JP2010035155A - 機械電気変換素子及び機械電気変換装置の製造方法 - Google Patents

機械電気変換素子及び機械電気変換装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 被処理基板のハンドリング時や加工時にメンブレンが破損する確率を低下し、ハンドリング部材を被処理基板から迅速に除去する。
【解決手段】 本発明において、ハンドリング部材には、素子と固定する面に、素子と固定された状態で外部と連通する流路の一部を構成する溝が形成される。振動膜の劈開方向と、ハンドリング部材の溝のエッジ方向とが交差するように、ハンドリング部材を固定する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、機械電気変換素子及び機械電気変換装置の製造方法に関する。
近年、マイクロマシンニングを用いた機械電気変換素子の研究が盛んに行われている。中でも容量型の機械電気変換素子は、軽量の薄膜を用いて超音波等の弾性波を送信、又は受信するデバイスであり、液中および空中でも広帯域特性が容易に得られるため、従来の医用診断モダリティより高精度な超音波診断が有望な技術と注目されつつある。
この容量型機械電気変換素子は、基板と、振動膜である薄膜と、振動膜支持部とを備えたセルが複数形成されて電気的に接続された素子(エレメント)からなる。そして、この機械電気変換素子となる被処理基板に、集積回路を電気的に接合することで機械電気変換装置を作製する。しかし、被処理基板自体が薄く、機械強度が低いため、製造時のハンドリングや加工により壊れやすいという難点があった。またこの被処理基板は、エレメント毎に信号を検出するため、振動膜が形成された面の裏面の一部を切削、研磨、エッチング等によって除去して凹部を形成するトレンチ加工を行うことがある。このトレンチ加工を行うことで、下部電極をエレメント毎に分離することができるが、被処理基板は基板自体も薄く、トレンチ加工部はさらに薄くなるため、被処理基板のみではさらなる裏面加工を行うことも困難であった。
そこで、非特許文献1では、振動膜の保護と被処理基板自体の強度向上のために、石英基板をハンドリング用の部材として用い、被処理基板の振動膜側の表面にドライフィルムを介して固定している。その後、石英基板との固定面の裏面にトレンチ加工と下部電極の作製を行い、集積回路と電気的に接合させるフリップチップ接合をする。最後にハンドリング用として用いた石英基板を除去し素子表面を露出させることで、容量型機械電気変換装置を製造している。
また、特許文献1では、機械電気変換素子とは異なるが、ハンドリング部材に流路を設けて被処理基板を支持し、被処理基板の裏面加工等を行う基板処理方法が開示されている。このハンドリング部材の流路上には金属層を形成することで、ハンドリング部材除去の際、金属を溶解する酸またはアルカリ性の溶解液を流路に供給し、被処理基板からハンドリング部材を分離している。
Sensors and Actuators A 138(2007)221−229
特開2007−188967号公報
非特許文献1では、平坦な石英基板をハンドリング部材として用い、被処理基板にドライフィルム(接着剤)を介して固定している。そのため、ハンドリング部材を除去する際に、接着面にアセトンを行き渡らせて分離しようとすると、アセトンが接着面の中心部まで浸透できずハンドリング部材を除去できない場合や、接着剤の膨潤により振動膜が破損する場合があった。機械研摩によってハンドリング部材を除去した場合は、緻密な制御が必要な上、時間がかかる。
また、特許文献1では、ハンドリング部材に流路を設けているが、被処理基板の素子との関係で流路形状やハンドリング部材の固定する方向を考慮していない。劈開性のある振動膜を有する被処理基板の場合は、このハンドリング部材を固定したとしても、流路に直線状のエッジを含む場合、ハンドリング部材の固定方法によっては振動膜が破損する可能性がある。
そこで本発明では、流路に直線状のエッジを有する場合でも振動膜との関係からハンドリング部材の固定方向を規定することで、ハンドリング時や加工時に振動膜が破損する確率を低下することを目的とする。
本発明の機械電気変換素子の製造方法は、基板と、振動膜と、前記基板と前記振動膜との間に空隙が形成されるように前記振動膜を支持する振動膜支持部と、を備えた素子を有する機械電気変換素子の製造方法であって、前記素子の面のうち前記空隙を基準として前記振動膜側の面にハンドリング部材を固定する固定工程と、前記素子の面のうち前記振動膜側の面とは反対側の面を加工する裏面加工工程と、前記素子から前記ハンドリング部材を除去する除去工程と、を含み、前記ハンドリング部材は、前記素子と固定する面に直線状のエッジを含む溝を有し、前記固定工程において、前記溝は前記素子と固定された状態で外部と連通する流路の一部を構成し、前記振動膜の劈開方向と、前記ハンドリング部材の前記溝のエッジ方向とが交差するように、前記ハンドリング部材を固定することを特徴とする。
本発明によれば、ハンドリング時及び加工時の振動膜が破損する確率を低下することができるため、機械電気変換素子の製造歩留まりを向上することができる。
機械電気変換装置の基本構造の模式図 被処理基板の作製フロー模式図 機械電気変換装置の製造フロー模式図 機械電気変換素子のキャビティ形状の一例(上面図) 流路を設けたハンドリング部材の例 流路を設けたハンドリング部材の例(断面図) 金属層又は接着層を設けたハンドリング部材の例(断面図) メンブレンの{100}面の劈開方向と溝のエッジ方向の関係の一例 トレンチ加工後の状態の一例 除去工程の例 実施形態1で作製した被処理基板の模式図 実施形態1で作製したハンドリング部材の模式図 実施形態1における被処理基板とハンドリング部材の固定方向の模式図 実施形態2で作製した被処理基板の模式図 実施形態2で作製したハンドリング部材の模式図 実施形態2における被処理基板とハンドリング部材の固定方向の模式図 ハンドリング部材と被処理基板の固定断面図
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本発明の機械電気変換素子としては、上述の容量型機械電気変換素子に限られず、同様な構造をもつものであれば本発明を適用できる。例えば、歪み、磁場、光による検出方法を用いるものが挙げられる。
