JP2010034398A - 固体電解コンデンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】固体電解コンデンサに過大な短絡電流が流れた際に、確実に電気回路を開放させ、電流を遮断することができる固体電解コンデンサを得る。
【解決手段】陽極2の表面上に、誘電体層3、電解質層4、及び陰極層(カーボン層5及び銀ペースト層6)をこの順で積層させたコンデンサ素子11に、陽極リードフレーム7及び陰極リードフレーム8を接続させた固体電解コンデンサ10において、陽極リードフレームからコンデンサ素子への電流路及びコンデンサ素子から陰極リードフレームへの電流路のうちの少なくともいずれか一方の電流路内に、熱膨張性黒鉛を含有する導電性接着剤層を設け、コンデンサ素子に流れる電流が導電性接着剤層中を通るように構成したことを特徴とする固体電解コンデンサ。
【選択図】図1

Description

本発明は、陽極の表面上に、誘電体層、電解質層、及び陰極層をこの順で積層させたコンデンサ素子を用いた固体電解コンデンサに関するものである。
固体電解コンデンサは、パソコン、携帯電話等の各種携帯情報端末、デジタルカメラ等の各種映像情報機器、その他の電子機器等において、CPUの電源回路、その周辺回路等に組み込まれて使用されている。
このような固体電解コンデンサにおいて、万一の誤接続や故障が生じた場合、大きな短絡電流が流れ、コンデンサ素子が発熱・発火し、周囲の部品やプリント配線板を焼損するおそれがあった。そこで、近年、過大な短絡電流による固体電解コンデンサの焼損を防止することが検討されている。
固体電解コンデンサの焼損を防止する技術として、コンデンサ素子と、コンデンサ素子に接続される端子との間にヒューズを接続し、そのヒューズを外装樹脂内に封入した、いわゆるヒューズ内蔵型の固体電解コンデンサが提案されている(例えば、特許文献1)。このようなヒューズ内蔵型の固体電解コンデンサでは、コンデンサ素子と端子間にヒューズを設置することにより、過大な短絡電流がコンデンサ素子に流れた場合、ヒューズの溶断により電気回路を開放させ電流を遮断し、固体電解コンデンサの焼損を防止することができる。
しかしながら、従来のヒューズ内蔵型の固体電解コンデンサは、構成が複雑になると共に、確実に電流を遮断することができない場合があるという問題があった。
また、コンデンサ素子と、これに接続されるリードフレームとの間に、導電性粒子を混入させた絶縁性ポリマーから形成された電流制御層を設けることにより、低い温度で電流制御が可能な固体電解コンデンサが提案されている(例えば、特許文献2)。
しかしながら、このような固体電解コンデンサは、低い温度での電流制御を目的としているものである。
本発明は、後述するように、熱膨張性黒鉛を含有する導電性接着剤層を用いるものであるが、特許文献3には、本発明において用いることができる熱膨張性黒鉛の製造方法などが記載されている。
特開2001−176374号公報 特開2004−221544号公報 特開2007−45676号公報
本発明の目的は、過大な電流がコンデンサ素子に流れた際に、電気回路を開放させ、電流を遮断することができる固体電解コンデンサを提供することにある。
本発明は、陽極の表面上に、誘電体層、電解質層、及び陰極層をこの順で積層させたコンデンサ素子に、陽極リードフレーム及び陰極リードフレームを接続させた固体電解コンデンサにおいて、陽極リードフレームからコンデンサ素子への電流路及びコンデンサ素子から陰極リードフレームへの電流路のうちの少なくともいずれか一方の電流路内に、熱膨張性黒鉛を含有する導電性接着剤層を設け、コンデンサ素子に流れる電流が導電性接着剤層中を通るよう構成したことを特徴としている。
