JP2010038118A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】O2ストレージ能力を有するNOX吸蔵還元触媒装置及び三元触媒装置を具備する内燃機関の排気浄化装置において、S被毒回復処理を実施している時にフューエルカットによりNOX吸蔵還元触媒装置の吸蔵酸素量が増大した場合には、異臭を発生させることなく比較的早期にNOX吸蔵還元触媒装置の吸蔵酸素量を低減する。
【解決手段】S被毒回復処理を実施している時に(ステップ102及び103)フューエルカットによりNOX吸蔵還元触媒装置の吸蔵酸素量が増大した場合(ステップ104)には、先ずは気筒内から排出される排気ガスの空燃比をリッチとし(ステップ107及び108)、三元触媒装置から流出する排気ガスの空燃比がリッチとなった時には(ステップ109)気筒内から排出される排気ガスの空燃比を大きくして理論空燃比より僅かにリッチな空燃比とする(ステップ110及び111)リッチ化制御を実施する。
【選択図】図2
【解決手段】S被毒回復処理を実施している時に(ステップ102及び103)フューエルカットによりNOX吸蔵還元触媒装置の吸蔵酸素量が増大した場合(ステップ104)には、先ずは気筒内から排出される排気ガスの空燃比をリッチとし(ステップ107及び108)、三元触媒装置から流出する排気ガスの空燃比がリッチとなった時には(ステップ109)気筒内から排出される排気ガスの空燃比を大きくして理論空燃比より僅かにリッチな空燃比とする(ステップ110及び111)リッチ化制御を実施する。
【選択図】図2
Description
本発明は、内燃機関の排気浄化装置に関する。
希薄燃焼内燃機関の機関排気系には、一般的にNOX吸蔵還元触媒装置が配置されている。このNOX吸蔵還元触媒装置は、排気ガスの空燃比がリーンである時に排気ガス中のNOXを吸蔵し、設定量のNOXが吸蔵された時には、再生処理として、排気ガスの空燃比を理論空燃比又はリッチ空燃比として吸蔵したNOXを放出させ、こうして放出されたNOXを排気ガス中の還元成分により還元浄化するものである。
このようなNOX吸蔵還元触媒装置は、NOXと同様なメカニズムによって排気ガス中のSOXも吸蔵してしまう。SOXは安定な硫酸塩として吸蔵されるために前述の再生処理では放出させることはできず、吸蔵量は増加する一方であり(S被毒)、遂には、再生処理直後においてもNOX吸蔵還元触媒装置は十分なNOX量を吸蔵することができなくなってしまう。
それにより、NOX吸蔵還元触媒装置におけるSOX吸蔵量を推定し、このSOX吸蔵量が設定SOX吸蔵量に達した時には、NOX吸蔵還元触媒装置へ流入する排気ガスを比較的多くの燃料及び酸素を含む理論空燃比より僅かにリッチな空燃比の排気ガスとし、排気ガス中に含まれる燃料をNOX吸蔵還元触媒装置において貴金属触媒を使用して燃焼させることにより、NOX吸蔵還元触媒装置を約700°Cのような高温とし、吸蔵SOXを放出させて還元浄化するS被毒回復処理が実施される。
NOX吸蔵還元触媒装置は、このような高温度とされると、NOX吸蔵能力が著しく低下するために、NOX吸蔵還元触媒装置にO2ストレージ能力を持たせることにより、S被毒回復処理中においてはNOX吸蔵還元触媒装置を三元触媒装置として機能させ、排気ガス中の余剰酸素を吸蔵してNOXを還元浄化することができる。
S被毒回復処理においてNOX吸蔵還元触媒装置へ流入させる排気ガスは、一方の気筒群の燃焼空燃比をリーンとし、他方の気筒群の燃焼空燃比をリッチとして、両方の排気ガスを合流させたものとすることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
