JP2010037402A - 難燃性ポリプロピレン系樹脂組成物及びその組成物を使用する成形体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】条件(i)〜(ii)を満たすプロピレン−エチレン系共重合体成分(A)100重量部と金属水和物成分(B)50〜300重量部、及び熱可塑性エラストマー成分(C)5〜100重量部とを含有する、難燃性ポリプロピレン系樹脂組成物。
(i)固体粘弾性測定により得られる温度−損失正接曲線において、−60〜20℃の温度範囲で観察されるガラス転移によるピークが、単一であり、そのピーク温度が0℃以下である
(ii)TREF溶出曲線において、条件(ii−A)〜(ii−C)を満たす
(ii−A)溶出曲線において2つのピークが観察され、高温側に観測されるピークT(A1)が65〜95℃の範囲にあり、低温側に観測されるピークT(A2)が45℃以下にある
(ii−B)T(A1)とT(A2)両ピークの中間点の温度T(A3)までに溶出する成分(A2)の量W(A2)が5〜70wt%であり、該成分がエチレンを6〜15wt%含むプロピレン・エチレンランダム共重合体である
(ii−C)T(A3)までに溶出する成分の溶出後に溶出する成分(A1)の量W(A1)が95〜30wt%であり、該成分がエチレンを0〜6wt%含むプロピレン・エチレンランダム共重合体である
【選択図】なし
Description
プラスチック材料のなかでも汎用性の高い熱可塑性樹脂(及びそのエラストマー)の難燃化には、大別して樹脂自体の難燃化或いは樹脂への難燃剤の配合による手法が主に採用されており、その内でも、比較的簡易で難燃化が充分になされる、難燃剤の配合による方法が広く使用されている。
リン系や臭素系などの有機系難燃剤の配合も知られているが、かかる有機系難燃剤では熱可塑性樹脂成形製品の表面に難燃剤がブリードアウト(滲出)し長期的には難燃性を維持できない問題を内包している。
このような問題を避けるために、燃焼時に有害ガスの発生が全くなく、かつ添加剤としての毒性も全く問題がなくて、難燃剤のブリードアウトもない、無機系難燃剤、特に、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウム又はこれらと炭酸マグネシウムとの配合物などの水和金属化合物を使用する難燃化材料が重要視されている。
かかる問題を改良する手法として、熱可塑性樹脂に水酸化アルミニウム及び/又はマグネシウムとエチレン−不飽和カルボン酸系共重合体及びエポキシ基含有化合物を配合することにより、難燃化をなして、外力による白化の耐性と耐外傷性及び耐寒性の向上がなされる難燃性組成物が開示されたが(特許文献1)、諸特性を向上させるとしても難燃性は未だ満足するものに至らなかった。
そして、ポリプロピレン樹脂に不飽和カルボン酸又はその誘導体変性ポリエチレンと金属水和物及びエチレン系共重合体を配合し、成形加工性にも優れた難燃性樹脂組成物が提案されたが(特許文献2)、耐磨耗性と耐白化性が不足する問題が内在されていた。
また、プロピレン−エチレンブロックコポリマーとポリオレフィン系エラストマーと金属水酸化物とを配合し、難燃剤の分散性をも良好にした難燃性で耐磨耗性の樹脂組成物も提示されているが(特許文献3)、耐白化性は未だ不足しているし、耐磨耗性は改善されているとしても充分満足できるまでに至っていない。
最近では、メタロセン触媒により製造し、MFRや昇温溶離分別法の溶出曲線における温度などを特定したポリプロピレン系樹脂が提示され、充分な難燃性を付与するために多量の無機系難燃剤を配合し、難燃性と機械的特性(特に引張伸度)とを共に満足させているが(特許文献5)、やはり成形製品において外力による白化の発生が生じてしまう問題を内在し、耐磨耗性なども満足するには至っていない。
当共重合体は、固体粘弾性測定(DMA)により得られる温度−損失正接(tanδ)曲線におけるピーク特性及び昇温溶離分別法(TREF)による溶出曲線における溶出特性により規定され、良好な柔軟性と透明性及び耐熱性と剛性などを併せ備え成形性にも優れた特定のプロピレン−エチレン系共重合体成分であり、本発明の難燃性組成物においてはかかる樹脂成分(以下、成分(A)という。)を主剤として用いることが必要であり、更により耐磨耗性を向上させるために添加剤として熱可塑性エラストマー(以下、成分(C)という。)も5〜100重量部(樹脂材料100重量部に対して)を併せて配合添加される。
樹脂成分相互の相溶性は、固体粘弾性測定(DMA)により得られる温度−損失正接(tanδ)曲線におけるピーク特性により特定され、エチレン含有量と結晶性の異なる成分は、o−ジクロロベンゼン溶媒を用いた−15℃〜140℃の温度範囲での昇温溶離分別法(TREF)による温度に対する溶出量(dwt%/dT)のプロットとして得られるTREF溶出曲線において2つのピークが観察されることにより特定され、更に各々の結晶性とエチレン含有量は、溶出特性により特定される。
TREF溶出曲線における溶出特性は、65〜95℃の高温側にピークT(A1)が、45℃以下の低温側にピークT(A2)が観察され、これらの中間の温度T(A3)で2成分を分離した際に、T(A3)までに溶出する低結晶性成分(A2)はエチレンを6〜15wt%含むプロピレン・エチレンランダム共重合体で、その量W(A2)の比率は5〜70wt%であり、T(A3)までに溶出する成分を取り除いた後(溶出後)の比較的結晶性が高い成分(A1)はエチレンを0〜6wt%含むプロピレン・エチレンランダム共重合体(エチレンが0wt%の場合はプロピレン単独重合体である)で、その量W(A1)の比率は95〜30wt%であることで特定される。
更に、比較的結晶性が高い成分(A1)は、高結晶側への結晶性分布が少ないことを特徴とし、結晶性分布が狭いことからより均一で微細な結晶構造を取ることで引張破断伸びの改良に寄与する。これはTREF溶出曲線において、99wt%が溶出する温度T(A4)が98℃以下であることが望ましく、90℃以下がより好ましく、ピークT(A1)からT(A4)までの温度差ΔT(T(A4)−T(A1))が5℃以下であることにより特定される。
以上における、本発明の難燃性ポリプロピレン系樹脂組成物における基本的構成の要件の有意性と合理性及び作用効果は、後述する各実施例のデータ及び実施例と比較例の対照により実証されている。
また、成分(A)は、好ましい態様として、TREF溶出曲線において、2つのピークが観察され、高温側に観測されるピークT(A1)が65〜88℃の範囲にあり、低温側に観測されるピークT(A2)が45℃以下にあり、99wt%が溶出する温度T(A4)が90℃以下で、ピークT(A1)からT(A4)までの温度差ΔT(T(A4)−T(A1))が5℃以下であり、T(A1)とT(A2)両ピークの中間点の温度T(A3)までに溶出する成分(A2)の量W(A2)が30〜70wt%であり、該成分がエチレンを8〜14wt%含むプロピレン・エチレンランダム共重合体であり、T(A3)までに溶出する成分の溶出後に溶出する成分(A1)の量W(A1)が70〜30wt%であり、該成分がエチレンを1〜5wt%含むプロピレン・エチレンランダム共重合体である。
(i)固体粘弾性測定(DMA)により得られる温度−損失正接(tanδ)曲線において、−60〜20℃の温度範囲で観察されるガラス転移によるピークが、単一であり、かつ、そのピーク温度が0℃以下である
