JP2010032580A - 磁性トナー - Google Patents

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Abstract


【課題】高温高湿環境で長期にわたり保管した後であっても、長期の使用にわたって濃度低下や長期間の放置による濃度低下、クリーニング不良を起こさない磁性トナーを提供すること。
【解決手段】結着樹脂、ワックス、及び磁性酸化鉄を少なくとも含有するトナー粒子と、無機微粒子とを有する磁性トナーであって、磁性酸化鉄は、Ti元素を前記磁性酸化鉄全体に対して、0.30質量%以上5.0質量%以下含有し、Fe元素溶解率が10%以下の範囲に存在するTi元素量(S−Ti)が、磁性酸化鉄に含まれる全Ti元素量の40%以上70%以下であり、Fe元素溶解率が10%より大きく50%以下の範囲に存在するTi元素量(M−Ti)が、磁性酸化鉄に含まれる全Ti元素量の10%以上40%以下であり、Fe元素溶解率が50%より大きく100%以下の範囲に存在するTi元素量(C−Ti)が、磁性酸化鉄に含まれる全Ti元素量の1%以上20%以下であり、(S−Ti)、(M−Ti)及び(C−Ti)が、特定の関係を満足し、磁性トナーは、回転式ブレードを備えた粉体流動性分析装置で測定された非通気状態での回転トルクと垂直荷重の総和Eと、通気状態での回転トルクと垂直荷重の総和Eaが、特定の関係を満足することを特徴とする磁性トナー。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電印刷法、及びトナージェット法の如き画像形成方法に用いられる磁性トナーに関する。
近年の画像形成装置の技術方向としては、高精細、高品位、及び高画質の他に、さらなる高速、長期にわたる高信頼性が求められている。特に、カートリッジ方式のプリンタは小型化が進み、設置場所を選ばないことから、使用される環境も多岐にわたり、様々な環境での使用において長期にわたって安定した性能を発揮することが求められている。
一成分現像方式に用いる磁性トナーの場合には、カートリッジ方式のプリンタに使用されることが多いが、含有される磁性酸化鉄の特性や分散状態により、使用環境や保管環境によっては、磁性トナーに要求される種々の特性の変動あるいは劣化等の問題を引き起こす場合がある。
トナー粒子中に含まれる磁性酸化鉄はトナー粒子表面に露出する粒子があるため、磁性トナーを高温高湿環境で長期にわたり保管した後に使用した場合などに、磁性酸化鉄の特性の影響がトナー特性に顕著に表れやすい。特に、高温高湿環境での長期使用によるトナー劣化や、長期放置後の濃度低下、クリーニング不良などが、高温高湿環境で長期にわたり保管した後のトナーでは発生し易い。また、空調設備のない高温高湿環境で長期間保管されたカートリッジを、空調設備のある部屋に持ち込んですぐにプリントすると、トナー容器内の水分量の多い空気が急冷されて結露し、濃度の均一な画像パターンを出力した際に、数mm〜10mm程度の大きさの円状にトナーが現像されない領域が発生する現象(以降、白モヤと称する)の画像欠陥が発生する場合がある。
特許文献1には、0.10〜1.00質量%のSiを含有し、表面にシリカとアルミナの共沈物が存在し、さらにその共沈物上にFe、Ti、Zr、Si、Alから選ばれた元素の酸化物粒子又は含水酸化物粒子が固着された磁性粒子粉末が開示されている。しかし、この手法で磁性粒子にTi元素を含有させても、磁性粒子表面のみにしかTi元素は存在しない為、Ti元素が磁性粒子表面から外れやすく、長期の使用で劣化しやすい。
特許文献2には、TiとFeの複合酸化鉄層にて被覆されたことを特徴とする酸化鉄粒子が開示されている。しかし、酸化鉄粒子の中心部から表面にかけてのTiの分布までは制御していない為、高温高湿環境で長期にわたり保管された場合にはトナーの劣化が進み、濃度低下が起こりやすい。
特許文献3には、少なくとも、SiとZnとTiを含有し、磁性酸化鉄の表面から5%を溶解させたときの、それぞれの溶解率を規定した磁性酸化鉄を含有するトナーが開示されている。しかし、磁性酸化鉄表面のTi元素の存在比率が多すぎて、長期の使用による機械的ストレスで、Ti元素が磁性酸化鉄から外れる場合があり、濃度低下を起すことがある。
特許文献4には、粒子の中心から表面へ連続的にケイ素成分を含有し、ケイ素成分と結合したZn、Mn、Cu、Ni、Co、Cr、Cd、Al、Sn、Mg、Tiの中から選ばれる少なくとも一種以上の金属成分からなる金属化合物によって外殻が被覆され、かつ外殻部と内殻部とで、Feに対する上記金属成分の濃度が外殻部の方が高く、かつ表層部の方が高くなるように勾配をつけたマグネタイト粒子が開示されている。
特許文献5には、ケイ素成分が露出した芯粒子に、Al成分を被覆したことを特徴とする酸化鉄粒子が開示されている。
これらの試みは、磁性酸化鉄表面からFeを20%及び40%溶解させた場合の元素の存在量を比較している。しかしながら、磁性トナーに使用する場合、流動性などのトナー特性との組み合わせが重要であり、磁性酸化鉄の改良だけでは、トナーを長期保管した後に使用した場合の性能を改良するには不十分であった。
一方、磁性トナーの現像性やクリーニング性、長期使用によるトナー劣化に関しては、トナーの流動性が大きく影響する。流動性の高いトナーは、現像器内の撹拌で流動しやすく、撹拌部材などから受ける力を分散させるために劣化しにくいが、トナーが摩擦されにくく、帯電を持つのに時間がかかる傾向がある。逆に、流動性の低いトナーは帯電の立ち上がりは速いものの、劣化しやすく、また、クリーナー容器内でも凝集して流動しにくい為、クリーニング不良が起こりやすい。特に、磁性トナーの帯電には、磁性酸化鉄の特性も大きく影響する為、磁性酸化鉄の特性と磁性トナーの流動性とを精密に制御する必要がある。
特許文献6及び7には、特定の流動性を有する磁性トナーについて開示されている。しかし、これら技術には、磁性酸化鉄の特性と磁性トナーの流動性との関係が記載されておらず、トナーを高温高湿環境で長期にわたり保管した後に使用した場合の性能については、充分に考慮されていない。
このように、さまざまな環境や条件で長期間にわたって使用された場合でも、安定した性能を発揮できる磁性トナーの開発が切望されている。
特開平7−240306号広報 特開2004−161551号広報 特開2004−354810号広報 特許第3224774号広報 特許第3544316号広報 特開2007−148373号広報 特開2007−114752号広報
したがって、本発明は従来技術における上記のような事情に鑑み、その欠点を改善することを目的としてなされたものである。
即ち、本発明の目的は、高温高湿環境で長期にわたり保管した後であっても、長期の使用にわたって、濃度低下や、長期間の放置による濃度低下、クリーニング不良を起こさない磁性トナーを提供することにある。
さらに本発明の目的は、使用環境が急激に変動しても、白モヤが発生しない磁性トナーを提供することにある。
上記目的を達成するための、本願発明は以下の通りである。
[1] 結着樹脂、ワックス、及び磁性酸化鉄を少なくとも含有するトナー粒子と、無機微粒子とを有する磁性トナーであって、
前記磁性酸化鉄は、Ti元素を前記磁性酸化鉄全体に対して、0.30質量%以上5.0質量%以下含有し、
Fe元素溶解率が10%以下の範囲に存在するTi元素量(S−Ti)が、前記磁性酸化鉄に含まれる全Ti元素量の40%以上70%以下であり、
Fe元素溶解率が10%より大きく50%以下の範囲に存在するTi元素量(M−Ti)が、前記磁性酸化鉄に含まれる全Ti元素量の10%以上40%以下であり、
Fe元素溶解率が50%より大きく100%以下の範囲に存在するTi元素量(C−Ti)が、前記磁性酸化鉄に含まれる全Ti元素量の1%以上20%以下であり、
前記(S−Ti)、(M−Ti)及び(C−Ti)が、下記式(1)及び(2)の関係を満足し、
式(1): (S−Ti)≧2×(C−Ti)
式(2): (M−Ti)≧1.5×(C−Ti)
[前記Fe元素溶解率は、前記磁性酸化鉄を表面から酸水溶液で溶解し、前記磁性酸化鉄が全て溶解された状態をFe元素溶解率100%とし、前記磁性酸化鉄が全て溶解された溶解液中に含まれるFe元素量を総Fe元素量としたときに、前記磁性酸化鉄を表面から酸水溶液で溶解する過程で得られる溶解液に溶解するFe元素量の前記総Fe元素量に対する割合(%)をいう。]
前記磁性トナーは、回転式ブレードを備えた粉体流動性分析装置で測定された非通気状態での回転トルクと垂直荷重の総和Eと、通気状態での回転トルクと垂直荷重の総和Eaが、下記式(3)及び(4)を満足することを特徴とする磁性トナー。
式(3): 600(mJ)≦E≦1500(mJ)
式(4): 500(mJ)≦(E−Ea)
[前記式(3)及び(4)において、E(mJ)は、回転式ブレードを備えた粉体流動性分析装置において、プロペラ型ブレードを、前記プロペラ型ブレードの最外縁部の周速を100mm/secで回転させながら、前記磁性トナーが満たされた測定容器内のトナー粉体層中に垂直に進入させ、前記トナー粉体層の底面から100mmの位置から測定を開始し、底面から10mmの位置まで進入させた時に得られる、回転トルクと垂直荷重の総和を表す。また、Ea(mJ)は、前記測定において、測定容器底部に多孔質板を配し、そこから流量が0.20mm/secの乾燥空気を送った通気状態で測定された回転トルクと垂直荷重の総和を表す。]
[2] 前記磁性トナーは、回転式ブレードを備えた粉体流動性分析装置で測定された、通気状態から非通気状態への変化後の回転トルクと垂直荷重の総和Edと前記Eが、下記式(5)を満足することを特徴とする[1]に記載の磁性トナー。
式(5): 0.10<(Ed/E)<0.70
[前記式(5)において、Ed(mJ)は、容器内の磁性トナーの粉体相中に流量が0.20(mm/sec)の乾燥空気を送り、前記Eaを測定した後に通気を停止し、前記E(mJ)と同様の測定を4度繰り返し、4回目のブレードの回転スピードが100(mm/sec)であるときの、トナー粉体層の表面から、底面から10mmの位置までブレードを進入させたときに得られる、回転トルクと垂直荷重の総和を表わす。]
[3] 前記磁性トナーは、画像処理解像度512×512画素(1画素あたり0.37μm×0.37μm )のフロー式粒子像測定装置によって計測された円形度を、0.200〜1.000の円形度範囲に800分割し解析された平均円形度が、0.940以上であることを特徴とする[1]または[2]に記載の磁性トナー。
[4] 前記磁性トナーは、トナー粒子100質量部に対し、0.01質量部以上、1.00質量部以下のハイドロタルサイト類化合物を含有することを特徴とする[1]から[3]のいずれかに記載の磁性トナー。
本発明によれば、高温高湿環境で長期にわたり保管した後であっても、長期の使用にわたって、濃度低下や長期間の放置による濃度低下、クリーニング不良を起こさない磁性トナーを提供することができる。
さらに本発明によれば、使用環境が急激に変動しても、白モヤが発生しない磁性トナーを提供することができる。
1ヶ月以上にわたるような長期間、トナーを高温高湿環境(温度が40℃以上であった
り、湿度が90%を超えたりするような環境。例えば、空調設備のない倉庫など)で保管すると、トナーが吸湿したり、熱により劣化したりして、トナーの帯電性や流動性が低下しやすい。
この高温高湿環境で長期間保管されたトナーを、さらに高温高湿環境で長期にわたり使用すると、保管された履歴のないトナーを使用した場合と比較して、トナーの現像性が悪化する場合がある。これは、使用前の時点で既に保管時の熱や湿度によりトナーの劣化や吸湿が進んでおり、実際の使用でさらに劣化が進む為である。
また、長期間使用してトナーの劣化が進んだ状態で、1週間程度の使用しない期間があった場合、トナーの帯電が著しく低下した状態となっている為、使用再開時の最初の数枚の画像濃度が薄くなりやすい。(以後、放置後濃度薄と呼ぶ場合もある)
さらに、このようにして劣化したトナーは流動性が著しく低下する為、クリーニング容器内の廃トナーも流動性が悪化し、クリーニングブレード付近に滞留して奥へ移動できない状態になってしまう。この結果、クリーニングブレードで掻き取られた廃トナーが滞留した廃トナーに邪魔されてクリーニング容器内に入り込めずに、クリーニングブレードをすり抜けてクリーニング不良を発生させやすい。
磁性酸化鉄を含有する磁性トナー粒子は、粒子表面に磁性酸化鉄が露出し、露出した磁性酸化鉄が、磁性トナーの帯電性や流動性に大きな影響を及ぼす為、磁性トナーの性能向上の為には、磁性酸化鉄の物性を制御することが重要となる。また、磁性酸化鉄の物性だけでなく、磁性トナーの流動性も含めて制御することが非常に重要となる。
また、高温高湿環境で長期間保存されたカートリッジは、トナー容器内も同じ温湿度になっているため、空調設備のある室内にそのまま持ち込むと、トナー容器内の水分が結露してしまうことがある。この結露した水分を核に、トナーの凝集塊が生成されて、白モヤと呼ばれる画像欠陥の原因となる場合がある。白モヤは、ベタ黒やハーフトーンなどの、濃度の均一な画像パターンを出力した際に、数mm〜10mm程度の大きさの円状にトナーが現像されない領域が発生する現象であり、磁性トナーの流動性や帯電性と大きな関係がある。
本発明者らがこれらの問題点に対して検討を行った結果、磁性トナー粒子に含まれる磁性酸化鉄の組成と、トナーの流動性を制御することでこれらの問題が解決できることが分かった。
長期間放置されたカートリッジ内のトナーは、嵩密度が大きくなり、容器に密に充填された状態で、ほとんど流動性を失った状態になっている。カートリッジにはトナーを撹拌する部材などがあり、プリント時にトナーは撹拌されて流動性を持つようになる。この流動性がほとんどない状態から流動性を持つようになるまでの状態の変化の仕方が、トナーの現像性やクリーニング性、白モヤの発生に大きく影響することが分かった。さらには、このトナーの流動性と、磁性酸化鉄の組成との組合せによってもトナーの現像性やクリーニング性、白モヤの発生に大きく影響することが分かった。