O2ストレージ能力を有するNOX吸蔵還元触媒装置において、S被毒回復処理に際して、それ以前の希薄燃焼により、多量の酸素を吸蔵していることがあるが、リッチ空燃比の排気ガス中の燃料を燃焼する際に吸蔵酸素は放出され、NOX吸蔵還元触媒装置が高温となった時には、吸蔵酸素量は十分に低減している。
それにより、NOX吸蔵還元触媒装置は、排気ガス中の新たな酸素を吸蔵することができ、S被毒回復処理中においてNOX吸蔵還元触媒装置が高温となっても、NOX吸蔵還元触媒装置は三元触媒装置として機能して、一方の気筒群から排出されるリーン空燃比の排気ガス中に含まれるNOXを還元浄化することができる。
しかしながら、S被毒回復処理中において、機関減速時となってフューエルカットが実施されると、その直後においてNOX吸蔵還元触媒装置の酸素吸蔵量は増大し、S被毒回復処理を再開するために、リッチ空燃比の排気ガスとリーン空燃比の排気ガスとを合流させて僅かにリッチとした排気ガスをNOX吸蔵還元触媒装置へ流入させると、吸蔵酸素が放出されるために、NOXの還元が不十分となり、また、NOX吸蔵還元触媒装置は高温であるために殆どNOXを吸蔵することはできず、それにより、リーン空燃比の排気ガス中に含まれるNOXが大気中へ放出されてしまうことがある。
これを防止するためにフューエルカット実施直後において、燃焼空燃比をリッチとして殆どNOXを含まない排気ガスをNOX吸蔵還元触媒装置へ流入させて吸蔵酸素を放出させることが考えられるが、排気ガスのリッチ程度を強くすると、高温のNOX吸蔵還元触媒装置から放出されるSOXが硫化水素H2Sとなって異臭が発生してしまう。それにより、この時の排気ガスの空燃比を理論空燃比より僅かなリッチな空燃比とすることが考えられるが、これでは、NOX吸蔵還元触媒装置の上流側に一般的に配置される三元触媒装置の吸蔵酸素が十分に放出されてリッチ空燃比の排気ガスがNOX吸蔵還元触媒装置に達するまでに非常に長い時間が必要になり、すなわち、NOX吸蔵還元触媒装置において吸蔵酸素の放出を開始するまでに非常に長い時間が必要になってしまう。
従って、本発明の目的は、O2ストレージ能力を有するNOX吸蔵還元触媒装置と、NOX吸蔵還元触媒装置の上流側に配置されてO2ストレージ能力を有する三元触媒装置とを具備する内燃機関の排気浄化装置において、NOX吸蔵還元触媒装置でNOXを含む排気ガス中の燃料を燃焼させるS被毒回復処理を実施している時にフューエルカットによりNOX吸蔵還元触媒装置の吸蔵酸素量が増大した場合には、S被毒回復処理の再開時にNOXの還元が不十分とならないようにするために、異臭を発生させることなく比較的早期にNOX吸蔵還元触媒装置の吸蔵酸素量を低減することである。
本発明による請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置は、O2ストレージ能力を有するNOX吸蔵還元触媒装置と、NOX吸蔵還元触媒装置の上流側に配置されてO2ストレージ能力を有する三元触媒装置とを具備する内燃機関の排気浄化装置において、NOX吸蔵還元触媒装置でNOXを含む排気ガス中の燃料を燃焼させるS被毒回復処理を実施している時にフューエルカットによりNOX吸蔵還元触媒装置の吸蔵酸素量が増大した場合には、先ずは気筒内から排出される排気ガスの空燃比をリッチとし、前記三元触媒装置から流出する排気ガスの空燃比がリッチとなった時には前記気筒内から排出される排気ガスの空燃比を大きくして理論空燃比より僅かにリッチな空燃比とするリッチ化制御を実施することを特徴とする。
