JP2010034276A - トランス - Google Patents
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Abstract
【課題】一次巻線における損失を低減することができるトランスを提供すること。
【解決手段】本発明のトランス1は、導体線110を巻回してなる一次巻線11と、一次巻線11への通電により発生する磁束による電磁誘導によって誘導起電力が生ずるよう構成されていると共に導体線120を巻回してなる二次巻線12とを有する。一次巻線11を構成する導体線である一次導体線110の外周は、電気的絶縁性を有する絶縁層13を介して二次巻線12を構成する導体線である二次導体線120によって覆われている。
【選択図】図1
【解決手段】本発明のトランス1は、導体線110を巻回してなる一次巻線11と、一次巻線11への通電により発生する磁束による電磁誘導によって誘導起電力が生ずるよう構成されていると共に導体線120を巻回してなる二次巻線12とを有する。一次巻線11を構成する導体線である一次導体線110の外周は、電気的絶縁性を有する絶縁層13を介して二次巻線12を構成する導体線である二次導体線120によって覆われている。
【選択図】図1
Description
本発明は、直流電圧を変圧するスイッチング電源のトランスに関する。
例えば直流電圧を直流電圧に変換するDC−DCコンバータ等には、入力電圧を変圧するためのトランスが備え付けられている。
図11、図12に示すように、従来のトランス9は、例えば銅からなる導体線を渦巻状に巻回してなる一次巻線911と、該一次巻線911への通電により発生する磁束による電磁誘導によって誘導起電力が生ずるよう構成されている二次巻線912と、一次巻線911及び二次巻線912によってその一部を取り巻かれてなる中央磁脚924を有するコア92とからなる。そして、一次巻線911は、二次巻線912を挟み込むようにして配設されている(非特許文献1参照)。
図11、図12に示すように、従来のトランス9は、例えば銅からなる導体線を渦巻状に巻回してなる一次巻線911と、該一次巻線911への通電により発生する磁束による電磁誘導によって誘導起電力が生ずるよう構成されている二次巻線912と、一次巻線911及び二次巻線912によってその一部を取り巻かれてなる中央磁脚924を有するコア92とからなる。そして、一次巻線911は、二次巻線912を挟み込むようにして配設されている(非特許文献1参照)。
Jean-Pierre Vandelac、Phoivos D. Ziogas、「ア ノーベル アプローチ フォア ミニマイジング ハイフリークエンシー トランスフォーマー カッパー ロスィズ(A Novel Approach for Minimizing High-Frequency Transformer Copper Losses)」、アイイーイーイー トランスアクション オン パワー エレクトロニクス(IEEE TRANSACTION ON POWER ELECTRONICS)、1998年、第3巻、第3号、p.266〜p.277
ところが、かかる従来のトランス9においては、以下のような問題が生じる。すなわち、電流は、一次巻線911を構成する導体線である一次導体線910内において二次巻線912側に集中して流れる(図12における符号81参照)。このように、従来のトランス9においては、一次導体線910内で局所的に電流が流れ、該一次導体線910内における電流密度が不均一となる。そのため、一次巻線911において損失が発生してしまうおそれがある。
また、隣り合う一次導体線910同士が近接する部分においては、いわゆる近接効果により一次巻線911への通電によって流れる電流の向きと逆向きの不要な電流が流れる(図12における符号82参照)。そのため、一次巻線911における損失が増大するという問題がある。
また、一次巻線911における損失が増大することにより、トランス9自体が加熱され、さらに周辺部品にも熱が加わってしまうおそれがある。また、これにより、トランス9の電力変換効率が低下するおそれもある。
また、一次巻線911における損失が増大することにより、トランス9自体が加熱され、さらに周辺部品にも熱が加わってしまうおそれがある。また、これにより、トランス9の電力変換効率が低下するおそれもある。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、一次巻線における損失を低減することができるトランスを提供しようとするものである。
第一の発明は、導体線を巻回してなる一次巻線と、該一次巻線への通電により発生する磁束による電磁誘導によって誘導起電力が生ずるよう構成されていると共に導体線を巻回してなる二次巻線とを有するトランスであって、
