JP2010038009A - 密閉型圧縮機 - Google Patents

密閉型圧縮機 Download PDF

Info

Publication number
JP2010038009A
JP2010038009A JP2008200793A JP2008200793A JP2010038009A JP 2010038009 A JP2010038009 A JP 2010038009A JP 2008200793 A JP2008200793 A JP 2008200793A JP 2008200793 A JP2008200793 A JP 2008200793A JP 2010038009 A JP2010038009 A JP 2010038009A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sliding
communication hole
main shaft
shaft portion
hermetic compressor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008200793A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5386879B2 (ja
Inventor
Jun Sato
純 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2008200793A priority Critical patent/JP5386879B2/ja
Publication of JP2010038009A publication Critical patent/JP2010038009A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5386879B2 publication Critical patent/JP5386879B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Compressor (AREA)

Abstract

【課題】密閉型圧縮機に関しシャフトの逆回転運転による軸受部や圧縮機構部の各摺動部の摩耗を無くし、正回転運転時においても摺動部の面圧の適正化を図ることを目的とする。
【解決手段】主軸部115の第1摺動部133と第2摺動部135に挟まれて形成された中抜き部137を備え、給油機構は、遠心ポンプ139と、主軸部115外周の螺旋溝141と、主軸部115および偏心軸部117の内部の給油通路143と、遠心ポンプ139と螺旋溝141とを連通する第1連通孔と、螺旋溝141と給油通路143とを連通する第2連通孔とを備え、第1連通孔と第2連通孔が中抜き部137に連通したもので、逆回転運転時においても、遠心ポンプ139から中抜き部137を介して各摺動部に供給され、逆回転運転時においても逆リード溝を追加工することなしに、各摺動部の潤滑を行うことができる。
【選択図】図2