つまり、トナーの流動性と、磁性酸化鉄の組成を精密に制御することにより、高温高湿環境で長期間保存されたトナーを長期にわたり使用しても、現像性の低下やクリーニング不良、放置後濃度薄、白モヤを抑制できることが分かった。
すなわち、本発明の磁性トナーは、結着樹脂、ワックス、及び磁性酸化鉄を少なくとも含有するトナー粒子と、無機微粒子とを有する磁性トナーであって、
前記磁性酸化鉄は、Ti元素を前記磁性酸化鉄全体に対して、0.30質量%以上5.0質量%以下含有し、
Fe元素溶解率が10%以下の範囲に存在するTi元素量(S−Ti)が、磁性酸化鉄に含まれる全Ti元素量の40%以上70%以下であり、
Fe元素溶解率が10%より大きく50%以下の範囲に存在するTi元素量(M−Ti)が、磁性酸化鉄に含まれる全Ti元素量の10%以上40%以下であり、
Fe元素溶解率が50%より大きく100%以下の範囲に存在するTi元素量(C−Ti)が、磁性酸化鉄に含まれる全Ti元素量の1%以上20%以下であり、
前記(S−Ti)、(M−Ti)及び(C−Ti)が、下記式(1)及び(2)の関係を満足し、
式(1): (S−Ti)≧2×(C−Ti)
式(2): (M−Ti)≧1.5×(C−Ti)
[前記Fe元素溶解率は、前記磁性酸化鉄を表面から酸水溶液で溶解し、前記磁性酸化鉄が全て溶解された状態をFe元素溶解率100%とし、前記磁性酸化鉄が全て溶解された溶解液中に含まれるFe元素量を総Fe元素量としたときに、前記磁性酸化鉄を表面から酸水溶液で溶解する過程で得られる溶解液に溶解するFe元素量の前記総Fe元素量に対する割合(%)をいう。]
前記磁性トナーは、回転式ブレードを備えた粉体流動性分析装置で測定された非通気状態での回転トルクと垂直荷重の総和Eと、通気状態での回転トルクと垂直荷重の総和Eaが、下記式(3)及び(4)を満足することを特徴とする。
式(3): 600(mJ)≦E≦1500(mJ)
式(4): 500(mJ)≦(E−Ea)
[前記式(3)及び(4)において、E(mJ)は、回転式ブレードを備えた粉体流動性分析装置において、プロペラ型ブレードを、前記プロペラ型ブレードの最外縁部の周速を100mm/secで回転させながら、前記磁性トナーが満たされた測定容器内のトナー粉体層中に垂直に進入させ、前記トナー粉体層の底面から100mmの位置から測定を開始し、底面から10mmの位置まで進入させた時に得られる、回転トルクと垂直荷重の総和を表す。また、Ea(mJ)は、前記測定において、測定容器底部に多孔質板を配し、そこから流量が0.20mm/secの乾燥空気を送った通気状態で測定された回転トルクと垂直荷重の総和を表す。]
本発明で用いられる磁性酸化鉄は、少なくともTi元素を磁性酸化鉄全体に対して、0.30質量%以上5.0質量%以下(好ましくは0.30質量%以上3.0質量%以下、より好ましくは0.30質量%以上2.0質量%以下)含有し、
Fe元素溶解率が10%以下の範囲に存在するTi元素量(以下、S−Tiともいう)が、当該磁性酸化鉄に含まれる全Ti元素量の40%以上70%以下(好ましくは50%以上70%以下)であり、
Fe元素溶解率が10%より大きく50%以下の範囲に存在するTi元素量(以下、M−Tiともいう)が、当該磁性酸化鉄に含まれる全Ti元素の10%以上40%以下(好ましくは20%以上40%以下)であり、
Fe元素溶解率が50%より大きく100%以下の範囲に存在するTi元素量(以下、C−Tiともいう)が、当該磁性酸化鉄に含まれる全Ti元素の1%以上20%以下(好ましくは1%以上10%以下)であり、
上記(S−Ti)、(M−Ti)及び(C−Ti)が下記式(1)及び(2)の関係を満足することを特徴としている。
式(1): (S−Ti)≧2×(C−Ti)
式(2): (M−Ti)≧1.5×(C−Ti)
なお、上記磁性酸化鉄を表面から酸水溶液で溶解し、磁性酸化鉄が全て溶解された状態をFe元素溶解率100%とし、上記磁性酸化鉄が全て溶解された溶解液中に含まれるFe元素量を総Fe元素量としたときに、上記磁性酸化鉄を表面から酸水溶液で溶解する過程で得られる溶解液に溶解するFe元素量の当該総Fe元素量に対する割合(%)を、本発明において、Fe元素溶解率という。
これは、磁性酸化鉄中に含まれるTi元素が、磁性酸化鉄の中心付近から表面まで存在しており、表面近傍により多くのTi元素が分布していることを示している。
上記式(1)及び(2)の関係を満たすと、磁性酸化鉄表面により多くのTi元素が存在することになり、結着樹脂と磁性酸化鉄の密着性を適度に調節することが出来る。その結果、トナー製造時の粉砕工程で結着樹脂と磁性酸化鉄の界面で粉砕され易くなり、磁性トナー粒子表面に磁性酸化鉄が適度に露出できるようになる。
この、磁性トナー粒子表面に露出した磁性酸化鉄は、磁性トナーの流動性を向上させる働きをする。また、磁性トナーを高温高湿環境に長期間保管しても、さらにこの保管した磁性トナーを長期間にわたり使用しても、磁性トナーの流動性の変化を小さくすることが出来る。
この理由としては、磁性トナー粒子表面に露出した磁性酸化鉄は結着樹脂に適度に密着しているので、保管や長期の使用で磁性トナー粒子が熱的あるいは機械的なストレスを受けても、磁性酸化鉄が磁性トナー粒子内部に埋め込まれにくい為と考えられる。
本発明で用いられる磁性酸化鉄はTi元素を含有している為、磁性トナーの帯電性も向上する。また、磁性酸化鉄の中心から表面にかけてTi元素を分布させることにより、磁性酸化鉄表面のTi元素が吸湿しにくい緻密な構造をとることが出来、高温高湿環境で長期間保管された場合でも、磁性トナーが吸湿しにくく、帯電性や流動性を悪化させにくくなる。
また、磁性酸化鉄表面のTi元素が緻密な構造をとることで、FeとTiの結合が強まり、機械的なストレスがかかっても磁性酸化鉄表面からTi元素が外れにくくなり、長期の使用においても磁性トナーに安定した帯電性や流動性を付与できる。
さらには、磁性酸化鉄の表面近傍により多くTi元素を存在させることによって、磁性トナーの帯電の立ち上がりが早くなる為、長期間使用されずに放置された場合でも、1枚目のプリントから充分な画像濃度を得ることができる。
本発明に用いられる磁性酸化鉄は、磁性トナー粒子表面に適度に露出してスペーサーのように働き、磁性トナー粒子同士が接触しにくくする働きをもつ。その為、高温高湿環境で長期間保存されたカートリッジを空調設備のある室内に持ち込み、トナー容器内の水分が結露したとしても、トナーの凝集塊が生成されにくく、白モヤの発生を抑制する働きがある。
本発明で用いられる磁性酸化鉄は、少なくともTi元素を磁性酸化鉄全体に対して、0.30質量%以上5.0質量%以下(好ましくは0.30質量%以上3.0質量%以下、より好ましくは0.30質量%以上2.0質量%以下)含有することが必要である。
磁性酸化鉄がTi元素をこの範囲含有することで、トナーに適度な流動性と帯電性を付与することが可能になる。
磁性酸化鉄に含有されるTi元素が0.30質量%未満であると、磁性トナーの流動性や帯電性を改良する効果が得られにくい。磁性酸化鉄に含有されるTi元素が5.0質量%を超えると、Fe元素に対してTi元素が多くなりすぎ、磁性酸化鉄表面のTi元素が緻密な構造をとることが出来にくくなるため、吸湿しやすくなったり、結着樹脂との密着性が弱くなりすぎて、遊離の磁性酸化鉄が増え、カブリが悪化したりする。
本発明で用いられる磁性酸化鉄は、(S−Ti)が、当該磁性酸化鉄に含まれる全Ti元素量の40%以上70%以下(好ましくは50%以上70%以下)であることが必要である。磁性酸化鉄表面に、Ti元素がこの割合で存在することで、磁性トナー粒子表面に磁性酸化鉄が適度に露出しやすくなって、トナーの劣化を抑制する。また、磁性トナーの帯電の立ち上がりが早くなる為、放置後濃度薄を抑制できる。
上記(S−Ti)が、磁性酸化鉄に含まれる全Ti元素量の40%未満の場合、磁性酸化鉄表面に存在するTi元素が少なすぎて、トナーの劣化防止や放置後濃度薄防止の効果が得られにくい。一方、(S−Ti)が、磁性酸化鉄に含まれる全Ti元素量の70%より多い場合、磁性酸化鉄の吸湿性が高くなり、高温高湿環境に長期間放置されると磁性トナーが吸湿して帯電しにくくなり、濃度低下が起こりやすくなる。また、トナー粒子表面に露出した磁性酸化鉄がトナー粒子表面から外れやすくなり、遊離の磁性酸化鉄が増えてカブリが悪化したりする。
本発明で用いられる磁性酸化鉄は、(M−Ti)が、当該磁性酸化鉄に含まれる全Ti元素量の10%以上40%以下(好ましくは20%以上40%以下)であることが必要である。(M−Ti)がこの範囲にあると、TiとFeが強い結合を形成できるようになり、磁性酸化鉄が機械的なストレスを受けても劣化し難くなる。
上記(M−Ti)が、磁性酸化鉄に含まれる全Ti元素量の10%未満の場合、磁性酸化鉄内部に存在するTi元素が少なく、磁性酸化鉄表面付近でTi元素が急激に増加する為、FeとTiの強い結合が形成されにくい。その結果、磁性トナー粒子表面に露出した磁性酸化鉄が、機械的ストレスに弱くなり、長期の使用により劣化が進みやすくなる。
一方、(M−Ti)が、磁性酸化鉄に含まれる全Ti元素量の40%より多いと、磁性酸化鉄表面で機能するTi元素が少なくなる為、充分な効果を得るためにTi元素をより多く添加する必要がある。逆にTi元素の添加量を多くしなければ、充分な効果が得られにくい。
本発明で用いられる磁性酸化鉄は、(C−Ti)が、当該磁性酸化鉄に含まれる全Ti元素量の1%以上20%以下(好ましくは1%以上10%以下)であることが必要である。
上記(C−Ti)は磁性酸化鉄の表面性に影響を与える因子であり、(C−Ti)がこの範囲にあることで、磁性酸化鉄の表面が平滑になり、磁性酸化鉄の吸湿性が低下するので、長期保管による濃度低下や放置後濃度薄を抑制することが出来る。
上記(C−Ti)が、磁性酸化鉄に含まれる全Ti元素量の1%未満の場合、磁性酸化鉄表面近傍で、Ti元素が急激に増加する為、磁性酸化鉄表面のTiとFeの結合が弱くなり、磁性トナー粒子中での磁性酸化鉄の分散が悪化して遊離の磁性酸化鉄が増えたり、磁性酸化鉄の吸湿性が大きくなったりして、長期保管による濃度低下や放置後濃度薄が悪化する。
一方、本発明で用いられる磁性酸化鉄の(C−Ti)が、磁性酸化鉄に含まれる全Ti元素量の20%より大きい場合、磁性酸化鉄の中心部分の結晶性が低くなり、磁性酸化鉄表面に凹凸が多くなる為、帯電性や流動性の改善効果が充分に得られにくい。
さらに本発明では、上記(S−Ti)、(M−Ti)及び(C−Ti)が下記式(1)及び(2)の関係を満足することを特徴としている。
式(1): (S−Ti)≧2×(C−Ti)
式(2): (M−Ti)≧1.5×(C−Ti)
上記式(1)及び(2)の関係を満たすことで、トナーの劣化を抑制したり、磁性トナーの帯電の立ち上がりを早くして放置後濃度薄を抑制する効果が得られる。さらには、磁性酸化鉄の吸湿性を低下させ、長期保管による濃度低下や放置後濃度薄を抑制できる。
上記式(1)が(S−Ti)<2×(C−Ti)であったり、上記式(2)が(M−Ti)<1.5×(C−Ti)であったりする場合には、磁性酸化鉄内部でのTi元素の分布の勾配が小さくなり、磁性酸化鉄表面で機能するTi元素が少なくなって充分な効果が得られなくなる場合がある。また、磁性酸化鉄の機械的強度が不足して、長期の使用により劣化しやすくなったり、Ti元素の緻密な構造が得られずに、吸湿性が大きくなったりする場合がある。
本発明に用いられる磁性酸化鉄は、上記Ti元素以外に、Si元素を含有していることが好ましい。Si元素の含有量は、磁性酸化鉄全体に対して、0.10質量%以上4.0質量%以下(より好ましくは0.15質量%以上3.5質量%以下、さらに好ましくは0.20質量%以上3.0質量%以下)であることが好ましい。Si元素をこの範囲で含有することで、磁性酸化鉄の電気抵抗を高くすることが出来、トナーの帯電性を高くすることができるので好ましい。
さらに、本発明に用いられる磁性酸化鉄は、上記Fe、Ti、Si以外の金属元素を含有していても良い。特に、Al元素を含有していることがより好ましく、Al元素の含有量は、磁性酸化鉄全体に対して、0.10質量%以上3.0質量%以下であることが好ましい。Al元素は磁性酸化鉄の最表面に存在することが、磁性トナー粒子中での磁性酸化鉄の分散性を高めるという観点で好ましい。
本発明に用いられる磁性酸化鉄は、透過型電子顕微鏡写真による観察で、磁性酸化鉄粒子が主に板状面を有さない曲面で形成された球形状粒子から構成され、八面体粒子を殆ど含まないことが、磁性酸化鉄のトナー粒子表面への露出状態を適正に保つという観点で好ましい。
本発明の磁性トナーにおいて、上記磁性酸化鉄の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、磁性酸化鉄が20〜200質量部であることが好ましく、より好ましくは50〜130質量部である。
本発明に用いられる磁性酸化鉄は、後述する測定方法に基づく個数平均粒径が、好ましくは0.05乃至0.50μmであり、より好ましくは0.08乃至0.40μmであり、さらに好ましくは、0.10乃至0.30μmである。個数平均粒径を当該範囲にすることは、トナー粒子を構成する結着樹脂中での磁性酸化鉄の分散性、及び、トナーの帯電均一性の点で良い。
本発明に用いられる磁性酸化鉄は、後述する測定方法に基づくBET比表面積が、15.0m/g以下、好ましくは13.0m/g以下であることが、磁性酸化鉄の吸湿性を抑制できる点で好ましい。
本発明に用いられる磁性酸化鉄の磁気特性としては、磁場795.8kA/m下で飽和磁化が10.0〜200.0Am2/kgであることが好ましく、より好ましくは60.
