JP2010035286A - 双方向コンバータ - Google Patents
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Abstract
【課題】 スイッチング・ロスが少ない電力伝送を行うことが可能な双方向コンバータを提供する。
【解決手段】 この双方向コンバータによれば、順方向電力伝送時において、昇圧コンバータを構成する第2半導体スイッチTr2をOFFする際に、第2電荷保持用コンデンサC5に既に蓄積された電荷を入力側コンデンサC2に出力する。第2半導体スイッチTr2をOFFする際には、コイルL1から転送される新たな電荷を、第1電荷保持用コンデンサC4に蓄積する。このような昇圧コンバータを2つ備えていると、逆方向の電力伝送も行うことができる。
【選択図】図6
【解決手段】 この双方向コンバータによれば、順方向電力伝送時において、昇圧コンバータを構成する第2半導体スイッチTr2をOFFする際に、第2電荷保持用コンデンサC5に既に蓄積された電荷を入力側コンデンサC2に出力する。第2半導体スイッチTr2をOFFする際には、コイルL1から転送される新たな電荷を、第1電荷保持用コンデンサC4に蓄積する。このような昇圧コンバータを2つ備えていると、逆方向の電力伝送も行うことができる。
【選択図】図6
Description
本発明は、ハイブリッド車や電気自動車などに搭載された大容量電力貯蔵装置に適用可能な双方向コンバータに関する。
近年、パワーエレクトロニクス技術の進歩を背景に、種々の大容量電力貯蔵装置が開発されている。これら大容量電力貯蔵装置は、例えば太陽光発電などの自然エネルギーを蓄積し、それを放電して利用する用途などに応用されており、これらの大容量電力貯蔵装置には電力の充放電を制御するコンバータが必ず搭載されている。コンバータの充電及び放電の2つの機能は、従来、各々専用の回路網によって実現され、これらの回路網を用途に応じて切り替えて使われていた。しかしながら、近年、コンバータには小型化、軽量化が求められており、上述の2つの機能をひとつの回路網で実現する双方向コンバータが提案されている。
また、前述の大容量電力貯蔵装置の利用用途としてプラグイン・ハイブリッド車(PHEV)が提案されている。PHEVの充電時においては、商用AC電源から充電器として働くコンバータを介して、車に搭載されたバッテリに電力を供給する。放電時においては、前述のバッテリからACアウトレットとして働くコンバータを介して、各種の負荷にAC電源を供給する。
充電用のコンバータは、昇圧機能、又は昇降圧機能を必要とする。一方、ACアウトレット用の電力変換回路は、降圧インバータ機能を必要とする。PHEVに搭載されるスイッチング電源は、小型で軽量であることが要求されるため、これら双方の機能を備えた双方向AC/DCコンバータが提案されている。
特許文献1及び特許文献2は、双方向AC/DCコンバータを開示しており、特許文献4及び特許文献5は、双方向DC−DCコンバータを開示している。これらのコンバータは、コイル(リアクトル、インダクタ)、コンデンサ及び複数の半導体スイッチから構成されており、充電および放電の選択、及び出力される電圧値、または電流値の調整は、前述の半導体スイッチの開閉により行われている。なお、前述の充電器が商用電源から電力を得るためには、高調波電流規制、例えばJIS−C−61000−3−2を満たすことが要求される。これに対応するため、充電器には力率改善回路が搭載される。
ところで、これらのコンバータが扱う電力は1kW以上になることが多い。また、コンバータの電力変換の周波数は100kHz程度である。これだけの電力と変換周波数を扱う場合、前述の半導体スイッチの開閉に伴うスイッチング・ロスは無視できなくなる。このスイッチング・ロスはコンバータの効率を低下させると同時に、前述の半導体スイッチの発熱を引き起こす。この熱対策を行うと、コンバータのサイズは大きくなってしまう。また、前述の半導体スイッチの開閉にはノイズの発生が伴う。前述の半導体スイッチは、このノイズに耐えられるものを選択しなければならなくなり、サイズが大きいものを選択することになり、コスト及びサイズが増大してしまう。
そこで、特許文献4及び特許文献5に開示された双方向コンバータは、スイッチング・ロスとノイズを抑制するためのソフト・スイッチング回路を有している。しかしながら、特許文献4で開示されている構成においては、昇圧動作をソフト・スイッチングで行うためには、共振用コイルに流れる電流がゼロの時に、半導体スイッチをOFFにしなければならない。共振用コイルに流れる電流がゼロでないときに半導体スイッチをOFFにすると、共振用コイルに蓄えられた励磁エネルギーにより発生するサージ電圧により半導体スイッチに高電圧が印加されてしまい最悪半導体スイッチの破壊を招くからである。また、特許文献5に開示されているソフト・スイッチング回路は、補助の半導体スイッチ素子を用いており、これを制御するための制御回路が複雑化している。
特許文献3もソフト・スイッチング回路を開示している。特許文献3では主コイルにトランスを用いており、昇圧比を大きく取っているが、この回路網を降圧に用いると出力電圧の制御が複雑になるという欠点を有している。また力率改善回路に用いられる主コイルのコアには直流重畳特性を考えてフェライトより金属磁性粉を固めた物が使われている。金属磁性粉を固めたものは、自由な形状を整形しづらく所望の特性を持ったトランスを作成することが難しい。特許文献6も同様の問題を有している。