Description

本発明は密閉型圧縮機の給油機構に関するものである。
近年、家庭用冷凍冷蔵庫や自動販売機、エアコン等の冷凍サイクル装置に使用される密閉型圧縮機は、高い信頼性が求められている。
従来の密閉型圧縮機としては、シャフトの中に給油機構を内蔵したものが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
以下、図面を参照しながら上記従来技術の密閉型圧縮機について説明する。
図6は従来の密閉型圧縮機の縦断面図であり、図7は、電気配線図である。また、図8は、従来の他の密閉型圧縮機の要部拡大図である。
図6において、密閉容器1内に、固定子18と回転子8からなる電動要素4と、その上部に圧縮要素2を配置している。圧縮要素2を構成するシリンダブロック3の軸受部6内にはシャフト7が貫挿され、シャフト7の外周部には回転子8が固着され、偏心軸部9を介してピストン10のスライダー11と係合している。シャフト7の内部には、下端で潤滑油17に開口した遠心ポンプ12が形成されている。
シャフト7の軸受部6内に位置する部分には、シャフト7が正回転することにより潤滑油17を上方へ導く方向にリードを有する螺旋溝14を刻設してある。螺旋溝14は下端が連通孔13を介して遠心ポンプ12に連通しており、上端はシリンダブロック3の軸受部6上端に設けた面取りとシャフト7との隙間より形成される環状油溝16に連通している。
偏心軸部9に設けた給油通路15は、下端が環状油溝16に連通開口し、上端は密閉容器1内の空間に開口している。
また、図7に示すように、固定子18には主コイル19と始動コイル20が並列に接続されており、始動装置としてPTCリレー21が始動コイル20に直列に配線され、単相の抵抗始動型の誘導電動機を形成している。
以上のように構成された従来の密閉型圧縮機について、以下その動作を説明する。
固定子18に通電されると固定子18の始動コイル20に直列に配線されたPTCリレー21の素子抵抗をもって正回転方向に始動トルクが発生し、回転子8は回転を始める。
その後、PTCリレー21の素子は電流による自己発熱によって急激に抵抗を増加させ、始動コイル20が実質的に遮断されることで、主コイル19のみで回転子8が回転駆動され、それに伴いシャフト7が回転し、偏心軸部9とスライダー11を介して係合しているピストン10が往復運動することで、周知の圧縮動作が行われる。
この際、潤滑油17はシャフト7の下端から遠心ポンプ12内に作用する遠心力によって上昇し、連通孔13から螺旋溝14へと供給され、螺旋溝14によって上方への搬送力が付勢される。このとき、潤滑油17は軸受部6とシャフト7の摺動面に油膜を形成し、金属接触を避けることにより摩耗を防いでいる。
そして、さらに上方へと搬送された潤滑油17は環状油溝16に供給され、給油通路15を経て一部の潤滑油17は密閉容器1内の空間に放出され、一部の潤滑油17は、圧縮要素2へと導かれ、圧縮要素2の各摺動部に油膜を形成し、金属接触を避けることにより、摩耗を防いでいる。
また、運転が停止し、再度正常に運転を開始するには、始動コイル20に通電される必要があり、その為にはPTCリレー21の素子が抵抗を減じるための所定の冷却時間が必要になる。そのため、この冷却時間が極端に短い場合(例えば瞬時停電)、PTCリレー21の素子は抵抗が高いままであるため、始動コイル20には通電されず、通常は始動しない。
ところが、ここでピストン10に圧縮ガスの反力が逆回転方向の外力として加わるとこれが逆回転方向の始動トルクとなり、逆回転の運転が開始されることがあり、図8に示すように、シャフト31の主軸部32に正リード溝33とは別に逆リード溝34を追加工し、逆回転運転時の給油を改善したものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特公昭62−44108号公報 特開2006−9715号公報
しかしながら、上記従来の逆回転運転時の給油を改善していない構成では、螺旋溝14は正回転方向で運転することを前提にリードの傾斜方向が設定されているため、シャフト7の逆回転に伴い、螺旋溝14内にはダウンフォースが作用し、軸受部6から上方への潤滑油17の供給は行なわれないことになる。この逆回転運転は、次に電動圧縮機が停止するまで続き、通常その後の再度の運転で正回転の運転に戻る。
しかしながら、この1サイクル(最大数時間)の逆回転運転において、圧縮要素2の各摺動部に摩耗が発生し、密閉型圧縮機の信頼性に悪影響を及ぼすことがあった。