0〜100.0Am2/kgであり、残留磁化が1.0〜100.0Am2/kgであることが好ましく、より好ましくは2.0〜20.0Am2/kgであり、保磁力が1.0〜
30.0kA/mであることが好ましく、より好ましくは2.0〜15.0kA/mである。このような磁気特性を有することで、トナーが画像濃度とかぶりのバランスのとれた良好な現像性を得ることができる。
本発明における各種物性データの測定法を以下に詳述する。
(I)Fe元素溶解率が10%以下の範囲に存在するTi元素量の定量方法。
<1>試料の調製
磁性酸化鉄25gを計量し5Lガラスビーカーに入れる。次に、0.5mol/LのHSOを5L添加し攪拌しながら、ウォーターバス中で室温から80℃まで徐々に昇温させて、磁性酸化鉄を表面から元素を徐々に溶解し、最後には磁性酸化鉄を全部溶解させる(なお、磁性酸化鉄が全て溶解された溶解液中に含まれるFe元素量を総Fe元素量とする)。当該磁性酸化鉄の溶解過程において、前記総Fe元素量の10質量%のFe元素が溶解液中に存在する状態まで磁性酸化鉄を溶解した時点で、その溶解液(スラリー)を
25ml採取する。採取したスラリーを0.1μmメンブランフィルタでろ過し、ろ液を得る。
<2>測定方法
得られたろ液を、ICP発光光度分析装置(商品名:ICPS2000、製造元:島津製作所)の誘導結合プラズマ中に噴霧し、波長334.94nm(Ti)、波長259.94nm(Fe)での発光強度を測定して、濃度既知の検量線液の発光強度と比較することで、当該ろ液中のTi元素濃度(mg/L)、Fe元素濃度(mg/L)を定量する。<3>上記検量線液の調製方法
1000mLポリメスフラスコに、HSOを51g投入し、さらに、Fe元素、及びTi元素を濃度が[100〜4000mg/L](Fe元素)、[0〜30mg/L](Ti元素)になるように加え、イオン交換水で1000mLに定容した検量線液を数水準作製する。
<4>計算式
Fe元素溶解率が10%以下の範囲に存在するTi元素量(S−Ti)(質量%)、及びFe元素量(質量%)は次式を用いて算出する。
(式): Fe元素溶解率が10%以下の範囲に存在するTi元素量(質量%)、Fe元素(質量%)
= (L×5)/(S×1000)×100
但し L: 各元素のICP測定値から得られた各元素の濃度(mg/L)
S: 試料質量25(g)
なお、(M−Ti)及び(C−Ti)も上記(S−Ti)に準じて定量する。
(II)磁性酸化鉄に含有される全Si元素量(質量%)、全Ti元素(質量%)、全Al元素(質量%)の定量方法。
<1>試料の調製
磁性酸化鉄1.00gを計量し100mLテフロンビーカーに入れる。次に水10mL、濃塩酸16mLを添加後、加熱し、磁性酸化鉄を全て溶解する。冷却後、弗化水素酸(1+1)を4mL添加し、20分放置する。次に、得られた溶液を100mLポリメスフラスコに移して、界面活性剤(商品名:トリトンX[10g/L])を1mL添加し10
0mLにメスアップする。
<2>測定方法
上記調製された試料溶液をICP発光光度分析装置(商品名:ICPS2000、製造元:島津製作所)の誘導結合プラズマ中に噴霧し、波長288.16nm(Si)、波長396.15nm(Al)、波長334.94nm(Ti)での発光強度を測定して、濃度既知の検量線液の発光強度と比較することで、当該試料溶液中のSi元素(mg/L)
、Ti元素(mg/L)、Al元素(mg/L)を定量する。
<3>上記検量線液の調製方法
1000mLポリメスフラスコに、16mLのHCl、4mLのHF(1+1)、1m
Lの界面活性剤(1%トリトンX)、650mgのFeを投入し、さらに、Si元素、Al元素、及びTi元素をそれぞれ0〜200mg/Lの濃度になるように加え、イオン交
換水で1000mLに定容した検量線液を数水準作製する。
<4>計算式
磁性酸化鉄に含有される全Si元素量(質量%)、Ti元素量(質量%)、Al元素量(質量%)は次式を用いて算出する。
(式): 磁性酸化鉄に含有される全Si元素量(質量%)、Ti元素量(質量%)、Al元素量(質量%)
= (L×0.1)/(S×1000)×100
但し L: 各元素のICP測定値から得られた各元素の濃度(mg/L)
S: 試料質量1.0(g)
(III)磁性酸化鉄の個数平均粒径の測定方法。
透過型電子顕微鏡を用い、倍率30000倍で、磁性酸化鉄の写真を撮影する。当該写真に撮影された磁性酸化鉄粒子を無造作に100個選び、そのフェレ径を計測し、その平均値をもって、個数平均粒径とする。
(IV)磁性酸化鉄の比表面積の測定方法。
比表面積測定装置オートソープ1(湯浅アイオニクス社製)を用い、試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて比表面積を算出する。
(V)磁性酸化鉄の磁気特性の測定方法。
振動試料型磁力計(VSM−3S−15、東英工業社製)を用いて、外部磁場795.8kA/mの下で測定する。
本発明で用いられる磁性酸化鉄(例えば、マグネタイト)の製造方法について例示するが、以下の製造方法に限定されるものではない。
(第一工程)
硫酸第一鉄水溶液、ケイ酸ソーダ、硫酸チタニル、水酸化ナトリウム及び水を混合し、混合溶液を調製する。この混合溶液の温度を90℃に維持し、かつpHを6〜9に維持しながら空気を吹き込み、液中に生成した水酸化第一鉄を湿式酸化する。水酸化第一鉄が、当初の量に対して、40〜70%消費された時点で生成されたマグネタイト粒子の中心域の形成を確認する。
(第二工程)
第一工程を行っている途中に、液中における未反応の水酸化第一鉄の濃度を調べることで酸化反応の進行率を調べ、上記水酸化第一鉄が、当初の量に対して40〜70%消費された時点を特定する。特定された時点において、第一工程で用いたものと同濃度の硫酸第一鉄水溶液と、硫酸チタニルを当該溶液に加え、更に水を加えて液量を調整する。これに水酸化ナトリウムを添加して溶液のpHを9〜12に調整する。この溶液には、第一工程で加えたケイ酸ソーダが残存している。液温90℃にて空気を吹き込み湿式酸化を進行させ、中間域を生成させる。
(第三工程)
第二工程を行っている途中に、液中における未反応の水酸化第一鉄が、当初の量に対して85〜95%消費された時点で硫酸チタニルを加え、さらに反応を進める。液中における未反応の水酸化第一鉄がほぼ100%消費されたことを確認後、空気の吹き込みを停止し、硫酸アルミニウムを液に添加する。また、希硫酸を添加して液のpHを5〜9に調整する。
(第四工程)
このようにして得られたマグネタイト粒子を、常法により洗浄、ろ過し、更に乾燥させた後に粉砕して、本発明に用いる磁性酸化鉄を得る。
なお、本発明に用いられる磁性酸化鉄は、特に合成反応の製造工程を上記のように四工程に分割し、各工程での水酸化第一鉄の消費を細かく制御しながら、Ti元素の添加量と
添加タイミングを制御することで、磁性酸化鉄内部でのTi元素の分布を制御し、上記特性を付与することが可能となる。
本発明の磁性トナーは、回転式ブレードを備えた粉体流動性分析装置で測定された非通気状態での回転トルクと垂直荷重の総和Eと、通気状態での回転トルクと垂直荷重の総和Eaが、下記式(3)及び(4)を満足することを特徴としている。
式(3): 600(mJ)≦E≦1500(mJ)
式(4): 500(mJ)≦(E−Ea)
[前記式(3)及び(4)において、E(mJ)は、回転式ブレードを備えた粉体流動性
分析装置において、プロペラ型ブレードを、該プロペラ型ブレードの最外縁部の周速を100mm/secで回転させながら、上記磁性トナーが満たされた測定容器内のトナー粉体層中に垂直に進入させ、該トナー粉体層の底面から100mmの位置から測定を開始し、底面から10mmの位置まで進入させた時に得られる、回転トルクと垂直荷重の総和を表す(即ち、非通気状態での測定である。)。また、Ea(mJ)は、上記測定において、測定容器底部に多孔質板を配し、そこから流量が0.20mm/secの乾燥空気を送った通気状態においての回転トルクと垂直荷重の総和を表す。]
本発明において、上記磁性トナーの粉体特性は、回転式ブレードを備えた粉体流動性分析装置(パウダーレオメータFT−4、Freeman Technorogy社製)(以下、FT−4と省略して記載する場合もある)を用いて測定した。
粉体特性、そのなかでも流動性を評価する測定方法には従来公知のものが種々ある。例えば、パウダーテスター(ホソカワミクロン社製)は、安息角、圧縮度、スパチュラ角、均一度及び凝集度等を測定することができる。しかしながら、これらの測定結果は静的状態と動的状態の粉体の流動性を同じ条件で評価することはできなかった。そのため、本発明のように、静止状態のトナーに流動性を持たせる場合のトナーの挙動を評価するには、充分な知見が得られない場合があった。
本発明の磁性トナーの粉体特性の測定に用いられるFT−4は、下記(i)〜(iii)の状態のトナーのそれぞれにかかる回転トルクと垂直荷重の情報を得ることが可能である。
(i)静止状態に外部から力を受けたときのトナー。
(ii)流動性を保持し続けている状態のトナー。
(iii)流動性を保持している状態から静止状態になるトナー。
特に高温高湿環境で長期間にわたり保管されたカートリッジ内のトナーは、完全に流動性を失っている為、トナーの流動性の制御が重要になる。
<E及びEa、Edの測定方法>
本発明において、E(mJ)およびEa(mJ)、Ed(mJ)の測定には、上述のように、回転式ブレードを備えた粉体流動性分析装置(パウダーレオメータFT−4、Freeman Technology社製)を用いた。
当該装置は、粉体サンプル中で回転式ブレードを移動させ、一定の流動測定とパターンの流れを起こさせる。サンプル中の粒子はブレードが近接すると流動し、通過するとブレード背後に落下して再び静止する。ブレードが粉体中を移動するのに必要としたエネルギーが計算され、この値から、種々の流動性指数が計算される。ブレードはプロペラ型で、回転すると同時に上又は下方向にも運動するので先端はらせんを描くことになる。回転速度と上下運動を変化させることによりブレードのらせん経路の角度や速度を調節することができる。ブレードが粉体層表面に対して右回りのらせん経路に沿って移動するときには粉体を均一に混ぜる作用がある。逆に粉体層表面に対して左回りのらせん経路に沿って移動するときにはブレードは粉体から抵抗を受けることになる。
具体的には、以下の操作により測定を行う。尚、全ての操作において、プロペラ型ブレードは、FT−4測定専用48mm径ブレード(図1 48mm×10mmのブレード板の中心に法線方向に回転軸が存在し、ブレード板は、両最外縁部分(回転軸から24mm部分)が70°、回転軸から12mmの部分が35°といったように、反時計回りになめらかにねじられたもので、材質はSUS製。型番:C210。以下、「ブレード」と省略する場合がある)を用いる。
まず、FT−4測定専用[50mm×160ml]スプリット容器(型番:C203。容器底面からスプリット部分までの高さ82mm。材質は、ガラス。以下、容器と省略する場合がある。)に温度40℃、湿度95%の環境に30日間放置された磁性トナーを1
50g入れることでトナー粉体層とする。
・ コンディショニング操作
(a):ブレードの回転スピード(ブレードの最外縁部の周速)を60(mm/sec)、粉体層への垂直方向の進入速度を、移動中のブレードの最外縁部が描く軌跡と粉体層表面とのなす角(以降、「なす角」と省略する場合がある)が5(deg)のスピードで、粉体層表面に対して時計回り(ブレードの回転により粉体層が均一に混ぜられる方向)の回転方向に、粉体層表面からトナー粉体層の底面から10mmの位置までブレードを進入させる。
その後、ブレードの回転スピードを60(mm/sec)、粉体層への垂直方向の進入速度を、なす角が2(deg)のスピードで、粉体層表面に対して時計回りの回転方向に、トナー粉体層の底面から1mmの位置までブレードを進入させる操作を行う。
その後、ブレードの回転スピードを60(mm/sec)、粉体層からの抜き取り速度をなす角が5(deg)のスピードで、粉体層表面に対して時計回りの回転方向に、トナー粉体層の底面から100mmの位置までブレードを移動させ、抜き取りを行う。
抜き取りが完了したら、ブレードを時計回り、反時計回りに交互に小さく回転させることでブレードに付着したトナーを払い落とす。
(b):一連の上記(1)−(a)の操作を計5回行うことで、トナー粉体層中に巻き込まれている空気を取り除き、安定したトナー粉体層を作る。
(2)スプリット操作
上述のFT−4測定専用セルのスプリット部分でトナー粉体層をすり切り、粉体層上部のトナーを取り除くことで、同じ体積のトナー粉体層を形成する。
(3)測定操作
(i):E(mJ)の測定
(a):上記(1)−(a)と同様の操作を1回行う。
(b):次にブレードの回転スピードを100(mm/sec)、粉体層への垂直方向の進入速度を、なす角が5(deg)のスピードで、粉体層表面に対して反時計回り(ブレードの回転により粉体層から抵抗を受ける方向)の回転方向に、トナー粉体層の底面から10mmの位置までブレードを進入させる。
その後、ブレードの回転スピードを60(mm/sec)、粉体層への垂直方向の進入速度を、なす角が2(deg)のスピードで、粉体層表面に対して時計回りの回転方向に、粉体層の底面から1mmの位置までブレードを進入させる操作を行う。
その後、ブレードの回転スピードを60(mm/sec)、粉体層からの垂直方向の抜き取り速度をなす角が5(deg)のスピードで、粉体層表面に対して時計回りの回転方向に、粉体層の底面から100mmの位置までブレードの抜き取りを行う。
抜き取りが完了したら、ブレードを時計回り、反時計回りに交互に小さく回転させることでブレードに付着したトナーを払い落とす。
(c):上記(b)の一連の操作を計7回行う。
上記(c)の操作において、7回目のブレードの回転スピードが100(mm/sec)であるときの、トナー粉体層の底面から100mmから10mmの位置までブレードを進入させたときに得られる、回転トルクと垂直荷重の総和をE(mJ)とする。