特開2001−37226号公報
特開2007−110856号公報
特開2001−286133号公報
特開2006−87197号公報
特開2007−274778号公報
特開2000−224841号公報
上述のように、少ない部品点数でスイッチング・ロスを低減することが可能な双方向コンバータは得られておらず、更なる改良が期待されていた。本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、スイッチング・ロスが少ない電力伝送を行うことが可能な双方向コンバータを提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明に係る双方向コンバータは、2つの入力端子と2つの出力端子とを有し、入力端子間に入力された電力を順方向伝送して出力端子間に出力し、出力端子から入力された電力を逆方向伝送して入力端子間に出力させる双方向コンバータであって、入力端子間に接続された少なくとも1つの昇圧コンバータを有し、昇圧コンバータは、入力端子の一方に接続されたコイルと、コイルに第1半導体スイッチを介して一端が接続され、コイルと第1半導体スイッチの接続点に、電力の順方向伝送時には、所定の繰り返し周波数でON及びOFFされる第2半導体スイッチを介して他端が接続された入力側コンデンサと、上記接続点と、入力側コンデンサの一端との間に介在する残留電荷出力手段とを備え、残留電荷出力手段は、第2半導体スイッチをOFFする際に、内部に既に蓄積された電荷を入力側コンデンサに出力することを特徴とする。
本発明の双方向コンバータでは、順方向の電力伝送時においては、コイルに蓄積されたエネルギーは、昇圧チョッパの一部として機能する第2半導体スイッチをON/OFFすることにより、第1半導体スイッチを介して入力側コンデンサに伝送され、これが出力端子から取り出される。また、残留電荷出力手段は、入力側コンデンサに残留電荷を出力して、OFFの際のスイッチング・ロスを緩和することができる。
また、残留電荷出力手段は、第2半導体スイッチをOFFする際に、上記コイルから転送される新たな電荷を内部に蓄積することを特徴とする。すなわち、スイッチングの際に転送できない電荷を保持しておき、これを後で出力することで、トータルの電力伝送効率を高めることができる。
また、昇圧コンバータの数は2つであり、これらの昇圧コンバータは、入力側コンデンサを共通コンデンサとし、それぞれの昇圧コンバータの前記接続点は、2つの入力端子にそれぞれ接続されていることが好ましい。昇圧コンバータの数が少なくとも2つある場合には、逆方向の電力伝送を行う場合、昇圧コンバータの半導体スイッチを切り換えることで、入力端子間に交流を発生させることができる。
更に、残留電荷出力手段は、上記接続点に接続された第1電荷保持用コンデンサと、第1電荷保持用コンデンサに蓄積された電荷が転送される第2電荷保持用コンデンサと、第2電荷保持用コンデンサから入力側コンデンサの一端に電荷を転送するよう、これらの間に順方向接続された残留電荷転送用ダイオードとを備えることが好ましい。第2半導体スイッチが最初にOFFする場合には、第1電荷保持用コンデンサに電荷を蓄積しておき、これを第2電荷保持用コンデンサに転送すれば、次に第2半導体スイッチをOFFする際には、第2電荷保持用コンデンサに蓄積された電荷を出力すると共に、第1電荷保持用コンデンサに電荷を新たに蓄積することができ、これらの状態切替の周波数を高めることができ、単位時間当りの電力伝送効率を高め、装置を小型化することができる。
また、残留電荷出力手段は、上記接続点にアノードが接続された第1ダイオードと、第1ダイオードのカソードと入力側コンデンサの他端との間に介在する第1電荷保持用コンデンサと、ダイオードのカソードに、アノードが接続された第2ダイオードと、ダイオードのカソードに一端が接続された部分共振用コイルと、部分共振用コイルの他端と、第2半導体スイッチの上記接続点側の一端との間に接続された第2電荷保持用コンデンサと、部分共振用コイルの他端にアノードが接続され、入力側コンデンサの一端にカソードが接続された残留電荷転送用ダイオードと、を備えることが好ましい。
第1ダイオードを介して第1電荷保持用コンデンサに入力された電荷は、第2ダイオード、部分共振用コイルを介して、第2電荷保持用コンデンサに流入することができるが、第1ダイオードを逆方向に流れることはできない。ここで、第1電荷保持用コンデンサ、第2ダイオード、部分共振用コイル、第2電荷保持用コンデンサは、部分共振回路を構成し、第2電荷保持用コンデンサに電荷が転送されるが、第2ダイードは逆流防止用ダイオードとしても機能するため、好適に第2電荷保持用コンデンサに電荷が蓄積される。この蓄積された電荷は、第2半導体スイッチをOFFすることで、第1電荷保持用コンデンサの電位が上昇し、したがって、第2半導体スイッチの上記接続点側の電位が上昇することで、容易に残留電荷転送用ダイオードを介して放出される。
また、本発明の双方向コンバータは、入力側コンデンサの後段に設けられた絶縁型の双方向フルブリッジ回路を更に備えることを特徴とする。上述の構造に絶縁型の双方向フルブリッジ回路を備えると、スイッチング・ロスの少ない双方向コンバータとして機能させることができる。