本発明においては、陽極リードフレームからコンデンサ素子への電流路及びコンデンサ素子から陰極リードフレームへの電流路のうちの少なくともいずれか一方の電流路内に、熱膨張性黒鉛を含有する導電性接着剤層を設けている。導電性接着剤層中に含有されている熱膨張性黒鉛は、所定の温度になると、体積が膨張するという特性を有している。このため、所定の温度になり、熱膨張性黒鉛が膨張すると、導電性接着剤層中に空間が形成され、これによって、導電性接着剤層を流れる電流を遮断することができる。このため、本発明に従い導電性接着剤層をコンデンサ素子に流れる電流の電流路内に設けておくことにより、コンデンサ素子に流れる電流を確実に遮断することができる。このため、過大な短絡電流がコンデンサ素子に流れ、コンデンサ素子が温度上昇した場合、確実に電気回路を開放させ、電流を遮断することができる。従って、固体電解コンデンサの焼損を確実に防止することができる。
本発明に従う好ましい実施形態の1つにおいては、コンデンサ素子と、陽極リードフレーム及び陰極リードフレームのうちの少なくともいずれか一方との間に、導電性接着剤層が設けられる。
本発明に従う他の好ましい実施形態においては、陽極リードフレーム及び陰極リードフレームのうちの少なくともいずれか一方が分割され、分割されたリードフレームの間に導電性接着剤層が設けられる。
導電性接着剤層に空間が形成され、電流を遮断する温度は、熱膨張性黒鉛の膨張開始温度によって制御することができる。膨張開始温度の異なる熱膨張性黒鉛が市販されているので、これらを適宜選択して使用することにより、導電性接着剤層のヒューズ機能を発揮させる温度を適宜調整することができる。
本発明に用いることができる熱膨張性黒鉛としては、例えば、特許文献3に開示された方法により製造される熱膨張性黒鉛を挙げることができる。具体的には、原料黒鉛を硫酸及び酸化剤の混合物中で処理した後、固体中和剤を混合することによって製造することができる。熱膨張性黒鉛の原料黒鉛としては、天然黒鉛、熱分解黒鉛、キッシュ黒鉛などが挙げられる。また、硫酸としては、濃硫酸、無水硫酸、発煙硫酸などが挙げられる。また、酸化剤としては、過酸化水素、過酸化アンモニウム、過酸化カリウムのような過酸化物、過硫酸塩、濃硝酸、発煙硝酸のような硝酸、過塩素酸、過塩素酸塩などを挙げることができる。
酸化剤は、硫酸100重量部に対し、1〜10重量部程度使用することが好ましい。
また固体中和剤としては、アルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩などが挙げられる。固体中和剤の使用量は、例えば、酸処理黒鉛100重量部に対し、炭酸カルシウムの場合40〜100重量部、水酸化マグネシウムの場合40〜90重量部が好ましく用いられる。
本発明において、熱膨張性黒鉛の膨張開始温度は、300〜400℃の範囲であることが好ましい。固体電解コンデンサをプリント基板などに半田付けする際、300℃未満の温度に加熱される場合があるため、膨張開始温度が300℃未満であると、半田付けする際にコンデンサが故障する場合がある。また、膨張開始温度が400℃を越えると、熱膨張性黒鉛が膨張を開始して電流を遮断する前に、コンデンサ素子の発火・燃焼が開始するおそれがある。
熱膨張性黒鉛の膨張開始温度は、目盛の付いた容量12mlのガラスシリンダーに熱膨張性黒鉛の試料1gを入れ、これを電気路に入れて、150℃から毎分5℃の速度で昇温させ、5℃毎にガラスシリンダー内の容量を読み取り、熱膨張性黒鉛の容積が元の容量の1.1倍以上に膨張したときの温度である。
本発明において、導電性接着剤層中の熱膨張性黒鉛の含有量は、5〜30重量%の範囲内であることが好ましい。熱膨張性黒鉛の含有量が多すぎると、導電性接着剤層の導電性が低下し、固体電解コンデンサの性能が低下するおそれがある。また、熱膨張性黒鉛の含有量が少なすぎると、熱膨張性黒鉛が膨張しても、電気回路を開放し電流を遮断することができなくなる場合がある。
本発明における導電性接着剤層は、銀粒子などの導電性粒子を含む導電性ペーストに、熱膨張性黒鉛を添加し、均一になるように混合した導電性接着剤を塗布することにより形成することができる。
本発明によれば、過大な短絡電流がコンデンサ素子に流れた際に、電気回路を開放させ、電流を遮断することができる固体電解コンデンサとすることができる。