上記一次巻線を構成する導体線である一次導体線の外周は、電気的絶縁性を有する絶縁層を介して上記二次巻線を構成する導体線である二次導体線によって覆われていることを特徴とするトランスにある(請求項1)。
上記一次巻線を構成する導体線である一次導体線の外周は、電気的絶縁性を有する絶縁層を介して上記二次巻線を構成する導体線である二次導体線によって覆われていることを特徴とするトランスにある(請求項1)。
本発明の作用効果について説明する。
上記一次導体線の外周は、上記絶縁層を介して上記二次導体線によって覆われている。これにより、一次巻線における損失を十分に低減することができるトランスを提供することができる。
すなわち、一次導体線はその外周を二次導体線に覆われているため、隣り合う一次導体線同士の間に二次導体線が配設されることとなる。このため、隣り合う一次導体線同士が接触することがなく、隣り合う一次導体線同士で発生する近接効果を抑制することができる。
上記一次導体線の外周は、上記絶縁層を介して上記二次導体線によって覆われている。これにより、一次巻線における損失を十分に低減することができるトランスを提供することができる。
すなわち、一次導体線はその外周を二次導体線に覆われているため、隣り合う一次導体線同士の間に二次導体線が配設されることとなる。このため、隣り合う一次導体線同士が接触することがなく、隣り合う一次導体線同士で発生する近接効果を抑制することができる。
また、電流は一次導体線内においては、表皮効果により外周側すなわち二次巻線側に集中して流れようとする。
一方、一次導体線内を流れる電流と二次導体線内を流れる電流とは逆向きに流れる。このため、アンペールの法則により、一次巻線を流れる電流と二次巻線を流れる電流とは、互いに遠ざかる方向に力を受ける。すなわち、一次導体線内においては、電流が中心側に向かおうとする力をも受けることとなる。
一方、一次導体線内を流れる電流と二次導体線内を流れる電流とは逆向きに流れる。このため、アンペールの法則により、一次巻線を流れる電流と二次巻線を流れる電流とは、互いに遠ざかる方向に力を受ける。すなわち、一次導体線内においては、電流が中心側に向かおうとする力をも受けることとなる。
このように、一次導体線内においては、電流を外周側に流そうとする力と、電流を一次導体線の中心側に流そうとする力とが作用する。そして、電流を外周側に流そうとする力と電流を一次導体線の中心側に流そうとする力とが互いに打ち消しあい、一次導体線内において電流が均一に流れる。
その結果、一次巻線における損失を低減することができる。
また、一次導体線と二次導体線との間には絶縁層が配設されているため、一次巻線と二次巻線とを確実に絶縁することができる。
その結果、一次巻線における損失を低減することができる。
また、一次導体線と二次導体線との間には絶縁層が配設されているため、一次巻線と二次巻線とを確実に絶縁することができる。
以上のとおり、本発明によれば、一次巻線における損失を低減することができるトランスを提供しようとするものである。
第二の発明は、導体線を巻回してなる一次巻線と、該一次巻線への通電により発生する磁束による電磁誘導によって誘導起電力が生ずるよう構成されていると共に導体線を巻回してなる二次巻線とを有するトランスであって、
上記二次巻線を構成する導体線である二次導体線の外周は、電気的絶縁性を有する絶縁層を介して上記一次巻線を構成する導体線である一次導体線によって覆われていることを特徴とするトランスにある(請求項3)。
上記二次巻線を構成する導体線である二次導体線の外周は、電気的絶縁性を有する絶縁層を介して上記一次巻線を構成する導体線である一次導体線によって覆われていることを特徴とするトランスにある(請求項3)。
上記二次導体線の外周は、上記絶縁層を介して上記一次導体線によって覆われている。これにより、上記第一の発明(請求項1)と同様、本発明の場合にも、二次導体線内においては、電流を外周側に流そうとする力と、電流を導体線の中心側に流そうとする力とが作用する。その結果、二次導体線内において電流が均一に流れることとなるため、二次巻線における損失を低減することができる。
また、絶縁層により一次巻線と二次巻線とを確実に絶縁することができる。
また、絶縁層により一次巻線と二次巻線とを確実に絶縁することができる。
以上のとおり、本発明によれば、二次巻線における損失を低減することができるトランスを提供しようとするものである。
第一及び第二の発明(請求項1、請求項3)におけるトランスは、例えば、直流電圧を直流電圧に変換するDC−DCコンバータ等に備え付けられ、入力電圧の変圧を行う。