本発明の双方向コンバータによれば、スイッチング・ロスが少ない電力伝送を行うことができる。
以下、実施の形態に係る双方向コンバータについて説明する。なお、説明において、同一要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
図1は、実施の形態に係る双方向コンバータのブロック図である。
双方向コンバータは、順方向電力伝送を行う場合、商用電源10から出力される交流電圧が正の期間において、この電圧を第1昇圧コンバータ1Cによって昇圧し、交流電圧が負の期間(極性反転期間)において、この電圧を第2昇圧コンバータ2Cによって昇圧する。第1昇圧コンバータ1C及び第2昇圧コンバータ2Cの直流出力電圧は、インバータ回路3によって方形波電圧に変換され、この方形波電圧がトランスT1の1次側コイルに入力されることにより、トランスT1の2次側コイルに誘起した電流は、トランスT1の後段に設けられた整流回路4によって整流され、コンデンサやコイルなどの平滑回路5によって平滑化され、負荷としての2次電池6に供給される。なお、第1昇圧コンバータ1C及び第2昇圧コンバータ2Cのスイッチングは、これらに付属するソフト・スイッチング回路1S,2Sによってそれぞれ行われ、スイッチング時の電力損失が低減されている。
一方、逆方向電力伝送を行う場合、2次電池6の出力端間に接続された平滑回路5のコンデンサ両端間の電圧は、インバータ回路4によって方形波電圧に変換され、この方形波電圧が、トランスT1の前述の2次側コイル(逆方向電力伝送の場合は1次側コイル)に入力され、トランスT1の前述の1次側コイル(逆方向電力伝送の場合は2次側コイル)に誘起した電流は、トランスT1の前段に設けられた整流回路3によって整流され、昇圧コンバータに設けられたコンデンサなどによって平滑化され、交流負荷10に供給される。
なお、上述の回路3,4,5及びトランスT1は、絶縁型の双方向フルブリッジ回路20を構成している。また、第1昇圧コンバータ1C、第2昇圧コンバータ2C、絶縁型の双方向フルブリッジ回路20のスイッチングは、制御回路30によって行われる。上述のように、本実施形態の双方向コンバータは、順方向電力伝送によるバッテリBATT1の充電動作と、逆方向電力伝送によるバッテリBATT1の放電動作を行うことができる。以下、詳説する。
図2は、双方向コンバータの回路図である。
以下の図面において、図中の太い矢印は電流の流れる向きを示している。また、同図は、充電動作時の様子が示されている。
この双方向コンバータは、図1に示した電源10を交流電源ACINから構成し、第1昇圧コンバータ1CをコイルL1、半導体スイッチTr1,Tr2及びコンデンサC2から構成し、第2昇圧コンバータ2CをコイルL2、半導体スイッチTr3,Tr4及びコンデンサC2から構成し、インバータ回路3を半導体スイッチTr5,Tr6,Tr7,Tr8から構成し、整流回路4を半導体スイッチTr9,Tr10,Tr11,Tr12から構成し、平滑回路5をコンデンサC3から構成している。なお、コンデンサC2は、各昇圧コンバータにとっての共通コンデンサである。
なお、半導体スイッチTr1〜Tr12はIGBT(絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタ)からなり、それぞれのバイポーラトランジスタに並列に接続されたフリー・ホイール・ダイオードを内蔵しているが、通常の電界効果トランジスタ(FET)から構成することも可能である。
交流電源ACINのある時刻における正極はコイルL1に接続され、同時刻における負極がコイルL2に接続され、コイルL1とコイルL2の出力端間にコンデンサC1が接続されている。コンデンサC1の一端は、第1の半導体スイッチTr1を介してコンデンサC2の一端に接続され、コンデンサC1の他端は、コイルL5及び半導体スイッチTr4を介してコンデンサC2の他端に接続されている。
図1に示した第1のソフト・スイッチング回路1Sは、半導体スイッチTr1と半導体スイッチTr2との間に介在したコイルL3、コイルL3と半導体スイッチTr2のコレクタ側の接続点と、半導体スイッチTr2のエミッタとの間に介在するダイオードD1及びコンデンサC4と、コンデンサC4と半導体スイッチTr2のコレクタとの間に介在するダイオードD2、コイルL4、コンデンサC5と、コンデンサC5と半導体スイッチTr1のコレクタとの間に介在するダイオードD3を有している。
同様に、コンデンサC1のコイルL2側の一端は、第3の半導体スイッチTr3を介してコンデンサC2の一端に接続され、コンデンサC1の他端は、第4の半導体スイッチTr4を介してコンデンサC2の他端に接続されている。
図1に示した第2のソフト・スイッチング回路2Sは、半導体スイッチTr3と半導体スイッチTr4との間に介在したコイルL5、コイルL5と半導体スイッチTr4のコレクタ側の接続点と、半導体スイッチTr4のエミッタとの間に介在するダイオードD4及びコンデンサC6と、コンデンサC6と半導体スイッチTr4のコレクタとの間に介在するダイオードD5、コイルL6、コンデンサC7と、コンデンサC7と半導体スイッチTr3のコレクタとの間に介在するダイオードD6を有している。
次に、コンデンサC2の後段に設けられたインバータ回路3について説明する。