また、上記従来の逆回転運転時の給油を改善した構成では、シャフト31の主軸部32に正リード溝33とは別に逆リード溝34を追加工しており、逆リード溝34を追加工するためのコストがかかっていた。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、逆リード溝34の追加工なしに、逆回転運転時においても圧縮要素2の各摺動部に給油を行うことで、高い信頼性を確保し、低コスト化ができる密閉型圧縮機を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明の密閉型圧縮機は、主軸部の上部の第1摺動部と下部の第2摺動部に挟まれて形成され、軸受部と摺動しない非摺動部である中抜き部を備え、給油機構は、シャフトの下方に配設され、下端が潤滑油に開口した遠心ポンプと、遠心ポンプの上方で主軸部の外周に刻設された螺旋溝と、螺旋溝の上方で主軸部および偏心軸部の内部に設けられた給油通路とを備えるとともに、遠心ポンプと螺旋溝とを連通する第1連通孔と、螺旋溝と給油通路とを連通する第2連通孔を備え、第1連通孔と第2連通孔が中抜き部に連通したもので、逆回転運転時においても遠心ポンプによって汲み上げられた潤滑油は、第1連通孔から中抜き部に搬送され、中抜き部に搬送された潤滑油は、遠心ポンプの搬送力により搬送された潤滑油によって更に上部に押し上げられて主軸部上部に設けられた第2連通孔まで達し、さらに第2連通孔を介して偏心軸部の内部に設けられた給油通路に導かれ各摺動部に供給されるため、逆回転運転時においても逆リード溝を追加工することなしに、各摺動部の潤滑を行うという作用を有する。
本発明の密閉型圧縮機は、逆回転運転時においても逆リード溝を追加工することなしに、各摺動部の潤滑を行うことができるので、低コストで、高い信頼性を確保した密閉型圧縮機を提供することができる。
請求項1に記載の発明は、密閉容器内に潤滑油を貯留するとともに、電動要素と前記電動要素によって駆動される圧縮要素とを収容し、前記圧縮要素は、中抜き部を備えた主軸部および偏心軸部を有するとともに前記潤滑油を上方に汲み上げる給油機構を備えたシャフトと、円筒形の圧縮室を備えるとともに前記シャフトを軸支する軸受部とを備えたシリンダブロックとを備え、前記中抜き部は、前記主軸部の上部の第1摺動部と下部の第2摺動部に挟まれて形成され、前記軸受部と摺動しない非摺動部であり、前記給油機構は、前記シャフトの下方に配設され、下端が前記潤滑油に開口した遠心ポンプと、前記遠心ポンプの上方で前記主軸部の外周に刻設された螺旋溝と、前記螺旋溝の上方で前記主軸部および前記偏心軸部の内部に設けられた給油通路とを備えるとともに、前記遠心ポンプと前記螺旋溝とを連通する第1連通孔と、前記螺旋溝と前記給油通路とを連通する第2連通孔を備え、前記第1連通孔と前記第2連通孔が前記中抜き部に連通したもので、逆回転運転時においても遠心ポンプによって汲み上げられた潤滑油は、第1連通孔から中抜き部に搬送され、中抜き部に搬送された潤滑油は、遠心ポンプの搬送力により搬送された潤滑油によって更に上部に押し上げられて主軸部上部に設けられた第2連通孔まで達し、さらに第2連通孔を介して偏心軸部の内部に設けられた給油通路に導かれ各摺動部に供給されるため、逆回転運転時においても逆リード溝を追加工することなしに、各摺動部の潤滑を行うことができることから、低コストで高い信頼性を確保した密閉型圧縮機を提供することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、軸受部と摺動接触する主軸部の外周に設けられた摺動部において、主軸部の最大圧縮荷重が作用する側の受圧面積を円周方向の反対側の受圧面積より大きくなるように前記摺動部を形成したもので、最大圧縮荷重が作用する側の受圧面積を大きくすることにより、摺動部に作用する面圧を低減することができ、また圧縮荷重の小さい反対側の受圧面積を小さくすることにより、摺動損失を低減することができることから、請求項1に記載の発明の効果に加えて、さらに信頼性が高く、効率の高い密閉型圧縮機を提供することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、主軸部の外周に設けられた摺動部の受圧面積が、円周方向において連続的に変化するように前記摺動部を形成したもので、圧縮荷重の変化により正確に対応した摺動部の受圧面積により面圧を低減しながら摺動面積を低減できることから、請求項2に記載の発明の効果に加えて、さらに効率の高い密閉型圧縮機を提供することできる。