(ii)o−ジクロロベンゼン溶媒を用いた−15℃〜140℃の温度範囲での昇温溶離分別法(TREF)による温度に対する溶出量(dwt%/dT)のプロットとして得られるTREF溶出曲線において、以下の条件(ii−A)〜(ii−C)を満たす
(ii−A) 溶出曲線において2つのピークが観察され、高温側に観測されるピークT(A1)が65〜95℃の範囲にあり、低温側に観測されるピークT(A2)が45℃以下にある
(ii−B) T(A1)とT(A2)両ピークの中間点の温度T(A3)までに溶出する成分(A2)の量W(A2)が5〜70wt%であり、該成分がエチレンを6〜15wt%含むプロピレン・エチレンランダム共重合体である
(ii−C) T(A3)までに溶出する成分の溶出後に溶出する成分(A1)の量W(A1)が95〜30wt%であり、該成分がエチレンを0〜6wt%含むプロピレン単独重合体又はプロピレン・エチレンランダム共重合体である
(iii)メタロセン系触媒を用いて、第1工程でエチレン含量0〜6wt%の結晶性プロピレン単独重合体成分又は結晶性プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(A1)を95〜30wt%、第2工程でエチレン含有量が6〜15wt%の低結晶性プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(A2)を5〜70wt%、逐次重合することで得られたものである
[3]プロピレン−エチレン系共重合体成分(A)が以下の条件(iv)を満たすことを特徴とする、[1]又は[2]における難燃性ポリプロピレン系樹脂組成物。
(iv)o−ジクロロベンゼン溶媒を用いた−15℃〜140℃の温度範囲での昇温溶離分別法(TREF)による温度に対する溶出量(dwt%/dT)のプロットとして得られるTREF溶出曲線において、以下の条件(iv−A)〜(iv−D)を満たす
(iv−A) 溶出曲線において2つのピークが観察され、高温側に観測されるピークT(A1)が65〜88℃の範囲にあり、低温側に観測されるピークT(A2)が45℃以下にある
(iv−B) T(A1)とT(A2)両ピークの中間点の温度T(A3)までに溶出する成分(A2)の量W(A2)が30〜70wt%であり、該成分がエチレンを8〜14wt%含むプロピレン・エチレンランダム共重合体である
(iv−C) T(A3)までに溶出する成分の溶出後に溶出する成分(A1)の量W(A1)が70〜30wt%であり、該成分がエチレンを1〜5wt%含むプロピレン・エチレンランダム共重合体である
(iv−D) 99wt%が溶出する温度T(A4)が90℃以下であり、ピークT(A1)からT(A4)までの温度差ΔT(T(A4)−T(A1))が5℃以下である
[4]成分(B)の金属水和物が水酸化アルミニウム及び/又は水酸化マグネシウムであることを特徴とする、[1]〜[3]のいずれかにおける難燃性ポリプロピレン系樹脂組成物。
[5]成分(C)の熱可塑性エラストマーがスチレン・ビニルイソプレンブロック共重合体又はその水素添加物であることを特徴とする、[1]〜[4]のいずれかにおける難燃性ポリプロピレン系樹脂組成物。
[6]自消性成形体用であることを特徴とする、[1]〜[5]のいずれかにおける難燃性ポリプロピレン系樹脂組成物。
[7][1]〜[6]のいずれかにおける難燃性ポリプロピレン系樹脂組成物を成形してなる成形体。
[8][7]の成形体が押出成形により製造されたことを特徴とする押出成形体。
1.難燃性について
一般にプラスチック材料、特に熱可塑性樹脂成形製品は、概して易燃性なので、成形製品の使用における安全性などのために難燃化の要請が以前から強くなされている。
従来、ポリプロピレン系樹脂においては、充分な難燃性を付与するために多量の無機系難燃剤を配合しなければならず、機械的特性、特に引張伸度の特性と難燃性特性とを満足させること、即ち、JIS K7201における酸素指数を21以上にすることは困難であった。
180℃の温度で、3mmのシートを圧縮(プレス)成形にて作成し、幅6.5mm×長さ150mmの試験片を切削して得た。得られた試験片をJIS K−7201の手法に則り、酸素指数を測定した。
酸素測定装置を用い、試験片の燃焼時間が3分以上継続して燃焼するか、着炎後の燃焼長さが50mm以上に燃え続けるのに必要な最低酸素流量の測定によって酸素指数を求めた。
OI(%)={[O2]/([O2]+[N2])}×100
[O2]:酸素の流量L/分
[N2]:窒素の流量L/分
(1)基本構成
本発明において採用される、良好な柔軟性と透明性及び耐熱性と剛性などを併せ備え、成形性にも優れたポリプロピレン系樹脂材料である、特定のプロピレン−エチレンランダムブロック共重合体は、各樹脂成分の相溶性が非常に優れており難燃性樹脂材料に利用すれば、多量の無機系難燃剤の分散性が大幅に改善されると共に、歪が加わった際の応力が低下することで、ポリプロピレン系樹脂と難燃剤の界面に応力がかかることが抑制されて機械的強度(特に、引張伸度)の低下を阻止でき、更に耐白化性も向上される。
本発明の難燃性ポリプロピレン系樹脂組成物は、特定のプロピレン−エチレン系共重合体成分(A)と、難燃性を付与する無機充填剤である金属水和物成分(B)、及び耐摩耗性を向上させる添加配合剤の熱可塑性エラストマー成分(C)とからなり、必要に応じて本発明の効能(作用効果)を阻害しない範囲内で付加的成分を加えることができる。各々の成分は諸問題の解決のために各種の要件を満たす必要がある。以下に各成分の詳細な説明を加える。
(i)基本的特徴
従来のポリプロピレン系樹脂においては、プロピレンを主体とする比較的結晶性の高い成分の引張破断伸びを改良するために、低結晶性成分としてエチレン系エラストマーをブレンドしたり、多くのエチレンを含有する低結晶性成分を逐次重合により製造する、通称されるブロックコポリマーを用いるといった手法は広く当該業者に知られるところであるが、これらの低結晶性成分は、プロピレンを主体とする成分と相溶性が低いため相分離し、各々別々の相となる相分離構造を取る。
このような構造の樹脂中に、難燃性を付与するための無機充填剤(無機系難燃剤)を大量に加えた場合、各相で軟化温度や充填剤との相性が異なることにより、無機充填剤の偏在が発生し、無機充填剤濃度が高い部分で破壊が生じ易くなるため引張破断伸びの改良効果を充分に発揮することができない。また、外力が加わった際に、無機充填剤と樹脂間だけでなく、樹脂成分の各相の界面でも剥離が生じるために、曲げ白化は極めて悪化するという問題が生じてしまう。
本発明における、プロピレン−エチレン系共重合成分(A)は、上記の従来のプロピレン系樹脂材料とは異なり、基本的な特徴として、物性のバランスを改良するためにエチレン含有量と結晶性の異なる、以下の特性により規定されるところの、大分して2つの成分(A1)及び(A2)からなる。
本発明に用いられるプロピレン−エチレン系共重合成分(A)は、引張伸度(引張破断伸び)を改良するための低結晶性の成分(A2)を含みながらも、プロピレンを主体とする比較的結晶性の高い成分(A1)と相分離構造を取らないことが必要である。