コンデンサC2の両端間には、半導体スイッチTr5,Tr6が順次介在しており、これらの半導体スイッチTr5,Tr6の接続点はトランスT1の1次側コイルの一端に接続されている。コンデンサC2の両端間には、半導体スイッチTr7,Tr8が順次介在しており、これらの半導体スイッチTr7,Tr8の接続点はトランスT1の1次側コイルの他端に接続されている。
次に、トランスT1の後段に設けられた整流回路4及び平滑回路5について説明する。
トランスT1の2次側コイルの一端は、半導体スイッチTr9,Tr10の接続点に接続されており、これらの半導体スイッチTr9,Tr10は、平滑回路5を構成するコンデンサC3の両端間に順次接続されている。トランスT1の2次側コイルの他方は、半導体スイッチTr11,Tr12の接続点に接続されており、これらの半導体スイッチTr11,Tr12は、平滑回路5を構成する出力側コンデンサC3の両端間に順次接続されている。出力側コンデンサC3の両端は、2次電池を構成するバッテリBATT1の両端にそれぞれ接続されている。
なお、各ダイオードの極性は図示の通りであり、バッテリBATT1の正極側に各半導体スイッチTr1〜Tr12のカソードが位置し、負極側にアノードが位置し、また、半導体スイッチ間の接続点にダイオードD1,D4のアノードが接続され、この接続点にダイオードD3、D6のアノードがコンデンサC5,C7を介して接続され、半導体スイッチTr2,Tr4のエミッタに、コンデンサC4,C6を介してダイオードD2,D5のアノードが接続されている。
充電時においては、昇圧コンバータを構成する半導体スイッチTr1、Tr3はOFFであり、半導体スイッチTr4はONであり、半導体スイッチTr2は所定の繰り返し周波数でON/OFFを繰り返す。交流電源ACINの正極から流れ出した電流は、半導体スイッチTr2がONの場合にコイルL1に蓄積され、OFFの場合にコイルL1から放出される。コイルL1から放出された電流は、半導体スイッチTr1に付属のダイオードを順方向に流れて、コンデンサC2に至る。この電流は、コンデンサC2を介して、半導体スイッチTr4を通り、コイルL2を通って、交流電源ACINの負極に帰還する。コンデンサC2の両端には、直流電圧が発生する。
コンデンサC2の両端間に発生した電圧は、インバータ回路3、トランスT1、整流回路4及び平滑回路5からなるDC/DCコンバータによって変換され、平滑回路5の出力電圧はバッテリBATT1に印加される。
インバータ回路3においては、期間T1において、半導体スイッチTr5及びTr8が原則的には同時にONし、残りの半導体スイッチTr7及びTr6が同時にOFFする。期間T2において、半導体スイッチTr5及びTr8が原則的には同時にOFFし、残りの半導体スイッチTr7及びTr6が同時にONする。これらの期間T1及び期間T2は、完全に独立させることもできるが、一部分を重複させてもよく、また、半導体スイッチTr5及びTr8のONのタイミングが一部分のみで重複し、半導体スイッチTr7及びTr6のONのタイミングが一部分のみで重複してもよい。このような位相シフト駆動を用いたソフト・スイッチングにより、より精密で伝達損失の少ない電力伝送が可能となる。
トランスT1の1次側コイルには周期的に電流の向きが変わる交流が流れ、これに応じてトランスT1の2次側コイルに電流が誘起する。2次側コイルの接続された整流回路4は、半導体スイッチTr9〜Tr12から構成されている。半導体スイッチTr9〜Tr12は、充電時においては全てOFFとしておき、これらに付属のダイオードにより整流を行わせる。ある期間においては、半導体スイッチTr9及びTr12に付属のダイオードに順方向電流が流れ、別の期間においては、半導体スイッチTr10及びTr11に付属のダイオードに順方向電流が流れ、コンデンサC3によって平滑化され、コンデンサC3の両端間電圧がバッテリBATT1に与えられる。
図3は、交流電源ACINの極性が反転した場合の動作を説明するための双方向コンバータの回路図である。
交流電源ACINの正極にコイルL2が接続され、負極にコイルL1が接続されている。半導体スイッチTr1及びTr3はOFFであり、半導体スイッチTr2はOnであり、半導体スイッチTr4は所定の繰り返し周波数でON/OFFを繰り返す。交流電源ACINからコイルL2に向けて電流が流れ出すが、半導体スイッチTr4がONの場合、コイルL2にエネルギーが蓄積され、半導体スイッチTr4がOFFの場合、コイルL2からエネルギーが放出される。コイルL2から放出された電流は、半導体スイッチTr3の付属のダイオードを介してコンデンサC2の一端に流れ込む。コンデンサC2の他端から流れる電流は、半導体スイッチTr2及びコイルL3及びL1を通って、交流電源ACINの負極に帰還する。
コンデンサC2の両端間には、直流電圧が発生するが、コンデンサC2よりも後段のインバータ回路3,整流回路4及び平滑回路5の動作は、図2において説明した場合と同一である。
図4及び図5は、逆方向電力伝送の場合の動作を説明するための双方向コンバータの回路図である。交流電源に代えて負荷RLがコンデンサC1の両端間にコイルL1,L2を介して接続されている。図4の状態と、図5の状態とは、半導体スイッチTr1〜Tr4のON/OFF状態が反対であり、これらの状態は、前述の交流電源の繰り返し周波数で切り替わる。
