JP2005298245A - 単結晶基板 - Google Patents

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武史 橘
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信之 川上
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Abstract

【課題】 ダイヤモンド膜を形成した際の反り量が少なく、且つ破損しくにい単結晶基板を提供する。
【解決手段】 基体である単結晶ウエハ1の一方の面に、相互に平行な複数本の溝2aと、これら溝2aに直交し相互に平行な複数本の溝2bとが、夫々略等間隔に形成された単結晶基板において、溝2aが延びる方向と単結晶ウエハ1の劈開方向xとがなす角度α及び溝2bが延びる方向と単結晶ウエハ1の劈開方向xとがなす角度αを、夫々8°以上にする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、表面に複数本の溝が形成された単結晶基板に関し、特に、表面にダイヤモンド膜が形成される単結晶基板に関する。
一般に、電子素子及び電子回路等の半導体装置は、シリコン等の半導体材料の単結晶ウエハを基板として使用し、この基板上に微細加工を施すことにより製造されている。その際、複数個の素子を基板の結晶方向に配列するように形成し、その後、基板をスクライビング又はダイシングすることにより、複数個の素子を個々に分離して半導体チップを得ている(例えば、特許文献1又は2参照。)。ダイヤモンド半導体装置においても、基板に単結晶シリコンウエハが使用されており、この単結晶基板上にダイヤモンド膜が形成され、スクライビング又はダイシングによりチップ化されている。しかしながら、ダイヤモンド半導体装置においては、スクライビング又はダイシングする際に物質中で最も硬度が高いダイヤモンド膜が障害となっている。
従来の半導体基板には、スクライビング又はダイシング時のガイドとして、格子状の溝が形成されているものがある(特許文献3参照。)。特許文献3に記載のシリコン基板は、シリコンウエハ上にSiO膜を形成した後、このSiO膜及びシリコン基板表面に格子状の溝を形成することにより、基板の反り及び割れを防止している。また、ダイヤモンド半導体装置用基板にも同様の溝を形成する方法が提案されている(特許文献4参照。)。図10は特許文献4に記載のダイヤモンド膜用基板を示す断面図である。図10に示すように、特許文献4に記載のダイヤモンド膜用基板105は、チタン酸ストロンチウム等からなる基体101の表面に、白金等からなる金属膜103を形成し、この金属膜103の表面から複数本の切り込み102を設けている。これにより、ダイヤモンド膜用基板105は、その上にダイヤモンド膜104を成膜したときに、ダイヤモンド膜104と基板105との界面で発生する応力を緩和して、基板の反り、変形及びダイヤモンド膜の割れ等を防止すると共に、スクライビング又はダイシング時にダイヤモンド膜が基板105から剥離することを防止している。
単結晶基板上に、このような溝を形成する方法としては、ダイシングソー等の切断装置を使用する方法及びエッチングによる方法等があるが、その中でも、異方性エッチング法を適用することにより、側壁が結晶面に対して垂直な溝を形成することができる(特許文献5参照。)。
特開平7−254577号公報 特開2000−286179号公報 特開平9−117702号公報 特開平11−199379号公報 特開平8−64911号公報
しかしながら、前述の従来の技術には以下に示す問題点がある。近時、レーザ切断方法及びその装置の発達に伴い、基板を容易に切断加工できるようになった。これにより、ダイヤモンド半導体装置においても、スクライビング又はダイシング時におけるガイド用の溝を形成する必要性が低下しており、むしろ、単結晶基板上に予め溝を形成することによる基板の機械的強度の低下、及び半導体装置製造過程における基板の破損が問題となっている。一般に、従来の単結晶基板は、その劈開方向に沿って複数本の溝が形成されているため劈開しやすく、意図せぬ破損が生じることがある。特に、半導体装置の製造に使用される単結晶基板は、大口径化が進んでいる一方で、その厚さはさほど増大していないため、表面に溝を形成すると、より破損しやすいという問題点がある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、ダイヤモンド膜を形成した際の反り量が少なく、且つ破損しくにい単結晶基板を提供することを目的とする。
