JP2014040989A - 地熱利用システム - Google Patents

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Abstract

【課題】高効率での地熱利用を実現する。
【解決手段】収容部11および収容部11内に充填された石80を備えて地中Ugに埋設される蓄熱部1と、熱媒体を流動させて蓄熱部1との間で熱交換を行うための流路2a〜2cとを備えて地熱を利用可能に構成され、収容部11は、下部11aに開口部12を有すると共に開口部12を除く部分が壁部13a〜13eで囲まれた箱状に形成され、流路2a〜2cは、熱媒体を流動可能に形成されて旋回状の形態で収容部11内に配設された熱交換用のパイプ21a〜21cを備えて構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、地熱を利用する地熱利用システムに関するものである。
この種のシステムとして、特開2003−221883号公報に開示された地熱を利用した建物の暖冷房構造(以下、「地熱利用構造」ともいう)が知られている。この地熱利用構造は、建物の床下空間に石材を充填して形成した蓄熱石層を備えて構成されている。また、床下空間(蓄熱石層)の下に位置する地中には、床下空間と連通する複数のパイプが、鉛直方向に埋め込まれている。また、このパイプの内部空間にも石材が充填されている。この地熱利用構造では、冬期においては、地熱によってパイプ内における石材間の空気が暖められ、その空気がパイプ内を上昇して床下空間に流入して、床下空間内における石材間の空気が暖められ、これによって建物が暖められる。また、夏季においては、地熱(地中の冷気)によってパイプ内における石材間の空気が冷却され、その冷気によって床下空間内における石材間の空気が冷却され、これによって建物が冷却される。
特開2003−221883号公報(第2−4頁、第1図)
ところが、上記した従来の地熱利用構造には、改善すべき以下の課題がある。すなわち、この地熱利用構造では、パイプ内に充填した石で蓄熱を行っている。このため、十分な蓄熱量を確保するには、数多くのパイプを配設する必要がある。一方、この地熱利用構造では、床下空間の下に位置する地中にパイプを鉛直方向に埋め込んで床下空間とパイプとを連通させている。このため、パイプを配設可能な領域が床下空間の下の領域だけに限定される結果、数多くのパイプを配設しようとしてもその数には限界があり、十分な蓄熱量を確保するのが困難となっている。このように、従来の地熱利用構造には、地熱を効率よく利用することが困難であるとの課題が存在しており、その改善が望まれている。
本発明は、かかる改善すべき課題に鑑みてなされたものであり、高効率での地熱利用を実現し得る地熱利用システムを提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく請求項1記載の地熱利用システムは、地熱を利用する地熱利用システムであって、収容部および当該収容部内に充填された石を備えて地中に埋設される蓄熱部と、熱媒体を流動させて前記蓄熱部との間で熱交換を行うための少なくとも1つの流路とを備え、前記収容部は、下部に開口部を有すると共に当該開口部を除く部分が壁部で囲まれた箱状に形成され、前記流路は、前記熱媒体を流動可能に形成されて旋回状および蛇行状の少なくとも一方を含む形態で前記収容部内に配設された熱交換用のパイプを備えて構成されている。
また、請求項2記載の地熱利用システムは、請求項1記載の地熱利用システムにおいて、下部側が前記収容部内に挿入された状態で当該収容部と地上との間に配設された筒状体を備えている。
また、請求項3記載の地熱利用システムは、請求項1または2記載の地熱利用システムにおいて、地上に配置された熱交換器と、前記熱媒体を圧送する圧送機構とを備え、前記少なくとも1つの流路のうちの1つの流路は、前記圧送機構、前記蓄熱部および前記熱交換器の間で前記熱媒体を循環させるように配設されている。
また、請求項4記載の地熱利用システムは、請求項1から3のいずれかに記載の地熱利用システムにおいて、前記熱媒体としての地上の空気を前記流路に送り込む送気機構と、地上に設置される地上用蓄熱部とを備え、前記少なくとも1つの流路のうちの1つの流路は、前記送気機構によって送り込まれた前記空気を前記蓄熱部を経由して前記地上用蓄熱部に送り出すように配設されている。
また、請求項5記載の地熱利用システムは、請求項1から4のいずれかに記載の地熱利用システムにおいて、前記少なくとも1つの流路のうちの1つの流路の途中に配設されて前記蓄熱部を経由した後の前記熱媒体を当該流路から取り出し可能なバルブを備えている。
