JP2010032163A - 温度調節システムおよび温度調節システムの施工方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】温度調節システム100は、地中に埋設された杭が用いられ、略円筒状に形成された鋼管製の杭本体部300と、杭本体部300の内部および外部に設けられた液体循環装置400と、杭本体部300の内部の空気を循環させる空気循環装置500と、杭本体部300の軸方向の他端に設けられた杭施工部600と、杭本体部300の軸方向の一端となる鉛直方向における上端部に打設形成されたコンクリート管700と、を備えている。
【選択図】図1
Description
特許文献1では、地中に埋設した地中配管と地上の熱交換器との管に液体を循環させ、熱交換器から得られる熱により建物内の空間を冷暖房する技術が記載されている。
特許文献1では、地中の温度以上に暖房したい場合や地中の温度以下に冷房したい場合は冷媒を使用して熱交換器から熱を得ることが記載されているが、熱交換器は地上に設置されているため、地中熱で温められた(冷やされた)液体が運ばれてくる間に保温(保冷)効果が低くなってしまう。すなわち、地上の熱交換器で使用するエネルギーが増大してしまい、空調システムのエネルギー効率が低下するという問題がある。
そして、貯液タンクの内部には水等の液体が貯められ、加熱装置により加温される。貯液タンクに貯められる液体は、水以外にも、流動性に優れ、比熱の小さい薬液等を使用することができる。
ここで、温度調節対象物は、地上に建造される建造物や、道路や駐車場などの路面などが挙げられるが、循環液配管が配設できるものであれば特に限定されない。
なお、循環液用熱交換部は、杭の外周面に沿って地表面側から地中内部に向かって螺旋状に巻回されていることが好ましく、これにより、保温室の内部をまんべんなく均一に加温することができ、保温効果がさらに向上する。
そして、加熱装置によって貯液タンクの内部の液体を加温する際は、外気温よりも高い温度の空気を温めればよいので、より小さい電力で所望の温度まで上げることができる。
また、循環液用熱交換部によって、保温室を外部から加温するだけでなく、杭周辺の外部の土壌等を含む周辺一帯をも加温することができるので、さらなる保温効果の向上を図ることができる。
そして、空気用配管が杭の外周面に沿って巻回された空気用熱交換部を備えているため、この空気用熱交換部の内部を流通する空気によって、保温室の内部だけでなく保温室の外部の土壌等も含めた周辺一帯が加温(保温)されることになり、保温効果をさらに向上させることができる。すなわち、省エネルギー化を図ることができる。
冷暖房装置としては、冷暖房装置に供給される液体(温水、冷水)を用いて建造物の内部の空気と熱交換することによって温風または冷風を送風することのできるファンコンベクタ等を用いることができる。
循環液配管を流通してきた温水(冷水)は冷暖房装置に取り入れられ、冷暖房装置によって温風(冷風)が送風される。これにより、建造物の内部に冷暖房効果が得られる。循環液は冷暖房装置から循環液配管を流通して貯液タンクへ戻り、再度加熱装置によって加熱され、循環される。なお、夏の場合は加熱装置を使用せず、貯液タンク内の液体は地中の温度と同じ温度(外気温より低い温度)に保たれる。
したがって、建造物の内部を効果的に冷暖房することができるとともに、前述の省エネルギー化を図ることができる。
循環液配管を地中に埋設させ、循環液配管を流通してきた温水により、地表面の凍結を防止したり、融雪したりすることができる。すなわち、融雪システムとして使用することができる。また、畑等の地中に埋設させることにより、作物に適した温度を維持することができ、ビニールハウス栽培等に有効に利用することができる。
したがって、地表面を効果的に加温することができるとともに、前述の省エネルギー化を図ることができる。
そして、貯液タンクの内部には水等の液体が貯められ、加熱装置により加温される。貯液タンクに貯められる液体は、水以外にも、流動性に優れ、比熱の小さい薬液等を使用することができる。