本願発明に係る単結晶基板は、板状の単結晶材料からなる基体と、この基体の一方の面に形成された複数本の溝と、を有し、前記溝は夫々その延びる方向と前記基体の劈開方向とがなす角度が8°以上であることを特徴とする。
本発明においては、溝が延びる方向と基体の劈開方向とがなす角度を8°以上にすることにより、単結晶基板を容易に劈開しにくくすることができるため、後工程における意図せぬ割れ及び破損の発生を抑制することができる。
前記一方の面が{100}面により構成されている場合、前記複数本の溝が延びる方向と前記劈開方向とがなす角度は、55乃至65°であることが好ましい。これにより、溝を結晶格子点密度が最も大きい方位角度の近傍に形成することができるため、後工程における意図せぬ割れ及び破損の発生を抑制する効果が向上する。
また、前記複数本の溝は、隣り合う溝同士の間隔が一定でなくてもよい。これにより、フォトリソグラフィー等の微細加工プロセス、又は、ダイシングソー等装置を使用せず、例えば、けがき針等を使用した簡便な方法で溝を形成することもできる。その結果、製造コストを低減することができる。
更に、前記一方の面の周縁部には、前記溝が形成されていなくてもよい。単結晶基板の劈開は、その周縁部に応力が集中して発生することが多い。このため、単結晶基板の周縁部には溝を形成せず、周縁部の強度を向上することにより、意図せぬ劈開による破損の発生をより低減することができる。
更にまた、前記複数本の溝のうち少なくとも隣り合う1対の溝は、その延びる方向と前記劈開方向とがなす角度が相互に異なっていてもよい。複数本の溝を相互に平行に形成すると、特定の方向に対して外部応力が作用したときに、基板が破損しやすい。そこで、溝が延びる方向と前記劈開方向とがなす角度を、相互に異なるようにすることにより、特定の方向に対して外部応力が加わった場合においても、基板の破損を抑制することができる。
更にまた、この単結晶基板は、前記一方の面上にダイヤモンド膜を形成することができる。この単結晶基板は、その上にダイヤモンド膜を形成しても、反り量が少ないため、ダイヤモンド膜の剥離を防止することができる。また、この単結晶基板は、破損しにくいため、歩留りよくダイヤモンド半導体装置を製造することができる。
本発明によれば、溝が延びる方向と基体の劈開方向とがなす角度を8°以上にしているため、半導体製造工程における単結晶基板の割れ及び破損を低減することができると共に、その上にダイヤモンド膜を形成したときの反りを最小限に抑えることができる。これにより、単結晶基板上に形成されるダイヤモンド膜の剥離及び破損も防止することができる。
以下、本発明の実施の形態に係る単結晶基板について、添付の図面を参照して具体的に説明する。先ず、本発明の第1の実施形態に係る単結晶基板について説明する。図1は本実施形態の単結晶基板を示す平面図である。図1に示すように、本実施形態の単結晶基板は、基体である単結晶ウエハ1の一方の面に、相互に平行な複数本の溝2aと、これら溝2aに直交し相互に平行な複数本の溝2bとが、夫々略等間隔に形成されている。即ち、溝2a及び溝2bは、隣り合う溝の間隔(以下、溝ピッチという)p及び溝ピッチpが、夫々一定になるように形成されている。また、これら溝2a及び溝2bは、単結晶ウエハ1の周縁部まで形成されており、溝2a及び溝2bが延びる方向と単結晶ウエハ1の劈開方向xとがなす角度α及び角度αは、いずれも8°以上になっている。
本実施形態の単結晶基板においては、溝が延びる方向を劈開方向xに対して8°以上ずらしている。これにより、後工程において、基板が劈開して意図せぬ破損が発生することを抑制することができる。単結晶格子として8格子点以下のずれ、即ち、劈開方向に対するずれが8°未満では、劈開耐性を向上させるためには不十分であるため、劈開方向に対するずれが8°未満である溝を形成すると、結晶方向に沿って劈開が生じやすく、後工程において意図せぬ破損が発生しやすくなり、溝が延びる方向を劈開方向xからずらした効果が得られない。
