本発明に係る電磁弁について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
図1及び図2は、電磁弁駆動回路10を有する第1実施形態に係る電磁弁12Aの回路図であり、図3A〜図3Eは、電磁弁12Aのソレノイドコイル14における電源電圧V0、第1電圧V1(第1の電圧)、第2電圧V2(第2の電圧)、制御信号及び電流のタイムチャートである。
電磁弁12Aは、図1に示すように、スイッチ制御部16とスイッチ部18と電圧生成部20とを備える電磁弁駆動回路10を有し、直流電源22は、スイッチ24を介して前記スイッチ部18を構成するPNP型のトランジスタ28のエミッタ端子(第1端子)30aと電気的に接続されている。
前記電磁弁駆動回路10は、ソレノイドコイル14と共に電磁弁12Aに内蔵され、あるいは、該ソレノイドコイル14を収容する図示しない電磁弁本体の外部に配置されている。
また、トランジスタ28のコレクタ端子(第2端子)30bは、ソレノイドコイル14の一方の端子と電気的に接続され、該ソレノイドコイル14の他方の端子は、直流電源22の負極と電気的に接続され且つ接地されている。
スイッチ制御部16は、電源電圧V0に基づいてパルス幅T1(図3B参照)の単一のパルス信号(制御信号)を生成する図示しない単一パルス発生回路を有し、その入力端子は、スイッチ24と電気的に接続され、その出力端子は、トランジスタ28に対するバイアス抵抗としての抵抗36を介してベース端子(第3端子)30cと電気的に接続されている。なお、前記入力端子は、前記スイッチ制御部16の電源端子の役割も兼ねている。
さらに、ソレノイドコイル14に対してダイオード68が電気的に並列接続され、スイッチ制御部16は、LED66を介して接地されている。
この場合、時刻T0(図3E参照)でスイッチ24を閉じると、スイッチ制御部16では、予め設定された所定時間(例えば、100[ms])をパルス幅T1とし且つ所定電圧をパルス電圧とする制御信号が生成され、前記生成された制御信号は、抵抗36を介してトランジスタ28のベース端子30cに供給される。
なお、第1実施形態において、スイッチ制御部16は、パルス幅T1の負極性の制御信号を抵抗36を介してベース端子30cに供給するが、前記制御信号に関する説明で容易に理解できるように、図3Bでは、電源電圧V0、第1電圧V1、第2電圧V2、及びソレノイドコイル14を流れる電流(図3A及び図3C〜図3E参照)の極性に合わせ、前記制御信号を正極性に反転させて図示している。
また、スイッチ制御部16(図1及び図2参照)は、前記制御信号を出力すると、前記所定時間以降(時刻T2以降)では、パルス生成動作を停止する。
電圧生成部20は、直流電源22の電源電圧V0を所定電圧にまで降圧し、前記降圧した電源電圧V0を第2電圧V2として生成するスイッチング電源から構成され、その入力端子は、スイッチ24と電気的に接続され、その出力端子は、ダイオード52を介してソレノイドコイル14と電気的に接続されている。
スイッチ部18は、前述したように、PNP型のトランジスタ28で構成され、スイッチ制御部16より前記トランジスタ28のベース端子30cに制御信号が供給されると、前記制御信号のパルス幅T1の時間だけエミッタ端子30aとコレクタ端子30bとの間がオン状態となり、前述したパルス幅T1の時間だけ電源電圧V0が第1電圧V1として電磁弁12Aのソレノイドコイル14に印加される。一方、時刻T2以降における前記制御信号の供給停止時間では、前記エミッタ端子30aと前記コレクタ端子30bとの間がオフ状態となり、電圧生成部20で生成された第2電圧V2が電磁弁12Aのソレノイドコイル14に印加される。
前記スイッチ部18は、図1に示すトランジスタ28に代えて、図2に示すPチャネル型で且つエンハンスメントタイプのMOSFET110で構成することも可能である。この場合、前記MOSFET110のゲート端子(第3端子)112cは、スイッチ制御部16と電気的に接続され、ソース端子(第1端子)112aは、スイッチ24と電気的に接続され、ドレイン端子(第2端子)112bは、ソレノイドコイル14と電気的に接続されている。ダイオード114は、前記ソース端子112aと前記ドレイン端子112bとの間において、前記ドレイン端子112bから前記ソース端子112aへの方向を順方向とするように電気的に並列接続されている。このダイオード114は、ソレノイドコイル14から直流電源22の正極の方向に流れる電流を該ダイオード114に流すための前記MOSFET110の保護用ダイオードである。なお、前記スイッチ部18を前記MOSFET110で構成した場合、図1に示す抵抗36は不要である。
第1実施形態に係る電磁弁12Aは、基本的には以上のように構成されるものであり、次に、該電磁弁12Aの動作について、図1及び図3A〜図3Eを参照しながら説明する。
先ず、時刻T0でスイッチ24を閉じると、直流電源22の電源電圧V0は、スイッチ制御部16、トランジスタ28のエミッタ端子30a及び電圧生成部20に印加される。この場合、スイッチ制御部16は、その内部において予め設定された所定時間をパルス幅T1とし、且つ予め設定された所定電圧をパルス電圧とする制御信号を生成し、前記生成した制御信号を抵抗36を介してトランジスタ28のベース端子30cに供給する。
なお、前記スイッチ制御部16は、時刻T0において前記制御信号の出力を開始し、前記時刻T0からパルス幅T1後の時刻T2以降では、前記制御信号の出力動作を停止する。すなわち、前記スイッチ制御部16は、1つのパルスを前記制御信号としてトランジスタ28のベース端子30cに供給する。
トランジスタ28のベース端子30cに前記制御信号が供給されると、前記トランジスタ28では、前記制御信号のパルス発生時間(時刻T0から時刻T2までの時間)において、エミッタ端子30aとコレクタ端子30bとの間がオン状態となり、前記トランジスタ28は、電源電圧V0を第1電圧V1としてソレノイドコイル14に印加する。
これにより、前記ソレノイドコイル14に前記第1電圧V1が印加される時間領域(時刻T0から時刻T2までの時間領域)において、前記ソレノイドコイル14を流れる電流は、時間経過と共に急激に増加し、電磁弁12Aは、前記電流に起因する電磁力によって速やかに付勢される。
この場合、前記第1電圧V1が印加される時間領域において、前記急激に増加する電流が僅かに減少しているが(図3E参照)、これは、前記電磁弁12Aの図示しない弁体に接続された可動コアが、前記電磁力によって固定コアに吸着されることに起因するものである。
なお、前記トランジスタ28がオン状態の時間領域では、電圧生成部20は該トランジスタ28によってショートされるので、前記電圧生成部20よりソレノイドコイル14に対して電圧が印加されることはない。
次いで、時刻T2において、スイッチ制御部16からの前記制御信号のパルス出力動作が停止すると、トランジスタ28のエミッタ端子30aとコレクタ端子30bとの間はオン状態からオフ状態に変化する。
これにより、電圧生成部20は、電源電圧V0を予め設定された所定電圧にまで降圧し、前記降圧された所定電圧(直流電圧)を前記第1電圧V1よりも低電圧の第2電圧V2として、ダイオード52を介してソレノイドコイル14に印加される。