請求項1記載の地熱利用システムによれば、地中に埋設される蓄熱部と、熱媒体を流動させて蓄熱部との間で熱交換を行うための流路とを備えたことにより、建物の建設場所から離間した場所の地下に埋設した蓄熱部に蓄積させた地熱を利用することができる。したがって、この地熱利用システムによれば、建物の床下に配設したパイプだけで地熱を蓄積する従来の構成とは異なり、蓄熱部を十分に大形化することができる結果、高効率での地熱利用を実現することができる。また、この地熱利用システムによれば、蓄熱部における収容部の下部に開口部を設けたことにより、収容部よりも下側の地熱をこの開口部から収容部内に効率的に伝達させて、収容部内の石に蓄積させることができるため、地熱の利用効率をより高めることができる。また、この地熱利用システムによれば、収容部の内部を旋回するようにしてパイプを配設したことにより、十分な長さのパイプを収容部内に延在させることができるため、パイプ内を流動する熱媒体と蓄熱部との熱交換の効率を十分に向上させることができる。また、例えば、複数の流路を備えて、各流路を複数の箇所に配置することで、それら複数の箇所で地熱を利用することができるため、地熱の利用効率をさらに高めることができる。また、複数の流路を備えたときには、各流路に互いに異なる種類の熱媒体を流動させることができるため、地熱の利用形態に適した熱媒体を用いることができる。つまり、流路を複数備えることで、複数の箇所における互いに異なる複数種類の利用形態での利用に対応することができるため、利用形態の幅を広げることができる結果、地熱の利用効率のさらなる向上を図ることができる。
また、請求項2記載の地熱利用システムによれば、下部側が収容部内に挿入された状態で収容部と地上との間に配設された筒状体を備えたことにより、例えば、発酵熱を発生する有機物や冷却効率を高める水などを筒状体内に充填することで、地熱を利用した蓄熱部の加熱や冷却の機能を補助することができるため、地熱利用システムの機能を十分に向上させることができる。
また、請求項3記載の地熱利用システムによれば、地上に配置された熱交換器と、熱媒体を圧送する圧送機構とを備えて、圧送機構、蓄熱部および熱交換器の間で熱媒体を循環させるように流路を配設したことにより、流路内への熱媒体の補充等の作業を不要にできる結果、利便性の高い地熱利用システムを構築することができる。
また、請求項4記載の地熱利用システムによれば、地上の空気を流路に送り込む送気機構と、地上に設置される地上用蓄熱部とを備えて、送気機構によって送り込まれた空気を蓄熱部を経由して地上用蓄熱部に送り出すように流路を配設したことにより、空気を熱媒体として用いる地熱の利用形態に適した地熱利用システムを構築することができる。
また、請求項5記載の地熱利用システムによれば、流路の途中に配設されて蓄熱部を経由した後の熱媒体を流路から取り出し可能なバルブを備えたことにより、蓄熱部との間で熱交換がされた(つまり、蓄熱部に蓄積された熱によって加熱または冷却された)熱媒体そのものを利用することができる。このため、この地熱利用システムによれば、熱交換によって熱媒体に伝導した熱だけを取り出して利用する利用形態だけでなく、蓄熱部に蓄積された熱によって加熱または冷却された熱媒体そのものを利用する利用形態に対応することができるため、利用形態の幅をさらに広げることができる結果、地熱の利用効率を一層向上させることができる。
地熱利用システム100の構成を示す斜視図である。 蓄熱部1の構成を示す第1の斜視図である。 蓄熱部1の構成を示す第2の斜視図である。 地熱利用システム200の構成を示す第1の斜視図である。 地熱利用システム200の構成を示す第2の斜視図である。
以下、地熱利用システムの実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
最初に、地熱利用システムの一例としての地熱利用システム100の構成について説明する。図1に示す地熱利用システム100は、地中Ugの熱(地熱)を熱源として利用する(地中Ugと地上Ogとの温度差を利用する)システムであって、様々な用途(例えば、同図に示す建物300の冷暖房など)に地中Ugの熱を利用可能に構成されている。具体的には、地熱利用システム100は、同図に示すように、蓄熱部1、流路2a〜2c(以下、区別しないときには「流路2」ともいう)、コンプレッサ(送気機構)3、地上用蓄熱部4、ポンプ(圧送機構)5a,5b(以下、区別しないときには「ポンプ5」ともいう)、冷暖房ファン6および融雪パイプ7a,7b(以下、区別しないときには「融雪パイプ7」ともいう)を備えて構成されている。なお、同図および後述する図2,3では、地熱利用システム100および蓄熱部1の構成を明確とするために、地中Ugの土砂を取り除いた状態(地中Ugを透かして見た状態)を図示している。また、図1〜3では、蓄熱部1における後述する壁部13a,13b,13eの一部を切り取った状態を図示している。また、図3では、蓄熱部1における後述する石80を取り除いた状態を図示している。
蓄熱部1は、図1,2に示すように、収容部11および石80を備えて構成されて、蓄熱機能(地熱を蓄積する機能)を有している。また、蓄熱部1は、後述する施工方法によって地中Ugに製作される(つまり、地中Ugに埋設される)。なお、以下の説明において、「地熱(または熱)を蓄積する」ことには、収容部11の外部よりも高温(低温)の状態を維持すること、および収容部11の外部よりも低温の状態を維持することの双方が含まれるものとする。また、「熱が伝わる」ことには、低温の物質が高温となることはもとより、高温の物質から熱が奪われてその物質が低温となること(つまり、低い温度が伝わる)ことが含まれるものとする。