バッテリBATT1の正極から流れ出した電流は、前述の整流回路4の機能が変更してなるインバータ回路4に流れ込む。インバータ回路4の動作は、インバータ回路3の動作と同一であり、インバータ回路4における半導体スイッチTr9〜Tr12の動作は、インバータ回路3における半導体スイッチTr5〜Tr8の動作と同一である。トランスT1の1次側コイルと2次側コイルの機能は入れ替わり、トランスT1によって電力伝送される。
トランスT1の負荷RL側のコイルに誘起した電流は、インバータ回路3の機能が変更してなる整流回路3によって整流される。整流回路3の動作は、前述の整流回路4の動作と同一であり、整流回路3における半導体スイッチTr5〜Tr8の動作は、前述の整流回路4における半導体スイッチTr9〜Tr12の動作と同一であり、コンデンサC2には脈流の電流が流れ込み、その両端には直流電圧が発生する。
コンデンサC2に蓄積された電荷は、期間A(図4)においては、コンデンサC2の一端から負荷RLに向かって流れ出し、ON状態の半導体スイッチTr1、コイルL1を通って負荷RLの正極側に至り、負荷RLの負極側からコイルL2、ON状態の半導体スイッチTr4を通ってコンデンサC2の他端に帰還する。半導体スイッチTr2,Tr3はOFFのままである。
また、コンデンサC2に蓄積された電荷は、期間B(図5)においては、コンデンサC2の一端から、ON状態の半導体スイッチTr3、コイルL2を通って反転した負荷RLの正極側に至り、負荷RLの負極側からコイルL1、ON状態の半導体スイッチTr2を通ってコンデンサC2の他端に帰還する。半導体スイッチTr1,Tr4はOFFのままである。
なお、転換したインバータ回路4のスイッチング周波数は100kHz程度であり、図4及び図5の状態を切り換えるスイッチング周波数は50Hz程度である。また、インバータ回路4の駆動方式として、一方組の半導体スイッチTr9,Tr12をOFFしている期間において、他方組の半導体スイッチTr10,Tr11をOFFし、すなわち、双方組の半導体スイッチをOFFしてもよい。また、半導体スイッチTr9,Tr12のOFF期間(隣接するON期間の間隔)Tは、出力が脈流となるように経時的に変化してもよい。また、半導体スイッチTr10,Tr12のOFF期間(隣接するON期間の間隔)Tは、出力が脈流となるように経時的に変化してもよい。換言すれば、各半導体スイッチの駆動パルスの繰り返し周波数が時間に対して正弦波を描くように変化してもよく、これにより電力伝送損失を抑制することができる。
以下、昇圧コンバータの動作中(充電時)におけるソフト・スイッチングの動作について、図6〜図11を参照して説明する。なお、以下の説明において、電位VA、コンデンサC4の両端間電圧VC4、半導体スイッチTr2を流れる電流Itr2、電位VB、コンデンサC5の両端間電圧VC5、ダイオードD3を流れる電流ID3は、図12のタイミングチャートに示されている。
(PHASE1)
図6は、昇圧コンバータ動作中(充電時)の第1期間(PHASE1)(コンデンサC5には電荷が保持されていない状態)における回路動作を説明するための回路図である。
昇圧コンバータ1Cは、一対の半導体スイッチTr1,Tr2と、コイルL1と、電源ACINの両端間に接続された直流電圧発生用の入力側コンデンサC2とを備えている。半導体スイッチTr1,Tr2はIGBTからなり、それぞれのバイポーラトランジスタは、これらに並列に接続されたフリー・ホイール・ダイオードDX、DYを内蔵している。PHASE1においては、一方の半導体スイッチTr1はOFFのままであり、ダイオードDXのみが機能している。他方の半導体スイッチTr2は、交流電源ACINの周波数(例:50Hz)よりも高い周波数(例:100kHz)でスイッチングされる。
この昇圧コンバータ1Cは昇圧チョッパであり、半導体スイッチTr2がONのときに、電源ACINの後段に接続されるコイルL1に、エネルギーが蓄積され、半導体スイッチTr2がOFFのときにコイルL1に蓄積されたエネルギーが放出され、このエネルギーは後段のコンデンサC2に蓄積される。スイッチング周波数を高くすると、同じ大きさの電力を伝送するのに必要なコイルL1の大きさを小さくすることができる。
第1期間(PHASE1)においては、半導体スイッチTr2が、ON状態からOFF状態になるとき、コイルL1及びのコイルL3に流れていた電流により生じる励磁エネルギーは、ダイオードD1を介して第1電荷保持用コンデンサC4に電界エネルギーとして流れ込む。コンデンサC4には、スイッチングによって生じた電荷が一時的に蓄積され、コンデンサC4の両端間電圧が増加する。これにより、半導体スイッチTr2の両端間に印加される電圧、すなわち、半導体スイッチTr2のコイルL3側の電位VAは0Vより徐々に増加し、ゼロボルトスイッチング(ZVS)動作が行われる。これはソフト・スイッチングである。半導体スイッチTr2における消費電力は、トランジスタTr2を流れる電流Itr2×電圧(半導体スイッチTr2のコレクタ電位VA)であるため、電流Itr2が十分に小さくなってから電位VAが増加することで、PHASE1の期間におけるトータルの消費電力は十分に小さくなる。
図12に示されるように、第1期間(PHASE1)における電位VAの増加率は小さくなっている一方で、電流Itr2は急激に減少している。なお、第1期間(PHASE1)の直後のPHASE1.5において、ダイオードD3を流れる電流が増加している旨が示されているが、これは周期的な繰り返し制御を行う場合には、上記の説明とは異なりコンデンサC5には電荷が蓄積されるためである。
(PHASE2)