以下、本発明を具体的な実施例により詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<実験1>
(実施例1)
図1は、本発明に従う実施例の固体電解コンデンサを示す概略断面図である。図2は、図1に示す(a)線に沿う断面図である。
図1に示すように、固体電解コンデンサ10においては、陽極2の表面に、誘電体層3、電解質層4、カーボン層5、及び銀ペースト層6がこの順に形成されている。陽極2は、多孔質焼結体から形成されている。
陽極2は、弁作用金属またはその合金の多孔質焼結体から形成されており、誘電体層3は、この多孔質焼結体の表面を陽極酸化等により酸化することにより形成されている。従って、誘電体層3は、陽極2の内部にも形成されている。
誘電体層3の上には、電解質層4が形成されている。電解質層4は、例えば、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性高分子から形成することができる。電解質層4は、誘電体層3の上に形成されており、従って、陽極2の内部にも形成されている。
陽極リード線1は、陽極2の中心部に埋設されている。陽極リード線1は、陽極2を焼結する際に、弁作用金属またはその合金からなる線材を中心部に配置して焼結体を形成することにより陽極2に埋設させることができる。
陽極2の外周面の電解質層4の上には、カーボン層5が形成されている。カーボン層5は、カーボンペーストを塗布することにより形成することができる。カーボン層5の上には、銀ペースト層6が形成されている。銀ペースト層6は、銀粒子を含有する銀ペースト層を塗布することにより形成することができる。一般には、銀粒子を含有する導電性ペーストが用いられる。
カーボン層5と銀ペースト層6から陰極層が構成されている。
銀ペースト層6には、熱膨張性黒鉛を含有した導電性接着剤層12を介して、陰極リードフレーム8が接続されている。また、陽極リード線1には、陽極リードフレーム7が溶接により接続されている。陽極リードフレーム7及び陰極リードフレーム8の端部が、外部に引き出されるように、モールド外装樹脂9が形成されている。
コンデンサ素子11は、陽極2、誘電体層3、電解質層4、カーボン層5、及び銀ペースト層6から構成されている。
導電性接着剤層12は、熱膨張性黒鉛を含有している。コンデンサ素子11に過大な短絡電流が流れた際、コンデンサ素子が発熱するので、この発熱により導電性接着剤層12中に含有された熱膨張性黒鉛が所定の温度に達し、熱膨張を開始する。熱膨張性黒鉛の膨張により、導電性接着剤層12の内部に空間が形成され、これにより導電性接着剤層の導電性が失われ、コンデンサ素子11に流れる電流が遮断される。従って、これによりコンデンサ素子11の発火及び燃焼を防止することができる。
上記の本実施例の固体電解コンデンサは、具体的には以下のようにして作製した。
タンタルからなる陽極リード線の一部を覆うように約2μmの平均粒子径のタンタル粉末を略板状に成形し、真空中でこの成形体を焼結して、陽極リード線1を中心部に埋設した陽極2を形成した。
次に、陽極2を、約60℃に保持した約0.1重量%のリン酸水溶液中に浸漬し、8Vの定電圧で約10時間陽極酸化した。これにより、陽極2の表面上に、酸化タンタルからなる誘電体層3を形成した。誘電体層3は、上述のように、多孔質体である陽極2の内部にも形成されている。
次に、重合性モノマーとしてのピロール10重量%と、ドーパント付与剤兼酸化剤としてのパラトルエンスルホン酸鉄(III)16重量%とを、エタノールと水の5:1(体積比)の混合溶媒に溶解し、モノマー溶液を調製した。このモノマー溶液に、誘電体層3を形成した陽極2を浸漬し、大気中で2時間放置することにより、誘電体層3の上に、厚み約100μmの導電性高分子からなる電解質層4を形成した。
次に、陽極2の外周面の電解質層4の上に、カーボンペーストを塗布し、150℃で30分間乾燥させて、カーボン層5を形成した。次に、カーボン層5の上に、銀ペーストを塗布し、170℃で30分間乾燥して、銀ペースト層6を形成した。
