JP2010037699A - グラビア輪転・オフセット輪転兼用印刷用塗工紙 - Google Patents

グラビア輪転・オフセット輪転兼用印刷用塗工紙 Download PDF

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Abstract

【課題】グラビア輪転印刷の印刷品質・印刷作業性、オフセット輪転印刷の印刷品質、印刷作業性に優れ、生産性の高い兼用塗工紙を提供する。
【解決手段】本発明のグラビア輪転・オフセット輪転兼用印刷塗工紙は、原紙上に顔料と接着剤を主成分とする塗工層を設け、カレンダー処理を行うグラビア輪転・オフセット輪転兼用印刷塗工紙において、前記塗工層中の接着剤として、顔料100重量部に対して、モノマー中のアクリロニトリル含量が20〜40重量%、ブタジエン含有量が30〜45重量%である合成高分子ラテックスを4〜8重量部とデンプンを0.5〜4重量部を含有し、前記カレンダー処理後のインキのタック値が最大となるまでの時間が10〜50秒であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は原紙に顔料と特定の接着剤を含む塗料を塗工・カレンダー処理を行い、優れた印刷品質および印刷作業性に優れるグラビア輪転・オフセット輪転兼用印刷用塗工紙に関する。
グラビア輪転印刷は凹版印刷方式で、印刷物の階調再現性に優れており、雑誌、カタログ、パンフレットなどの商業印刷分野や女性誌等の出版印刷分野で用いられている。一方、オフセット輪転印刷は平版印刷方式で、平滑性の低い用紙でも非常に鮮明に印刷することが可能であり、チラシ、カタログ、パンフレット、ダイレクトメールなどの商業印刷分野に広く用いられている。
これらの用紙は通常、グラビア輪転用、オフセット輪転用としてそれぞれ別に使用されており、両方の印刷方式に使用される用紙は非常に低級な用紙以外にはほとんどない。それはグラビア輪転印刷とオフセット輪転印刷では用紙に求められる品質が異なるためである。
グラビア輪転印刷は、金属ロールからなる版全体にインキを与え、次にドクターで、画線部以外のインキをかきとり、凹部にたまったインキを加圧下で紙に転移させる方式である。このため、凹部にあるインキが紙にスムースにかつ均一に転移するためには紙表面の平滑性が必要であり、特に非常に短時間で圧縮された状態での平滑性が重要となってくる。この紙面の平滑性が低い場合には金属ロールと紙の非接触面積が大きくなり、インキが正常に転移しない現象が発生することがある。この現象はミッシングドットと呼ばれるが、印刷品質の低下につながる。このミッシングドットを抑制する方法として平滑性向上とクッション性向上が有効であると言われている。平滑性向上の具体的な方法としては、(1)原紙中の灰分を上げる、(2)スーパーカレンダーでの線圧を高める、(3)クレーやタルクのような平滑性の高い顔料を高配合する等の方法、(4)有機顔料等の顔料を使用する方法等が知られている。クッション性向上の具体的な方法としては(5)原紙へのデンプンサイズを低減もしくは、行わない、(6)原紙のパルプにGPなどの機械パルプを高配合する、(7)塗料中の接着剤にガラス転移温度の低いラテックスを使用する、(8)塗工紙表面を硬くするデンプンを塗料に使用しない等の方法が知られている。実際のグラビア輪転印刷用塗工紙はこれらの方法を組み合わせて製造している。
一方、オフセット輪転印刷は、版胴の刷版の非画線部を親水性、画線部を親油性とすることで、印刷時に非画線部上に湿し水をつけ、その後、画線部のみにインキがつけられ、このインキがブランケットを介して、紙に転写される。インキが版からブランケットを介するため、粘度の高い(タック値の高い)インキが使用される。オフセット輪転印刷時のトラブルは高タックのインキを使用することに加えて、湿し水を使用することに起因することが多い。オフセット輪転印刷用紙には表面強度が要求されているが、表面強度が低い用紙をオフセット印刷した場合、紙ムケと呼ばれる印刷表面上に白点が発生し、印刷品質の低下につながる。また、この紙ムケに近い現象で、塗工紙表面の一部が紙粉となってブランケット上に堆積する紙粉パイリング現象が起こり、印刷品質の悪化を招くことがある。さらに1〜2胴目に印刷されたインキが3〜4胴目のブランケット表面に堆積するインキパイリングと呼ばれる現象が起こり、印刷物の画線部に汚れが発生し、印刷品質の低下につながる。