収容部11は、図1〜図3に示すように、下部11aに開口部12を有する(下部11aが開口する)と共に、開口部12を除く部分が壁部13a〜13e(以下、区別しないときには「壁部13」ともいう)で取り囲まれた略直方体の箱状に形成されている。各壁部13a〜13eは、断熱性材料(一例として、発泡スチロール等の発泡プラスチック)で形成されている。この場合、各壁部13a〜13eのうちの、収容部11の4つの側部を取り囲む(4つの側面を構成する)壁部13a〜13dは、各図に示すように、ブロック状の断熱性材料を積み重ねることによって形成されている。
ここで、年間を通して温度がほぼ一定で地上Ogとの十分な温度差が生じる地中Ugの深さは、一般的に地面G(図1参照)から3m以上であることが知られている。このため、この地熱利用システム100では、地面Gから3m程度の位置に収容部11の開口部12が位置し、収容部11の上部11bが地面Gから1m程度の深さに位置するように、収容部11の大きさ、および収容部11の埋設位置が規定されている。
石80は、蓄熱機能を高めるために収容部11内に充填される蓄熱材料であって、一例として、粒径が20mm〜50mm程度の砕石または玉砂利(天然石)が用いられる。なお、天然石に代えて、または天然石と共に人工石を用いることもできる。
流路2aは、流動性を有する熱媒体としての空気を流動させて蓄熱部1との間で熱交換を行う機能を有している。また、流路2aは、一例として金属製(例えば、ステンレス製)のパイプ21aを備えて構成されている。また、図1に示すように、パイプ21aは、一方の端部がコンプレッサ3に接続され、他方の端部が地上用蓄熱部4に接続されている。
また、パイプ21aは、一例として、図3に示すように、蓄熱部1における収容部11の内部を旋回するようにして(旋回状および蛇行状の少なくとも一方を含む形態で)配設されている。このような形態でパイプ21aを配設することで、十分な長さのパイプ21aを収容部11内に延在させることができる。このため、パイプ21a内を流動する熱媒体としての空気と蓄熱部1との熱交換を効率的に行うことが可能となっている。
また、図2,3に示すように、パイプ21aには、水抜きパイプ24が配設されている。この水抜きパイプ24は、パイプ21aの内側に生じた結露がパイプ21aの底部に水となって溜まったときに、その水を抜き取るためのパイプであって、パイプ21aの最深部近傍に先端部が達するようにパイプ21a内に挿入されている。この場合、水抜きパイプ24の基端部にはパイプ21aの底部に溜まった水を吸引する図外の吸引ポンプが接続されている。
流路2bは、流動性を有する熱媒体としての水を流動させて蓄熱部1との間で熱交換を行う機能を有している。また、流路2bは、一例としてパイプ21aと同様の金属製のパイプ21bを備えて構成されている。また、図1に示すように、パイプ21bには、圧送機構としてのポンプ5a、および建物300内に配設された熱交換器としての冷暖房ファン6が接続されており、パイプ21bを流動する水(熱媒体)が、ポンプ5a、蓄熱部1および冷暖房ファン6の間で循環するように構成されている。
また、図3に示すように、パイプ21bは、パイプ21aと同様にして、蓄熱部1における収容部11の内部を旋回するようにして(旋回状および蛇行状の少なくとも一方を含む形態で)配設されている。このため、パイプ21b内を流動する熱媒体としての水と蓄熱部1との熱交換を効率的に行うことが可能となっている。
また、図1に示すように、流路2b(パイプ21b)の途中には、蓄熱部1の収容部11内に配設されたパイプ21b内を流動した後の水、すなわち、蓄熱部1を経由して蓄熱部1との間で熱交換が行われた後の水を流路2bから取り出すためのバルブ22が配設されている。この場合、バルブ22は、例えば、建物300内の手洗い場などに配設されている。また、流路2bには、バルブ22から水を取り出したときに、その分の水を水道から補給するための補給用パイプ23が配設されている。
流路2cは、流動性を有する熱媒体としての不凍液(一例として、エチレングリコールを主成分とする不凍液)を流動させて蓄熱部1との間で熱交換を行う機能を有している。また、流路2cは、一例としてパイプ21a,21bと同様の金属製のパイプ21cを備えて構成されている。また、図1に示すように、パイプ21cには、圧送機構としてのポンプ5b、建物300の屋根301に配設された熱交換器としての融雪パイプ7a、および建物300に隣接する駐車場400に配設された熱交換器としての融雪パイプ7bが接続されており、パイプ21cを流動する不凍液(熱媒体)が、ポンプ5b、蓄熱部1および融雪パイプ7a,7bの間で循環するように構成されている。
また、図3に示すように、パイプ21cは、パイプ21a,21bと同様にして、収容部11の内部を旋回するようにして(旋回状および蛇行状の少なくとも一方を含む形態で)配設されている。このため、パイプ21c内を流動する熱媒体としての不凍液と蓄熱部1との熱交換を効率的に行うことが可能となっている。