以上のようにして、コンデンサ素子11を作製した。
次に、銀ペースト層6を形成したのと同じ銀ペーストに、熱膨張性黒鉛(膨張開始温度:250℃、250℃での膨張度:20cm/g)を、導電性接着剤層12中の熱膨張性黒鉛の含有量が10重量%となるように添加して、導電性接着剤形成用ペーストを作製した。この導電性接着剤層形成用ペーストを銀ペースト層6の上に塗布し、その上に陰極リードフレーム8を配置し、150℃、1×10Paの減圧下で2時間乾燥した。これにより、陰極リードフレーム8と銀ペースト層6とを、導電性接着剤層12により接着した。
図2に示すように、銀ペースト層6と陰極リードフレーム8とが接触する面の全面を覆うように導電性接着剤層12を形成している。
陽極リードフレーム7は、陽極リード線1に溶接により取り付けた。
次に、陽極リードフレーム7及び陰極リードフレーム8の端部が、外部に引き出されるように、モールド成形によりコンデンサ素子11を樹脂で被覆し、モールド外装樹脂9を形成して固体電解コンデンサ10を作製した。
作製した固体電解コンデンサ10の断面を透過型電子顕微鏡で観察した。その結果、導電性接着剤層12の厚みは、約50μmであった。
なお、熱膨張性黒鉛の膨張度は、以下のようにして測定することができる。
所定温度に保持した電気路内に、5分間以上保持した容量150mlの石英ビーカーを電気路から取り出し、直ちに熱膨張性黒鉛の試料0.5gを入れ、所定温度に保持した電気路内に入れる。10秒間路内に保持した後、再び電気路から取り出し、放冷した後、ビーカーの目盛により膨張の容積を測定し、試料重量に対する膨張による増加容積(cm/g)を、その所定温度における膨張度とする。
(実施例2)
膨張開始温度が300℃であり、300℃の膨張度が20cm/gである熱膨張性黒鉛を用いる以外は、実施例1と同様にして、固体電解コンデンサを作製した。
(実施例3)
膨張開始温度が350℃であり、350℃の膨張度が20cm/gである熱膨張性黒鉛を用いる以外は、実施例1と同様にして、固体電解コンデンサを作製した。
(実施例4)
膨張開始温度が400℃であり、400℃の膨張度が20cm/gである熱膨張性黒鉛を用いる以外は、実施例1と同様にして、固体電解コンデンサを作製した。
(実施例5)
膨張開始温度が450℃であり、450℃の膨張度が20cm/gである熱膨張性黒鉛を用いる以外は、実施例1と同様にして、固体電解コンデンサを作製した。
(比較例1)
導電性接着剤層12を、熱膨張性黒鉛を添加していない銀ペーストで形成する以外は、実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
(比較例2)
導電性接着剤層12を形成せずに、銀ペースト層6の上に陰極リードフレーム8を設置し、銀ペースト層6と陰極リードフレーム8の間を、金ワイヤー(線径50μm)により接続したこと以外は、実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
〔静電容量の測定〕
実施例1〜5及び比較例1〜2で作製した固体電解コンデンサの静電容量を測定した。各固体電解コンデンサを半田ごてを用いて、コンデンサが過熱しないように手作業でプリント基板の表面に実装した後、周波数120Hzでの静電容量を測定した。測定結果を表1に示す。なお、表1に示す静電容量の値は、比較例1の測定値を100として規格化した値である。
〔ヒューズ機能確認試験〕
実施例1〜5及び比較例1〜2で作製した固体電解コンデンサのヒューズ機能を以下のようにして確認した。各固体電解コンデンサを、半田ごてを用いてコンデンサが過熱しないように手作業でプリント基板の表面に実装した後、陽極酸化電圧の2倍である16Vの過電圧を印加してコンデンサ素子を短絡し、5Aの過電流を印加して、電気回路が開放となるか否かを観察した。また、コンデンサが発煙または発火するか否かを確認した。サンプル数を100個とし、そのうち電気回路が開放となった数、及びコンデンサが発煙または発火に至った数をカウントし、結果を表1に示した。なお、16Vの過電圧及び5Aの過電流は、通常の固体電解コンデンサの使用状態では実現されない過酷な条件である。