一次巻線及び二次巻線はそれぞれ、例えば、銅からなる一次導体線及び二次導体線を用いて形成することができる。
一次巻線及び二次巻線はそれぞれ、例えば、銅からなる一次導体線及び二次導体線を用いて形成することができる。
また、上記二次巻線は、上記トランスの外部に配された放熱部材と接続されていることが好ましい(請求項2)。
この場合には、一次巻線は二次巻線に覆われているため、一次巻線の熱を二次巻線に容易に伝達することができる。そしてさらに、二次巻線は、トランスの外部に配された放熱部材と接続されているため、一次巻線の熱及び二次巻線の熱を容易に放出することができる。これにより、放熱性に優れたトランスを得ることができる。
この場合には、一次巻線は二次巻線に覆われているため、一次巻線の熱を二次巻線に容易に伝達することができる。そしてさらに、二次巻線は、トランスの外部に配された放熱部材と接続されているため、一次巻線の熱及び二次巻線の熱を容易に放出することができる。これにより、放熱性に優れたトランスを得ることができる。
また、上記一次巻線は、上記トランスの外部に配された放熱部材と接続されていることが好ましい(請求項4)。
この場合には、請求項2の発明と同様、放熱性に優れたトランスを得ることができる。
この場合には、請求項2の発明と同様、放熱性に優れたトランスを得ることができる。
(実施例1)
本発明のトランスに係る実施例について、図1〜図8と共に説明する。
本例のトランス1は、図1、図2に示すように、導体線110を巻回してなる一次巻線11と、一次巻線11への通電により発生する磁束による電磁誘導によって誘導起電力が生ずるよう構成されていると共に導体線120を巻回してなる二次巻線12とを有する。
本発明のトランスに係る実施例について、図1〜図8と共に説明する。
本例のトランス1は、図1、図2に示すように、導体線110を巻回してなる一次巻線11と、一次巻線11への通電により発生する磁束による電磁誘導によって誘導起電力が生ずるよう構成されていると共に導体線120を巻回してなる二次巻線12とを有する。
一次巻線11を構成する導体線である一次導体線110の外周は、絶縁層13を介して二次巻線12を構成する導体線である二次導体線120によって覆われている。
また、二次巻線12は、図1に示すように、トランス1の外部に配された放熱部材3と接続されている。
また、二次巻線12は、図1に示すように、トランス1の外部に配された放熱部材3と接続されている。
本例のトランス1について、以下に詳細に説明する。
本例のトランス1は、例えば直流電圧を異なる値の直流電圧に変換するDC−DCコンバータ等において入力電圧を変圧するために備え付けられる。
本例のトランス1は、例えば直流電圧を異なる値の直流電圧に変換するDC−DCコンバータ等において入力電圧を変圧するために備え付けられる。
一次巻線11は、例えば銅からなる一次導体線110によって形成されている。
また、一次巻線11は、図1、図2に示すように、一次導体線110を複数回にわたって渦巻状に形成してある。具体的には、本例においては、同一の中心軸Mを中心として二本の一次導体線110を渦巻状に巻回してなる二つの一次巻線11が、図3に示すように、中心軸Mに沿って並べて二つ配設してある。同図には、一次導体線110及び二次導体線120の共通の軸芯を実線及び点線で示してある。
なお、一次巻線11は、二本の一次導体線110により形成した二つの一次巻線11を中心軸Mに沿って並べて配設しても良いし、一本の一次導体線11により形成した一次巻線11を中心軸Mに沿って二つに分けて配設することもできる。
また、一次巻線11は、図1、図2に示すように、一次導体線110を複数回にわたって渦巻状に形成してある。具体的には、本例においては、同一の中心軸Mを中心として二本の一次導体線110を渦巻状に巻回してなる二つの一次巻線11が、図3に示すように、中心軸Mに沿って並べて二つ配設してある。同図には、一次導体線110及び二次導体線120の共通の軸芯を実線及び点線で示してある。
なお、一次巻線11は、二本の一次導体線110により形成した二つの一次巻線11を中心軸Mに沿って並べて配設しても良いし、一本の一次導体線11により形成した一次巻線11を中心軸Mに沿って二つに分けて配設することもできる。
一次導体線110と二次導体線120との間においては、例えば、樹脂や絶縁紙等からなる絶縁層13を配設することにより、両者の絶縁が図られている。
なお、上記のように一次導体線110と絶縁層13とを別体として形成するのではなく、一次導体線110として、例えばあらかじめ絶縁層13としての絶縁皮膜により被覆してある導体線を用いることもできる。