コンプレッサ3は、流路2a(パイプ21a)の一端部から流路2a内に熱媒体としての地上Ogの空気を送り込む。
地上用蓄熱部4は、図1に示すように、収容部41と、収容部41内に充填された石80とを備えて構成され、地上Og(一例として、建物300の床下)に配置される。収容部41は、上部に開口部を有する直方体状に形成されている。また、収容部41の各壁部は、蓄熱部1の収容部11と同様にして断熱性材料で形成されている。
ポンプ5aは、流路2b内に配設されて熱媒体としての水を圧送する。ポンプ5bは、流路2c内に配設されて熱媒体としての不凍液水を圧送する。冷暖房ファン6は、図1に示すように、建物300の居室などに配設されて、流路2bを流動する水との間で熱交換を行い、配設場所(居室内)の空気を加熱または冷却して送風する機能を有している。
図1に示すように、融雪パイプ7aは、建物300の屋根301に配設され、融雪パイプ7bは、建物300に隣接する駐車場400(駐車場400の地面Gの直下)に配設されている。この融雪パイプ7a,7bは、冬期において屋根301や駐車場400に降り積もった雪との間における熱交換によって雪を融かす機能を有している。
次に、地熱利用システム100を製作する方法(施工方法)について図面を参照して説明する。
まず、蓄熱部1の配設場所を掘削して掘り下げる。この場合、この地熱利用システム100では、上記したように、蓄熱部1における収容部11の開口部12が地面Gから3m程度深い位置に位置するように、収容部11の埋設位置が規定されている。このため、収容部11の配設場所については、地面Gから3mよりもやや深い位置まで掘り下げる。
次いで、蓄熱部1を製作する。具体的には、掘り下げた部位を収容部11の形状に対応する直方体状の凹みに成形し、続いて、その凹みを構成する側面(底面を除く各面)に図外の防水シートを取り付ける。次いで、防水シートの内側に、断熱性材料(例えば、発泡スチロール等の発泡プラスチック)で形成されたブロック状の壁材を組み合わせつつ積み上げて、壁部13a〜13dを構成する。
続いて、壁部13a〜13dと凹みの底面(土の面)で囲まれた空間(収容部11の内部となる空間)にパイプ21a〜21cを配設する。この場合、図3に示すように、各パイプ21a〜21cが旋回するように(螺旋を描くように)各パイプ21a〜21cを配設する。また、各パイプ21a〜21cの両端部が掘削前の地面Gのレベルよりも上方に位置するように各パイプ21a〜21cを配設する。
次いで、パイプ21a〜21cを配設した上記の空間に、粒径が20mm〜50mm程度の石80を充填する。続いて、充填した石80を覆うようにして断熱性材料で形成された矩形で板状の壁材を配置し、その壁材の縁部と各壁部13a〜13dの上側の端面とを固定して壁部13eを構成する。次いで、壁部13eの上に図外の防水シートを敷設する。以上により、図2に示すように、蓄熱部1の製作が完了する。続いて、掘削前の地面Gのレベルまで土砂を埋め戻して整地する。
次いで、建物300内、建物300の床下や外部、および建物300に隣接する駐車場400などに予め配設したコンプレッサ3、地上用蓄熱部4、ポンプ5a,5b、冷暖房ファン6および融雪パイプ7a,7bなどと、各パイプ21a〜21cとの接続を行う。
具体的には、図1に示すように、パイプ21aの一端部をコンプレッサ3に接続し、パイプ21aの他端部を地上用蓄熱部4に接続する。これにより、流路2aが構成される。続いて、図2に示すように、パイプ21aにおける蓄熱部1よりも上方の部位に孔を形成して、この孔から水抜きパイプ24を挿入する。この場合、パイプ21aの最深部近傍に水抜きパイプ24の先端部が達するまで水抜きパイプ24を挿入する。また、水抜きパイプ24の基端部を図外の吸引ポンプに接続する。
また、図1に示すように、ポンプ5aおよび冷暖房ファン6にパイプ21bを接続する。これにより、流路2bが構成される。次いで、同図に示すように、建物300内の手洗い場に配設されたバルブ22と流路2bの途中の部位とをパイプ21bで接続する。また、水道からの水を流路2bに補給するための補給用パイプ23を流路2bの途中の部位に接続する。
また、図1に示すように、ポンプ5bにパイプ21cを接続すると共に、建物300の屋根301に配設した融雪パイプ7a、および駐車場400に配設した融雪パイプ7bにパイプ21c接続する。これにより、流路2cが構成される。続いて、流路2c内に図外の供給口から不凍液を注入する。以上により、地熱利用システム100の製作が終了する。
次に、地熱利用システム100の使用例およびその際の各部の動作について図1〜3を参照して説明する。
この地熱利用システム100では、地中Ugに埋設されている蓄熱部1に地熱が蓄積(蓄熱)される。具体的には、蓄熱部1の収容部11内に充填されている石80が地中Ugの温度に維持されている。この場合、地面Gから3m程度の深さの地中Ugの温度は、年間を通して15℃〜16℃に維持される。このため、冬期においては、石80が地上Ogの温度よりも高い温度に維持されて、地上Ogとの温度差(プラスの温度差)に相当する熱が石80に蓄積される。また、夏期においては、石80が地上Ogの温度よりも低い温度に維持されて、地上Ogとの温度差(マイナスの温度差)に相当する熱が石80に蓄積される。