なお、単結晶ウエハ1の表面が{100}面により形成されている場合は、角度α及び角度αは、55乃至65°であることが好ましい。これにより、結晶格子点密度が最も大きい方位角度及びその近傍に溝が形成されるため、基板に意図せぬ破損が発生することを大幅に抑制することができる。
本実施形態の単結晶基板に使用される単結晶ウエハ1としては、例えば、単結晶のシリコン、シリコンカーバイド(炭化珪素)、窒化ガリウム、サファイア及び石英等を使用することができる。
また、単結晶ウエハ1の一方の面に溝を形成する方法としては、例えば、円盤状刃及び硬質工具を使用して機械的に形成する方法、フォトレジスト等によりパターニングして化学的にエッチングする方法等を適用することができるが、化学的エッチング法により溝を形成すると、底部が丸くなり、縦断面形状がU字状の溝が形成されるため、溝部に応力が集中しにくくなり、意図せぬ破損を抑制する効果が向上する。
本実施形態の単結晶基板は、例えば、ダイヤモンドセンサ等のダイヤモンド半導体装置用の基板として使用される。ダイヤモンド半導体装置の製造工程においては、通常、基板を600乃至110℃の高温に加熱した状態で、ダイヤモンド膜を成膜する。本実施形態の単結晶基板は、ダイヤモンドのように内部応力が大きい材料を大面積の単結晶基板上に形成しても、ダイヤモンド膜が成膜される面に複数本の溝が形成されているため、ダイヤモンド膜が不連続となり、局所的に応力が閉じこめられるため、基板の反り及び変形量を少なくすることができる。これにより、成膜後にダイヤモンド膜が剥離することを防止することができる。また、本実施形態の単結晶基板は、溝が延びる方向を劈開方向xに対して8°以上すらすことにより、半導体製造工程における意図せぬ破損の発生を抑制しているため、基板の取扱い性が向上すると共に半導体装置の歩留まりを向上させることができる。なお、本実施形態の単結晶基板における溝2a及び溝2bは、あくまでも反り防止用の溝であり、従来の単結晶基板に形成されているようなスクライビング又はダイシング時におけるガイド用の溝ではない。
次に、本発明の第2の実施形態に係る単結晶基板について説明する。前述の第1の実施形態の単結晶基板は、溝を略等間隔に形成しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、不規則な間隔で複数本の溝が形成されていてもよい。図2は本実施形態の単結晶基板を示す平面図である。図2に示すように、本実施形態の単結晶基板は、基体である単結晶ウエハ1の一方の面に相互に平行な複数本の溝3aと、これら溝3aと直交すると共に相互に平行な複数本の溝3bとが、単結晶ウエハ1の周縁部まで形成されている。これら溝3a及び溝3bの溝ピッチp及び溝ピッチpは夫々一定ではなく、溝3a及び溝3bは不規則な間隔で形成されている。また、溝3a及び溝3bが延びる方向と単結晶ウエハ1の劈開方向xとがなす角度α及び角度αは、いずれも8°以上になっている。
本実施形態の単結晶基板においては、前述の第1の実施形態と同様に、溝が延びる方向を劈開方向xに対して8°以上ずらしているため、後工程において、基板が劈開して意図せぬ破損が発生することを抑制することができる。また、本実施形態の単結晶基板は、溝ピッチp及び溝ピッチpを夫々不規則に変化させているため、溝ピッチp及び溝ピッチpを夫々一定にした場合よりも、破損及び反りを抑制する効果が高い。一般に、基板上にダイヤモンド膜を成膜する際には、基板温度に分布が生じる。そこで、例えば、基板温度が高く、タイヤモンド膜の膜厚が厚くなる部分、即ち、基板とダイヤモンド膜との間に生じる応力が大きい部分は、溝ピッチを狭くして溝を密に形成し、逆に、基板温度が低く、ダイヤモンド膜の膜厚が薄くなる部分、即ち、基板とダイヤモンド膜との間に生じる応力が小さい部分は、溝ピッチを広くして溝を疎に形成することにより、基板の反りを最小限に抑えることができる。