この他にも、オフセット輪転印刷では高温の乾燥機内に印刷後の紙を通して乾燥させるため、ブリスターと呼ばれる印刷物の火ぶくれ現象が起こり、印刷品質の低下につながる。
上記のオフセット輪転印刷時のトラブルを回避するため、以下に示すような方法でオフセット輪転印刷用塗工紙は製造されている。紙ムケおよび紙粉パイリングを抑制するためには塗工紙の表面強度を向上させることが有効であり、通常のオフセット輪転印刷用塗工紙では(1)塗料中のバインダー(ラテックス、デンプン)配合量を多くする、(2)塗工原紙にデンプンサイズを行う、などの方法が単独もしくはがそれらを組み合わせた方法で行われている。
インキパイリングについてはインキ中の溶剤成分の用紙への吸収が早すぎるために起こるとされている現象であり、(3)粒度分布の狭い顔料を使用する、(4)バインダー配合量を増やす等の対策が効果的である。
一方、ブリスター発生を抑制するには原紙層の厚さ方向の強度を高める事と、紙中の水分を低減することが効果的と言われている。具体的には(5)原紙中の灰分減、(6)原紙中の紙力剤増、(7)紙中水分減が有効と言われている。
近年になり、グラビア輪転印刷とオフセット輪転印刷の両方を印刷できる用紙に対するユーザーからの要望が高まっている。1つの用紙で両方の印刷を可能にするためにはグラビア輪転印刷する際にはミッシングドットが少なく、オフセット輪転印刷する際には紙ムケ・インキパイリングが少なく、ブリスター発生がないような印刷作業性に優れた用紙であることが求められる。
それに加えてグラビア輪転印刷用塗工紙、オフセット輪転印刷用塗工紙はともに、ユーザーのコストダウン指向が明瞭になっており、印刷品質が良好であり、かつ低コストであることが必要となってきている。特に近年、抄紙機、コータ、高温ソフトニップカレンダーが一連になっているオンマシンコータになっており、なおかつその抄造速度は1500m/minを超えてきており、このような設備で生産できる印刷用塗工紙であることが用紙の低コスト化には非常に重要となってきている。
従来のグラビア輪転印刷用塗工紙の上記製造方法のうち、(1)の方法はオフセット輪転印刷時のブリスター発生や紙ムケにつながり、(2)の方法は近年のコータには設置されておらず、適用できない。また、(3)及び(4)の方法のようにクレーやタルクのような平滑性の高い顔料や、有機顔料を高配合することは、塗料の流動性が悪くなり、高速のコータでは塗工することはできず、用紙のコストダウンができない。(5)及び(8)の方法は塗工紙の表面強度が低くなり、オフセット輪転印刷時の紙ムケにつながる。(6)の方法はGPなどのパルプは高速のマシン、コータでは断紙の原因にもなるため、高配合できない。(7)の方法のガラス転移温度が低いラテックスを使用すると高温ソフトニップカレンダーでの汚れの原因になり、生産効率が落ちるため使用できない。
一方、従来のオフセット輪転印刷用塗工紙の上記製造方法のうち、(1)、(2)、(4)、(5)及び(6)の方法は、グラビア輪転印刷時にミッシングドットの増加につながる。また、(3)は塗料の流動性が悪くなり、高速のコータでは塗工することはできず、用紙のコストダウンができない。(7)はある程度、可能であるが、紙中水分を低減しすぎると、用紙のクッション性がなくなり、ミッシングドットの増加につながりやすく、また、巻取りに静電気が発生しやすく、巻取りのハンドリングが極めて悪くなるため、紙中の水分には適正な範囲がある。
これまでに、グラビア印刷とオフセット印刷を兼用できる印刷用塗工紙に関するものが、いくつか出願されている。デンプンサイズを行った原紙に有機顔料を2〜40重量部配合した塗料を塗工する方法(特許文献1参照)、極微細重質炭酸カルシウムを5〜45重量部配合し、中空有機顔料を2〜7重量部配合、バインダーとして特定のガラス転移温度のラテックスを7〜11重量部配合した塗料を塗工する方法(特許文献2参照)、などが知られている。以上の方法はともに有機顔料を高配合するため、塗料の流動性に劣り、高速での操業性に不向きである。さらに有機顔料自体が高価であるため、低コストの用紙とはならない。