また、この蓄熱部1では、蓄熱部1の収容部11の下部11aに開口部12が設けられているため(図1〜3参照)、収容部11よりも下側の地熱がこの開口部12から収容部11内に効率的に伝達して、石80に蓄積される。また、この蓄熱部1では、収容部11を構成する各壁部13a〜13eが断熱性材料で形成されているため、収容部11に蓄積された熱の熱伝導による外部への放出が十分に低く抑えられている。
一方、この地熱利用システム100では、コンプレッサ3(図1参照)によって地上Ogの空気が流路2aに送り込まれる。送り込まれた空気は、蓄熱部1の収容部11内に配設されたパイプ21aを流動する間に、収容部11内の石80に蓄積されている熱がパイプ21aを介して伝導することで加熱または冷却される。つまり、熱媒体としての空気がパイプ21aを流動することで、蓄熱部1との間で熱交換が行われる。この場合、この地熱利用システム100では、図3に示すように、収容部11の内部を旋回するようにしてパイプ21aが配設されて、十分な長さのパイプ21aが収容部11内に延在しているため、熱交換が十分効率的に行われる。
次いで、加熱または冷却された空気は、パイプ21aを流動して地上Ogに送り出される。この場合、この地熱利用システム100では、ポンプ5bによって地上Ogの空気が流路2aに送り込まれるため、その圧力によって加熱または冷却された空気が地上Ogに送り出される。このため、夏期において蓄熱部1の収容部11内の空気が地上Ogの温度よりも低い温度に冷却されて、地上Ogの空気よりも比重が大きくなったとしても、その空気が地上Ogに確実に送り出される。
続いて、地上Ogに送り出された空気は、地上用蓄熱部4の収容部41内に流入して拡散する。次いで、収容部41内に拡散した空気によって収容部41内に充填されている石80が加熱または冷却される。この地熱利用システム100では、このようにして、地中Ugの地熱が蓄熱部1に蓄積され、蓄積されたその熱が熱媒体としての空気を介して熱交換されて地上用蓄熱部4に蓄積される。
また、地上用蓄熱部4に蓄積された熱は、地上用蓄熱部4の上部の開口部から建物300の床を介して建物300内に伝わる。この場合、上記したように、蓄熱部1における収容部11の開口部12が位置している地面Gから3m程度の深さの地中Ugの温度は、年間を通して15℃〜16℃に維持される。このため、蓄熱部1に蓄積されて上記のようにして地上用蓄熱部4から供給される熱により、冬期においては建物300内が加熱(つまり、暖房)され、夏期においては建物300内が冷却(つまり、冷房)される。
この場合、この地熱利用システム100では、上記したように地中Ugに埋設した蓄熱部1の収容部11内に地熱を蓄積させ、収容部11に配設したパイプ21aに熱媒体としての空気を流動させて蓄熱部1との間で熱交換を行うことによって蓄熱部1に蓄積させた地熱を地上Ogに伝えている。つまり、この地熱利用システム100では、建物の地下の限られたスペースだけではなく、建物の建設場所から離間した広いスペースの地下に蓄熱部1を埋設した場合においても、その蓄熱部1で蓄積させた地熱を利用することが可能となる。このため、建物の床下に配設したパイプだけに地熱を蓄積させる従来の構成とは異なり、蓄熱部1を大形化することができ、このようにすることで十分な蓄熱量を確保することが可能となっている。
また、この地熱利用システム100では、ポンプ5aを作動させることで、ポンプ5a、蓄熱部1および冷暖房ファン6の間を循環するように、熱媒体としての水が流路2b(パイプ21b)内を流動する。この水は、蓄熱部1の収容部11内において旋回するようにして配設されたパイプ21bを流動する間に、蓄熱部1との間で熱交換が十分効率的に行われて加熱または冷却される。
続いて、加熱または冷却された水は、パイプ21bを流動して建物300内に配設された冷暖房ファン6に送り出される。また、冷暖房ファン6が流路2bを流動する水との間で熱交換を行い、配設場所の空気を加熱または冷却して送風する。これにより、冷暖房ファン6の配設場所が、冬期においては加熱(つまり、暖房)され、夏期においては冷却(つまり、冷房)される。
また、この地熱利用システム100では、流路2bの途中にバルブ22が配設され、このバルブ22を操作する(開く)ことで蓄熱部1との間で熱交換が行われた水、すなわち冬期においては加熱され夏期においては冷却された水を流路2bから取り出す(つまり、温水や冷水を供給する)ことが可能となっている。このため、地熱利用システム100では、加熱または冷却された水を手洗いや炊事などに用いることができるため、地熱利用システム100の利用形態の幅を広げることが可能となっている。
また、この地熱利用システム100では、地熱を利用して融雪を行うことが可能となっている。具体的には、冬期においてポンプ5bを作動させることで、ポンプ5b、蓄熱部1および融雪パイプ7の間を循環するように、熱媒体としての不凍液が流路2c(パイプ21c)内を流動し、蓄熱部1の収容部11内において旋回するようにして配設されたパイプ21cを流動する間に、この不凍液が蓄熱部1との間で熱交換が十分効率的に行われて加熱される。