本実施形態の単結晶基板は、その上にダイヤモンド膜を形成した際の反り量が少なく、また破損しくにいため、ダイヤモンド半導体装置用の基板としても、ダイヤモンド膜の剥離及び半導体製造工程における意図せぬ破損の発生を、従来の単結晶基板に比べて低減することができる。
次に、本発明の第3の実施形態に係る単結晶基板について説明する。前述の第1の実施形態の単結晶基板は、溝を単結晶ウエハの周縁部まで形成しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、溝が形成されていない領域が設けられていてもよい。図3は本実施形態の単結晶基板を示す平面図である。図3に示すように、本実施形態の単結晶基板は、単結晶ウエハ1の一方の面に相互に平行な複数本の溝4aと、少なくとも1本はこれら溝4aと直交し相互に平行な複数本の溝4bとが、夫々略等間隔に形成されている。即ち、溝4a及び溝4bは、溝ピッチp及び溝ピッチpが、夫々一定になるように形成されている。また、これら溝4a及び4bが延びる方向と単結晶ウエハ1の劈開方向xとがなす角度α及び角度αはいずれも8°以上になっている。更に、溝4a及び4bは、単結晶ウエハ1の周縁部には形成されておらず、その長さも不均一になっている。
本実施形態の単結晶基板においては、周縁部に溝が形成されていない。一般に、単結晶基板においては、その周縁部に応力が集中することにより劈開が発生することが多い。このため、基板の周縁部に溝を形成しないことにより、その周縁部の強度を高め、意図せぬ劈開が発生して基板が破損する確率をより低減することができる。
また、本実施形態の単結晶基板においては、溝の長さが不均一になっている。これにより、その上にダイヤモンド膜を形成した際の、基板の反りを抑制する効果を向上させることができる。具体的には、基板とダイヤモンド膜との間の応力が大きい部分には溝を形成し、基板とダイヤモンド膜との応力が小さい部分には溝を形成しないことにより、ウエハの反りを効率的に抑制することができる。なお、溝4a及び溝4bの長さは、10mm以上であることが好ましい。溝の長さが10mm未満であると、実質的に反りを防止する効果が得られない。また、溝4a及び溝4bの長さは10mm以上であればよく、例えば、一方向に断続的に形成されていてもよい。
本実施形態の単結晶基板は、前述の第1及び第2の実施形態の単結晶基板と同様に、その上にダイヤモンド膜を形成した際の反り量が少なく、また破損しくにいため、ダイヤモンド半導体装置用の基板として使用した際に、従来の単結晶基板に比べて、ダイヤモンド膜の剥離及び半導体製造工程における意図せぬ破損の発生を低減することができる。
次に、本発明の第4の実施形態の単結晶基板について説明する。図4は本実施形態の単結晶基板を示す平面図である。図4に示すように、本実施形態の単結晶基板は、単結晶ウエハ1の一方の面における中心部分以外の部分に、相互に平行な複数本の溝5aと、これら溝5aと直交し相互に平行な複数本の溝5bとが、夫々略等間隔に形成されている。即ち、溝5a及び溝5bは、溝ピッチp及び溝ピッチpが夫々一定になるように形成されている。また、これら溝5a及び溝5bが延びる方向と単結晶ウエハ1の劈開方向xとがなす角度α及び角度αはいずれも8°以上になっている。
本実施形態の単結晶基板においては、前述の第3の実施形態の単結晶基板とは異なり、周縁部には溝が形成されているが、中心部分に溝が形成されていない。このように、中心部分の溝密度を小さくし、周縁部分の溝密度を大きくすることにより、周縁部分の基板温度が高く、中心部分よりも周縁部分の方が膜厚が厚くなるような条件で、ダイヤモンド膜を成膜する場合においても、意図せぬ劈開が発生して基板が破損する確率をより低減することができる。
本実施形態の単結晶基板は、前述の第1乃至第3の実施形態の単結晶基板と同様に、一方の面に、単結晶ウエハ1の劈開方向xとがなす角度α及び角度αが8°以上である複数本の溝が形成されているため、その上にダイヤモンド膜を形成した際の反り量が少なく、破損しくい。よって、この単結晶基板を、ダイヤモンド半導体装置用の基板として使用することにより、ダイヤモンド膜の剥離及び半導体製造工程における意図せぬ破損の発生を抑制することができる。