なお、上記のように一次導体線110と絶縁層13とを別体として形成するのではなく、一次導体線110として、例えばあらかじめ絶縁層13としての絶縁皮膜により被覆してある導体線を用いることもできる。
二次巻線12は、例えば銅からなる二次導体線120によって形成されている。
また、二次巻線12も、一次巻線11と同様、図3に示すように、二つの二次巻線12が中心軸Mに沿って二つに分けて並べて配設してある。
さらにまた、二次巻線12は、二本の二次導体線120により形成した二つの二次巻線12を中心軸Mに沿って並べて配設しても良いし、一本の二次導体線120で形成した二次巻線12を中心軸Mに沿って二つに分けて配設することもできる。
また、二次巻線12も、一次巻線11と同様、図3に示すように、二つの二次巻線12が中心軸Mに沿って二つに分けて並べて配設してある。
さらにまた、二次巻線12は、二本の二次導体線120により形成した二つの二次巻線12を中心軸Mに沿って並べて配設しても良いし、一本の二次導体線120で形成した二次巻線12を中心軸Mに沿って二つに分けて配設することもできる。
この二次巻線12には、前述したとおり、絶縁層13を介して一次導体線110が内包されている。すなわち、二次巻線12は、一次導体線110を内包した状態で二次導体線120を渦巻状に巻回してなる。つまり、一次巻線11と二次巻線12とは、一体的に形成してある。そして、中心軸Mを中心として巻回されている一次巻線11の外側を覆うように絶縁層13が配設されており、さらにその絶縁層13の外側を覆うように中心軸Mを中心として巻回されている二次巻線12が配設されている。換言すれば、本例のトランス1は、一次導体線110と絶縁層13と二次導体線120との同軸三重構造の巻線を有する。
また、一次巻線12は、トランス1の外部に接続された放熱部材3と接続されている。
なお、本例のように隣り合う二次導体線120同士を接触させることで、一次巻線11に対する二次巻線12の巻数比を低減することができる。
なお、本例のように隣り合う二次導体線120同士を接触させることで、一次巻線11に対する二次巻線12の巻数比を低減することができる。
また、トランス1は、図1、図2に示すように一部に一次巻線11や二次巻線12が巻回されたボビン14を有している。
かかるボビン14は、例えば、樹脂や絶縁紙等からなり、その中央には、後述する中央磁脚23を挿通するための貫通孔140が形成されている。
かかるボビン14は、例えば、樹脂や絶縁紙等からなり、その中央には、後述する中央磁脚23を挿通するための貫通孔140が形成されている。
また、トランス1は、前述の一次巻線11や二次巻線12のほか、一次巻線11及び二次巻線12によって一部が取り巻かれたコア2を有する。
該コア2は、一次巻線の軸方向の断面が略E字形状の、一対のコア部材20を組み合わせてなる。なお、本発明においてコア2は必須の構成要件ではなく、また、図1に示すような、略E字形状のコア部材20を組み合わせてなるものに限られるものでもない。
該コア2は、一次巻線の軸方向の断面が略E字形状の、一対のコア部材20を組み合わせてなる。なお、本発明においてコア2は必須の構成要件ではなく、また、図1に示すような、略E字形状のコア部材20を組み合わせてなるものに限られるものでもない。
該コア部材20は、平板状の底面部21と、該底面部21の端部から垂直に立ち上がる側面部22と、他方のコア部材20に向かって底面部21の略中央から一次巻線11の軸方向に突出してなる中央磁脚23とからなる。
そして、前述したとおり、中央磁脚23は、ボビン14の貫通孔140に挿通してある。
そして、前述したとおり、中央磁脚23は、ボビン14の貫通孔140に挿通してある。
中央磁脚23の先端部は、互いに対向して配置されており、先端部同士の間には、若干の隙間からなるエアギャップ230が形成されている。なお、本発明は、エアギャップ230がなくても成り立ち得るものである。
そして、一次巻線11及び二次巻線12は、ボビン14を介して、上記エアギャップ230の周囲及び中央磁脚23の外周を取り囲むようにして配設される。
そして、一次巻線11及び二次巻線12は、ボビン14を介して、上記エアギャップ230の周囲及び中央磁脚23の外周を取り囲むようにして配設される。
次に、トランス1の動作について説明する。
一次巻線11は図示しない外部電源と電気的につながっており、該外部電源より一次巻線11に電流を供給することにより、図1に示すように、一次巻線11の周囲に磁束φが発生する。
かかる磁束φは、コア2内を通過して、該コア2の形状に沿って形成される。
一次巻線11は図示しない外部電源と電気的につながっており、該外部電源より一次巻線11に電流を供給することにより、図1に示すように、一次巻線11の周囲に磁束φが発生する。