この結果、時刻T2以降の時間領域において、ソレノイドコイル14には、電磁弁12Aの駆動時における電流よりも小さな電流が流れ、該ソレノイドコイル14は、より小さな電流で電磁弁12Aの駆動状態を維持することができる。
そして、時刻T3においてスイッチ24を開くと、スイッチ制御部16、トランジスタ28のエミッタ端子30a及び電圧生成部20に対する電源電圧V0の印加が停止し、この結果、ソレノイドコイル14に対する第2電圧V2の印加も停止するに至る。この場合、ソレノイドコイル14に対する前記第2電圧V2の印加が停止すると、該ソレノイドコイル14には逆起電力が発生するが、前記逆起電力に起因する電流がダイオード68を流れることにより、該逆起電力は速やかに減衰する。
また、ソレノイドコイル14に第1電圧V1又は第2電圧V2が印加されている間は、スイッチ制御部16及びLED66を流れる電流によって該LED66が発光するので、前記LED66の発光を視認することにより、前記ソレノイドコイル14に前記第1電圧V1又は前記第2電圧V2が印加されて電磁弁12Aが駆動状態になっていることを確認することができる。
図4は、電磁弁駆動回路10及びソレノイドコイル14(図1参照)の消費電力(実施例)と、電磁弁駆動回路200及びソレノイドコイル208(図17参照)の消費電力(比較例1)と、電磁弁駆動回路220及びソレノイドコイル208(図18参照)の消費電力(比較例2)とを比較したグラフである。
例えば、電源電圧V0が24[V]の場合、比較例1の消費電力は2.4[W]であり、比較例2の消費電力は0.8[W]であるが、実施例の消費電力は0.4[W]である。すなわち、実施例の消費電力は、比較例1の消費電力と比較して84[%]減少する一方で、比較例2の消費電力と比較して50[%]減少している。
これは、電磁弁駆動回路200及びソレノイドコイル208(図17参照)の場合、電磁弁206の駆動時や駆動状態を維持する時間領域において、ソレノイドコイル208に電源電圧V0が間断なく印加されるので、該ソレノイドコイル208の消費電力が著しく増大するためである。
また、電磁弁駆動回路220及びソレノイドコイル208(図18参照)の場合、電磁弁206の駆動時には、ソレノイドコイル208に電源電圧V0が印加され、電磁弁206の駆動状態を維持する時間領域において、抵抗228の分圧により前記ソレノイドコイル208に前記電源電圧V0よりも低い第2電圧が印加されるので、電磁弁駆動回路200(図17参照)と比較して、消費電力が低減されている。しかしながら、前記抵抗228での前記電源電圧V0の分圧により前記抵抗228で電力が消費されるので、この消費電力により電磁弁駆動回路220の消費電力が増加することになる。
これに対して、電磁弁12A(図1参照)では、該電磁弁12Aの駆動時(図3A〜図3Eに示す時刻T0から時刻T2までの時間)には、ソレノイドコイル14に第1電圧V1を印加して前記電磁弁12Aを速やかに駆動させ、該電磁弁12Aの駆動状態を維持する時間領域(時刻T2から時刻T3までの時間)では、前記ソレノイドコイル14に対して第2電圧V2を印加している。この結果、電磁弁12Aの駆動状態を維持する時間領域では、電磁弁12Aの駆動時より少ない電気エネルギー量で該電磁弁12Aの駆動状態を維持している。従って、電磁弁12Aでは、図17及び図18の電磁弁206と比較して、ソレノイドコイル14の消費電力を低減することが可能となる。
また、電磁弁12Aでは、電源電圧V0、第1電圧V1及び第2電圧V2の供給ラインに抵抗が配置されていないので、電磁弁12Aのソレノイドコイル14に電圧を印加しても、前記供給ラインで電力が消費されることはない。従って、前記電磁弁12Aでは、図18の電磁弁206と比較して、該電磁弁12Aにおける消費電力を低減することが可能となる。
このように、第1実施形態に係る電磁弁12Aでは、スイッチ制御部16よりスイッチ部18に対して制御信号を供給し、前記スイッチ部18は、前記制御信号の供給に基づいて、直流電源22又は電圧生成部20とソレノイドコイル14との間の電気的接続状態の時間制御を行っている。
すなわち、スイッチ部18に前記制御信号を供給して前記オン状態となれば、電源電圧V0が第1電圧V1としてソレノイドコイル14に印加され、この結果、前記ソレノイドコイル14に大きな電気エネルギーが供給されて電磁弁12Aを短時間で駆動することが可能となる。
一方、前記スイッチ部18への前記制御信号の供給を停止すれば前記オフ状態に変化し、前記第1電圧V1よりも低い前記第2電圧V2が前記ソレノイドコイル14に印加され、この結果、前記ソレノイドコイル14に供給される電気エネルギー量が減少して、より少ない電気エネルギー量で前記電磁弁12Aの駆動状態を維持することが可能となる。
このように、スイッチ制御部16がスイッチ部18のオン状態及びオフ状態の時間制御を行うことで、直流電源22又は電圧生成部20からソレノイドコイル14に供給される電気エネルギー量や前記第1電圧V1及び前記前記第2電圧V2の供給時間を容易に調整することが可能となる。
この場合、スイッチ部18に対する前記制御信号の供給時間及び供給停止時間が、ソレノイドコイル14に対する第1電圧V1及び第2電圧V2の印加時間となるので、電磁弁12Aの仕様に合わせて前記供給時間を調整することにより、前記電磁弁12Aの起動時間、前記ソレノイドコイル14を流れる電流の値や該ソレノイドコイル14に供給される電気エネルギー量を所望の値に変化させることができる。この結果、電磁弁12Aは、電磁弁駆動回路200、220(図17及び図18参照)と比較して、前記ソレノイドコイル14の消費電力を低減させることが可能になると共に、電磁弁12Aに対する汎用性を高めることができる。
また、スイッチ制御部16からスイッチ部18に対する前記制御信号の供給時間を適宜変更すれば、前記スイッチ部18のオン状態の時間が変化するので、電磁弁12Aでは、コンデンサ226及び抵抗224の充放電時間を利用した従来技術に係る電磁弁駆動回路220と比較して、停電等によって停止状態となった電磁弁12Aを短時間で再起動させたり、あるいは、前記電磁弁12Aを速やかに駆動状態を維持する時間領域に移行させることができる。
さらに、電磁弁12Aは、電源電圧V0、第1電圧V1及び第2電圧V2の供給ラインに抵抗を用いない装置構成であるので、従来技術に係る電磁弁駆動回路220と比較して、装置全体の消費電力を低減させることが可能になると共に、熱対策が不要となって装置全体の耐久性の向上や製造コストの低減を実現することができる。
また、スイッチ制御部16は、電源電圧V0を利用して前記制御信号を生成するので、前記制御信号を生成するために必要な専用電源が不要となり、電磁弁12Aの小型化を実現することができる。また、前記制御信号のパルス幅T1によって、スイッチ部18のオン状態の時間が決定されるので、電磁弁12Aを容易に駆動制御することができる。
さらに、スイッチ部18をトランジスタ28又はMOSFET110で構成することにより、前記制御信号に対する第1電圧V1及び第2電圧V2の応答性が向上するので、前記第1電圧V1及び前記第2電圧V2が印加されるソレノイドコイル14及び電磁弁12Aの応答性を向上させることが可能となる。特に、前記スイッチ部18を前記MOSFET110で構成すると、該スイッチ部18を構成する半導体素子のインピーダンスを低減することができる。