次に、本発明の第5の実施形態の単結晶基板について説明する。図5は本実施形態の単結晶基板を示す平面図である。図5に示すように、本実施形態の単結晶基板は、単結晶ウエハ1の一方の面に、その延びる方向と単結晶ウエハ1の劈開方向xとがなす角度α及び長さが夫々異なる複数本の溝6aと、これら溝6aと交差しその延びる方向と単結晶ウエハ1の劈開方向xとがなす角度α及び長さが夫々異なる複数本の溝6bとが、周縁部を除く部分に形成されている。即ち、これらの溝6a及び溝6bは、隣り合う同士が相互に平行ではなく、溝ピッチp及び溝ピッチpも一定ではない。但し、角度α及び角度αはいずれも8°以上になっている。
本実施形態の単結晶基板においては、前述の第1乃至第4の実施形態の単結晶基板と同様に、一方の面に、角度α及び角度αが夫々8°以上である複数本の溝が形成されているため、その上にダイヤモンド膜を形成した際の反り量が少なく、破損しくい。また、前述の第3の実施形態の単結晶基板と同様に、周縁部に溝が形成されていないため、周縁部の強度が高く、意図せぬ劈開が発生して基板が破損する確率が低い。更に、従来の単結晶基板は、複数本の溝が相互に平行に形成されているため、特定の方向に対して外部応力が作用したときに、基板が破損しやすいが、この単結晶基板は、溝毎にその延びる方向と単結晶ウエハ1の劈開方向xとがなす角度を変えているため、特定の方向に対して外部応力が加わった場合においても、意図せぬ劈開が発生して基板が破損する確率を大幅に低減することができる。
その結果、この単結晶基板を、ダイヤモンド半導体装置用の基板として使用することにより、ダイヤモンド膜の剥離及び半導体製造工程における意図せぬ破損の発生を抑制することができるため、低コストで信頼性が高いダイヤモンド半導体装置を製造することができる。
また、前述の第1及び第5の単結晶基板においては、平面視で直線状の溝が形成されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、平面視で曲線状の溝が形成されていてもよい。これにより、溝部への応力の集中が緩和されるため、基板の意図せぬ破損を抑制することができる。
次に、本発明の実施例の効果について、本発明の範囲から外れる比較例と比較して説明する。先ず、本発明の第1実施例として、溝が延びる方向とシリコンウエハの劈開方向とがなす角度を0乃至75°の範囲で変更して、複数種の単結晶基板を作製した。図6は本実施例の単結晶基板の一例を模式的に示す平面図である。先ず、直径が200mmで劈開方向が方向x及びこの方向xに直交する方向yである単結晶シリコンウエハ10の一方の面を、粒径が10乃至30μmのダイヤモンド粉末を使用して超音波振動を印加しながら研磨処理した。その後、刃幅が100μmの円盤状刃及び硬質工具を使用して、この単結晶シリコンウエハ10の一方の面に機械的に、図6に示す複数本の溝7a及びこの溝7aと交差する複数本の溝7bを形成して単結晶基板とした。このとき、溝ピッチを5乃至25mmの範囲で変化させ、図6に示すように溝ピッチが一定である単結晶基板及び溝ピッチが不規則である単結晶基板を作製した。各単結晶基板における溝7a及び溝7bの深さは50μmとし、各溝は周縁部まで形成した。
次に、前述の方法で作製した単結晶基板上に、マイクロ波CVD(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長)法によりダイヤモンドを成膜した。具体的には、炭化水素をプラズマ中で分解し、単結晶基板の溝が形成されている面上に、平均膜厚が100μmになるようにダイヤモンドを堆積した。その際の成膜条件は、基板温度は800乃至900℃とし、原料ガスとしてメタン2体積%と水素98体積%との混合ガスを使用し、ガス圧は14.6kPa(110Torr)とした。また、比較例1として、溝を形成していない単結晶シリコンウエハ10上に、同様の条件でダイヤモンド膜を形成した。
次に、上述の方法でダイヤモンド膜を成膜した本実施例及び比較例の単結晶基板について、室温における反り量を測定した。具体的には、各単結晶基板を平坦な面に設置し、レーザ干渉計でその表面の最高点と最低点を測定し、その差を反り量とした。その結果、溝が形成されていない比較例1の単結晶基板の反り量は1000μm以上であったが、溝が形成されている単結晶基板の反り量は20μm以下であった。