図1は機械電気変換装置の構造の一例である。図1(A)は、断面模式図であり、図1(B)は、上面模式図である。図1(B)のX−X’線での断面図が図1(A)である。図1(A)では、基板1の上に劈開性を有する振動膜であるメンブレン4と、メンブレン4を支持するメンブレン支持部2(すなわち振動膜支持部)がある。また、メンブレン4とメンブレン支持部2とによって空隙であるキャビティ3が形成されており、メンブレン4の上に上部電極5が形成されている。キャビティは、基板とメンブレンとの間に形成されていればよく、基板上にメンブレン支持部2の一部となるような絶縁膜が形成されていてもよい。基板とメンブレン支持部とが一体形成されている場合(基板に凹部を形成することによりキャビティの一部を形成している場合)も、メンブレンを支えている部分がメンブレン支持部となる。図1の場合、基板1とメンブレン4とメンブレン支持部2とキャビティ3と上部電極5と下部電極9とでセル27を構成する。上部電極5は、メンブレン4の上部、裏面、内部のうち、少なくとも一箇所に設けるか、若しくはメンブレン4自体を上部電極としても良い。セルが少なくとも一つ、又は二つ以上集まった電気的に結合された集合体を素子(エレメント6)という。エレメント6は一つの機械電気変換素子に、所望の配置で形成することができる。図1の場合、セル27が九つ集まったエレメント6が二つあることになる。エレメント6の領域は図1(B)の実線で囲まれた領域であって、エレメント6を構成するセルのうち、最外周を構成する各セルの最外壁で囲まれた領域である。そして各エレメントは他のエレメントとは電気的に分離されている。上部電極5の電位は全てのエレメントで共通であり、上部電極パッド20に繋がっている。基板1と下部電極層9からなる下部電極は、エレメント6毎にトレンチ28で分離することで電気的に分離されている。7はエレメントの幅を示している。各エレメント6の各セルが受信した機械的な振動は、エレメント毎に1つの電気信号に変換され、トレンチ28で分離された基板1と信号を取り出す為の下部電極層9から成る下部電極から電気接点であるバンプ10を経由して集積回路11に伝わる。上部電極5は、エレメント毎にアレイ状に設けられている。本発明においては、機械電気変換素子と集積回路とで機械電気変換装置を構成する。
図1(A)、(B)の、下部電極パッド8と上部電極パッド20及び上部電極に繋がる上部電極の配線の位置は、適宜所望の場所に設けることができる。
次に、図2を用いて、エレメントを有する機械電気変換素子となる被処理基板を作製する被処理基板作製工程の例を示す。図2では、一例として1セル1エレメントの作製方法を示す。
図2(A)のように、洗浄したシリコン基板12を用意する。次に図2(B)のように、シリコン基板12を熱酸化炉に入れ、熱酸化膜13を形成する。熱酸化膜13はキャビティが形成される部分(メンブレン支持部)となるため、熱酸化膜13の厚さは、10nm乃至4000nmの範囲が好ましく、20nm乃至3000nmの範囲がより好ましく、30nm乃至2000nmの範囲が最も好ましい。次に図2(C)のように、熱酸化膜13をパターニングする。次に図2(D)のように、第2回目の熱酸化工程を行い、薄い熱酸化膜の絶縁膜14を形成する。前記絶縁膜14の厚さは、絶縁を確保するため、1nm乃至500nmの範囲が好ましく、5nm乃至300nmの範囲がより好ましく、10nm乃至200nmの範囲が最も好ましい。以降の工程を簡潔に説明するため、前記図2(D)までの工程で完成した基板を、A基板15と呼ぶ。
次に、SOI(Silicon On Insulator)基板26を洗浄、準備する。SOI基板26は、シリコン基板(以下、ハンドリング層18という)と表面シリコン層(以下、デバイス層16という)との間に酸化膜(以下、BOX(Buried Oxide)層17という)を挿入した構造の基板である。このSOI基板のデバイス層16はメンブレンとなる部分である。超音波の送受信を行う機械電気変換素子としては、0.1MHz以上20MHz以下の周波数帯域が望まれ、前記周波数帯域を得ることのできるメンブレンの厚さとしては、ヤング率や密度等の関係から求められる。そのため、デバイス層16の厚さとしては、10nm乃至5000nmが好ましく、20nm乃至3000nmがより好ましく、30nm乃至1000nmの範囲が最も好ましい。
このSOI基板を図2(E)のように前記A基板15の上に熱酸化膜13とデバイス層16とが互いに接するように(内側になるように)位置合わせして接合すると、デバイス層16と熱酸化膜13とによりキャビティ3が形成される。前記接合工程の圧力条件は、大気中でも可能だが、キャビティ内に空気が存在すると、空気のクッション効果により、駆動時のメンブレンの変位が制限されてしまう為、真空雰囲気で行うことが好ましい。真空中で接合することにより、初期状態でメンブレンが撓み、駆動時のバイアス電圧が小さくて済む。真空で接合する場合、10Pa以下が好ましく、10Pa以下がより好ましく、1Pa以下が最も好ましい。
なお、SOI基板のデバイス層16と熱酸化膜13は熱処理により脱水縮合して接合する。そのため、前記接合工程の温度は室温より高い温度とするが、高過ぎると基板の組成変形が起こる可能性が考えられるため、1200℃以下の範囲が好ましく、80℃乃至1000℃がより好ましく、150℃乃至800℃が最も好ましい。
その後、前記接合される基板の全体表面にLPCVD SiN膜を成膜して、SOI基板側のハンドリング層18表面のLPCVD SiN膜のみをドライエッチング等の方法で除去する。次に加熱されたアルカリ性の液でハンドリング層18をウェットエッチングする。アルカリ性のエッチング液は、Si対SiOのエッチング選択比が非常に高いため(約100乃至10000の範囲)、前記ウェットエッチングが前記ハンドリング層18を選択的にエッチング除去して、BOX層17で止まる。その後、フッ酸を含む液を用いて、前記BOX層17をエッチングし、除去することで図2(F)の状態が形成される。ハンドリング層及びBOX層の除去方法としてはウェットエッチングが好ましいが、機械研摩やドライエッチング等の方法を用いても良い。
なお、大気圧より低い圧力下で接合する場合、大気圧により前記基板のデバイス層16が基板側に撓むように変形されて、凹型である状態になる。即ち、前記デバイス層16は特に外力を加えない状態で凹型のままであり、機械電気変換素子のメンブレン4となる。
次にキャビティの存在しない位置に、メンブレン4を構成するデバイス層16をドライエッチングでパターニングする。このパターニング用のフォトレジストを除去しないで直接酸化膜13をウェットエッチングでパターニングする。前記工程により図2(G)に示すように、エッチング穴19が形成される。穴の形成方法としては上記のようにウェットエッチングによって形成するのが好ましいが、機械研摩やドライエッチング等の方法を用いても良い。
次に電極用の金属膜を成膜してパターニングし、不図示の上部電極パッド及び、図2(H)に示す上部電極5、および下部電極パッド8を形成する。このようにして被処理基板21が作製できる。なお、上部電極パッド、下部電極パッドの位置は、所望の位置に設ければよく、図2(H)に示される位置に限らない。また、前記金属膜はAl、Cr、Ti、Au、Pt、Cuなどの金属を使用することができる。
超音波の送受信に用いる機械電気変換素子の場合、メンブレン4の撓みが数百nm以下であり、かつセルの寸法(例えば、メンブレン4の直径)が数十乃至数百μmである。このため、前記金属膜のパターニング工程の中にある露光プロセスにおいて、通常の露光装置の焦点深度よりもメンブレンの撓みが小さいことから、光回折などの露光ズレが生じることなく金属膜を設けることができる。