また、本発明による請求項2に記載の内燃機関の排気浄化装置は、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記S被毒回復処理を実施する時にNOX吸蔵還元触媒装置へ流入させる排気ガスは、一方の気筒群から排出されるリーン空燃比の排気ガスと、他方の気筒群から排出されるリッチ空燃比の排気ガスとを合流させたものであり、前記三元触媒装置は前記一方の気筒群の排気通路と前記他方の気筒群の排気通路とにそれぞれ設けられ、前記リッチ化制御は、先ずは両方の気筒群から排出される排気ガスの空燃比をリッチとし、少なくとも一方の前記三元触媒装置から流出する排気ガスの空燃比がリッチとなった時には両方の気筒群から排出される排気ガスの空燃比を大きくして理論空燃比より僅かにリッチとすることを特徴とする。
また、本発明による請求項3に記載の内燃機関の排気浄化装置は、請求項1又は2に記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記S被毒回復処理を実施している時にフューエルカットにより前記NOX吸蔵還元触媒装置の吸蔵酸素量が増大した場合には、前記リッチ化制御によって前記NOX吸蔵還元触媒装置から流出する排気ガスの空燃比がリッチとなるまでは、前記S被毒回復処理を再開しないことを特徴とする。
本発明による請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置によれば、NOX吸蔵還元触媒装置でNOXを含む排気ガス中の燃料を燃焼させるS被毒回復処理を実施している時にフューエルカットによりNOX吸蔵還元触媒装置の吸蔵酸素量が増大した場合には、リッチ化制御として、先ずは気筒内から排出される排気ガスの空燃比を強リッチとして、三元触媒装置の吸蔵酸素量を早期に減少させ、それにより、三元触媒装置から流出する排気ガスの空燃比がリッチとなった時には、気筒内から排出される空燃比を大きくして理論空燃比より僅かにリッチな弱リッチな空燃比として、強リッチの空燃比の排気ガスがNOX吸蔵還元触媒装置へ流入しないようにし、H2Sを殆ど生成することなくNOX吸蔵還元触媒装置の吸蔵酸素量を低減させる。こうして、NOX吸蔵還元触媒装置の増大した吸蔵酸素によってS被毒回復処理の再開時にNOXの還元が不十分とならないようにするために、異臭を発生させることなく比較的早期にNOX吸蔵還元触媒装置の吸蔵酸素量を低減することができる。
また、本発明による請求項2に記載の内燃機関の排気浄化装置によれば、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置において、S被毒回復処理を実施する時にNOX吸蔵還元触媒装置へ流入させる排気ガスは、一方の気筒群から排出されるリーン空燃比の排気ガスと、他方の気筒群から排出されるリッチ空燃比の排気ガスとを合流させたものであり、三元触媒装置は一方の気筒群の排気通路と他方の気筒群の排気通路とにそれぞれ設けられ、リッチ化制御は、先ずは両方の気筒群から排出される排気ガスの空燃比を強リッチとし、少なくとも一方の三元触媒装置から流出する排気ガスの空燃比がリッチとなった時には両方の気筒群から排出される排気ガスの空燃比を大きくして理論空燃比より僅かにリッチな弱リッチとするようにしており、それにより、NOX吸蔵還元触媒装置の吸蔵酸素量を低減させてS被毒回復処理の再開時にNOXの還元が不十分とならないようにするために、異臭を発生させることなく比較的早期にNOX吸蔵還元触媒装置の吸蔵酸素量を低減することができる。
また、本発明による請求項3に記載の内燃機関の排気浄化装置によれば、請求項1又は2に記載の内燃機関の排気浄化装置において、S被毒回復処理を実施している時にフューエルカットによりNOX吸蔵還元触媒装置の吸蔵酸素量が増大した場合には、リッチ化制御によってNOX吸蔵還元触媒装置から流出する排気ガスの空燃比がリッチとなるまでは、S被毒回復処理を再開しないようになっており、それにより、NOX吸蔵還元触媒装置の吸蔵酸素量を十分に低減させてからS被毒回復処理が再開され、この時には、高温のためにNOX吸蔵還元触媒装置のNOX吸蔵能力が低下していても、NOXを十分に還元することができる。