これは、固体粘弾性測定において、通常プロピレン−エチレン系共重合体樹脂のガラス転移温度はtanδ曲線のピークとして−60〜20℃の間に観測されるが、単一相においてはその相のガラス転移温度だけが観測されるのに対し、相分離構造を取る場合には、各相各々のガラス転移温度が別々に観測されるために複数のピークを示すことに基づく。
なお、測定温度範囲全体においては、20〜120℃程度に別の緩和のピークが現れる場合があり、α緩和と呼ばれる結晶緩和で、本発明で対象としているガラス転移とは区別される。
本発明に用いられるプロピレン−エチレン系共重合成分(A)に含まれる低結晶性のプロピレン・エチレンランダム共重合体成分(A2)は、相分離構造を取らず、かつ、充分な引張破断伸びの改良効果を有するために、エチレン含量を増加させて結晶性を充分に低下させることが必要であり、かつ、エチレン含有量が増加すると相溶性は低下していくので、特定の範囲内に抑えなくてはならない。
また、本発明に用いられるプロピレン−エチレン系共重合成分(A)に含まれる比較的結晶性の高いプロピレン・エチレンランダム共重合体成分(A1)は、高結晶側への結晶性分布が少ないことを特徴とし、結晶性分布が狭いことからより均一で微細な結晶構造を取ることで引張破断伸びが改良される。
プロピレン−エチレン系共重合体の結晶性分布をTREFにより評価する手法は、当該業者によく知られるものであり、例えば、次の文献などで詳細な測定法が示されている。
G.Glockner,J.Appl.Polym.Sci.:Appl.Polym.Symp.;45,1−24(1990)
L.Wild,Adv.Polym.Sci.;98,1−47(1990)
J.B.P.Soares,A.E.Hamielec,Polymer;36,
8,1639−1654(1995)
TREF測定では、結晶性が低いものほど低温で溶出し、結晶性の高いものほど高温で溶出するため、ポリプロピレン系樹脂の結晶性がどのような分布を持っているかを正確に把握することができる。
本発明におけるプロピレン−エチレンランダムブロック共重合体は、成分(A1)及び(A2)各々の結晶性に大きな違いがあり、両成分をTREFにより精度良く分別することが可能である。
溶出曲線は、o−ジクロロベンゼン溶媒を用いた−15℃〜140℃の温度範囲での昇温溶離分別法(TREF)による温度に対する溶出量(dwt%/dT)のプロットとして得られるTREF溶出曲線である。
本発明に用いられるプロピレン−エチレン系共重合成分(A)は、大分して2つの成分からなり各々の結晶性が異なるため、TREF溶出曲線において、2つのピークが観察される。ピークが2つ観察されないということは、成分が単一か、観測されないほど一方の量が少ないか、ピークを示さないほど結晶性分布が広いということで、いずれの場合にも充分な引張破断伸びの改良効果は得られないことから、本発明に用いられるプロピレン−エチレン系共重合成分(A)は2つのピークが観察されることが必要である。
一方、本発明に用いられるプロピレン−エチレン系共重合成分(A)中に含まれる低結晶性のプロピレン・エチレンランダム共重合体成分(A2)は、結晶性が充分に低下していないと引張破断伸びの改良効果を発揮することができないため、ピーク温度T(A2)は45℃以下であることが必要である。
ここで、正確に数式にて表現すると、T(A3)={T(A1)+T(A2)}/2である。
このとき、T(A3)までに溶出する成分は低結晶性のプロピレン・エチレンランダム共重合体成分(A2)であり、その量W(A2)は5〜70wt%である。これに従って、T(A3)までに溶出する成分を取り除いた後(溶出後)の成分は比較的結晶性の高いプロピレン・エチレンランダム共重合体成分(A1)であり、その量W(A1)は95〜30wt%である。
このとき分別された成分をそれぞれ取り出し、各成分中を分析することで、各成分中のエチレン含有量を測定することができる。ここで、T(A3)までに溶出する低結晶性のプロピレン・エチレンランダム共重合体成分(A2)は、結晶性が充分に低下していないと引張破断伸びの改良効果を発揮することができないため、ピーク温度T(A2)は45℃以下であることが必要であり、好ましくは10〜40℃、より好ましくは20〜30℃である。このときプロピレン・エチレンランダム共重合体の結晶性はエチレン含有量が多いほど低下する傾向があるため、本発明において6wt%以上、好ましくは8wt%以上、のエチレンを含有することが必要である。一方で、エチレン含有量が多くなり過ぎると相分離構造を取ることから、相分離を生じない範囲内に抑えることが肝要で多くとも15wt%、好ましくは14wt%、であることが必要である。
ここで、成分(A1)の結晶性が高いと、成分(A2)で相溶性を改良したとしても、難燃性を向上させるにはできるだけ多くの無機充填剤を添加することが好ましいため、このときには引張破断伸びが不足する場合がある。これをさらに改良するためには、成分(A1)の結晶性も特定の範囲にあることが好ましい。
即ち、成分(A1)自体の結晶性を耐熱性や成形性を維持できる範囲で下げ、また、結晶性分布が狭いものを選択することで結晶構造が微細化し、引張破断伸びは改善される。このためには、成分(A1)中のエチレン含有量は1wt%以上が好ましく、このとき結晶性の尺度であるTREF溶出曲線におけるピーク温度T(A1)は88℃以下であることが好ましい。このとき、T(A1)が下がったとしても、結晶性分布が広がり高結晶性成分が多く存在する場合には改良効果が低下することから、99wt%が溶出する温度T(A4)が90℃以下であることが好ましく、85℃以下であることがより好ましい。そして、ピークT(A1)からT(A4)までの温度差ΔT(T(A4)−T(A1))が5℃以下であることも好ましく、4℃以下であることがより好ましい。
イ.成分(A1)と(A2)の分離
先のTREF測定により求めたT(C)を基に、分取型分別装置を用い昇温カラム分別法により、T(A3)可溶成分の成分(A2)と、T(A3)不溶成分の成分(A1)とに分別し、NMRにより各成分のエチレン含有量を求める。
昇温カラム分別法とは、例えば、Macromolecules;21,314〜319(1988)に開示されたような測定方法をいう。
直径50mm・高さ500mmの円筒状カラムにガラスビーズ担体(80〜100メッシュ)を充填し、140℃に保持する。次に、140℃で溶解した試料のo−ジクロロベンゼン(ODCB)溶液(10mg/mL)200mLを前記カラムに導入する。その後、該カラムの温度を0℃まで10℃/時間の降温速度で冷却する。0℃で1時間保持後、10℃/時間の昇温速度でカラム温度をT(A3)まで加熱し、1時間保持する。なお、一連の操作を通じてのカラムの温度制御の精度は±1℃とする。
次いで、カラム温度をT(A3)に保持したまま、o−ジクロロベンゼンを20mL/分の流速で800mL流すことにより、カラム内に存在するT(A3)で可溶な成分を溶出させ回収する。
次いで10℃/分の昇温速度で当該カラム温度を140℃まで上げ、140℃で1時間静置後、140℃の溶媒(ODCB)を20mL/分の流速で800mL流すことにより、T(A3)で不溶な成分を溶出させ回収する。
分別によって得られたポリマーを含む溶液は、エバポレーターを用いて20mLまで濃縮された後、5倍量のメタノール中に析出される。析出ポリマーを濾過して回収後、真空乾燥器により一晩乾燥する。