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明において、第1連通孔および第2連通孔は、主軸部の最大圧縮荷重が作用する側に対して、円周方向の略反対側に設けられたもので、最大圧縮荷重が作用する受圧面に第1連通孔及び第2連通孔を設けないことにより、最大圧縮荷重が作用する受圧面積が第1連通孔および第2連通孔によって減少することなく最大限有効に使用することができることから、面圧を低減することができ、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、さらに高い信頼性を確保した密閉型圧縮機を提供することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の発明において、中抜き部と軸受部との直径隙間が0.05〜0.60mmであるもので、非摺動部の隙間が大き過ぎる場合に比べて潤滑油が軸受部下端から下方に漏れにくくなり、非摺動部より上方の主軸部や偏心軸部等の摺動部への給油を十分に行うことができ、また、非摺動部の隙間が小さすぎる場合に比べて、非摺動部内の潤滑油の粘性摩擦による入力を小さくすることができ、請求項1から4のいずれか一項に記載の効果に加えて、非摺動部より上方の摺動部への十分な給油と粘性摩擦の入力低減を両立することができ、効率と信頼性を高くすることができ、さらに高い信頼性を確保した密閉型圧縮機を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1による密閉型圧縮機の縦断面図、図2は、同実施の形態における密閉型圧縮機の要部断面図、図3は図2におけるA方向の矢視図であり、シャフトのみを示している。
図4は、同実施の形態における密閉型圧縮機の電気回路図、図5は、同実施の形態における密閉型圧縮機のシャフト回転に伴う荷重変化図である。
図1から図4において、密閉容器101内には、潤滑油103を貯留するとともに、電動要素105と、電動要素105により駆動される圧縮要素107がそれぞれ収容され、電動要素105と圧縮要素107は、一体的に組み立てられ、複数の支持スプリング109により密閉容器101内に弾性支持される。
電動要素105は、プレート状固定子鉄心を積層して銅線を巻きつけた固定子111と、固定子111に回転自在に収容される回転子113を備えている。
圧縮要素107は、回転子113が軸装された主軸部115と主軸部115の上方に配設され中心軸をずらした偏心軸部117とを有するとともに、潤滑油103を上方に汲み上げる給油機構150を備えたシャフト119を備えている。
さらに、円筒形の圧縮室121を備えたシリンダブロック123と、密閉容器101内の冷媒(図示せず)を円筒形の圧縮室121に導入する吸入マフラー125と、シリンダブロック123に形成され、シャフト119を回転自在に軸支する軸受部127とを備えている。
シリンダブロック123に形成された円筒形の圧縮室121内には、往復運動するピストン129が挿入され、ピストン129は、コンロッド131を介して、シャフト119の上方に配設された偏心軸部117と回転自在に連結されている。
主軸部115には、主軸部115と摺動する摺動部として、主軸部115の上部と軸受部127との間で摺動接触する第1摺動部133と、主軸部115の下部と軸受部127との間で摺動接触する第2摺動部135が備えられている。
また、第1摺動部133及び第2摺動部135よりも外径が小さく、軸受部127と摺動しない非摺動部である中抜き部137が第1摺動部133と第2摺動部135に挟まれて形成されている。
この中抜き部137と軸受部127の内径との直径隙間は0.05〜0.60mmの範囲となるように設定されている。
また、第1摺動部133の外周面には、最大圧縮荷重が発生する第1摺動面133aと最小荷重が発生する第1摺動面133bを備えており、第2摺動部135の外周面には、最大圧縮荷重が発生する第2摺動面135aと最小荷重が発生する第2摺動面135bを備えている。
給油機構150は、シャフト119の下方に配設され、下端が潤滑油103に開口した遠心ポンプ139と、遠心ポンプ139の上方で主軸部115の外周に刻設された螺旋溝141と、螺旋溝141の上方で主軸部115おのび偏心軸部117の内部に設けられた給油通路143とを備えるとともに、遠心ポンプ139と螺旋溝141とを連通する第1連通孔145と、螺旋溝141と給油通路143とを連通する第2連通孔147を備え、第1連通孔145と第2連通孔147は、中抜き部137に連通している。
また、固定子111には主コイル149と始動コイル151が並列に接続されており、始動装置としてPTCリレー153が始動コイル151に直列に配線されている。
また図5は、代表的な運転状態における、ピストン129端面に作用する荷重F1,第1摺動部133に作用する荷重F2,第2摺動部135に作用する荷重F3それぞれの、吸入圧縮の一行程における荷重変化を示している。
具体的に、シャフト119の回転角度を横軸に示し、ピストン129が上死点に位置する時を0deg、下死点に位置する時を180degとし、0〜180degは吸入(膨張)行程で、180〜360degは圧縮行程であり、圧縮行程の後半に最大圧縮荷重が作用することが分かる。