次いで、加熱された不凍液は、パイプ21cを流動して建物300の屋根301に配設された融雪パイプ7a、および駐車場400に配設された融雪パイプ7bに送り出される。また、融雪パイプ7a,7bが、流動する不凍液との間で熱交換を行い、これによって屋根301や駐車場400に降り積もった雪が融かされる。
この場合、夏期においてポンプ5bを作動させて、ポンプ5b、蓄熱部1および融雪パイプ7aの間に不凍液を循環させることで、冷却された不凍液による熱交換によって屋根301の温度を低下させることもできる。このように地熱利用システム100を使用することで、建物300の冷房効率を高めることができる。
一方、地上Ogと地中Ugとの温度差に起因してパイプ21a内に結露が発生し、この結露がパイプ21aの底部に水となって溜まることがある。この水の量が多くなると、パイプ21a内における空気のスムーズな流動が阻害されて、熱交換の効率が低下するおそれがある。この場合、この地熱利用システム100は、パイプ21aに挿入された水抜きパイプ24を備えている。このため、この水抜きパイプ24の基端部に接続されている図外の吸引ポンプを作動させることで、このようにしてパイプ21aの底部に溜まった水を確実かつ容易に抜き取ることが可能となっている。
このように、この地熱利用システム100は、地中Ugに埋設される蓄熱部1と、熱媒体を流動させて蓄熱部1との間で熱交換を行うための流路2とを備えている。このため、この地熱利用システム100によれば、建物の建設場所から離間した場所の地下に埋設した蓄熱部1に蓄積させた地熱を利用することができる。したがって、この地熱利用システム100によれば、建物の床下に配設したパイプだけで地熱を蓄積する従来の構成とは異なり、蓄熱部1を十分に大形化することができる結果、高効率での地熱利用を実現することができる。また、この地熱利用システム100によれば、蓄熱部1における収容部11の下部11aに開口部12を設けたことにより、収容部11よりも下側の地熱をこの開口部12から収容部11内に効率的に伝達させて、収容部11内の石80に蓄積させることができるため、地熱の利用効率をより高めることができる。また、この地熱利用システム100によれば、収容部11の内部を旋回するようにしてパイプ21を配設したことにより、十分な長さのパイプ21を収容部11内に延在させることができるため、パイプ21内を流動する熱媒体と蓄熱部1との熱交換の効率を十分に向上させることができる。
また、例えば、複数の流路2を備えて、各流路2を複数の箇所に配置することで、それら複数の箇所で地熱を利用することができるため、地熱の利用効率をさらに高めることができる。また、複数の流路2を備えたときには、各流路2に互いに異なる種類の熱媒体(上記の例では、空気、水および不凍液)を流動させることができるため、地熱の利用形態に適した熱媒体を用いることができる。つまり、流路2を複数備えることで、複数の箇所(上記の例では、建物300の床下、建物300の居室内、および建物300の屋根301や駐車場400)における互いに異なる複数種類の利用形態(上記の例では、冷暖房、温水や冷水の供給、および融雪)での利用に対応することができるため、利用形態の幅を広げることができる結果、地熱の利用効率のさらなる向上を図ることができる。
また、この地熱利用システム100によれば、地上Ogに配置された冷暖房ファン6や融雪パイプ7と水や不凍液を圧送するポンプ5とを備えて、ポンプ5、蓄熱部1、および冷暖房ファン6または融雪パイプ7の間で水や不凍液を循環させるように流路2を配設したことにより、流路2内への水や不凍液の補充等の作業を不要にできる結果、利便性の高い地熱利用システムを構築することができる。
また、この地熱利用システム100によれば、地上Ogの空気を流路2に送り込むコンプレッサ3と、地上Ogに設置される地上用蓄熱部4とを備えて、コンプレッサ3によって送り込まれた空気が蓄熱部1を経由して地上用蓄熱部4に送り出されるように流路2を配設したことにより、空気を熱媒体として用いる地熱の利用形態に適した地熱利用システムを構築することができる。
また、この地熱利用システム100によれば、流路2の途中に配設されて蓄熱部1を経由した後の水を流路2から取り出すバルブ22を備えたことにより、蓄熱部1との間で熱交換がされた(つまり、蓄熱部1に蓄積された熱によって加熱または冷却された)水そのものを利用することができる。このため、この地熱利用システム100によれば、熱交換によって水に伝導した熱だけを取り出して利用する利用形態だけでなく、蓄熱部1に蓄積された熱によって加熱または冷却された水そのものを利用する利用形態に対応することができるため、利用形態の幅をさらに広げることができる結果、地熱の利用効率を一層向上させることができる。
次に、地熱利用システムの他の実施の形態としての地熱利用システム200について、添付図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、上記した地熱利用システム100と同じ構成要素については、同じ符号を付して、重複する説明を省略する。