Eは、トナーが流動性をあまり持っていないときの状態から、流動させる為に必要なトルクや、現像スリーブと現像ブレードのニップ部でトナーが摩擦されるトルクの大きさを示す。
(ii):Ea(mJ)の測定
FT−4測定専用[50mm×200ml]容器(型番:C200とC620(エアレーション用底板)。高さ100mm。材質は、ガラス。以下、エアレーション容器と省略
する場合がある。)に温度40℃、湿度95%の環境に30日間放置された磁性トナーを150g入れることでトナー粉体層とする。
(a):E(mJ)の測定を終了したトナー粉体をエアレーション容器に投入し、まず上記(1)−(a)操作を1回行う。
(b):次に、容器底部の多孔質板から、流量を0.20(mm/sec)になるように、徐々に乾燥空気を通気させる。この際、FT−4測定専用通気ユニットを用いる。
(c):トナーに乾燥空気が馴染んだ状態で上記(i)−(b)の操作を1回行う。
(d):上記(c)の動作の後に流量が0.20(mm/sec)の乾燥空気が通気した状態でかつブレードの回転スピードが100(mm/sec)であるときの、トナー粉体層の底面から100mmから10mmの位置までブレードを進入させたときに得られる、回転トルクと垂直荷重の総和をEa(mJ)とする。
Eaは、トナーが充分に流動性を持っているときに、トナーを撹拌したときにかかるトルクを示す。
(iii):Ed(mJ)の測定
(a):(ii)−(d)の操作の後、乾燥空気の供給を停止し、これと同時に上記(i)−(b)の操作を連続して4回順次行い、4回目のブレードの回転スピードが100(mm/sec)であるときの、トナー粉体層の表面から、底面から10mmの位置までブレードを進入させたときに得られる、回転トルクと垂直荷重の総和をEd(mJ)とする。
Edは、十分に流動性を持ったトナーが、徐々に流動性を失っていく時の変化の速度を示す。
本発明の磁性トナーは、600(mJ)≦E≦1500(mJ)[好ましくは800(mJ)≦E≦1200(mJ)]であることが重要である。これは、トナーが静止した状態、すなわちトナーが脱気状態で密な状態からほぐす時にかかるトルクの大きさを適正に制御する必要があることを示しており、特に、長期放置後にプリントする場合の、初期のトナーの状態を表わしている。
密に詰まった磁性トナーをほぐす為にある程度のトルクを必要とすることで、磁性トナーが現像される際に、現像スリーブと現像ブレードのニップ部で磁性トナーが適度に摩擦され、迅速に帯電することが可能になる。
また、カートリッジ内の水分の結露によりトナー凝集塊を生成した場合でも、現像スリーブと現像ブレードのニップ部での摩擦力が大きくなるので、凝集塊がほぐされ易くなり、ほぐされた磁性トナーも帯電されるので、白モヤの発生を抑制できる。
600(mJ)>Eの場合、密に詰まった磁性トナーをほぐす為に必要なトルクが小さすぎて、現像スリーブと現像ブレードのニップ部をトナーがすり抜けやすく、摩擦帯電が不十分になって現像性が低下する場合がある。
1500(mJ)<Eの場合、密に詰まった磁性トナーをほぐす為に必要なトルクが大きすぎて、充分にほぐすことが難しくなり、磁性トナーが現像スリーブと現像ブレードのニップ部をほぐれずに通過して充分に帯電できず、現像性が低下する場合がある。また、結露により生成した凝集塊もほぐされ難くなるので、白モヤが発生しやすくなる。
本発明では、磁性酸化鉄中のTi元素の含有量と分布状態、磁性トナー粒子の円形度などを制御することで、Eを調節することが可能である。
本発明の磁性トナーは、500(mJ)≦(E−Ea)[好ましくは700(mJ)≦(E−Ea)]であることを特徴としている。これは、密に詰まったトナーをほぐす時にかかるトルクと、トナーがほぐされて流動性を回復した時にかかるトルクの差を示している。この差を大きくすることで、カートリッジ内のトナーを撹拌する際にトナーにかかる機械的なストレスを軽減することが出来、長期にわたる使用においてもトナーの劣化を防
止できる。この効果により、劣化による濃度薄やクリーニング不良の発生を抑制することが可能になる。
500(mJ)>(E−Ea)の場合、長期の使用によりトナーが劣化しやすくなり、濃度薄やクリーニング不良が発生しやすくなる。
本発明では、磁性酸化鉄中のTi元素の含有量と分布状態、磁性トナー粒子の円形度や外添剤の付着状態などを制御することで、Eaを調節することが可能である。
本発明の磁性トナーは、回転式ブレードを備えた粉体流動性分析装置で測定された、通気状態から非通気状態への変化後の回転トルクと垂直荷重の総和Edと前記Eが、下記式(5)を満足することが好ましい。
式(5): 0.10<(Ed/E)<0.70[好ましくは0.30≦(Ed/E)≦0.60]
[前記式(5)において、Ed(mJ)は、容器内の磁性トナーの粉体相中に流量が0.20(mm/sec)の乾燥空気を送り、前記Eaを測定した後に通気を停止し、前記E(mJ)と同様の測定を4度繰り返し、4回目のブレードの回転スピードが100(mm/sec)であるときの、トナー粉体層の表面から、底面から10mmの位置までブレードを進入させたときに得られる、回転トルクと垂直荷重の総和を表わす。]
上記(Ed/E)はトナーの流動性の維持し易さを示したものであり、カートリッジのトナー容器内での撹拌されやすさ、つまり、トナーの循環し易さを表わす。
トナー容器内で撹拌されることでトナーが循環して、現像スリーブ周辺のトナーが適度に入れ替わることで、トナーの劣化が抑制でき、良好な現像性やクリーニング性を長期わたって維持できる為、好ましい。また、トナーが容器内を循環することで、現像スリーブ周辺のトナーだけでなく、容器内のトナー全体が帯電できるようになり、カブリを抑え、良好な現像性を得られるようになる。
本発明では、磁性酸化鉄中のTi元素の含有量と分布状態、磁性トナー粒子の粒度分布や円形度、外添剤の付着状態などを制御することで、Edを調節することが可能である。
本発明の磁性トナーは、画像処理解像度512×512画素(1画素あたり0.37μm×0.37μm )のフロー式粒子像測定装置によって計測された円形度を、0.20
0〜1.000の円形度範囲に800分割し解析された平均円形度が、0.940以上(好ましくは0.950以上1.000以下)であることが好ましい。平均円形度を高めることで、表面に露出した磁性酸化鉄が有効に働き、トナーの流動性や帯電性の改良効果が高くなる。平均円形度が0.940以上であると、磁性トナー粒子表面に凹部が少なくなるので、磁性トナー粒子表面に露出している磁性酸化鉄は、帯電性や流動性に関与しやすくなり、本発明の効果が得られやすくなる。つまり、長期保管後の長期の使用でもトナーの劣化が抑制され、濃度薄やクリーニング不良が発生しにくくなる。
<平均円形度の測定方法>
磁性トナーの平均円形度は、フロー式粒子像測定装置「FPIA−3000」(シスメックス社製)を用い、校正作業時の測定及び解析条件で測定する。
具体的な測定方法は、以下の通りである。まず、ガラス製の容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水約20mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.2ml加える。更に測定試料を約0.02g加え、超音波分散器を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。超音波分散器としては、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散器(例えば「VS−150」(ヴェルヴォクリーア社製))を用い、水槽内には所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に
前記コンタミノンNを約2ml添加する。
測定には、標準対物レンズ(10倍)を搭載した前記フロー式粒子像測定装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE−900A」(シスメックス社製)を使用する。前記手順に従い調製した分散液を前記フロー式粒子像測定装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて3000個のトナー粒子を計測する。そして、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径を円相当径1.985μm以上、39.69μm未満に限定し、磁性トナーの平均円形度を求める。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(例えば、Duke Scien
tific社製の「RESEARCH AND TEST PARTICLES Latex Microsphere Suspensions 5200A」をイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。
なお、本発明においては、シスメックス社による校正作業が行われた、シスメックス社が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像測定装置を使用する。解析粒子径を円相当径1.985μm以上、39.69μm未満に限定した以外は、校正証明を受けた時の測定及び解析条件で測定を行う。
フロー式粒子像測定装置「FPIA−3000」(シスメックス社製)の測定原理は、流れている粒子を静止画像として撮像し、画像解析を行うというものである。試料チャンバーへ加えられた試料は、試料吸引シリンジによって、フラットシースフローセルに送り込まれる。フラットシースフローに送り込まれた試料は、シース液に挟まれて扁平な流れを形成する。フラットシースフローセル内を通過する試料に対しては、1/60秒間隔でストロボ光が照射されており、流れている粒子を静止画像として撮影することが可能である。また、扁平な流れであるため、焦点の合った状態で撮像される。粒子像はCCDカメラで撮像され、撮像された画像は512×512の画像処理解像度(一画素あたり0.37×0.37μm)で画像処理され、各粒子像の輪郭抽出を行い、粒子像の投影面積Sや周囲長L等が計測される。
次に、上記面積Sと周囲長Lを用いて円相当径と円形度を求める。円相当径とは、粒子像の投影面積と同じ面積を持つ円の直径のことであり、円形度Cは、円相当径から求めた円の周囲長を粒子投影像の周囲長で割った値として定義され、次式で算出される。
円形度C=2×(π×S)1/2/L
粒子像が円形の時に円形度は1.000になり、粒子像の外周の凹凸の程度が大きくなればなるほど円形度は小さい値になる。各粒子の円形度を算出後、円形度0.200〜1.000の範囲を800分割し、得られた円形度の相加平均値を算出し、その値を平均円形度とする。
本発明の磁性トナーは、トナー粒子100質量部に対し、0.01質量部以上、1.00質量部以下のハイドロタルサイト類化合物を含有することが好ましい。
ハイドロタルサイト類化合物はトナーの帯電性を高める効果があり、高温高湿環境で長期間放置された後のような、トナーが帯電しにくい状況で特に効果を発揮する。
ハイドロタルサイト類化合物として、下記一般式で示されるようなハイドロタルサイトが添加されていることが好ましい。
Figure 2010032580
ハイドロタルサイトの上記一般式のM1〜Mjは、それぞれ異なった2価の金属イオンであり、具体的には、Mg、Zn、Ca、Ba、Ni、Sr、Cu及びFeからなる群よ
り適宜に選択できる。これらの中でも、Mgが好ましく、特にMg以外の金属イオンの含有率(モル分率)が、0.001≦y2+…+yj≦0.05の関係を満足することが好ましい。
また、上記一般式のL1〜Lkは、それぞれ異なった3価の金属イオンであり、具体的には、Al、B、Ga、Fe、Co及びInからなる群より適宜に選択できる。これらの中でも、Alが好ましく、特にAl以外の金属イオンの含有率(モル分率)が、0.0003≦x2+…+xk≦0.02の関係を満足することが好ましい。
更に、上記の如き2価の金属イオンや3価の金属イオンは、それぞれ2種類以上存在させることが好ましい。
上記一般式のA(n価のアニオン)としては、CO 2−、OH、Cl、I、F、Br、SO 2−、HCO3−、CHCOO、NO 、サリチル酸イオン、クエン酸イオン3−、酒石酸イオン2−、(OOC−COO)2−、[Fe(CN)4−が例示され、それらは1種または2種以上が存在していてもかまわない。
また、上記一般式において、m≧0であるが、帯電性の安定化の観点から、その分子内に予め結晶水を有していることが好ましく、0.1<m<0.6であることがより好ましい。
ハイドロタルサイト類化合物としては、例えば、Mg0.75Al0.25(OH)(CO0.125・0.5HO、Mg0.69Al0.31(OH)(CO0.15・0.54HO、Mg0.72Al0.28(OH)(CO0.14・0.54HOが挙げられる。
本発明に用いられるハイドロタルサイト類化合物は、BET比表面積が1.0m/g以上、より好ましくは5.0〜100m/gであって、且つ平均一次粒径が1μm以下であることが好ましい。
本発明に用いられるハイドロタルサイト類化合物は、表面処理剤によって疎水化処理が施されていてもよい。表面処理剤としては、高級脂肪酸類、カップリング剤類、エステル類、シリコーンオイル等のオイル類の使用が可能である。これらの中でも高級脂肪酸類が好ましく用いられ、具体的には、ステアリン酸、オレイン酸、ラウリル酸等が例示される。