次に、ダイヤモンド膜が形成された各単結晶基板を使用して、半導体センサを作製した。先ず、アルコール及びアセトン等の有機溶媒並びに各種酸溶液中で各単結晶基板を洗浄し、フォトリソグラフィ法によるパターニング及びドライエッチング等を行って、ダイヤモンド膜表面に微細なパターンを形成した。その後、蒸着により金属接合及び配線形成を行い、チップ状に切断して個々の素子を分離した。そして、溝が延びる方向とシリコンウエハの劈開方向とがなす角度が異なる300枚のウエハについて、この半導体センサ作製過程における意図せぬ破損率を調べた。図7は横軸に溝が延びる方向とシリコンウエハの劈開方向とがなす角度をとり、縦軸にウエハ破損率をとって、溝が延びる方向とシリコンウエハ10の劈開方向とがなす角度とウエハ破損率との関係を示すグラフ図である。図7に示すように、本発明の範囲内である溝が延びる方向と劈開方向とがなす角度が8°以上である単結晶基板は、ウエハ破損率が10%以下であり、溝が延びる方向と劈開方向とがなす角度が8°未満である比較例の単結晶基板よりも、製造工程における破損を低減することができた。
次に、本発明の第2実施例として、溝が延びる方向とシリコンウエハの劈開方向とがなす角度を8乃至85°の範囲で変更した複数種の単結晶基板を作製した。図8は本実施例の単結晶基板を模式的に示す平面図である。図8に示すように、本実施例においては、前述の第1実施例と同様の方法で、直径が200mmで、劈開方向が方向x及びこの方向xに直交する方向yであり、表面が{100}面により形成されている単結晶シリコンウエハ11の一方の面に、溝の深さが150μm、溝ピッチが3乃至35mmである複数本の溝8aと、この溝8bと交差する複数本の溝8bとを、夫々断続的に形成した。
次に、前述の方法で作製した単結晶基板上に、熱フィラメントCVD法により、厚さ50μmのダイヤモンド膜を形成した。その際、基板温度を750℃とし、原料ガスとしてメタン2体積%と水素98体積%との混合ガスを使用し、ガス圧は5.3kPa(40Torr)とした。また、比較例2として、溝を形成していないシリコンウエハ上に、同様の条件でダイヤモンド膜を形成した。
次に、上述の方法でダイヤモンド膜を成膜した実施例及び比較例の単結晶基板について、前述の第1実施例と同様の方法で、室温における反り量を測定した。その結果、溝が形成されていない比較例2の単結晶基板の反り量は1200μm以上であった。一方、溝が形成されている単結晶基板の反り量は50μm以下であり、溝を形成することにより基板の反りを低減することができた。
次に、上述の方法でダイヤモンド膜を成膜した実施例の単結晶基板を使用して、前述の第1実施例と同様の方法で半導体センサを作製し、その破損率を調べた。その結果、溝を形成していない比較例2の単結晶基板の破損率は100%であったが、その延びる方向と劈開方向とがなす角度が8°以上である溝を断続的に形成した本実施例の単結晶基板は、破損率が12%以下であった。特に、溝が延びる方向とシリコンウエハの劈開方向とがなす角度が55乃至65°である単結晶基板では、破損がほとんど発生せず、製造工程における破損を大幅に低減することができた。なお、実施例1の単結晶基板と実施例2の単結晶基板とでは破損率に若干の差があるが、これは誤差範囲であり、本発明の単結晶基板は、ダイヤモンド成膜条件により破損率が大きく変化することはない。
次に、本発明の第3実施例として、エッチング法により単結晶基板を作製した。図9は本実施例の単結晶基板を模式的に示す平面図である。本実施例においては、先ず、直径が300mmで劈開方向が方向x及びこの方向xに直交する方向yである単結晶シリコンウエハ12の一方の面を、粒径が10乃至30μmのダイヤモンド粉末を使用して超音波振動を印加しながら研磨処理した。そして、この単結晶シリコンウエハ12の表面を洗浄した後、フォトレジストによりその一方の面上に、図9に示す複数本の溝9a及びこの溝9aと交差する複数本の溝9bのパターンを形成した。このとき、各溝の配列角度、即ち、溝が延びる方向とシリコンウエハの劈開方向とがなす角度は20°とした。また、単結晶基板の周縁部には溝が形成されないようにした。次に、単結晶シリコンウエハ12の全面にアルミナ膜を形成した後、フォトレジストを有機溶剤で溶解除去してアルミナマスクパターンを形成した。その後、フッ酸溶液及び硝酸溶液を使用して化学的エッチング法により溝9a及び溝9bを形成し、更に、りん酸溶液でアルミナマスクを除去して単結晶基板とした。なお、各単結晶基板における溝9a及び溝9bの深さは夫々50μmであり、溝ピッチは3乃至10mmであった。