以上のように構成された電動圧縮機について、以下その動作、作用を説明する。
通常に電動要素105に通電がなされると、固定子111の始動コイル151に直列に配線されたPTCリレー153の素子抵抗をもって所定の正回転側に始動トルクが発生して運転が開始される。
その後、PTCリレー153の素子の急激な抵抗増加により始動コイル151への通電は遮断され、主コイル149のみの通電で回転子113が正回転運転をする。シャフト119がこの回転子113と一体に回転し、偏心軸部117の回転運動がコンロッド131を介してピストン129を圧縮室121内で往復運動させる。
密閉容器101内の冷媒(図示せず)は、吸入マフラー125を介して圧縮室121内に吸い込まれ、圧縮室121内のピストン129の往復運動により吸入と圧縮動作が行われる。
次に正回転運転時の給油経路について説明する。
回転子113の回転に伴いシャフト119が回転すると、密閉容器101内に貯留された潤滑油103に浸漬しているシャフト119の下方に設けられた遠心ポンプ139の回転に伴う遠心力により上方に汲み上げられ、遠心ポンプ139の上端部と主軸部115の外周面に刻設された螺旋溝141の下端部との連通部である第1連通孔145に至る。
遠心ポンプ139により第1連通孔145に汲み上げられた潤滑油103は、螺旋溝141の傾斜により主軸部115と軸受部127を潤滑しながら、さらに上方に汲み上げられ、第2連通孔147を介して給油通路143に搬送され、一部はコンロッド131やピストン129などの各摺動部に供給され残りは偏心軸部117の上端より密閉容器101内の空間に放出される。
次に逆回転運転時の給油経路について説明する。
電動要素105への通電が一旦停止し、再度正常に運転を開始するには、始動コイル151に通電される必要があり、その為にはPTCリレー153の素子が抵抗を減じるために必要な所定の冷却時間が必要になる。従ってこの冷却時間が極端に短いまま再通電された場合(例えば瞬時停電後)、PTCリレー153の素子は抵抗が高いままであるため、始動コイル151に通電されず始動トルクが働かないことから、回転子113は回転せず起動しない。
ところが、ここでピストン129が圧縮ガスの反発力によって押し戻され、シャフト119を逆回転方向に回すとこれが逆回転方向の始動トルクとなり、逆回転運転が開始されることがある。
この際、遠心ポンプ139は回転方向とは無関係にポンプ作用を発揮するため、正回転運転時と同様に遠心ポンプ139の回転に伴う遠心力により上方に汲み上げられ、遠心ポンプ139の上端部と主軸部115の外周面に刻設された螺旋溝141の下端部との連通部である第1連通孔145に至る。
第1連通孔145まで押し上げられた潤滑油103は、逆回転運転時は、螺旋溝141の傾斜ポンプ能力を利用することができないが、第1連通孔145と中抜き部137が連通していることから、中抜き部137に搬送される。
さらに、中抜き部137に搬送された潤滑油103は、遠心ポンプ139のポンプ力により次々と下方から中抜き部137に搬送されてくる潤滑油103によって、軸受部127と外径を減じた中抜き部137との隙間を上方に押し上げられ、中抜き部137の上端と連通している第2連通孔147まで搬送される。
第2連通孔147まで搬送された潤滑油103は、正回転時と同様に給油通路143に搬送され、一部はコンロッド131やピストン129などの各摺動部に供給され、残りは偏心軸部117の上端より密閉容器101内の空間に放出される。
なお、中抜き部137に搬送された潤滑油103は、螺旋溝141のダウンフォース作用により、その一部が下方へ搬送されるものの、遠心ポンプ139のポンプ力がこれを上回ることで、結果として上方に潤滑油103が搬送されることになる。
従って、本実施の形態によれば、逆回転運転時においても各摺動部に潤滑油を供給することができることから、高い信頼性を確保した密閉型圧縮機を実現することができる。さらに、特許文献2のような逆リード溝を追加工する必要がないことから、低コストの密閉型圧縮機を実現することができる。
次に、シャフト119に作用する荷重について説明する。
ピストン129に作用する荷重F1は、圧縮行程後半の330deg付近において最大となり、コンロッド131を介してシャフト119に作用する。
最大圧縮荷重が発生する圧縮行程後半において、偏心軸部117は圧縮室121側にあり、ピストン129に作用する荷重F1は、コンロッド131を介して、偏心軸部117に作用する。
また、偏心軸部117に作用した荷重F1により、軸受部127の上端近傍と軸受部127の下端近傍に荷重F2と荷重F3が作用し、軸受部127の上端近傍の第1摺動面133aと、軸受部127の下端近傍の第2摺動面135aに最大圧縮荷重が作用して摺動する。