または、各固体電解コンデンサの体積に対する、コンデンサ素子の体積の占有率を算出し、素子占有率として表1に示した。
Figure 2010034398
表1に示す結果から明らかなように、本発明に従う実施例1〜5の固体電解コンデンサは、回路開放数がいずれも100になっており、比較例1及び比較例2の固体電解コンデンサに比べ、ヒューズ機能が高く、過電流が流された際の電流の遮断を確実に行うことができる。これは、導電性接着剤層に熱膨張性黒鉛を含有させておくことにより、過電流が流れた際に、コンデンサ素子の発熱により導電性接着剤層中の熱膨張性黒鉛が膨張し、導電性接着剤層内に空間が形成されて導電性接着剤層による電流路部分が破壊されるため、コンデンサ素子に流れる電流を確実に遮断することができるためである。表1に示すように、従来のヒューズ内蔵型の固体電解コンデンサである比較例2では、回路開放数が87となっており、コンデンサ素子に流れる電流を確実に遮断することができていない。
また、実施例1〜5の固体電解コンデンサは、比較例2のヒューズ内蔵型の固体電解コンデンサよりも素子占有率が高くなっている。また、実施例1〜5の固体電解コンデンサは、ヒューズを設けていない比較例1の固体電解コンデンサと同等の素子占有率を示している。従って、本発明に従う実施例1〜5の固体電解コンデンサは、体積増加をほとんど伴うことなく、過大な短絡電流がコンデンサ素子に流れた際に、電気回路を開放させ、電流を遮断することができる。
実施例5の固体電解コンデンサは、表1に示すようにサンプルの一部で発煙が確認された。これは、実施例5の固体電解コンデンサで用いた熱膨張性黒鉛の熱膨張開始温度が450℃と高いため、熱膨張性黒鉛が膨張を開始して電流を遮断する前に、コンデンサ素子が発煙を開始したためであると考えられる。
または、実施例1〜5並びに比較例1〜2で作製した固体電解コンデンサについて、リフロー方式によりプリント基板の表面に実装し、上記と同様に試験を行った。リフローは、260℃以上の時間が10秒となるリフロー方式により行った。この結果、実施例1の固体電解コンデンサは、静電容量の測定が不可能であった。これは、温度が260℃となるリフロー方式により固体電解コンデンサを実装したため、膨張開始温度が250℃の熱膨張性黒鉛を用いた実施例1の固体電解コンデンサでは、リフロー時に熱膨張性黒鉛が膨張を開始し、コンデンサが故障したためであると考えられる。それ以外の実施例2〜5並びに比較例1〜2については、上記表1と同様の結果が得られた。
以上のことから、熱膨張性黒鉛の膨張開始温度としては、300〜400℃の範囲内が好ましいことがわかる。
<実験2>
ここでは、導電性接着剤層に含有させる熱膨張性黒鉛の含有量の影響を検討した。なお、熱膨張性黒鉛としては、実施例2で用いた熱膨張性黒鉛(熱膨張開始温度:300℃、300℃の熱膨張度:20cm/g)を用いた。
(実施例6)
導電性接着剤層中における熱膨張性黒鉛の含有量が2.5重量%となるように導電性接着剤層を形成する以外は、実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
(実施例7)
導電性接着剤層中における熱膨張性黒鉛の含有量が5重量%となるように導電性接着剤層を形成する以外は、実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
(実施例8)
導電性接着剤層中における熱膨張性黒鉛の含有量が10重量%となるように導電性接着剤層を形成する以外は、実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
(実施例9)
導電性接着剤層中における熱膨張性黒鉛の含有量が30重量%となるように導電性接着剤層を形成する以外は、実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