図2(H)に示すように、下部電極としてシリコン基板12を利用することができる。シリコン基板12を下部電極としない場合、導電性が高い下部電極を図1Aの基板1とキャビティ底面の間に、埋め込むことも可能である。また、メンブレンが絶縁材料の場合や、キャビティ底面に絶縁膜が形成されている場合は、キャビティ底面の上に下部電極を設けることも可能である。
メンブレン4にもう一層の絶縁膜、例えば、SiN、SiO、SiNO、Y、HfO、HfAlOなどの誘電材料のうち少なくとも一種からなる絶縁膜を設けて、さらにこの絶縁膜の上に上部電極を設置することも可能である。また、本実施形態ではメンブレン4はシリコンを用いたが、メンブレン4は絶縁材料でもよく、その場合、SiN膜のような高誘電率材料、絶縁膜6を設置しなくてもいい。この場合、メンブレン4の上に上部電極を設けるとよい。
さらに、本実施形態では上述の工程にて被処理基板を作製したが、Surface Micromachining法(金属層等の犠牲層を除去し、キャビティを形成する方法)等のMEMS技術を利用することによって、被処理基板を作製することも可能である。
なお、図2(H)に示す断面図は、機械電気変換素子の一例であるが、図面を簡略化するため、電気配線の保護膜、もしくは上部電極5と上部電極パッド20との電気配線などは図示していない。
図3は、溝を設けることにより流路を形成したハンドリング部材を被処理基板に固定して、機械電気変換装置を製造する方法の一例を示している。図3では簡略化する為、機械電気変換素子の一部を拡大して模式化した図である。
図3(A)に示すように、図2の被処理基板作製工程で作製した被処理基板21を用意する。ここで、被処理基板の有する面(すなわち素子の有する面)のうち、キャビティを基準としてメンブレン側(振動膜側)の面を「第一の面」とし、第一の面とは反対側の面を「第二の面」とする。図中では101が第一の面であり、102が第二の面である。
一方図3(B)の様にハンドリング部材作製工程においてハンドリング部材22を用意する。図3(B)のハンドリング部材22は、ハンドリング部材上に金属層24と接着層25が設けてある。ここで、ハンドリング部材が有する面のうち、被処理基板に固定する側の面を「第三の面」とし、第三の面とは反対側の面を「第四の面」とする。図中では、103が第三の面であり、104が第四の面である。また、ハンドリング部材は、第三の面に、被処理基板と固定された状態で流路となるような溝が形成されている。本発明では溝には直線状のエッジを有している場合のみを考えるものとする。以降の説明において、溝によって形成された第三の面の凹凸を表現する場合は、溝に相当する部分を「流路凹部」と称し、流路凹部と流路凹部との間に存在する部分を「流路凸部」と称する。ただし、「流路」としか記載されていない場合は、通常の意味どおり溝もしくは溝を形成することにより設けられた液体の供給路を意味する。また、第三の面から第四の面へ貫通孔が設けられている場合も、当該孔の部分が流路凹部に相当し、孔以外の第三の面が流路凸部に相当する。また、溝が有するエッジとは、流路凸部の角であり、第三の面において流路凸部によって形成される線である。これらの流路は、第三の面以外の面(第四の面もしくはそれ以外の面)から、少なくとも一つ以上外部へ連通している。ハンドリング部材22としては、石英基板やシリコンウェハなどの基材が好適である。これらの基材に、所望の流路23を、ダイサー加工、エッチング加工、レーザー加工、サンドブラスト加工等を利用して設けることができる。
図3(C)は、被処理基板にハンドリング部材を固定する固定工程である。この固定工程で、ハンドリング部材の固定する方向を考慮しないと、ハンドリング部材に形成された溝が直線状のエッジを有するとすると、メンブレンが破損する可能性がある。後で詳細に説明するが、本発明では、被処理基板21が有するメンブレンの劈開方向と、ハンドリング部材の溝のエッジ方向とが交差するように固定する。本発明において、「劈開方向」とは、メンブレンを構成する部材の結晶の最も劈開しやすい面が、メンブレン表面に現れてなす全ての線の方向を示す。「溝のエッジ方向」とは、第三の面(すなわち、被処理基板に固定される流路凸部の面)において、流路凸部のエッジの方向を示す。
図3(D)、(E)は、第二の面を加工する工程(以下、裏面加工工程という)である。図3(D)では、シリコン基板12を所望の厚さまで切削し、切削後の第二の面の表面に下部電極となる下部電極層9を形成する。その後、エレメント6毎にトレンチ28を形成するトレンチ加工を行う。被処理基板をハンドリング部材で支持することにより、トレンチ加工に対する強度を増すことができる。加えて、ハンドリング部材でメンブレンを覆うことで、メンブレンが露出せず、プロセス中の不慮の衝突等から保護することができる。
図3(E)は、フリップチップ接合を行う工程(裏面加工工程の中の一工程)である。集積回路11上にバンプ10を形成し、そこへトレンチ加工済みの被処理基板である機械電気変換素子を接合する。
図3(F)は、フリップチップ接合後に、被処理基板からハンドリング部材を除去する除去工程である。ここでは、金属層24が形成されているため金属層24を溶解するような酸性またはアルカリ性の溶解液を流路23内部へ供給することでハンドリング部材を除去できる。流路への溶解液の供給方法としては、流路23のみへ溶解液を供給しても良いし、上部電極5から集積回路11までの部分を保護ケース29で保護し、ハンドリング部材が固定されている状態で溶解液中へ浸漬させても良い。保護ケース29と裏面加工済みの被処理基板側との接触部は、実際には図3(F)とは異なり、エレメントから十分離れた箇所で接触させている。
以上の工程を経て、図3(G)の様な機械電気変換装置が完成する。
次に、図4を用いて、機械電気変換素子のキャビティ及びエレメントについて詳細に説明する。
図4(A)〜(C)は、機械電気変換素子が有するキャビティのメンブレンとの接合面における模式図(上面図)である。図4(A)乃至(C)においては、メンブレンや上部電極などは省略している。
図4(A)は、四角形のキャビティ3を有するセルが、3行3列のアレイ状に配置されている。この9つのセルで一つのエレメント6を構成している。そしてエレメント6の2行2列配置により、一つの機械電気変換素子を構成している。キャビティ3やエレメント6は、所望の大きさ及び配置にすれば良い。メンブレンとの接合面におけるキャビティ3の形状は、図4(A)の様に四角形でも良いし、図4(B)や(C)の様に、六角形等の多角形でも円形でも良く、所望の形状を設けることができる。ただし、メンブレンの強度を確保するために、メンブレンが接合されている状態において、メンブレンの劈開方向とメンブレン支持部のエッジ方向とが交差していることが好ましい。「メンブレン支持部のエッジ方向」とは、メンブレンとメンブレン支持部とが交差している面(すなわちメンブレン支持部がメンブレンに接している面)において、メンブレン支持部のエッジの方向を示す。つまり、キャビティ開口部におけるキャビティの辺の方向である。メンブレンの劈開方向とメンブレン支持部のエッジ方向とが交差していることにより、裏面加工時及びハンドリング部材の除去時において、さらにメンブレンの破損の発生を低下することができる。劈開方向とメンブレン支持部のエッジ方向とのなす角度の最小値としては、5度以上であるとより劈開が発生しにくいため好ましく、10度以上であるとさらに好ましい。ここで、メンブレンとの接合面におけるメンブレン支持部の形状(キャビティ形状)が直線だけでなく曲線も含む場合、メンブレン支持部のエッジ方向としては、直線の方向のみを示すものとする。