上記の如き表面処理剤によるハイドロタルサイト類化合物の表面処理方法としては、従来公知の方法を利用することができ、例えば、表面処理剤を溶剤に溶解・混合する方法、加熱溶解して液状にした後に未処理のハイドロタルサイト類化合物と湿式混合する方法、また、微粒子状の表面処理剤とハイドロタルサイト類化合物を機械的に乾式混合する方法が挙げられる。表面処理後には、必要に応じ、例えば、洗浄、脱水、乾燥、粉砕、分級等の手段を適宜に選択して適用し、表面処理を施したハイドロタルサイト類化合物を得ることができる。
ハイドロタルサイト類化合物のトナー粒子に対する添加量としては、トナー粒子100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上、1.00質量部以下、より好ましくは0.05質量部以上、0.50質量部以下である。
本発明に用いられるトナー粒子に含有される結着樹脂としては、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられるが、特に限定されず従来公知の樹脂を用いることができる。なかでも帯電性と定着性の両立の観点から、ポリエステル樹脂もしくはビニル系樹脂を含有することが好ましいが、特に、ポリエステルユニットを有する樹脂を使用することにより、定着性が有利となり好ましい。
上記ポリエステル樹脂の組成は以下の通りである。
2価のアルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−
ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、下記式(A)で表わされるビスフェノール及びその誘導体;下記式(B)で示されるジオール類;が挙げられる。
Figure 2010032580
(式中、Rはエチレンまたはプロピレン基であり、x,yはそれぞれ0以上の整数であり、かつ、x+y平均値は0〜10である。)
Figure 2010032580
(x’及びy’は、0以上の整数であり、かつ、x+yの平均値は0〜10である。)
2価の酸成分としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸などのベンゼンジカルボン酸類又はその無水物、低級アルキルエステル;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸などのアルキルジカルボン酸類又はその無水物、低級アルキルエステル;n−ドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸などのアルケニルコハク酸類もしくはアルキルコハク酸類、又はその無水物、低級アルキルエステル;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸類又はその無水物、低級アルキルエステル;等のジカルボン酸類及びその誘導体が挙げられる。
本発明においては、芳香族カルボン酸化合物を90モル%以上含有したカルボン酸成分と、アルコール成分を縮重合したポリエステルであり、芳香族カルボン酸化合物の80モル%以上が、テレフタル酸及び/又はイソフタル酸であることが、理由は定かではないが、磁性酸化鉄やワックスなどの内添剤の均一な分散性を高めるという点で好ましい。
また、架橋成分として働く3価以上のアルコール成分や3価以上の酸成分を単独で使用するか、もしくは併用することが、磁性酸化鉄やワックスなどの内添剤のより均一な分散性を達成するうえで好ましい。
3価以上の多価アルコール成分としては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン等が挙げられる。
三価以上の多価カルボン酸成分としては、トリメリット酸、ピロメリット酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフ
タレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンポール三量体酸、及びこれらの無水物、低級アルキルエステル;下記式(C)で表わされるテトラカルボン酸等、及びこれらの無水物、低級アルキルエステル等の多価カルボン酸類及びその誘導体が挙げられる。
Figure 2010032580
(式中Xは炭素数3以上の側鎖を1個以上有する炭素数5〜30のアルキレン基又はアルケニレン基)
上記アルコール成分としては40〜60mol%、好ましくは45〜55mol%、酸成分としては60〜40mol%、好ましくは55〜45mol%であることが好ましい。
上記ポリエステル樹脂は通常一般に知られている縮重合によって得られる。
一方、ビニル系樹脂を生成する為のビニル系モノマーとしては、次に様なものが挙げられる。
スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tertブチルスチレン、p−nヘキシルスチレン、p−nオクチルスチレン、p−nノニルスチレン、p−nデシルスチレン、p−nドデシルスチレンの如きスチレンの誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンの如き不飽和モノオレフィン類;ブタジエン、イソプレンの如き不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、沸化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニルの如きビニルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸nブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸nオクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸nブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸nオクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体が挙げられる。
更に、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸の如き不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物の如き不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフエステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン酸ブチルハーフエステル、シトラコ
ン酸メチルハーフエステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フマル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフエステルの如き不飽和二塩基酸のハーフエステル;ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸の如き不飽和二塩基酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸の如きα,β−不飽和酸;クロトン酸無水物、ケイヒ酸無水物の如きα,β−不飽和酸無水物、該α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物及びこれらのモノエステルの如きカルボキシル基を有するモノマーが挙げられる。
更に、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどのアクリル酸またはメタクリル酸エステル類;4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルヘキシル)スチレンの如きヒドロキシ基を有するモノマーが挙げられる。
本発明の磁性トナーにおいて、結着樹脂のビニル系樹脂は、ビニル基を2個以上有する
架橋剤で架橋された架橋構造を有してもよい。
この場合に用いられる架橋剤は、芳香族ジビニル化合物として例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンが挙げられ;アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類として例えば、エチレングリコールジアクリレート、1,3-ブチレングリコールジアクリレート、1,4-ブタンジオールジアクリレート、1,5-ペンタンジオールアクリレート、1,6-へキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタアクリレートに代えたものが挙げられ;エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類としては、例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレ一ト、ジプロピレングリコールジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレー卜をメタアクリレートに代えたものが挙げられ;芳香族基及び工一テル結合を含む鎖で緒ばれたジアクリレート化合物類として例えば、ポリオキシエチレン(2)-2,2-ビス(4ヒドロキシフエニル)プロパンジアクリレード、ポリオキシエチレン(4)-2,2-ビス(4ヒドロキシフエニル)プロパンジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタアクリレートに代えたものが挙げられ;ポリエステル型ジアクリレート化合物類として例えば、商品名MANDA(日本化薬)が掲げられる。
また、多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタアクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテート;が挙げられる。
これらの架橋剤は、他のモノマー成分100質量部に対して、好ましくは0.01〜10質量部(より好ましくは0.03〜5質量部)用いることができる。
これらの架橋剤のうち、定着性、耐オフセット性の点から好適に用いられるものとして、芳香族ジビニル化合物(特にジビニルベンゼン)、芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類が挙げられる。
また、ビニル系共重合体を製造する場合に用いられる重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾピス(−2メチルプチロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソ
プチレート、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2−(カーバモイルアゾ)−イソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2,2−アゾビス(2−メチルプロパン)、メチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパ−オキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイドの如きケトンパーオキサイド類、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デ力ノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、m−トリオイルパーオキサイド、ジーイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−工トキシエチルパーオキシカーボネト、ジメトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシカーボネート、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、 t−ブチルパーオキシアセテート、 t−ブチルパーオキシイソプチレート、 t−ブチルパーオキシネオデカノエイト、 t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエイト、 t−ブチルパーオキシラウレート、 t−ブチルパーオキンベンゾエイト、 t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、 t−ブチルパーオキシアリルカーボネート、 t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ジ−t−プチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート,ジ−t−ブチルパーオキシアゼレートが挙げられる。
上記結着樹脂は、低温定着性と保存性の両立のさせやすさという観点で、ガラス転移温度(Tg)が45〜70℃、好ましくは50〜70℃、さらに好ましくは、52〜65℃であることがよい。
ガラス転移温度(Tg)が45℃より低い場合には、トナーの保存性が低下する傾向にある。一方、ガラス転移温度(Tg)が70℃より高い場合には、低温定着性が低下しやすい傾向にある。なお、ガラス転移温度(Tg)は、例えば、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
また、上記結着樹脂は、磁性トナーの帯電安定性という点で、酸価1乃至100mgKOH/gを有していることが好ましく、より好ましくは、10.0乃至60.0mgKOH/gであり、さらに好ましくは、15.0乃至40.0mgKOH/gである。