図7は、昇圧コンバータ動作中(充電時)の第2期間(PHASE2)における回路動作を説明するための回路図である。
第2期間(PHASE2)においては、半導体スイッチTr2が完全にOFF状態となり、定常状態に移行する。このとき、半導体スイッチTr1に付属の昇圧用ダイオードDXに印加される電圧も、入力側コンデンサC2の電位による逆バイアス電圧から、徐々に順電圧に変化するため、ソフト・スイッチングが行われる。このとき、コイルL3に蓄積されたエネルギーは無くなる。なお、第1電荷保持用コンデンサC4には電荷が蓄積されたままである。
(PHASE3)
図8は、昇圧コンバータ動作中(充電時)の第3期間(PHASE3)における回路動作を説明するための回路図である。
続いて、第3期間(PHASE3)において、半導体スイッチTr2が、OFF状態からON状態になるとき、第1電荷保持用コンデンサC4に蓄積されていた電界エネルギー(電荷)は、逆流防止用ダイオードD2、及び部分共振用コイルL4を介して、第2電荷保持用コンデンサC5に流れ込む。
このとき、第1電荷保持用コンデンサC4、第2電荷保持用コンデンサC5、部分共振用コイルL4、及び逆流防止用ダイオードD2は、部分共振回路を構成し、共振動作を開始する。第1電荷保持用コンデンサC4に蓄積されていた電界エネルギー(電荷)が、第2電荷保持用コンデンサC5に流れ込み始め、第2電荷保持用コンデンサC5の両端間の電圧VC5が大きくなる。第1電荷保持用コンデンサC4に蓄積された電荷が、第2電荷保持用コンデンサC5に全て流れ込んだ時点で、逆流防止用ダイオードD2がOFF状態になり、共振が停止し、第4期間(PHASE4)に入る。
このとき、半導体スイッチTr2に流れ込む電流Itr2は、コイルL4に流れる電流と等しくなるため、電流Itr2はコイルL4のインダクタンスに逆比例した値で上昇する。電流Itr2は、徐々に増加するため、ソフト・スイッチング動作が行われ、半導体スイッチTr2における消費電力が抑制される。
(PHASE4)
図9は、昇圧コンバータ動作中(充電時)の第4期間(PHASE4)における回路動作を説明するための回路図である。
半導体スイッチTr2がON状態となり、コイルL1にエネルギーが蓄積され、コイルL3にも電流が流れる。第4期間(PHASE4)は、第1期間(PHASE1)の直前の状態であるが、第2電荷保持用コンデンサC5には、電荷が蓄積されたままである。
(PHASE1’)
図10は、昇圧コンバータ動作中(充電時)の第1期間(PHASE1’)(コンデンサC5に電荷を保持した状態)における回路動作を説明するための回路図である。
半導体スイッチTr2はON状態からOFF状態となり、したがって、コイルL1からエネルギーが放出されようとする。半導体スイッチTr2がOFFとなることにより、コンデンサC4には、コイルL3及びダイオードD1を介して電荷が流れ込み、コンデンサC4の両端間電圧が増加し、電位VAが上昇する。
なお、昇圧用ダイオードDXに印加される電圧も順方向電圧から徐々に逆方向電圧になるため、ソフト・スイッチングが行われる。
(PHASE1.5’)
図11は、昇圧コンバータ動作中(充電時)の第1.5期間(PHASE1.5’)(コンデンサC5、C4に電荷を保持した状態)における回路動作を説明するための回路図である。
PHASE1.5’において、再び半導体スイッチTr2がOFF状態になると、第2電荷保持用コンデンサC5とコイルL4との間の節点の電位VBは、コンデンサC5における電荷の蓄積よって、電位VAよりも高くなっているため、電位VBが、電位VAよりも早く、コンデンサC2の上端側電位よりも高くなる。電位VB(コンデンサC5の高レベル側電位)が残留電荷転送用ダイオードD3の動作閾値を越えると、これらの間に順方向接続された残留電荷転送用ダイオードD3がONし、コンデンサC5に蓄積された電界エネルギー(電荷)が入力側コンデンサC2及びバッテリBATT1に流れ込む。
コイルL3と半導体スイッチTr2の接続点の電位VAは、ダイオードD1が順方向になるまで上昇するので、コンデンサC5の電界エネルギー(電荷)は全てコンデンサC2及びバッテリBATT1に流れ込むことになる。
以上、述べたように、コンデンサC4及びコンデンサC5に蓄積された電界エネルギーは、半導体スイッチTr2のON/OFF周期の間に元の状態に戻るので、上述したソフト・スイッチング動作も半導体スイッチTr2のON/OFF周期毎に確実に行われる。これはコイルL1に流れる電流が連続であろうと、不連続であろうと変わることはない。
なお、コンデンサC5に蓄積された電荷をコンデンサC2に転送した後、コンデンサC4に蓄積されている電荷は、上述のように、再びコンデンサC5に蓄積され、しかる後、再びコンデンサC2に転送される。
以上の動作は、第1昇圧コンバータ1Cの動作であり、動作に本質的関係のないコイルL2の機能は省略されている。第2昇圧コンバータ2Cは、電源ACINの出力電圧の極性が反転したときに第1昇圧コンバータ1Cと同一動作を行うものであり、第1昇圧コンバータ1Cの半導体スイッチTr1,Tr2、コイルL1,L3,L4、ダイオードD1,D2,D3、コンデンサC4,C5を、それぞれ、半導体スイッチTr3,Tr4、コイルL2,L5,L6、ダイオードD4,D5,D6、コンデンサC6,C7に読み替えた動作を行う。なお、コイルL1とコイルL2の出力側の端子間にはコンデンサC1が介在している。
