またディンプル12の磨耗の少ない前記一定長さよりも下面寄りの部分Cは、前記小さいピッチよりもピッチが大きくディンプル12の数が少ない少数のディンプル12bに形成したので、通常どおり油の保持性を十分に保持できる。
また、この第4実施例によれば、上面1a側から一定長さCにおいては軸方向ピッチが小さくディンプル12aの数が多い多数のディンプル12aに形成したので、ディンプル12aの柔軟性が、前記一定長さよりも下面寄りの部分Cつまりディンプルのピッチが大きくディンプル12bの数が少ない少数のディンプル12bに形成した部分Cよりも大きくなり、高圧の燃焼ガスがピストンリング1の上面1a側から摺動面の外周面1cに作用する際の、上面1a側から一定長さCにおけるディンプル12aの柔軟性により、ピストンリング1の変形が容易になって馴染み性が向上し、ピストンリング1とシリンダライナ6との接触圧力が低下する。
かかる第4実施例において、前記以外の構成は前記第1実施例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
本発明によれば、きわめて簡単な構造で、ピストンリング外周面の形状を改良して、ピストンリングの摺動外周面の油保持性をキープしながら所定の馴染み形状に早く到達させて、ピストンリングの焼き付きや摺動外周面の異常磨耗の発生を防止した往復動機関のピストンリングを提供できる。
本発明の第1実施例に係る大型ディーゼル機関のピストンリングの拡大斜視断面図である。 図1のZ部拡大断面図である。 本発明の第2実施例に係る大型ディーゼル機関のピストンリングの拡大斜視断面図である。 (A)は本発明の第3実施例に係る大型ディーゼル機関のピストンリングの拡大斜視断面図、(B)は(A)のY部拡大図である。 (A)は本発明の第4実施例に係る大型ディーゼル機関のピストンリングの拡大斜視図、(B)は(A)のA−A矢視図である。 (A)は本発明が適用される大型ディーゼル機関のピストン周りの概略断面図(ピストンの片側断面を示す)、(B)は(A)におけるZ部拡大図、(C)はピストンリングの合い口の状態を示す斜視図である。 従来技術に係る大型ディーゼル機関のピストンリングの拡大斜視図である。
符号の説明
1 ピストンリング
1a 上面
1b 下面
1c 外周面
1d 背面
2 ピストン
3 リング溝
6 シリンダライナ
6a 摺動面
10 溝
10a 溝
10b 溝
11a 粗い仕上げ面
11b 平滑な仕上げ面
12a、12b ディンプル

Claims (7)

  1. ピストンの軸方向に直角な燃焼室側のガスに触れる上面と、該上面の反対側に形成された下面と、前記上面と下面とにそれぞれ結合しピストンの軸方向に形成されてシリンダライナの摺動面に摺接する外周面とを備えた往復動機関のピストンリングにおいて、
    前記外周面に、該外周面のピストンの軸方向に沿って複数の溝を刻設し、該複数の溝は、前記上面側から一定長さにおいては、溝の大きさを大きく且つ溝間の距離が小さい多数の大型溝に形成し、前記一定長さよりも下面寄りの部分は溝の大きさを前記大型溝よりも小さく且つ溝間の距離が大きい小型溝に形成したことを特徴とする往復動機関のピストンリング。
  2. 前記複数の溝は、溝の大きさが大きな前記大型溝から、前記上面側からのピストンの軸方向において連続的に溝の形を小さくすることにより、前記大型溝よりも小さい前記小型溝に連結したことを特徴とする請求項1記載の往復動機関のピストンリング。
  3. ピストンの軸方向に直角な燃焼室側のガスに触れる上面と、該上面の反対側に形成された下面と、前記上面と下面とにそれぞれ結合しピストンの軸方向に形成されてシリンダライナの摺動面に摺接する外周面とを備えた往復動機関のピストンリングにおいて、
    前記外周面に、該外周面のピストンの軸方向に沿って複数の同一形状の溝を刻設し、該複数の溝は、前記上面側から一定長さにおいてはピストンの軸方向ピッチが小さく溝の数が多い多数の溝に形成し、前記一定長さよりも下面寄りの部分は前記小さいピッチよりもピッチが大きく溝の数が少ない少数の溝に形成したことを特徴とする往復動機関のピストンリング。
  4. 前記複数の同一形状の溝は、前記多数の溝数から、前記上面側からのピストンの軸方向ピッチを連続的に減少することにより、溝の数を減少して前記少数の溝数に連結したことを特徴とする請求項3記載の往復動機関のピストンリング。
  5. ピストンの軸方向に直角な燃焼室側のガスに触れる上面と、該上面の反対側に形成された下面と、前記上面と下面とにそれぞれ結合しピストンの軸方向に形成されてシリンダライナの摺動面に摺接する外周面とを備えた往復動機関のピストンリングにおいて、
    前記外周面に、該外周面に沿って前記上面側からピストンの軸方向に一定長さにおいては粗い仕上げ面とし、前記一定長さよりも前記下面寄りの部分は前記粗い仕上げ面よりも平滑な仕上げ面に構成したことを特徴とする往復動機関のピストンリング。
  6. 前記粗い仕上げ面をグラインダによる研削仕上とし、前記平滑な仕上げ面をエッチング仕上げで構成したことを特徴とする請求項5記載の往復動機関のピストンリング。
  7. ピストンの軸方向に直角な燃焼室側のガスに触れる上面と、該上面の反対側に形成された下面と、前記上面と下面とにそれぞれ結合しピストンの軸方向に形成されてシリンダライナの摺動面に摺接する外周面とを備えた往復動機関のピストンリングにおいて、
    前記外周面に、該外周面のピストンの軸方向に沿ってショットピーニングによる複数のディンプルを刻設し、該複数のディンプルは、前記上面側から一定長さにおいてはピストンの軸方向ピッチが小さくディンプルの数が多い多数のディンプルに形成し、前記一定長さよりも下面寄りの部分は前記小さいピッチよりもピッチが大きくディンプルの数が少ない小数のディンプルに形成したことを特徴とする往復動機関のピストンリング。
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