(実施例10)
導電性接着剤層中における熱膨張性黒鉛の含有量が35重量%となるように導電性接着剤層を形成する以外は、実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
〔ESRの測定〕
実施例6〜10及び比較例1で作製した固体電解コンデンサを、リフロー方式によりプリント基板の表面に実装した後、周波数100kHzでのESRを測定した。ESRの測定は、LCRメータを用いて陽極リードフレーム7と陰極リードフレーム8の間に電圧を印加することにより行った。測定結果を表2に示す。なお、表2に示すESRの値は、比較例1の測定値を100として規格化した値である。
〔ヒューズ機能確認試験〕
実施例6〜10及び比較例1で作製した固体電解コンデンサを、リフロー方式によりプリント基板の表面に実装した後、陽極酸化電圧の2倍である16Vの過電圧を印加してコンデンサ素子を短絡させた後、5Aの過電流を印加して、電気回路が開放となるか否かを確認した。本実験では、サンプル100個を使用し、そのうち電気回路が開放となった数をカウントした。その結果を表2に示す。
なお、リフローは、260℃以上の時間が10秒となるようにして2回行った。
Figure 2010034398
表2に示す結果から明らかなように、熱膨張性黒鉛の含有量が2.5重量%である実施例6においては、回路開放数が95となっている。このことから、導電性接着剤層における熱膨張性黒鉛の含有量が少ないと、熱膨張性黒鉛が膨張しても、電気回路を開放し、電流を遮断できなくなる可能性があることがわかる。
また、熱膨張性黒鉛の含有量が35重量%である実施例10においては、ESRが104の値となっており、ESRが若干上昇している。これは、熱膨張性黒鉛の含有量が多いと、導電性接着剤層の導電性が低下し、固体電解コンデンサの性能が低下するためであると考えられる。
以上の結果から、導電性接着剤層における熱膨張性黒鉛の含有量は5〜30重量%の範囲が好ましいことがわかる。
<他の実施形態>
図3は、本発明に従う他の実施形態の固体電解コンデンサを示す概略断面図である。
図4は、図3に示す(b)線に沿う断面図である。
本実施形態においては、コンデンサ素子11の銀ペースト層6と陰極リードフレーム8との間に形成する導電性接着剤層13に、熱膨張性黒鉛を含有させていない。従って、熱膨張性黒鉛を含有していない銀ペーストから、導電性接着剤層13を形成している。
また、本実施形態においては、陽極2の陽極リード線1と、陽極リードフレーム7とを、熱膨張性黒鉛を含有した導電性接着剤層12により接続している。図4に示すように、陽極リード線1と接続する陽極リードフレーム7の部分は板状であるので、この板状部分の上に熱膨張性黒鉛を含有した導電体接着剤層形成用ペーストを塗布し、これに陽極リード線1を押し付けた状態とし、150℃、1×10Paの減圧下で2時間乾燥させることにより、陽極リードフレーム7と陽極リード線1とを導電性接着剤層12を介して接着させている。
図3に示すように、熱膨張性黒鉛を含有する導電性接着剤層12により、陽極リード線1と陽極リードフレーム7との間を電気的に接続した場合にも、コンデンサ素子11に過大な短絡電流が流れた際、導電性接着剤層12がコンデンサ素子11の発熱により加熱され、導電性接着剤層12内に空間が形成されることによって、コンデンサ素子11に流れる電流を確実に遮断することができる。
なお、図3に示す導電性接着剤層13も、熱膨張性黒鉛を含有させた導電性接着剤層12とし、2箇所にヒューズ機能を有する導電性接着剤層12を設けても良い。
図5は、本発明に従うさらに他の実施形態の固体電解コンデンサを示す概略断面図である。
本実施形態においては、陰極リードフレームを2つの分割リードフレーム8a及び8bに分割しており、これらの分割リードフレーム8a及び8bの端部8c及び8dの間に、熱膨張性黒鉛を含有する導電性接着剤層12を形成している。従って、分割リードフレーム8a及び8bによって陰極リードフレームからなる電流路を分割し、その間に導電性接着剤層12を介在させている。