以上のように従来のグラビア輪転印刷用塗工紙、オフセット輪転印刷用塗工紙の製造方法では、グラビア輪転印刷とオフセット輪転印刷の両方に耐えうる優れた印刷品質および印刷作業性に優れ、高速塗工適性に優れる兼用紙が得られないのが現状である。
特開2005−179821号公報 特開2005−314821号公報
本発明の課題は、以上のような状況に鑑み、グラビア輪転印刷の印刷品質・印刷作業性、オフセット輪転印刷の印刷品質、印刷作業性に優れ、生産性の高い優グラビア輪転・オフセット輪転兼用印刷用塗工紙を提供することである。
本発明者らは上記の課題について鋭意研究を重ねた結果、原紙上に顔料と接着剤を主成分とする塗工層を設け、カレンダー処理を行う印刷用塗工紙において接着剤として特定のモノマーを含む合成高分子ラテックスとデンプンを配合し、インキのタックが最大となるまでの時間を特定の範囲にすることで印刷品質に優れ、生産性の高いグラビア輪転印刷・オフセット輪転印刷の兼用紙を製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
上記課題を達成するために、請求項1に係る発明のグラビア輪転・オフセット輪転兼用印刷用塗工紙は、原紙上に顔料と接着剤を主成分とする塗工層を設け、カレンダー処理を行うグラビア輪転・オフセット輪転兼用印刷塗工紙において、前記塗工層中の接着剤として、顔料100重量部に対して、モノマー中のアクリロニトリル含量が20〜40重量%、ブタジエン含有量が30〜45重量%である合成高分子ラテックスを4〜8重量部とデンプンを0.5〜4重量部を含有し、前記カレンダー処理後のインキのタック値が最大となるまでの時間が10〜50秒であることを特徴とする。
同様に、請求項1に係る発明のグラビア輪転・オフセット輪転兼用印刷塗工紙は、前記カレンダー処理後のPPSラフネスが1.8μm以下であることを特徴とする。
本発明は、塗工層中の接着剤として、顔料100重量部に対して、モノマー中のアクリロニトリル含量が20〜40重量%、ブタジエン含有量が30〜45重量%である合成高分子ラテックスを4〜8重量部とデンプンを0.5〜4重量部を含有する構成を有することで、高速塗工適性が良好であり、オフセット輪転印刷時にはインキパイリングがほとんど発生しない効果を奏すると共に、カレンダー処理後のインキのタック値が最大となるまでの時間が10〜50秒である構成を有することで、グラビア印刷時のミッシングドットの発生が少ない効果を奏するグラビア輪転・オフセット輪転兼用印刷用塗工紙が得られる。
このように、本発明は、モノマー中の上記含有量のアクリロニトリル、上記含有量のブタジエンである合成高分子ラテックスを4〜8重量部とデンプンを0.5〜4重量部を含有し、インキのタック値が最大となるまでの時間が10〜50秒である構成を有することで、従来のグラビア輪転印刷用塗工紙、オフセット輪転印刷用塗工紙では、グラビア輪転印刷とオフセット輪転印刷の両方に耐えうる優れた印刷品質および印刷作業性に優れる兼用紙が得られなかったものが、グラビア輪転印刷の印刷品質・印刷作業性、オフセット輪転印刷の印刷品質、印刷作業性に優れ、高速塗工適性が良好で生産性の高い兼用の印刷用塗工紙が得られる。
以下に本発明の詳細を示す。
本発明において用いられる合成高分子ラテックスを製造する際に使用されるモノマーにはアクリロニトリル含有量が20〜40重量%、好ましくは20重量%より大きく、25重量%以下であり、かつブタジエン含有量が30〜45重量%、好ましくは34〜42重量%であるものを使用する必要がある。アクリルロトリルは硬めのモノマーであり、オフセット輪転印刷で一般的に使用される溶剤を吸収しにくい。そのため、アクリロニトリル量が20重量%未満の場合、溶剤の吸収が早くなり、インキパイリングが発生しやすい。40重量%より高い場合、塗工層が固くなり、グラビア輪転印刷時にミッシングドットが増加し、印刷品質の低下につながる。ブタジエン量については、グラビア用紙ではこれまでミッシングドットを抑制するために50重量%以上のものが使用されていたが、本発明では30重量%〜45重量%のものである必要がある。ブタジエンはやわらかいモノマーでトルエンを吸収しやすい。そのため、45重量%よりも高い場合、ミッシングドットは抑制されるが、インキ溶剤の吸収は進み、インキパイリングが発生しやすい。ブタジエン量30重量%未満では塗工層が固くなりすぎ、グラビア輪転印刷時のミッシングドットが増加してしまう。以上の合成高分子ラテックスの配合部数としては顔料100重量部に対して4〜8重量部配合する。4重量部より低い場合、オフセット輪転印刷時に紙ムケなどのトラブルが発生する。8重量部より多いとグラビア輪転印刷時のミッシングドットが増加し、印刷品質の低下につながる。