図1は本発明による排気浄化装置が取り付けられた内燃機関を示す概略図である。同図において、内燃機関は例えばV型であり、1aは第1バンク、2aは第2バンクを示している。本内燃機関は、ディーゼルエンジン、又は、希薄燃焼として成層燃焼を実施可能な筒内噴射式火花点火内燃機関である。1bは第1バンク1aの第1吸気通路であり、2bは第2バンク2aの第2吸気通路である。1cは第1バンク1aの第1排気通路であり、2cは第2バンク2aの第2排気通路である。第1排気通路1cには第1三元触媒装置3が配置され、第2排気通路2cには第2三元触媒装置4が配置されている。
第1排気通路1cには、第1三元触媒装置3の直下流側に第1酸素センサS1が配置され、また、第2排気通路2cには、第2三元触媒装置4の直下流側に第2酸素センサS2が配置されている。第1排気通路1cと第2排気通路2cとの合流部より下流側の排気通路5には、NOX吸蔵還元触媒装置6が配置され、その直下流側には、第3酸素センサS3が配置されている。
第1及び第2三元触媒装置3及び4は、比較的小さな熱容量を有して機関本体近傍に配置されているために、機関始動直後において活性化し、機関始動時の理論空燃比又はリッチ空燃比の排気ガスの浄化を早期に開始するようになっている。
内燃機関は、通常時において、希薄燃焼を実施するために、排気ガス中には比較的多くのNOXが含まれ、NOX吸蔵還元触媒装置6は、排気ガス中のNOXを良好に吸蔵する。しかしながら、無制限にNOXを吸蔵することはできず、NOX吸蔵量が設定量に達すると、NOX吸蔵還元触媒装置6へ流入する排気ガスの空燃比をリッチにしてNOX吸蔵還元触媒装置6からNOXを放出させ、排気ガス中に含まれるHC及びCO等の還元成分によって放出させたNOXを還元浄化する再生処理が実施される。
ところで、第1及び第2三元触媒装置3及び4だけでなく、NOX吸蔵還元触媒装置6にも、セリア等を担持させてO2ストレージ能力を持たせている。O2ストレージ能力は、排気ガスの空燃比がリーンであると余剰酸素を吸蔵し、排気ガスの空燃比がリッチとなると吸蔵した酸素を放出し、排気ガスの空燃比を理論空燃比近傍にするものである。それにより、機関始動時等において、排気ガスの空燃比が理論空燃比ではなくても、第1及び第2三元触媒装置3及び4は、排気ガス中のHC、CO、及び、NOXを良好に浄化することができる。
また、NOX吸蔵還元触媒装置6へNOXが吸蔵される際には、NOXの大部分を占めるNOをNO2へ酸化させることなり、この酸化にO2ストレージ能力により吸蔵された酸素を利用することができる。こうして、NOX吸蔵還元触媒装置6にO2ストレージ能力を持たせることによりNOXの吸蔵が容易となる。
ところで、NOX吸蔵還元触媒装置6は、NOXと同様なメカニズムによって排気ガス中のSOXも吸蔵してしまう。NOXは硝酸塩の形で吸蔵されるのに対して、SOXは硫酸塩の形で吸蔵され、硫酸塩は、非常に安定な物質であり、前述の再生処理のように排気ガスの空燃比をリッチにしただけでは、SOXは放出されない。こうしてSOXの吸蔵量は徐々に増加し、その分、NOXを吸蔵することができなくなってしまう。これは、NOX吸蔵還元触媒装置6のS被毒と称される。
それにより、NOX吸蔵還元触媒装置6においては、吸蔵されたSOXを放出させるS被毒回復処理も必要である。例えば、燃料噴射量の積算値が設定値に達した時に、所定量のSOXがNOX吸蔵還元触媒に吸蔵されているS被毒回復時期であると判断され、この時に、NOX吸蔵還元触媒装置6を約700°Cまで昇温して排気ガスの空燃比をリッチにするS被毒回復処理が実施される。