コンデンサ素子11の銀ペースト層6と分割リードフレーム8bとの間には、熱膨張性黒鉛を含有していない導電性接着剤層13を形成している。分割リードフレーム8aの他方端部8eは、固体電解コンデンサ10が接続される外部端子に接続され、分割リードフレーム8bの他方端部8fは、導電性接着剤層13に接続されている。
本実施形態のように、陰極リードフレームを2つに分割し、分割リードフレーム8aと8bの間に、熱膨張性黒鉛を含有した導電性接着剤層12を設けた場合にも、上記の実施形態と同様に、コンデンサ素子11に過大な短絡電流が流れた際、導電性接着剤層12のヒューズ機能により、コンデンサ素子11に流れる電流を確実に遮断することができる。従って、固体電解コンデンサが焼損するのを確実に防止することができる。
なお、本実施形態においても、導電性接着剤層13を、熱膨張性黒鉛を含有した導電性接着剤層12としてもよい。さらには、陽極リード線1と陽極リードフレーム7との間を、図3に示す実施形態のように、熱膨張性黒鉛を含有する導電性接着剤層12により電気的に接続してもよい。
また、上記実施形態においては、陰極リードフレームを2つに分割しているが、陽極リードフレームを2つに分割して、それらの間に熱膨張性黒鉛を含有した導電性接着剤層を設けてもよい。さらには、3つ以上に分割して、それらの間に熱膨張性黒鉛を含有した導電性接着剤層を設けてもよい。
本発明に従う一実施形態の固体電解コンデンサを示す概略断面図。 図1に示す(a)線に沿う断面図。 本発明に従う他の実施形態の固体電解コンデンサを示す概略断面図。 図3に示す(b)線に沿う断面図。 本発明に従うさらに他の実施形態の固体電解コンデンサを示す概略断面図。
符号の説明
1…陽極リード線
2…陽極
3…誘電体層
4…電解質層
5…カーボン層
6…銀ペースト層
7…陽極リードフレーム
8…陰極リードフレーム
8a,8b…分割リードフレーム
8c,8d…分割リードフレームの端部
9…モールド外装樹脂
10…固体電解コンデンサ
11…コンデンサ素子
12…熱膨張性黒鉛を含有した導電性接着剤層
13…熱膨張性黒鉛を含有していない導電性接着剤層

Claims (5)

  1. 陽極の表面上に、誘電体層、電解質層、及び陰極層をこの順で積層させたコンデンサ素子に、陽極リードフレーム及び陰極リードフレームを接続させた固体電解コンデンサにおいて、
    前記陽極リードフレームから前記コンデンサ素子への電流路及び前記コンデンサ素子から前記陰極リードフレームへの電流路のうちの少なくともいずれか一方の電流路内に、熱膨張性黒鉛を含有する導電性接着剤層を設け、前記コンデンサ素子に流れる電流が前記導電性接着剤層中を通るように構成したことを特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. 前記コンデンサ素子と、前記陽極リードフレーム及び前記陰極リードフレームのうちの少なくともいずれか一方との間に、前記導電性接着剤層を設けたことを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  3. 前記陽極リードフレーム及び前記陰極リードフレームのうちの少なくともいずれか一方が分割され、分割されたリードフレームの間に前記導電性接着剤層が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の固体電解コンデンサ。
  4. 前記熱膨張性黒鉛の膨張開始温度が、300〜400℃の範囲であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ。
  5. 前記導電性接着剤層中の前記熱膨張性黒鉛の含有量が、5〜30重量%の範囲であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ。
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