上述した電磁弁12Aでは、第1電圧V1が電源電圧V0と略同一であり、第2電圧V2が前記電源電圧V0よりも低くなっているが、図5A及び図5Bに示すように、前記第1電圧V1が電源電圧V0よりも高く、第2電圧V2が前記電源電圧V0と略同一であっても構わない。また、図6A及び図6Bに示すように、前記第1電圧V1が電源電圧V0よりも高く、第2電圧V2が前記電源電圧V0よりも低くなっても構わない。図5B及び図6Bに示す第1電圧V1及び第2電圧V2をソレノイドコイル14に印加しても、上述した作用効果が得られることは勿論である。
次に、第2実施形態に係る電磁弁12Bについて、図7及び図8A〜図8Fを参照しながら説明する。なお、図1〜図6Bに示した第1実施形態に係る電磁弁12Aの各構成要素と同じ構成要素については、同一の符号を付して詳細な説明を省略し、以下同様とする。
第2実施形態に係る電磁弁12Bは、電圧生成部20が配置されていない点で、第1実施形態に係る電磁弁12A(図1〜図6B参照)とは異なる。
すなわち、電磁弁12Bでは、図7に示すように、スイッチ制御部16が、タイマカウンタ回路(単一パルス発生回路)32及びPWM回路(繰り返しパルス発生回路)84で構成されている。
また、前記スイッチ制御部16において、タイマカウンタ回路32の入力端子は、スイッチ24と電気的に接続され、一方で、その出力端子は、抵抗36を介してトランジスタ28のベース端子30cと電気的に接続されている。
PWM回路84の入力端子は、スイッチ24と電気的に接続され、一方で、出力端子は、抵抗36を介してトランジスタ28のベース端子30cと電気的に接続されている。
さらに、前記タイマカウンタ回路32及びPWM回路84は、LED66を介して接地されている。
この場合、時刻T0(図8F参照)でスイッチ24を閉じると、タイマカウンタ回路32の入力端子に電源電圧V0(図8A参照)が印加され、該タイマカウンタ回路32内で予め設定された所定時間(例えば、100[ms])をパルス幅T1(図8B参照)とし且つ所定電圧をパルス電圧とする第1パルス信号が生成され、前記生成された第1パルス信号は、抵抗36を介してトランジスタ28のベース端子30cに供給される。
なお、第2実施形態において、スイッチ制御部16は、パルス幅T1の負極性の第1パルス信号や、パルス幅T4(図8C参照)の負極性の第2パルス信号を抵抗36を介してベース端子30cに供給するが、前記第1パルス信号、前記第2パルス信号及び前記ベース端子30cの入力(前記第1パルス信号及び前記第2パルス信号)に関する説明で容易に理解できるように、図8B〜図8Dでは、図3Bと同様に、電源電圧V0、第1電圧V1、第2電圧V2、及びソレノイドコイル14を流れる電流(図8A、図8E及び図8F参照)の極性に合わせ、前記第1パルス信号、前記第2パルス信号及び前記入力を正極性に反転させて図示している。
この場合、タイマカウンタ回路32(図7参照)は、その出力端子より前記第1パルス信号を出力すると、前記所定時間以降(図8Fの時刻T2以降)では、パルス生成動作を停止する。
一方、PWM回路84に電源電圧V0を供給すると、前記PWM回路84内で第2パルス信号が生成され、前記生成された第2パルス信号は、抵抗36を介してトランジスタ28のベース端子30cに供給される(図8C及び図8D参照)。
この場合、前記PWM回路84内には、前記第2パルス信号の繰り返し周波数(例えば、1[kHz]〜100[kHz])とデューティ比とが予め設定されている。なお、前記第2パルス信号のパルス幅T4は、図8Cに示すように、前記第1パルス信号のパルス幅T1(図8B参照)よりも小さく設定されている(T1>T4)。
ここで、スイッチ24(図7参照)が閉じた状態で、前記トランジスタ28のベース端子30cに前記第1パルス信号又は前記第2パルス信号が供給されると、前記第1パルス信号又は前記第2パルス信号のパルス幅T1、T4の時間だけ前記エミッタ端子30aと前記コレクタ端子30bとの間がオン状態となり、前記オン状態の時間(前記各パルス幅T1、T4)だけ電源電圧V0が第1電圧V1(第1の電圧)又は第2電圧V2(第2の電圧)として電磁弁12Bのソレノイドコイル14に印加される(図8E参照)。
第2実施形態に係る電磁弁12Bは、基本的には以上のように構成されるものであり、次に、該電磁弁12Bの動作について、図7及び図8A〜図8Fを参照しながら説明する。
先ず、時刻T0でスイッチ24を閉じると、直流電源22の電源電圧V0は、タイマカウンタ回路32及びPWM回路84に印加され、この結果、前記タイマカウンタ回路32及びPWM回路84は起動するに至る。
タイマカウンタ回路32は、その内部において予め設定された所定時間をパルス幅T1とし、且つ該タイマカウンタ回路32内で予め設定された所定電圧をパルス電圧とする第1パルス信号を生成し、前記生成した第1パルス信号を出力端子より抵抗36を介してトランジスタ28のベース端子30cに供給する。
そして、タイマカウンタ回路32は、時刻T0において前記第1パルス信号の出力を開始し、前記時刻T0からパルス幅T1後の時刻T2以降では、パルス出力動作を停止する。すなわち、前記タイマカウンタ回路32は、1つのパルスを前記第1パルス信号としてトランジスタ28のベース端子30cに供給する。
一方、PWM回路84にも電源電圧V0が印加されて該PWM回路84が起動しているので、前記PWM回路84は、その内部において予め設定された所定周波数を繰り返し周波数とし、且つ該PWM回路84内で予め設定された所定のデューティ比をデューティ比とする第2パルス信号を生成し、前記生成した第2パルス信号を出力端子より抵抗36を介してトランジスタ28のベース端子30cに供給する。
なお、第2パルス信号の繰り返し周期T5(図8C参照)は、前記繰り返し周波数の逆数であり、前記第2パルス信号のデューティ比は、(T4/T5)×100[%]である。そして、前記第2パルス信号のパルス幅T4は、前記第1パルス信号のパルス幅T1よりも小さく(T1>T4)、前記第1パルス信号のパルス電圧と前記第2パルス信号のパルス電圧とは、略同一である。
トランジスタ28のベース端子30cには、前記第1パルス信号又は前記第2パルス信号が供給され、前記トランジスタ28では、前記第1パルス信号又は前記第2パルス信号におけるパルス発生時間(パルス幅T1、T4)において、エミッタ端子30aとコレクタ端子30bとの間がオン状態となる。この結果、前記トランジスタ28は、電源電圧V0を第1電圧V1としてソレノイドコイル14に印加し、時刻T2以降における前記オン状態の時間内(パルス幅T4)では、電源電圧V0を第2電圧V2としてソレノイドコイル14に印加する。
これにより、前記ソレノイドコイル14に前記第1電圧V1が印加される時間領域(パルス幅T1)において、前記ソレノイドコイル14を流れる電流は、時間経過と共に急激に増加し、電磁弁12Bは、前記電流に起因する電磁力によって速やかに駆動する。
一方、時刻T2以降の時間領域では、所定時間毎(繰り返し周期T5毎)に前記ソレノイドコイル14に前記第2電圧V2が印加されるので、前記ソレノイドコイル14には、電磁弁12Bの駆動時における電流よりも小さな電流が流れ、この結果、より小さな電流で前記電磁弁12Bの駆動状態を維持することができる。