地熱利用システム200は、図4に示すように、上記した蓄熱部1に代えて蓄熱部201を備えると共に、筒状体202を備えて構成されている。なお、同図では、地熱利用システム200の構成を明確とするために、地中Ugの土砂を取り除くと共に、蓄熱部201における後述する壁部213a,213b,213eの一部を切り取った状態を図示している。また、同図では、蓄熱部201における石80を取り除いた状態を図示している。
蓄熱部201は、図4に示すように、収容部211および石80(図2参照)を備えて構成されて、蓄熱機能を有しており、上記した施工方法と同様の施工方法によって地中Ugに製作される。
収容部211は、図4に示すように、下部211aに開口部212を有すると共に、開口部212を除く部分が壁部213a〜213e(以下、区別しないときには「壁部213」ともいう)で取り囲まれた略直方体の箱状に形成されている。各壁部213a〜213eは、上記した収容部11の壁部13a〜13eと同様にして、例えば、発泡スチロール等の発泡プラスチック製の断熱性材料で形成されている。また、壁部213a〜213dは、ブロック状の断熱性材料を積み重ねることによって形成されている。また、収容部211の上部211bに配設される壁部213eの中央部には、筒状体202を挿通させるための挿通孔221が形成されている。
筒状体202は、下部202a側が収容部211における壁部213eの挿通孔221を挿通して収容部211の内部に挿入された状態で収容部211と地上Ogとの間に配設されている。また、筒状体202は、下部202aが閉塞されると共に上部202bが開口する有底円筒状に形成されている。この場合、筒状体202は、一例として、ステンレスによって形成されている。また、筒状体202における上部202bは、蓋203を嵌め込むことが可能に構成され、蓋203の嵌め込みによって開口部が閉塞される。
この地熱利用システム200を製作する際には、上記した地熱利用システム100の施工方法におけるパイプ21a〜21cの配設前または配設後に、壁部213a〜213dと凹みの底面で囲まれた空間の中央部(旋回するように配設される各パイプ21a〜21cの中央部)に筒状体202を立設(配設)し、他の工程については、上記した施工方法と同じ工程を行う。この場合、筒状体202の下部202aが収容部211の内部に位置する(具体的には、筒状体202の下端部が開口部212よりもやや上方に位置する)と共に、筒状体202の上部202bが地上Ogに突出する(または、筒状体202の上端部が地面Gに位置する)ように筒状体202を立設する。
一方、この地熱利用システム200は、次のような使用方法においてその機能を十分に発揮することが可能となっている。例えば、冬期に地熱利用システム200を使用して建物300の暖房を行う際に、蓄熱部201によって蓄積される地中Ugの熱だけでは不足するときには、筒状体202を用いて、補助的な熱を得ることができる。具体的には、図5に示すように、発酵によって熱(発酵熱)を発生する有機物205を収納袋204に収納して、その収納袋204を筒状体202内に充填する。この状態で地熱利用システム200を使用することで、有機物205から発生した発酵熱が筒状体202から収容部211内に伝達されて、地中Ugの熱と共に収容部211内に蓄積される。このため、地熱利用システム200による暖房の機能を向上させることが可能となっている。
この場合、有機物205としては、エノキ茸などの茸の栽培に使用した後の茸栽培用培地(使用済培地)を用いることができる。使用済培地は、微生物を大量に含んでおり、自然発酵によって多量の熱(発酵熱)を発生する。また、使用済培地は、茸栽培施設から大量に発生し、しかも再利用が比較的困難なため、この使用済培地を有機物205として用いることで、地熱利用システム200による暖房の機能を向上させることに加えて、資源の有効利用に寄与することが可能となっている。
なお、有機物205としては、上記した使用済培地に限定されず、落ち葉、籾殻および食品残渣などの各種の有機物を用いることができる。また、筒状体202における収容部211と地面Gとの間の部分からの熱の放出を防止するため、この部分に断熱材(例えば、発泡スチロールやグラスウールなど)を充填することもできる。
また、夏期に地熱利用システム200を使用して建物300の冷房を行う際に、蓄熱部201の冷却能力だけでは不足するときには、筒状体202内に水を充填することで、蓄熱部201の冷却効率を高めて、地熱利用システム200による冷却の機能を向上させることができる。
なお、筒状体202内に水を充填しないときには、下部202aが開口した筒状体202を用いることもできる。また、筒状体202の材質としては、金属製(上記の例では、ステンレス)に限定されず、コンクリートや樹脂を用いることもできる。