S被毒回復処理に際して、比較的多量の未燃燃料と酸素とを含む排気ガスをNOX吸蔵還元触媒装置6へ供給して未燃燃料を燃焼させ、NOX吸蔵還元触媒装置を昇温してSOXを放出させ、排気ガス中の還元成分により放出SOXを還元浄化する。そのために、例えば、第1バンク1aから排出される排気ガスの空燃比をリーンとし、第2バンク2aから排出される排気ガスの空燃比をリッチとし、これらの排気ガスを合流させて、比較的多量の未燃燃料と酸素とを含む僅かにリッチな空燃比の排気ガスとしてNOX吸蔵還元触媒装置6へ流入させる。第2バンク2aから排出される排気ガスの空燃比をリッチにするには、燃焼空燃比をリッチとしても良いし、膨張行程又は排気行程において気筒内へ燃料を噴射するようにしても良い。
ところで、NOX吸蔵還元触媒装置6は、S被毒回復処理中の約700°Cのような高温となると、NOX吸蔵能力が極端に低下してしまう。それにより、この時に、O2ストレージ能力によって酸素を吸蔵することができないと、第1バンク1aの排気ガス中に含まれる比較的多くのNOXは還元浄化されることなく、大気中へ放出されてしまう。
S被毒回復処理が実施される時に、これまでの希薄燃焼によってNOX吸蔵還元触媒装置6のO2ストレージ能力は限界値の酸素を吸蔵していることがある。しかしながら、僅かにリッチな空燃比の排気ガス中の未燃燃料を燃焼させる際に吸蔵酸素は放出され、NOX吸蔵還元触媒装置6が高温となった時には、新たな酸素を吸蔵可能となっており、NOX吸蔵還元触媒装置6の高温を維持して放出SOXを還元するために、第1バンク1aから排出される排気ガスの空燃比はリーンに維持され、第2バンク2aから排出される排気ガスの空燃比はリッチに維持されるが、第1バンク1aから排出される排気ガス中に含まれるNOXは、NOX吸蔵還元触媒装置6によって余剰酸素が吸蔵され、NOX吸蔵還元触媒装置が三元触媒装置として機能するために良好に還元浄化することができる。
しかしながら、S被毒回復処理中に機関減速時となってフューエルカットが実施されると、第1及び第2三元触媒装置3及び4とNOX吸蔵還元触媒装置とが、限界値の酸素を吸蔵してしまうことがある。それにより、このままでは、S被毒回復処理を再開してNOXを含む排気ガスがNOX吸蔵還元触媒装置6へ流入すると、NOX吸蔵還元触媒装置6は、高温のためにNOX吸蔵能力が極端に低下しており、また、余剰酸素を吸蔵することができないために、三元触媒として機能してもNOXを十分に還元浄化することができず、NOXは大気中へ放出されてしまう。
それにより、S被毒回復処理中のフューエルカット直後には、NOXを殆ど含まないリッチ空燃比の排気ガスをNOX吸蔵還元触媒装置6へ流入させて吸蔵酸素を放出させるリッチ化制御が必要となる。図2はこのためのフローチャートである。先ず、ステップ101において、前述したように燃料噴射量の積算値等に基づき、S被毒回復時期であるか否かが判断され、この判断が否定される時にはそのまま終了する。しかしながら、ステップ101の判断が肯定される時には、S被毒回復処理を実施するために、ステップ102において、第1バンク1aの燃焼空燃比を理論空燃比よりリーンな第1リーン空燃比λl1とし、第2バンク2aの燃焼空燃比を理論空燃比よりリッチな第1リッチ空燃比λr1とし、NOX吸蔵還元触媒装置6へ流入する排気ガスの空燃比を理論空燃比より僅かにリッチな空燃比(例えば14.3)とする。
こうして、NOX吸蔵還元触媒装置6において、第2バンク2aから排出される排気ガス中に比較的多く含まれるHC及びCOは、第1バンク1aから排出される排気ガス中に比較的多く含まれる酸素及びNOX吸蔵還元触媒装置6から放出される酸素によって良好に燃焼し、NOX吸蔵還元触媒装置6を昇温する。NOX吸蔵還元触媒装置6が約700°Cまで昇温すれば、吸蔵SOXは放出され、排気ガス中のHC及びCOによって還元浄化される。