上記の分別により得られた成分(A1)と(A2)それぞれについてのエチレン含有量は、プロトン完全デカップリング法により以下の条件に従って測定した、13C−NMRスペクトルを解析することにより求める。
機種:日本電子(株)製 GSX-400又は、同等の装置(炭素核共鳴周波数100MHz以上) 溶媒:o−ジクロロベンゼン:重ベンゼン=4:1(体積比) 濃度:100mg/mL 温度:130℃ パルス角:90° パルス間隔:15秒 積算回数:5,000回以上
[PPP]=k×I(Tββ) (1)
[PPE]=k×I(Tβδ) (2)
[EPE]=k×I(Tδδ) (3)
[PEP]=k×I(Sββ) (4)
[PEE]=k×I(Sβδ) (5)
[EEE]=k×{I(Sδδ)/2+I(Sγδ)/4} (6)
ここで[ ]はトリアッドの分率を示し、例えば[PPP]は全トリアッド中のPPPトリアッドの分率である。
したがって、
[PPP]+[PPE]+[EPE]+[PEP]+[PEE]+[EEE] =1 (7)
である。また、k は定数であり、Iはスペクトル強度を示し、例えばI(Tββ)は、Tββに帰属される28.7ppmのピークの強度を意味する。
上記(1)〜(7)の関係式を用いることにより、各トリアッドの分率が求まり、さらに下式によりエチレン含有量が求まる。
エチレン含有量(モル%)=([PEP]+[PEE]+[EEE])
×100
なお、本発明のプロピレンランダム共重合体には、少量のプロピレン異種結合(2,1−結合及び/又は1,3−結合)が含まれ、それにより、以下の表Bに記載された微小なピークを生じる。
エチレン含有量のモル%から重量%への換算は以下の式を用いて行う。
エチレン含有量(重量%)=(28×X/100)/{28×X/100+42×(1−X/100)}×100
ここでXはモル%表示でのエチレン含有量である。
ブロック共重合体全体のエチレン含有量は、上記より測定された成分(A)、(B)それぞれのエチレン含有量[E]A、[E]B、及び、TREFより算出される各成分の重量比率W(A)、W(B)[wt%]から以下の式により算出される。
[E]W=[E]A×W(A)/100+[E]B×W(B)/100 (wt%)
金属水和物成分(B)は燃焼時(火災時)の有毒ガスの発生や毒性の問題なしに難燃性を発揮せしめるのに必要な成分であり、好ましくは、金属水和物である無機系難燃剤の水酸化アルミニウム及び/又は水酸化マグネシウムが選択される。
これらは、分散性の観点から、平均粒径は0.2〜4μmが好ましく、より好ましくは0.5〜2μmである。更に、所望により表面処理を行ってもよい。表面処理剤としては、ステアリン酸、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤などを挙げることができる。しかし表面処理量が多くなると耐磨耗性の低下の問題が生じるため処理剤の含有量としては5重量%以下が望ましい。これらの中でも、特に水酸化マグネシウムが実用性能の点で最適である。
また、金属水和物成分(B)には、必要に応じて、赤燐、ポリ燐酸塩、尿素化合物、シリコーンオイル、シリコーン粉末などを難燃助剤として配合してもよい。
(i)熱可塑性エラストマー
熱可塑性エラストマーは、一般に熱可塑性樹脂材料の改質剤でありポリプロピレン系樹脂組成物の柔軟性や耐衝撃性を高めるために配合添加されるものである。
本発明においては熱可塑性エラストマー成分(C)の配合添加は、柔軟性と一見相反する耐摩耗性をも向上されるのに寄与する。熱可塑性エラストマー成分(C)としては、スチレン・ビニルイソプレンブロック共重合体及びその水素添加物、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・プロピレンジエン三元共重合共重合体、エチレン・オクテン共重合体などのエチレンを主成分とするエチレンとα−オレフィンとの共重合体、スチレン・エチレンブタジエン・スチレン共重合体及び水素添加物、イソプレン共重合体などを挙げることができる。これらの中でスチレン・ビニルイソプレンブロック共重合体を用いることが耐磨耗性の観点より好ましい。熱可塑性エラストマー成分(C)のMFRは0.05〜15g/10分、好ましくは1〜10g/10分のものを挙げることができる。
熱可塑性エラストマー成分(C)の配合割合は、成分(A)を100重量部としたときに5〜100重量部、好ましくは10〜100重量部、より好ましくは10〜80重量部である。
配合割合が5重量部を下回る量では、充分な柔軟性や耐白化性及び耐磨耗性を得ることができず、100重量部を上回る量では経済性に不利である。
(1)組成物の製造方法
本発明における難燃性ポリプロピレン系樹脂組成物は、プロピレン−エチレン系共重合体成分(A)と金属水和物成分(B)及び熱可塑性エラストマー成分(C)を必須成分とし、所望により本発明の効能(作用効果)を阻害しない範囲で付加的成分を配合し、これらを二軸押出機、ロール、バンバリーミキサーなどの公知の溶融混練法を用いて混合して製造することができる。
例えば、各成分を常温において混合した後、二軸の混練押出機を用いて溶融混練を行って製造してもよいし、混練押出機の途中にフィード孔を設け、そこから金属水和物をフィードし、溶融混練を同時に行うことで製造してもよい。
本発明の難燃性成形体は、上記で得られた難燃性プロピレン系樹脂組成物をペレットとしたものを用いるのが一般的であるが、マスターバッチ法や、ドライブレンド法では、ペレットブレンドの状態で成形する、または、重量式フィーダなどを用いて、連続計量し秤量しつつ成形することもできる。
本発明に用いられるプロピレン−エチレン系共重合体成分(A)は、比較的結晶性の高いプロピレン・エチレンランダム共重合体成分(A1)と低結晶性のプロピレン・エチレンランダム共重合体成分(A2)の、大分して2種の結晶性が異なるプロピレン・エチレンランダム共重合体からなり、本発明の要件を満たす限りどのような製造法を用いてもかまわない。
しかし、成分(A1)と成分(A2)は結晶性が異なるため、融解温度も大きく異なり、各成分が別々に溶融混練されると、成分(A2)は極めて早い段階で溶融し、その後温度が更に上昇してから成分(A1)が溶融するため、先に融けた成分(A2)中に無機充填剤が集中し、分散不良が生じ易くなる。そこで、成分(A1)と成分(A2)は逐次重合することで製造されることが最も好ましい。
(i)成分(A1)と成分(A2)の逐次重合
本発明の成分(A1)と成分(A2)を製造実施するに際しては、成分(A1)と成分(A2)を逐次重合することが好ましい。
このとき、成分(A2)はエチレン含有量が多く単独ではべたつき易い共重合体であるので、反応器への付着などの問題を防止するために、成分(A1)を重合した後で成分(A2)を重合する方法を用いることが好ましい。
連続法の場合には成分(A1)と成分(A2)を個別に重合する必要から2個以上の反応器を直列に接続した製造設備を用いる必要があるが、本発明の効能を阻害しない限り成分(A1)及び成分(A2)のそれぞれについて複数の反応器を直列及び/又は並列に接続して用いてもよい。
重合プロセスは、スラリー法、バルク法、気相法など任意の重合方法を用いることができる。バルク法と気相法の中間的な条件として超臨界条件を用いることも可能であるが、実質的には気相法と同等であるため、特に区別することなく気相法に含める。