従って、最大圧縮荷重が作用する第1摺動面133aおよび第2摺動面135aの受圧面積を、円周方向の反対側の摺動部である133bおよび135bの受圧面積よりも大きくすることによって、最大圧縮荷重時の面圧を低減させることができるとともに、円周方向の反対側の受圧面積である第1摺動部133bおよび第2摺動部135bの摺動面積を小さくすることによって、主軸部115と軸受部127との間で発生する摺動損失を低減することができる。
そのため、高い信頼性を確保するとともに効率の高い密閉型圧縮機を実現することができる。
さらに、主軸部115の外周面と軸受部127の上端近傍の第1摺動部133において、圧縮行程時に最大圧縮荷重が発生する付近の摺動面を大きくした第1摺動面133aと、最小荷重が発生する付近の摺動面積を小さくした第1摺動面133bとを連続して設けており、かつ軸受部127の下端近傍に位置する主軸部115の外周の第2摺動部135には、第1摺動部133とは対称位置に、圧縮行程において最大荷重が発生する付近の摺動面積を大きくした第2摺動面135aと、最小荷重が発生する付近の摺動面積を小さくした第2摺動面135bを連続して設けており、圧縮荷重F1の変化により正確に対応した摺動部を形成することができる。
従って、吸入圧縮の一行程であるシャフト119の一回転中における圧縮荷重の変化に対応し摺動部における面圧をさらに最適化することができ、主軸部115と軸受部127との間で発生する摺動損失をさらに低減できるので、さらに効率の高い密閉型圧縮機を実現することができる。
さらに、第1連通孔145および第2連通孔147は、主軸部115の最大圧縮荷重が作用する側に対して、円周方向の略反対側である第1摺動面133bおよび第2摺動面135bに設けられており、最大圧縮荷重が作用する受圧面に第1連通孔145及び第2連通孔147を設けないことにより、最大圧縮荷重が作用する受圧面積が第1連通孔145および第2連通孔147によって減少することなく最大限有効に使用することができることから、面圧を低減することができ、さらに高い信頼性を確保した密閉型圧縮機を実現することができる。
さらに、主軸部115外周に設けられた第1摺動部133および第2摺動部135に対して外径を減じ、軸受部127との直径隙間が0.05〜0.60mmである中抜き部137とすることで、軸受部127との直径隙間(非摺動部の隙間)が大き過ぎる場合に比べて潤滑油103が軸受部127下端から下方に漏れにくくなり、非摺動部である中抜き部137より上方の主軸部115や偏心軸部117等の摺動部への給油を十分に行うことができる。
従って、第1連通孔145まで押し上げられた潤滑油103は、遠心ポンプ139のポンプ力により、軸受部127と中抜き部137との適正な隙間を利用し、中抜き部137の上方に押し上げられ、中抜き部137の上端と連通している第2連通孔147まで搬送され、給油通路143を通って各摺動部に潤滑が供給される。
さらに、軸受部127との直径隙間(非摺動部の隙間)が小さすぎる場合に比べて、中抜き部137内の潤滑油103の粘性摩擦による入力を小さくすることができるため、非摺動部である中抜き部137より上方の摺動部への十分な給油と、粘性摩擦の入力低減とを両立することができ、効率と信頼性を高くすることができ、さらに高い信頼性を確保した密閉型圧縮機を提供することができる。
なお、本実施の形態においては、第1連通孔145と第2連通孔147とが中抜き部137に連通した実施例で説明したが、第1連通孔145と第2連通孔147は、おのおの少なくとも一部が中抜き部137に連通していれば、同様に実施可能であることは言うまでもない。
以上のように、本発明にかかる密閉型圧縮機は、信頼性および効率が高いので、家庭用冷蔵庫および、除湿機やショーケース、自販機等、冷凍サイクルを用いたあらゆる用途にも適用できる。
本発明の実施の形態1による密閉型圧縮機の縦断面図 同実施の形態における密閉型圧縮機の要部断面図 図2におけるA方向の矢視図(シャフト) 同実施の形態における密閉型圧縮機の電気回路図 同実施の形態における密閉型圧縮機のシャフト回転に伴う荷重変化図 従来の密閉型圧縮機の縦断面図 従来の密閉型圧縮機の電気配線図 従来の他の密閉型圧縮機の要部拡大図
符号の説明
101 密閉容器
103 潤滑油
105 電動要素
107 圧縮要素
115 主軸部
117 偏心軸部
119 シャフト
121 圧縮室
123 シリンダブロック
127 軸受部
133 第1摺動部
135 第2摺動部
137 中抜き部
139 遠心ポンプ
141 螺旋溝
143 給油通路
145 第1連通孔
147 第2連通孔
150 給油機構