合成高分子ラテックスに加えて接着剤として塗料用のデンプンを0.5〜4重量部使用することがオフセット輪転印刷時のインキパイリング発生の抑制には好ましい。一般に塗料へのデンプン配合はグラビア輪転印刷時のミッシングドットの増加を招くことが知られているが、デンプン配合部数が0.5重量部未満の場合、ミッシングドット発生は抑制されるが、オフセット輪転印刷時のインキパイリングが発生する。4重量部より多い場合、グラビア輪転印刷時のミッシングドットが増加する。
さらに上記の特定の接着剤を配合した塗料を用いて製造した塗工紙で、かつオフセット輪転用インキ(東洋インキ製造製)でISIT(Ink Surface Interaction Tester: SeGAN.Ltd.社製)を測定した際に、インキのタック値が最大となるまでの時間(以下、「インキピーク時間」という。)が10〜50秒、より好ましくは10〜30秒の範囲内にある用紙が、グラビア輪転印刷時においてはミッシングドットが抑制され、オフセット輪転印刷時にはインキパイリングが発生しないことが分かった。ここで、タック値が最大になるまでの時間が10秒より短い場合、オフセット輪転印刷時にはインキパイリングが発生する。50秒よりも長い場合、グラビア輪転印刷時のミッシングドットが増加し、さらにはインキの乾燥不良にもつながる。このISIT測定でのタック値の最大になるまでの時間を10秒〜50秒にするためにはバインダー、顔料、カレンダー条件を調整することで可能となることが分かった。
なお、いずれの顔料配合、カレンダー処理条件を選定したとしてもカレンダー処理後の用紙のPPSラフネスが1.8μm以下、より好ましくは1.6μm、より好ましくは1.3μm以下であることによって、ミッシングドットを抑制することができる。
上記のような条件で製造されることでグラビア輪転印刷の印刷品質・印刷作業性、オフセット輪転印刷の印刷品質、印刷作業性に優れ、生産性の高い兼用塗工紙が製造できる。
本発明で使用する合成高分子ラテックスとしては一般的な塗被紙の製造に用いられるスチレン・ブタジエン・アクリロニトリル系共重合体ラテックスを用いる。モノマーとしてはスチレン、ブタジエン、アクリロニトリル等の他、その他ビニル化合物、メチルメタアクリレート他ビニル系不飽和カルボン酸エステル化合物や、あるいはアクリル酸、フマル酸等ビニル系不飽和カルボン酸を用いるのが好ましい。デンプンとしては酸化澱粉、エーテル化澱粉、エステル化澱粉、酵素変性澱粉やそれらをフラッシュドライして得られる冷水可溶性澱粉が挙げられる。この他にもカゼイン、大豆蛋白等の天然系接着剤などの一般に知られた接着剤も上記条件を満たせば使用可能である。また、必要に応じて、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、着色剤等、通常の塗工用顔料に配合される各種助剤が適宜使用できる。
本発明で使用する顔料は上記のISITで測定される紙表面でのインキピーク時間が10〜50秒の間になるようにすることができれば特に規定されないが、カオリン、クレー、サチンホワイト、酸化チタン、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、シリカ、活性白土、珪素土等を1種以上使用できる。ただし、一般的にグラビア印刷用塗工紙に用いられる顔料であるデラミクレー、焼成クレー、タルクなどは塗料流動性を悪化させるため、その配合割合は30重量%未満であることが好ましい。
かくして調製された塗工組成物は一般の塗工紙製造に用いられているブレードコータ等の塗工装置を設けたオンマシンあるいはオフマシンコータによって原紙上に単層あるいは多層塗工される。本発明においては、好ましくは塗工速度が1200m/分以上、より好ましくは塗工速度が1500m/分以上の高速塗工適性にも優れるものである。その際、塗料固形分濃度は60〜70重量%であることが好ましい。また、原紙としては一般の印刷用塗工紙に用いられる坪量30〜100g/mの原紙が好ましく、必要に応じて上質紙、中質紙を選択して使用する。塗料の塗工量は、原紙片面当たり、固形分で7〜20g/mの範囲で塗工するのが好ましい。また平滑度を向上させるためにスーパーカレンダー、ソフトカレンダーで等の仕上げ装置で処理をする。