以上、説明したように、上述の双方向コンバータは、2つの入力端子と2つの出力端子とを有し、入力端子間に入力された電力を順方向伝送して出力端子間に出力し、出力端子から入力された電力を逆方向伝送して入力端子間に出力させる双方向コンバータである。そして、入力端子間には少なくとも1つの昇圧コンバータ1Cが接続され、昇圧コンバータ1Cは、入力端子の一方に接続されたコイルL1と、コイルL1に順方向接続されるダイオードDXを含む第1半導体スイッチTr1を介して一端が接続され、コイルL1と第1半導体スイッチTr1の接続点に、電力の順方向伝送時には、所定の繰り返し周波数でON及びOFFされる第2半導体スイッチTr2を介して他端が接続された入力側コンデンサC2と、上記接続点と、入力側コンデンサC2の一端との間に介在する残留電荷出力手段(D3,C5,L4,D2,C4,D1)とを備え、残留電荷出力手段は、第2半導体スイッチTrをOFFする際に、内部に既に蓄積された電荷を入力側コンデンサC2に出力し、コイルL1,L3から転送される新たな電荷を内部に蓄積する。
この双方向コンバータは、絶縁型の双方向フルブリッジ回路20と、コイルと、コンデンサと、少なくとも2つの半導体スイッチTr1,Tr2(Tr3,Tr4)とで構成された昇圧コンバータ1C、2Cと、各々の回路中の半導体スイッチTr1,Tr2(Tr3,Tr4)を制御する制御回路30を備えており、昇圧コンバータ1C、2Cを構成する2つの半導体スイッチTr1,Tr2(Tr3,Tr4)の内、1つの半導体スイッチTr2(Tr4)にソフト・スイッチング回路を設けてある。
上述の双方向コンバータを、充電器として使用するとき、前述の昇圧コンバータ1C,2Cは力率改善回路として動作し、ここで昇圧された電圧は絶縁型の双方向フルブリッジ回路20を介してバッテリBATT1を充電する。このときバッテリBATT1を充電する目標電圧が、入力される商用電源の最大値より小さいときは、図1に示した絶縁型の双方向フルブリッジ回路20は降圧コンバータとして動作させる。入力される商用電源の極性が正のとき、または負の時に、昇圧コンバータ1C,2Cの一方をそれぞれ選択することにより、同期整流を行うことができる。このとき、絶縁型の双方向フルブリッジ回路20は位相シフト動作によりソフト・スイッチングを行うことが好ましい。
一方、双方向コンバータをACアウトレットとして使用するとき、前述の昇圧コンバータ1C,2Cを構成する半導体スイッチTr1〜Tr4は出力電圧の極性を切り替えるスイッチとして、商用電源に求められる周期、例えば50HzでON/OFFする。また、絶縁型の双方向フルブリッジ回路20は、降圧コンバータとして動作させ、バッテリBATT1からの直流電力を正弦波出力に変換して出力することができる。
このときの絶縁型の双方向フルブリッジ回路20は位相シフト動作によりソフト・スイッチングを行う。また昇圧コンバータ1C,2Cを構成する半導体スイッチTr1〜Tr4は例えば50Hzの周期でON/OFFされるので、スイッチング・ロスは無視できる値になる。
また、前述のソフト・スイッチングを行うために、昇圧コンバータ1C,2Cは、商用電源の正極に一端が接続されたコイルL1、L2と、コイルL1,L2の他端にアノードが接続された昇圧用ダイオードDXとを備えており、双方の昇圧用ダイオードDXのカソードをバッテリBATT1の正極に接続し、双方の昇圧用ダイオードDXとバッテリBATT1の接続点とバッテリBATT1の負極の間に直流電圧発生用の入力側コンデンサC2を接続し、バッテリBATT1と商用電極ACINの負極を接続している。
また、上述の例では、コイルL1、L2と、双方の昇圧用ダイオードDXの接続点に、コイルL3,L5の一端を接続し、コイルL3,L5の他端に半導体スイッチTr2(Tr4)の一端を接続し、半導体スイッチTr2(Tr4)の他端を電源ACINの負極に接続している。同時に、コイルL3(L5)と半導体スイッチTr2(Tr4)の接続点に、ダイオードD1(D4)のアノードを接続し、ダイオードD1(D4)のカソードを第1電荷保持用コンデンサC4(C6)の一端に接続し、第1電荷保持用コンデンサC4(C6)の他端を負極に接続している。更に、ダイオードD1(D4)と第1電荷保持用コンデンサC4(C6)の接続点に、逆流防止用ダイオードD2(D5)のアノードを接続し、逆流防止用ダイオードD2(D5)のカソードに部分共振用コイルL4(L6)の一端を接続し、部分共振用コイルL4(L6)の他端に第2電荷保持用コンデンサC5(C7)の一端を接続し、第2電荷保持用コンデンサC5(C7)の他端は、コイルL3(L5)と半導体スイッチTr2(Tr4)の接続点N1に接続している。
また、コイルL4(L6)とコンデンサC5(C7)の接続点に、残留電荷転送用ダイオードD3(D6)のアノードを接続し、残留電荷転送用ダイオードD3(D6)のカソードを双方の昇圧用ダイオードDXのカソードとバッテリBATT1の接続点に接続している。
上述の双方向コンバータによれば、高効率なコンバータが実現できる。また、昇圧コンバータの半導体スイッチは、コイルL3,L5に流れる電流がゼロでない場合においてもOFFすることができ、また、従来のような補助の半導体スイッチを用いることがなく、制御の簡素化が可能である。更に、昇圧コンバータにトランスを用いることもないので、そのコイルにより力率改善回路に好適な金属磁性粉を固めたものを使用することもできる。また、双方向動作を実現するのに絶縁型の双方向フルブリッジ回路20を用いることにより、ソフト・スイッチング回路の簡略化を図ることができる。入力側コンデンサC2の後段に絶縁型の双方向フルブリッジ回路20を設けることで、スイッチング・ロスの少ない双方向コンバータとして機能させることができる。