次に、前述の方法で作製した単結晶基板上に、熱フィラメントCVD法により、平均厚さが80μmのダイヤモンド膜を形成した。その際、基板温度を800℃とし、原料ガスとしてアセトン及びメタノールを使用した。
次に、上述の方法でダイヤモンド膜を成膜した単結晶基板について、前述の第1実施例と同様の方法で、室温における反り量を測定した。その結果、本実施例の単結晶基板の反り量は20μm以下であった。
次に、ダイヤモンド膜が形成された実施例の単結晶基板を使用して、前述の第1実施例と同様の方法で半導体センサを作製し、その破損率を調べた。その結果、破損率は%以下であり、円盤状刃等を使用して機械的に溝を形成した単結晶基板よりも破損発生率を低減することができた。これは、化学的エッチング法により形成された溝は、底部の形状が丸くなり、溝部への応力集中を回避する効果がより向上したためである。また、本実施例の単結晶基板は、周縁部に溝を形成していないため、周縁部の強度が高くなり、破損率をより低減することができた。
本発明の第1の実施形態の単結晶基板を示す平面図である。 本発明の第2の実施形態の単結晶基板を示す平面図である。 本発明の第3の実施形態の単結晶基板を示す平面図である。 本発明の第4の実施形態の単結晶基板を示す平面図である。 本発明の第5の実施形態の単結晶基板を示す平面図である。 本発明の第1実施例の単結晶基板の溝形状の一例を模式的に示す平面図である。 横軸に溝が延びる方向とシリコンウエハの劈開方向とがなす角度αをとり、縦軸にウエハ破損率をとって、角度とウエハ破損率との関係を示すグラフ図である。 本発明の第2実施例の単結晶基板の溝形状を模式的に示す平面図である。 本発明の第3実施例の単結晶基板の溝形状を模式的に示す平面図である。 特許文献4に記載のダイヤモンド膜用基板を示す断面図である。
符号の説明
1;単結晶ウエハ
2a、2b、3a、3b、4a、4b、5a、5b、6a、6b、7a、7b、8a、8b、9a、9b;溝
10、11、12;単結晶シリコンウエハ
101;基体
102;溝
103;金属膜
104;ダイヤモンド膜
105;基板
、p;溝ピッチ
x、y;劈開方向
α、α;溝が延びる方向と劈開方向xとがなす角度

Claims (6)

  1. 板状の単結晶材料からなる基体と、この基体の一方の面に形成された複数本の溝と、を有し、前記溝は夫々その延びる方向と前記基体の劈開方向とがなす角度が8°以上であることを特徴とする単結晶基板。
  2. 前記一方の面が{100}面により構成されており、前記複数本の溝が延びる方向と前記劈開方向とがなす角度が55乃至65°であることを特徴とする請求項1に記載の単結晶基板。
  3. 前記複数本の溝は、隣り合う溝同士の間隔が一定でないことを特徴とする請求項1又は2に記載の単結晶基板。
  4. 前記一方の面の周縁部には、前記溝が形成されていないことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の単結晶基板。
  5. 前記複数本の溝のうち少なくとも隣り合う1対の溝は、その延びる方向と前記劈開方向とがなす角度が相互に異なることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の単結晶基板。
  6. 前記一方の面上にダイヤモンド膜が形成されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の単結晶基板。
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