以下に本発明を実施例および比較例をあげてより詳細に説明するが、当然ながら、本発明は実施例のみに限定されるものではない。なお、例中の部および%はそれぞれ重量部および重量%を示す。
[品質評価方法]
(1)ISIT測定方法:Ink Surface Interaction Tester(SeGAN. Ltd社製)で、測定用紙にオフセット輪転用インキ(レオエコーL:東洋インキ製造(株)製)2mlを印刷速度0.5m/secで印刷後、すぐに印刷面にロードセルを接触させ、一定時間毎にロードセルを印刷面から離す際のタック値を測定しながらそのタック値が最大となるまでの時間であるインキピーク時間を測定した。
(2)ミッシングドット測定方法:大蔵省印刷局式グラビア印刷試験機(熊谷理機工業(株)製)を用い、印刷速度40m/min、印圧10kgf/cm で印刷し、印刷された塗工紙の網点欠落状態を20%ハーフトーン部のミッシングドット数(スペックル数)を目視により計数した。
(3)インキパイリング測定方法:オフセット輪転印刷機(B2T−600:東芝機械製)で東洋インキ製造(株)のレオエコーLのインキを用い、印刷速度500rpmで20,000部印刷を行い、4胴目のブランケットの状況を目視評価し、◎全く発生しない、○ほとんど発生しない、△発生する、×発生が著しい、で評価した。
(4)高速塗工適性:塗工時にスタラクタイト、ブリーディングの発生状況を目視で観察し、◎全く発生しない、○ほとんど発生しない、△発生する、×発生が著しい、で評価した。
(5)PPSラフネス測定方法:JIS P8151に準拠し、熊谷理機工業(株)製のPPSラフネス測定機を用いてクランプ圧980kPa、ハードパッキンの条件で測定した。
[実施例1]
重質炭酸カルシウムとしてFMT−97(FMT社製)30部、微粒カオリンとしてアマゾンプラス(CADAM社製)60部、デラミクレーとしてアストラプレート(IMERYS社製)10部に、全顔料に対して接着剤としてアクリロニトリル25%、ブタジエン42%の固形分重量比率の組成である合成高分子ラテックスを7部、リン酸エステル化デンプン0.5部配合して固形分濃度64%で塗料を調製した。かくして調製された塗料を坪量45g/mの中質原紙にブレードコータで塗工量片面あたり10g/mになるように、塗工速度1500/分で両面塗工した。さらにスーパーカレンダーで処理温度65℃、処理線圧200kg/cm、6ニップの条件で表面処理してグラビア輪転・オフセット輪転兼用印刷用塗工紙を得た。
[実施例2]
軽質炭酸カルシウムとしてTP−123(奥多摩工業社製)50部、微粒カオリンとしてアマゾンプラス50部に、全顔料に対して接着剤としてアクリロニトリル20%、ブタジエン41%の組成である合成高分子ラテックスを8部、リン酸エステル化デンプン3部配合して固形分濃度64%で塗料を調製した以外は実施例1と同様に行い、グラビア輪転・オフセット輪転兼用印刷用塗工紙を得た。
[実施例3]
全顔料に対して接着剤としてアクリロニトリル24%、ブタジエン34%の組成である合成高分子ラテックスを7部、リン酸エステル化デンプン3部配合して固形分濃度64%で塗料を調製した以外は実施例2と同様に行い、グラビア輪転・オフセット輪転兼用印刷用塗工紙を得た。
[実施例4]
重質炭酸カルシウムとしてFMT−97(FMT社製)30部、軽質炭酸カルシウムとしてTP−123(奥多摩工業社製)30部、二級クレーとしてKCS(IMERYS社製)40部に、全顔料に対して接着剤としてアクリロニトリル31%、ブタジエン34%の組成である合成高分子ラテックスを7部、リン酸エステル化デンプン4部配合した以外は実施例1と同様に行い、グラビア輪転・オフセット輪転兼用印刷用塗工紙を得た。
[比較例1]
接着剤としてアクリロニトリル10%、ブタジエン50%の組成である合成高分子ラテックスを7部、リン酸エステル化デンプン無配合とした以外は実施例1と同様に行い、グラビア輪転・オフセット輪転兼用印刷用塗工紙を得た。
[比較例2]