上記酸価は試料1gに含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数である。当該酸価はJIS K 0070−1992に準じて測定される。
本発明に用いられるトナー粒子はワックスを含有する。当該ワックスとして、トナー粒子中での分散のしやすさ、離型性の高さから、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスなどの炭化水素系ワックスが好ましく用いられるが、必要に応じて一種又は二種以上のワックスを、少量併用してもかまわない。併用されるワックスとしては以下のものが挙げられる。
酸化ポリエチレンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、または、それらのブロック共重合物;カルナバワックス、サゾールワックス、モンタン酸エステルワックスなどの脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;及び脱酸カルナバワックスなどの脂肪酸エステル類を一部または全部を脱酸化したものなどが挙げられる。さらに、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸などの飽和直鎖脂肪酸類;プラシジン酸、エレオステア
リン酸、バリナリン酸などの不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールなどの飽和アルコール類;長鎖アルキルアルコール類;ソルビトールなどの多価アルコール類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N−ジオレイルセバシン酸アミドなどの不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N−ジステアリルイソフタル酸アミドなどの芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩(一般に金属石けんといわれているもの)、また、脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;また、ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物、また、植物性油脂の水素添加などによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物などが挙げられる。
また、上記ワックスの示差走査型熱量計(DSC)で測定される昇温時の最大吸熱ピークのピーク温度で規定される融点は、70乃至140℃であることが好ましく、より好ましくは90乃至135℃である。当該融点が70℃より小さい場合は、トナーが劣化しやすい傾向にあり、融点が140℃を超える場合は、低温定着性が低下する傾向にある。
上記ワックスの最大吸熱ピークのピーク温度(以下、融点ともいう)は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、ワックス約10mgを精秤し、これをアルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定温度範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。尚、測定においては、一度200℃まで昇温させ、続いて30℃まで降温し、その後に再度昇温を行う。この2度目の昇温過程での温度30〜200℃の範囲におけるDSC曲線の最大の吸熱ピークを、DSC測定における吸熱曲線の最大吸熱ピークとする。そして、この最大吸熱ピークのピーク温度を求める。
上記ワックスの添加量は、結着樹脂100質量部あたり、0.1〜20質量部であることが好ましく、0.5〜10質量部であることがより好ましい。
また、これらのワックスは、結着樹脂製造時、樹脂を溶剤に溶解し、樹脂溶液温度を上げ、撹拌しながら当該ワックスを添加混合する方法や、トナー粒子製造中の溶融混練時に当該ワックスを添加する方法などにより結着樹脂に含有させることができる。
本発明の磁性トナーには、荷電制御剤を含有させることが好ましい。トナーを負荷電性に制御する荷電制御剤として下記物質がある。
例えば、有機金属化合物、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸系の金属化合物がある。他には、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類などがある。
具体的には、下記構造式(1)で表わされるアゾ系金属化合物が好ましい。
Figure 2010032580
〔式中、Mは中心金属を示し、具体的にはSc、Ti、V、Cr、Co、Ni、MnまたはFe等があげられる。Arはアリーレン基を示し、フェニレン基、ナフチレン基などがあげられ、置換基を有してもよく、置換基としては、ニトロ基、ハロゲン基、カルボキシル基、アニリド基および炭素数1〜18のアルキル基、アルコキシ基などがある。X、X’、Y及びY’はそれぞれ独立して−O−、−CO−、−NH−、−NR−(Rは炭素数1〜4のアルキル基)である。A+はカウンターイオンを示し、具体的には水素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、アンモニウムイオンあるいは脂肪族アンモニウムイオンを示す。〕
特に、上記構造式(1)中の中心金属としてはFe又はCrが好ましい。また、上記構造式(1)中のアリーレン基に置換される置換基としてはハロゲン原子、アルキル基、またはアニリド基が好ましい。上記構造式(1)中のカウンターイオンとしては水素イオン、アルカリ金属アンモニウムイオン、脂肪族アンモニウムイオンが好ましい。またカウンターイオンの異なる化合物の混合物も好ましく用いられる。
あるいは、下記構造式(2)に示した塩基性有機酸金属化合物も負帯電性を与えるものであり、本発明に使用できる。
Figure 2010032580
特に、上記構造式(2)中の中心金属としてはFe、Cr、Si、Zn、ZrまたはAlが好ましい。また、上記構造式(2)中のアリーレン基に置換される置換基としてはアルキル基、アニリド基、アリール基、ハロゲン原子が好ましい。また、上記構造式(2)中のカウンターイオンは水素イオン、アンモニウムイオン、脂肪族アンモニウムイオンが好ましい。
そのうちでも、上記構造式(1)で表されるアゾ系金属化合物がより好ましく、とりわけ、下記構造式(3)で表されるアゾ系鉄化合物が最も好ましい。
Figure 2010032580
次に、上記化合物の具体例を示す。
Figure 2010032580
Figure 2010032580
トナーを正荷電性に制御する荷電制御剤としては下記の物質が例示される。
ニグロシン及び脂肪酸金属塩による変成物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートの如き四級アンモニウム塩、ホスホニウム塩の如きオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、
没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物);高級脂肪酸の金属塩;グアニジン化合物、イミダゾール化合物。これらを単独で或いは2種類以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、トリフェニルメタン化合物、カウンターイオンがハロゲンでない四級アンモニウム塩が好ましく用いられる。
また、下記構造式(4)で表されるモノマーの単重合体;これとスチレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの如き重合性モノマーとの共重合体を正荷電性制御剤として用いることができる。この場合これらの荷電制御剤は、結着樹脂(の全部または一部)としての作用をも有する。
Figure 2010032580
〔式中、R1はH又はCH3を示し、R2及びR3は置換または未置換のアルキル基(好ましくは、C1〜C4)を示す〕
さらに、上記荷電制御剤の具体例として、下記構造式(5)で表される化合物を好適に例示できる。
Figure 2010032580
〔式中、R、R、R、R、R及びRは、各々互いに同一でも異なっていてもよい水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基または、置換もしくは未置換のアリール基を表し、R、R及びRは、各々互いに同一でも異なっていてもよい水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基を表し、Aは、硫酸イオン、硝酸イオン、ほう酸イオン、りん酸イオン、水酸イオン、有機硫酸イオン、有機スルホン酸イオン、有機りん酸イオン、カルボン酸イオン、有機ほう酸イオン又はテトラフルオロボレートから選択される陰イオンを示す。〕
負荷電性の荷電制御剤の好ましい具体例(商品)として、以下のものが挙げられる。
Spilon Black TRH、T−77、T−95(保土谷化学工業(株))、BONTRON(登録商標)S−34、S−44、S−54、E−84、E−88、E−89(オリエント化学工業(株))。
正荷電性の荷電制御剤の好ましい具体例(商品)として、以下のものが挙げられる。
TP−302、TP−415(保土谷化学工業(株))、BONTRON(登録商標)N−01、N−04、N−07、P−51(オリエント化学工業(株))、コピーブルーPR(クラリアント社)。
上記荷電制御剤をトナーに含有させる方法としては、トナー粒子内部に添加する方法と外添する方法がある。これらの荷電制御剤の使用量としては、結着樹脂の種類、他の添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではない。結着樹脂100質量部に対して、好ましくは0.1乃至10質量部、より好ましくは0.1乃至5質量部の範囲で用いられる。
本発明の磁性トナーは、トナーの流動性を向上させるために、トナー粒子に無機微粒子が外添される。当該無機微粒子として、フッ化ビニリデン微粒子、ポリテトラフルオロエチレン微粒子の如きフッ素系樹脂微粒子;湿式製法シリカ、乾式製法シリカの如き微粒子シリカ、微粒子酸化チタン、微粒子アルミナ、それらを有機ケイ素化合物、チタンカップリング剤、シリコ−ンオイル等により表面処理(疎水化処理)を施した処理シリカ、処理酸化チタン、処理アルミナ等が挙げられる。
上記のうち、好ましい無機微粒子としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された微粒子であり、乾式法シリカ又はヒュームドシリカと称されるものである。例えば、四塩化ケイ素ガスの酸素、水素中における熱分解酸化反応を利用するもので、基礎となる反応式は次の様なものである。
SiCl4+2H+0→SiO+4HCl
この製造工程において、例えば塩化アルミニウム又は塩化チタンの如き他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによってシリカと他の金属酸化物の複合微粒子を得ることも可能であり、それらも包含する。その粒径として、一次粒径の個数平均粒径が、0.001〜2μmの範囲内であることが好ましく、0.002〜0.2μmの範囲内であることが特に好ましい。
さらには、該ケイ素ハロゲン化合物の気相酸化により生成されたシリカ微粒子は、表面を疎水化処理した処理シリカ微粒子であることがより好ましい。該処理シリカ微粒子は、メタノール滴定試験によって測定された疎水化度が30〜80の範囲の値を示すようにシリカ微粒子を処理したものが特に好ましい。
上記疎水化処理の方法としては、シリカ微粒子と反応あるいは物理吸着する、有機ケイ素化合物及び/又はシリコーンオイルで化学的に処理する方法が挙げられる。ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成されたシリカ微粒子を有機ケイ素化合物で化学的に処理する方法が、好ましい方法として挙げられる。
上記有機ケイ素化合物としては、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、αクロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカブタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサンおよび1分子当り2から12個のシロキサン単位を有し、末端に位置する単位のSiに水酸基を1つずつ有するジメチルポリシロキサンが挙げられる。これらは1種あるいは2種以上の混合物で
用いられる。
また、窒素原子を有するアミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジプロピルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、モノブチルアミノプロピルトリメトキシシラノ、ジオクチルアミノプロピルジメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルジメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルモノメトキシシラン、ジメチルアミノフェニルトリエトキシシラン、トリメトキシシリル−γ−プロピルフェニルアミン、トリメトキシシリル−γ−プロピルベンジルアミンの如きシランカップリング剤も単独あるいは併用して使用される。好ましいシランカップリング剤としては、へキサメチルジシラザン(HMDS)が挙げられる。