そして、時刻T3(図8F参照)において、スイッチ24を開くと、タイマカウンタ回路32及びPWM回路84に対する電源電圧V0の印加が停止するので、前記タイマカウンタ回路32及び前記PWM回路84は、駆動状態より停止状態に変化し、前記トランジスタ28のベース端子30cに対する前記第1パルス信号及び前記第2パルス信号の供給も停止する。
これにより、前記トランジスタ28のエミッタ端子30aとコレクタ端子30bとの間はオフ状態となり、前記ソレノイドコイル14に対する前記第1電圧V1又は前記第2電圧V2の印加も停止するに至る。
なお、ソレノイドコイル14に対する前記第2電圧V2の印加が停止した際に、該ソレノイドコイル14に発生する逆起電力は、該逆起電力に起因する電流がダイオード68を流れることにより速やかに減衰する。また、ソレノイドコイル14に第1電圧V1又は第2電圧V2が印加されている間は、タイマカウンタ回路32又はPWM回路84及びLED66を流れる電流によって該LED66が発光するので、前記LED66の発光を視認することにより、前記ソレノイドコイル14に前記第1電圧V1又は前記第2電圧V2が印加されて電磁弁12Bが駆動状態になっていることを確認することができる。
このように、第2実施形態に係る電磁弁12Bでは、スイッチ制御部16よりスイッチ部18に対して、第1パルス信号及び第2パルス信号に対応する制御信号を供給し、前記スイッチ部18は、前記制御信号の供給に基づいて、直流電源22とソレノイドコイル14との間の電気的接続状態の時間制御を行っている。
すなわち、前記第1パルス信号に対応する制御信号の供給時間(パルス幅T1)を長くすればスイッチ部18のオン状態の時間が長くなり、ソレノイドコイル14に供給される電気エネルギー量が増加して電磁弁12Bを短時間で駆動することが可能となる。
一方、前記第2パルス信号に対応する制御信号の供給時間(パルス幅T4)を短くすれば前記オン状態の時間が短くなるので、前記ソレノイドコイル14に供給される電気エネルギー量が減少して、より少ない電気エネルギー量で前記電磁弁12Bの駆動状態を維持することが可能となる。換言すれば、第1電圧V1及び第2電圧V2が電源電圧V0のレベルであっても、第2電圧V2のパルス幅T4を短くすることにより、少ない電気エネルギー量で電磁弁12Bの駆動状態を維持することができる。
このように、スイッチ制御部16が前記スイッチ部18のオン状態の時間制御を行うことで、前記直流電源22から前記ソレノイドコイル14に供給される電気エネルギー量を容易に調整することが可能となる。
この場合、スイッチ部18に対する前記制御信号の供給時間が、ソレノイドコイル14に対する前記第1電圧V1又は前記第2電圧V2の印加時間となるので、電磁弁12Bの仕様に合わせて前記供給時間を調整することにより、前記電磁弁12Bの起動時間や駆動時間、前記ソレノイドコイル14を流れる電流の値や該ソレノイドコイル14に供給される電気エネルギー量を所望の値に変化させることができる。この結果、電磁弁12Bは、電磁弁駆動回路200、220(図17及び図18参照)と比較して、前記ソレノイドコイル14の消費電力をより一層低減させることが可能になると共に、電磁弁12Bに対する汎用性を高めることができる。
さらに、スイッチ制御部16からスイッチ部18に対する前記制御信号の供給時間を適宜変更すれば、前記スイッチ部18のオン状態の時間が変化するので、電磁弁12Bでは、コンデンサ226及び抵抗224の充放電時間を利用した電磁弁駆動回路220(図18参照)と比較して、停電等によって停止状態となった電磁弁12Bを短時間で再起動したり、あるいは、電磁弁12Bを速やかに駆動状態を維持する時間領域に移行させることができる。
さらにまた、電磁弁12Bは、電源電圧V0、第1電圧V1及び第2電圧V2の供給ラインに抵抗を用いない装置構成であるので、電磁弁駆動回路220と比較して、装置全体の消費電力を低減させることが可能になると共に、熱対策が不要となって装置全体の耐久性の向上や製造コストの低減を実現することができる。
また、タイマカウンタ回路32で生成される前記第1パルス信号のパルス幅T1や、PWM回路84で生成される前記第2パルス信号のパルス幅T4によって、前記スイッチ部18のオン状態の時間が決定されるので、前記電磁弁12Bを容易に駆動制御することができる。
さらに、前記第1パルス信号のパルス幅T1を前記第2パルス信号のパルス幅T4よりも長くすることにより、ソレノイドコイル14に前記第1電圧V1を印加する時間では、該ソレノイドコイル14により大きな電気エネルギー量が供給され、電磁弁12Bを速やかに駆動することができる。一方、前記第2パルス信号のパルス幅T4を前記第1パルス信号のパルス幅T1よりも短くすることにより、前記ソレノイドコイル14に前記第2電圧V2を印加する時間では、該ソレノイドコイル14により小さな電気エネルギー量が所定時間毎に供給される。このように、スイッチ制御部16よりスイッチ部18に供給される前記第1パルス信号及び前記第2パルス信号に対してPWM制御を行うことにより、前記ソレノイドコイル14の消費電力をより一層低減することが可能となる。
次に、第3実施形態に係る電磁弁12Cについて、図9及び図10A〜図10Fを参照しながら説明する。
第3実施形態に係る電磁弁12Cは、スイッチ24が電圧生成部20を介してスイッチ部18と電気的に接続され、該電圧生成部20が電源電圧V0よりも電圧値の高い直流電圧を生成する点で、第1及び第2実施形態に係る電磁弁12A、12B(図1〜図8F参照)とは異なる。
この場合、時刻T0(図10F参照)でスイッチ24を閉じると、直流電源22の電源電圧V0(図10A参照)は、電圧生成部20、タイマカウンタ回路32及びPWM回路84に印加され、この結果、電圧生成部20、タイマカウンタ回路32及びPWM回路84が起動されるに至る。
タイマカウンタ回路32は、第1パルス信号を生成し、前記生成した第1パルス信号を出力端子より抵抗36を介してトランジスタ28のベース端子30cに供給する(図10B及び図10D参照)。一方、PWM回路84は、第2パルス信号を生成し、前記生成した第2パルス信号を出力端子より抵抗36を介してトランジスタ28のベース端子30cに供給する(図10C及び図10D参照)。
なお、第3実施形態では、前記第2実施形態(図7及び図8A〜図8F参照)と同様に、スイッチ制御部16は、パルス幅T1の負極性の第1パルス信号や、パルス幅T4の負極性の第2パルス信号をベース端子30cに供給するが、図10B〜図10Dでは、前記第1パルス信号、前記第2パルス信号及びベース端子30cの入力(前記第1パルス信号及び前記第2パルス信号)に関する説明で容易に理解できるように、図3B及び図8B〜図8Dと同様に、電源電圧V0、第1電圧V1、第2電圧V2、及びソレノイドコイル14を流れる電流(図10A、図10E及び図10F参照)の極性に合わせ、前記第1パルス信号、前記第2パルス信号及び前記入力を正極性に反転させて図示している。
電圧生成部20(図9参照)は、電源電圧V0よりも電圧値の高い直流電圧を生成して、前記生成した直流電圧をスイッチ部18に供給する。
トランジスタ28のベース端子30cには、前記第1パルス信号又は前記第2パルス信号が供給され、前記トランジスタ28では、前記第1パルス信号又は前記第2パルス信号におけるパルス発生時間(パルス幅T1、T4)(図10B及び図10C参照)において、エミッタ端子30aとコレクタ端子30bとの間がオン状態となる。この結果、前記トランジスタ28は、前記直流電圧を第1電圧V1としてソレノイドコイル14に印加し、時刻T2以降における前記オン状態の時間内(パルス幅T4)では、前記直流電圧を第2電圧V2としてソレノイドコイル14に印加する。