次いで、ステップ104において、このようなS被毒回復処理中に機関減速時となってフューエルカットが実施されたか否かが判断される。この判断が否定される時、すなわち、フューエルカットが実施されなければ、ステップ105において、カウント値tを1だけインクリメントし、ステップ106において、このカウント値tが設定値t’に達したか否かが判断される。この判断が肯定されれば、S被毒回復処理は完了し、本フローチャートは終了する。
しかしながら、カウント値tが設定値t’に達していない時には、S被毒回復処理を継続するためにステップ102へ戻る。このようなS被毒回復処理中にフューエルカットが実施されると、ステップ104の判断が肯定され、ステップ107へ進む。ステップ107において、第1バンク1aの燃焼空燃比を比較的小さな値(例えば13.5)の第2リッチ空燃比λr2とし、ステップ108において、第2バンク2aの燃焼空燃比も同じ第2リッチ空燃比λr2とする。
第1バンク1a及び第2バンク2aの燃焼空燃比をこのような強リッチ空燃比λr2としても、第1三元触媒装置3及び第2三元触媒装置4から排出される排気ガスの空燃比は、第1三元触媒装置3及び第2三元触媒装置4がO2ストレージ能力によってフューエルカット中に吸蔵した酸素を放出するために、暫くの間は、理論空燃比となってリッチとならない。第1三元触媒装置3及び第2三元触媒装置4の少なくとも一方の吸蔵酸素が十分に放出されると、吸蔵酸素を殆ど放出した三元触媒装置から排出される排気ガスの空燃比は理論空燃比近傍のリッチ空燃比となり、NOX吸蔵還元触媒装置6へ流入する排気ガスの空燃比がリッチとなることがある。
これを放置すると、NOX吸蔵還元触媒装置6に流入する排気ガスの空燃比は強リッチ空燃比λr2なり、NOX吸蔵還元触媒装置6はS被毒回復処理中であるために、放出されたSOXからH2Sが生成されて異臭を発生させてしまう。これを防止するために、ステップ109において、第1三元触媒装置3から流出する排気ガスの空燃比を監視する第1酸素センサS1又は第2三元触媒装置4から流出する排気ガスの空燃比を監視する第2酸素センサS2の少なくとも一方がリッチ空燃比を検出したか否かを判断し、この判断が否定される時には、ステップ107及び108において、第1バンク1a及び第2バンク2aの燃焼空燃比は第2リッチ空燃比λr2に維持される。
一方、ステップ109の判断が肯定される時には、NOX吸蔵還元触媒装置6へ強リッチ空燃比λr2の排気ガスが流入しないように、ステップ110において、第1バンク1aの燃焼空燃比を大きくして理論空燃比より僅かにリッチな第3リッチ空燃比(例えば14.3)とし、ステップ111において、第2バンク2aの燃焼空燃比も同じ第3リッチ空燃比とする。
それにより、NOX吸蔵還元触媒装置6へ流入する排気ガスの空燃比は、強リッチ空燃比の第2リッチ空燃比λr2となることはなく、第1三元触媒装置3及び第2三元触媒装置4から吸蔵酸素が全て放出された時に、理論空燃比より僅かにリッチな弱リッチ空燃比(第3リッチ空燃比λr3)となり、異臭を発生するH2Sが生成されることはなく、NOX吸蔵還元触媒装置6から吸蔵酸素が放出される。
もちろん、フューエルカットの実施直後から第1バンク1a及び第2バンク2aにおいて燃焼空燃比を第3リッチ空燃比λr3(弱リッチ空燃比)としても、NOX吸蔵還元触媒装置6へ強リッチ空燃比の排気ガスが流入することはなく、H2Sの生成を防止することができるが、これでは、第1三元触媒装置3及び第2三元触媒装置4から十分な吸蔵酸素が放出されてNOX吸蔵還元触媒装置へリッチ空燃比の排気ガスが流入するまで、すなわち、NOX吸蔵還元触媒装置6において吸蔵酸素の放出が開始されるまでに長い時間が必要となってしまう。