Claims (5)

  1. 密閉容器内に潤滑油を貯留するとともに、電動要素と前記電動要素によって駆動される圧縮要素とを収容し、前記圧縮要素は、中抜き部を備えた主軸部および偏心軸部を有するとともに前記潤滑油を上方に汲み上げる給油機構を備えたシャフトと、円筒形の圧縮室を備えるとともに前記シャフトを軸支する軸受部とを備えたシリンダブロックとを備え、前記中抜き部は、前記主軸部の上部の第1摺動部と下部の第2摺動部に挟まれて形成され、前記軸受部と摺動しない非摺動部であり、前記給油機構は、前記シャフトの下方に配設され、下端が前記潤滑油に開口した遠心ポンプと、前記遠心ポンプの上方で前記主軸部の外周に刻設された螺旋溝と、前記螺旋溝の上方で前記主軸部および前記偏心軸部の内部に設けられた給油通路とを備えるとともに、前記遠心ポンプと前記螺旋溝とを連通する第1連通孔と、前記螺旋溝と前記給油通路とを連通する第2連通孔を備え、前記第1連通孔と前記第2連通孔が前記中抜き部に連通したことを特徴とする密閉型圧縮機。
  2. 軸受部と摺動接触する主軸部の外周に設けられた摺動部において、主軸部の最大圧縮荷重が作用する側の受圧面積を円周方向の反対側の受圧面積より大きくなるように前記摺動部を形成した請求項1に記載の密閉型圧縮機。
  3. 主軸部の外周に設けられた摺動部の受圧面積が、円周方向において連続的に変化するように前記摺動部を形成した請求項2に記載の密閉型圧縮機。
  4. 第1連通孔および第2連通孔は、主軸部の最大圧縮荷重が作用する側に対して、円周方向の略反対側に設けられた請求項1から3のいずれか一項に記載の密閉型圧縮機。
  5. 中抜き部と軸受部との直径隙間が0.05〜0.60mmである請求項1から4のいずれか一項に記載の密閉型圧縮機。
JP2008200793A 2008-08-04 2008-08-04 密閉型圧縮機 Expired - Fee Related JP5386879B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008200793A JP5386879B2 (ja) 2008-08-04 2008-08-04 密閉型圧縮機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008200793A JP5386879B2 (ja) 2008-08-04 2008-08-04 密閉型圧縮機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010038009A true JP2010038009A (ja) 2010-02-18
JP5386879B2 JP5386879B2 (ja) 2014-01-15