そして、空気用配管が杭の外周面に沿って巻回された空気用熱交換部を備えているため、この空気用熱交換部の内部を流通する空気によって、保温室の内部だけでなく保温室の外部の土壌等も含めた周辺一帯が加温(保温)されることになり、保温効果をさらに向上させることができる。すなわち、省エネルギー化を図ることができる。
また、空気用熱交換部および循環液用熱交換部によって、保温室を外部から加温するだけでなく、杭周辺の外部の土壌等を含む周辺一帯をも加温することができるので、さらなる保温効果の向上を図ることができる。
そして、調査工程によって得られた最大深度に基づいて、埋設する杭の長さを調整し、第一の掘削工程を実施する。第一の掘削工程では、最大深度よりも浅い位置まで掘削して掘削孔を形成する。具体的には、最大深度から地表面に向かって、杭の先端部と循環液用熱交換部の最下端との距離以上離れた位置が掘削深度である。この掘削孔は、本発明の温度調節システムで用いられる杭よりも大きい径を有する外周管杭を挿入するための孔である。外周管杭は、本発明の温度調節システムで用いられる杭が周囲の土壌と接触しないように一時的に挿入されるもので、両端部は開口され、内部が挿通可能となっている。第二の掘削工程では、外周管杭の内周側に、循環液用熱交換部を有する杭を挿入し、杭の先端部に設けられた杭施工部によってさらに掘削し、最大深度まで掘削する。そして、埋設工程では、外周管杭を引き抜いて、杭を完全に埋設させる。なお、杭が空気用熱交換部を有する場合は、空気用熱交換部を設けた状態で杭を挿入する。
〔温度調節システムの構成〕
図1は、本発明の温度調節システムの概略構成を示す概略図である。図2は、杭の上端部の概略構成を示す一部を切り欠いた側面図である。
ビニールハウス200は、複数本のパイプにより骨格形成され、この骨格の上からビニールシートが張設されたものである。ビニールハウス200は、その内部の地表面に土壌を蓄え、農作物の栽培が行われる畑部210を備えている。
この杭本体部300は、図1および図2に示すように、略円筒状の杭の外周を形成し、外部と区画する外周壁部310と、杭本体部300の軸方向の一端側となる上端側に設けられた略円盤状の上端閉塞部320と、軸方向の他端側となる下端側に溶接などにより設けられた略円盤状の下端閉塞部330と、を備えている。また、外周壁部310、上端閉塞部320および下端閉塞部330によって実質的に閉塞されて形成される空間は保温室340である。ここで、実質的に閉塞する状態とは、例えば杭本体部300を地中に埋設する際に土砂が流通できない状態に閉塞されていればよい。
上端閉塞部320は、厚さ約3cmの略円盤状の鋼板であり、外周壁部310の上端縁に載置または嵌合される。保温室340の保温効果を高めるために、略円盤状に形成された上端閉塞部320の保温室340側に発泡スチロール等の保温材料が貼り付けられる。なお、上端閉塞部320としては、円盤状のコンクリート板を載置して用いても良い。
また、上端閉塞部320として伝熱性の低い材料を用いることにより、断熱効果を得ることもできる。
上端閉塞部320には、各種配線および配管を導通させるための貫通孔が設けられる。具体的には、配線用貫通孔321、配管用貫通孔322である。
保温室340は、杭本体部300の内部空間であり、外周壁部310、上端閉塞部320および下端閉塞部330によって形成された空間であり、実質的に閉塞されている。
貯液タンク410は、タンク本体部411およびタンク蓋部412を合わせた大きさは、径110mm以上150mm以下、長さ寸法0.5m以上2m以下、肉厚寸法2mm以上5mm以下の範囲となることが好ましい。これらの寸法は、温度調節する対象物(ここではビニールハウス200)の規模により寸法が調整される。本実施形態では、径114.3mm、長さ寸法1m、肉厚寸法3mmとした。また、タンク本体部411およびタンク蓋部412の外表面にメッキ処理が施されている。
貯液タンク410は、保温室340の中空に設けられており、例えば、貯液タンク410の外周面上に外方に向かって垂直方向に突出した少なくとも2つの突起部(図示しない)が形成され、この突起部の端部が杭本体部300の内周面に溶接されて固定される。