重質炭酸カルシウムとしてFMT−97(FMT社製)50部、微粒カオリンとしてアマゾンプラス(CADAM社製)30部、デラミクレーとしてアストラプレート(IMERYS社製)10部、焼成クレーとしてアルファテックス(Huber社製)10部に、全顔料に対して接着剤としてアクリロニトリル10%、ブタジエン50%の組成である合成高分子ラテックス7部を配合して塗料を調製した以外は実施例1と同様に行い、グラビア輪転・オフセット輪転兼用印刷用塗工紙を得た。
[比較例3]
接着剤としてアクリロニトリル25%、ブタジエン30%の組成である合成高分子ラテックスを9部、リン酸エステル化デンプン5部配合とした以外は実施例1と同様に行い、グラビア輪転・オフセット輪転兼用印刷用塗工紙を得た。
[比較例4]
重質炭酸カルシウムとしてFMT−97(FMT社製)20部、微粒カオリンとしてアマゾンプラス(CADAM社製)50部、デラミクレーとしてアストラプレート(IMERYS社製)30部に、全顔料に対して接着剤としてアクリロニトリル10%、ブタジエン50%の組成である合成高分子ラテックス7部、リン酸エステル化デンプン1部を配合して塗料を調製した以外は実施例1と同様に行い、グラビア輪転・オフセット輪転兼用印刷用塗工紙を得た。
[比較例5]
重質炭酸カルシウムとしてFMT−97(FMT社製)30部、微粒カオリンとしてアマゾンプラス(CADAM社製)23部、二級クレーとしてKCS(IMERYS社製)47部に、全顔料に対して接着剤としてアクリロニトリル20%、ブタジエン35%の組成である合成高分子ラテックス15部、酸化デンプン5部を配合して塗料を調製した。かくして調製された塗料を坪量47g/mの中質原紙にブレードコータで塗工量片面あたり、7g/mになるように両面塗工した以外は実施例1と同様に行い、グラビア輪転・オフセット輪転兼用印刷用塗工紙を得た。
以上の結果を表1に示した。
Figure 2010037699
表1の実施例1〜4、比較例1〜5の結果は以下のことを示している。
実施例1〜4は、モノマー中のアクリロニトリル含有量が20〜40%、ブタジエン含有量が30〜45%の範囲である合成高分子ラテックスが4〜8部とデンプンが0.5〜4部を含有し、インキのタック値が最大となるまでの時間が10〜50秒である構成を有することで、塗料の高速塗工適性が良好であり、グラビア印刷時のミッシングドットが少なく、オフセット輪転印刷時にはインキパイリングが全く発生しないかほとんど発生しないことを示していることは明らかである。比較例1、2は、インキのタック値が最大となるまでの時間が短く、ラテックスのモノマー組成等が適正な範囲でなく、比較例1はインキパイリングに劣り、比較例2は、インキパイリングと高速塗工適性に劣る。比較例3、5は、インキのタック値が最大となるまでの時間が長く、接着剤の配合量が多く、ミッシングドットに劣る。比較例4は、ラテックスのモノマー組成等が適正な範囲でなく、高速塗工適性に劣る。
以上のことから、本発明はモノマー中の上記含有量のアクリロニトリル、上記含有量のブタジエンである合成高分子ラテックスが4〜8部とデンプンが0.5〜4部を含有し、インキのタック値が最大となるまでの時間が10〜50秒である構成を有することで、従来のグラビア輪転印刷用紙、オフセット輪転印刷用紙では、グラビア輪転印刷とオフセット輪転印刷の両方に耐えうる優れた印刷品質および印刷作業性に優れる兼用紙が得られなかった課題を達成していることは明らかである。

Claims (2)

  1. 原紙上に顔料と接着剤を主成分とする塗工層を設け、カレンダー処理を行うグラビア輪転・オフセット輪転兼用印刷用塗工紙において、
    前記塗工層中の接着剤として、顔料100重量部に対して、モノマー中のアクリロニトリル含有量が20〜40重量%、ブタジエン含有量が30〜45重量%である合成高分子ラテックスを4〜8重量部とデンプンを0.5〜4重量部を含有し、前記カレンダー処理後のインキのタック値が最大となるまでの時間が10〜50秒であることを特徴とするグラビア輪転・オフセット輪転兼用印刷用塗工紙。
  2. 前記カレンダー処理後のPPSラフネスが1.8μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のグラビア輪転・オフセット輪転兼用印刷用塗工紙。
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