次いで、ステップ112において、NOX吸蔵還元触媒装置6から流出する排気ガスの空燃比を監視する第3酸素センサS3がリッチ空燃比を検出したか否かが判断され、この判断が否定される時には、ステップ110及び111において、第1バンク1a及び第2バンク2aの燃焼空燃比は第3リッチ空燃比λr3に維持される。しかしながら、ステップ112の判断が肯定される時には、NOX吸蔵還元触媒装置6から十分な量の酸素が放出されたこととなり、S被毒回復処理を再開しても、NOX吸蔵還元触媒装置6は酸素を吸蔵して三元触媒装置として排気ガス中のNOXを還元浄化することができ、ステップ102において、第1バンク1aの燃焼空燃比を第1リーン空燃比λl1とし、ステップ103において、第2バンク2aの燃焼空燃比を第1リッチ空燃比λr1として、S被毒回復処理を再開する。
もし、第1バンク1a及び第2バンク2aの燃焼空燃比をリッチとするリッチ化制御が実施されている時に、S被毒回復処理が強制的に再開されると、第1バンク1aでは現状の燃焼空燃比を第1リーン空燃比λl1とするために、現在の燃焼空燃比が通常運転のリーン空燃比として燃料噴射量が減量されることがあり、この時には、燃焼空燃比をNOXが多量に生成されるリーン空燃比としてしまうことがある。また、第2バンク2aでは現状の燃焼空燃比を第1リッチ空燃比λr1とするために、現在の燃焼空燃比が通常運転のリーン空燃比として燃料噴射量が増量されることがあり、この時には、燃焼空燃比を過剰なリッチ空燃比として失火を発生させてしまうことがある。これらを防止するために、NOX吸蔵還元触媒装置6から流出する排気ガスの空燃比がリッチとなってリッチ化制御が完了するまでS被毒回復処理を再開させないようにすることが好ましい。
第1酸素センサS1、第2酸素センサS2、及び、第3酸素センサS3は、ステップ出力型のものとしたが、もちろん、リニア出力型の空燃比センサとしても良い。いずれにしても、排気ガスの空燃比が理論空燃比より僅かにリッチ側となったことを検出可能であれば良い。
本フローチャートにおいて、ステップ107、108、110、及び111では、燃焼空燃比をリッチ空燃比としたが、燃焼空燃比はリーン空燃比として、膨張行程又は排気行程において気筒内へ燃料を噴射することにより、気筒内から排出される排気ガスの空燃比を所望のリッチ空燃比としても良い。この場合において、気筒内から排出された直後において、リッチ空燃比の排気ガス中には、比較的多くのNOXが含まれていることがあるが、第1三元触媒装置3又は第2三元触媒装置4を通過する際に、排気ガス中のNOXは殆ど還元浄化されるために、NOXが高温のNOX吸蔵還元触媒装置6へ流入することはない。
本実施形態は、内燃機関が2つの気筒群を有し、S被毒回復処理に際して、一方の気筒群から排出される排気ガスの空燃比をリッチにし、他方の気筒群から排出される排気ガスの空燃比をリーンとし、NOX吸蔵還元触媒装置へは、比較的多量のHC及びCOと比較的多量の酸素とを含む排気ガスが流入するようにしたが、これは本願発明を限定するものではない。例えば、全気筒共通の排気通路に単一の三元触媒装置が設けられ、この三元触媒装置の下流側にNOX吸蔵還元触媒装置が配置されていて、S被毒回復処理に際して、燃焼空燃比はリーンとして、三元触媒装置とNOX吸蔵還元触媒装置との間に燃料を供給してNOX吸蔵還元触媒装置へ流入する排気ガスの空燃比を理論空燃比より僅かなリッチ空燃比とするものにも本願発明は適用可能である。
この場合において、S被毒回復処理中にフューエルカットが実施された直後のリッチ化制御としては、先ずは、気筒内から排出される排気ガスの空燃比をリッチとし、三元触媒装置から流出する排気ガスの空燃比がリッチとなった時には、気筒内から排出される排気ガスの空燃比を大きくして理論空燃比より僅かにリッチなリッチ空燃比とすれば良い。