タンク本体部411の下端側には、タンク本体部411の外周を形成する壁部413の内周側から外周側へ貫通する貯液を排出するための排出口414が形成され、上端側には、後述の加熱装置420を取り付けるための突起部417が設けられる。
また、タンク蓋部412の上面部には、上面部の内周側から外周側へ貫通し循環液配管430が嵌挿されて液体が給水されるための給水口415と、加熱装置420の配線などを導通させるための貫通孔416と、が形成される。
また、貯液タンク410の内部には液体が貯められており、必要に応じて図示しない補助タンクから液体が供給され、貯液タンク410内の液体の量を調節することができる。なお、本実施形態では、貯液タンク410に貯める液体として水を用いた。
また、循環液用熱交換部432を杭本体部300の外周面300Aに巻回する際の傾斜角度および管と管との間隔は特に限定されず、適宜調整することができる。
このような循環液用熱交換部432は、杭本体部300の内部空間である保温室340を外部から保温するとともに、杭本体部300の外部の土壌も含めた杭本体部300の周辺を一体的に温めるものである。
第三の送循環部435は、一端はファンコンベクタ450に接続し、他端は地中を通ってビニールハウス200の畑部210の地中に延設されている。第三の送循環部435は、柔軟性および耐熱性を有する架橋ポリエチレン製の配管が好ましく用いられる。
また、筐体451内には、フィルタが配設されていることが好ましい。フィルタとしては、送風機の駆動によりファンコンベクタ450を介して部屋の内外へ通気される空気が通気可能でかつ空気中の塵埃を補足可能な織布や不織布、多孔質材などが利用できる。そして、フィルタは、筐体451内に着脱可能に配設されている。すなわち、フィルタは、取り外して交換、あるいは洗浄して再装着可能に配設されている。
その他、ファンコンベクタ450としては、例えば除湿剤などを備えた構成やドレンなどの液体分除去部や、室内へ送風する空気に紫外線などを照射したり、オゾンと接触させたりして殺菌処理する殺菌処理部などを設けてもよい。
ここで、送風ポンプ520は、コンクリート管700の内部に設けられ、吸引部511の途中に配設される。そして、送風ポンプ520は、保温室340内の空気を吸気するものである。
また、空気用熱交換部512を杭本体部300の外周面300Aに巻回する際の傾斜角度および管と管との間隔は特に限定されず、適宜調整することができる。
そして、空気用熱交換部512の他端は、杭本体部300の外周壁部310に形成された第三の貫通孔313に嵌挿され、第三の貫通孔313の内周縁と空気用熱交換部512の配管の外周面との間には、例えばシーリング材などの図示しない充填材が充填されて閉塞される。
このような空気用熱交換部512は、杭本体部300の内部空間である保温室340を外部から保温するとともに、杭本体部300の外部の土壌も含め杭本体部300の周辺を一体的に温めるものである。
なお、空気用熱交換部512と循環液用熱交換部432とは、杭本体部300の外周面300Aに沿って交互に螺旋状に巻回される。
そして、杭施工部600は、胴体部610の中心軸を中心として回転した際の最大径寸法が約30cmとなるように形成されている。すなわち、掘削翼620は、掘削翼620の先端縁の外周側の角部が胴体部610の中心から約15cm離れた状態で接合されている。このことにより、杭施工部600は、直径で約30cmで掘削して地中を穿設する。
また、コンクリート管700には、各種配管や循環液ポンプ440および送風ポンプ520が設置され、各種配管や配線を嵌挿させるための貫通孔が複数形成されている。具体的には、第一の貫通孔701、第二の貫通孔702、第三の貫通孔703および第四の貫通孔である。
次に、温度調節システムを施工する方法について、図面を参照して説明する。
図3は、掘削する状況を示す概略説明図である。図4は、掘削孔に外周管杭を挿入した状態を示す概略説明図である。図5は、外周管杭の内周側に杭本体部を挿入した状態を示す概略説明図である。図6は、外周管杭を除去してコンクリート管を打設した状態を示す概略説明図である。