上記シリコーンオイルとしては、25℃における粘度が0.5〜10000mm/Sのものが好ましく、より好ましくは1〜1000mm/S、さらに好ましくは10〜200mm/Sである。具体的には、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェルシリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルが挙げられる。
シリコーンオイル処理の方法としては、例えば、シランカップリング剤で処理されたシリカ微粒子とシリコーンオイルとをヘンシェルミキサーの如き混合機を用いて直接混合する方法;ベースとなるシリカ微粒子にシリコーンオイルを噴霧する方法;あるいは適当な溶剤にシリコーンオイルを溶解あるいは分散せしめた後、シリカ微粒子を加え混合し溶剤を除去する方法;が挙げられる。
シリコーンオイルで処理されたシリカは、シリコーンオイルの処理後にシリカを不活性ガス中で200℃以上(より好ましくは250℃以上〉に加熱し表面のコートを安定化させることがより好ましい。
本発明においては、シリカをあらかじめ、カップリング剤で処理した後にシリコーンオイルで処理する方法、または、シリカをカップリング剤とシリコーンオイルで同時に処理する方法によって処理されたものが好ましい。
上記無機微粒子は、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が30m/g以上であることが好ましく、50m/g以上であることがより好ましい。
また、上記無機微粒子の添加量は、トナー粒子100質量部に対して、無機微粒子0.01〜8質量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜4質量部である。
上記BET法で測定した窒素吸着による比表面積の測定は、JIS Z8830(2001年)に準じて行なう。測定装置としては、定容法によるガス吸着法を測定方式として採用している「自動比表面積・細孔分布測定装置 TriStar3000(島津製作所社製)」を用いる。
本発明の磁性トナーの平均円形度は、トナーの製造方法や、製造条件の調整によって行われる。そのような、本発明の磁性トナーの製造方法について以下に例示する。
本発明の磁性トナーは、円形度を調整する工程を有することが好ましいが、それ以外の製造工程においては、特に限定されず、公知の方法によって製造することができる。
例えば、製造方法は以下の通りである。まず、結着樹脂、ワックス及び磁性酸化鉄、並びに、必要に応じて、着色剤、及び荷電制御剤などのその他の材料を、ヘンシェルミキサー又はボールミルの如き混合機により十分混合してから、ロール、ニーダー及びエクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融、捏和及び混練して樹脂類を互いに相溶せしめる。得られた溶融混練物を冷却固化後に粉砕機を用いて粗粉砕を行ったのち、好ましくは表面改質工程を経て、無機微粒子等の外添剤を前記混合機により混合することによって得ることができる。必要に応じて、表面改質工程の前後どちらかに、さらに分級機を用いた分級
工程を経てもよい。
上記混合機としては、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製);スーパーミキサー(カワタ社製);リボコーン(大川原製作所社製);ナウターミキサー、タービュライザー、サイクロミックス(ホソカワミクロン社製);スパイラルピンミキサー(太平洋機工社製);レーディゲミキサー(マツボー社製)等が挙げられる。
上記混練機としては、KRCニーダー(栗本鉄工所社製);ブス・コ・ニーダー(Buss社製);TEM型押し出し機(東芝機械社製);TEX二軸混練機(日本製鋼所社製);PCM混練機(池貝鉄工所社製);三本ロールミル、ミキシングロールミル、ニーダー(井上製作所社製);ニーデックス(三井鉱山社製);MS式加圧ニーダー、ニダールーダー(森山製作所社製);バンバリーミキサー(神戸製鋼所社製)等が挙げられる。
上記粉砕機としては、カウンタージェットミル、ミクロンジェット、イノマイザ(ホソカワミクロン社製);IDS型ミル、PJMジェット粉砕機(日本ニューマチック工業社製);クロスジェットミル(栗本鉄工所社製);ウルマックス(日曹エンジニアリング社製);SKジェット・オー・ミル(セイシン企業社製);クリプトロン(川崎重工業社製);ターボミル(ターボ工業社製);スーパーローター(日清エンジニアリング)等が挙げられる。
上記分級機としては、クラッシール、マイクロンクラッシファイアー、スペディッククラシファイアー(セイシン企業社製);ターボクラッシファイアー(日清エンジニアリング社製);ミクロンセパレータ、ターボプレックス(ATP)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製);エルボージェット(日鉄鉱業社製)、ディスパージョンセパレータ(日本ニューマチック工業社製);YMマイクロカット(安川商事社製)等が挙げられる。
粗粒等をふるい分けるために用いられる篩い装置としては、ウルトラソニック(晃栄産業社製);レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿工作所社製);バイブラソニックシステム(ダルトン社製);ソニクリーン(新東工業社製);ターボスクリーナー(ターボ工業社製);ミクロシフター(槙野産業社製);円形振動篩い等が挙げられる。
次に、上記製造方法において、表面改質工程に好適に用いられる回分式の表面改質装置について説明する。
図2に示す回分式表面改質装置は、円筒形状の本体ケーシング30、本体ケーシングの上部に開閉可能なよう設置された天板43;微粉排出ケーシングと微粉排出管とを有する微粉排出部44;冷却水或いは不凍液を通水できる冷却ジャケット31を有している。
更に図2に示す回分式表面改質装置は、表面改質手段としての、本体ケーシング30内にあって中心回転軸に取り付けられた、上面に角型ディスクである分散ハンマー33を複数個有し、所定方向に高速に回転する円盤状の回転体である分散ローター32;分散ローター32の周囲に一定間隔を保持して固定配置された、分散ローター32に対向する表面に多数の溝が設けられているライナー34を有している。
更に図2に示す回分式表面改質装置は、粉体粒子中の所定粒径以下の微粉を連続的に除去するための分級ローター35;本体ケーシング30内に冷風を導入するための冷風導入口46;粉体粒子(原料)を導入するために本体ケーシング30の側面に形成された原料投入口37及び原料供給口39を有する投入管を有している。
更に図2に示す回分式表面改質装置は、表面改質処理後のトナー粒子を本体ケーシング30外に排出するための製品排出口40及び製品抜取口42を有する製品排出管;表面改
質時間を自在に調整できるように、原料投入口37と原料供給口39との間に設置された開閉可能な原料供給弁38;及び製品排出口40と製品抜取口42との間に設置された製品排出弁41を有している。
さらに、表面改質処理後のトナー粒子を吸引排出するために、製品排出管は、ブロワー365により吸引される。
更に図2に示す回分式表面改質装置は、天板43に対して垂直な軸を有する円筒状の案内手段としてのガイドリング36を本体ケーシング30内に有している。このガイドリング36は、その上端が通常天板から所定距離離間して設けられており(通常20〜50mm程度)、分級ローター36の少なくとも一部がその円筒に覆われた状態で設置されている。
また、ガイドリング36の下端は分散ローター32の円盤部又は角形ディスクである分散ハンマー33から所定距離離間して設けられる。このガイドリング36によって装置内において分級ローター35と分散ローター32−ライナー34との間の空間が、ガイドリング外側の第一の空間47と、ガイドリング内側の第二の空間48とに二分される。
ここで、第一の空間47は粉体粒子を分級ローター35へ導入するための空間であり、第二の空間は粉体粒子を分散ローターに導入するための空間である。
分散ローター32上に複数個設置された角型のディスクである分散ハンマー33と、ライナー34との間隙部分が表面改質ゾーン49であり、分級ローター35及び該ローター周辺部分が分級ゾーン50である。
以上のように構成してなる回分式の表面改質装置では、製品排出弁41を閉とした状態で、原料供給弁38を開とし、原料投入口37から被表面改質粒子を投入し、一定時間経過後原料供給弁38を閉とする。
原料供給口39より装置内に投入された粉体粒子は、まずブロワー364により吸引され、分級ローター35で分級される。その際、分級された所定粒径以下の微粉は、微粉排出部44、微粉排出口45を通り装置外へ連続的に排出除去される。
ブロアー364とブロアー365は、同一のブロアーでもよいし、別々のブロアーでもよい。
所定粒径以上の粉体粒子は遠心力によりガイドリング36の内周(第二の空間48)に沿い、旋回しながら、分散ローター32により発生する循環流にのり表面改質ゾーン49へ導かれる。循環流を発生させるうえで、分散ローターの周速は、30m/sec〜200m/secが好ましく、より好ましくは、70m/sec〜170m/secがよい。一般的には、分散ローターの周速が大きいほど、表面改質度としては向上する傾向がある。
表面改質ゾーン49に導かれた粉体粒子は、分散ローター32上に複数個設置された角型のディスクである分散ハンマー33と、ライナー34との間で機械式衝撃力を受け、表面改質される。
表面改質された粉体粒子は、機内を通過する冷風及びブロワー吸引流にのって、ガイドリング36の外周(第一の空間47)に沿い、旋回しながら分級ゾーン50に導かれ、分級ローター35により、再度微粉は微粉排出部44、微粉排出口45を通り機外へ排出され、粗粉体は、循環流にのり、再度表面改質ゾーン49に戻され、繰り返し表面改質作用を受ける。
一定時間経過後、製品排出弁41を開とし、同時に、ブロアー365によって、製品抜取口42より表面改質粒子を吸引排出する。ここで、装置内に原料粒子を投入し終わってから、製品排出弁を開とするまでの時間を処理時間とする。処理時間を長くするほど、生産能力としては低下するが、表面改質度としては向上する傾向がある。
吸引排出することにより、装置内の表面改質粒子のほとんどが短時間で装置外に排出される為、装置内に滞留する粒子が少なくなり、粒子間の表面改質度の差が小さくなる。その結果、トナーの帯電量の分布がシャープになり、現像性を改良できる。
本発明の磁性トナーの重量平均粒径(D4)は、以下のようにして算出する。
測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。尚、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行なう。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行なう前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行う。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
前記専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行なう。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に約3.3lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行なう。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行ない、重量平均粒径(D4)を算出する。尚、前記専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
以下、実施例によって本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、以下の配合における部数は特に説明が無い場合は質量部である。
(磁性酸化鉄の製造例1)
[工程1]
Fe2+を1.8mol/L含む硫酸第一鉄水溶液5Lと、Si品位13.4%のケイ酸ソーダ15gと、Ti品位20.0%の硫酸チタニル2.5gと、水酸化ナトリウム650gを混合し、水を加えて全量を10Lとした。この溶液の温度を90℃に維持し、かつpHを6〜9に維持しながら空気を2L/minで吹き込み、液中に生成した水酸化第一鉄を湿式酸化した。水酸化第一鉄が、当初の量に対して90%消費された時点でマグネタイトの核となる部分の形成を確認した。この核となる部分は、Tiを含有するものであった。
[工程2]
工程1を行っている途中に、溶液中における未反応の水酸化第一鉄の濃度を調べることで酸化反応の進行率を調べ、水酸化第一鉄が、当初の量に対して90%消費された時点で、工程1で用いたものと同濃度の硫酸第一鉄水溶液4Lと、Si品位13.4%のケイ酸ソーダ15gと、Ti品位20.0%の硫酸チタニル12gとを溶液に加え、更に水を加えて液量を18Lとした。これに加えて、水酸化ナトリウムを添加して液のpHを9〜12に調整した。この溶液には、工程1で加えたケイ酸ソーダと硫酸チタニルが残存していた。液温90℃にて空気を1L/minで吹き込み湿式酸化を進行させ、Tiを含むマグネタイトからなる中間層を生成させた。
[工程3]
工程2を行っている途中に、液中における未反応の水酸化第一鉄の濃度を調べることで酸化反応の進行率を調べ、水酸化第一鉄が90%消費された時点で、Si品位13.4%のケイ酸ソーダ13gと、Ti品位20.0%の硫酸チタニル26.5gとを液に加えた。これに加えて、水酸化ナトリウムを添加して液のpHを9〜12に調整した。この液には、工程1及び2で加えたケイ酸ソーダと硫酸チタニルが残存していた。液温90℃にて空気を1L/minで吹き込み湿式酸化を進行させ、Si及びTiを含むマグネタイトを生成させた。
[工程4]