これにより、前記ソレノイドコイル14に前記第1電圧V1が印加される時間領域(パルス幅T1)において、前記ソレノイドコイル14を流れる電流は、時間経過と共に急激に増加し、電磁弁12Cは、前記電流に起因する電磁力によって速やかに駆動する。
一方、時刻T2以降の時間領域では、所定時間毎(繰り返し周期T5毎)に前記ソレノイドコイル14に前記第2電圧V2が印加されるので、前記ソレノイドコイル14には、電磁弁12Cの駆動時における電流よりも小さな電流が流れ、この結果、より小さな電流で前記電磁弁12Cの駆動状態を維持することができる。
そして、時刻T3(図10F参照)において、スイッチ24を開くと、電圧生成部20、タイマカウンタ回路32及びPWM回路84に対する電源電圧V0の印加が停止するので、前記タイマカウンタ回路32及び前記PWM回路84は、駆動状態より停止状態に変化し、前記トランジスタ28のベース端子30cに対する前記第1パルス信号及び前記第2パルス信号の供給も停止する。
これにより、前記トランジスタ28のエミッタ端子30aとコレクタ端子30bとの間はオフ状態となり、前記ソレノイドコイル14に対する前記第1電圧V1又は前記第2電圧V2の印加も停止するに至る。
なお、ソレノイドコイル14に対する前記第2電圧V2の印加が停止した際に該ソレノイドコイル14に発生する逆起電力の減衰や、前記ソレノイドコイル14に第1電圧V1又は第2電圧V2が印加されている間におけるLED66の発光については、第2実施形態に係る電磁弁12B(図7参照)と同様であるので、詳細な説明については省略する。
このように、電磁弁12Cでは、起動時に電源電圧V0よりも大きな前記直流電圧をソレノイドコイル14に印加することで、該起動時に供給される電気エネルギー量が増加して電磁弁12Cを短時間で駆動することが可能となる。また、第1電圧V1及び第2電圧V2が略等しい電圧のレベルであっても、第2電圧V2のパルス幅T4を短くすることにより、少ない電気エネルギー量で電磁弁12Cの駆動状態を維持することができる。
次に、上述した電磁弁12A、12Bの具体例(第1〜第3の具体例)について、図11〜図15を参照しながら説明する。
図11は、第1実施形態に係る電磁弁12Aの具体例(第1の具体例)を示す回路図である。
この場合、電磁弁12Aは、スイッチ制御部16とスイッチ部18と電圧生成部20とを有し、直流電源22は、スイッチ24を介してダイオード26と電気的に接続され、該ダイオード26は、トランジスタ28のエミッタ端子30aと電気的に接続されている。この場合、前記ダイオード26は、ソレノイドコイル14から直流電源22の正極の方向に流れる電流を阻止するための回路保護用のダイオードである。
また、トランジスタ28のコレクタ端子30bは、ソレノイドコイル14の一方の端子と電気的に接続されている。
スイッチ制御部16は、リセットIC38で構成されるタイマカウンタ回路32を有する。前記リセットIC38の入力端子38aは、ダイオード26と電気的に接続され、該リセットIC38の出力端子38bは、抵抗36を介してトランジスタ28のベース端子30cと電気的に接続され、さらに、前記リセットIC38の接地端子38cは、接地されている。
この場合、前記入力端子38aは、前記リセットIC38の電源端子の役割も兼ねている。さらに、前記リセットIC38は、図示しないタイマを有し、前記電圧の供給時(図3Eに示す時刻T0)から所定時間経過すると(図3Eに示す時刻T2以降)、制御信号の生成を停止する。
ここで、時刻T0(図3E参照)でスイッチ24を閉じると、前記入力端子38aには、電源電圧V0が印加されてリセットIC38が起動すると共に、前記リセットIC38では制御信号が生成され、前記生成された制御信号は、抵抗36を介してトランジスタ28のベース端子30cに供給される。
電圧生成部20は、直流電源22の電源電圧V0を所定電圧にまで降圧し、前記降圧した所定電圧をパルス電圧とするパルス信号を所定時間毎に出力するスイッチングIC(電圧調整部)40と、前記パルス信号を平滑化して第2電圧V2を生成する平滑回路42とを有し、前記スイッチングIC40の入力端子44aは、ダイオード26と電気的に接続され、グランド端子44bは接地されている。また、前記入力端子44aと前記グランド端子44bとの間には、コンデンサ46が電気的に接続されている。前記コンデンサ46は、前記入力端子44aに印加される電源電圧V0に含まれた高周波成分を除去するバイパスコンデンサである。
また、スイッチングIC40の出力端子44cとブースト端子44dとの間には、コンデンサ48が電気的に接続されている。前記コンデンサ48は、前記入力端子44aに電源電圧V0が印加された際に、前記スイッチングIC40が確実にスイッチング動作を行って、前記出力端子44cから前記パルス信号が出力されるように設けられたブーストコンデンサである。
平滑回路42では、出力端子44cに対してコイル50が電気的に接続され、前記コイル50は、ダイオード52を介してソレノイドコイル14と電気的に接続されている。この場合、前記コイル50の出力端子44c側は、ダイオード54を介して接地され、一方で、該コイル50の前記ダイオード52側は、コンデンサ56、58の並列回路を介して接地されている。さらに、前記コイル50のダイオード52側は、抵抗60を介してスイッチングIC40のフィードバック端子44eと電気的に接続され、該フィードバック端子44eは、抵抗62を介して接地されている。
なお、前記フィードバック端子44eには、前記第2電圧V2の一部がフィードバック電圧として印加される。この場合、前記フィードバック電圧の大きさは、前記抵抗60及び前記抵抗62の抵抗値によって決定される。また、ダイオード52は、ソレノイドコイル14から電圧生成部20の方向に流れる電流を阻止するための回路保護用のダイオードである。
スイッチ部18は、トランジスタ28で構成され、スイッチ制御部16より前記トランジスタ28のベース端子30cに制御信号が供給されると、前記制御信号のパルス幅T1(図3B参照)の時間だけエミッタ端子30aとコレクタ端子30bとの間がオン状態となり、前述したパルス幅T1の時間だけ電源電圧V0が第1電圧V1(図3D参照)として電磁弁12Aのソレノイドコイル14に印加される。一方、時刻T2(図3E参照)以降における前記制御信号の供給停止時間では、前記エミッタ端子30aと前記コレクタ端子30bとの間がオフ状態となり、電圧生成部20で生成された第2電圧V2が電磁弁12Aのソレノイドコイル14に印加される。
また、スイッチ制御部16に対して抵抗64及びLED66が電気的に並列接続されている。
ここで、ソレノイドコイル14に第1電圧V1又は第2電圧V2が印加されると、抵抗64及びLED66を流れる電流によって該LED66が発光するので、前記LED66の発光を視認することにより、前記ソレノイドコイル14に前記第1電圧V1又は前記第2電圧V2が印加されて電磁弁12Aが駆動状態になっていることを確認することができる。
また、ソレノイドコイル14に対する第1電圧V1又は第2電圧V2の印加が停止すると、該ソレノイドコイル14に発生する逆起電力に起因した電流がダイオード68を流れることにより、該逆起電力は速やかに減衰する。