このように、この地熱利用システム200によれば、下部202a側が収容部211内に挿入された状態で収容部211と地上Ogとの間に配設された筒状体202を備えたことにより、例えば、発酵熱を発生する有機物や冷却効率を高める水などを筒状体202内に充填することで、地熱を利用した蓄熱部201の加熱や冷却の機能を補助することができるため、地熱利用システム200の機能を十分に向上させることができる。
なお、地熱利用システムの構成は、上記した構成に限定されず、適宜変更することができる。例えば、蓄熱部1(201)における収容部11(211)の内部を旋回するように(旋回状に)パイプ21a〜21cを配設した例について上記したが、収容部11(211)の内部を蛇行するように(蛇行状に)パイプ21a〜21cを配設する構成を採用することもできる。また、旋回状および蛇行状の双方を組み合わせた形態で収容部11(211)内にパイプ21a〜21cを配設する構成を採用することもできる。
また、地面Gから3m程度の深さに収容部11(211)の開口部12(212)が位置し、地面Gから1m程度の深さに収容部11の上部11b(211b)が位置するように、収容部11の大きさ、および収容部11の埋設位置を規定した例について上記したが、開口部12や上部11bが位置する地面Gからの深さは適宜変更することができる。この場合、開口部12が位置する地面Gからの深さをより深く規定する(例えば、5m以上に規定する)ことで、年間を通した地中Ugの温度変化がより少なくなり、地中Ugと地上Ogとの温度差を年間を通してより大きくすることができるため、地熱の利用効率を一層高めることもできる。
また、流路2bの途中にバルブ22を配設した例について上記したが、流路2aの途中にバルブ22を配設して、蓄熱部1を経由した後の熱媒体としての空気を流路2aから取り出して、冷房や暖房などに利用する構成を採用することもできる。
また、流路2を複数(上記の例では、3つ)備えた例について上記したが、流路2を1つまたは2つだけ備えた構成や、流路2を4つ以上備えた構成を採用することもできる。また、蓄熱部1によって蓄積された地熱に加えて、他の熱源や装置からの熱を用いる地熱利用システムを採用することもできる。
また、地熱利用システム100(200)を主として建物300の冷暖房に用いる例について上記したが、地熱利用システム100(蓄熱部1によって蓄積された地熱)を発電に利用することもできる。
1,201 蓄熱部
2a〜2c 流路
3 コンプレッサ
4 地上用蓄熱部
5a,5b ポンプ
6 冷暖房ファン
7a,7b 融雪パイプ
11,211 収容部
11a,211a 下部
12,212 開口部
21a〜21c パイプ
22 バルブ
80 石
100,200 地熱利用システム
202 筒状体
202a 下部
Og 地上
Ug 地中

Claims (5)

  1. 地熱を利用する地熱利用システムであって、
    収容部および当該収容部内に充填された石を備えて地中に埋設される蓄熱部と、熱媒体を流動させて前記蓄熱部との間で熱交換を行うための少なくとも1つの流路とを備え、
    前記収容部は、下部に開口部を有すると共に当該開口部を除く部分が壁部で囲まれた箱状に形成され、
    前記流路は、前記熱媒体を流動可能に形成されて旋回状および蛇行状の少なくとも一方を含む形態で前記収容部内に配設された熱交換用のパイプを備えて構成されている地熱利用システム。
  2. 下部側が前記収容部内に挿入された状態で当該収容部と地上との間に配設された筒状体を備えている請求項1記載の地熱利用システム。
  3. 地上に配置された熱交換器と、前記熱媒体を圧送する圧送機構とを備え、
    前記少なくとも1つの流路のうちの1つの流路は、前記圧送機構、前記蓄熱部および前記熱交換器の間で前記熱媒体を循環させるように配設されている請求項1または2記載の地熱利用システム。
  4. 前記熱媒体としての地上の空気を前記流路に送り込む送気機構と、地上に設置される地上用蓄熱部とを備え、
    前記少なくとも1つの流路のうちの1つの流路は、前記送気機構によって送り込まれた前記空気を前記蓄熱部を経由して前記地上用蓄熱部に送り出すように配設されている請求項1から3のいずれかに記載の地熱利用システム。
  5. 前記少なくとも1つの流路のうちの1つの流路の途中に配設されて前記蓄熱部を経由した後の前記熱媒体を当該流路から取り出し可能なバルブを備えている請求項1から4のいずれかに記載の地熱利用システム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015165476A1 (ru) * 2014-04-28 2015-11-05 Сергей Евгеньевич УГЛОВСКИЙ Способ отопления и охлаждения зданий
JP2016217661A (ja) * 2015-05-25 2016-12-22 甲信食糧株式会社 低温倉庫荷捌き室の空調方法及び空調システム
WO2017200200A1 (ko) * 2016-05-16 2017-11-23 (주)지오테크 지열을 이용한 지붕 융설 시스템

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