また、感度を向上させるため、キャビティの形成部(すなわちメンブレンの可動部分)の面積がデバイス全体に占める割合が大きいことが好ましい。また、各キャビティの出力は均一であることが好ましい。そのため、メンブレンとの接合面におけるキャビティの形状としては、同一の図形を密に敷き詰め可能な、四角形や六角形であることがより好ましい。また、エレメント6を構成するキャビティ3の数(セルの数)は、所望の数だけ設ければよい。図4(C)の様に一つの機械電気変換素子内に、形状や大きさが異なるキャビティを設けることもできる。さらにキャビティの配置(セルの配置)は、マトリクス状に配置しても良いし、千鳥状に配置しても良く、所望の配置をすることができる。
図5〜7を用いて、流路を設けたハンドリング部材の詳細について説明する。
図5は、流路を設けたハンドリング部材の例の斜視図である。ハンドリング部材の基材としては次の材料が挙げられる。合成石英やパイレックス(登録商標)などの各種ガラス基板、シリコンウェハなどの半導体基板、プラスチック基板や金属基板など、ある程度の剛性を持つものであれば用いることができる。中でも、基板の平坦度や加工の容易さを考慮すると、石英基板やシリコンウェハ、感光性ガラス基板などが好ましい。
第三の面における流路形状としては、直線状、格子状、放射状、千鳥状、ハニカム状など、直線を含む様々な形状が考えられる。流路が第三の面から第四の面へ貫通する孔のみからなり、孔と孔が繋がっていない場合も、第三の面における孔の広がりを流路幅とみなし、流路が形成されているとする。図中の32は溝のエッジ方向を示す。ここで、第三の面において、流路が直線だけでなく曲線も含んだ形状の場合、溝のエッジ方向としては、直線の方向のみを示すものとする。ただし直線とは、直線が交差して構成される形状や折れ線形状も含む。
また、図5(a)のような直線状や、図5(b)のような格子状のように、直線からなる流路が平行若しくは直交するような形状であるとさらに好ましい。直線からなる流路が平行若しくは直交するような形状であると、メンブレンを構成する部材の結晶の劈開方向と、ハンドリング部材の溝のエッジ方向とが交差するように固定しやすい。
図6には、流路に孔を設けたハンドリング部材の断面図(第三の面とは垂直な方向の断面図)の例を示している。流路と孔を組み合わせることで、被処理基板とハンドリング部材を除去する工程において、溶解液がより浸透しやすくなり、ハンドリング部材の除去がより迅速になされるため好ましい構造となる。また、第三の面とは垂直な方向の流路の断面形状としては、半円形や四角形、三角形など様々な形状が考えられる。用いる基材の特性及び流路を設ける手法に応じ、適宜選択してもよい。
流路を設ける手法としては、フォトリソグラフィー技術を用いたドライ又はウェットエッチング加工やレーザー加工、機械加工、サンドブラスト加工などで形成することができる。
本発明において流路の大きさは、流路内に溶解液が浸透でき被処理基板を支えられる大きさであれば良く、ハンドリング部材の強度を考慮して適宜決定すればよい。素子と固定されている部分の流路凹部の幅(すなわち溝の幅)30としては2000μm以下であることが好ましく、流路凸部の幅は、20μm以上であることが好ましい。流路ピッチ(隣り合う流路凹部と流路凸部の幅)としては、4000μmであることが好ましい。また、流路となる溝はダイシング加工やレーザー加工により形成するため、流路深さ(すなわち溝の深さ)は10μm以上であることが好ましい。ここで、流路凹部及び流路凸部の幅とは、第三の面における流路凹部及び流路凸部の幅をいい、流路深さとは、形成される流路のうち、最も深い部分までの深さを指す。
図7(a)は、ハンドリング部材の流路凹凸部に、金属層24を1層設けた図である。金属層24を設けた上で、図3(A)の第一の面に接着層を設けて固定することにより、迅速に被処理基板からハンドリング部材を除去することが容易となる。金属層24としては、酸性又はアルカリ性の溶解液に溶解できる金属であれば特に限定されないが、アルミニウム、ゲルマニウム、チタン、インジウム等が適用できる。特にアルミニウムやゲルマニウムは、第三の面側に、スパッタ法などの真空成膜手段で容易に形成することができるため好ましい。また、金属層24は薄いほうが除去しやすいため、金属層24の厚さは10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましい。さらに1乃至2μmの範囲が最も好ましい。図7(a)の様に、第三の面全体に金属層24を設けても良いし、第三の面の一部に金属層24を設けても良い。また金属層24を複数設けても良い。ただし、エレメント内に上部電極を形成している場合、上部電極に用いている金属よりエッチングレートの高い金属を用いることが好ましい。
図7(b)は、金属層24を設けずに、接着層25を流路凸部に設けた図である。この固定方法も、接着層25が被処理基板21の一部としか接触しない為、接着層25の除去にかかる時間を短縮する事ができ、好適である。この場合には、接着層25を溶解できる有機溶媒等の溶解液を用いて、ハンドリング部材を除去すると良い。接着層25は、図7(a)の金属層24のように第三の面側全体に設けても良いし、図3(A)の第一の面に設けても良い。
接着層25としては、被処理基板とハンドリング部材とが固定され、後の被処理基板21の加工時に被処理基板21を支持できる程度の接着力を持つものであれば限定されない。しかし後の被処理基板21の裏面加工工程において、加熱や加圧処理が行われることから、レジストやポリイミド、耐熱性のワックス、耐熱性の両面テープ等が好適である。このような両面テープを流路凸部のみに接触するように、流路を横断して貼り付けても良い。接着層25は薄いほうが除去しやすいため、接着層の厚さは、30μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましい。ただし、薄くて且つ接着力を確保するためには、1乃至20μmの範囲が最も好ましい。
さらに図3(B)のように、第三の面側に、金属層24を設け、その上に接着層25を設けても良い。接着層25は流路全面に設けてもよいが、金属層を設けた場合には流路凸部のみに設けるほうが、金属層を除去しやすいため好ましい。