そして、上記したスイッチ制御部16、スイッチ部18、電圧生成部20、ダイオード26、52、68、抵抗64及びLED66は、基板70上に実装される。
このように、第1の具体例では、スイッチング電源としての電圧生成部20がスイッチングIC40と平滑回路42とを有することにより、前記第2電圧V2の時間的な変動が抑制されて、より少ない消費電力で電磁弁12Aの駆動状態を維持することが可能となる。
また、タイマカウンタ回路32をリセットIC38で構成すると、電源電圧V0を利用して前記制御信号が生成されるので、前記制御信号を生成するために必要な専用電源が不要となり、電磁弁駆動回路10の小型化を実現することができる。また、前記リセットIC38による前記制御信号の生成停止によって前記制御信号のパルス幅T1、すなわち、トランジスタ28のオン状態の時間(ソレノイドコイル14に対する第1電圧V1の印加時間)が決定されるので、電磁弁12Aを容易に駆動制御することができる。
図12は、第2実施形態に係る電磁弁12Bの具体例(第2の具体例)を示す回路図である。
この場合、電磁弁12Bでは、スイッチ制御部16が、タイマカウンタ回路32、PWM回路84及びPNP型のトランジスタ86や、これらと電気的に接続された抵抗39、88〜92を内蔵したカスタム型のICで構成されている。
すなわち、前記スイッチ制御部16において、タイマカウンタ回路32は、リセットIC38及び抵抗39で構成され、前記リセットIC38の入力端子38aは、コンデンサ94及びコンデンサ96を介してダイオード26と電気的に接続され、一方で、その出力端子38bは、抵抗39を介してトランジスタ86のベース端子98cと電気的に接続されている。また、前記リセットIC38の電源端子38fは、ダイオード26と電気的に接続され、一方で、接地端子38cは接地されている。前記コンデンサ94は、時刻T0(図7F参照)でスイッチ24を閉じた際に電源電圧V0に含まれた高周波成分を除去するバイパスコンデンサである。
また、PWM回路84は、タイマーIC100及び抵抗88で構成され、前記タイマーIC100の第1入力端子100aは、コンデンサ102を介してコンデンサ94と電気的に接続され、第2入力端子100bは、コンデンサ104を介して前記コンデンサ94と電気的に接続され、一方で、出力端子100cは、前記抵抗88を介してトランジスタ86のベース端子98cと電気的に接続されている。さらに、前記タイマーIC100の電源端子100dは、ダイオード26と電気的に接続され、一方で、グランド端子100eは接地されている。
前記タイマーIC100は、図示しないタイマを内蔵し、電源電圧V0の供給時(図8Fの時刻T0)から繰り返し周期T5毎にパルス幅T4(図8C参照)を有する第2パルス信号を生成する。
なお、抵抗39、88は、トランジスタ86に対するバイアス抵抗である。
ここで、時刻T0でスイッチ24を閉じると、前記電源端子38f、100dには、電源電圧V0が印加されてリセットIC38及びタイマーIC100が起動する。
そして、リセットIC38が起動した状態で、直流電源22よりスイッチ24、ダイオード26、コンデンサ94及びコンデンサ96を介して前記リセットIC38の入力端子38aに電源電圧V0が印加されると、第1パルス信号が生成され、前記生成された第1パルス信号は、抵抗39を介してトランジスタ86のベース端子98cに供給される。
この場合、コンデンサ96の静電容量を調整することにより、前記第1パルス信号のパルス幅T1を変化させることが可能である。
一方、タイマーIC100が起動した状態で、直流電源22よりスイッチ24、ダイオード26、コンデンサ94及びコンデンサ102を介して第1入力端子100aに電源電圧V0を供給すると共に、前記コンデンサ94及びコンデンサ104を介して第2入力端子100bに電源電圧V0を供給すると、前記タイマーIC100内で第2パルス信号が生成され、前記生成された第2パルス信号は、抵抗88を介してトランジスタ86のベース端子98cに供給される。
この場合、前記第2パルス信号の繰り返し周波数は、コンデンサ102の静電容量を調整することにより変化させることが可能であり、一方で、前記デューティ比は、コンデンサ104の静電容量を調整することにより変化させることが可能である。
トランジスタ86は、エミッタ端子98aがダイオード26と電気的に接続され、コレクタ端子98bが抵抗90、92を介して接地されている。また、前記抵抗90と前記抵抗92とは、スイッチ部18を構成するPチャネル型で且つエンハンスメントタイプのMOSFET110のゲート端子(第3端子)112cと電気的に接続されている。
この場合、前記トランジスタ86のベース端子98cは、リセットIC38の出力端子38b及びPWM回路84の出力端子100cとワイヤードOR形式で電気的に接続されている。そのため、電磁弁12Bが駆動状態のとき、前記トランジスタ86のベース端子98cには、前記第1パルス信号及び前記第2パルス信号のうち、いずれかの一方のパルス信号が供給されることになる。
ここで、スイッチ24が閉じた状態で、前記トランジスタ86のベース端子98cに前記第1パルス信号又は前記第2パルス信号が供給されると、前記第1パルス信号又は前記第2パルス信号のパルス幅T1、T4(図8B及び図8C参照)の時間だけ前記エミッタ端子98aと前記コレクタ端子98bとの間がオン状態となり、前記オン状態の時間(前記各パルス幅T1、T4)だけ前記抵抗90、92の直列回路に電源電圧V0が印加される。この結果、前記直列回路の分圧によって前記抵抗92に印加される電圧をパルス電圧とし且つ前記オン状態の時間をパルス幅とするパルス信号が制御信号として、MOSFET110のゲート端子112cに供給される。
スイッチ部18は、図2に示すスイッチ部18と同様に、MOSFET110とダイオード114とから構成され、前記MOSFET110のソース端子(第1端子)112aは、ダイオード26と電気的に接続される一方で、ドレイン端子(第2端子)112bは、ソレノイドコイル14と電気的に接続されている。
図12において、スイッチ制御部16より前記MOSFET110のゲート端子112cに制御信号が供給されると、図8B及び図8Cに示すように、前記制御信号のパルス幅、すなわち、前記第1パルス信号のパルス幅T1又は前記第2パルス信号のパルス幅T4の時間だけソース端子112aとドレイン端子112bとの間がオン状態となり、前述したパルス幅T1、T4の時間だけ電源電圧V0が第1電圧V1(第1の電圧)又は第2電圧V2(第2の電圧)として電磁弁12Bのソレノイドコイル14に印加される。
直流電源22の負極とコンデンサ94との間には、ダイオード116が電気的に接続されている。前記ダイオード116は、直流電源22の負極から前記コンデンサ94の方向に流れる電流を阻止するための回路保護用のダイオードであり、該ダイオード116のアノード側は接地されている。
また、スイッチ制御部16に対して抵抗64及びLED66が電気的に並列接続され、ソレノイドコイル14に対してダイオード68が電気的に並列接続されている。
そして、上記したスイッチ制御部16、スイッチ部18、ダイオード26、68、116、抵抗64、LED66及び各コンデンサ94、96、102、104は、基板70上に実装されている。