かかる磁束φは、コア2内を通過して、該コア2の形状に沿って形成される。
そしてさらに、その磁束φの電磁誘導によって発生する誘導起電力により二次巻線12に電流が流れ、二次巻線12の一対の電極に外部電源電圧とは異なる電圧を発生させる。そして、二次巻線12の巻数等を変更することにより、一次巻線11に付与された電圧を所望の電圧に変圧することができる。
ここで、前述したように隣り合う二次巻線12同士を接触させることで、一次巻線11に対する二次巻線12の巻数比を低減することができる。すなわち、図1の状態においては、すべての二次導体線120がつながっているため、二次巻線12は一巻きとみなすことができる。そしてこの場合には、一次巻線11に負荷される電圧、例えば80Vの電圧を、二次巻線12において10V以下の電圧に変圧することができる。
なお、本例においては、一次導体線110及び二次導体線120を複数回にわたって渦巻状に形成してなるものを用いたが、図6に示すように、一次導体線110の外側を覆った状態で二次導体線120を複数回にわたって螺旋状に巻くことにより、一体的に形成された一次巻線11及び二次巻線12を形成することもできる。すなわち、同図に示すトランス1においては、図7に示すように中心軸Mを中心として径の異なる二つの螺旋を描くように一次導体線110及び二次導体線120を巻回することにより、それぞれ一次コイル11及び二次コイル12が形成されている。
さらにまた、本例のトランス1は、一次巻線11の外周が二次巻線12により覆われているが、図8に示すように、二次巻線12の外周が一次巻線11により覆われるよう構成することもできる。この場合には、二次巻線12における損失を低減することができるトランス1を提供することができる。
なお、上記のように一次巻線11により二次巻線12を覆う場合には、隣り合う一次導体線110同士は、図8に示すように互いの短絡を防ぐために接触させないように配設することが必要である。
なお、上記のように一次巻線11により二次巻線12を覆う場合には、隣り合う一次導体線110同士は、図8に示すように互いの短絡を防ぐために接触させないように配設することが必要である。
以下に、本例の作用効果について説明する。
一次導体線110の外周は、絶縁層13を介して二次導体線120によって覆われている。これにより、一次巻線11における損失を十分に低減することができるトランス1を提供することができる。
すなわち、一次巻線11はその外周を二次巻線12に覆われているため、隣り合う一次導体線110同士の間に二次巻線12が配設されることとなる。このため、隣り合う一次導体線110同士が接触することがなく、隣り合う一次導体線110同士で発生する近接効果を抑制することができる。
一次導体線110の外周は、絶縁層13を介して二次導体線120によって覆われている。これにより、一次巻線11における損失を十分に低減することができるトランス1を提供することができる。
すなわち、一次巻線11はその外周を二次巻線12に覆われているため、隣り合う一次導体線110同士の間に二次巻線12が配設されることとなる。このため、隣り合う一次導体線110同士が接触することがなく、隣り合う一次導体線110同士で発生する近接効果を抑制することができる。
また、電流8は一次導体線110内においては、表皮効果により外周側すなわち二次巻線12側に集中して流れようとする(図4における符号F1参照)。
一方、一次導体線110内を流れる電流と二次導体線120内を流れる電流とは逆向きに流れる。このため、アンペールの法則により、一次巻線11を流れる電流と二次巻線12を流れる電流とは、互いに遠ざかる方向に力を受ける(図5における符号F2参照)。すなわち、一次導体線110内においては、電流8が中心側に向かおうとする力F2をも受けることとなる。
一方、一次導体線110内を流れる電流と二次導体線120内を流れる電流とは逆向きに流れる。このため、アンペールの法則により、一次巻線11を流れる電流と二次巻線12を流れる電流とは、互いに遠ざかる方向に力を受ける(図5における符号F2参照)。すなわち、一次導体線110内においては、電流8が中心側に向かおうとする力F2をも受けることとなる。
このように、一次導体線110内においては、電流8を外周側に流そうとする力F1と、電流8を導体線110の中心側に流そうとする力F2とが作用する。そして、力F1と力F2とが互いに打ち消しあい、一次導体線110内において電流が均一に流れる。
その結果、一次巻線11における損失を低減することができる。
また、一次巻線11と二次巻線12との間には絶縁層13が配設されているため、一次巻線11と二次巻線12とを確実に絶縁することができる。