また、第2半導体スイッチTr2が最初にOFFする場合には、第1電荷保持用コンデンサC4に電荷を蓄積しておき、これを第2電荷保持用コンデンサC5に転送しているので、次に第2半導体スイッチTr2をOFFする際には、第2電荷保持用コンデンサC5に蓄積された電荷を出力すると共に、第1電荷保持用コンデンサC4に電荷を新たに蓄積することができ、これらの状態切替の周波数を高めることができる。したがって、単位時間当りの電力伝送効率を高め、装置を小型化することができる。
Tr1〜Tr12・・・半導体スイッチ、L1〜L6・・・コイル、20・・・絶縁型の双方向フルブリッジ回路、T1・・・トランス、1C,2C・・・昇圧コンバータ、1S,2S・・・ソフト・スイッチング回路。
Claims (6)
- 2つの入力端子と2つの出力端子とを有し、前記入力端子間に入力された電力を順方向伝送して前記出力端子間に出力し、前記出力端子から入力された電力を逆方向伝送して前記入力端子間に出力させる双方向コンバータであって、
前記入力端子間に接続された少なくとも1つの昇圧コンバータを有し、
前記昇圧コンバータは、
前記入力端子の一方に接続されたコイルと、
前記コイルに第1半導体スイッチを介して一端が接続され、前記コイルと前記第1半導体スイッチの接続点に、電力の順方向伝送時には、所定の繰り返し周波数でON及びOFFされる第2半導体スイッチを介して他端が接続された入力側コンデンサと、
前記接続点と、前記入力側コンデンサの一端との間に介在する残留電荷出力手段と、
を備え、
前記残留電荷出力手段は、前記第2半導体スイッチをOFFする際に、内部に既に蓄積された電荷を前記入力側コンデンサに出力することを特徴とする双方向コンバータ。 - 前記残留電荷出力手段は、前記第2半導体スイッチをOFFする際に、前記コイルから転送される新たな電荷を内部に蓄積することを特徴とする請求項1に記載の双方向コンバータ。
- 前記昇圧コンバータの数は2つであり、これらの昇圧コンバータは、前記入力側コンデンサを共通コンデンサとし、それぞれの前記昇圧コンバータの前記接続点は、2つの前記入力端子にそれぞれ接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の双方向コンバータ。
- 前記残留電荷出力手段は、
前記接続点に接続された第1電荷保持用コンデンサと、
前記第1電荷保持用コンデンサに蓄積された電荷が転送される第2電荷保持用コンデンサと、
前記第2電荷保持用コンデンサから前記入力側コンデンサの一端に電荷を転送するよう、これらの間に順方向接続された残留電荷転送用ダイオードと、
を備えることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の双方向コンバータ。 - 前記残留電荷出力手段は、
前記接続点にアノードが接続された第1ダイオードと、
前記第1ダイオードのカソードと前記入力側コンデンサの他端との間に介在する第1電荷保持用コンデンサと、
前記ダイオードのカソードに、アノードが接続された第2ダイオードと、
前記ダイオードのカソードに一端が接続された部分共振用コイルと、
前記部分共振用コイルの他端と、前記第2半導体スイッチの前記接続点側の一端との間に接続された第2電荷保持用コンデンサと、
前記部分共振用コイルの他端にアノードが接続され、前記入力側コンデンサの一端にカソードが接続された残留電荷転送用ダイオードと、
を備えることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の双方向コンバータ。 - 前記入力側コンデンサの後段に設けられた絶縁型の双方向フルブリッジ回路を更に備えることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の双方向コンバータ。
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JP2008192634A JP2010035286A (ja) | 2008-07-25 | 2008-07-25 | 双方向コンバータ |
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JP2008192634A JP2010035286A (ja) | 2008-07-25 | 2008-07-25 | 双方向コンバータ |
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JP2011250598A (ja) * | 2010-05-27 | 2011-12-08 | Diamond Electric Mfg Co Ltd | 電源装置とこれを利用する充電器 |
-
2008
- 2008-07-25 JP JP2008192634A patent/JP2010035286A/ja not_active Withdrawn
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