次に、調査工程による結果に基づいて杭本体部300の長さを調整する。本実施形態では、長さ8mの杭本体部300を使用する。すなわち、杭本体部300の先端が地表から約8.0mの地点に位置することとなる。
図示しないクレーン車両のクレーンの先端に取り付けられた油圧モータに杭打ち治具を嵌合させる。また、あらかじめ所定の位置に、クレーン車両のクレーンを操作して、杭施工部600が一端に接合された掘削用管杭910を、杭施工部600が設けられた側が鉛直方向の下側に位置する状態に起立させ、クレーン車両のクレーンの先端に取り付けられた杭打ち治具に起立した状態の掘削用管杭910を嵌合させ、掘削用管杭910を杭打ち治具にてクレーンに吊り下げ支持する。
この後、油圧モータを駆動させて杭打ち治具を回転させる。この回転により、掘削用管杭910も一体的に回転する。そして、図示しないクレーン運転台のトルク計により埋設時の回転トルクと荷重とを測定し、地盤の軟度を判断するとともに掘削用管杭910の埋設状態を判断し、所定の深度、本実施形態では7.0mの地点まで掘削する。
次に、第二の掘削工程を実施する。
図4に示すように、掘削用管杭910と同じ径(300mm)を有し両端が開口して内部が連通した外周管杭920を掘削孔820に挿入する。次に、図5に示すように、外周管杭920の内周側に、循環液配管430および空気用配管510である銅製のパイプが巻回された径190.7mmの杭本体部300を挿入する。そして、杭本体部300の杭施工部600により、所定の地点(地表から8.0mの地点)まで掘削する。具体的には第一の掘削工程と同様の方法で掘削する。
そして、図6に示すように、溝810に沿ってコンクリート管700を打設し、以下の手順で杭本体部300を地中に埋設する。
この後、コンクリート管700の底面より突出する余分となる杭本体部300、すなわちグランドレベルGLから所定の深さ位置に上端縁が位置するように、上端部を切断する。この杭本体部300の余分な切れ端は、例えば杭施工部600の胴体部610として利用したり、鉄屑として管杭などに再利用したりする。
さらに、余分な上端部が切断された杭本体部300の上端部に、図6に示すように、上端閉塞部320を嵌合させ、杭本体部300の上端側が閉塞された内部空間を有する杭を構成させる。
なお、図示しないが、上端閉塞部320にはあらかじめ設けられた複数の貫通孔に各種配管および配線が嵌挿されている。
また、コンクリート管700にも所定の位置に貫通孔を形成し、コンクリート管700の内部が外部の地中に連通する状態となる。
そして、これらの配管と貫通孔との間の隙間は、例えばシーリング材などで閉塞すればよい。すなわち、配管の挿通作業が容易となるように多少大きめの貫通孔を開口形成しておき、配管後にシールすることで内部に土砂などが流入して杭本体部300内に堆積することを防止でき、良好な空調のための杭本体部300内の容積確保ができる。
最後に、配管作業において必要に応じて掘削した地面は適宜埋め戻しておく。
上記実施形態では、杭本体部300が比較的地中の深い位置、例えば地表面から3m以上の深い位置まで埋設されることから、杭本体部300の内部では地中の温度が安定している。杭本体部300の内部で閉塞された保温室340内の空気は、地中との熱伝導効率が高い鋼管製の杭本体部300を介して地中との熱交換が行われる。
例えば、冬の寒さの厳しい地域では、外気温よりも地中の温度が高い。保温室340内の空気は地中との熱交換により地中の温度と同じ温度、すなわち外気温よりも高い温度を維持することができる。また、夏の場合は、外気温よりも地中の温度が低いため、保温室340内の空気は地中との熱交換により地中の温度と同じ温度、すなわち外気温より低い温度を維持することができる。
また、保温室340の略中央部に設置された貯液タンク410内の液体は、保温室340内の空気との熱交換により保温室340内の温度と同じ温度を維持することができる。
このように、保温室340を地中に配置するとともに、保温室340の周囲を液体が流通する循環液用熱交換部432で巻回させて保温室340の周辺一帯をも温めることにより、保温室340のさらなる保温効果を得ることができる。