工程3を、液中における未反応の水酸化第一鉄が、100%消費されたことを確認した後、空気の吹き込みを停止し、Al品位が6%の硫酸アルミニウム65.5gを液に添加した。また、希硫酸を添加して液のpHを5〜9に調整し、マグネタイト表面にAlを析出させた。
このようにして得られたマグネタイト粒子を、常法により洗浄、ろ過し、更に乾燥させた後に粉砕し、磁性酸化鉄1を得た。得られた磁性酸化鉄1について、その諸特性を測定した。結果を表1に示す。
(磁性酸化鉄の製造例2乃至5、比較磁性酸化鉄の製造例1及び2)
磁性酸化鉄の製造例1において、硫酸チタニル、ケイ酸ソーダ、硫酸アルミニウムの量を適宜変更し、添加タイミングを微調整した以外は製造例1と同様にして、磁性酸化鉄2乃至5、比較磁性酸化鉄1及び2を得た。その諸特性を測定した結果を表1に示す。
(結着樹脂の製造例)
・テレフタル酸 18質量部
・イソフタル酸 3質量部
・無水トリメリット酸 7質量部
・上記式(A)で表されるビスフェノール誘導体(R:プロピレン基でx+y=2.2)
70質量部
・ノボラック型フェノール樹脂(核体数約5.6)の5.6モルEO付加物
2質量部
これらに触媒としてテトラブチルチタネート0.5質量部を添加し、240℃で縮合重合して、架橋ポリエステル樹脂(Tg=59℃、メインピーク分子量=7,500、テトラヒドロフラン不溶分=14質量%)を得た。これを本発明の磁性トナー用の結着樹脂とした。
(実施例1)
・前記ポリエステル樹脂 100質量部
・磁性酸化鉄1(個数平均粒径0.18μm) 100質量部
・ポリエチレンワックス(融点=101℃、Mn=850) 3質量部

・前記アゾ系鉄化合物(1)(カウンターイオンはNH ) 2質量部

上記原材料をヘンシェルミキサーで予備混合した後、温度120℃、回転数200rpmに設定した二軸混練押し出し機(PCM−30:池貝鉄工所社製)によって混練した。得られた溶融混練物を冷却し、冷却された溶融混練物をカッターミルで粗粉砕した。得られた粗粉砕物を、ターボミルT−250(ターボ工業社製)を用いて、排気温度が48℃になるようエアー温度を調整して微粉砕し、コアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級した。
この分級物を、直径300mmの分散ローターを搭載した、図2に示した表面改質装置に投入し、表面改質処理を行った。このとき、分散ローターの周速は、120m/secとし、処理時間を25秒に設定した。また、製品排出部より表面改質された粒子を排出する際の分級部の風量を3.0m/min、製品排出部の風量を、1.5m/minとした。 このように表面改質して得られた磁性トナー粒子を、磁性トナー粒子1とする。
この磁性トナー粒子1の100質量部と、乾式シリカ(BET:200m/g)をヘキサメチルジシラザン処理し、次いでジメチルシリコーンオイル処理を行った疎水性シリカ微粒子1.2質量部と、ハイドロタルサイト類化合物〔Mg0.72Al0.28(OH)(CO0.14・0.54HO;BET比表面積10m/g〕0.10質量部と、チタン酸ストロンチウム(個数平均粒径0.50μm)1.0質量部とを、ヘンシェルミキサー(FM−10B;三井鉱山社製)に投入し、3,500rpmで2分間混合して磁性トナー1を調製した。この磁性トナー1の物性を表2に示す。
(実施例2)
ハイドロタルサイト類化合物を添加しないこと以外は実施例1と同様にして、磁性トナー2を調製した。この磁性トナー2の物性を表2に示す。
(実施例3)
表面改質装置による表面改質処理を行わないこと以外は実施例2と同様にして、磁性トナー3を調製した。この磁性トナー3の物性を表2に示す。
(実施例4)
ヘンシェルミキサーによる混合条件を、2,500rpmで2分間に変更する以外は実施例3と同様にして、磁性トナー4を調製した。この磁性トナー4の物性を表2に示す。
(実施例5)
磁性酸化鉄1の代わりに磁性酸化鉄2を用い、粗粉砕物を、ターボミルT−250を用いる代わりに、ジェットミル(IDS−2型;日本ニューマチック工業社製)を用いて微粉砕し、疎水性シリカ微粒子の添加量を1.5質量部に変更する以外は実施例4と同様にして、磁性トナー5を調製した。この磁性トナー4の物性を表2に示す。
(実施例6)
磁性酸化鉄2の代わりに磁性酸化鉄3を用いる以外は実施例5と同様にして、磁性トナー6を調製した。この磁性トナー6の物性を表2に示す。
(実施例7)
磁性酸化鉄2の代わりに磁性酸化鉄4を用いる以外は実施例5と同様にして、磁性トナー7を調製した。この磁性トナー7の物性を表2に示す。
(実施例8)
磁性酸化鉄2の代わりに磁性酸化鉄5を用いる以外は実施例5と同様にして、磁性トナー8を調製した。この磁性トナー8の物性を表2に示す。
(比較例1)
磁性酸化鉄2の代わりに比較磁性酸化鉄1を用いる以外は実施例5と同様にして、比較磁性トナー1を調製した。この比較磁性トナー1の物性を表2に示す。
(比較例2)
磁性酸化鉄2の代わりに比較磁性酸化鉄2を用いる以外は実施例5と同様にして、比較磁性トナー2を調製した。この比較磁性トナー2の物性を表2に示す。
(比較例3)
チタン酸ストロンチウムの代わりに酸化チタン(個数平均粒径0.1μm)1.0質量部を用いる以外は実施例8と同様にして、比較磁性トナー3を調製した。この比較磁性トナー3の物性を表2に示す。
Figure 2010032580
Figure 2010032580
(磁性トナーの評価)
これらの磁性トナー1乃至8、比較磁性トナー1乃至3を、以下の様に評価した。
(1)白モヤ評価
市販のLBPプリンタ(Laser Jet 4350、hp社製)用カートリッジに、磁性トナー1,000gを充填し、高温高湿環境での長期間の保管の促進試験として、温度40℃、湿度95%の環境に30日間放置した。30日間の放置後にカートリッジを
取り出してビニール袋に密封し、温度が冷えないうちにすぐに、温度15℃、湿度10%の環境にカートリッジを移動し、一晩放置してから白モヤの発生を確認した。
画像出力は、市販のLBPプリンタ(Laser Jet 4350、hp社製)を改造して、A4サイズ60枚/分(プロセススピード370mm/sec)としたものを用いた。
評価紙全面にベタ黒画像をプリントし、1枚あたりの白モヤの発生数と、消失するまでの通紙枚数で白モヤのレベルを評価した。Cランクまでは実用上問題なく、Dランクでは実使用でも発生する可能性があるレベルと判断した。
(評価基準)
A:発生なし
B:1枚あたり1個の白モヤが発生するが、5枚以内の通紙で消失する。
C:1枚あたり2〜5個の白モヤが発生するが、10枚以内の通紙で消失する。
D:1枚あたり6〜10個の白モヤが発生するが、30枚以内の通紙で消失する。
E:1枚あたり11個以上の白モヤが発生し、30枚の通紙でも消失しない。
また、カートリッジのトナー容器内の結露の影響を確認するため、高温高湿環境に30日間放置後のカートリッジを、温度32.5℃、湿度80%の環境に同じ様に移動して白モヤを確認したが、いずれのトナーでも白モヤは発生しなかった。この結果より、本評価は、使用環境の変動による画質変化をモニター出来ていることが確認できた。
(2)現像性、クリーニング性評価
白モヤ評価と同様にして、カートリッジに磁性トナー1,000gを充填し、高温高湿環境での長期間の保管の促進試験として、温度40℃、湿度95%の環境に30日間放置
した。30日間の放置後にカートリッジを取り出し、温度32.5℃、湿度80%の環境にカートリッジを移動し、一晩放置してカートリッジを環境になじませてから、トナーの現像耐久性を評価した。
白モヤ評価で用いた改造機を使用し、印字率1%となる横線パターンを1枚/1ジョブとして、ジョブとジョブの間にマシンがいったん停止してから次のジョブが始まるように設定したモードで3万枚のプリント試験を行った。プリント試験初期と、3万枚プリント後の画像濃度、カブリでトナーの耐久性を評価した。
さらに、3万枚プリント後のカートリッジをそのまま、温度32.5℃、湿度80%の環境に1週間放置し、1週間後に画像濃度を確認して、長期放置による濃度低下(放置濃度薄)の発生を確認した。
また、クリーニング性に関しては、前記現像耐久性の評価でプリントアウトされた横線画像を目視で確認し、クリーニング不良(画像の縦方向に帯状の黒スジが発生する)の発生レベルで評価した。
(クリーニング性の評価基準)
A:発生なし
B:発生するが3枚以内の通紙で消失。
C:発生するが5枚以内の通紙で消失。
D:10枚以内の通紙で消失するが、耐久性評価の間、2〜3回再発する。
E:発生後消失しない。
画像濃度は、マクベス濃度計(マクベス社製)でSPIフィルターを使用して、ベタ黒画像を反射濃度測定することにより測定した。
カブリは、ベタ白画像を、反射濃度計(リフレクトメーター モデル TC−6DS 東京電色社製)を用いて画像形成前後の転写材を測定した。画像形成後の反射濃度最悪値をDs、画像形成前の転写材の反射平均濃度をDrとし、Ds−Drを求め、これをカブリ量として評価した。数値の少ない方が、カブリが抑制されていることを示す。
これら評価結果を表3に示す。
Figure 2010032580
FT−4測定専用48mm径プロペラ型ブレードの説明図である。 回分式表面改質装置の模式図である。
符号の説明
30 本体ケーシング
31 冷却ジャケット
32 分散ローター
33 分散ハンマー
34 ライナー
35 分級ローター
36 ガイドリング
37 原料投入口
38 原料供給弁
39 原料供給口
40 製品排出口
41 製品排出弁
42 製品抜取口
43 天板
44 微粉排出部
45 微粉排出口
46 冷風導入口
47 第一の空間
48 第二の空間
49 表面改質ゾーン50 分級ゾーン
364 ブロワー
365 ブロワー
T1 温度計
T2 温度計

Claims (4)

  1. 結着樹脂、ワックス、及び磁性酸化鉄を少なくとも含有するトナー粒子と、無機微粒子とを有する磁性トナーであって、
    前記磁性酸化鉄は、Ti元素を前記磁性酸化鉄全体に対して、0.30質量%以上5.0質量%以下含有し、
    Fe元素溶解率が10%以下の範囲に存在するTi元素量(S−Ti)が、前記磁性酸化鉄に含まれる全Ti元素量の40%以上70%以下であり、
    Fe元素溶解率が10%より大きく50%以下の範囲に存在するTi元素量(M−Ti)が、前記磁性酸化鉄に含まれる全Ti元素量の10%以上40%以下であり、
    Fe元素溶解率が50%より大きく100%以下の範囲に存在するTi元素量(C−Ti)が、前記磁性酸化鉄に含まれる全Ti元素量の1%以上20%以下であり、
    前記(S−Ti)、(M−Ti)及び(C−Ti)が、下記式(1)及び(2)の関係を満足し、
    式(1): (S−Ti)≧2×(C−Ti)
    式(2): (M−Ti)≧1.5×(C−Ti)
    [前記Fe元素溶解率は、前記磁性酸化鉄を表面から酸水溶液で溶解し、前記磁性酸化鉄が全て溶解された状態をFe元素溶解率100%とし、前記磁性酸化鉄が全て溶解された溶解液中に含まれるFe元素量を総Fe元素量としたときに、前記磁性酸化鉄を表面から酸水溶液で溶解する過程で得られる溶解液に溶解するFe元素量の前記総Fe元素量に対する割合(%)をいう。]
    前記磁性トナーは、回転式ブレードを備えた粉体流動性分析装置で測定された非通気状態での回転トルクと垂直荷重の総和Eと、通気状態での回転トルクと垂直荷重の総和Eaが、下記式(3)及び(4)を満足することを特徴とする磁性トナー。
    式(3): 600(mJ)≦E≦1500(mJ)
    式(4): 500(mJ)≦(E−Ea)
    [前記式(3)及び(4)において、E(mJ)は、回転式ブレードを備えた粉体流動性分析装置において、プロペラ型ブレードを、前記プロペラ型ブレードの最外縁部の周速を100mm/secで回転させながら、前記磁性トナーが満たされた測定容器内のトナー粉体層中に垂直に進入させ、前記トナー粉体層の底面から100mmの位置から測定を開始し、底面から10mmの位置まで進入させた時に得られる、回転トルクと垂直荷重の総和を表す。また、Ea(mJ)は、前記測定において、測定容器底部に多孔質板を配し、そこから流量が0.20mm/secの乾燥空気を送った通気状態で測定された回転トルクと垂直荷重の総和を表す。]
  2. 前記磁性トナーは、回転式ブレードを備えた粉体流動性分析装置で測定された、通気状態から非通気状態への変化後の回転トルクと垂直荷重の総和Edと前記Eが、下記式(5)を満足することを特徴とする請求項1に記載の磁性トナー。
    式(5): 0.10<(Ed/E)<0.70
    [前記式(5)において、Ed(mJ)は、容器内の磁性トナーの粉体相中に流量が0.20(mm/sec)の乾燥空気を送り、前記Eaを測定した後に通気を停止し、前記E(mJ)と同様の測定を4度繰り返し、4回目のブレードの回転スピードが100(mm/sec)であるときの、トナー粉体層の表面から、底面から10mmの位置までブレードを進入させたときに得られる、回転トルクと垂直荷重の総和を表わす。]
  3. 前記磁性トナーは、画像処理解像度512×512画素(1画素あたり0.37μm×0.37μm )のフロー式粒子像測定装置によって計測された円形度を、0.200〜1.000の円形度範囲に800分割し解析された平均円形度が、0.940以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の磁性トナー。
  4. 前記磁性トナーは、トナー粒子100質量部に対し、0.01質量部以上、1.00質量部以下のハイドロタルサイト類化合物を含有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の磁性トナー。
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