一方、ハンドリング部材の流路23表面に、親水化処理を施しても良い。親水化処理は、UV洗浄、洗剤洗浄、アルコール洗浄、プラズマ照射、HF処理、コーティング処理などを施すことで実現できる。親水化処理を施すことで、ハンドリング部材除去時の流路23内への溶解液の供給が容易となる。親水化処理は、流路23表面に直接施しても良いし、流路23表面に金属層24を設けた場合には、金属層24の上に施しても良い。
また、上記の様なハンドリング部材は、被処理基板21よりも大きいことが好ましい。被処理基板よりハンドリング部材を大きくすることにより、被処理基板21のハンドリング及び加工時に、被処理基板21に治具や道具が接触する可能性を低下することができる。例えば、被処置基板21の大きさが4inchである場合には、ハンドリング部材の大きさは4inch+2cm程度の大きさであるとより好ましい。また厚さは、ハンドリング時にハンドリング部材が破損しない程度の厚さであれば特に限定はされないが、通常200μm以上あることが好ましく、500μm以上であることがより好ましい。
図8を用いて、ハンドリング部材と被処理基板との固定方向について説明する。
図8は、被処理基板が有するメンブレンの劈開方向33に対し、ハンドリング部材の溝のエッジ方向32を一致させないように固定した時の模式図である。図8のA−Bは、図5(a)のA−Bと同じ部分を示しており、図5(a)の第三の面をメンブレンに固定した時の方向を示し、劈開方向33と溝のエッジ方向32との角度を50で示している。被処理基板の上部電極などは省略している。
シリコンの単結晶は{111}面に沿って最も劈開しやすい。例えば、この単結晶シリコンを{100}面でカットしたシリコン薄膜をメンブレンとする場合、劈開方向33は〈110〉方向を表す直行した二つの方向としてメンブレン表面に現れる。そのため、メンブレンにハンドリング時の流路凸部に由来する圧力変動や応力の変動が、直接劈開方向33に加わらないように、被処理基板とハンドリング部材を固定することが好ましい。
流路凸部に由来する圧力変動とは、次の様な場合が挙げられる。
1.ハンドリング部材を被処理基板に固定する時の圧力や、被処理基板をフリップチップ接合させる時の圧力により、流路凸部に圧力が集中する場合。
2.被処理基板21のハンドリング及び加工時に、流路凸部へ加圧圧力が集中したり、引っ張り力が発生する場合。
3.ハンドリング部材除去時の溶解液による金属層若しくは接着層を溶解する場合。
図8の様な固定方法は、被処理基板が有するメンブレンの劈開方向33とハンドリング部材の溝のエッジ方向32とが交差するように固定されており、上記圧力変動、応力等によるメンブレンの破損の確率を低下することができるため好ましい。
また、劈開方向と溝のエッジ方向との角度としては、流路凸部に固定されているメンブレンに作用する圧力や応力の劈開方向成分をより小さくする角度とすることが好ましい。そのため、劈開方向と溝のエッジ方向とのなす角度の最小値が5度以上であるとメンブレンの劈開の確率がより低減できるため好ましく、10度以上であるとさらに好ましい。
例えば{100}面でカットした単結晶シリコン薄膜は、劈開方向が〈110〉方向を表す直行した二つの方向として現れる。溝のエッジ方向が一方向の場合、劈開方向33と溝のエッジ方向32の角度50は、5度以上85度以下であると好ましく、10度以上80度以下であるとより好ましい。ただし、劈開方向33と溝のエッジ方向32との角度50は15度以上75度以下の範囲の角度であると、流路凸部に固定されているメンブレンに作用する圧力及び応力の劈開方向成分をより低減できるため好ましい。また、45度であると劈開方向成分を最も小さくできるため特に好ましい。流路凸部に固定されているメンブレンに作用する圧力や応力の劈開方向成分は、流路凸部に固定されているメンブレンに作用する圧力や応力のコサイン値から求めることができる。0度とは、劈開方向33と溝のエッジ方向32とを一致させた時の角度を意味し、回転させる方向は、0度を中心に時計周りの回転と半時計周りの回転の二通りある。
図9はトレンチ28加工後の模式図であり、図3(D)と同じ図である。トレンチ28加工時にはまず第二の面側から、シリコン基板12を厚さが120乃至180μm程度の厚さになるまで、切削と研磨を行う。次にトレンチ28を、エレメント6毎に分離するように設ける。トレンチ28は、エッチング技術を利用することで作製することができ、キャビティ底部に達する深さまで加工を行う。エレメント間の間隔が大きいと、その間隔の部分(トレンチ加工部)は信号が検出できないため、トレンチの幅は小さいほうが好ましい。具体的には、トレンチ28の幅は、20μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましい。さらに2μm以下が最も好ましい。最後に信号を取り出す為の下部電極層9を設ける。信号を取り出す為の下部電極層9は、加工済みの凸部にチタン/銅/銀の順番で、200Å/500Å/1000nm程度で蒸着して形成する。このような加工において、トレンチの深さは振動部の絶縁層まで達するため、トレンチ形成部35と振動部36の厚さはほぼ等しく、1μm以下であることが多い。
図9のトレンチ28加工後には、図3(E)のように被処理基板21を集積回路11にフリップチップ接合させる。バンプ10は、集積回路11と下部電極を強固に結合できるような物であれば特に限定されない。一般的には、亜鉛(Zn)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、錫(Sn)、鉛(Pb)の様な各種金属またはこれらの組み合わせの各種バンプが用いられる。また、フリップチップ接合でなくても、集積回路と機械電気変換素子を電気的に接続する方法であれば構わない。
図10(a)は、被処理基板21からハンドリング部材を除去する際の模式図である。ハンドリング部材を除去する為には、集積回路11や被処理基板21が破損しないように、溶解液をハンドリング部材の流路23へ供給し、金属層24や接着層25を溶解することが好ましい。図10(a)では、フリップチップ接合後、メンブレン4より下側の部分(ハンドリング部材以外の部分)を保護ケース29で覆い、ハンドリング部材の端を容器37の外に出すようにして、溶解液の満たされた容器37へセットしている。保護ケース29は、除去方法や用いる溶解液に応じて使用するか否かを決めればよい。また、フリップチップ接合の際に、アンダーフィル(樹脂接着剤)を用いることで、保護ケース29を使用せず、ハンドリング部材を除去することも可能である。
溶解液はハンドリング部材の流路23内に、毛細管現象や自然拡散によって導かれる。溶解液をより迅速に流路内へ導く為に、容器37に外部から刺激を加えても良い。容器37に温度変化を与えて溶解液に対流を生じさせたり、マグネットスターラーや揺動装置により溶解液を攪拌しても良い。またハンドリング部材を溶解液の中に浸漬した後、雰囲気を真空にすることによって流路内の気体を除去して溶解液の流路の内部への浸透を促進させることができる。さらに一旦真空(又は低圧)にした後加圧する、或いはこの操作を繰り返すことも有効である。また容器37に超音波などの振動を与えても良い。さらに、容器37内に入り口と出口を設け、溶解液を入れ替えることも効果的である。