このように、第2の具体例では、コンデンサ96の静電容量を調整することにより、前記第1パルス信号のパルス幅T1を変化させることができるので、電磁弁12Bの起動制御を効率よく行うことが可能となる。また、コンデンサ102の静電容量を調整することにより、前記第2パルス信号の繰り返し周波数を変化させ、さらに、コンデンサ104の静電容量を調整することにより、前記第2パルス信号のデューティ比を変化させることができるので、例えば、前記繰り返し周波数を高くすれば、前記電磁弁12Bの駆動状態を維持する時間領域(時刻T2〜T3)において、ソレノイドコイル14を流れる電流の変動を抑制することができ、該ソレノイドコイル14の消費電力をさらに低減することが可能となる。また、前記デューティ比が調整可能となるので、前記電磁弁12Bの駆動状態を効率よく維持することができる。
前述したように、コンデンサ96、102、104の静電容量により前記第1パルス信号のパルス幅T1、前記第2パルス信号の繰り返し周波数及び前記デューティ比が変化するので、電磁弁12Bの仕様によって電源電圧V0の電圧値を変更しても、前記パルス幅T1、前記繰り返し周波数及び前記デューティ比が変動することはない。換言すれば、前記電源電圧V0の電圧値を変更しても、スイッチ制御部16及びスイッチ部18を安定に動作することができる。この結果、電磁弁駆動回路10の使用電圧の範囲(電源電圧V0の範囲)を広範囲にすることが可能となる。
さらにまた、スイッチ部18内にMOSFET110を配置することにより、前記スイッチ部18を構成する半導体素子のインピーダンスを低減することができる。
上述した第2の具体例(図12参照)では、コンデンサ96の静電容量を調整することにより前記第1パルス信号のパルス幅T1を変化させ、コンデンサ102の静電容量を調整することにより前記第2パルス信号の繰り返し周波数を変化させ、コンデンサ104の静電容量を調整することにより前記第2パルス信号のデューティ比を変化させるようにしているが、この構成に代えて、図13に示すように、前記パルス幅T1を調整可能なパルス幅調整回路170、前記繰り返し周波数を調整可能な繰り返し周波数調整回路172及び前記デューティ比を調整可能なデューティ比調整回路174を電磁弁駆動回路10内に配置することも可能である。前記パルス幅調整回路170、前記繰り返し周波数調整回路172及び前記デューティ比調整回路174は、いずれも、前記パルス幅T1、前記繰り返し周波数又は前記デューティ比のデータを記憶したメモリを備え、前記メモリから読み出した前記データをリセットIC38又はタイマーIC100に出力する。これにより、電磁弁12Bの仕様に応じて、前記メモリ内に記憶されたデータを変更し、前記第1パルス信号のパルス幅T1、前記第2パルス信号の繰り返し周波数及び前記デューティ比を所望の値に適宜設定することが可能となる。
図14は、第2実施形態に係る電磁弁12Bの他の具体例(第3の具体例)を示す回路図である。
前記第3の具体例では、スイッチ制御部16がタイマカウンタ回路32、PWM回路84、定電圧回路120及びスイッチ122を内蔵したカスタム型のICで構成され、前記スイッチ制御部16の入力側にダイオード124及び突入電流制限用の抵抗126を電気的に接続し、前記タイマカウンタ回路32の入力側に抵抗130及びコンデンサ132を電気的に接続し、前記PWM回路84の入力側に抵抗134、138、140を電気的に接続している点で、前記第2の具体例(図12及び図13参照)とは異なる。
ここで、定電圧回路120の入力端子120aは、抵抗126及びダイオード124を介してスイッチ24と電気的に接続され、第1出力端子120bは、コンデンサ136及び抵抗140と電気的に接続され、第2出力端子120cは、スイッチ122の電圧制御端子122cと電気的に接続されている。また、タイマカウンタ回路32の第1入力端子32aは、抵抗130の一端側と電気的に接続され、第2入力端子32bは、該抵抗130の他端側及びコンデンサ132と電気的に接続され、出力端子32cは、前記スイッチ122の第1入力端子122aと電気的に接続されている。さらに、PWM回路84の第1入力端子84aは、抵抗134と電気的に接続され、第2入力端子84bは、抵抗138、140と電気的に接続され、出力端子84cは、前記スイッチ122の第2入力端子122bと電気的に接続されている。さらにまた、前記スイッチ122の出力端子122dは、MOSFET110のゲート端子112cと電気的に接続されている。
そして、抵抗126は、コンデンサ128及びLED66を介して接地され、定電圧回路120の第1出力端子120bは、コンデンサ136及び前記LED66を介して接地され、抵抗134、138及びコンデンサ132も前記LED66を介して接地されている。また、ソレノイドコイル14に対してダイオード68が電気的に並列接続されている。
定電圧回路120は、スイッチ24がオン状態となったときに入力端子120aに印加された電源電圧V0に基づいて、タイマカウンタ回路32及びPWM回路84を起動し、前記電源電圧V0を所定時間(図15Eの時刻T0〜T2)だけ第2出力端子120cより電圧制御端子122cに供給し、所定の電圧を第1出力端子120bよりコンデンサ136及び抵抗140に供給する。
ダイオード124は、抵抗126から直流電源22の正極の方向に流れる電流を阻止するための回路保護用のダイオードである。
抵抗126は、スイッチ24をオン状態としたとき(図15Eの時刻T0)に発生する大電流(突入電流)がスイッチ制御部16に流れることを阻止するための突入電流制限用の抵抗である。
この場合、コンデンサ128の静電容量を調整することにより、スイッチ制御部16(電磁弁駆動回路10)の瞬断時間を変化させることが可能である。また、抵抗130の抵抗値及びコンデンサ132の静電容量を調整することにより、前記第1パルス信号のパルス幅T1(図15A参照)を変化させることが可能である。さらにまた、抵抗134の抵抗値を調整することにより、前記第2パルス信号(図15B参照)の繰り返し周波数を変化させることが可能である。さらにまた、抵抗138、140の抵抗値を調整することにより、前記第2パルス信号のデューティ比を変化させることが可能である。なお、コンデンサ136は、前記電圧に含まれる高周波成分を除去するバイパスコンデンサである。
さらに、スイッチ122は、定電圧回路120から電圧制御端子122cに電源電圧V0が供給される時間(図15Eの時刻T0〜T2)では、第1入力端子122aと出力端子122dとの間をオンにして、タイマカウンタ回路32の出力端子84cからの第1パルス信号をMOSFET110のゲート端子112cに供給する。また、スイッチ122は、電圧制御端子122cに対する電源電圧V0の非供給時間(図15Eの時刻T2以降の時間)では、第2入力端子122bと前記出力端子122dとの間をオンにして、PWM回路84の出力端子84cからの第2パルス信号をMOSFET110のゲート端子112cに出力する。
すなわち、図15A〜図15Eに示すように、時刻T0でスイッチ24(図14参照)を閉じると、定電圧回路120の入力端子120aに電源電圧V0が印加され、この結果、タイマカウンタ回路32及びPWM回路84が起動し、定電圧回路120の第2出力端子120cよりスイッチ122の電圧制御端子122cに電源電圧V0が供給されて、該スイッチ122の第1入力端子122aと出力端子122dとの間がオンとなる。