その結果、一次巻線11における損失を低減することができる。
また、一次巻線11と二次巻線12との間には絶縁層13が配設されているため、一次巻線11と二次巻線12とを確実に絶縁することができる。
また、二次巻線12は、トランス1の外部に配された放熱部材3と接続されている。そして、一次巻線11は二次巻線12に覆われているため、一次巻線11の熱を二次巻線12に容易に伝達することができる。そしてさらに、二次巻線12はトランス1の外部に配された放熱部材3と接続されているため、一次巻線11の熱と二次巻線12の熱を容易に放出することができる。これにより、放熱性に優れたトランス1を得ることができる。
以上のとおり、一次巻線における損失を低減することができるトランスを提供することができる。
(実施例2)
本例は、図9に示すように、一次巻線11の軸方向に沿って二つに分けて配設してある一次巻線11及び二次巻線12を有するトランス1の別形態の例である。
すなわち、本例においては、その一部に一次導体線110及び二次導体線120を渦巻状に巻回してある二つのボビン14を上記軸方向に沿って二つに分けて配設してある。
その他は、実施例1と同様の構成及び作用効果を有する。
本例は、図9に示すように、一次巻線11の軸方向に沿って二つに分けて配設してある一次巻線11及び二次巻線12を有するトランス1の別形態の例である。
すなわち、本例においては、その一部に一次導体線110及び二次導体線120を渦巻状に巻回してある二つのボビン14を上記軸方向に沿って二つに分けて配設してある。
その他は、実施例1と同様の構成及び作用効果を有する。
なお、本例においては、一次巻線を二次巻線によって覆っているが、二次巻線を一次巻線によって覆うように構成することもできる。
(実施例3)
本例は、図10に示すように、一次巻線11及び二次巻線12を螺旋状に巻回したものを、一次巻線11の径方向に沿って二つ並べて配設してなるトランス1の例である。
そして、径方向の内側に配設してある一次巻線11及び二次巻線12、及び径方向の外側に配設してある一次巻線11及び二次巻線12は、ともにその全体がボビン14によって囲われている。
その他は、実施例1と同様の構成及び作用効果を有する。
本例は、図10に示すように、一次巻線11及び二次巻線12を螺旋状に巻回したものを、一次巻線11の径方向に沿って二つ並べて配設してなるトランス1の例である。
そして、径方向の内側に配設してある一次巻線11及び二次巻線12、及び径方向の外側に配設してある一次巻線11及び二次巻線12は、ともにその全体がボビン14によって囲われている。
その他は、実施例1と同様の構成及び作用効果を有する。
なお、本例においては、一次巻線を二次巻線によって覆っているが、二次巻線を一次巻線によって覆うように構成することもできる。
1 トランス
11 一次巻線
110 二次導体線
12 二次巻線
120 二次導体線
13 絶縁層
11 一次巻線
110 二次導体線
12 二次巻線
120 二次導体線
13 絶縁層
Claims (4)
- 導体線を巻回してなる一次巻線と、該一次巻線への通電により発生する磁束による電磁誘導によって誘導起電力が生ずるよう構成されていると共に導体線を巻回してなる二次巻線とを有するトランスであって、
上記一次巻線を構成する導体線である一次導体線の外周は、電気的絶縁性を有する絶縁層を介して上記二次巻線を構成する導体線である二次導体線によって覆われていることを特徴とするトランス。 - 請求項1において、上記二次巻線は、上記トランスの外部に配された放熱部材と接続されていることを特徴とするトランス。
- 導体線を巻回してなる一次巻線と、該一次巻線への通電により発生する磁束による電磁誘導によって誘導起電力が生ずるよう構成されていると共に導体線を巻回してなる二次巻線とを有するトランスであって、
上記二次巻線を構成する導体線である二次導体線の外周は、電気的絶縁性を有する絶縁層を介して上記一次巻線を構成する導体線である一次導体線によって覆われていることを特徴とするトランス。 - 請求項3において、上記一次巻線は、上記トランスの外部に配された放熱部材と接続されていることを特徴とするトランス。
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JP2004080908A (ja) * | 2002-08-19 | 2004-03-11 | Toyo Electric Mfg Co Ltd | パルス電源装置 |
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2008
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