さらに効果的にハンドリング部材を除去する為には、流路23内の溶解液の流れを制御することも好ましい。直接流路入り口へ溶解液を供給することで、より迅速に接着層25や金属層24を溶解することができる。しかし流路内部の被処理基板21が有するメンブレン4が破損しない程度の流速(流圧)であることが好ましい。図10(a)のような構成だと、ある程度金属層24や接着層25の溶解が進んだ所で、被処理基板21が自重によって容器37の底部に移動していく。これによりハンドリング部材を除去することができる。
図10(b)は、ハンドリング部材側に溶解液が満たされる容器38を設け、この容器を保護液が満たされた容器40の上に設置し溶解液を供給することで、被処理基板21の自重によりハンドリング部材を除去する工程の模式図である。
容器38が機械電気変換素子に接続する接続箇所39は、被処理基板21とハンドリング部材の隙間を覆うような箇所で接続することが好ましい(隙間をシールするように接合する)。被処理基板21は保護ケース29で集積回路11部分が保護されている。これを、被処理基板21側に保護液を満たした容器40の上に、容器38の接続箇所39が接するようにセットする。この状態で、容器38に溶解液を満たし循環させていくと、ある程度金属層24や接着層25の溶解が進んだ所で、被処理基板21が自重によって保護液を満たした容器40内に沈んでいく。これによりハンドリング部材を除去することができる。保護液は、被処理基板21に腐食等の影響を与えない液体であれば特に制限は無い。例えば水でも良いし溶解液でも良い。保護液の密度が被処理基板21よりも大きい場合には被処理基板は沈むことなく分離することができる。第三の面上に、金属層24と接着層25を有する場合には、保護液を接着層25が溶解できる溶液とすることで、迅速にハンドリング部材の除去を実現することができる。
被処理基板21にハンドリング部材が複数層(金属層24と接着層25)介して固定されている場合には、まず金属層24を溶解できる溶液を容器37や容器38に供給してハンドリング部材を除去する。次に接着層25を溶解できる溶液を各容器に供給することで、被処理基板21のメンブレン4を露出することができる。
上記方法によって被処理基板21から除去したハンドリング部材は、研磨すること無く被処理基板21から除去することができるので再度利用することができる。
図1(A)の被処理基板21が有するメンブレンは、大気圧より低い圧力下で作製した場合、大気圧によりデバイス層16(すなわちメンブレン)がキャビティ側(すなわち空隙側)に撓み、変形されて、凹型である状態になる。この状態でハンドリング部材に固定すると、図17(A)の様になる。図17(A)は、ハンドリング部材と被処理基板の断面図であり、固定部分の一部を拡大した図が図17(B)である。図17のような状態であると、その後の裏面加工以降の工程においてメンブレン4へかかる圧力を低減することができるため好ましい。特にハンドリング部材を除去する工程において、メンブレンに加わる力を低減できる。
《実施形態1》
本実施形態では、流路上に接着層を設けたハンドリング部材を用いた場合の機械電気変換装置の製造方法について示す。被処理基板とハンドリング部材の物理パラメーターは、以下の通りである。
(被処理基板の設定)
被処理基板の基材・・・・・・p−Type{100}シリコンウェハ
被処理基板の大きさ・・・・・4インチ(10.16cm)
キャビティの形状・大きさ・・1辺20μmの正方形
エレメントの形状・幅・・・・長方形・縦幅0.505mm、横幅6.005mm
1エレメント内のキャビティ数・・・・4800個(20行、240列)
メンブレン支持部の幅(キャビティとキャビティの間隔)・・・5μm
エレメント間の距離・・・・・・・・・縦間隔5μm、横間隔5μm
1つの被処理基板内のエレメント数・・1240個(124行、10列)
(ハンドリング部材の設定)
ハンドリング部材の基材・・・合成石英基板
ハンドリング部材の大きさ・・直径12cm、厚さ1mm
流路凹部の幅・・・・・・・・200μm
流路凸部の幅・・・・・・・・200μm
流路深さ・・・・・・・・・・200μm
流路ピッチ・・・・・・・・・400μm
流路の本数・・・・・・・・・300本
(接着層の設定)
流路凹凸部へ接着層を形成
接着層の種類・・・・・・・・ポジレジスト
レジスト厚さ・・・・・・・・20μm
(1)被処理基板作製工程
(1−1)シリコン基板の用意
図2(A)と同様に、シリコン基板12を洗浄、準備をする。その後、拡散(Diffusion)法、もしくはイオン注入(Ion Implantation)法でSi基板表面を低抵抗化する。
(1−2)メンブレン支持部の作製
図2(B)乃至(D)と同様に、メンブレン支持部を作製し、A基板15を得る。
(1−3)キャビティの作製
図2(E)と同様に、SOIウェハを用意し、(2)で作製したメンブレン支持部表面と接合した。この接合は、EVG社製EVG520等を用いて接合面の表面を室温で活性化し、150℃以下、10−3Paで行う。次に、接合されたSOI基板のハンドリング層18を数十μmの厚さが残るように研磨し、洗浄する。その後、片面エッチング治具を用いて、前記研磨された基板の裏面を保護しながら、80℃のKOH液でハンドリング層18をエッチングする。続いて、フッ酸を含む液でBOX層17をエッチングし、図2(F)に示すようにデバイス層16を露出させ、本実施形態のメンブレン4とする。
(1−4)電極の作製
図2(G)と同様に、メンブレン4の周縁外の付近に、メンブレン4を構成するデバイス層16をドライエッチングでパターニングする。その後、このパターニング用のフォトレジストを除去しないで、直接酸化膜13をウェットエッチングでパターニングする。前記工程により図2(G)に示すように、エッチング穴19が形成される。次に電極用のCrをスパッタリングで成膜して、ウェットエッチングでパターニングし、図2(H)に示すような上部電極5、上部電極パッド20、および下部電極パッド8を形成する。最後に、本実施形態における複数のセルを電気分離するため、デバイス層16をパターニングして、被処理基板を完成する。なお、その上に設ける電気配線の保護膜もしくは上部電極5と上部電極パッド20との電気配線などは図面に表示していない。
実施形態1で作製される被処理基板21の模式図を図11に示す。
被処理基板21が有するメンブレンの単結晶の劈開方向33とメンブレン支持部のエッジ方向34との角度49は、15度ずれるように作製する(図11(A)参照)。図11(B)は、図11(A)の一部を拡大した図であり、エレメント6が複数個シリコン基板上に形成されているのを示している。図11(C)は、1つのエレメントの形状の模式図であり、図11(D)にキャビティ(セル)の具体的な配置を示している。また、図11(D)では、上部電極5や上部電極パッド20、下部電極パッド8などは省略している。