ここでエチレン含有量の多い成分(A2)は炭化水素などの有機溶媒や液化プロピレンに溶けやすいため、成分(A2)の製造に際しては気相法を用いることが望ましい。
結晶性プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(A1)の製造に対してはどのプロセスを用いても特に問題はないが、比較的結晶性の低い成分(A1)を製造する場合には、付着などの問題を避けるために気相法を用いることが望ましい。
したがって、連続法を用いて、まず成分(A1)をバルク法又は気相法にて重合し、引き続き成分(A2)を気相法にて重合することが最も望ましい。
重合温度は通常用いられている温度範囲であれば特に問題なく用いることができる。具体的には、0〜200℃、より好ましくは40〜100℃の範囲を用いることができる。
重合圧力は選択するプロセスによって差異が生じるが、通常用いられている圧力範囲であれば特に問題なく用いることができる。具体的には、0より大きく200MPaまで、より好ましくは0.1〜50MPaの範囲を用いることができる。その際に、窒素などの不活性ガスを共存させることもできる。
第一工程で成分(A1)、第二工程で成分(A2)の逐次重合を行う場合、第二工程にて系中に重合抑制剤を添加することが望ましい。第二工程のエチレン−プロピレンランダム共重合を行う反応器に重合抑制剤を添加すると、得られるパウダーの粒子性状(流動性など)やゲルなどの製品品質を改良することができる。この手法については各種技術検討がなされており、一例として特公昭63−54296号公報、特開平7−25960号公報、特開2003−2939号公報などを例示することができる。本発明にも当該手法を適用することが望ましい。
各成分は結晶性分布が狭い、即ち組成分布が狭いことが必要であることから、従来広くポリプロピレン系樹脂の製造に用いられているチーグラー・ナッタ型触媒では本発明の必要要件を満たすプロピレン・エチレンランダム共重合体を製造することは困難である。そこで、その製造にはメタロセン系触媒を用いることが最も好ましい。
メタロセン系触媒の種類は、本願発明の性能を有する共重合体を生成できる限りは、特に限定はされるものではないが、本発明の要件を満たすために、例えば、下記に示すような成分(a)及び(b)更に必要に応じて使用する成分(c)からなるメタロセン系触媒を用いることが好ましい。
成分(a):段落0056の一般式(1)で表される遷移金属化合物から選ば れる少なくとも1種のメタロセン遷移金属化合物
成分(b):下記(b−1)〜(b−4)から選ばれる少なくとも1種の固体
成分
(b−1)有機アルミオキシ化合物が担持された微粒子状担体
(b−2)成分(a)と反応して成分(a)をカチオンに変換することが 可能なイオン性化合物又はルイス酸が担持された微粒子状担体
(b−3)固体酸微粒子
(b−4)イオン交換性層状珪酸塩
成分(c):有機アルミニウム化合物
成分(a)としては、下記一般式(1)で表される遷移金属化合物から選ばれる少なくとも1種のメタロセン遷移金属化合物を使用することができる。
Q(C5H4−a−aR1)(C5H4−b−bR2)MeXY (1)
[ここで、Qは、2つの共役五員環配位子を架橋する2価の結合性基を示し、Meはチタン、ジルコニウム、ハフニウムから選ばれる金属原子を示し、X及びYは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、アルコキシ基、アミノ基、窒素含有炭化水素基、リン含有炭化水素基又はケイ素含有炭化水素基を示し、X及びYは、それぞれ独立に、即ち同一でも異なっていてもよい。R1及びR2は、水素、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、ケイ素含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基、酸素含有炭化水素基、ホウ素含有炭化水素基又はリン含有炭化水素基を示す。a及びbは置換基の数である。]
X及びYは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、アルコキシ基、アミノ基、窒素含有炭化水素基、リン含有炭化水素基又はケイ素含有炭化水素基を示し、このうちで好ましいものとしては、水素、塩素、メチル、イソブチル、フェニル、ジメチルアミド、ジエチルアミド基などを例示することができる。
R1及びR2は、水素、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、ケイ素含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基、酸素含有炭化水素基、ホウ素含有炭化水素基又はリン含有炭化水素基を表す。炭化水素基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、フェニル基、ナフチル基、ブテニル基、ブタジエニル基などが例示される。また、ハロゲン化炭化水素基、ケイ素含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基、酸素含有炭化水素基、ホウ素含有炭化水素基又はリン含有炭化水素基としては、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、トリメチルシリル基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ピラゾリル基、インドリル基、ジメチルフォスフィノ基、ジフェニルフォスフィノ基、ジフェニルホウ素基、ジメトキシホウ素基などを典型的な例として例示できる。これらの中で、炭素数1〜20の炭化水素基であることが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基であることが特に好ましい。
ところで、隣接したR1とR2は、結合して環を形成してもよく、この環上に炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、ケイ素含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基、酸素含有炭化水素基、ホウ素含有炭化水素基又はリン含有炭化水素基からなる置換基を有していてもよい。
Meは、チタン、ジルコニウム、ハフニウムの中から選ばれる金属原子であり、好ましくはジルコニウム、ハフニウムである。
これらの具体例の化合物のシリレン基をゲルミレン基に、ジルコニウムをハフニウムに置き換えた化合物も好適な化合物として例示される。
なお、触媒成分は本発明の重要要素ではないので、煩雑な列記を避け、代表的な例示に限定しているが、これにより本発明の有効範囲が制限されることが無いのは自明のことである。
成分(b)としては、上述した成分(b−1)〜成分(b−4)から選ばれる少なくとも1種の固体成分を使用する。これらの各成分は公知のものであり、公知技術の中から適宜選択して使用することができる。その具体的な例示や製造方法については、特開2002−284808公報、特開2002−53609号公報、特開2002−69116号公報、特開2003−105015号公報などに詳細な例示がある。
ここで、成分(b−1)及び成分(b−2)に用いられる微粒子状担体としては、シリカ、アルミナ、マグネシア、シリカアルミナ、シリカマグネシアなどの無機酸化物、塩化マグネシウム、オキシ塩化マグネシウム、塩化アルミニウム、塩化ランタンなどの無機ハロゲン化物、更には、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンジビニルベンセン共重合体、アクリル酸系共重合体などの多孔質の有機担体を挙げることができる。
上記成分(b)の中で特に好ましいものは、成分(b−4)のイオン交換性層状珪酸塩であり、更に好ましい物は、酸処理、アルカリ処理、塩処理、有機物処理などの化学処理が施されたイオン交換性層状珪酸塩である。
必要に応じて成分(c)として用いられる有機アルミニウム化合物の例は、
一般式 AlRaX3−a
(式中、Rは、炭素数1から20の炭化水素基、Xは、水素、ハロゲン、アルコキシ基、aは0<a≦3の数)で示されるトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム又はジエチルアルミニウムモノクロライド、ジエチルアルミニウムモノメトキシドなどのハロゲン若しくはアルコキシ含有アルキルアルミニウムである。またこの他に、メチルアルミノキサンなどのアルミノキサン類なども使用できる。これらのうち特にトリアルキルアルミニウムが好ましい。
成分(a)及び成分(b)更に必要に応じて成分(c)を接触させて触媒とする。その接触方法は特に限定されないが、以下のような順序で接触させることができる。また、この接触は、触媒調製時だけでなく、オレフィンによる予備重合時又はオレフィンの重合時に行ってもよい。
1)成分(a)と成分(b)を接触させる
2)成分(a)と成分(b)を接触させた後に成分(c)を添加する
3)成分(a)と成分(c)を接触させた後に成分(b)を添加する
4)成分(b)と成分(c)を接触させた後に成分(a)を添加する
5)三成分を同時に接触させる
本発明の触媒は、予めオレフィンを接触させて少量重合されることからなる予備重合処理に付すことが好ましい。使用するオレフィンは、特に限定はないが、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、ビニルシクロアルカン、スチレンなどを使用することが可能であり、特にプロピレンを使用することが好ましい。
オレフィンの供給方法は、オレフィンを反応槽に定速的に或いは定圧状態になるように維持する供給方法やその組み合わせ、段階的な変化をさせるなど、任意の方法が可能である。
予備重合温度と時間は、特に限定されないが、各々−20℃〜100℃、5分〜24時間の範囲であることが好ましい。
また、予備重合量は、予備重合ポリマー量が成分(b)に対し、好ましくは0.01〜100部、更に好ましくは0.1〜50部である。
予備重合を終了した後に、触媒の使用形態に応じ、そのまま使用することが可能であるが、必要ならば乾燥を行うことも可能である。
更に、上記各成分の接触の際、若しくは接触の後に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどの重合体やシリカ、チタニアなどの無機酸化物固体を共存させることも可能である。
本発明の難燃性ポリプロピレン系樹脂組成物には、本発明の効能が損なわれない範囲で、他の特性を付与するために、付加的成分を配合することができる。例えば、耐熱安定剤、酸化防止剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、結晶造核剤、銅害防止剤、帯電防止剤、スリップ剤、抗ブロッキング剤、防曇剤、着色剤、充填剤、金属不活性剤、プロセスオイル、石油樹脂、抗菌剤、防蟻剤、可塑剤などを配合することができる。
本発明の難燃性成形体の用途としては、特に自消性成形体が好適であるが、それに限定されずに、例えば、電線被覆、鋼管被覆、鋼線被覆、ケーブル被覆などの被覆押出成形体の分野、建築・土木産業資材、家電製品の部品、及び自動車部品などが挙げられる。
本発明の難燃性成形体は、例えば好適には、難燃性ポリプロピレン系樹脂組成物を被覆押出成形及び/又は異形押出成形により製造することができる。
被覆押出成形体としては、例えば、電線被覆、鋼管被覆、鋼線被覆、ケーブル被覆などを挙げることができる。
更に、射出成形法や圧縮成形法など各種の成形法により、多様な難燃性成形品への用途も展開される。
1)メルトフローレート(MFR)
JIS K7210 A法 条件M に従い、以下の条件で測定した。
試験温度:230℃ 公称加重:2.16kg ダイ形状:直径2.095mm 長さ8.00mm
〔溶出曲線の作成〕
段落0031に前述した方法による。
〔装置〕
(TREF部)
TREFカラム:4.3mmφ × 150mmステンレスカラム カラム充填材:100μm・表面不活性処理ガラスビーズ 加熱方式:アルミヒートブロック 冷却方式:ペルチェ素子(ペルチェ素子の冷却は水冷) 温度分布:±0.5℃ 温調器:(株)チノー・デジタルプログラム調節計KP1000(バルブオーブン) 加熱方式:空気浴式オーブン 測定時温度:140℃ 温度分布:±1℃ バルブ:6方バルブ・4方バルブ
(試料注入部)
注入方式:ループ注入方式 注入量:ループサイズ・0.1ml 注入口加熱方式:アルミヒートブロック 測定時温度:140℃
(検出部)
検出器:波長固定型赤外検出器 FOXBORO社製・MIRAN 1A 検出波長:3.42μm 高温フローセル:LC−IR用ミクロフローセル 光路長1.5mm 窓形状2φ×4mm長丸・合成サファイア窓板 測定時温度:140℃
(ポンプ部)
送液ポンプ:センシュウ科学社製・SSC−3461ポンプ
〔測定条件〕
溶媒:o−ジクロロベンゼン(0.5mg/mLのBHTを含む) 試料濃度:5mg/mL 試料注入量:0.1mL 溶媒流速 :1mL/分
試料は下記条件により射出成形した厚さ2mmのシートから、10mm幅×18mm長×2mm厚の短冊状に切り出したものを用いた。装置はレオメトリック・サイエンティフィック社製のARESを用いた。周波数は1Hzである。測定温度は−60℃から段階状に昇温し、試料が融解して測定不能になるまで測定を行った。歪みは0.1〜0.5%の範囲で行った。
〔試験片の作成〕
規格番号:JIS−7152(ISO294−1) 成形機:東洋機械金属社製TU−15射出成形機 成形機設定温度:ホッパ下から 80,80,160,200,200,200℃ 金型温度:40℃ 射出速度:200mm/s(金型キャビティー内の速度) 射出圧力:800kgf/cm2 保持圧力:800kgf/cm2 保圧時間:40秒 金型形状:平板(厚さ2mm 幅30mm 長さ90mm)
セイコー社製DSCを用い、試料5.0mgを採り、200℃で5分間保持した後、40℃まで10℃/分の降温速度で結晶化させ、更に10℃/分の昇温速度で融解させたときの融解ピーク温度をTmとした(単位:℃)。昇温時の吸熱曲線の面積からdHmを求めた。
(予備重合触媒の調製)
珪酸塩の化学処理:10リットルの撹拌翼の付いたガラス製セパラブルフラスコに、蒸留水3.75リットル、続いて濃硫酸(96%)2.5kgをゆっくりと添加した。50℃で、さらにモンモリロナイト(水澤化学社製ベンクレイSL;平均粒径=25μm 粒度分布=10〜60μm)を1kg分散させ、90℃に昇温し、6.5時間その温度を維持した。50℃まで冷却後、このスラリーを減圧濾過し、ケーキを回収した。このケーキに蒸留水を7リットル加え再スラリー化後、濾過した。この洗浄操作を、洗浄液(濾液)のpHが、3.5を越えるまで実施した。回収したケーキを窒素雰囲気下110℃で終夜乾燥した。乾燥後の重量は707gであった。
回転筒:円筒状・内径50mm・加温帯550mm(電気炉) かき上げ翼付き回転数:2rpm 傾斜角:20/520 珪酸塩の供給速度:2.5g/分 ガス流速:窒素・96リットル/時間 向流乾燥温度:200℃(粉体温度)
この予備重合触媒を用いて、以下の手順に従ってプロピレン−エチレン系共重合体の製造を行った。
第一工程で得られたプロピレン−エチレンランダム共重合を分析したところ、BD(嵩密度)は0.46g/cc、MFRは7.0g/10分、エチレン含有量は3.7wt%であった。
得られたプロピレン−エチレン系共重合体を分析したところ、活性は8.7kg/g−触媒、BDは0.41g/cc、MFRは7.0g/10分、エチレン含有量は8.7wt%であった。
重合体製造例A−1において、第二工程を行わずに第一工程のみを行った点以外は、重合体製造例A−1と同様にして重合を実施し、プロピレン−エチレンランダム共重合体(PP−2)の製造を行った。重合条件及び重合結果を表1に、得られたPP−2の各種分析結果を表2に示す。PP−2は、−60〜20℃の温度範囲で観察されるガラス転移によるピークが1つであり、そのピーク温度が1.8℃であり、TREF溶出曲線において1つのピークが観察された。
(担持型固体触媒成分の調製)
窒素置換した内容積500mlの温度計及び攪拌棒付きガラス製三つ口フラスコに、75mlの精製ヘプタン、75mlのチタンテトラブトキシド及び10gの無水塩化マグネシウムを加え、その後、フラスコを90℃まで昇温し2時間かけて無水塩化マグネシウムを完全に溶解させた。次に、フラスコを40℃まで降温してメチルハイドロジエンポリシロキサン15mlを添加することにより、塩化マグネシウム・チタンテトラブトキシド錯体を析出させた。これを精製ヘプタンで洗浄して灰白色の析出固体を得た。得られた析出固体の20gを含むヘプタンスラリー65mlを、窒素置換した内容積300mlの温度計及び攪拌棒付きガラス製三つ口フラスコに入れ、次いで、四塩化珪素8.7mlを含むヘプタン溶液25mlを室温で30分間かけて加え、その後、30℃で30分間反応させた。更に、90℃で1時間反応させ、反応終了後、精製ヘプタンで洗浄した。次に、塩化フタロイル1.6mlを含むヘプタン溶液50mlを加えて50℃で2時間反応させ、これを精製ヘプタンで再洗浄し、更に四塩化チタン25mlを加えて90℃で2時間反応させ、これをまた精製ヘプタンで洗浄して担持型固体触媒成分を得た。該担持型固体触媒成分のチタン含量は3.22重量%であった。
内容積200リットルの攪拌式オートクレーブをプロピレンで充分に置換した後、これに脱水及び脱酸素したn−ヘプタン60リットルを導入し、更にトリエチルアルミニウム15.0g、上記担持型固体触媒成分3.0g及び第三ブチルメチルジメトキシシラン4.3gを70℃でプロピレン雰囲気下で導入した。第1段目の重合は、オートクレーブを75℃まで昇温した後、水素濃度を13%に保ちながらプロピレンを9kg/時間の速度でフィードすることにより開始した。228分後、プロピレンのフィードを止め、75℃で90分間更に重合を継続させた。気相部プロピレンを0.2kg/cm2Gとなるまでパージした。次に、n−ブタノール4.9gを添加し、オートクレーブを60℃まで降温した後、第2段目の重合をプロピレン2.58kg/時間及びエチレン1.72kg/時間の速度で53分間フィードすることにより実施した。
この様にして得られたスラリーを濾過し、乾燥して粉末状のプロピレン・エチレンブロック共重合体(PP−3)を得た。該共重合体の物性は表1に示す通りである。PP−3は、−60〜20℃の温度範囲で観察されるガラス転移によるピークが2つであり、そのピーク温度は−36℃と4℃であり、TREF溶出曲線において2つのピークが観察された。
C−1:スチレン・ビニルイソプレンブロック共重合体の水素添加物としてクラレ社製 ハイブラー7311 MFR2g/10分
C−2:スチレン・エチレンブタジエン・スチレン共重合体の水素添加物として旭化成社製 タフテックM1943 MFR8g/10分
C−3:エチレン・オクテン共重合体のダウケミカル社製 エンゲージ8200 MFR10g/10分
C−4:エチレン・プロピレン共重合体のJSR社製 EP02P MFR3g/10分
(組成物の製造)配合:成分(A)として製造例A−1で得られたプロピレン−エチレン系共重合体(PP−1)100重量部と、成分(B)の水酸化マグネシウム(協和化学製・キスマー5A)を200重量部、成分(C)としてスチレン・ビニルイソプレンブロック共重合体のC−1を35重量部と、添加剤として以下の成分を配合した。
分散剤:ステアリン酸マグネシウム(試薬1級)0.3重量部
酸化防止剤1:トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト(チバ・スペシャルズケミカル社製・イルガフォス168)0.2重量部
酸化防止剤2:テトラキス[メチレン−3−(3´,5´−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(チバ・スペシャルズケミカル社製・イルガノックス1010)0.1重量部
酸化防止剤3:ジミリスチルチオジプロピオネート(住友化学社製・スミライザーTPD)0.2重量部
これらをスーパーミキサーを用いてブレンドし、二軸押出機を用いて下記条件にて溶融混練し、ポリプロピレン系樹脂組成物ペレットを得た。
機器:日本製鋼所社製・電線被覆成形機 シリンダー設定温度:230℃
芯線:0.9mmφ軟銅線 被覆厚み:0.15mm 成型速度:100m/min 芯線予熱:120℃
イ)引張破断伸び
電線被覆押出成形体の引張り破断伸びの評価においては、長さ150mmの被覆線を用い、芯線を抜いて被覆層のみを取り出して試料とし、掴み具間距離100mm・引張速度50mm/分にて行う。引張り破断伸びは、破断点における掴み具間距離の変化率に基づき、次式により算出する。
破断点伸度=(破断点の掴み具間距離−100)/100×100[%]
ロ)曲げ白化
長さ150mmの被覆電線を用いて直径5mmの表面が滑らかな金属製の円筒に巻きつけた時の白化の状態を目視で評価した。表中の評価結果は以下の状態を表す。
○:白化が少なく殆ど目立たない △:白化がやや目立ち問題がある
×:極めて白化しやすい
ハ)酸素指数(JIS K7201準拠)
組成物ペレットをプレス成形(200℃予熱7分・加圧2Maで3分後取り出し30℃・13Maで3分間加圧冷却)し、厚さ3mmプレスシートを用い、試験片の形状IV(熱プレス品;3mm厚シート)の試料を作成し評価した。
ニ)耐磨耗性(JIS K7204準拠)
組成物ペレットを用い、射出成形機(日本製鋼製150t射出成形機・樹脂温度200℃・金型冷却温度30℃・冷却30秒)にて厚さ2mm・縦100mm・横100mmの試験片を作成し評価に供した。
試験磨耗輪はCS17を2個用い、荷重500gで1000回転における磨耗量を次の基準で評価した。
○:0〜40mg/1,000回転、 △:41〜80mg/1,000回転、 ×:81mg以上/1,000回転
配合と各種評価結果を表2に示す。
ホ)電線被覆成形性
得られた成形体の外観を目視にて観察し、次の基準で評価した。
○:押出外観良好 △:押出外観やや不良 ×:押出外観不良 配合と各種評価結果を表2に示す。
成分(A)、成分(B)、成分(C)の配合割合を表2に示す通りに変更する以外は、実施例1と同様の配合で、同様の条件にて、造粒と成形及び評価を行った。配合と各種評価結果を表2に示す。
成分(A)、成分(B)の配合割合を表3に示す通りに変更する以外は、実施例1と同様の配合で、同様の条件にて、造粒と成形及び評価を行った。配合と各種評価結果を表3に示す。
[比較例4〜5]
成分(A)、成分(B)、成分(C)の配合割合を表3に示す通りに変更する以外は、実施例1と同様の配合で、同様の条件にて、造粒と成形及び評価を行った。配合と各種評価結果を表3に示す。
本発明の請求項1における構成の要件を全て満たす実施例1〜6の酸素指数は、酸素指数が全て30であり非常に良好な難燃性を示しており、各実施例では引張破断伸びが全て400%以上で格別に優れた引張特性を示し、耐白化性も全て良好で折り曲げた時の亀裂及び白化が非常に少なく、耐摩耗性にも優れ、電線被覆成形性に代表される成形加工性も押しなべて良好な結果になっている。
一方、比較例1では、熱可塑性エラストマーが無添加のため、耐摩耗性が多少劣っている。
比較例2では、主剤の熱可塑性樹脂が単独重合体であり、ガラス転移のピーク温度が0℃を超え、熱可塑性エラストマーも無添加のため、引張破断伸びが悪く白化性と耐摩耗性も劣っている。
比較例3では、主剤のプロピレン−エチレン系共重合体において、成分(A1)の溶出ピーク温度とW(A1)溶出量及び成分(A2)のエチレン含量が本発明の要件から外れており、熱可塑性エラストマーも無添加のため、成形加工性が低く、引張破断伸びが極端に悪く、白化性と耐摩耗性も劣っている。
比較例4では、主剤の熱可塑性樹脂が単独重合体であり、ガラス転移のピーク温度が0℃を超えているので、熱可塑性エラストマーを添加しているのに、引張破断伸びが悪く白化性と耐摩耗性も劣っている。
比較例5では、主剤のプロピレン−エチレン系共重合体において、成分(A1)の溶出ピーク温度とW(A1)溶出量及び成分(A2)のエチレン含量が本発明の要件から外れているので、熱可塑性エラストマーを添加しているのに、成形加工性が低く、引張破断伸びが悪く、白化性と耐摩耗性も劣っている。
以上の各実施例のデータ、及び各実施例と各比較例の対照結果よりして、本発明の難燃性ポリプロピレン系樹脂組成物が、従来の材料より、難燃性を保持しながら各性能において非常に優れており、本発明の構成の要件の合理性と有意性が実証され、従来技術への卓越性も明らかにされている。
Claims (8)
- 下記の条件(i)〜(ii)を満たすプロピレン−エチレン系共重合体成分(A)100重量部と、金属水和物成分(B)50〜300重量部、及び熱可塑性エラストマー成分(C)5〜100重量部とを含有することを特徴とする、難燃性ポリプロピレン系樹脂組成物。
(i)固体粘弾性測定(DMA)により得られる温度−損失正接(tanδ)曲線において、−60〜20℃の温度範囲で観察されるガラス転移によるピークが、単一であり、かつ、そのピーク温度が0℃以下である
(ii)o−ジクロロベンゼン溶媒を用いた−15℃〜140℃の温度範囲での昇温溶離分別法(TREF)による温度に対する溶出量(dwt%/dT)のプロットとして得られるTREF溶出曲線において、以下の条件(ii−A)〜(ii−C)を満たす
(ii−A)溶出曲線において2つのピークが観察され、高温側に観測されるピークT(A1)が65〜95℃の範囲にあり、低温側に観測されるピークT(A2)が45℃以下にある
(ii−B)T(A1)とT(A2)両ピークの中間点の温度T(A3)までに溶出する成分(A2)の量W(A2)が5〜70wt%であり、該成分がエチレンを6〜15wt%含むプロピレン・エチレンランダム共重合体である
(ii−C)T(A3)までに溶出する成分の溶出後に溶出する成分(A1)の量W(A1)が95〜30wt%であり、該成分がエチレンを0〜6wt%含むプロピレン単独重合体又はプロピレン・エチレンランダム共重合体である - プロピレン−エチレン系共重合体成分(A)が以下の条件(iii)を満たすことを特徴とする、請求項1に記載された難燃性ポリプロピレン系樹脂組成物。
(iii)メタロセン系触媒を用いて、第1工程でエチレン含有量0〜6wt%の結晶性プロピレン単独重合体成分又は結晶性プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(A1)を95〜30wt%、第2工程でエチレン含有量が6〜15wt%の低結晶性プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(A2)を5〜70wt%、逐次重合することで得られたものである - プロピレン−エチレン系共重合体成分(A)が以下の条件(iv)を満たすことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載された難燃性ポリプロピレン系樹脂組成物。
(iv)o−ジクロロベンゼン溶媒を用いた−15℃〜140℃の温度範囲での昇温溶離分別法(TREF)による温度に対する溶出量(dwt%/dT)のプロットとして得られるTREF溶出曲線において、以下の条件(iv−A)〜(iv−D)を満たす
(iv−A)溶出曲線において2つのピークが観察され、高温側に観測されるピークT(A1)が65〜88℃の範囲にあり、低温側に観測されるピークT(A2)が45℃以下にある
(iv−B)T(A1)とT(A2)両ピークの中間点の温度T(A3)までに溶出する成分(A2)の量W(A2)が30〜70wt%であり、該成分がエチレンを8〜14wt%含むプロピレン・エチレンランダム共重合体である
(iv−C)T(A3)までに溶出する成分の溶出後に溶出する成分(A1)の量W(A1)が70〜30wt%であり、該成分がエチレンを1〜5wt%含むプロピレン・エチレンランダム共重合体である
(iv−D)99wt%が溶出する温度T(A4)が90℃以下であり、ピークT(A1)からT(A4)までの温度差ΔT(T(A4)−T(A1))が5℃以下である - 成分(B)の金属水和物が水酸化アルミニウム及び/又は水酸化マグネシウムであることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載された難燃性ポリプロピレン系樹脂組成物。
- 成分(C)の熱可塑性エラストマーがスチレン・ビニルイソプレンブロック共重合体又はその水素添加物であることを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれかに記載された難燃性ポリプロピレン系樹脂組成物。
- 自消性成形体用であることを特徴とする、請求項1〜請求項5のいずれかに記載された難燃性ポリプロピレン系樹脂組成物。
- 請求項1〜請求項6のいずれかに記載された難燃性ポリプロピレン系樹脂組成物を成形してなる成形体。
- 請求項7の成形体が押出成形により製造されたことを特徴とする押出成形体。
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