したがって、保温室340内で加温(保温)された空気が杭本体部300の外周に螺旋状に巻回された空気用熱交換部512を流通するので、保温室340が外部から加温(保温)されることにより、保温室340の内部だけでなく保温室340の外部の土壌等も含めた周辺一帯が加温(保温)されることになり、保温効果をさらに向上させることができる。すなわち、省エネルギー化を図ることができる。
このような簡単な構成で、例えば地中に木の根や礫などが存在する場合でも良好に掘削可能な比較的に厚い掘削翼620を設けることも容易にでき、容易に杭本体部300を所定の深さまで埋設できる。さらに、掘削爪部640が掘削翼620の角部に位置するので、掘削翼620の角部での掘削時における摩耗を防止でき、杭本体部300が埋設されるまで確実に掘削能が確保でき、確実に所定の深さまで掘削できる。
上記実施形態では、第一の掘削工程により、杭本体部300より大きい径を有する掘削孔820を形成したあと、杭本体部300より大きい径を有する外周管杭920を挿入し、この外周管杭920の内周側に杭本体部300を挿入し、第二の掘削工程により杭本体部300の下端側を掘削した後、外周管杭920を引き抜く工程とした。
このような工程で施工することにより、杭本体部300の外周に巻回された循環液用熱交換部432および空気用熱交換部は、第二の掘削工程において外周管杭920の内周側の空間で回転されるので、外部の土壌等で損傷されるおそれがなく、確実に埋設することができる。
なお、本発明は上記一実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成などを含み、以下に示すような変形なども本発明に含まれる。
そして、杭本体部300として、内周面に耐蝕性を付与、例えば耐蝕性塗料を塗布したり、耐蝕性のステンレス鋼にて形成したりするとよい。このことにより、保温室340の内面に結露などにより液体滴が付着して杭本体部300が腐蝕することが防止され、長期間安定して本発明の温度調節システム100を提供することができるとともに、腐蝕による異臭の防止により保温室340内の空気を清潔に維持することができる。
また、掘削翼620としては、2枚に限らず、例えば3枚以上設けてもよく、また螺旋状に1枚のみあるいは複数枚設けるなどしてもよい。さらに、掘削爪部640を設けなくてもよい。そして、胴体部610の先端縁を例えば鋸歯状に形成して掘削性を向上させてもよい。
また、コンクリート管700には、水抜き用の配管で形成される水抜部が設けられていてもよい。例えば、コンクリート管700の内部の底面に略円筒形状の配管がその内部が鉛直方向に挿通する状態に設置され、その上端は、例えば杭本体部300の上端閉塞部320と同程度の高さまで延出する。そして、配管が底面に接する部分にはコンクリート管700に貯まった水が流通可能な孔が形成される。したがって、コンクリート管700の内部に貯まった水の水位と水抜部の内部の水位とは同じになる。そして、この水抜部の配管にポンプを挿入して水を抜くことができる。
また、駐車場などの地中に循環液配管430を埋設させることで、融雪システムとしても使用することができる。
上記実施形態において、以下に示す場所に温度計をそれぞれ設置し、4時間ごとにそれぞれの場所の温度を測定した。なお、温度調節システム100は、外気温が下がり始める16時頃にスイッチ等により稼動され、外気温の上がり始める8時頃にスイッチ等により停止された。また、温度調節システム100の稼働中は、加熱装置420によって一定の電力を供給した。
(B)地中における杭本体部300の外部
(C)保温室340(杭本体部300の内部)
(D)本循環部436付近(第三の送循環部435との接続ジョイント)
(E)ビニールハウス200内部
測定結果を図7に示す。
このことから、温度調節システム100を稼動させるたびに保温効果が向上しているということが言える。したがって、稼動させるごとに、より小さい電力で目的の温度まで上昇させることができる。すなわち、電力の省エネルギー化を図ることができる。
200 ビニールハウス
300 杭本体部
320 上端閉塞部
400 液体循環装置
410 貯液タンク
420 加熱装置
430 循環液配管
431 接続循環部