(2)ハンドリング部材作製工程
(2−1)流路を設けたハンドリング部材の作製
まず、洗浄済みの合成石英基板を用意する。合成石英基板の大きさは、直径12cm、厚さ1mmである。洗浄は、中性洗剤及び純水で超音波洗浄を行い、アルカリ溶液に短時間浸した後に純水及び超純水で超音波洗浄及び流水洗浄を行う。次に、洗浄済みの合成石英基板の片面に、幅200μm、深さ200μm、の直線の流路を、流路間隔が200μmとなるようダイシング加工により作製する。ダイシング加工後、再度加工済みのハンドリング部材を洗浄することで、直線の流路が300本設けられたハンドリング部材が得られる。図12(A)は、実施形態1で作製したハンドリング部材の外観模式図である。図12(B)は図12(A)の一部を拡大した模式図である。
(2−2)接着層の形成
(2−1)で作製した流路を設けたハンドリング部材の流路凹凸部に、ポジレジストをスプレー法で塗布し、厚さ20μmの接着層を形成する。
(3)ハンドリング部材の固定工程
(3−1)被処理基板とハンドリング部材の配置
(1)で作製される被処理基板が有するメンブレンの単結晶の劈開方向33、(2)で作製されるハンドリング部材の溝のエッジ方向32とが交差するように、両者を配置する。具体的には、溝のエッジ方向32とメンブレンの単結晶の劈開方向33との角度50が45度になるよう時計回りに回転し、配置する。この角度は正確にアライメントしてもよいが、目視で±10度程度の精度で配置すれば良い。図13に、実施形態1における被処理基板とハンドリング部材との配置方向の模式図を示す。メンブレンの単結晶の劈開方向33に対して、ハンドリング部材の溝のエッジ方向32が一致していない(交差している)ことがわかる。
(3−2)ハンドリング部材の固定
被処理基板とハンドリング部材とを接触させた状態のまま、115℃程度に加熱したオーブン中で30分間程度ベークし、被処理基板21にハンドリング部材を固定する。
(4)集積回路の準備
(4−1)集積回路上へのフリップチップパッドの形成
集積回路11を用意し、フリップチップパッドとして5μmのNi/Al層をはんだバンプで形成する。次に直径80μmのSn/Pb共晶はんだ球を、フリップチップパッド上に形成する。
(5)被処理基板の裏面加工工程
(5−1)バックグラインド工程
(3)でハンドリング部材が固定される被処理基板の第二の面のシリコン基板を、厚さが150μm程度残るまで研磨を行う。
(5−2)トレンチ加工
キャビティ側の熱酸化膜の層までドライエッチングを行い、各エレメントを分離するようにトレンチ部を作製する。トレンチ部の幅は5μmである。
(5−3)下部電極となる金属層の形成
第二の面の凸部にシグナルを取り出す下部電極層9を設ける為、Tiを200Å、Cuを500Å、Auを2000Å、成膜する。
(5−4)フリップチップ接合
(4)で用意される集積回路の共晶はんだ球の位置と、シグナル電極層の位置合わせを行う。その後、150℃、4g/bump位の力で両者を接合する。
(6)ハンドリング部材除去工程
(6−1)集積回路側の保護
(5)で集積回路が接合される被処理基板のハンドリング部材以外の部分を保護ケースで覆う。保護ケースは、エレメントと接触しないよう配置する。
(6−2)溶解液への浸漬
図10(a)のような、アセトン溶液を満たした容器37を用意し、(6−1)にて保護ケースで覆った被処理基板を容器37にセットする。容器37は、循環ポンプと接続されており、内部のアセトン溶液はポンプによって循環させる。ある程度時間が経過した所で、循環させているアセトン溶液の量を減少させて、接着層の溶解具合を確認する。数回目の確認で、容器37内のアセトン溶液の界面の減少と共に保護ケースに覆われた被処理基板が移動していき、ハンドリング部材から分離される。
(7)機械電気変換装置の完成
(7−1)洗浄と保護ケースの除去
保護ケースで覆われたまま被処理基板を洗浄し、保護ケースを取り外すことで機械電気変換装置が完成する。
上記の様な作製方法により、メンブレン4が破壊する確率を低下し、集積回路11が固定された機械電気変換装置を製造することができる。
《実施形態2》
本実施形態では、流路(直線状流路+孔)上に金属層(Ge)を設けたハンドリング部材を用いた機械電気変換装置の製造方法について示す。被処理基板とハンドリング部材の物理パラメーターは、以下の通りである。
(被処理基板の設定)
被処理基板の基材・・・・・・・・・p−Type{100}シリコンウェハ
被処理基板の大きさ・・・・・・・・4インチ(10.16cm)
キャビティの形状・大きさ・・・・・1辺125μmの正六角形
エレメントの形状・大きさ・・・・・多角形・縦幅約6mm、横幅約6mm(図14参照)
1エレメント内のキャビティ数・・・780個(図14参照)
メンブレン支持部の幅(キャビティとキャビティの間隔)・・・5μm
エレメント間の距離・・・・・・・・縦間隔5μm、横間隔5μm
1つの被処理基板内のエレメント数・・・100個(10行、10列)
(ハンドリング部材の設定)
ハンドリング部材の基材・・・・合成石英基板
ハンドリング部材の大きさ・・・直径12cm、厚さ2mm
流路凹部の幅・・・・・・・・・1mm
流路凸部の幅・・・・・・・・・0.5mm
流路深さ・・・・・・・・・・・0.4mm
流路ピッチ・・・・・・・・・・1.5mm
流路の本数・・・・・・・・・・80本
流路孔の大きさ・・・・・・・・直径1mm
流路孔のピッチ・・・・・・・・5mm(各流路端から各流路に沿って)
(接着層の設定)
第一の面へ接着層を形成
接着層の種類・・・・・・・・・ポジレジスト
接着層の厚さ・・・・・・・・・20μm
(金属層の設定)
流路凹凸部全体へ形成
金属層の種類・・・・・・・・・Ge
金属層の厚さ・・・・・・・・・2μm
(1)被処理基板作製工程
実施形態1の(1−1)乃至(1−4)と同様に、被処理基板を用意する。なお、実施形態2で作製できる被処理基板の模式図を図14に示す。被処理基板21が有するメンブレンの単結晶の劈開方向33と第一のメンブレン支持部のエッジ方向46との角度49が、15度となるように作製した(図14(A)参照)。図14(B)は、図14(A)の一部を拡大した図であり、エレメント6が複数個シリコン基板上に形成されているのを示している。図14(C)は、1つのエレメント形状の模式図であり、図14(D)にキャビティ(セル)の具体的な様子を示している。また、図14(D)では、上部電極5や上部電極パッド20、下部電極パッド8などは省略している。図14(E)は、キャビティ形状が正六角形の場合の、メンブレン支持部のエッジ方向を示している。第一のメンブレン支持部のエッジ方向46、第二のメンブレン支持部のエッジ方向47、第三のメンブレン支持部のエッジ方向48である。
(2)ハンドリング部材の作製と、第一の面への接着層の形成
(2−1)ハンドリング部材作製工程