S被毒回復処理を開始する際に、それまでの希薄燃焼によってNOX吸蔵還元触媒装置6がほぼ限界値の酸素を吸蔵していて、NOX吸蔵還元触媒装置6が高温とされた時にも十分な酸素を吸蔵することができないことも考えられるために、S被毒回復処理直前にもリッチ化制御を実施するようにしても良い。このリッチ化制御は、NOX吸蔵還元触媒装置6が高温となっていない時に実施されるために、NOX吸蔵還元触媒装置6から排出される排気ガスの空燃比がリッチとなるまで、第1バンク1a及び第2バンク2a(全ての気筒)から排出される排気ガスの空燃比は第2リッチ空燃比λr2(強リッチ空燃比)とすれば良い。
1a 第1バンク
2a 第2バンク
3 第1三元触媒装置
4 第2三元触媒装置
6 NOX吸蔵還元触媒装置
2a 第2バンク
3 第1三元触媒装置
4 第2三元触媒装置
6 NOX吸蔵還元触媒装置
Claims (3)
- O2ストレージ能力を有するNOX吸蔵還元触媒装置と、NOX吸蔵還元触媒装置の上流側に配置されてO2ストレージ能力を有する三元触媒装置とを具備する内燃機関の排気浄化装置において、NOX吸蔵還元触媒装置でNOXを含む排気ガス中の燃料を燃焼させるS被毒回復処理を実施している時にフューエルカットによりNOX吸蔵還元触媒装置の吸蔵酸素量が増大した場合には、先ずは気筒内から排出される排気ガスの空燃比をリッチとし、前記三元触媒装置から流出する排気ガスの空燃比がリッチとなった時には前記気筒内から排出される排気ガスの空燃比を大きくして理論空燃比より僅かにリッチな空燃比とするリッチ化制御を実施することを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
- 前記S被毒回復処理を実施する時にNOX吸蔵還元触媒装置へ流入させる排気ガスは、一方の気筒群から排出されるリーン空燃比の排気ガスと、他方の気筒群から排出されるリッチ空燃比の排気ガスとを合流させたものであり、前記三元触媒装置は前記一方の気筒群の排気通路と前記他方の気筒群の排気通路とにそれぞれ設けられ、前記リッチ化制御は、先ずは両方の気筒群から排出される排気ガスの空燃比をリッチとし、少なくとも一方の前記三元触媒装置から流出する排気ガスの空燃比がリッチとなった時には両方の気筒群から排出される排気ガスの空燃比を大きくして理論空燃比より僅かにリッチとすることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 前記S被毒回復処理を実施している時にフューエルカットにより前記NOX吸蔵還元触媒装置の吸蔵酸素量が増大した場合には、前記リッチ化制御によって前記NOX吸蔵還元触媒装置から流出する排気ガスの空燃比がリッチとなるまでは、前記S被毒回復処理を再開しないことを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008204704A JP2010038118A (ja) | 2008-08-07 | 2008-08-07 | 内燃機関の排気浄化装置 |
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JP (1) | JP2010038118A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014231792A (ja) * | 2013-05-29 | 2014-12-11 | 日産自動車株式会社 | エンジンの制御装置及び制御方法 |
-
2008
- 2008-08-07 JP JP2008204704A patent/JP2010038118A/ja not_active Withdrawn
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