Family

ID=42010815

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008200793A Expired - Fee Related JP5386879B2 (ja) 2008-08-04 2008-08-04 密閉型圧縮機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5386879B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022218207A1 (zh) * 2021-04-14 2022-10-20 安徽美芝制冷设备有限公司 曲轴、变频压缩机及制冷设备

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63255580A (ja) * 1987-04-13 1988-10-21 Sanyo Electric Co Ltd 電動圧縮機のクランクシヤフト
JPH0893646A (ja) * 1994-09-20 1996-04-09 Matsushita Refrig Co Ltd 密閉型電動圧縮機
JP2005120837A (ja) * 2003-10-14 2005-05-12 Matsushita Electric Ind Co Ltd 密閉型圧縮機
JP2006009715A (ja) * 2004-06-28 2006-01-12 Matsushita Electric Ind Co Ltd 電動圧縮機
JP2007292016A (ja) * 2006-04-27 2007-11-08 Matsushita Electric Ind Co Ltd 密閉型圧縮機

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63255580A (ja) * 1987-04-13 1988-10-21 Sanyo Electric Co Ltd 電動圧縮機のクランクシヤフト
JPH0893646A (ja) * 1994-09-20 1996-04-09 Matsushita Refrig Co Ltd 密閉型電動圧縮機
JP2005120837A (ja) * 2003-10-14 2005-05-12 Matsushita Electric Ind Co Ltd 密閉型圧縮機
JP2006009715A (ja) * 2004-06-28 2006-01-12 Matsushita Electric Ind Co Ltd 電動圧縮機
JP2007292016A (ja) * 2006-04-27 2007-11-08 Matsushita Electric Ind Co Ltd 密閉型圧縮機

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022218207A1 (zh) * 2021-04-14 2022-10-20 安徽美芝制冷设备有限公司 曲轴、变频压缩机及制冷设备
US11952998B2 (en) 2021-04-14 2024-04-09 Anhui Meizhi Compressor Co., Ltd. Crankshaft, inverter compressor, and refrigeration device

Also Published As

Publication number Publication date
JP5386879B2 (ja) 2014-01-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2390507B1 (en) Shaft bearing clearances for an hermetic compressor
JP4211351B2 (ja) レシプロ型電動圧縮機
JP5716161B2 (ja) 密閉型圧縮機
US7993114B2 (en) Electric compressor
JPWO2016189598A1 (ja) スクロール圧縮機
JP5386879B2 (ja) 密閉型圧縮機
JP2015105574A (ja) ロータリー圧縮機
JP6351749B2 (ja) スクロール圧縮機
JP2016205134A (ja) 密閉型圧縮機
JP2009167954A (ja) 密閉型圧縮機
JP2004144058A (ja) 密閉型電動往復圧縮機
JP2010090706A (ja) 密閉型圧縮機
JP2012087711A (ja) 密閉型圧縮機
JP2015001213A (ja) 密閉型圧縮機
JP2015040471A (ja) 密閉型圧縮機及びこれを用いた冷蔵庫
JP2014156803A (ja) 密閉型圧縮機及びこれを用いた冷蔵庫
JP2009191763A (ja) 密閉型圧縮機
CN114718876B (zh) 供油系统和压缩机
KR20110132940A (ko) 왕복동식 압축기 및 이를 적용한 냉동기기
JP2015007409A (ja) 密閉型圧縮機
JP2018025142A (ja) 密閉型圧縮機およびそれを用いた冷凍装置
JPWO2016139735A1 (ja) ロータリ圧縮機
JP2015010490A (ja) 密閉型圧縮機
JP2013019328A (ja) 密閉型圧縮機
JP2012188946A (ja) 密閉型圧縮機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110214

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20110314

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120726

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120731

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120926

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20121213

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130226

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130419

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130910

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130923

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees