JP2010035545A - 活魚の血抜き方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 魚から血抜きを行なう際、組織の内部にまで入り込んだ血などを含めて、より完全にかつ綺麗に抜くことが出来るようにする。
【解決手段】 魚1の脊髄10に損傷を与えることにより活きた状態を保持して運動機能を低下させ、この運動機能を低下させた魚1の口にホース16を挿入し、このホース16から酸素を含んだ新鮮な水または海水を供給することでエラ6によって酸素を取り込ませながら、魚1の血管10を切断して血抜きを行なう。最終的に、魚1は失血により死亡するが従来に較べて血抜き量を増大させることができる。ホース16で水を供給する代わりに、運動機能を抑制した魚1を水流のある水中に入れ、口が流れの上流側を向くように位置させてもよい。また、血抜きしたあと、所定期間エラ呼吸させて活かしておく。
【選択図】 図4

Description

本発明は、魚の血抜きを行なう際の改良技術に関する。
従来、魚の活けしめと血抜きを行なう技術として、支持台の両側に一対の挟み板を配置するとともに奥側に押さえ金具を設け、支持台に活魚を頭から投入して口先を押さえ金具に当接させた後、挟み板を魚体に押し当てて複数回挟み込み、掘削ドリルを活魚の脳から延髄およびエラに達するまでくりぬくことにより、活けしめと血抜きを行なうようにした技術(例えば、特許文献1参照。)などが知られており、また、活魚を身おろしした際に、より美味でまた鮮度の日持ちを画期的に高める技術として、活魚の頭を切断した状態で、海水または海水に塩を加えて3〜5%とした海水の中に漬けて血抜きを行い、海水が汚れたら取換えながら血抜きを継続するような技術(例えば、特許文献2参照)も知られている。
特開2000−228941号公報 特開2000−210008号公報
ところで、従来の魚の血抜きの技術は、いずれの場合も魚を締める(延髄を切断する等により即死させる)と同時に血抜きするか、締めた後に血抜きする方法が一般的であるため、毛細血管等の組織の内部にまで入り込んだような血を完全に抜くことができず、例えば刺身などの切り身にした場合に、生臭さが残ったり、血溜まりが生じたりして見た目が悪くなる等の問題があった。
そこで本発明は、魚から血抜きを行なう際、組織の内部にまで入り込んだ血などを含めて、より完全にかつ綺麗に抜くことが出来るようにすることを目的とする。
上記目的を達成するため本発明は、活魚の脊髄に損傷を与えることにより活きた状態を保持して運動機能を低下させ、この運動機能を低下させた活魚のエラに向けて新鮮な水を供給し、エラに水を通過させることで活かしながら血管を切断して血抜きを行なうか、または活魚の血管を切断した後、活きた状態にある間に脊髄を損傷させて運動機能を低下させ、この運動機能を低下させた活魚のエラに向けて新鮮な水を供給し、エラに水を通過させることで活かしながら血抜きを行なうようにした。
ここで、魚のエラは陸上動物の肺の役目をしており、すべての魚はエラ呼吸を行い、エラから水中の酸素を取り込んで生存している。このため、活魚の脊髄に損傷を与えることにより活きた状態を保持して運動機能だけを低下させ、その状態で活魚のエラに向けて新鮮な水を供給すれば、血抜きの量がある程度に達するまで心臓が動いているため、その間、組織の内部にまで入り込んだ血が循環し、これらを含んでより完全に抜くことができる。
因みに、ある程度魚肉に血が入っていたほうが刺身などが旨いという人の場合には、ある程度の血抜きを完了した時点で内臓を取り出す等によって心臓を止めればよく、その後の組織内の血が保たれるため、必要に応じて血抜き量を任意に制御することができる。
なお、本発明でいう「新鮮な水」とは、酸素が含まれる水であり、また「水」とは、川魚等に適する淡水のみならず、海魚に適する海水等の塩分を含む水も含まれるものとする。
また、「脊髄に損傷を与えて運動機能を低下させた活魚」としては、本出願人の提案に係る特許第3706879号や特許第3729844号のように、活魚を運搬したり保存する等のため、予め、魚体の側線上近傍またはその延長線上近傍のうちエラ蓋の上端部で且つエラ蓋より外側の位置を、先端が尖った針状の道具で刺突することにより該道具の先端を魚体の脊髄に至らしめて脊髄神経に機能障害を起こさせたものから血抜きを行なう場合や、普通の活魚をその場で処理する際に脊髄に損傷を与えて運動機能を低下させた後、引き続いて血抜きする場合などがあり、後者については、従来の活けしめ、血抜き作業において、延髄を破壊等して魚を即殺して血抜きしていたような手順から、活魚を即殺しないで、脊髄に損傷を与えるだけにし、その後、エラに向けて新鮮な水を供給しつつ血抜きするような手順に変更すればよい。
また、エラに向けて新鮮な水の供給する手段として、水流のある水中に、活魚の口が流れの上流側に向くように位置させることで行なってもよく、また、活魚の口に水を供給するためのホースなどの送水具を挿入するようにしてもよい。
ここで、例えばマグロなどの回遊魚は一般に口をパクパクさせてエラ呼吸するのではなく、口を開いて高速で回遊することによりエラに海水を送り込み酸素を摂取しているため、例えば、前記特許第3706879号や特許第3729844号のように輸送や保管等のため運動機能を抑制したマグロなどは、水流のある水槽等の中に収容することがある。この場合、マグロは自然と口を開けて水をエラに取り込むことができるような姿勢をとるため、このような場合は、輸送や保管等の設備をそのまま利用して血抜きすれば便利である。
また、活魚の口に水を供給するためのホースなどの送水具を挿入する場合は、必ずしも活魚を水中等に入れなくてもよく、水槽等から外に出した状態にして、送水具から水を供給しながら血抜きを行なうようにしてもよい。
また本発明では、前記血抜きを行う際、必要に応じて、血抜きの量が一定に達した時点で止血手段により血管を塞いで止血し、その後、所定期間活魚をエラ呼吸させて活かしておくようにした。
ここで本発明者らは脊髄神経を損傷させた活魚の尾の部分の血管を切断して血抜きを行い、水槽に入れて数日経過を見守ったところ、魚は数日間生存を続け、その後締めて刺し身にして試食したところ、魚肉全体の生臭さが全く消え、身質が極めて良好になることを発見した。
これは、脊髄神経を損傷させた活魚に対して血抜きを行なう場合、血抜きの量がある一定量に達した時点で自然に血が止まり、その後、魚のエラ呼吸によって魚体全体の血が全般に薄まるからではないかと考えられる。一方、脊髄神経を損傷させた活魚に対して血抜きを行なった場合でも、血抜きした直後に締めて殺した場合は、魚体全体の血の薄まり方にムラが生じやすく、魚肉に部分的な生臭さが残り易いとも考えられる。
そこで、特に脊髄神経を損傷させる前に血管を切断して血抜きを行なうような場合に、血抜きの量が、脊髄神経を損傷させた活魚から血抜きする場合に血が抜ける血抜き量程度に達した時点で、必要に応じて血管に栓等を挿し込んで止血し、所定期間エラ呼吸させて活かしておくことにより、魚体全体の血を万遍なく薄めることができ、魚肉全般の身質を良好にできる。
なお、予め脊髄を損傷させた魚に対し、血管を切断して血抜きを行なうような場合、特に切断箇所が尾の部分であるような場合には、出血はある時点で自然に止まるため、このような場合には、血管を塞いで止血する必要はない。
ここで、血抜きした後にエラ呼吸させておく期間としては、例えば少なくとも1時間程度以上とすることが好ましい。また止血手段としては、例えば血管に挿し込むことのできるプラスチック製の栓等が適用可能である。
また、最初に血管を切断した後、脊髄神経を損傷させるような手順を採択する場合、必要に応じて、切断した血管部分に栓等を一時的に挿し込んで血を止めておき、脊髄神経を損傷させた後、本格的な血抜きを行なうようにしてもよい。
活魚の血抜きを行なう際、脊髄に損傷を与えることにより活きた状態を保持して運動機能を低下させるとともに、エラに向けて新鮮な水を供給することにより、心臓を活動させたまま血管を切断して血抜きを行なうか、または、活魚の血管を切断した後、活きた状態にある間に脊髄に損傷を与えて運動機能を低下させ、この運動機能を低下させた活魚のエラに向けて新鮮な水を供給し、エラに水を通過させることで活かしながら血抜きを行なうことで、従来に較べて血抜きをより完全に行なえるようになり、生臭さの防止を図ることができるとともに例えば切り身にしたときに血溜まり等がなく見た目を良好にし高級感を与えることができる。また、必要に応じて血抜き量の制御が可能なため、好みに応じた血抜きも可能となる。
この際、水流のある水中に所定の向きで活魚を位置決めするようにすれば、例えば、活魚を輸送したり保存したりする際に水槽中で水流をつけて保存、輸送しているような際にその設備をそのまま活用することができ、また、活魚の口に水を供給するためのホースなどの送水具を挿入するようにすれば、設備構成がより簡素に且つ安価に構成できる。また、水槽などの水中で血抜きを行なう場合には、同じ水槽で多数の活魚を処理しようとすると、段々血が水に大量に混ざって水を替えながら処理しないと血抜き効果が低下するようになり、大量の水を必要とするが、送水具から水を供給する場合は少量の水で済む。
また、血抜きを行なう際、必要に応じて、血抜きの量が一定量に達した時点(例えば、予め脊髄を損傷させた魚から血抜きを行なう場合の血抜き量程度)で血管を塞いで止血し、その後所定期間エラ呼吸させて活かしておくことにより、魚体全体の血を万遍なく薄めることができ、魚肉全般の身質を良好にできる。
本発明の実施の形態について添付した図面に基づき説明する。
ここで図1は本発明に係る活魚の血抜きの際、エラに水を供給するため送水具を使用する場合の説明図、図2は魚の概要を説明するための説明図で(a)は全体図、(b)はエラの拡大図、図3は魚の骨格等の説明図で、(a)は骨格の全体図、(b)は椎骨の一つである腹椎骨を頭部側から見た説明図、図4は血抜きや脊髄損傷を活魚の尾部から行なう場合の説明図で、(a)は尾部の一部に穴を開ける場合の説明図、(b)は血管に詰め物をしたり、脊髄を損傷させたりする場合の一例の説明図である。
本発明に係る活魚の血抜き方法は、従来一般に行なわれている活けしめ血抜き方法のように魚を即殺するとほぼ同時に血抜きしたり、殺した後に血抜きする方法とは異なり、心臓を活動させながら血抜きすることを特徴としている。
すなわち、活魚を活きた状態に保持しながら血抜きするため、本願発明では活魚の脊髄に損傷を与えることにより運動機能を低下させて血管を切断するか、または血管を切断した後、活きている間に脊髄を損傷させるようにしており、この脊髄に損傷を与えて運動機能を低下させるため、例えば前記の本出願人の提案に係る特許第3706879号や特許第3729844号のように、神経の大きな束である脊髄に向けて、先端が尖った針状の道具を刺突することにより脊髄神経に機能障害を起こさせるような手段を採用してもよく、あるいは、その他の場所から任意の手段で脊髄の一部を損傷させることにより運動機能を低下させるようにしてもよい。
ここで、一般的な魚の概要について図2、図3に基づき説明する。
図2(a)に示すように、多くの魚1の側部表面には頭2から尾びれ3にかけて側線4があり、周囲の刺戟を感知する刺戟受容器として作用している。
また、エラ蓋5の内側にはエラ6があり(図2ではエラ蓋5の一部を切り開いて内部を示している)、このエラ6は、図2(b)に示すように、土台の役割をする硬い鰓弓(さいきゅう)6dと呼ばれる部分と、その前方の鰓耙(さいは)6aと呼ばれる部分、後方の扇状の鰓葉(さいよう)6bと呼ばれる部分を備えており、前記鰓耙6aは口から吸い込まれた水を濾過する濾過器の役割を果たすとともに、前記鰓葉6bは、水中の酸素を取り込むと同時に体内の二酸化炭素を放出するための機能を果たし、細い繊維状の一本一本の器官が扇状に並んで多くの血管が集中している。
また、魚の延髄7は、一般的にエラ蓋5の上端部付近でかつエラ蓋5の内側付近に位置しており、この延髄7を刺せば、魚は即死状態となる。
また、図3に示すように、脊椎8は、多数の椎骨8tの集合体であり、この椎骨8tの背部側の神経弓門9内を前記延髄7から延びる脊髄10が通るとともに、椎骨8tの腹部側の血道弓門11内を、心臓13から延びる動脈等の血管12が通っている。
そして、本発明では、脊髄10に損傷を与えることで運動機能を抑制した後、血管12を切断して血抜きを行なうか、または血管12を切断した後、活きている間に脊髄10に損傷を与えて運動機能を低下させる訳であるが、血抜きの対象となる活魚については、前記特許第3706879号や特許第3729844号のように、輸送や保管段階等において予め運動機能を抑制した活魚でもよく、何も処理していない普通の状態の活魚でもよいため、前者については、既に運動機能を抑制されているため、血抜きを行なう際は、そのままエラに向けて新鮮な水を供給しながら血抜き作業に取り掛かることができ、後者については、脊髄10を損傷させた後、エラ6に向けて新鮮な水を供給しながら血管12を切断して血抜きするか、または血管12を切断した後、活きている間に脊髄10に損傷を与えて運動機能を低下させるようにする。
なお、脊髄10に損傷を起こさせる位置や損傷を起こさせるための道具としては、確実に運動機能を抑制するため、できるだけ延髄7に近い部位が好ましいが、この際、延髄7には損傷を与えないように留意する必要がある。すなわち、延髄7を損傷させて死亡させたのでは意味がないため、魚種等によって脊髄10に損傷を与える部位や、損傷させるための道具を適切に選定し、確実に運動機能だけを低下させることができるようにする。
また、エラ6に向けて新鮮な水を供給する手段としては、本願発明では水流のある水中に、活魚の口が流れの上流側に向くような姿勢で位置させるか、または、活魚の口にホースなどの送水具を挿入し、この送水具から新鮮な水を供給するような方法を採用するようにしており、エラ6から酸素を取り込むことにより血抜きの初期の段階で、活魚が活きた状態を保持できるようにしている。
血抜きを行なうために血管12を切断する箇所は任意であるが、後述するように、血抜きを行なった後、所定期間魚を活かしておくような場合は、心臓13からなるべく遠い位置である尾びれ3の付け根部分等が好ましい。なお、エラ6には、多数の血管が集中しているため、エラ6を傷付けると動脈から大量の出血を招くようになる。しかしながら、本願発明では、血抜きの間にエラ6に向けて新鮮な水を供給しながら血抜きを行い、エラ6による酸素取り込み作用を最後まで最大限に発揮させたいため、エラ6の部分は避けることが好ましい。
それでは、運動機能を低下させた魚のエラ6に向けて新鮮な水を供給する手段として、魚の口の中にホースを挿入し、このホースから新鮮な水を供給しながら血抜きを行なうような場合を例にとって、図1に基づき説明する。なお、この例は、最初に脊髄10を損傷させた後、血管12を切断して血抜きを行ない、その後直ちに魚を締めて殺す場合の説明である。
脊髄10に損傷を与え、運動機能を抑制させた魚1を水槽15等の中に入れる。なお、ホース16を使用する場合は、水槽15の中に、水が入っていても入っていなくてもよいが、今は水が入っている場合を例にとる。
この際、魚1としては、既に先端が尖った針状の道具で脊髄10を刺突して運動機能を抑制して輸送や保管等を行なっていた活魚でもよく、全く手を加えていない活魚で、これから血抜きを行なうため、それに先立って脊髄10を損傷させたものでもよい。
このように運動機能を抑制された魚1は、狭い場所でも暴れることはなく、静かに落ち着いた状態にある。
そこで、この魚1の口にホース16を挿入し、必要に応じて任意の手段でホース16を固定する。なお、この固定することは必須の要件ではなく、手で持っておくようにしてもよい。