まず、直径12cm、厚さ2mmの洗浄済みの合成石英基板を用意する。洗浄は、中性洗剤及び純水で超音波洗浄を行い、アルカリ溶液に短時間浸した後に純水及び超純水で超音波洗浄及び流水洗浄を行う。次に、洗浄済みの合成石英基板の片面に、幅1mm、深さ0.4mm、の直線の流路を、流路間隔が1.5mmとなるように、ダイシング加工により作製する。ダイシング加工後、COレーザーにより、流路凹部へ貫通孔を形成する。直径1mmの貫通孔を流路凹部の端から5mm間隔で形成する。次に、再度加工済みのハンドリング部材を洗浄する事で、貫通孔を有する直線の流路が80本設けられたハンドリング部材が得られる。図15(A)は、実施形態2で作製したハンドリング部材の外観模式図である。図15(B)は、図15(A)の一部を拡大した模式図である。
(2−2)金属層の形成
(2−1)で作製されるハンドリング部材の流路凹凸部及び貫通孔壁面に、厚さ2μmのGeをスパッタ法で成膜する。
(2−3)接着層の形成
(1)で作製される被処理基板21の第一の面側に、ポジレジストをスプレー法で塗布し、厚さ20μmの接着層25を形成する。
(3)ハンドリング部材の固定工程
(3−1)被処理基板とハンドリング部材の配置
(2−3)で作製される被処理基板が有するメンブレンの単結晶の劈開方向33と、(2−2)で作製されるハンドリング部材の溝のエッジ方向32とが交差するように、両者を配置する。具体的には、溝のエッジ方向32とメンブレンの単結晶の劈開方向33との角度50が45度になるよう時計回りに回転させる。この角度は正確にアライメントしてもよいが、目視で±10度程度の精度で配置すれば良い。図16に、実施形態2における被処理基板とハンドリング部材の固定方向の模式図を示す。メンブレンの単結晶の劈開方向33とハンドリング部材の溝のエッジ方向32とが一致していないことがわかる。
(3−2)ハンドリング部材の固定
被処理基板にハンドリング部材が配置された状態のまま、115℃程度に加熱したオーブン中で30分間程度ベークし、被処理基板にハンドリング部材を固定する。
(4)集積回路の準備
実施形態1の(4)と同様に、集積回路を用意する。
(5)被処理基板の裏面加工工程
実施形態1の(5)と同様に、被処理基板の裏面加工を行う。
(6)ハンドリング部材除去工程
(6−1)集積回路側の保護
実施形態1の(6)と同様に、集積回路が結合した被処理基板のハンドリング部材以外の部分を保護ケース29で覆う。
(6−2)金属層の溶解液への浸漬
図10(a)のような容器37を用意し、(6−1)にて保護ケースで覆った被処理基板を容器37にセットする。容器37は、循環ポンプと接続されており、内部へ過酸化水素水を供給し、溶液をポンプによって循環させる。ある程度時間が経過した所で、循環させている過酸化水素水の量を減少させて、金属層の溶解具合を確認する。数回目の確認で、容器37内の過酸化水素水の界面の減少と共に保護ケースに覆われた被処理基板が、容器37の下側へ移動していき、ハンドリング部材から分離される。
(6−3)接着層の溶解液への浸漬
ハンドリング部材の除去後、ハンドリング部材を容器37から取り出し、容器37に蓋をする。容器37内の過酸化水素水を除去し、アセトン溶液を供給する。次いでアセトン溶液をポンプによって循環させ、第一の面に付着しているレジストを溶解させる。
(7)機械電気変換装置の完成
(7−1)洗浄と保護ケースの除去
保護ケース29で覆われたまま加工済みの被処理基板を洗浄し、保護ケースを取り外すことで機械電気変換装置が完成する。
上記の様に作製することで、メンブレンが破損する確率を低下でき、集積回路に固定された機械電気変換装置を製造することができる。
1 基板
2 メンブレン支持部
3 キャビティ
4 メンブレン
5 上部電極
6 エレメント
7 エレメントの幅
9 下部電極層
11 集積回路
12 シリコン基板
21 被処理基板
22 ハンドリング部材
23 流路
26 SOI基板
27 セル
28 トレンチ
32 溝の形成方向
33 メンブレンの単結晶の劈開方向
34 メンブレン支持部の形成方向

Claims (8)

  1. 基板と、振動膜と、前記基板と前記振動膜との間に空隙が形成されるように前記振動膜を支持する振動膜支持部と、を備えた素子を有する機械電気変換素子の製造方法であって、
    前記素子の面のうち前記空隙を基準として前記振動膜側の面にハンドリング部材を固定する固定工程と、前記素子の面のうち前記振動膜側の面とは反対側の面を加工する裏面加工工程と、前記素子から前記ハンドリング部材を除去する除去工程と、を含み、
    前記ハンドリング部材は、前記素子と固定する面に直線状のエッジを含む溝を有し、前記固定工程において、前記溝は前記素子と固定された状態で外部と連通する流路の一部を構成し、
    前記振動膜の劈開方向と、前記ハンドリング部材の前記溝のエッジ方向とが交差するように、前記ハンドリング部材を固定することを特徴とする機械電気変換素子の製造方法。
  2. 前記振動膜の劈開方向と、前記ハンドリング部材の前記溝のエッジ方向とのなす角度が5度以上であることを特徴とする請求項1に記載の機械電気変換素子の製造方法。
  3. 前記振動膜の劈開方向と、前記ハンドリング部材の前記溝のエッジ方向とのなす角度が10度以上であることを特徴とする請求項2に記載の機械電気変換素子の製造方法。
  4. 前記振動膜の劈開方向と前記振動膜支持部のエッジ方向とが一致していない素子を用いることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の機械電気変換素子の製造方法。
  5. 前記振動膜の劈開方向と前記振動膜支持部のエッジ方向とのなす角度が5度以上である素子を用いることを特徴とする請求項4に記載の機械電気変換素子の製造方法。
  6. 前記固定工程では、接着層のみ、又は接着層と金属層と、を介して前記ハンドリング部材を前記素子に固定し、前記除去工程では、前記接着層のみを介して固定している際は前記接着層を溶解する溶解液を前記流路に供給し、前記接着層と金属層とを介して固定している際は前記金属層を溶解する溶解液を前記流路に供給して、前記ハンドリング部材を除去することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の機械電気変換素子の製造方法。
  7. 前記固定工程では、前記振動膜が前記空隙側に撓んでいる事を特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の機械電気変換素子の製造方法。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の機械電気変換素子の製造方法を用い、前記裏面加工工程において、前記反対側の面に集積回路を固定することを特徴とする機械電気変換装置の製造方法。
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