432 循環液用熱交換部
433 第一の送循環部
434 第二の送循環部
435 第三の送循環部
437 戻循環部
440 循環液ポンプ
450 ファンコンベクタ
500 空気循環装置
510 空気用配管
511 吸引部
512 空気用熱交換部
520 送風ポンプ
600 杭施工部
700 コンクリート管
Claims (8)
- 地中に埋設された杭と、
前記杭の内部で閉塞された保温室と、
貯液可能な貯液タンクと、
前記貯液タンクの内部に設置され、前記貯液タンクに貯められた液体を加熱する加熱装置と、
前記貯液タンクに貯められた前記液体を前記貯液タンクと温度調節対象物との間で循環させる循環液配管と、
前記循環液配管の途中に設けられ、前記貯液タンクと前記温度調節対象物との間で循環させる前記液体の量を調節する循環液ポンプと、を具備し、
前記循環液配管は、前記杭の外周面に沿って螺旋状に巻回された循環液用熱交換部を備えている
ことを特徴とする温度調節システム。 - 請求項1に記載の温度調節システムにおいて、
前記保温室の内部の空気を循環させる空気用配管と、
前記空気用配管の途中に設けられ、前記循環させる空気の量を調節する送風ポンプと、を備え、
前記空気用配管は、前記杭の外周面に沿って螺旋状に巻回された空気用熱交換部を有している
ことを特徴とする温度調節システム。 - 請求項1または請求項2に記載の温度調節システムにおいて、
前記貯液タンクは、前記保温室の内部に設置されている
ことを特徴とする温度調節システム。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の温度調節システムにおいて、
前記空気用配管は、前記保温室の内部の空気を前記温度調節対象物の内部空間に送風する送風部を有する
ことを特徴とする温度調節システム。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の温度調節システムにおいて、
前記温度調節対象物は建造物であり、
前記建造物の内部に設置され、供給される液体と空気との間で熱交換することによって前記建造物の内部の冷暖房を調整する冷暖房装置を備え、
前記循環液配管は、前記冷暖房装置に接続されている
ことを特徴とする温度調節システム。 - 請求項1から請求項5のいずれかに記載の温度調節システムにおいて、
前記温度調節対象物は地表面である
ことを特徴とする温度調節システム。 - 地中に埋設された杭と、
前記杭の内部で閉塞された保温室と、
貯液可能な貯液タンクと、
前記貯液タンクの内部に設置され、前記貯液タンクに貯められた液体を加熱する加熱装置と、
前記貯液タンクに貯められた前記液体を循環させる循環液配管と、
前記循環液配管の途中に設けられ、前記循環させる液体の量を調節する循環液ポンプと、
前記保温室内の空気を前記保温室と温度調節対象物との間で循環させる空気用配管と、
前記空気用配管の途中に設けられ、前記保温室と前記温度調節対象物との間で循環させる前記空気の量を調節する送風ポンプと、を具備し、
前記循環液配管は、前記杭の外周面に沿って螺旋状に巻回された循環液用熱交換部を備え、
前記空気用配管は、前記杭の外周面に沿って螺旋状に巻回された空気用熱交換部を備えている
ことを特徴とする温度調節システム。 - 請求項1から請求項6のいずれかに記載の温度調節システムを施工する温度調節システムの施工方法であって、
前記杭を地中に埋設可能な最大深度を調査する調査工程と、
前記最大深度から地表面に向かって前記杭の先端部と前記循環液用熱交換部の最下端との距離以上離れた位置にある掘削深度まで掘削して掘削孔を形成する第一の掘削工程と、
前記掘削孔に、前記杭の径より大きい径を有する外周管を挿入し、前記外周管の内周側に前記循環液用熱交換部を有する前記杭を挿入し、前記杭を前記最大深度まで掘削する第二の掘削工程と、
前記外周管を前記掘削孔から引き抜いて前記杭を埋設させる埋設工程と、を実施する
ことを特徴とする温度調節システムの施工方法。
Priority Applications (1)
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