ここで、本実施例では、ホース16を固定するため、ホース16に結ばれる連結糸(不図示)などを針に通し、この針を魚1の下あご等に通すことにより、ホース16に結ばれる連結糸を下あご等を通して魚1の口の外に出し、口の外で連結糸を係止部材17等に固定する等によってホース16を固定している。この際、魚1にストレスを与えないために、連結糸として柔らかい織糸等を選択することが好ましいことが判っている。
そして、この状態でホース16から新鮮な水を供給する。この際、海水魚の場合は、新鮮な水として海水や塩水等が好ましく、酸素を充分含んだものとするが、必ずしも海水に限られるものではない。
またこれと同時に魚1の血管12を切断する。この際、延髄7や心臓13等に損傷をあたえないように留意する必要がある。
すると、切断された箇所から出血し始め、その後、魚1は失血により最終的には死に至るが、従来の活けしめ、血抜き方法に較べて大量の血を抜くことができる。
また、魚肉にある程度の血を残したい場合には、完全に出血が完了するまでの任意の時点に、心臓13を破壊したり、内臓を取り出したりすればその後の出血量を制御することができる。
以上のような方法により、従来に較べて魚肉の組織内部へ入り込んだ血を含んでより完全に抜くことができるようになり、切り身にしたときに血溜まり等がなくなって見栄えを良くすることができるとおともに、生臭さも防止することが可能となる。
また、従来に較べて水の量を大幅に節約できることも確認された。
ところで、以上の実施形態においては、魚1のエラ6に新鮮な水を供給する手段として、魚1の口にホース16を挿入し、このホース16から新鮮な水を供給するようにしているが、例えばマグロ等の場合、運動機能を抑制した状態のマグロ等を水流のある水槽等の中に口を上流側に向けて収納すれば、マグロ等は口を開けてエラ6から酸素を取り込むため、そのまま血抜きを行なうことにより設備費等が安価に済む。
以上の実施例では、最初に魚の脊髄10を損傷させ、その後、血管12を切断して血抜きを行なうような手順を説明したが、最初に血管12を切断し、魚が活きている間に脊髄10を損傷させ、運動機能を低下させるような手順の場合でも同様な効果が得られる。この場合の脊髄10に損傷を与える手段等は任意である。
次に、血抜きを行なった後、血抜きの量が一定に達した時点で血管12を塞いで止血し、その後、所定期間エラ呼吸させて活かしておく場合の一例について図4に基づき説明する。
前述のように、本発明者らは脊髄神経を損傷させた活魚の尾びれ3を切除して尾の部分から血抜きを行い、そのまま水槽に入れて数日間経過を見守ったところ、魚はその間生存を続け、その後締めて刺し身にして試食したところ、魚肉全体の生臭さが全く消え、身質が極めて良好になることを見出している。
これは、脊髄10神経を損傷させた活魚に対して心臓から遠い尾の部分から血抜きを行なう場合、血抜きの量がある一定量に達した時点で自然に血が止まり、その後、魚のエラ呼吸によって魚体全体の血が全般に薄まるからではないかと考えられる。
そこで、この実施例では、特に脊髄10神経を損傷させていない通常の状態の魚に対し、脊髄10神経を損傷させる前に尾の部分の血管12を切断して血抜きを行なうような場合に、血抜きの量が、脊髄10神経を損傷させた活魚から血抜きを行なう場合に血抜きされる血抜き量程度に達した時点で、血管12に止血手段としての樹脂等の栓18を挿し込んで止血し、所定期間エラ呼吸させて活かしておくようにしている。
すなわち、まず、魚1を水中から取り出して作業台等に載せ、魚1が暴れださないように敷きマットや掛けマットをかけて動きを止め、図4(a)に示すように、魚1の尾ひれ3の付け根部分に、例えば電動ドリル等を使用して皮・肉・骨の一部を切り抜くように穴hを形成し、脊椎8の一部を取り除くと同時に脊髄10や血管12を切断する。
この際、魚1には痛点がなく、痛みを感じないといわれており、また、一般的な魚は、水中で体の一部に損傷を受けても、血液が水中で凝固するような体に仕組みになっていると思われるため、よほどの致命傷でない限り出血に起因する死には至らず、穴hを開けても、魚は比較的安定した状態を維持する。