そして、タイマカウンタ回路32が起動した状態で、直流電源22よりスイッチ24、ダイオード124、抵抗126、コンデンサ128、132(及び抵抗130)を介して第1及び第2入力端子32a、32bに電源電圧V0を供給すると、該タイマカウンタ回路32は、パルス幅T1(図15A参照)の第1パルス信号を生成し、前記生成した第1パルス信号を出力端子32cからスイッチ122の第1入力端子122aに供給する。
一方、PWM回路84が起動した状態で、直流電源22よりスイッチ24、ダイオード124、抵抗126、コンデンサ128及び抵抗134を介して第1入力端子84aに電源電圧V0を供給すると共に、定電圧回路120の第1出力端子120bより抵抗140を介して第2入力端子84bに前記電圧を供給すると、前記PWM回路84は、パルス幅T4及び繰り返し周期T5(図15B参照)の第2パルス信号を生成し、前記生成したパルス信号を出力端子32cからスイッチ122の第2入力端子122bに供給する。
この場合、スイッチ122は、時刻T0〜T2(図15E参照)では、前記第1パルス信号をMOSFET110のゲート端子112cに供給し、一方で、時刻T2〜T3では、定電圧回路120から電圧制御端子122cへの電源電圧V0の供給が停止して、第2入力端子122bと出力端子122dとの間がオンとなるので、前記第2パルス信号をMOSFET110のゲート端子112cに供給する。
MOSFET110は、前記第1パルス信号のパルス幅T1又は前記第2パルス信号のパルス幅T4の時間だけソース端子112aとドレイン端子112bとの間をオン状態とし、前述したパルス幅T1、T4の時間だけ電源電圧V0を第1電圧V1(第1の電圧)又は第2電圧V2(第2の電圧)として電磁弁12Bのソレノイドコイル14に印加する。
なお、第3の具体例では、スイッチ制御部16は、パルス幅T1の負極性の第1パルス信号、パルス幅T1の負極性の第2パルス信号をゲート端子112cに供給するが、図15A〜図15Cでは、前記第1パルス信号、前記第2パルス信号及びゲート端子112cの入力(前記第1パルス信号及び前記第2パルス信号)に関する説明で容易に理解できるように、図3B、図8B〜図8D及び図10B〜図10Dと同様に、電源電圧V0、第1電圧V1、第2電圧V2、及びソレノイドコイル14を流れる電流(図15D及び図15E参照)の極性に合わせ、前記第1パルス信号、前記第2パルス信号及び前記入力を正極性に反転させて図示している。
そして、上記したスイッチ制御部16、スイッチ部18、ダイオード26、68、124、LED66、抵抗126、130、138、140及びコンデンサ128、132、136は、基板70上に実装されている。
このように、第3の具体例では、突入電流制限用の抵抗126を設けることにより、電磁弁12Bの起動時(スイッチ24のオン時)に発生する大電流(突入電流)がスイッチ制御部16に流れることを抵抗126にて阻止することが可能となり、この結果、該突入電流に起因する電源電圧V0の変動によるスイッチ制御部16(制御信号)への影響を回避することができる。
また、コンデンサ128の静電容量を調整してスイッチ制御部16の瞬断時間を変化させることにより、瞬断後に電磁弁12Bを速やかに再起動させることが可能になる。
さらに、抵抗130の抵抗値及びコンデンサ132の静電容量を調整して、前記第1パルス信号のパルス幅T1を変化させることにより、電磁弁12Bの起動制御を効率よく行うことができる。
さらにまた、抵抗134の抵抗値を調整して、前記第2パルス信号の繰り返し周波数を変化させることにより、電磁弁12Bの駆動状態を維持する時間領域(時刻T2〜時刻T3の時間)において、ソレノイドコイル14を流れる電流の変動を抑制することができ、該ソレノイドコイル14の消費電力をさらに低減することが可能となる。また、抵抗138、140の抵抗値を調整して、前記第2パルス信号のデューティ比を変化させることにより、電磁弁12Bの駆動状態を効率よく維持させることができる。
前述したように、第3の具体例では、コンデンサ128、132の静電容量及び抵抗130、134、138、140の抵抗値により前記第1パルス信号のパルス幅T1、前記第2パルス信号の繰り返し周波数及び前記デューティ比が変化するので、第2の具体例(図12及び図13参照)と同様に、電磁弁12Bの仕様によって電源電圧V0の電圧値を変更しても、前記パルス幅T1、前記繰り返し周波数及び前記デューティ比が変動することはない。換言すれば、前記電源電圧V0の電圧値を変更しても、スイッチ制御部16及びスイッチ部18を安定に動作させることができる。この結果、電磁弁駆動回路10の使用電圧の範囲(電源電圧V0の範囲)を広範囲とすることが可能となる。
そして、上述した第3の具体例(図14参照)では、図13と同様に、抵抗130、134、138、140及びコンデンサ132に代えて、図16に示すように、前記パルス幅T1を調整可能なパルス幅調整回路170、前記繰り返し周波数を調整可能な繰り返し周波数調整回路172及び前記デューティ比を調整可能なデューティ比調整回路174を電磁弁駆動回路10内に配置することが可能である。この場合でも、電磁弁12Bの仕様に応じて、前記パルス幅調整回路170、前記繰り返し周波数調整回路172及び前記デューティ比調整回路174の各メモリ内に記憶されたデータを変更することにより、前記第1パルス信号のパルス幅T1、前記第2パルス信号の繰り返し周波数及び前記デューティ比を所望の値に設定することが可能となる。
また、上述した図13及び図16に示す第2及び第3の具体例では、スイッチ制御部16、パルス幅調整回路170、繰り返し周波数調整回路172及びデューティ比調整回路174をカスタム型のICとして電磁弁駆動回路10内に配置することも可能である。
さらに、上述した第1〜第3実施形態に係る電磁弁12A〜12Cでは、市販の電磁弁のソレノイドコイルにケーブルを介して前記電磁弁駆動回路10を電気的に接続した構成や、前記電磁弁駆動回路10をユニット化して前記市販の電磁弁に外付けした構成や、市販の電磁弁マニホールドに前記ユニット化した電磁弁駆動回路10を外付けした構成も可能である。
さらにまた、上述した第1〜第3実施形態に係る電磁弁12A〜12Cでは、トランジスタ28、86がPNP型のトランジスタであり、MOSFET110がPチャネル型で且つエンハンスタイプのMOSFETであるが、トランジスタ28、86をNPN型のトランジスタとし、MOSFET110をNチャネル型で且つエンハンスタイプのMOSFETとする構成も可能である。この場合には、トランジスタ28、86のベース端子30c、98cや、MOSFET110のゲート端子112cに正極性のパルス信号を供給できるように、電磁弁駆動回路10内を変更することが必要である。
さらにまた、上述した第1〜第3実施形態に係る電磁弁12A〜12Cでは、スイッチ24とスイッチ部18との間に回路保護用(逆接続保護用)のダイオード26を電気的に接続しているが、このダイオード26に代えて、無極性のダイオードブリッジを電気的に接続することも可能である。
なお、本発明に係る電磁弁及び電磁弁駆動回路は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることは勿論である。