血管12が切断されると、同部から血が流出するため、一時的に切断した血管12部分に樹脂等の栓18を挿し込んで止血する。この際、前記のように、血管12は血道弓門11と呼ばれる骨の中にあり囲われているため、例えば円錐状で先細りの栓18を骨で囲まれる空間内に挿し込めば簡単に止血が行なわれる。
次いで、前記神経弓門9内に例えば、細長くかつ先尖りの棒状の処理治具20を挿込み、脊髄10を前方に押さないように注意して先端を延髄7近傍の脊髄10部分まで押し込み、延髄7近傍の脊髄10を損傷させる。こうすることで、魚体全体の運動機能がほぼ抑制され、魚体運動が停止する。
この際、延髄7そのものを損傷させると、死に至るため魚を殺さないよう注意する。また、脊髄10が前方に押し込まれても、脊髄10に繋がる延髄7が圧迫されて死に至る可能性があるのでその点にも注意する。
そして、脊髄10を損傷させた後、水槽等に入れて安定させると同時に、栓18を抜いて血抜きを行い、所定量の血抜きが完了すると、再び止血手段としての栓18をして止血し、その後、所定期間エラ呼吸させて生存させる。ここで、血抜き量の判断は、ある程度時間や出血の程度等を参考にして経験によるようにしている。
また、再び栓18をした後、生存させておく期間としては、少なくとも1時間程度以上とすることが好ましい。
以上のような手順により、より一層、魚体全体の血を万遍なく薄めることができ、魚肉全般の身質を良好にすることができる。
なお、脊髄10を損傷させるための処理治具20の形態は一例であり、必ずしも先端が尖っている必要はない。
活魚から血抜きする際、組織の末端まで入り込んでいる血を綺麗に抜くことが可能なため、特に魚を切り身にして取引するような際に、生臭さをなくすとともに、見た目を良好にすることができる。このため特に鮮魚を処理するような市場において有効である。
図1は本発明に係る活魚の血抜きの際、エラに水を供給するため送水具を使用する場合の説明図 魚の概要を説明するための説明図で、(a)は全体図、(b)はエラの拡大図 魚の骨格等の説明図で、(a)は骨格の全体図、(b)は椎骨の一つである腹椎骨を頭部側から見た説明図 血抜きや脊髄損傷を活魚の尾部から行なう場合の説明図で、(a)は尾部の一部に穴を開ける場合の説明図、(b)は血管に詰め物をしたり、脊髄を損傷させたりする場合の一例の説明図
符号の説明
1…魚、6…エラ、10…脊髄、12…血管、16…ホース、18…栓。

Claims (5)

  1. 活魚の脊髄に損傷を与えることにより活きた状態を保持して運動機能を低下させ、この運動機能を低下させた活魚のエラに向けて新鮮な水を供給し、エラに水を通過させることで活かしながら血管を切断して血抜きを行なうことを特徴とする活魚の血抜き方法。
  2. 活魚の血管を切断した後、活きた状態にある間に脊髄を損傷させて運動機能を低下させ、この運動機能を低下させた活魚のエラに向けて新鮮な水を供給し、エラに水を通過させることで活かしながら血抜きを行なうことを特徴とする活魚の血抜き方法。
  3. 前記エラに向けた新鮮な水の供給は、水流のある水中に活魚の口が流れの上流側を向くように位置させることにより行なわれることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の活魚の血抜き方法。
  4. 前記エラに向けた新鮮な水の供給は、活魚の口に水を供給するためのホースなどの送水具を挿入することにより行なわれることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の活魚の血抜き方法。
  5. 前記血抜きを行う際、必要に応じて、血抜きの量が一定に達した時点で止血手段により血管を塞いで止血し、その後、所定期間活魚をエラ呼吸させて活かしておくことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の活魚の血抜き方法。
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